2008-06-30(Mon)

道路特定財源の一般財源化(骨太2008)をどう読むか

「骨太2008」における「道路特定財源の一般財源化」

福田内閣が閣議決定した道路特定財源の一般財源化。「骨太2008」に下記のように盛り込まれた。
国民の世論、野党の追及で、一般財源化を方針に掲げざるを得なくなった。

当然、10年間特定財源と暫定税率を維持する「道路財源特措法」(5月13日に3分の2で再可決した法律)は廃止されることになるはずだ。

「平成20年の税制抜本改正時に廃止、平成21年度から一般財源化」というのであれば、道路特定財源関連法律の廃止法を出す必要がある。『道路財源特措法」のほかにも、地方道路法、地方税法など税の使い道を道路に限定した条文を削除、改定する必要がある。こういう手続きは明確ではないが、「平成20年の税制抜本改正時」とは、どの時点をさすのか、税制抜本改正が先送りされたら一般財源化も先送りされるのではないか、など不明確である。

「生活者の目線でその使い方を見直す。」とは、具体的にどういうことか。福田首相は、医者不足対策などにまわすようなそぶりだが、そもそも道路予算が減らなければ、一般財源化されても他にまわす余裕は生まれない。

道路財源の分捕り合戦などと報道されているが、そもそも一般財源化すれば、全体の予算とされるわけだから、社会保障費や公共事業費など全体の予算配分がどうなるかによって、一般財源化された税金がどのように配分されるか決まってくる。

道路予算がこれまでと同じように確保されるならば、ほんとうの意味での「一般財源化」とはいえない。「必要と判断される道路は着実に整備する。 」という文言が道路族の圧力で挿入されている。ここに、「一般財源化」が頓挫する可能性を見ることが出来る。

もうひとつ、「一般財源化」を骨抜きにする文言がある。「道路の中期計画は5年とし、最新の需要推計などを基礎に新たな整備計画を策定」するとしていることだ。中期計画を10年から5年にするだけで、総額59兆円をどうするのか不明である。仮に半額29・5兆円なら同じだし、極論すれば、見直しのすえに増額する可能性も否定できない。

これは、総額を先に決めるやり方をやめない限り、本当の意味の「一般財源化」とは相容れないということだ。使途が限定されていない税金を道路整備だけに総額を決めれば特定財源と変わらないことになる。

さらに、どういう道路に税金をつぎ込むのか。政府の道路政策の中心は高速道路ネットワークをつなぐことにある。14000kmの高規格幹線道路、6850kmの地域高規格道路、こういう高速道路をつなごうという計画だ。これが中期計画では40%をしめている。高速道路の新規建設を中心にした政府の道路政策をやめるのかどうか。ここに一般財源化するかどうかの試金石がある。

先の国会で、海峡横断道路の調査を中止した。国幹会議に諮らないで、道路局長の決済で工事着工していた9342kmの高速国道以外の高規格幹線道路については、社会資本整備審議会に諮るようにするなど工事着工手続きを見直すことにもなった。

若干の手直しをせざるを得なくなったものの、まだまだ、高速道路建設に固執する勢力は巻き返しを図ってくるだろう。それを許さないためにも、住民参加の運動が重要になっている。




2008年6月27日閣議決定

「経済財政改革の基本方針2008」~開かれた国、全員参加の成長、環境との共生~
(略)
2.道路特定財源の一般財源化

【改革のポイント】
「道路特定財源等に関する基本方針」に基づき、道路特定財源制度は平成20年の税制抜本改革時に廃止し平成21年度から一般財源化し、生活者の目線でその使い方を見直す。

【具体的手段】
・道路特定財源制度は、道路特定財源等に関する関係閣僚会議における具体化の検討を踏まえ、平成20年の税制抜本改革時に廃止し平成21年度から一般財源化する。その際、地方財政に影響を及ぼさないように措置するとともに、必要と判断される道路は着実に整備する。

・暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取組、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、平成20年の税制抜本改革時に検討する。

・道路の中期計画は5年とし、最新の需要推計などを基礎に新たな整備計画を策定し、平成20年度道路予算の執行にも厳格に反映する。

・道路事業は、経済社会状況の最新のデータに基づいたPDCAの厳格な実施、事業評価に関する第三者機関の機能の拡充、実績が事前の評価を下回る事例の十分な把握等を通じ、不断の見直しを行いつつ計画的に実施する。



注)PDCA(Plan-Do-Check-Action) <nikkeibp.より>
 PDCAとは、「Plan(計画)」、「Do(実施)」、「Check(点検)」「Action(是正処置)」のイニシャルをとったものであり、事業活動のサイクルのこと。つまり、事業を行う際にまず計画(Plan)を立て、それを実施(Do)し、計画内容通りに実行されたかどうか、点検し(Check)、問題や改善点などがあれば、是正処置を(Action)行うという一連の流れのことである。マネジメントシステム(方針及び目標を定め、それを達成するためのシステム)用語であり、ISOのマネジメントシステムは必ずこの流れに沿っていることが求められる。


「骨太2008」の全文
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizai/kakugi/080627kettei.pdf#search='経済財政改革の基本方針2008'

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2008-06-30(Mon)

淀川水系ダム 「過大被害想定」 反省のない国交省

「被害想定」を過大に評価 あきれる国交省のでたらめぶり
       高速道路の将来交通量予測の見直し作業始めたばかりなのに・・・


29日に滋賀県知事との会談のさい、大戸川流域の洪水被害想定が過大であったことが発覚した。

ダム予定地の上流での被害をダム建設のない場合の被害として想定して、いかにもダムがなければ被害が大きくなるという数値を示していた。

「ダムありき」なら数値の操作も屁の河童ということか。

思い出すのは、需要予測を過大に見積もり、莫大な建設費を投じてつくったにもかかわらず、いまでは大赤字の高速道路事業だ。東京湾アクアラインや本四架橋など枚挙にいとまがない。

つい先だって道路特定財源問題が議論された国会でも、高速道路の将来需要予測を古いデータで計算して、大きく見積もり、費用便益が建設着手にゴーサインを出す目安の1.2以上になる、とごまかそうとしていた。民主党に追及されて見直さざるを得なくなった。

今回の被害想定の過大見積もりを正確に反映して再評価すれば、費用便益は低下するはずだ。
国交省は、大戸川ダムの費用便益は1.4ということらしいが、ほとんど効果はないに等しいということになるのではないか。

しかも、ダムは高速道路以上に直接的に環境・自然を破壊する。費用便益評価の中で、環境影響評価は、環境破壊等によるマイナス面をゼロに近づける意味しか持たない。環境破壊等は、費用便益ではマイナス要因にしかなりえない。ところが、このマイナス要因は数値化が難しいとして、加味されていない。

橋下知事がダムの「優先順位は高くない」と言ったが、高くないどころか費用便益をまともに評価すれば、マイナス=有害ということになるのではないか。

「負の遺産」を残すな!である。

朝日新聞 2008年6月29日23時59分
淀川水系ダム 滋賀県知事、国の被害想定「大きすぎ」
 国土交通省近畿地方整備局が淀川水系で建設を計画する4ダムをめぐり、滋賀県の嘉田由紀子知事は29日、県公館で整備局の布村明彦局長と会談し、「必要性が納得できたわけではない」と慎重姿勢を示した。中でも、大戸川(だいどがわ、大津市)流域の洪水被害想定は現実に比べて大きすぎるとして、不快感をあらわにした。
 布村局長は大戸川ダムなど4ダムの建設を盛り込んだ河川整備計画案を説明。嘉田知事は「財政的なバランスの中で施策を選ばないといけない」と応じた。
 そのうえで嘉田知事は、大戸川ダムの効果を示すシミュレーション結果に疑問を呈した。流域では1982年の台風10号による戦後最大規模の洪水で、ダム予定地上流で210戸、下流で約10戸が浸水。だが、全く同じ洪水を想定したシミュレーションでは下流で481戸が浸水し、ダムがあれば46戸にとどまるとしている。
 1953年の大雨でも流域で44人が死亡したが、犠牲者はダム予定地上流に集中していたという。嘉田知事は「なぜ実際の被害と違うのか、県民に説明できない。シミュレーションは机の上でできるが、実際の被害は現場を見なければならない」と詰め寄った。
 同席した整備局河川部の谷本光司部長は「調べて返事をしたい」と回答。整備局は同日深夜、「計画高水位(河川内を安全に流せる水位)を超えたら破堤するものとして算定した」との説明文を報道各社にファクスで送った。堤防は通常、一時的な水位上昇に備えた「余裕高」と呼ばれる部分があり、計画高水位を超えてもすぐには破堤しない。
 嘉田知事は会談後、「被害を強調するデータで大変不満だ」と報道陣に話した。整備局が求める8月中の知事意見提示については「大変責任ある計画に対する意見。極めて難しいだろう」と述べた。
 27日に整備局から説明を受けた大阪府の橋下徹知事は、府の財政難を理由に「(ダム建設の)優先順位は高くない」との考えを示していた。(柳谷政人)

産経新聞 2008.6.30 02:30
ダム効果を過大に表現 近畿地方整備局、試算の数値を操作し知事に説明 
 淀川水系河川整備計画案について、近畿地方整備局から嘉田由紀子知事に対して行われた29日の説明。この説明により、同局がこれまで大戸川ダム(大津市)の建設で「改良」されるとしてきた数値が、実はダム建設とは関係ない部分を都合良く加えたり削ったりして操作した数字だったことが、明らかになった。“ダムありき”ととられかねない同局の姿勢に批判の声も集まりそうだ。
 この数値は、同局が「ダムの効果」として示したうち、県内で大きな被害を出した昭和57年の台風10号級の洪水が発生したとするシミュレーションの浸水家屋数。ダムがない場合「床上浸水350戸、床下浸水131戸」と試算したうえで、ダムができた場合には床上13戸、床下33戸に減少するとしていた。
 ところが、この「ダムがない場合」の浸水家屋に、ダム建設予定地より上流の甲賀市信楽町黄瀬付近での被害が入り、「ダム建設後」の数字では同地域の正確な被害数は含まれないという「欺瞞」があることが、この日の説明で明らかになった。
 同局の谷本光司・河川部長は「大戸川全体の被害としては間違っていないが、ダムができたとしても被害がなくなるとはいえない」と説明、改めてシミュレーションをし直す考えを示した。一方、嘉田知事は、「シミュレーションは資料で結果が変わる。いくつかの事例を示すことが大事だが、今回の試算は現実と大きく離れており、不満」と批判している。
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2008-06-28(Sat)

淀川水系ダム優先順位高くない (大阪橋下知事) これは正論だ!

ダムの「優先順位は高くない」 正論貫くべし

財政再建に執念を燃やし、大阪府民の生活や弱者にもいささか厳しい削減策を提案した橋下知事。

大阪の財政破綻の根本原因は、関西空港やリンクータウンなど

90年代に湯水の如くつぎ込んだ大型公共投資にあるのだが、

いまでも、新名神高速(第二名神)や阪神高速大和川線などの高速道路事業、

「箕面森町」開発など環境自然破壊の開発事業など大型開発を中止しようとはしていない。

先日、関西空港株式会社の利用促進事業の負担金の削減を国交省に要望した。

大阪府の負担金は、利用促進事業の年間運営費は7億円のうち2億4600万円。

国は、関空の経営補填のために給付金として年90億円(03年から30年間)補給している。

道路や河川など国直轄事業への負担金が地方財政を圧迫しているのが現状だ。

だとしたら、国に対してもっと声を大にして拒否の姿勢を貫くべきではないか。

今回の橋下知事のダムは「優先順位は高くない」という発言は当然である。

問題は、国交省側の発言だ。

「一方、整備局河川部の谷本光司部長は、計画案が今後30年間の対策を盛り込んでいることを念頭に「30年間もお金が出せないほど大変なのか。財政再建すれば収入が上がり、一緒にインフラ整備ができる」と述べ、理解を求めていく考えを示した。」

この記事は、インターネット配信にしか掲載されていなかったようだが、

いったい誰のお金をせびろうとしているのか。税金だど!

