2008-07-31(Thu)

 道路財源はどうする? 09年度概算要求基準

道路財源は先送り 見えない一般財源化の姿

具体的な一般財源化の姿が見えない。
このままズルズルいくのかな?



日経新聞 夕刊 2008年(平成20年)7月 31日(木曜日)
ニュースの理由
来年度の概算要求基準決定  道路財源改革は素通り

政府は二○○九年度予算の概算要求基準(シーリング)を決めた。小泉政権以来の歳出削減路線を何とか守り、予算配分見直しへ「重要課題推進枠」も設けた。ただ、福田康夫首相か旗印にするはずの道路特定財源改革の具体化は素通りした。
 
  ■  ■
 ガソリン税や自動車重量税といった道路に使途を限ってきた特定財源は○八年度の国の予算分で約三兆三千億円。「救急医療体制の整備や少子化対策など皆さんが求める政策に使う生活者財源へ転換する」。全額の一般財源化を決断した首相は六月の記者会見でもこう言い切っている。
 
 二十九日に閣議了解したシーリング。小泉政権の遺産「骨太方針○六」の枠組みに沿って公共事業の前年度比三%減など「最大限の歳出削減」方針を堅持した。さらに社会保障などは除き、公共事業、科学技術振興など裁量的経費で削減幅を二%上乗せ。これで三千三百億円の「重要課題推進枠」を確保した。
 
 「重要枠」は社会保障、成長戦略、低炭素社会づくり、食糧・エネルギーの安定供給確保策などが重点配分の候補。首相が公約した「生活者財源」と重なるようにも見えるが、幅広い分野から予算要求でき、どこまで配分変更につながるか未知数。しかも、道路財源改革とは直接関係がない。
 
 閣議了解文書には「道路財源から生活者財源へ」の配分見直しを視野に入れた仕掛けは見当たらない。むしろ道路財源改革は「見直しに伴う経費の取り扱いは予算編成過程で検討する」と年末まで結論を先送りした。
 
 公共事業は五%減が予算要求の発射台。自民党も国土交通省も、どの公共事業も横並びで考えがちだから道路整備費だけ減らすような要求はしない。○八年度の道路整備費は約二兆円。五%減なら約一千億円減にとどまるが、これでも自民党には強い反発がくすぶる。

 公明党はシーリング段階で前年度比一○%減となる二千億円減まて踏み込むべきたと唱えたか、自民党が難色を示した。それどころか、「重要枠」で防災対策などを理由に道路整備費の削減分の復活を要求する「奇策」すら取りざたされている。

 はじめからシーリングの枠外で聖域扱いの道路財源もある。一般会計を経由せず、社会資本整備事業特別会計の道路勘定に直接入るガソリン税収の一部(約六千八百億円)だ。財務省の査定なしに国交省が「地方道路整備臨時交付金」として自治体に配る。「地方財政に影響を及ぼさない」を名目に手つかずの流れだ。
  
  ■  ■
  「道路財源を一般財源化しても新しい財源が生まれるわけではない」
 額賀福志郎財務相はこうクギを刺してきた。新たな財源をひねり出し、予算の姿を変えるには道路整備費を大胆に削減する以外に方策はない。工夫が「重要枠」だけなら、一般財源化による「生活者財源」という首相公約は幻想をまき散らしただけに終わりかねない。

(編集委員 清水真人)


平成20年7月29日 閣 議 了 解
平成21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/h21gla.pdf
平成21年度一般歳出の概算要求基準の考え方
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/h21glb.pdf
平成21 年度概算要求基準のポイント
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/h21glc.pdf


<参考>
平成20年7月29日 閣議了解
「平成21年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」
(公共事業・道路特定財源関係抜粋)

(2) 公共事業関係費
① 公共事業関係費に係る予算措置の総額については、前年度当初予算における公共事業関係費  に相当する額に100分の97を乗じた額の範囲内に抑制する。但し、下記(5)の調整を行う。
 公共事業関係費に係る各省庁の要望については、各所管ごとに、前年度当初予算における公共事 業関係費に相当する額に100分の97を乗じた額から下記(5)における控除額を控除した額(以下(2)①において「要望基礎額」という。)を算出した上で、当該要望基礎額に100分の125を乗じた額を上限 とする。
② なお、公共事業関係費全般について、予算編成過程等において、
イ 「基本方針2008」を踏まえ、地方の自立・活性化、我が国の成長力強化、防災・減災等による安  全・安心の確保等の観点から、真に必要な社会資本を選別するとともに、整備水準や普及率の上  昇、産業構造の変化等を踏まえた事業分野ごとのメリハリ付けを強化し、投資の重点化を一層推進 する。
ロ 費用対効果分析等による事業評価を一層活用し、中止、見直しを含め、事業の厳格な選択を行  う。
ハ あらゆる事業分野において、民間手法、民間資金等活用事業(PFI)の活用や規格の見直し等を  進めるとともに、既存ストックの有効活用や事業間の連携強化により、事業の透明性を十分確保し つつ、官民格差等を踏まえたコスト縮減の取組を継続する。特に、談合の廃絶など、国・地方を通  じ、入札・契約の透明性・公正性を確保し、執行段階における競争促進を図るとともに、不要不急な 経費の見直し、必要性・効率性を踏まえた政策棚卸し等を徹底する。
ニ 国と地方の役割分担の明確化等の観点から、引き続き直轄事業及び補助事業の見直しを行う。
ホ 政策目的に照らし、公共事業から公共事業以外のより適切な政策手段へのシフトを図るなど、公  共事業及び非公共事業の区分にとらわれない配分を行う。
へ 各地域における社会資本の整備状況や必要性に十分に配慮しつつ、適切な予算配分を行う。
③ また、「道路特定財源等に関する基本方針」(平成20年5月13日閣議決定)に基づき、道路特定財 源制度は平成20年の税制抜本改革時に廃止し平成21年度から一般財源化し、生活者の目線でそ の使い方を見直す。この見直しに伴う経費の平成21年度における取扱いについては、予算編成過 程において検討する。
具体的には、
イ 道路特定財源制度は、道路特定財源等に関する関係閣僚会議における具体化の検討を踏まえ、 平成20年の税制抜本改革時に廃止し平成21年度から一般財源化する。その際、地方財政に影響 を及ぼさないように措置するとともに、必要と判断される道路は着実に整備する。
ロ 暫定税率分も含めた税率は、環境問題への国際的な取組、地方の道路整備の必要性、国・地方 の厳しい財政状況等を踏まえて、平成20年の税制抜本改革時に検討する。
ハ 道路の中期計画は5年とし、最新の需要推計などを基礎に新たな整備計画を策定する。
ニ 道路事業は、経済社会状況の最新のデータに基づいたPDCAの厳格な実施、事業評価に関する 第三者機関の機能の拡充、実績が事前の評価を下回る事例の十分な把握等を通じ、不断の見直 しを行いつつ計画的に実施する。