借金で苦しんでいる相手に、30年間税金収入にたかり、高い買い物せよというのか。

まるで、マチ金から借金してでもモノを買わせようとしている悪徳商法のような言い分だ。

しかも、そのものは役に立たない不良品、あるいは「負の遺産」になるシロモノ。

まったく許し難い。



朝日新聞 2008年6月28日
橋下知事、淀川ダム計画に慎重姿勢表明
 大阪府の橋下徹知事は27日、国土交通省近畿地方整備局の布村明彦局長に会い、淀川水系の河川整備計画案について「府の財政状況を見ると、整備局と優先順位は一致しない」と述べ、4ダム建設に慎重な姿勢を示した。府は巨額の負担金を求められるだけに、橋下知事の姿勢が今後の整備計画の行方に影響する可能性も出てきた。
 この日は布村局長が橋下知事に計画案を説明。同案には大戸川ダム(大津市)など4ダムが盛り込まれた。形状が決まっている3ダムの総事業費は約2740億円。府はこのうち400億円以上を負担する見通しだ。
 これまで計画案への態度を明確に表明してこなかった橋下知事は、大幅な歳出削減を進める府の現状を説明したうえで、「治水は行政の長として必要だと思うが、お金の使い方が整備局と一致する状況ではない」と強調。布村局長は「主張は真摯(しんし)に受け止めて調整する」と語った。
 橋下知事は会合後、「すぐに堤防決壊で多くの命が失われるなら優先順位を上げるが、学校の耐震化ですらできていない状況では優先順位が高いとは言えない。100年に1回の雨を考えて莫大(ばくだい)な金をかけなきゃいけないのか」と報道陣に語り、ダムの緊急性について疑問を呈した。
 一方、整備局河川部の谷本光司部長は、計画案が今後30年間の対策を盛り込んでいることを念頭に「30年間もお金が出せないほど大変なのか。財政再建すれば収入が上がり、一緒にインフラ整備ができる」と述べ、理解を求めていく考えを示した。
 整備局は29日に滋賀県の嘉田由紀子知事、30日に京都府の山田啓二知事に説明する。その後、河川法に基づいて改めて大阪府を含む流域6府県の知事から意見を聴き、最終的な計画を決定するが、知事が反対した場合は計画が凍結される可能性もある。4ダムをめぐっては整備局の諮問機関の淀川水系流域委員会が4月に「不適切」とする意見書を整備局に提出していた。
 この日の橋下知事の慎重姿勢について、淀川水系流域委員会の宮本博司委員長は「流域委は大戸川ダムについて、淀川の洪水を下げる効果を小さくて限定的だと考えた。淀川の水位が低いのにこしたことはないが、他の大阪府の事業と比べて優先順位が低いと判断したのだろう。整備局の説明を聞いた上で、何が何でもダムが必要という結論に至らなかったのだと思う」と話した。(柳谷政人、稲垣大志郎)

産経新聞 2008.6.26 14:15
橋下知事「関西空港振興の大阪府負担金減額を」 国交省は「NO」
自民党の「無駄遣い撲滅プロジェクトチーム」の会合に向かう大阪府の橋下徹知事=25日午後、東京・永田町の党本部 大阪府の橋下徹知事は26日、国土交通省を訪れ、鈴木久泰航空局長らと会談。関西空港振興のための府の負担金を減額するよう求めたが、国交省側は引き続き、地元負担への協力を依頼した。橋下知事は会談終了後、「これまでの経緯から、府だけが負担しないというのは難しい」と述べた。
 橋下知事は会談で、「地元が負担金を出さなければ、国の補助金は削られるのか」とたずね、府の負担金削減を求めた。だが、国交省側は「振興費は国と地元が一緒に出すのが前提。過去の経緯を踏まえ、引き続き地元の協力をお願いしたい」と応じた。
 府は、地元自治体や財界とともに「関西国際空港全体構想促進協議会」を組織。平成17年度から実施している利用促進事業の年間運営費は7億円で、うち府の負担金は2億4600万円。橋下知事がまとめた「大阪維新プログラム案」では、今年度は負担金を支出するとしたが、21年度については「検討する」としていた。一方、国は関西空港の振興費として15年度から、年間90億円の補給金を支出している。
 また、橋下知事は文部科学省も訪問。松浪健四郎副大臣に高校の耐震化について「府の財政は厳しい。国の財源に頼りたい」と支援を求めた。
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2008-06-28(Sat)

淀川水系ダム問題資料(その2)

淀川水系ダム問題の国会質疑資料

国会会議録(淀川水系河川整備計画に関する質問)
第169国会 衆議院国土交通委員会 第24号 平成20年6月11日(水曜日)

○竹本委員長 これより会議を開きます。
 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
(政府参考人 河川局長 甲村謙友)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○竹本委員長 次に、穀田恵二君。

○穀田委員 きょうは、淀川水系の河川整備計画の策定について聞きたいと思います。

 四月二十五日、近畿地方整備局が諮問した淀川流域委員会が、整備局の河川整備計画原案に対する意見書を提出しました。大臣は、一つの意見として重く受けとめなければなりませんと述べています。きょうは、その重く受けとめる内容について少し確認をしていきたいと思います。

 そこで、議論の中身に入る前に、二十七日に開かれた流域委員会で、整備局側が委員会の審議打ち切りを示唆したと報道されていることは御承知かと思います。

 九七年の改正河川法に基づいて、近畿地方整備局が学識経験者からの意見聴取の場として設置したのが流域委員会であります。〇七年八月に再開した際の委員も整備局自身が選んでいます。審議が終わっていないのに国交省側が勝手に審議を打ち切ることになるとすれば、審議に協力してきた委員の方々に大変失礼であります。そればかりか、何のために審議してきたのかということになります。

 私は、審議打ち切りなどとんでもない、流域委員会を尊重すべきではないかと思いますが、その点をまずお伺いしたいと思います。

○冬柴国務大臣 淀川水系流域委員会におきましては、平成十九年八月に近畿地方整備局が作成した淀川水系河川整備計画原案につきまして、二十回に及ぶ委員会で、河川管理者から延べ二千六百ページの資料を提出、説明し、延べ九十時間にわたり熱心に議論をしていただいたと聞いております。河川管理者といたしましては、これまでの議論を通じて、環境、利水、治水の各般にわたり既に流域委員会から広範かつ十分な御意見をいただいたものと考えております。

 洪水による被害から国民の生命財産を守るという河川管理者の責務として、淀川水系の河川整備計画が策定できていない現状をこのままこれ以上続けることはできないと考えております。河川管理者としましては、流域委員会あるいは関係住民、知事を初め関係自治体の長の御意見を踏まえた上で、責任を持って適切に判断し、一日も早く河川整備計画を作成すべきである、このように考えております。

○穀田委員 そこが問題でして、つまるところ、何のために法を改正したのかということになるんだと私は思うんです。

 大臣は、この問題についての答弁で、審議時間と資料の枚数が二千六百ページに及ぶという点をいつも言うんです。しかし、四月二十五日の流域委員会の意見には「これまでの委員会の審議は決して十分に尽くされたとは言えないが、」「より良い計画の策定に資するために、現時点までに委員会で審議検討してきた課題について、意見を提示することとした。」ということで、これは明らかに途中経過であるということが明記されています。

 それで、今のお話を聞くと、要するに策定しなければ命と安全が守られないと、今までずっと策定してこなかったから守れなかったのか、そんなことはないんですね。やはり今の事態の中で、どうしたらこれは一番いい案ができるのかということでみんな真剣に議論しているのであって、この間五月十五日に参議院の国交委員会でも、もう聞いたからこれでいいんじゃないの、こう答弁しているわけですね。これでは、自分のところがお願いした委員が一生懸命議論しているのに打ち切る、どうしていい計画ができるのか、何のための委員会かと言わざるを得ないと私は思うんです。

 大臣は九七年の法改正の趣旨、そしてその法に基づいて設置された淀川流域委員会についても、私は、率直に言ってよくわかっていないんじゃないかと言わざるを得ないんですね。

 河川法改正の経過と趣旨をどのように理解しておられるのか、端的にお答えいただければありがたい。

○甲村政府参考人 平成九年に河川法を改正しておりますが、大きく二つございます。

 一つは「河川環境の整備と保全」を河川法の「目的」に加えたことでございます。これにつきましては、環境関係は従来から河川でもやっておりましたけれども、それを明確に法律に位置づけたということでございます。

 具体的には、河川法一条におきまして「この法律は、河川について、洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もつて公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進することを目的とする。」というふうに改正したわけでございます。

 二点目は、計画の立て方でございます。

 従来の河川の計画は、工事実施基本計画を河川審議会の意見を聞いて定めるということでございましたが、平成九年の改正におきまして、その中身を、基本的なものを定める河川整備基本方針と具体的な整備の計画である河川整備計画に分けまして、河川整備基本方針につきましては社会資本整備審議会の意見を聞いて定め、河川整備計画を定める際には、まず原案につきまして学識経験者、住民等の意見を聞き、それをもとに河川整備計画の案につきまして都道府県知事の意見を聞くということで、いろいろな人の意見を聞きながら案をつくって最終的には知事の意見を聞く、そういうふうに変えたわけでございます。

○穀田委員 いろいろな方の意見を聞く、つまり、計画決定段階における住民参加を大きく位置づけたと。いろいろな不十分さはありますけれども、有識者を含む住民合意を手続として位置づけて、これまで建設省など行政だけが計画をつくって、有識者や住民などにこれですよということで押しつけるやり方を改めた。つまり、計画はお上がつくり国民は従うだけだという今までのやり方を改めて、行政も有識者や住民など国民と一緒になって河川整備の計画をつくっていこうということに改めた、これが一つの眼目であるというように理解していいと思うんです。

 九七年改正当時の建設省河川局長だった尾田栄章さんは、次のように述べております。整備計画策定に関しては住民の意見を聞く仕組みにした、関係住民を含めてみんなで議論して整備計画をまとめるのが改正河川法の趣旨だ、場合によっては、ここからが大事なんですね、場合によっては基本方針にさかのぼって見直すこともあり得ると述べておられます。これは、国会でも次のように答弁しています。「基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする、」としています。

 さらに、この答弁については、当時の課長だった竹村公太郎元河川局長も、ダムがだめなら次の代替案はあるということだとまで言っておられます。

 つまり、この一連の国会答弁や河川局長の見解からすると、住民らの意見で行政のダム案がまとまらなかったならば、別の代替案を考えるということなんですね。

 したがって、流域委員会の意見を無視するということは、結局、国の決めたことに文句を言うなという発想であって、国交省が住民参加の方向への一定の転換をしたという経過それから流れというものを逆戻りさせちゃいけないということを、私は指摘しておきたいと思います。

 そこで、そういう河川法改正の趣旨が生かされているかどうか議論しましょう。まず、河川整備の基本的考え方についてです。ダムと環境の問題について問いたい。

 整備局は、計画原案で、河川の整備や利用が淀川水系や生活環境に与えてきた影響を真摯に受けとめ、生態系が健全であってこそ人は持続的に生存し活動できるとの考え方を示して、これからの河川整備と管理の取り組みを転換しなければならないとしています。

 この河川整備と管理の取り組みを転換するということを示す内容は、これまで、先ほど局長も答弁したように、配慮が弱かった、わざわざ「目的」の第一条に加えた、環境への影響をこれからは重視すると受けとめるのが普通なんですね。

 これに対して、流域委員会は、意見書においては「ダム建設については、治水・利水面から先行的に計画が検討され、その上でダムが建設された場合の環境への影響についての検討が行われ、環境への影響は「小さい」あるいは「影響は回避、低減される」と結論づけており、上記の考え方が十分に反映されているとはいえない。」としているんですね。その上に「これまでの河川整備が与えてきた河川環境への影響を真摯に受け止め、治水・利水の考え方を根本的に転換するという姿勢で、環境・治水・利水を総合的に検討することを求め」ています。私は、とても大事な指摘だと思います。

 流域委員会の指摘は当然だと思うんですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

○冬柴国務大臣 先ほどの委員会は、委員会自身は二十回ですけれども、部会は三十五回やっているんですよ、五十五回やっている。その前は、実に五百八十二回やっているんですね。それで結論が出なかったんですよ。

 それで、この間出していただいたのは、もう一遍やり直せということですけれども、それには、中に入っている有力な学者は、その結論にはずっと異論を述べておられます。私も読みました。それについて、両論併記じゃなしに、委員長だけの御意見が主文に書かれていますけれども、それは、そうではないんだという学者が三名、異論を唱えていられることが議事録の中に書かれているんですね。そういうことが積み重ねられているわけでございます。

 それで、私は、人口や資産が高度に集積している、委員も私もそこへ住んでおるわけですけれども、大阪平野を初めとした淀川沿川は高い堤防で守られております。仮に一たん破堤するということになれば、壊滅的な被害が発生することが予想されるわけです。

 淀川におきましては、破堤による壊滅的な被害は極力回避し、また、万一破堤した場合でもはんらん量を少なくし、はんらん被害を軽減することがまことに重要である、このように考えております。

 このためには、洪水時の水位をできるだけ低くすることが必要であります。淀川におきましては、洪水時の流量を低減させるために、水量とかそういうものを全部計算できるダムあるいは遊水地の整備、それから河道の掘削、それから浸透、侵食対策としての堤防強化、さまざまな手法を工夫して実施することによって、着実に治水安全度を向上させることとしているわけであります。

 それで、堤防で全部できるということは、それはできないと思いますよ、そういうふうに思っております。

○穀田委員 私が今言ったのは、河川整備のあり方について議論をしているんですね。一番最初に大臣は、ダムは必要だという意見もある、こう述べられました。それは、わざわざ議事録も公開されているんですから、本当にみんなの意見がどうなっているかということを公開しているという点でも非常にすぐれた見解だと思うんですね。だから、この方式がよかったということはだれもが認めているということははっきりしていると思うんです。

 問題は、今言っているのは、「環境・治水・利水を総合的」というのがこれまでは利水、治水が優先で環境が後回しだったという話をしているんですよ。そうしますと、ダムが必要だということだけ言っているようじゃ、やはり今もってダム優先と受け取られるということをはしなくも私は明らかにしたんじゃないかなと思うんですね。

 流域委員会の意見書は、ダムについて、どうしても必要だという意見が不十分だと述べているんですよ。それは、「河川環境に与える影響や社会的影響から、ダムはできるだけ建設しない方がよい。しかしどうしても必要であるという場合には、他の施設にも増して徹底的な検討を行い、十分な説明責任を果たす必要があるということをこれまで整備局と委員会は共有してきた。」ということを言っているわけですね。しかし、「整備局のこれまでの説明は、ダムがどうしても必要であることについて十分説得的な内容になっておらず、環境への影響もダム建設を前提とした検討であり不十分」だ、ここを言っていることを、私は環境論の話をしているということをぜひ見ていただきたいと思うんです。

 そこで、わざわざこうなりましたから、次に治水の問題に入りましょう。そこからなんですね。

 流域委員会の委員が指摘しているのは、治水の考え方であります。何がどのように治水という問題について変わったかと。二〇〇一年にできた第一次流域委員会の委員長だった芦田和男氏は、「理念転換の第一は、河川環境に影響の大きいダムと河道改修による治水から容易に破堤しない堤防と流域対応を併用した治水への転換」、「もう一つの点は従来の計画規模の洪水を対象とした治水計画から、いかなる洪水にたいしても少なくとも住民の生命を守り、かつ被害を最小限にくい止める治水計画への転換」だ、こう述べているんですね。だから、こういう考え方でちゃんと議論しているわけです。それがしかも、当時の国土交通省も含めた、そういう意見だったと言っているわけですよね。みんな議論しているわけですから。

 ところが、今お話あったように、結局は何が何でもダムをつくるんだと。なぜそんなに変わるのか、なぜそうかたくなになるのかがわからぬというのが議事録にも書かれてあるし、そして意見として述べられている。

 そうすると、今までの二〇〇一年に転換した方針の考え方をまたもとへ戻しているということがこれで大体おわかりいただけると思うんですね。なぜ治水に対する考え方を変えたのか、ちょっとお聞きしたいと思います。

○甲村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、近畿地方整備局が十七年七月に公表しました淀川水系五ダムの方針につきまして、その委員会の提言を具体的にあらわすために、大戸川ダム及び余野川ダムは建設しないという方針を出しました。

 この理由といたしましては、淀川水系における治水対策として、まずは淀川本川及び宇治川、桂川、木津川等の堤防強化を実施することとし、洪水時に下流の流量の増加をもたらす狭窄部の開削や河道掘削等の河川改修は基本的に実施しないということを前提といたしました。そうすると、中上流部で洪水のときにあふれますので、ダム事業の洪水調節効果が小さいことから、当面は実施しないとしたわけでございます。

 その後、近畿地方整備局が平成十九年八月に公表いたしました淀川水系河川整備計画原案におきましては、余野川ダムは実施しませんけれども大戸川ダムを実施すると書いたわけでございますが、その理由といたしまして、堤防詳細点検の結果、先ほどの五ダムの方針の公表の後、淀川本川の堤防を調査いたしまして、その本川の堤防強化がおおむね五年間で終了することが判明いたしました。

 それとともに、先ほど申しましたように、中上流部で多くはんらんしているものを、戦後最大の洪水が起こったときにはんらんしないようにするということが必要であろうし、地域からもそういう要望が出ていたわけでございます。

 一方、そういう中上流部で堤防の整備を進めますと、あふれていた水が下流の方に集まってきますから、今度は淀川本川が危なくなるということで、その影響を小さくするために、淀川本川の橋梁のかけかえだとか、さらには、それだけでは足りないので、大戸川ダムで洪水調節を行うとしたわけでございます。

○穀田委員 質問の趣旨をよくとらまえていないんだよな。それは、大戸川ダムの関係について復活したのはなぜかというのは次に聞く話であって、今言ったのは哲学、思想を変えたのかという話をしているんですよ。

 やはり、今までみんなで議論をしてきて、どうも治水というのを抑え込むというやり方ではあかぬなというのが当時の考え方だったんですね。だから、私は、「最小限にくい止める治水計画への転換」、つまり、洪水が起きるかもしれない、それをどういうふうに対応しようか、それから、ダムと河道だけではあかぬ、そこから「破堤しない堤防と流域対応を併用した治水」、この二つを哲学として考えたわけですよね。その結果どうなったかという問題を聞いているのです。

 その問題を議論した当時、整備局側にいたのが宮本さんで、今の流域委員会の委員長であります。

 私は、その方に意見を聞いてきました。先ほども、命にかかわる問題と言っていました。彼は、ダムにかかわる仕事を通じて、ダムは、人々の暮らしや自然環境など、いろいろなものを犠牲にし、人の心をずたずたにする、ここまで犠牲にするのだから、納得するまでつくってはだめだ、河川法が改正され、住民の意見が反映される仕組みができた、そして、そのことによって既定路線を変えるチャンスだと思ったと彼は言うてはりました。

 だから、私は、そういう意味で、治水に対する考え方をそういうふうに改めたということに対して、また戻ったのはなぜか、こう聞いたわけなんですよね。

 そこで、大戸川ダムの話をやっていますから、これは皆さんにお渡しした、大戸川ダムの、どこにあるのかということと、一連の経過が何であったかということについて、わかりやすい資料として皆さんに配付しております。

 お話がありましたけれども、それをまとめると、先ほどの答弁からいくと、要するに、〇五年のときの七月の淀川水系五ダムについての方針では、利水者である人たちが全量撤退の見込みだ、それで、狭窄部を開削するまでは洪水調節効果も小さくて、治水単独目的の事業となることで事業費が増加して経済的に不利になる、だから大戸川ダムをやめるということですわな。そこで、お話があったように、その後どういうふうになったかという話がるるあった。

 先ほどの話をまとめると、要するに、淀川中流部での河川の掘削が必要だ、そうすると、改修後は下流で流量がふえる、だから、その調節のために上流でダムが必要だという論法なわけですね。

 しかし、もともとあなた方がやってきた大戸川ダムの建設というのは、治水、利水、発電を目的とした多目的ダムとして事業を行ってきたということを明言しているんですね。利水それから発電が撤退しているにもかかわらず、治水単独ダムに目的を変更して建設するというと、なぜこうなるのかということなんですね。利水、発電の目的がなくなったのであれば、工事実施の根拠はなくなったはずなんですね。治水単独なら、一からの計画検討をし直すべきであって、それは理解できないということなんです。

 そこで、滋賀県の嘉田知事は、そもそも利水も含め多目的ダムとして計画され、滋賀県では、さっき言ったものですよ、水没予定地の集落が移転するという犠牲を払った、利水が消え、何を犠牲にしたのかという思いだと苦言を述べておられます。

 さらに、〇五年に整備局が大戸川ダムの凍結を打ち出した際に、治水単独では事業費が増加し経済的に不利になると説明したのに、今になって治水単独ダムが経済的に有効という理由は何かとの疑問を投げかけているわけですね。当然じゃありませんか。

 また、利水や発電がなくなれば、膨大な建設費を水道料や利用料として後年度に徴収することができない。だから、治水単独では建設コストが丸々かかってくるわけだから、そういう意味で、費用便益分析など経済的評価が行われているものか、明らかにしていただきたい。

○甲村政府参考人 まず、治水の思想を変えたのかということでございますが、整備計画原案におきましても……(穀田委員「そこはもう飛ばしていいよ、さっきもしゃべったんだから」と呼ぶ)はい。

 次に、大戸川ダムの費用対効果でございます。

 大戸川ダムは、地図を見ていただいてもわかりますように、天ケ瀬ダムの上流の大戸川に整備することとしておりまして、大戸川の洪水を貯留し、下流の天ケ瀬ダムに到達する洪水流量を低減させ、天ケ瀬ダムで消費する洪水調節容量を少なくすることで、より大きな洪水に対しても天ケ瀬ダムで安全に洪水調節を行うことができます。そういう意味で、天ケ瀬ダムと一体となって淀川本川及び宇治川に対して効果を発揮するものでございます。

 大戸川ダムと天ケ瀬ダムの再開発、この両者を一体といたしまして費用対効果分析をいたしまして、費用対効果は約一・四となっております。

○穀田委員 では、端的にもう一度お聞きします。

 昨年十二月、ダム事業費の見込み額を示しています。多目的ダムから治水専用ダムに変更した場合、地方負担はどうなるのか、言ってください。

○甲村政府参考人 お答えいたします。

 整備計画原案に基づく大戸川ダムの総事業費につきましては、平成十九年十二月に近畿地方整備局が概算事業費として約一千八十億円であることを公表しております。これは、昭和六十三年度の事業費が七百四十億円でございますので、変更額は三百四十億円の増になります。

 関係府県の費用負担につきましては、今後、現行の事業計画である特定多目的ダム法第四条に基づく基本計画の廃止手続にあわせ、関係機関と調整の上、費用負担が定められるものでございます。

○穀田委員 だから、明示できていないということですわな、簡単に言えば。あれこれ言うけれども、明示できていない。問題は、地方負担が明らかでないということが最大の一つの結論なんです。

 そこでもう一つ、大戸川ダムの治水効果というのは、さっきありましたけれども、極めて限定的なんですね。二百年に一度の洪水時に淀川の水位を十九センチ下げる効果しかないんです。大戸川ダムがない場合は、HWLと言っているんですが、計画高水位を十七センチ超えるが、大戸川ダムをつくり水位を十九センチ下げても、HWLから二センチしか水位を下げることができないんです。

 最近は想定以上の集中豪雨などが相次いでいるわけで、想定以上の雨量があった場合、二センチメートルなどすぐ超えてしまうんです。だから、治水効果はいわば限定的になると彼らは指摘をしているわけですね。

 そこで、私は、時間がないから端的に言うけれども、整備局は、この流域委員会のさまざまな意見に対して、長い時間かかって幾らかかるかということについて答えるという、本当に僕は誠意がないと思うんだけれども、そこで、流域委員会側の方は、そういうことに対して新しい考え方で来ている。つまり、計画どおり整備した場合でも堤防が決壊する可能性はあるわけだから、結局のところ、今大事なのは、堤防補強をすることが必要じゃないのか、さっき言いました理論からすると。

 そして、五月までに出せと言ったけれども、出してきたと思ったら、私も見させていただきました。最大三千六百五十億円、二百年かかる、現在の職員を三倍にしても八十年かかるなどという試算を出してきています。この数字は淀川流域全域で、大戸川ダムと関係のない木津川や桂川まで対象としたものであります。

 問題は、計画高水位を超える区間は三・六キロしかないんですね。この区間の堤防強化にはどれだけの費用と期間がかかるのか、明らかにしてほしい。

○甲村政府参考人 まず申し上げます。

 盛り土によってつくられた河川の堤防は、一般的に洪水時における水位が上昇するに従って破堤する危険性が高くなり、また、計画高水位をさらに上げることにより、破堤した場合の被害が大きくなること等から、淀川本川において計画高水位を上げることは適切でないと考えております。