関連記事
2008-07-30(Wed)

防げたはず 神戸都賀川の惨事

集中豪雨による増水 危険性認識していたのに対策が不十分だった

防げたはずなのに悔やまれる。
鉄砲水が危ないことは、みんな知っていた。
なのにこの惨事を生んだ。

同じような親水型都市河川は大丈夫か。

河川管理者(国や県)は、“川の中は危ない”もの。
「自己責任」で済ませていいはずがない。管理者の認識が問われる。

管理者には、国民・住民の命を守る責務がある。
その責任を果たすだけの体制はどうだったのか。

民間委託など公務員の仕事を、市場原理にゆだねる風潮が跋扈している。
命・安全を守るのは行政の第一義的責務だ。そのために国民は高い税金を払っている。

コンクリートで護岸をかため、海に流すという考え方はもう古い。
近年の集中豪雨は、数十年、数百年に1回の洪水を想定して対策を立てる治水対策の無力さを物語っている。

今回の惨事を想定外などというのでなく、防ぐべきだったこととして対策を図るべきだ。




朝日新聞 2008年7月30日 社説
川の惨事―「親水空間」の落とし穴 一瞬の増水が、夏休み気分を押し流してしまった。
 六甲山から流れる神戸市の都賀(とが)川で、突然水かさを増した流れに10人以上がのみこまれ、川遊びをしていた子どもらが亡くなった。
 昼ごろは日が照り、近くでバーベキューをする家族もいた。ところがその後、空模様が一変した。わずか10分間で子どもの背丈ほど水位が上がったという。川の表情の急変に驚かされる。
 海に迫る六甲山ろくの川筋は傾斜が急だ。都賀川は、支流を入れても全長3キロ足らず。二つの支流が合流した後、一気に流れ下る。局地的な豪雨に急傾斜という条件が重なったことが惨事を招いた。
 同じ日には金沢市でも川がはんらんし、約5万人に避難指示が出た。川は暴れるもの、ということを痛感させる被害があちこちで起こっている。
 豪雨が多発する原因ははっきりしない。それより今回、心に刻みたいのは、水辺の楽しさと水辺の怖さは背中合わせだということである。
 最近は都会でも、水際に近づいて遊べるようにする川がふえている。都賀川の現場も自然石を敷き詰め、そんな「親水空間」にしていた。こうした工夫そのものは、都市生活を豊かにする動きとして歓迎できる。
 だが、そういう川をふやすなら、「親水」がはらむ豪雨時の危険にまで思いを致すべきだろう。
 国内の河川改修は、降った雨をどう川へ集め、早く海に流すかという視点で進められてきた。川沿いの家々を堤防で守るという発想だ。見方を変えれば、豪雨のとき、水流の膨大なエネルギーが川に集中することになる。
 都賀川も、兵庫県が100年に1回の大雨に対応できる河川改修を終えた川だった。そのこともあって今回も、堤防から水はあふれなかった。逆に、川べりの親水空間にいた人々が激しい水流の直撃を受けたのである。
 神戸市の別の川では、河原で遊ぶ人たちのために、水位上昇を知らせる回転灯やスピーカーを設置していた。  急な増水を起こしやすい川で親水の試みをする以上は、こうした設備を整えることは欠かせない。
 「雨をすぐ海へ流す」という発想そのものを見直し、水のエネルギーを分散させる方法を探る必要もあろう。
 遊水池をたくさんつくる方法がある。学校の運動場や公園に浅く水をため、一時的なダムにする方法もある。荒廃した森林を手入れして保水力を高めることもできる。
 その地域に最も適した選択肢を流域住民と話し合って探るべきだ。そのことによって、住民も水害のリスクを知ることができる。
 夏休みの川を、これ以上悲劇の舞台にしたくない。

毎日新聞 2008年7月30日 東京朝刊
社説:神戸増水事故 集中豪雨に都市の備えを急げ
 局地的な集中豪雨に見舞われた神戸市の都賀川で28日、小学生らが濁流にのまれて亡くなった。水遊びを楽しめるよう整備された河川を前触れもなく鉄砲水が襲うという、予測を上回る状況で起きた事故だ。
 気象庁などによると、1時間に50ミリ以上の雨が降った回数は、77年から86年の10年間で平均200回、87年から96年は230回を超え、97年から06年では300回以上にのぼる。地球規模の気候変動やヒートアイランド現象の影響とみられ、同様の事故は今後も起こり得る。改めて、異常気象への備えと市民の意識向上の必要性を痛感する。
 神戸ではこの日、夏の日差しが照りつけていた。神戸海洋気象台は午後1時20分に大雨洪水注意報を、同55分に警報を出したが、雨はまだ強くなかった。
 ところが、同2時40分からの10分間で1・3メートルも水位が急上昇した。神戸市が設置した監視カメラの映像では黒い水が津波のように押し寄せたのがわかる。六甲山や流域に降った雨が一気に流れ込んだのだ。
 都市での豪雨被害の例としては、99年に福岡市のビル地下にある飲食店に川からあふれた大量の水が流れ込み従業員が水死。00年には名古屋の地下街や地下鉄駅が冠水した。
 これを教訓に01年、水防法が改正され、地下鉄や地下街への浸水情報伝達を義務付けた。だが、河川そのものの対策は遅れている。
 神戸市は市内22河川に監視カメラを設置しており、河川の状況を携帯電話でも見ることができる。だが、屋外でこうした情報を常時入手することは難しい。
 管理する兵庫県は、98、99年に洪水を起こした新湊川に警報サイレンを設置したが、都賀川は98年にも増水して人が取り残される事故が起きていたのに、設置していなかった。 都市の河川を親水空間として整備するのは、憩いの場としても災害時に水を利用するうえでも、またヒートアイランド現象対策としても極めて有効だ。
 しかし、突発的な増水の恐れがある以上、県や市は気象警報が出たら速やかに警戒を呼びかけるスピーカーやサイレンの整備を急ぐべきだ。パトロールを強化して事故防止に万全を尽くすのも当然の責務だ。
 さらに、護岸を階段状にしたり、道路とつなぐスロープを増設するなど避難路を確保する必要がある。
 コンクリートやアスファルトで地面を覆う街づくりも、再考すべきだろう。
 まず、雨水の河川流入を減らすため、アスファルトを水を通しやすいものに替えることだ。遊水機能を備えた土・芝生のグラウンドや公園の整備も不可欠だ。
 そして何より、市民自身が、突発災害はいつ起きてもおかしくないという認識を高めておくことが、再発防止には欠かせない。

2008年7月30日(水)「しんぶん赤旗」
神戸増水 国に安全基準なし 山下議員が国交省要請 親水河川に対策を
 神戸市灘区の都賀川(とががわ)が増水、流された四人が死亡した事故で、日本共産党の山下芳生参院議員は二十九日、再発防止の対策を国土交通省に要望しました。
 同日午前に現地調査をした山下議員。「都賀川が親水性のある川として河川整備をすすめ、子どもを安心して遊ばせられる場所となっている」とのべ、「そうである以上、ふさわしい安全対策があるべきだ。安全の指針や基準はあるのか」と国交省河川局の担当者にただしました。
 国交省側は「一律な基準をつくるのは難しい」とのべ、親水(水に親しむこと)性を持たせた河川整備をしていながら、増水時の対策や安全基準を国交省が持っていないことがわかりました。
 山下議員は「人を川に呼び込んでおきながら、安全対策がないのはアンバランスではないか。水量が増えたら、避難するよう周知すべき」だと発言。国交省側は「自分の身を守るのは自分だという意識を持っていただくのが一番。機会をとらえて情報提供していきたい」とのべるにとどまりました。
 山下議員は「こうした増水は全国どこの河川でも起こりうること。本格的な水遊びシーズンにあたり、二点要望したい」とのべ、(1)親水性のある河川に避難誘導の体制があるか一斉点検をすること(2)増水時安全指針をつくることを要望しました。
---------------------------------------------------
警報装置なかった 県・消防署から聴取 山下議員
 神戸市灘区の都賀川が増水し四人が死亡した事故で、日本共産党の山下芳生参院議員は二十九日、現地調査をおこない、事故原因と対策について兵庫県と神戸市灘消防署を訪れ、聴取しました。
 山下氏は、都賀川の構造が雨が降ると一気に増水する危険性を指摘し、河川整備や川で遊ぶ子どもたちや市民の安全対策について質問しました。
 兵庫県河川整備課の小林徹副課長は、看板やパンフレットなどで周知していること、増水の危険を知らせるサイレンが上流にダムなどがある場所にだけ設置され都賀川にはないこと、六甲山の南側では新湊川だけに設置されていることなど説明。「今後どうするか検討できていない」とのべました。灘消防署では、警報発令時に監視カメラなどで確認することになっていたが、火事で出払って対応できなかったことが報告されました。
 山下氏は、「予想を超える事態と言って逃げては教訓にならず、なぜ防げなかったのか考えなければいけない。国政でもいかしていきたい」とのべました。
 親水公園 川や用水路、海岸など、水辺に親しむためにつくられた公園。子どもや親子連れが、水辺の環境を楽しめる場所として整備されています。水にふれるだけに、水質や、増水などに対する安全配慮が求められますが、国土交通省は安全基準を設けていません。

関連記事
2008-07-29(Tue)

これで直接支援といえるのか 漁業燃料代補てん

姑息な漁業支援 燃料補てん 増額実質なし

姑息だ。燃料代補助はわずか80億円しかない。
融資保証など入れても200億円だ。
補正予算を組むわけではない。今年度の予算の枠内で、余ったものをかき集めてきただけだ。

政府は、民主党に対抗して打ち出したというが、対抗措置にもなっていない。

秋には、更に批判が高まって、補正を組むかもしれない。それで、支持率上げて解散?

うまくいくとは思わないが、とにかく、姑息だ!



河北新報 7月29日6時12分配信

燃料代補助「少なすぎ」東北の関係者反発

 農水省が漁船燃料の価格高騰対策で28日示した緊急支援策に、東北の漁業基地からは実効性をいぶかる声が上がった。漁業者が声高に求めてきた燃料代補助が盛り込まれたものの、補助枠は80億円と極めて少額。多くの漁業関係者は「補助はほとんど行き渡らない」と見ている。

 独自に1キロリットル当たり1000円の燃料補助を決めた遠洋マグロ基地・気仙沼市。鈴木昇市長は「条件付きながら補助を決めたことに感謝する」と評した。

 ただ、こうした声は限定的で、ほとんどの漁業者は補助額の少なさに不満を漏らす。

 支援策の総額約745億円のうち200億円は省エネ機器導入への無利子融資に充てられる。イカ釣り船約800隻が所属する青森県小型イカ釣り漁業協議会の森長保副会長は「設備投資できる余裕がある漁業者は少ない。無利子と言っても借金であることに変わりはない。助けにならない」と切り捨てる。

 大間漁協(青森県大間町)の浜端広文組合長も「これだけの予算を付けるなら、1リットル当たり20円でも30円でも援助するのが弱者への政策だ」と憤った。

 「80億円の補助はすずめの涙。ほとんどの漁業者は受け取れない」と怒るのは宮城県漁協の木村稔経営管理委員会長。補助基準額(1キロリットル当たり8万6000円)そのものが既に燃料高騰後の価格である点に触れ「本来なら6万円程度が採算ライン。仮に補助を受けても苦しいことに変わりない」と指摘する。

 今回の支援策には、直接補てんより漁業の体質強化を優先させたい政府の姿勢が色濃くにじむ。木村氏は「原油市場への投機マネー流入など経済失政のつけを、なぜ漁民が払わなくてはならないのか」と、あらためて怒りをあらわにした。


毎日新聞 2008年7月29日 東京朝刊

漁業燃料費補てん:危機感に対応 措置の固定化、懸念

 政府が28日に決定した漁業用燃料の高騰対策は「事実上、国が燃料を漁業者に買い与える」(水産庁)という前例のない内容になった。政府は当初、直接的なコスト補てんには慎重だったが、7月15日の一斉休漁などで国民的なレベルに高まった危機感に応えざるを得なくなった形だ。一方、漁業団体や与党からは早くも補正予算編成による対策の追加を求める声も上がっており、野放図な財政支出につながる恐れもある。

 今回打ち出した燃料費の補てん措置は、省エネや経費節減を前提としながらも、昨年12月時点の燃料価格との差額分を国が肩代わりする仕組み。漁業者の多くが燃料代の値上がりで、「漁に出ても赤字だが、出なければ当座の収入がなくなる」という状況に陥っている。取りあえずそのジレンマを断ち切り、合理化のための時間的猶予を与えようという考え方だ。