 しかしながら、そのような課題をあえて無視して、仮に大戸川ダムが整備されなかった場合に計画規模の洪水が発生したときに、淀川本川において計画高水位を超える区間約三・六キロにつきまして、堤防のかさ上げ、それから侵食防止工事、それから用地買収、橋梁のかけかえ等を実施したといたしましたら、仮定でございますが、概算の事業費は約一千百二十億円と試算し、四月二十二日の流域委員会で説明をしております。

○穀田委員 私は、今の話を聞くと、あなた方の論理をすべて悪いと言っているんじゃなくて、あっち側が全部いいというんじゃなくて、きちんとした数字に基づいてお互いに議論すべきだということを私は言っているんですよ。

 しかも、堤防が壊れるといった問題についても、どれだけの水が出たら壊れるかとか、当然、侵食した場合に下の方から壊れるとかいう話は、お互いに共通しているんですよ。問題は、その距離全部のところにやるとかいうことでない問題を提起しているのに、やはりそれにかみ合った議論をしようとせずに物すごく時間をかけて答えるというやり方が極めて不的確だと私は言っておきたいと思うんです。

 私は、結論から言えば、堤防を強化すべき範囲というのは、計画高水位を超える危ない堤防をまず強化するのが必要だと思うから聞いて、その議論をしたらどうだということをまず言っているわけですね。

 私、もう時間が終わりましたと来ていますので結論から言いますと、国交省が選んだ人物でやっているんですよ。だから、そういう人たちに諮問していながらその意見書を半ば無視するのは、法改正の趣旨と逆行するということだと思います。ましてや流域委員会というのは、先ほどありましたように、何百回という話を大臣されていましたよね。それを全部、会議の報告や資料を原則公開して住民参加でつくってきたわけですよ。だとしたら、やはりそういう立場で配慮する必要がある。大阪、京都、滋賀の三知事は、四月に、ダムの必要性について有権者が納得する説明をすべきだと国交省に対して物を申しているわけですね。

 だから、そういう点もしっかり踏まえて流域委員会の意見を尊重すべきだ、公共事業のあり方全体が問われていて、ダムありきという河川行政を改める必要がある。真の意味での住民の参加を求めて、私は質問としたいと思います。

 終わります。





平成二十年六月六日提出  質問第四八四号
淀川水系の治水対策および淀川水系流域委員会に関する質問主意書
提出者  前原誠司

衆議院議員前原誠司君提出
淀川水系の治水対策および淀川水系流域委員会に関する質問に対する答弁書


淀川水系の治水対策および淀川水系流域委員会に関して、以下質問する。

衆議院議員前原誠司君提出淀川水系の治水対策および淀川水系流域委員会に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

一 平成十七年七月一日に国土交通省近畿地方整備局が発表した「淀川水系五ダムについての方針」において、大戸川ダム事業について当面実施せずとした理由は、「宇治川・淀川に対する洪水調節効果は小さく、治水単独目的の事業となることで治水分の事業費が増加し経済的にも不利になる。」というものであった。
 ① 昨年八月に発表された淀川水系河川整備計画原案(以下「原案」という。)で大戸川ダム建設を実施するとしているが、ダムの洪水調節容量が増大していないにもかかわらず、宇治川・淀川に対する洪水調節効果が大きくなった理由は何か。政府の見解を問う。

一の①について
 国土交通省近畿地方整備局(以下「近畿地方整備局」という。)が平成十七年七月に公表した「淀川水系五ダムについての方針」(以下「五ダムの方針」という。)においては、淀川水系における治水対策として、まずは、一級河川淀川水系淀川のうち同水系宇治川(以下「宇治川」という。)及び同水系瀬田川を除いた区間(以下「淀川本川」という。)、宇治川、同水系桂川(以下「桂川」という。)、同水系木津川(以下「木津川」という。)等の堤防強化を実施することとし、洪水時に下流の流量の増加をもたらす狭窄部の開削や河道掘削等の河川改修は基本的に実施しないことを前提としたこと等から、淀川本川及び宇治川に対する大戸川ダムの洪水調節効果は小さいと判断したものである。
 近畿地方整備局が平成十九年八月に公表した淀川水系河川整備計画原案(以下「原案」という。)においては、堤防詳細点検等の結果、五ダムの方針の公表後に淀川本川の堤防強化がおおむね五年間で完了することが判明したことを踏まえ、宇治川、桂川及び木津川については、昭和二十八年九月の洪水時の降雨量及び降雨パターン(以下「昭和二十八年九月洪水」という。)を基に計算した流量を計画高水位以下で流下させるため、河道掘削等を行うこととしているが、その結果、下流の淀川本川については、洪水時に流量が増加することとなり、平成十九年八月に策定した淀川水系河川整備基本方針における計画規模の洪水(以下「計画規模洪水」という。)が生起した場合に、計画高水位を超過することから、計画高水位以下で流下させる現況の安全度を保持するためには、大戸川ダムの洪水調節効果が必要であると判断したものである。


 ② 大戸川ダムは治水単独事業であることに変わりはなく、また昨年十二月にはさらに三百四十億円の事業費増加が明らかにされているにもかかわらず、「淀川水系五ダムについての方針」発表時と比べて、大戸川ダム事業が経済的に不利でなくなった理由は何か。政府の見解を問う。

の②について
 五ダムの方針においては、大戸川ダム建設事業から利水者である大阪府(上水)、京都府(上水)及び大津市(上水)が撤退し、治水単独目的の事業となる見込みであったことから、「治水分の事業費が増加し経済的にも不利になる」と示したものである。大戸川ダム建設事業が治水単独目的の事業となることは、現時点においても変わりはないが、一の①についてで述べたとおり、大戸川ダムが必要であると判断しているところであり、また、事業費が三百四十億円増加した場合においても、大戸川ダムは天ヶ瀬ダム再開発と一体となって淀川本川及び宇治川に対して効果を発揮することから、両者を一体として算出した洪水調節に係る費用便益比が約一・四となることを確認している。


二 近畿地方整備局は、「淀川水系五ダムについての方針」で大戸川ダム事業を当面実施せずとした方針を「原案」において覆した理由として、淀川本川の堤防強化は概ね五年間程度で完了できることが分かったとし、大戸川ダム事業を当面実施しないとした理由が、あたかも淀川本川の堤防強化に相当程度の時間と費用を要することであるかのような説明をしている。
 「淀川水系五ダムについての方針」において、大戸川ダム事業を当面実施しない理由が、淀川本川の堤防強化に相当程度の時間と費用を要することであるということを示した近畿地方整備局の作成した文書があれば概要について説明されたい。

二について
 近畿地方整備局には、お尋ねの文書を作成したという記録はない。


三 近畿地方整備局が示しているシミュレーションによると、淀川において、桂川の掘削等、「原案」に示された対策が実施された場合、近畿地方整備局が検証に用いた三十三パターンの計画規模洪水の中で、大戸川ダムがない場合に計画高水位を超過するのは二パターンであり、計画高水位を超過する区間は三.六キロメートル、超過高は最大十七センチメートルである。
 そして近畿地方整備局は、大戸川ダムがないと計画高水位を最大十七センチメートル超過することにより、淀川の堤防が破堤し、被害額が十九兆四千八百億円になり、大戸川ダムがあると洪水位は計画高水位以下二センチメートルとなり、淀川は破堤せず被害はゼロとなるとの説明をしている。
 ① 前記の超過区間三.六キロメートルにおいて、計画高水位より十七センチメートル高い所まで、計画高水位以下と同様の安全性を有する浸透、洗掘対策を行った場合の事業費を示されたい。
 ② 淀川水系流域委員会が、前記事業費を示すよう求めているにもかかわらず、近畿地方整備局が未だ示さない理由は何か。政府の見解を問う。

三について
 近畿地方整備局は、計画規模洪水に基づく流出計算等により大戸川ダムがない場合に淀川本川の約三・六キロメートルの区間の水位が計画高水位を最大で約十七センチメートル超過するとの結果を踏まえ、三・六キロメートルの区間の計画高水位を十七センチメートル高くする等の条件を仮に設定し、この場合に必要となる安全性を確保するための堤防の嵩上げ等に要する概算の事業費(用地買収、橋梁の架替工事等に要する費用を含む。)を約千百二十億円と試算しており、平成二十年四月に開催された第七十七回淀川水系流域委員会において説明したところである。
 なお、盛土により築造された河川の堤防は、一般的に、洪水時における水位が上昇するに従って破堤する危険性が高くなり、また、計画高水位を更に上げることにより、破堤した場合の被害が大きくなること等から、淀川本川において計画高水位を上げることは適切でないと考えている。


四 近畿地方整備局が行ったシミュレーションで、昭和二十八年十三号台風と同程度の雨が降った場合、大戸川ダムおよび天ヶ瀬ダム再開発事業が完成した後の方が、宇治川の洪水位が現状より高くなり、危険になる理由は何か。政府の見解を問う。

四について
 天ヶ瀬ダム再開発事業は、洪水時における淀川本川及び宇治川の洪水調節のための貯留並びに洪水後の琵琶湖の水位低下のための放流をより効率的に行うため、洪水調節時の放流量を現行の毎秒八百四十立方メートルから毎秒千百四十立方メートルに増加させるものである。これにより、昭和二十八年九月洪水を基に算出した宇治川の水位は、平成十九年十一月に開催された第六十六回淀川水系流域委員会(以下「第六十六回委員会」という。)で配付された審議資料二-三の五頁上段「宇治川水位縦断図(現況河道)」及び同資料の七頁下段「宇治川水位縦断図(河道改修+天ヶ瀬ダム再開発+大戸川ダム+川上ダム後)」で示したとおり、現状より高くなるものの、計画高水位以下になっていることを確認している。


五 近畿地方整備局は、「計画高水位(安全基準)はわずかだからといって侵して良いものではない」とし、建築物の耐震の安全基準、船舶の喫水、飛行機の搭乗者数、残留農薬基準と同じであるとの説明を行っている。
 河川管理施設等構造令には、「堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位以下の流水の通常の作用に対して安全な構造とする」と定めてはいるが、洪水時の水位が計画高水位を越えることを禁じた条文はない。
 ① 洪水時において水位が、わずかでも計画高水位を越えてはいけないという基準は、どのような法令で定められているのか。条文を示されたい。

五の①について
 河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第十六条第一項に規定する河川整備基本方針においては、河川法施行令(昭和四十年政令第十四号)第十条の二第二号の規定に基づき、主要な地点における計画高水流量及び計画高水位に関する事項等を定めなければならないこととされており、また、河川管理施設等構造令(昭和五十一年政令第百九十九号)においては、堤防、橋、堰等の構造の原則として、計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとすること等が定められており、計画高水位は、河川整備の実施に当たっての重要な基準として位置付けられている。


 ② また、近畿地方整備局が行ったシミュレーションは、「原案」で盛り込まれた対策が完成した後においても、宇治川、木津川、桂川において計画規模洪水はもちろんのこと、戦後最大洪水(昭和二十八年十三号台風)においても、計画高水位を越える区間があることを示している。
  「計画高水位(安全基準)はわずかだからといって侵して良いものではない」にもかかわらず、「原案」完成後においても洪水位が計画高水位を越えている理由は何か。政府の見解を問う。

五の②について
 御指摘の「近畿地方整備局が行ったシミュレーション」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、近畿地方整備局としては、昭和二十八年九月洪水を基に算出した宇治川、木津川及び桂川の水位は、第六十六回委員会で配付された審議資料二-三の七頁下段「宇治川水位縦断図(河道改修+天ヶ瀬ダム再開発+大戸川ダム+川上ダム後)」、同資料の十頁下段「木津川水位縦断図(河道改修+天ヶ瀬ダム再開発+大戸川ダム+川上ダム後)」及び同資料の十三頁下段「桂川水位縦断図(河道改修+天ヶ瀬ダム再開発+大戸川ダム+川上ダム後)」で示したとおり、今後具体的な整備の内容を検討することとなっている桂川の一部区間を除き、計画高水位以下になっていることを確認している。


六 平成十二年六月に河川局治水課が策定した「河川堤防設計指針」では、「越水に対しても一定の安全性を有するような堤防(難破堤堤防)を整備する必要がある。」として、設計方針および手順、形状や構造の設定、並びに安全性の詳細等を定めた「越水に対する難破堤堤防の設計」が示されていたにもかかわらず、平成十四年に「河川堤防設計指針」から越水に関する記述がすべて削除された理由は何か。政府の見解を問う。

六について
 平成十二年六月に作成した「河川堤防設計指針(第3稿)」は、耐越水機能に関すること等検討中の内容を含めて直轄管理区間における河川管理者の部内資料として暫定的に示したものであるが、「河川堤防の設計について」(平成十四年七月十二日付け国河治第八十七号国土交通省河川局治水課長通知)における「河川堤防設計指針」においては、一連の堤防で確保すべき耐越水機能に関する技術的知見が明らかになっていないことから、耐越水機能について記載していない。


七 平成十年度国土交通省重点施策では、たとえ越水しても急激に破堤しないよう、堤防の強化対策を進めると示されている。平成十二年度河川局重点施策では、災害復旧助成事業の実施内容に、氾濫・越水しても破堤しない対策(耐越水堤防)が追加されている。
 ① 淀川水系流域委員会が堤防の越水対策の実施を求めていることに対して、近畿地方整備局は「効果が不明であり、あてにすることはできない」と説明しているが、効果が不明であり、あてにできない施策を国土交通省の重点施策とした理由は何か。政府の見解を問う。

七の①について
 建設省(当時)が平成九年八月に作成した「平成十年度重点施策」においては、計画規模を超える洪水が発生しても被害を最小限に食い止めるため、越水しても急激には破堤しないよう従来の堤防に比べて断面拡幅等の強化対策を実施した堤防(以下「フロンティア堤防」という。)の整備を目指したものである。


 ② 三重県雲出川で整備された耐越水堤防の延長および事業費を示されたい。

七の②について
 お尋ねの「三重県雲出川で整備された耐越水堤防」が一級河川雲出川水系雲出川(以下「雲出川」という。)で整備したフロンティア堤防を指すのであれば、その延長は約一・一キロメートル、事業費は約四十八億円である。

 
③ 「効果が不明であり、あてにすることができない」難破堤堤防が雲出川で整備された理由は何か。政府の見解を問う。

七の③について
 雲出川で整備したフロンティア堤防の後背地は、昭和三十四年九月の洪水や昭和五十七年八月の洪水で被害を受けた地域であり、水害に強いまちづくりを目指していたことから、越水しても急激には破堤しないような機能の確保を目指し、試験的に整備したものである。


八 淀川水系流域委員会が、近畿地方整備局に対して求めている、「堤防の計画高水位以上の強化および耐越水堤防への強化対策と流域対応等他の施策との組み合わせについて、事業費を明示した上で優先度の検討を行い、破堤による壊滅的被害の回避・軽減を流域全体で最優先に取り組むための具体的な計画」は、いつまでに示されるのか。
九 堤防の破堤は、浸水被害と比べて格段に、多くの人命を失う可能性が大きい。
 近畿地方整備局が示しているシミュレーションは、どのような規模の洪水が発生したときに、どの区間で洪水位が計画高水位を越え、また堤防から越水するかを示すことにより、破堤の危険性について明らかにしている。
 堤防の計画高水位以上の強化および耐越水堤防への強化の方針は、国土交通省の重点施策等で示され、設計指針が定められ、実施された実績もある。
 淀川水系流域委員会が求めている堤防の計画高水位以上の強化および耐越水堤防への強化について、近畿地方整備局が優先的に実施しないとしている理由は何か。政府の見解を問う。

八及び九について
 一連の堤防で耐越水機能を確保する技術的知見が明らかになっていないため、国土交通省としては耐越水機能を確保するための堤防の整備を行うことはできないと考えており、また、お尋ねのような耐越水機能を確保した堤防の整備を前提とした計画について、お示しすることは困難である。
 また、お尋ねの「堤防の計画高水位以上の強化」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、淀川本川において計画高水位を上げることは適切でないと考えていることから、計画高水位を超えた水位を前提とした堤防の整備を行うことは考えていない。


十 淀川水系流域委員会が四月二十五日に近畿地方整備局に提出した意見では、「原案」の見直し・再提示を求めているにもかかわらず、近畿地方整備局は「原案」は見直し・再提示する性格ではないという旨の説明を行っているが、「原案」は見直し・再提示する性格ではないということは、どこで、何によって定められているのか示されたい。

十について
 近畿地方整備局は、河川法第十六条の二第三項の規定に基づき淀川水系河川整備計画の案(以下「計画案」という。)を作成するため、たたき台として原案を作成し、学識経験者、関係住民及び関係自治体の長に対し、淀川水系の河川整備の内容について河川管理者の考えを説明し、意見を聴いてきたところである。計画案については、原案に対する意見を踏まえて作成するものと考えていることから、改めて原案を作り直す必要はないと認識しているものである。


十一 「原案」に対して学識経験者から意見を聴き、住民の意見を反映して、整備計画案を作成し、その上で関係自治体から意見を聴くということが河川法に基づく整備計画策定の過程であると認識している。
 淀川水系流域委員会は、最終意見を出す以前に整備計画案を作成して関係自治体に提示することは、「見切り発車」であり、そのようなことがないようにと近畿地方整備局に強く求めている。
 淀川水系流域委員会の最終意見提出以前に整備計画案を策定して関係自治体に提示すること、いわゆる「見切り発車」は行わないことを明言すべきと考えるが如何か。政府の見解を問う。

十一について
 近畿地方整備局は、原案に対する学識経験者、関係住民及び関係自治体の長の意見を踏まえて計画案を作成することとしている。
 また、近畿地方整備局としては、平成十三年二月に淀川水系流域委員会を設置して以来、平成十九年一月までの約六年間にわたり、原案の作成に資する幅広い意見を聴くことができたものと考えており、また、平成十九年八月に原案を提示して以降、淀川水系流域委員会が近畿地方整備局に対し意見を提出した平成二十年四月までに、二十回に及ぶ淀川水系流域委員会が開催され、延べ約九十時間にわたり様々な内容について議論していただいたことから、計画案の作成に資する幅広い意見を聴くことができたものと考えている。

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2008-06-27(Fri)

地球温暖化対策と道路特定財源

道路ができれば車が走り、温暖化は進む

洞爺湖サミットが近づいてきた。温暖化対策や食糧危機問題が主題になるといわれている。

そんなおり、先の国会では道路特定財源問題が焦点となった。

昨日、原油高騰対策について、国民の暮らしこそ最優先にすべきだと書いた。

原油高騰を招いている投機マネーの規制と燃料価格引下げこそ重要だと述べた。

そんなおり、ふと目にとまったのが、洞爺湖サミットに関するインタビュー記事だ。


脚本家の倉本聡氏いわく、「洞爺湖で今後の世界の哲学が問われる。

環境問題をブームやビジネスチャンスとしか考えないのはピントがずれている」

「すべてが経済と結び付いてしまって、何をするのかという哲学が欠落している」

全く同感だ。道路特定財源についても

「道路特定財源の問題一つとっても恥ずかしい話です。

道路ができれば車が走り、温暖化は進む。

ガソリン税は温暖化を食い止めるためにこそ使われるべきなのに、

政治の方向が間違っているのではないか。」

思わず、“そうだそうだ”とうなずいてしまった。


「道路ができれば車が走り、温暖化は進む。」 これは単純明快な事実だ。

高速道路建設に固執する道路族はこれにどうこたえるのだろうか。



FujiSankei Business i. 2008/6/27

哲学が問われるサミット 脚本家・倉本聡氏「ろうそくで話し合いをするのも」


 開催まであと10日と迫った北海道洞爺湖サミットに何を期待するのか。舞台となる北海道にゆかりのある脚本家の倉本聡氏に聞いた。

 --北海道に移住して30年以上になる

 「富良野に住んでいて、世の中、なぜこれほど不必要なものがあふれているのかと考えてしまう。必要なものとそうでないもの、自分の目でしっかり見極め、選択しなくてはならないのに、新しい物が次々出てくる。作る側がビジネスとしかとらえていないからでしょう」

 --金もうけはいけないことか

 「生活をある程度、豊かにしたいというなら分かる。しかし、ライブドア的な『ただ金を稼ぎたい』だとか、マネーゲームというのは分からない。何のために、何を目指すのか、という哲学のない金もうけの結果、富の分配はいびつになり、自然に負荷がかかる。行きすぎた経済至上主義が環境を破壊しています」

 --そうした状況で北海道がサミットの会場に選ばれた

 「照明を煌々(こうこう)とつけ、冷房を効かせてと、エネルギーをいたずらに消費するサミットになるのでは本末転倒。ろうそくの薄暗い明かりの中で、首脳たちが話し合いをするのもよいのではないか。洞爺湖で今後の世界の哲学が問われる。環境問題をブームやビジネスチャンスとしか考えないのはピントがずれている」

 --主要国の現状をどう見るか

 「ヨーロッパには、真の文明社会とは『エコノミー』『エコロジー』『カルチャー』の3本柱が支え合うものという考え方がある。しかし米国では経済だけが突出し、エネルギーを大量消費している。本当にそれが文明といえるのだろうか」

 --議長国を務める日本はどうか

 「道路特定財源の問題一つとっても恥ずかしい話です。道路ができれば車が走り、温暖化は進む。ガソリン税は温暖化を食い止めるためにこそ使われるべきなのに、政治の方向が間違っているのではないか。すべてが経済と結び付いてしまって、何をするのかという哲学が欠落している」

 --自身にとって、価値の基準となる哲学とは

 「自然。僕たちは自然がないと生きられない。生きる上でなくてはならない水も空気も自然であることを世界は、文明人は忘れてしまっている。何を目指し、これからどのようにして生きていくのか。根源までさかのぼって考えなければならないところにまで人類はきている。サミットは力のある国のトップ同士がそうした哲学を論じる場であるべきです」

【プロフィル】倉本聡
 くらもと・そう 1935年、東京都生まれ。テレビドラマの脚本を多数手掛け、代表作に富良野を舞台にした「北の国から」シリーズ。創作活動の一方、2006年には「富良野自然塾」を設立、ゴルフ場跡地に植樹をするなど自然保護運動にも取り組んでいる。
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2008-06-26(Thu)

原油高騰対策 投機マネー規制に本腰入れよ 

7月からガソリン180円? 政府の対策で救われるのか。


暫定税率廃止から復活に再議決したあと、ガソリン価格高騰は歯止めがない。

いまや170円台、7月以降も上がり続ける模様。

政府は、追加の対策を打ち出した。が、“焼け石に水”の感じだ。

やはり、おおもとである原油高騰に歯止めをかけないことにはどうしようもない。


そのためには、投機マネーそのものを規制することが、いま最も重要だ。

共産党委員長が、
(1)投機の手先となって動いているヘッジファンドに関する情報公開を行うなど、直接的規制をする
(2)短期的に国境を越えて動き回る投機資本に対する課税
(3)原油や穀物など人類が生きていくうえで不可欠な土台に対しては、投機を規制する仕組みをつくる―ことを呼びかけたと報道されている。

政府がその気になって投機マネー規制に取り組むべきだが、

問題は、投機マネーを規制するという気があるかどうかだ。

「洞爺湖サミット」の重要テーマとして位置づけるべきだ。


一方、国民生活は待ったなしだ。原油高騰対策も前の延長線上では間尺に合わない。

燃料にかかる税金(ガソリン税や軽油引取税など)を思い切って引き下げるべきだ。

ガソリンで言えば、約25円の暫定税率を引き下げても、いまでは150円/ℓ台にしかならない。

投機マネー規制を実施し、適正な価格に引き下げられるまで、

本則税率を含む課税は免除する。53・8円が値下げされることになる。(それで120~130円あたりか)

4月30日に暫定税率を再議決し、ガソリン価格が値上げされて、あきらめ感がただよっているが、

現実は、年あたり2・6兆円大増税と加えて2兆円を超える価格値上げが行われたことになる。

あわせて5兆円規模がガソリン等燃料代につぎ込まれ、他の消費を抑制していることになる。

食料品や原材料の高騰による物価高とも連動して、生活防衛のため消費抑制は加速する。

景気が落ち込むのは目に見えている。にもかかわらず、

消費税だ、税制改革だ、など国民から税金を取り上げることばかり議論している。

国民の暮らしを直視して、いまなすべきことを考えてもらいたい。


朝日新聞 2008年6月26日7時4分
「福祉ガソリン」で燃料代補助へ 原油高騰で政府・与党
 政府・与党が新たに取りまとめた原油価格高騰対策が25日わかった。福祉事業者の燃料代を補助する「福祉ガソリン」導入や中小企業向けに高速道路料金を引き下げる夜間の時間帯拡大などが柱だ。26日に福田首相が出席する「原油高騰に関する緊急対策関係閣僚会議」で正式決定する。
 政府の原油高騰対策は昨年12月に続き2回目。新たな対策は、国際石油市場の安定化▽中小企業対策▽農林漁業や運輸業など業種別対策▽離島など地方対策、国民生活支援▽省エネルギー等構造転換対策の5項目。
 国民生活支援では、地方自治体に財政支援し、原油高騰の影響が大きい福祉施設やスクールバス事業者らに燃料費を助成するほか、生活困窮者へ灯油などの購入費助成も行う。中小企業向けの対策では政府系金融機関の中小企業向け融資限度額の倍増や「トラック運送業燃料費対策等推進事業」を検討する。


2008年6月26日(木)「しんぶん赤旗」
投機規制 抜本対応を
サミット向け志位委員長
 日本共産党の志位和夫委員長は二十五日の記者会見で、日本が議長国として開催する北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)について、「投機マネーの規制を重要議題と位置づけ、国際的に協調した規制に踏み出すことを強く求めたい」と述べました。
 志位氏は、「いま、投機マネーが、原油や穀物といった人類の生存の基盤に流入して高騰を招いている」と指摘。世界の庶民生活や途上国の経済を破壊するとともに、日本でも農林漁業、中小企業などの経営に打撃をあたえていると強調しました。
 規制の方向として志位氏は、(1)投機の手先となって動いているヘッジファンドに関する情報公開を行うなど、直接的規制をする(2)短期的に国境を越えて動き回る投機資本に対する課税(3)原油や穀物など人類が生きていくうえで不可欠な土台に対しては、投機を規制する仕組みをつくる―ことを呼びかけました。
 志位氏は、「これができないならば、資本主義として世界経済を管理する能力なしと言われても仕方がない」と力説。日本政府が、この
問題で役割を果たすよう求めました。
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2008-06-25(Wed)

消費税論議はもう決着済みか?