 しかし、問題はその猶予をいつまで続けるか。原油の国際相場は最近、下落基調に転じているが、漁船用A重油は価格転嫁の遅れなどから8月以降も値上がりする見通し。今後も中長期的に原油高騰が続いた場合「最大2年まで延長」としている今回の措置が固定化する懸念もある。

 総事業費745億円の対策で直接に支出される国費は当面、計200億円。水産庁は「07年度の補正予算と今年度の当初予算の中からかき集めた」と説明しているが、目玉のコスト補てんに充てる80億円については、具体的な算定根拠を示していない。

 「80億円では全然足りなくなる。補正予算の編成は欠かせない」(全国漁業協同組合連合会)との指摘もある中、「バラマキ」との批判を招かないよう、国は厳格な運用に努める必要がありそうだ。【行友弥】

==============

 ◆各漁業用燃料高騰対策の概要◆

燃料代高騰分の補てん  80億円(80億円)

休漁・減船への支援   65億円(65億円)

無利子融資枠の拡大  200億円(15億円)

流通コスト削減など  400億円(40億円)

合計         745億円(200億円)

 (注)金額は融資枠などを含む事業費。かっこ内は予算額


毎日新聞 2008年7月29日 東京朝刊

漁業燃料費補てん:与党、民主補償額に対抗

 政府・与党が28日、漁業者支援策で異例の直接補てんを打ち出したのは、総選挙を意識し、1000億円の大型補償をぶち上げる民主党に対抗しなければならなくなったからだ。民主党の政策を「ばらまき」と批判してきた政府・与党だが、原油高騰に対する悲鳴が顕在化する現状を受け、歳出削減路線の転換を迫られた格好だ。

 原油高を巡っては、多くの業界が甚大な影響を被っているが、全国一斉休漁などで分かりやすくアピールしてきた漁業者への支援が、政府・与党にとって急務となっていた。

 水産業界の票の影におびえる自民党では、対策を協議する場で「原油高は激甚災害であり、財政の理屈は抜きに考えるべきだ」「削れ、削れでは選挙は戦えない」などなりふり構わない意見が噴出。「さらなる追加支援を補正予算で実施すべきだ」(政調幹部)との声も出たほどだ。

 民主党がいち早く計1000億円(重油800億円、軽油200億円)を漁業者へ直接補てんする緊急支援策を公表したことも、自民党の焦りをあおった。民主党は、参院選で公約の柱に据えた農業者への戸別所得補償制度を漁業者にも拡大する方針だ。

 与党は、財源の裏打ちがない民主党の施策を「でたらめ」(与謝野馨前官房長官)などと批判してきたが、自民党の谷垣禎一政調会長は28日の講演で「無駄を省くことばかりだと内向き思考になって暗くなる。打って出ることを考えないといけない」と修正。財政出動を伴う施策でアピールする考えに転じた。【三沢耕平】

==============

 ◆漁業支援をめぐる政府案と民主党案の比較

 〈政府案〉

・燃油代の高騰分を最大9割補てん(80億円)

・休漁・減船への支援(65億円)

・無利子融資枠の拡大(200億円)

・流通対策による漁業者手取りの確保(400億円)

 〈民主案〉

・漁業者への直接補てん(1000億円)

・漁業に対する所得補償制度の創設

・漁村集落への支援



関連記事
2008-07-29(Tue)

09年度予算概算要求基準 かわり映えしない 

道路予算どれだけ削るのか見えない 
 国民生活に身近な予算ばかり削るみたいだ


来年度(09年)の予算編成作業の大まかな基準が決まったらしい。
やっぱりかわり映えしない。これまでの自公政権下での予算とどう違うのか。

「社会保障費の自然増分を2200億円抑制する措置も、従来通りに維持する」という。
高齢者がますます増えれば社会保障費の自然増は当たり前だ。後期高齢者医療制度や年金制度、介護保険などなど、国民に冷たい政治が批判を浴びたのに、「抑制」では、国民のことを本気で考えていない証だ。

貧困と格差が広がり、生活保護費等が増え続ける。
そんな社会をつくっておいて「抑制」というのも本末転倒だ。

「総額3300億円の「重要課題推進枠」を新設する」という。
「深刻化する医師不足や少子高齢化への対策、洞爺湖サミットで焦点となった地球温暖化問題への対応、成長力の強化などが対象となる。」という。

医者不足など別扱いでいいのか。本予算で大幅に増額すべきではないか。
むしろ、3300億円を別枠で扱うが、これまで、この大半が大型公共事業だった。
冬柴大臣が「「重点枠」(重要課題推進枠)で取り戻すことに意欲を示した」というように、今回も同じようになるのではないか。

実際に
「路特定財源を一般財源化するための具体的方針も示されなかった。シーリングで道路予算を含む公共事業を5%削減するだけではまったく不十分だ。道路予算に大胆に切り込めなければ、首相は約束違反の指弾を受けることになろう」と指摘されているように、
道路予算は温存しようという与党の声は強い。(公明党でも2000億円程度しか減らさないようだ。)

道路を含む公共事業予算を5%削減するというが、問題は、その中味だ。
高速道路やダムなど大型公共事業に重点化する一方、生活関連予算を縮小するやり方を変えるかどうかだ。

国民のいのち・安全、くらしに緊急に必要な身近な公共事業だけが削減されるという、これまでのやり方を変える気配はいっこうに見えない。


(2008年7月29日02時24分 読売新聞)
来年度予算 「基礎年金」の答えはいつ出す(7月29日付・読売社説)
 来年度予算の編成作業は、例年になく難しいものになることは避けられまい。年末に向け、福田首相の指導力が改めて問われることになろう。
 来年度予算の大枠を決める概算要求基準(シーリング)が固まった。29日に閣議了解する。
 今回の目玉は、総額3300億円の「重要課題推進枠」を新設することだ。
 要求額に上限を設けるシーリングの例外として、テーマ別に一定程度の増額を認めるのがこの重要課題推進枠だ。深刻化する医師不足や少子高齢化への対策、洞爺湖サミットで焦点となった地球温暖化問題への対応、成長力の強化策などが対象となる。
 ただ、厳しい財政事情もあり、これらのテーマに重点的に配分するには、それ以外の予算をさらに削る必要がある。
 そのため、これまで前年度比で3%減だった公共事業費、1%減だった防衛関係費や国立大学運営費などの削減率に、さらに2%分上乗せすることにした。公共事業費なら計5%の削減となる。
 加えて、社会保障費の自然増分を2200億円抑制する措置も、従来通りに維持する。
 メリハリの利いた編成をするための苦肉の策というわけだが、はたして重要課題推進枠が3300億円で十分か。もっと思い切って拡大すべきだという声もある。
 問題は、今回のシーリングで先送りされた懸案の取り扱いである。中でも難問は基礎年金の国庫負担の引き上げ問題だ。
 国の負担率は3分の1強だが、2009年度から2分の1とすることが決まっている。本来ならそれに必要な2兆3000億円を社会保障予算の枠内に入れてシーリングを決める必要があった。
 しかし、財源として期待されていた消費税は、景気の先行き不安や衆院選を控えていることなどから、来年度からの引き上げは見送られる見通しだ。
 埋蔵金といわれる国の特別会計などの剰余金を活用したり、負担率の引き上げ時期を09年度当初から半年ほど遅らせたり、といった対応策が浮上している。いずれにせよ、首相は年末までにこの問題に答えを出さねばならない。
 道路特定財源を一般財源化するための具体的方針も示されなかった。シーリングで道路予算を含む公共事業を5%削減するだけではまったく不十分だ。
 道路予算に大胆に切り込めなければ、首相は約束違反の指弾を受けることになろう。