「消費税の議論は大体ヤマ場を越えた」ってほんとかな? 

与党は、首相発言の迷走で消費税論議は山を越えたなどと言っている。

でも、秋の税制抜本改革の目玉はやはり安定的財源の確保=消費税ということになるのではないか。

確かに、選挙にはふりで、政権維持を図ろうとすれば、消費税は避けたいだろう。

しかし、福田首相は、道路特定財源問題で、支持率が低下し、国民の反発がはっきりしている中で

いったん値下げされたガソリンの再値上げを強行した。

世論の反発があろうと、「かわいそうなくらい苦労している」などと嘆いて見せながら

“毒を食らわば皿まで”と次々と3分の2再議決をやった。

解散総選挙すれば、3分の2は維持できないことはだれもが認めるところ。

参院が野党多数のねじれは、あと数年続く。

だとしたら、3分の2がある来年の任期終わるまでにやってしまいたい。

というのが本音ではなかろうか。

これを許すわけにはいかないが、

2~3年先に遠のいたわけではないことを見ておく必要があるだろう。


毎日新聞 2008年6月25日 20時46分

消費税率:首相発言が迷走 与党に募るいらだち
 消費税率の引き上げを巡る福田康夫首相の発言が迷走している。17日の主要8カ国(G8)通信社のインタビューで「決断の時期」と前向きな姿勢を見せたが、23日の記者会見では「2、3年とか長い単位で考えた」と後退。秋の税制抜本改革を前に、財政再建と歳出圧力のはざまで揺れる首相に、与党もいらだちを募らせている。

 「あまりヒートアップしない方がよろしい」。首相は24日の閣僚懇談会で、自身の発言をめぐる一連の報道に不満を述べた。

 首相は社会保障財源の確保や行政の無駄削減などの議論を積み上げ、増税の是非を決断したい考えだが、環境整備の役割を担ったはずの社会保障国民会議や経済財政諮問会議はともに、増税の明確な方向性を示さなかった。発言のぶれは、世論をうかがい、与党内の対立回避を優先する首相の思いが反映したようだ。首相は「8月は消費税の話はしないでほしい」と周辺に漏らしている。

 首相発言は自民党内では「後退」と受け止められており、与謝野馨前官房長官ら「増税派」は「議論の前に結論を出してしまった印象」と落胆を隠さない。引き上げに慎重な「上げ潮派」の中川秀直元幹事長は「消費税の議論は大体ヤマ場を越えた」と周辺に語り、消費税問題は決着したとの見方を示した。

 ただ、仮に税率引き上げを先送りすれば、09年度の基礎年金国庫負担割合の2分の1への引き上げにあてる財源をどうするか、という問題が生じる。必要な財源は消費税1%相当の2.3兆円。年金改革関連法は「安定した財源を確保する税制の抜本的な改革」を行うよう付則で明記しており、消費税率上げを念頭に置いたとの見方が大勢だからだ。

 伊吹文明幹事長は24日の記者会見で「たばこ税でやるか、消費税でやるか。国債を一時的に使うこともできるし、埋蔵金を使うやり方もある」と指摘。党内には、国庫負担引き上げの時期を「09年度の遅い時期」とする案も浮上している。一方、尾辻秀久参院議員会長は「消費税を上げる以外にない」と主張。党内の火種は尽きそうにない。【坂口裕彦、三沢耕平】
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2008-06-24(Tue)

消費税発言 いいかげんすぎるぜ福田さん

いいかげんな発言で、消費税導入の下地をつくるつもりか!

(2008年6月24日15時10分 読売新聞)
消費税引き上げ時期、福田首相「状況見て判断したい」
 福田首相は24日午前の閣僚懇談会などで、消費税率引き上げ時期に関する自らの発言について、真意が伝えられていないと釈明し、結論を得る時期などは、今後の状況を見ながら判断したいとの立場を示した。
 閣僚懇談会では「今日の新聞に『2、3年先送りする』との報道があり、先の(『消費税率引き上げについて決断しなければならない』という)外国プレスとの話とずいぶん対比されているが、どちらも極端な表現だ。あまりヒートアップしない方がいい」と述べた。


あまりにもあきれる。消費税論議に自ら火をつけ、すぐ後に火消し発言。

その張本人が、「あまりヒートアップしない方がいい」など他人事。

これまでも福田総理のキャラクターの延長と考えられなくもないが、

国会も終わってちょっと余裕をもった感じだ。

秋の国会の最大の焦点になることは間違いない「税制の抜本改革」。

もちろん消費税が一番の柱。なもんで、いまから話題にして「ヒートアップ」させようという魂胆見え見えだ。

消費税にしろ、ガソリン税にしろ、税金を取ることばかり考えている政治家って何?

原油高騰、食糧不足など国民生活は先行きどんどん暗くなって行くというのに。

でたらめな税金の使い方を前提にした財政や税制論議はおかしい。

国のあり方を根本から考えてみる時期に来ているのだろう。






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2008-06-23(Mon)

国土形成計画を修正 (日本の国土を考える) 

国土形成計画(案)が修正されるって?

国土交通大臣が福田総理に国土形成計画の修正を報告したという。

国土形成計画(全国計画)に海峡横断道路計画を推進するとした文言があり、
道路特定財源問題の国会審議で、無謀な計画だと批判されたからだ。

しかし、文言は海峡横断道路だけではない。

14000kmの高規格幹線道路、6850kmの地域高規格道路(計画路線)という高速道路計画を推進することも盛り込まれている。実に21000kmを超える高速道路計画である。

冬柴国交大臣が、「ネットワークでつなぐ」と執念を燃やし、何度も国会で答弁していたのが、この高速道路計画だ。

道路特定財源の一般財源化を閣議決定しても、この「高速道路ネットワークをつなぐ」ことについては、撤回も何もしていない。「必要と判断される道路整備」として、生き残るために執念を燃やしている。

国土形成計画には、中期計画に沿って、この高速道路計画を推進するという趣旨が盛り込まれている。道路特定財源の一般財源化と中期計画の見直しを言うのなら、この国土形成計画の部分も見直すべきである。

そして、海峡横断道路は、さらにその先の計画だ。地域高規格道路の候補路線という位置づけで、68億円かけて調査が行われてきた。

国交大臣は、調査を中止すると国会答弁した。文言の修正は当然だが、調査の中止だけでなく計画そのものを中止して国土形成計画から排除するべきである。

さらに、全国計画に続いて、地方の要望にそって策定されることになっているが「広域地方計画」に盛り込まれる可能性もある。これをやめさることが必要だ。


2008年6月21日(土)「しんぶん赤旗」
共産党追及の海峡横断道路
国土形成計画修正へ 国交相

 冬柴鉄三国土交通相は二十日、首相官邸で福田康夫首相を訪ね、現在策定中の国土形成計画(全国計画)の政府案のうち、批判が相次いでいる海峡横断プロジェクトに関する文言を修正すると報告し、了承を得ました。

 同計画は今後十年間の国土づくりの方向性を示す内容で、当初は二○○七年度中に閣議決定する予定でした。しかし、道路特定財源をめぐる国会論戦の中で、日本共産党国会議員団が徹底して追及。東京湾口などをまたぐ道路の整備構想の採算性や現実性が大本から問われていました。

 会談後、国交相は記者団に対し「政府案を修正し、国会審議を反映する形で閣議決定したい」と表明。閣議決定の時期については「時間がかかる」と述べただけでした。


(2008年5月27日 読売新聞)
国土形成計画
日本の未来図 8圏域ごとに
 今後10年間の国土作りの指針となる「国土形成計画」のうち全国計画が、6月にも閣議決定される。国土交通省は、八つの広域ブロックが自立して発展する国土像を描いており、今後の焦点は、広域ブロックごとに地方主導で策定する広域地方計画に移る。(香取直武)

国土形成計画(全国計画)の骨子
▼東アジアとの交流・連携(日帰りビジネス圏の拡大、観光立国の実現など)
▼持続可能な地域の形成(二地域居住の促進など)
▼災害に強い国土形成(情報技術を活用した災害情報の収集・伝達体制など)
▼美しい国土の管理と継承(歴史的建造物や産業遺産の保全・整備など)
▼「新たな公」を基軸とする地域づくり(NPO、企業、行政の協業など)

 ■人口減少
 計画は、個別の振興計画がある北海道と沖縄を除き、東北、首都圏、北陸、中部、近畿、中国、四国、九州の八つの広域ブロックを設定し、各地域の特徴を生かした国土開発を目指している。従来の長期計画である全国総合開発計画(全総)が、政府主導による均一的な開発に傾きすぎて、地方ごとの特色ある発展を促すことができなかったとの反省からだ。

 新計画の大きな特徴は、「定住人口の増加をすべての地域で実現することはできない」と、人口減少社会を前提とした点だ。

 高齢化で存続が危ぶまれる「限界集落」については、「中心・基幹集落への機能統合や再編成などを含めた合意形成を図る」と明記した。一つの自治体があらゆる行政サービスを提供する「フルセット主義」の限界を示唆した。

 人口減少対策の一つとして、二つの地域に生活拠点を持つ「二地域居住」の推進を挙げた。都市と地方の双方に生活拠点を持つ生活スタイルを広めて、地方で暮らす人口を増やし、消費活動や地域活動の担い手にしたい考えだ。

■東アジアを取り込み
 日帰りビジネス圏の拡大など、広域ブロックごとに東アジアの成長を取り込む施策も盛り込んだ。

 都内からの日帰り圏は現在、ソウルや上海などに限られるが、これを北京や台北、ウラジオストクなどに広げる。2010年に羽田空港に4本目の滑走路が新設されるのをにらみ、航空各社に東アジアとの直行便の増加を促し、関西、中部国際空港とともに24時間化を拡大する。

 ■従来型開発も
 一方で計画は、全国1万4000キロの高速道路網や、整備新幹線の未着工区間について、整備推進の姿勢を示した。

 冬柴国交相が調査事業の中止を表明した全国6か所の海峡横断プロジェクトについても、計画では「取り組みを進める」としており、国会で野党から削除を求められた。

 地方では道路や新幹線など、大型公共工事を求める声が根強く、今後、広域地方計画に反映される可能性がある。国交省が全国計画で示した従来型の開発姿勢に対しては、「地方計画をテコに省益確保を図る思惑」(関係者)との指摘がある。

 地方計画を策定する広域ブロックは、政府・与党などで議論が進む道州制の枠組みを先取りするものだ。独自性のある将来像を描けるかどうか、財源の裏打ちのある構想や政策を立案する能力はあるのか――。各ブロックは、分権の受け皿としての力量を問われることになりそうだ。

国土形成計画のスケジュール
2005年7月 国土総合開発法を改正した国土形成計画法が成立
9月 国土審議会(国交相の諮問機関)が議論をスタート
2008年2月 国土審議会が国土形成計画(全国計画)を答申
6月? 閣議決定/各広域ブロックで協議会を設置
2009年3月まで 広域地方計画を策定

前身の「全総」 均衡ある発展掲げる

 国土形成計画の前身の全総が初めて閣議決定されたのは1962年。池田内閣の所得倍増計画に対し、地域格差を是正すべきだとの批判が出たことがきっかけとなり、「地域間の均衡ある発展」を掲げた全総が策定された。

 高度成長期の新全総、第1次オイルショック後の三全総を経てバブル期に策定されたのが四全総。道路特定財源を巡る議論で現在も焦点となっている1万4000キロの高速道路網整備はこの時盛り込まれた。

 バブル崩壊後の「21世紀の国土のグランドデザイン」は、投資規模を盛り込むのも見送った。国の財政は急速に悪化し、中央集権型の開発計画はすでに時代遅れになっていた。

 今回の国土形成計画では、全体理念を示した「全国計画」を国交省が策定し、具体的な事業を盛り込む「広域地方計画」は地方主体で作る2本立てになっている。

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2008-06-21(Sat)

淀川水系ダム問題(その1)


淀川水系ダム問題での整備局計画案の見切り発車に対する
               宮本委員長声明および3人の元委員長声明



                      委員長声明

 淀川水系流域委員会(以下「委員会」という)は、2001年2月に設置されて以来、琵琶湖・淀川の再生と流域住民の生命を最優先で守るという観点で国土交通省近畿地方整備局(以下「整備局」という)と連携しながら審議を積み重ねてまいりました。しかし昨年8月に、ようやく整備局から提示された「淀川水系河川整備計画原案」(以下「原案」と言う)は、「環境・治水・利水についての総合的な検討」、「洪水対策」や「水需要管理」等重要な項目において、これまで第一次、第二次委員会を通じて積み重ねてきた審議の成果である「淀川水系河川整備計画基礎案」とは大きく異なったものであったため、本年4月25日に原案の見直しと再提示を求める意見書を整備局に提出しました。これまで整備局からの資料・データの提出が遅かったこと等により円滑に審議が進められなかったものの、現在、原案の見直しを求めつつ、最終意見提示に向けて残された課題についての審議を鋭意行っているところであります。
昨年8月9日に開催された第三次委員会の初回委員会において、委員会の「原案」に対する最終意見提示前に「整備計画案」を策定し、関係府県へ提示すること、いわゆる「見切り発車」はしないよう整備局に申し入れ、同局から「見切り発車はしない」との回答を得ました。また5月13日に開催された第78回委員会および6月18日の近畿地方整備局長との会談において、重ねて「見切り発車」はしないでいただきたいと強く申し入れました。
このような経緯にもかかわらず、この度整備局が「整備計画案」を策定し、関係府県に提示されたことは、委員会の意見書および申し入れを無視したものであり、誠に遺憾であります。河川法の趣旨を生かさずに、頑なに事業を実施しようとする整備局の姿勢に対して強く抗議します。
                                   2008年6月20日
                                 淀川水系流域委員会委員長
                                             宮本博司

http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/81th/pdf/iin81th_seimei01.pdf



平成20年6月20日
国土交通省近畿地方整備局長
布村 明彦 様
淀川水系流域委員会・元委員長 芦田 和男
同 寺田 武彦
同 今本 博健
声 明

本日6月20日、淀川水系の管理者である国土交通省近畿地方整備局(以下、近畿地整)は、自らが設置した淀川水系流域委員会の「淀川水系河川整備計画原案」についての最終的な意見を聴くことなく、「淀川水系河川整備計画案」を記者発表された。
いうまでもなく、河川管理者は、立法者の意思すなわち法の趣旨・目的の範囲内において権限を有するにすぎない。
改正河川法第16条の2、第3項は、河川管理者が「必要があると認めるとき」に「学識経験を有する者の意見を聴かなければならない」と規定していることから、河川管理者の意見聴取についての 「必要性の判断」がもつ意味はきわめて大きい。
近畿地整はこの必要性判断を行い、学識経験者の意見を聴く方法として淀川水系流域委員会を設置したわけであるから、河川管理者は、流域委員会の意見を聴く法的責任を負うとともに、その意見を十分配慮・反映して河川整備計画案を作成する法的義務を負っている
行政の使命は、国民の基本的人権を擁護することにあり、それは、法に従い、法の趣旨・目的に従って政策を実行・実施することであるが、近畿地整の今回の行為は、この使命を逸脱する無謀な行為であり、河川法に違反する暴挙である。
われわれ3名は、改正河川法の趣旨にのっとり、新たな河川整備を目指して真剣に審議してきた第1次および第2次の流域委員会の委員長として、近畿地整の今回の行為に大いなる遺憾の意を表明するとともに、流域委員会の最終的な意見を聴き、それを十分配慮・反映した淀川水系河川整備計画案を再提示されることを要求する。
以 上
http://www.yodoriver.org/kaigi/iin/81th/pdf/iin81th_seimei02.pdf


近畿整備局 記者発表
http://www.kkr.mlit.go.jp/scripts/kisha-uproad/index.pl

2008年6月20日 資料配布 淀川水系河川整備計画(案)について(3/3)
2008年6月20日 記者発表 淀川水系河川整備計画(案)について(2/3)
2008年6月20日 記者発表 淀川水系河川整備計画(案)について (1/3)
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2008-06-20(Fri)

改正河川法の精神踏みにじる暴挙

淀川水系「ダムありき」案 見切り発車  国交省近畿地整

【共同通信】 2008/06/20 18:08
4ダム建設案を正式発表 8月までに計画決定へ
 国土交通省近畿地方整備局は20日、大戸川ダム(大津市)など4ダムの建設を明記した「淀川水系河川整備計画案」を正式発表、建設費負担などでかかわる滋賀、京都、大阪など6府県に示した。
 同整備局は各知事の意見を踏まえ、8月末の2009年度政府予算案の概算要求までに計画を決定したい考えだ。
 4ダム建設の見直しを求めている諮問機関「淀川水系流域委員会」は計画案発表を「見切り発車」と批判。20日記者会見した同整備局の谷本光司河川部長は、計画決定が予定より遅れていることを強調し「委員会には十分説明しており強引とは思わない」と話した。
 淀川水系委が4月に提出した中間意見書が事実上無視されたことについて、谷本部長は「委員会が主張するダムの代替案などは、反映できる意見ではなかった」と説明した。



昨日も書いた淀川ダム問題で、とうとう国交省は「見切り発車」した。流域委員会の最終意見もまたず、「委員会には十分説明しており強引とは思わない」(谷本光司河川部長)とはよく言えたものだ。

計画決定が予定より遅れていることを強調したらしいが、予定はだれがどのように決めたのか。
専門家など有識者が、ダム計画の説明は治水の効果があまりない、もっときっちり説明できるデータや代替案を示して説明すべきだ、という意見を言っているのに、「時間がないから見切り発車します」というのでは、だれも納得できない。

もともと、97年の改正河川法の趣旨に基づいて設置されたのが淀川流域委員会だ。
改正河川法は、それまでの利水・治水の目的に環境を加えた。
同時に、計画決定段階における住民の参加、有識者をふくむ住民合意を手続きとして位置づけた。
これまで、建設省だけが計画をつくり、有識者や住民などに押し付ける一方的なやり方を改めたのだ。いわば、計画はお上が作り国民は従うだけというやり方をやめ、行政も有識者や住民など国民と一緒になって河川整備の計画をつくっていこうと、いうことに改めた。

97年改正当時の建設省河川局長だった尾田栄章(ひであき)さんは、「関係住民を含めて皆で議論して整備計画をまとめるのが改正河川法の趣旨だ。場合によっては、基本方針にさかのぼって見直すこともあり得る」といっている。

国会の答弁でも「基本方針で定めた中ではこの整備計画がどうしてもできないということになれば、またこの基本方針のあり方についても再度検討をする」と答弁している。

当時の課長だった竹村公太郎・元河川局長は「ダムがだめなら次の代替案はある」ということだと言っている。つまり住民らの意見で、行政のダム案がまとまらなかったならば、別の代替案を考える、ということだ。

まさに、こういう経過のもとでできた流域委員会の意見すら無視することは、改正河川法の精神を国交省が踏みにじるということ。暴挙以外何物でもない。







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2008-06-20(Fri)

道路特定財源問題関連資料(その1)

“道路特定財源の一般財源化”をめぐる政府与党と民主党の態度


<政府・与党>
道路特定財源等に関する基本方針
平成20年5月13日
閣 議 決 定
 道路特定財源等については、以下の基本方針のとおりとする。
1.道路関連公益法人や道路整備関係の特別会計関連支出の無駄を徹底的に排除する。
  政府全体で、行政と密接な関係にある公益法人について、6月末までに集中点検を実施し、支出の無駄を徹底的に是正する。
2.道路特定財源制度は今年の税制抜本改革時に廃止し21年度から一般財源化する。
その際、地方財政に影響を及ぼさないように措置する。また、必要と判断される道路は着実に整備する。
一般財源化の法改正により、道路整備費の財源等の特例に関する法律案における道路特定財源制度の規定は21年度から適用されないこととなる。
3.暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取り組み、地方の道路整備の必要性、国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討する。
4.道路の中期計画は5年とし、最新の需要推計などを基礎に、新たな整備計画を策定する。この計画は、20年度道路予算の執行にも厳格に反映する。
5.ガソリン税などの暫定税率の失効期間中の地方の減収については、各地方団体の財政運営に支障が生じないよう、国の責任において適切な財源措置を講じる。その際、地方の意見にも十分配慮する。
6.これらの具体化を進めるため、道路特定財源に関する関係閣僚会議を設置する。



<民主党>
2008年5月28日
道路特定財源等の改革に関する基本方針(基本的な考え方)
民主党
1.揮発油税等の暫定税率の完全廃止と、本則税率部分の一般財源化。
2.特別会計の廃止と地方財源の手当て。
3.道路整備中期計画59兆円を白紙に戻す。
4.道路整備における国と地方の役割を抜本的に見直し、
  道路建設における資源配分の仕組みを変える。
 ①地方整備局等の支分局の機能の見直し、都道府県への移管。
 ②地方が必要な道路は地方が担い、
   直轄国道、補助国道等の管理区分も見直し、地方の自主性を高める。
 ③国は高速自動車国道を担い、
   国幹会議のあり方もあわせた道路建設ルールも見直す。
5.建設コスト・維持管理コストの徹底した見直し、削減。
6.行政経費における無駄遣いの根絶。
7.独立行政法人、公益法人など天下り団体の徹底整理。
8.地球温暖化対策税(仮称)など地球温暖化対策税制の導入検討。

2008年5月28日
「道路改革・道路特定財源の一般財源化等にかかわる協議会」
に臨むにあたって
民主党
今、日本は衰退の道をたどり始めている。その最大の原因は巨額の税金や保険料が国民や国の将来のためでなく官僚組織や族議員の利益のために浪費されてきたことにある。民主党は道路をめぐる政策論争はまさに中央集権の『国のかたち』を根本的に変える突破口と考えている。
 道路政策に関し道路特定財源を一般財源化すべきという民主党の主張に対し、福田総理から3月末になって初めて『一般財源化』方針が打ち出され、のちに閣議決定がなされた。しかしこれは本当の一般財源化につながるのかはなはだ疑わしい。欧米に比べて高い建設コストの見直しもしないまま、道路を建設し、余った財源を『一般財源化』という姑息な内容となる可能性も大きい。更に、『一般財源化』といいながら、道路建設を目的に課税する暫定税率を復活させるのは納税者への裏切りであると考える。
 そこで、道路特定財源を地方の自主財源とし、道路整備の権限を大胆に地方に移すことを含む民主党の抜本改革案を提示するものである。なお、抜本改革案については法案化のうえ、次期国会へ提出する。
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2008-06-19(Thu)

「ダムありき」 先祖帰りした国交省河川行政

淀川水系ダム問題で、流域委員会の意見待たずに国交省が「見切り発車」 

【共同通信】 2008/06/19 19:23
4ダム建設の計画案策定 諮問機関無視、見切り発車
 国土交通省近畿地方整備局は19日、4ダムの建設を明記した「淀川水系河川整備計画案」を策定、20日午後に公表することを決めた。
 有識者でつくる同整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」(宮本博司委員長)は4月、4ダム建設の原案を見直すよう求める中間意見を提出し、最終意見の取りまとめに向け審議中。
 行政が諮問機関の意見を事実上無視するのは異例で、“見切り発車”に淀川水系委は「存在意義が問われる」(宮本委員長)と反発している。
 4ダムは川上ダム(三重県伊賀市)、大戸川ダム(大津市)、丹生ダム(滋賀県余呉町)、天ケ瀬ダム再開発(京都府宇治市)。
 河川整備計画は、原案、計画案と段階的に策定。同整備局は計画案を三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の6府県知事に提示し計画策定を急ぐ。