日経新聞 2008年7月29日
国交相、公共事業費の5%削減容認
 冬柴鉄三国土交通相は29日の閣議後の記者会見で、2009年度予算の概算要求基準で公共事業費の削減幅を3%から5%に広げる政府方針について、「財政健全化へ取り組む必要があると理解している」と述べ、受け入れる考えを示した。その一方で、公共事業費の削減分を約3000億円の「重点枠」(重要課題推進枠)で取り戻すことに意欲を示した。(12:45)

日経新聞 2008年7月30日
社説1 大胆に歳出組み替え、力のある予算を(7/30)
 世界的なインフレと景気の減速という厳しい経済環境のなかで来年度の予算編成が始まる。歳出全体を抑えながらも、その中身を大胆に組み替えて時代の要請にこたえる予算にしてほしいものだ。
 29日に閣議了解した来年度予算の概算要求基準は、政策に充てる一般歳出を今年度予算比1.1%増にとどめる一方、「重要課題推進枠」3300億円を設け、経済財政諮問会議の審査も経て、成長力の強化や医師不足・環境対策などに充てるのが特徴。昨年のこうした枠は500億円だった。予算をあまり膨らませず重要分野へ厚めに配分する手法として一歩前進といえる。
 この推進枠の財源を得るため、裁量的な経費の削減幅を2%大きくする。公共事業は5%減、防衛費は3%減となる。農業土木や地方の道路整備などの公共事業には不要不急のものも多い。5%といわず極力、大幅に削減してもらいたい。
 社会保障は8700億円程度増えるところを2200億円削減する。医療や介護は大規模な事業だから、病人や高齢者にあまり負担をかけず「事業の効率化」を通じて支出を減らす道はまだあるはずである。
 来年度は各種特別会計予算も注目される。31あった特会は2011年度までに17に統合・整理する方向だが、道路整備特会をはじめ、無駄な歳出は多い。政府は「行政支出総点検会議」で特会の歳出の是非を吟味するという。財務省や国会も厳しく点検すべきだ。
 特会のほか独立行政法人、民営化法人などに、過剰な準備金や、株式を売った際の売却益といった「埋蔵金」が数十兆円の単位で眠っているという声がある。経済財政諮問会議は専門家による会議で、それらを洗い出す方針だ。財政資金として使えるものがあるなら増税の前にはき出させるのは当然だ。その使い道としては国債減額に充てるのが筋だが、一部を災害復旧など1回限りの支出に使うのは許されよう。
 4年前の年金改革の際、基礎年金の国庫負担割合を09年度以降、安定的な財源を得て3分の1から半分に引き上げると決めた。これは無視できないが、大事なのは年金制度の抜本的な見直しだ。年金改革案を固め、必要な消費税などの増税案も決めれば、その実施までのつなぎとして、たばこ税増税などで国庫負担拡大分を賄う方法も考えられる。
 来年度は本格的な増税や社会保障制度の改革を控えた大事な年。負担増への理解を得るためにも早く、筋肉質の予算にしておきたい。

東京新聞 2008年7月30日
【社説】
概算要求基準 すっかり空洞化した
 来年度政府予算の概算要求基準(シーリング)が決まった。本来なら、これが歳出の大枠になるはずだが、今回はそうなる保証はない。福田康夫政権は財政規律のあり方を根本から見直すべきだ。
 シーリングは焦点になった社会保障費について、「骨太の方針2006」が掲げた中期目標に沿って二千二百億円の削減幅を堅持した一方、医師不足対策など重要政策課題推進枠に三千三百億円を計上した。
 重要政策枠の財源は、公共事業や文教科学費などの裁量的経費の削減幅を従来より2%上乗せしてひねり出す方針だ。たとえば公共事業は前年度比5%削減になる。
 一見、緊縮型予算編成を貫く構えのように見えるが、実際の来年度予算が緊縮型になるかどうかは予断を許さない。というのは、09年度実施が決まっている基礎年金の国庫負担割合引き上げや高齢者医療制度の見直しなど、重要政策課題の扱いを軒並み先送りしてしまったからだ。
 国庫負担の三分の一から二分の一への引き上げで約二兆三千億円、高齢者医療制度見直しでも千四百億円の歳出増になると見込まれている。こうした歳出項目を来年度予算に盛り込めば、それだけでシーリングで決めた歳出総額は軽く突破してしまう。
 新たな歳出増加をどんな財源で手当てするのか、財務省は何も答えを出していない。半面、自民党の伊吹文明幹事長や津島雄二税制調査会長らは特別会計の積立金や余剰金、いわゆる「埋蔵金」の活用に言及している。
 もう一つ、当初予算だけを対象にしたシーリング制度の抜け穴もある。補正予算を使う手法だ。たとえば、高齢者医療見直しを本年度補正予算で手当てすれば、シーリングの縛りはかからない。実際、昨年はその手が使われた。
 今回のシーリングは、歳出の中身でも補正の取り扱いでも、金額が少し変わっただけで従来の仕組みをそのまま踏襲したにとどまった。重要政策課題に真正面から向き合ったとは、とてもいえない。
 シーリング手法の形骸(けいがい)化、空洞化が進む一方、めざとい政治家は近い将来の総選挙を視野に入れ、兆円単位の埋蔵金をあてにして、早くも予算分捕りに動いている。この調子では、来年度予算は景気対策に名を借りたばらまきに陥る可能性もある。
 福田康夫政権は財政規律をどう守るのか。これから年末までの予算編成で真価が問われる。


関連記事
2008-07-28(Mon)

投機マネー 新たな資金が・・・

「国富ファンド」って?
国富ファンド・ウォーズ

国富ファンド・ウォーズ
書名:国富ファンド・ウォーズ・・・・「彼ら」は日本で何をしようとしているのか        
著者: 小森正彦        出版社: 東洋経済新報社
発行年月: 2008年05月   価格:1,680円 (税込)

<楽天ブックスより>
サブプライム・ショック、オイル&チャイナ・マネーの跳梁跋扈、ドル暴落の予兆。現代の混迷は政府系ファンドの動きと密接に関わっている。その実像と捉え方を独自調査で克明に描く。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
中国、中東、ロシア等約1000兆円が示す黙示録。サブプライム・ショック、オイル&チャイナ・マネーの跳梁跋扈、ドル暴落の予兆―。世界は制御不能の「場外乱闘」に突入する。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 世界の国富ファンドの実像―一〇〇〇兆円の資産はどう動くか(怪しさ増す国富ファンド/資産規模は一〇〇〇兆円超へ/激化する企業買収 ほか)/第2章 国富ファンドは日本で何をしようとしているのか?(日本株は大丈夫か/不動産はどうか/資源調達にも関与 ほか)/第3章 各国国富ファンドの特徴(優等生ノルウェー/積極派シンガポール/中国は撹乱要因 ほか)
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
小森正彦(コモリマサヒコ)
日本開発銀行にて、国際経済・産業調査、国際協力活動、地域開発、企業評価・出融資などに従事。各種コンサルティング・調査のため、日本・アジア・世界各地の現場を歩く。日本経済研究所国際局調査部長などを経て、日本政策投資銀行調査部課長。経済学士(一橋大学)、経営学修士(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)、博士(日本大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

購入日 2008年7月16日 
読始日 2008年7月16日
読了日 2008年7月19日
<感想メモ>
資産規模はヘッジファンドよりもでかいらしい。数年後には1000兆円規模になるという。原油や食糧高騰の要因となっている投機マネー。国富ファンドが本格的に参入するようになれば、原油・食糧の高騰は、さらに続くことになる。金融・投機が世界を支配するグローバル化でいいのだろうか。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
関連記事
2008-07-27(Sun)

新幹線優先でいいのか?

住民の足 地方鉄道への支援こそ

整備新幹線3区間で、2兆400億円。
「一方、新幹線以外の鉄道予算は、この3年で半分以下に減っている。国交省幹部は「新幹線のしわ寄せが、地方鉄道の整備や支援費の大幅削減にまわっている」とする。」

優先すべきは住民の足だ。
高速道路より生活道路の整備を優先すべき、というのと同じだ。


朝日新聞 2008年7月24日21時17分
未着工新幹線3区間、09年度着工は困難に

 北海道、北陸、九州の各新幹線の未着工区間の09年度における着工が困難になった。与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(与党PT)は24日、必要な財源を8月末の概算要求前に確保することを断念した。

 未着工区間は北海道(新函館―札幌)、北陸(金沢―敦賀)、九州(諫早―長崎)の3路線で、完成には計2兆400億円が必要とされる。自民、公明両党は公共事業費だけでなく、10年度以降に開業する新幹線について、JR各社から受け取る線路設備の「使用料」も建設財源に充てる考えだ。

 新規着工を急ぐ両党は、使用料を担保に資金調達が出来ないか検討。国土交通省は使用料を試算し、24日の与党PTで報告したが、資金調達の担保にできるような精度の金額は示されなかったという。

 両党は、09年度予算案が決定する年末まで財源の検討を継続する。8月の会合では、安定財源がなくても概算要求に「新規着工」を書き込むかどうかを議論する。与党内には「安定財源が確保できしだい着工する、と書いておけばよい」との意見も出ている。

 ただ、現実には、09年度の新規着工は困難だ。財務省は、公共事業費の削減幅を08年度までの3%より拡大する姿勢。新幹線予算も「良くて横ばいがやっと」(国交省幹部)とみられる。

 資材価格高騰の影響を受け、工事中の区間の建設費も予定より2千億円以上も上回る見通しだ。このため、新規着工財源に期待されている使用料も、「工事中区間の穴埋めに回す必要が出てくる」(国交省幹部)という。

 新幹線に充てられる予算はここ数年、横ばいが続いている。一方、新幹線以外の鉄道予算は、この3年で半分以下に減っている。国交省幹部は「新幹線のしわ寄せが、地方鉄道の整備や支援費の大幅削減にまわっている」とする。新幹線を推進する議員の地元が未開業区間に偏っていることもあり、自民党内にも「着工に国民の理解を得るのは困難だ」(中堅国会議員)との声が出ている。(大平要)


未着工新幹線3区間
新幹線予算と他鉄道予算の推移
関連記事
2008-07-26(Sat)

とまらない物価値上げ 冷え込む消費マインド

いつまでつづく 政府の無策が拍車



朝日新聞 2008年7月26日 朝刊

物価猛威 細る消費 上昇率 7月は2%突破濃厚

 総務省が二十五日発表した六月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、前年同月比1・9%上昇し、十五年半ぶりの大幅上昇となった。ガソリンなどエネルギー関連や食料品の価格高騰が収まる気配はなく、七月の全国指数は2%台突破が確実視される。六年ぶりの夏のボーナス減少などで家計は厳しさを増す一方で、景気の重要な柱である個人消費は腰折れの瀬戸際まで追い込まれている。 

 二十五日朝、“物価の番人”である日銀の白川方明総裁が首相官邸に入った。町村信孝官房長官、額賀福志郎財務相、大田弘子経済財政担当相との政府・日銀会談だ。金融危機で景気が最悪期にあった二〇〇二-〇三年ごろに、頻繁に開かれた会談が復活したのは、最近の物価高が看過できない水準にまで来たことを示す。

 だが、景気が減速しているのに物価が上がる悪循環の中では政府・日銀が打てる政策も限られているのが実情だ。

 そんな中、物価上昇のうねりはとどまるところを知らない。電力、都市ガス各社は原油高に対応して七月から料金を値上げ。新日本石油も八月の石油製品の卸価格を六円程度引き上げる方針で、ガソリン小売価格が過去最高を更新するのは確実だ。

 食品価格などの値上げ発表も日々の恒例行事となった感があり、この日もチーズや輸入車などの値上げが発表された。

 物価上昇率は日銀が見通した〇八年度の上昇率1・8%も上回る勢い。市場では、電気、ガス料金の値上げを加味して七月の上昇率が2%台を突破するとの見方が大勢を占め、複数のエコノミストは2・3%の上昇を予想する。