なんということだ。国交省は自ら諮問した学識経験者の委員会の意見も聞かず、

ダム建設計画をごり押ししようとしている。考えられない暴挙だ。

11日には、国会でも「見切り発車するな」と取り上げられていた。


http://www.kokuta-keiji.jp/cat1/post_657.html

淀川水系流域委員会(国交省近畿地方整備局の諮問機関)は、

もともと、97年の改正河川法の趣旨に基づいてつくられた機関だ。
 
改正河川法は、それまでの治水と利水の目的に加え、環境が盛り込まれ、

同時に、河川整備計画の作成に当たって住民参加や環境重視を位置づけられた。

行政(官僚)だけで決めていた計画を改め、専門家や住民も計画段階から参画して

整備計画を作ろうという趣旨だった。

今回の流域委員会の最終意見無視の見切り発車は、

改正河川法の趣旨を国交省自ら踏みにじるものだ。

冬柴鉄三国交相は「意見書にはダムが必要だという異論も記述されている」などと

流域委員会の少数意見を持ち出し、ダムに固執する。

「これは大変な委員会だ・・・もう御意見は伺ったんだからいいんじゃないのと」

流域委員会を軽視する答弁もしている。

「国交省の顧問弁護士」と道路問題で揶揄された冬柴大臣。

今度は、ダム問題で顧問弁護士ぶりを発揮している。


169-参-国土交通委員会-第8号 平成20年5月15日
○国務大臣(冬柴鐵三君) 
これは大変な委員会だなと。僕はこれ聞いたときに、余りここで言うとあれだけど、もう御意見は伺ったんだからいいんじゃないのと。ほかの知事さんとかそういう人たちの意見をよく聴いて、そして、河川管理者は私ですからね。これ、小田原評定という言葉があるけど、やっている間にどっと来たら、亡くなった人が出たら、私、責任ですよ、これ。
 したがって、私は、学問的にはどうなんだということを言いますと、ここに入っておられる委員の先生方も、ダムは有効だといっぱい言っていらっしゃる方がたくさんあるんです。ところが、報告書にはダムは駄目だと。もう一度作り直せというもう簡単な報告書が最後に出ています。私は、もうお聴きしたんだからこれでいいんじゃないのと、こういうふうに申し上げています。


最後に、まともな社説を紹介しよう。

日経新聞 2008年5月16日(金)
社説:「ダムありき」の河川行政を改めよ
 関西の淀川水系で計画中のダム建設に対して、国土交通省近畿地方整備局が設けた有識者委員会が「待った」をかけた。しかし、委員会の意見を無視して、国交省は建設を強行する方針だ。同省の姿勢には首をかしげざるを得ない。今こそ「ダムありき」の河川行政を改める時だ。
 問題になっているのは大戸川ダム(大津市)、天ケ瀬ダム(京都府宇治市)など4つのダムだ。委員会はダムの治水効果や事業費などを検証し、ダム建設は「適切ではない」という意見書をまとめた。流域の堤防強化など他の対策も検討し、比較することを提案している。
 大戸川ダムの場合、200年に1度の規模の洪水時でも下流の水位を19センチ下げるだけの効果しかないというのだから、委員会の指摘はもっともだろう。事業費をみても3つのダムだけでも約2700億円と当初計画よりも大幅に膨らんでいる。
 大戸川ダムが多目的ダムとして計画されたのは30年前だ。その後、水需要が見込みよりも少ないことがわかり、2005年に事業は凍結された。ところが国は昨年夏に、ダムの下底部に放流口を設ける治水専用ダム(穴あきダム)として建設する方針を突然打ち出した。
 小泉純一郎内閣の時にダム建設を見直す動きが広がったが、最近各地で復活している。多くが今回と同じ「穴あきダム」だ。川の流れをせき止めないために環境への影響が小さいとされるが、巨大な構造物を自然の中に造ることに変わりはない。
 有識者委員会は意見書のなかで、環境の保全と再生のために「治水・利水の考え方を根本的に転換する」ことを国に求めた。堤防整備、河川改修、自治体間の水利権の調整などで、ダムに頼らなくても住民の安全・安心を守る道はあるはずだ。
 国がダムに固執するのは用地買収や住民移転が進み、今さら計画をやめられないというメンツだろう。建設予定地では確かに早期着工を求める声が多い。しかし、過去の経緯にとらわれるのではなく、代替案をまず検討することが必要だ。
 住民や学識経験者の意見を河川計画に反映しようと、1997年に河川法が改正され、その後、有識者委員会が設置された。このままダム事業を強行するならば、河川法の精神を国が踏みにじることになる。
 今後は滋賀、京都、大阪の3府県の知事の判断が焦点になる。岐阜県の徳山ダムのように完成した今でも必要性が疑問視されている事業もある。知事は国にはっきりと計画の変更を求めるべきだろう。


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2008-06-18(Wed)

イカ釣り漁船ストライキ!原油、食糧、資材高騰で生活危機深刻!

イカ釣り漁船が燃料費高騰でストを決行。マグロやカツオ漁船も7月に休漁を計画。

(読売新聞 2008年6月18日14時18分)
「燃料代2倍以上」と悲鳴、イカ釣り全国一斉休漁…2日間
 休漁を決めて漁港に係留されたままのイカ釣り漁船(18日、北海道函館市で) 燃料費の高騰を受け、全国いか釣漁業協議会(東京都)は、20道府県の小型イカ釣り漁船(10~30トン)約900隻を中心に2日間の休漁を呼びかけ、17日から19日にかけて操業の一斉停止に入った。
 イカの価格は上がらずに燃料費だけが上昇する中、一斉休業は、漁業者の窮状を訴え、国に燃料価格高騰分の補てんを求める狙いもある。
(中略)
  これを受け、大日本水産会、全漁連など漁業12団体が全国的な一斉休漁を7月中下旬の1~2日間実施する予定にしている。また、遠洋マグロ漁の漁業者で作る「日本かつお・まぐろ漁業協同組合」は、稼働しているマグロはえ縄漁船約380隻の2割以上が数か月休む規模で休漁を検討している。
 市場や小売関係者の間では、燃料価格の高騰が魚の供給量減少と、価格上昇につながる可能性を指摘する声も出ている。


原油高騰で、漁船の燃料であるA重油は03年に39円/㍑が07年、約69円/㍑に。08年に入り値上げ加速、6月には約105円/㍑だという。ガソリン200円/㍑も現実味をおびてきた。

小麦など食糧価格も、鉄など素材原料も大幅な高騰が続いている。

サブプライムローンの破たんで投機的資金が、原油や穀物などの先物取引市場に流れてきたことが原因だというが、手をこまねいていていいのだろうか。国際的な協調により規制するなどして市場をコントロールすべきだ。

同時に、日本の国としてやるべきことは、国民生活を支えることだ。その姿勢が政府には見えない。野党もなぜか声が聞こえてこない。

国民の塗炭の苦しみを今こそ受け止め、声を上げていく時ではないのか。





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2008-06-17(Tue)

まだやってた、官製談合!国交省北海道局長逮捕

ちょっとびっくりだね。

道路公団橋梁談合事件が発覚して以降も談合やってたとは。

しかも、国会で答弁に立ってた。北海道局長さん。

冬柴大臣、どう顧問弁護士ぶりを発揮するか、注目だ。


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2008-06-16(Mon)

ちょっと冷たい?冬柴大臣(岩手・宮城内陸地震)

岩手・宮城内陸地震が発生。

中国四川省の大地震ショックも冷めやらぬうちに日本でも起きた。

亡くなられた方、負傷した方、罹災された型方々にお見舞い申し上げる。

ところで、国土交通大臣は公明党の冬柴鉄三氏だが、なんか変なこと言ってる。

☆国交相、激甚災害指定は慎重に検討 岩手・宮城内陸地震
 冬柴鉄三国土交通相は15日、岩手・宮城内陸地震の激甚災害指定について「これから検討する」としたうえで「(激甚災害指定には)要件があるが、建物がほとんど壊れていない。雪深いために屋根が軽いなど、非常に地震に強い構造だ」と慎重に検討する考えを示した。首相公邸前で記者団に語った。 日経ネット(6/16)


激甚災害指定に慎重姿勢とは、なんで?

しかも、激甚災害指定の要件について、建物が壊れていない云々なんてこと言ってる。

「甚災害指定基準」そのものを知らないんじゃないの。

「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」には、

「公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助」が規定されている。

土砂災害や陥没などで道路がめちゃくちゃになっていたが、

こういう道路などが対象なのに、建物のことしか言ってない。

国交省の官僚に吹き込まれたのか、自分で判断したのかわからないけど

激甚災害指定に後ろ向きの印象しか残らない。

道路特定財源の維持を言い張り、国交省の顧問弁護士と揶揄されたのに

いまだに役所のほう向いてる感じだ。

国会で、いくら“庶民の味方”だと発言しても、こういう場面で正体が見える。

せっかく国会が延長されたんだから、国土交通委員会も開いて集中審議すればいい。


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2008-06-13(Fri)

国民の願いはどこへいった

11日に問責決議が参院で可決

12日には信任決議が衆院で可決

で、どうなった?

後期高齢者医療制度廃止法案が衆議院で審議もされなくなった。

民主党と社民、国民が本会議をボイコットしたからだ。

共産党は本会議での審議入りを求め、答弁書まで用意していた。

民主が出ないなら共同提案者である共産党の小池晃参院議員が

法案の趣旨説明と(自民公明の質問への)答弁に立つと準備をしていた。

しかし、民主などがOKせず、審議入りできなかった。

もともと、問責決議について、政府与党は無視する態度だった。

それがわかっていたのになぜ出したのか。

後期高齢者医療制度廃止法案の衆議院での否決が目に見えていたとしても

審議に入れば、審議未了廃案か継続か、新たな展開もあり得た。

福田・自公政権が国民の願いを無視していることは明白だが

国民の願いを国会にどう反映させるか、

そのやり方を誤れば、おのずと“どっちもどっち”論が流される。

ともあれ、国会は、自然休会の様相で、短期延長して閉幕しそうだ。


http://anemonefish.cocolog-nifty.com/osakana/2008/06/post_1fed.html


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-06-13/2008061301_01_0.html
008年6月13日(金)「しんぶん赤旗」より
「日本共産党は十二日の審議入りを実現するため、同日午前から、与党や他の野党に要請するなど、努力を重ねました。
 日本共産党の穀田恵二国対委員長は、自民党の大島理森国対委員長と国会内で会談。穀田氏は「与党から提起のあった趣旨説明・質疑は、ぜひやるべきだ」「自公両党議員の質問要旨も昨夜(十一日)、わが党の発議者である小池晃議員のもとに寄せられ、答弁準備も(徹夜で)整えた。答弁の機会を与えていただきたい」と求めました。
 大島氏は、日本共産党が趣旨説明、答弁することについて、他の野党の同意を条件としました。
 日本共産党は、民主、社民、国民新の各党に同意を求めましたが、了承を得られませんでした。
 この後、衆院本会議の議題を協議する議院運営委員会理事会で、日本共産党の佐々木憲昭議員は重ねて審議入りを求めましたが、与党側は審議入りの前提が整っていないと述べ、議題となりませんでした。
 穀田氏は佐々木氏とともに記者会見し、民主党などは、国民の前で堂々と答弁・質疑すべきであり、審議拒否は許されないと主張。「国民の意見は、与党がいうような『見直し』ではなく、廃止法案を実らせることにある。その努力を最後まで続ける」と述べました。
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2008-06-10(Tue)

気のむくままに

気のむくままにブログ。

会期末が近づいた国会。会期延長するらしい。

参議院で可決した後期高齢者医療制度廃止法案、

衆議院では審議もなしか?

6月8日の沖縄県議選で与野党逆転。山口2区に続いて与党には厳しい審判。

民主党は、あす11日に問責決議案を参議院に提出・可決するだろう。

しかし、福田内閣は“無視”する・・・・何があっても?

どうしようもないなあ!

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