 それだけに家計の生活防衛色はより強くなる。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主任研究員は「夏の行楽シーズンが到来したが、生活防衛で真っ先に削られるのがレジャー費用」と指摘し、個人消費の押し下げを予想する。

 日銀は〇八年度の成長率見通しを1・5%から1・2%に下方修正したばかり。だが、個人消費の腰折れが本格化すれば、景気低迷の長期化を招くのは必至だ。


7月25日15時59分配信 産経新聞

消費者物価指数 1・9%上昇 6月 15年6カ月ぶりの高水準

 総務省が25日発表した6月の全国消費者物価指数(平成17年=100)は、ガソリン、食料などの値上がりが影響し、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数は102・0で、前年同月に比べ1・9%上昇した。上昇幅は消費税増税など特殊事情があった時期を除くと、平成4年12月以来、15年6カ月ぶりの高い水準となった。物価指数の上昇は9カ月連続。

 品目別では、ガソリンが24・2%、灯油は42・2%も値上がりした。全体の上昇率1・9%のうち、石油製品や電気・ガス代など、エネルギー関連品目だけで1・1%分押し上げた計算になる。

 食料品ではスパゲティ33・2%、チーズ27・3%、チョコレート22・8%それぞれ上昇。生鮮食品を除く食料品だけでも、全体の0・8%分を押し上げた。

 内閣府が試算した生鮮食品、石油製品などを除く総合指数は前年同月比0・91%上昇。7カ月連続プラスで推移しており、原油高などの特殊要因を除いても、物価上昇が定着していることを示した。

 7月は燃料費上昇に伴う電気料金の引き上げなどが実施されており、「上昇幅が2%を突破するのはほぼ確実」(証券系アナリスト)とみられている。賃金水準は伸びていないため、家計への負担増や、さらなる一層の景気減速が懸念される。



7月25日13時31分配信 毎日新聞

<消費者物価指数>15年半ぶり高水準 景気減速下に悪循環

 6月の全国消費者物価の上昇幅が前年同月比1.9%と、消費税増税という特殊要因があった時期を除き15年半ぶりの高水準になったのは、原油・穀物高を受けガソリン、食パンなどの食品への価格転嫁が進んでいるためだ。一方で、賃金が上がっていないことから消費者心理はどんどん悪化し、値上げした商品の販売が減少する事態も起きており、景気減速下での物価上昇が景気をさらに下押しするという悪循環が鮮明になってきた。

 消費者物価の上昇幅は、消費が過熱したバブル景気の最盛期の水準(2%台後半から3%強)に迫る勢いとなっている。新興国の旺盛な需要を背景にした原油・穀物高が下落傾向へと転じる可能性は当面低く、エコノミストの間では「消費者物価の上昇幅は夏場に3%台を目指す展開もありうる」(第一生命経済研究所)との見方も出ている。

 日本経済は景気下ぶれリスクと物価上昇リスクの双方にさらされている形だが、今回の物価上昇は海外発の面が大きいだけに国内で取りうる対応策は限られる。景気が一段と減速する中、物価上昇を抑制するための利上げは難しいが、物価上昇を放置すれば景気をさらに悪化させる懸念もあり、日本経済は極めて厳しい局面を迎えている。【尾村洋介】
関連記事
2008-07-24(Thu)

労働経済白書 反省してただちに改めよ 

労働法制の規制緩和 根本から見直せ

20年版労働経済白書について「信濃毎日新聞」社説は
「パートなど非正規雇用の拡大や、成果主義的な賃金制度の問題点を指摘するのはいいけれど、労働法制の規制緩和の旗を振ってきたことへの反省がないのでは、素直には受け取れない。」
と感想をのべている。

同感だ。問題だというなら、労働法制の規制緩和を根本から直ちに改めるべきだ。




厚生労働省 平成20年版 労働経済の分析(本文版)
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/08/index.html
厚生労働省 平成20年版 労働経済の分析(要約版)
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/08-2/index.html

信濃毎日新聞 7月23日(水)
社説
労働経済白書 反省の弁がなければ
 パートなど非正規雇用の拡大や、成果主義的な賃金制度の問題点を指摘するのはいいけれど、労働法制の規制緩和の旗を振ってきたことへの反省がないのでは、素直には受け取れない。
 厚生労働省が発表した今年の労働経済白書を読んでの感想だ。
 副題は「働く人の意識と雇用管理の動向」。働き方の変化が勤労者や企業経営にどんな影響を及ぼしているかを分析している。
 政府と財界が二人三脚で進めてきた規制緩和に、疑問を投げかけているのが目を引く。例えばパート、派遣といった非正規雇用が増えている問題だ。
 内閣府の調査によると、1990年代半ば以降、仕事についての満足度は下がっている。雇用安定と収入にかかわる項目での低下が特に目立つ。
 白書はこうした傾向について、「正規以外の従業員が増加してきたことも影響している」と分析し、警鐘を鳴らしている。
 成果主義的な賃金制度についても、▽評価する人によってばらつきが出やすい▽事業部門間の業績の差を社員個人の評価に反映させるのは難しい-ことを指摘。「結局は恣意(しい)的な制度運用に堕してしまう危険も感じられる」と厳しい見方を示している。
 非正規雇用や成果主義が働く人の暮らしを不安定にしやすいことは、経済学者や労働組合によって繰り返し指摘されてきた。白書の分析に目新しさはない。
 問題は、一連の制度見直しのレールを敷いたのが、小泉元政権の下で進められた「構造改革」政策であり、ほかならぬ厚労省自身だったということだ。
 例えば2003年版の労働経済白書を見てみよう。白書は非正規雇用の拡大を「就業形態の多様化」ととらえ、原因として「若年層で…非正規の雇用形態を希望する人が増えている」ことなどを挙げている。同じ白書とも思えない肯定的な記述である。
 評価が変わった背景には、「温(ぬく)もりある政治」を掲げる福田政権の登場があるのだろう。そうだとしても、白書が手のひらを返したような書き方をするのでは、労働行政は国民から信用されない。
 日雇い派遣、名ばかり管理職など、労働分野の問題が噴き出している。白書も指摘するように、非正規雇用の拡大は日本経済の生産性上昇を妨げている面がある。
 厚労省が国民生活の将来を考えるなら、過去の労働政策の反省に立って、政策の基軸を働く者の側に移すべきだ。

日経新聞 2008年7月23日
社説1 活力高める雇用改善は構造改革から(7/23)
 賃金は上がらない。能力開発の機会が乏しい非正規労働は増える。このままでは働く人たちの意欲は高まらない。事態を抜本的に改善するには、良質な職を生む新しい産業の成長を促す経済の構造改革が急務だ。厚生労働省が22日に発表した2008年版「労働経済白書」は、こうした分析を中心に据え、労働行政の限界を示唆している。
 今春の賃上げ交渉は労働側にとっては期待はずれに終わった。08年3月期決算で上場会社の連結経常利益が6期連続して増益となる中で、しかも福田康夫首相が賃上げを促す異例の発言をしたにもかかわらずだ。新規学卒者への求人は旺盛だが、3人のうち1人を占める非正規労働者の比率は一向に下がらない。
 雇用の質が改善しないうちに、米国のサブプライムローン問題などによって、世界経済の先行きに暗雲が広がり、国内景気も陰り始めた。原料価格の高騰にも直撃され、企業はあらためてコストの抑制に努めざるを得ない。雇用環境は再び悪化する見通しで、保護的な労働行政を求める声が高まってきている。
 しかし労働条件を法的に向上させようとしても対症療法にすぎない。製造業は今後も重要だが、厳しい国際競争に対処するためにコスト削減の手を緩められない。バブル経済の崩壊後、正規労働者を減らして、賃金の安い非正規労働者を増やして生き延びてきた。これまでの景気回復は外需頼みで、労務費を削減した製造業の立ち直りに負っている。
 労働経済白書がいう、製造業の正規雇用の減少と低生産性のサービス業や流通業での雇用拡大は、問題をはらんでいる。働く人たちの満足度を低める1つの要因になっているからだ。とはいえ労働法制の規制緩和による非正規労働の増大や、サービス業などの非製造業での雇用拡大のおかげで、月次の完全失業率が最高でも5%台半ばにとどまった。
 海外に活路を求める既存の製造業を主柱とする産業構造にこれからも頼らざるを得なければ、製造業に多い好条件の雇用はあまり増えないだろう。非正規労働の法的規制を性急に強めると、雇用機会を減らす思わぬ副作用が懸念される。現状を前提に乏しきを分かち合う策に執着するのは縮小均衡の道である。
 袋小路から抜け出すには、付加価値の高い情報産業や新しいサービス産業などの成長を促さなければならない。停滞している規制改革や地方分権などの徹底により、経済構造改革を急ぐことが、活力ある雇用を生み出す最良の策である。

朝日新聞 2008年7月23日
社説
雇用のあり方―働きがいがあってこそ 
 過酷な労働者の姿を描いた80年近く前の小説「蟹工船」に、若者たちが共感を寄せる。ネットカフェへ足を運べば、アパートを借りる金すらない人たちが相変わらず夜を過ごしている。30~40代のフリーターも増えてきた。
 そうした現実を政府も無視できなくなったということだろう。
 厚生労働省が今年の労働経済白書で、仕事に対する働く人たちの満足度が下がってきている、というデータを大きく取り上げた。
 仕事にやりがいを感じられない。収入や雇用の安定といった面で不満がある。そんな働き手が増えることは、本人はもちろん、企業にとってもいいことではない。労働者のやる気がそがれれば、仕事の生産性も上がるまい。
 働く人の満足度は、なぜ下がってしまったのか。
 白書が指摘した背景の一つが、正社員の数を絞り込む代わりに、派遣やパートなどの非正社員を企業が大幅に増やしてきたことだ。
 バブルの崩壊で経営が苦しくなった企業は、90年代に正社員を非正社員に切り替えることで人件費を抑え込んだ。規制緩和の流れのなかで、90年代後半からは労働者派遣法の改正も相次いで、派遣で働ける職種が一気に広がった。
 リストラや倒産が相次いだ時代には企業も生き残りを最優先に考えただろうし、「職場さえあるならば」との思いが働き手の側にもあっただろう。
 しかし、いったんできてしまった「正社員から非正社員へ」という流れは、景気が上向いてからも止まらなかった。学校を卒業する時に正社員になれなかった若者の多くは、年齢を重ねても非正社員のままだ。
 派遣やパートには、正社員と違って、いつ仕事を打ち切られるかわからないといった不安がつきまとう。まともに生活できない低賃金も珍しくない。
 雇用行政は明らかに転換期を迎えている。政府もやっと、いまの働き方の見直しに本腰を入れ始めた。批判の強い日雇い派遣を含め、派遣労働のあり方をどうするかが議論の焦点になっている。
 しかし、問題は日雇い派遣だけではない。あまりにもふくらみすぎた非正社員をどうすれば正社員に変えていけるのか。一方で、非正社員の賃金や待遇を引き上げて正社員に近づけるには、どうすべきなのか。
 労使の間で意見がぶつかる点も多いが、そうした難しい問題にいまこそ正面から向き合わなければならない。
 一人ひとりが働きがいを感じられ、安心して仕事をすることができる。それが長い目で見て、企業経営にも資する。そうした雇用のあり方をめざしたい。

東京新聞 2008年7月23日
【社説】
成果主義賃金 働く意欲を損ねるな
 バブル経済崩壊後、企業が相次いで導入した業績・成果主義的賃金制度は正社員の働く意欲を低下させている-と二〇〇八年版労働経済白書は指摘した。労働者を大切にする経営に立ち戻るべきだ。
 人口減少時代の日本が今後も成長するには働く人が意欲を持ち生産性を高めていくことが大切だ。白書はまず「働く人の意識」を分析し、企業が取り組むべき課題を示した。
 日本の労働者は今、低賃金と長時間労働、パートや派遣といった不安定雇用の増加など苦しい状況に置かれている。白書によると「仕事の満足度」では雇用の安定や収入の増加、仕事のやりがいなど、ほぼすべての項目が一九九〇年代以降、悪化しているという。
 満足度低下の理由は正社員として働ける会社がないため非正規社員となった人が増加したこと、正社員では業績・成果主義の拡大で賃金が抑えられたためである。
 とくに正社員では五十歳代の長期勤続者の意欲低下が目立つ。成果主義の導入で「賃金が低い」とか「評価が納得できない」「職場のコミュニケーションが円滑でない」などを不満としている。
 もともと成果主義は業績への労働者一人一人の貢献度を反映した賃金を決めることで、仕事への意欲を高める手法である。
 ところが成果主義は結局のところ単なる人件費抑制に使われた。企業は利益を内部留保や株主配当、役員報酬などへ振り向け労働分配率を減らし続けた。これでは正社員でもやる気を失うだろう。
 成果主義の問題点は昨年の白書でも「長期雇用の中で培われてきた経験や能力を正当に評価することが重要」と指摘していた。
 今年はさらに「評価基準がばらばら」で「説明も不十分」と踏み込み、同制度は「必ずしも成功していない」と明記した。企業はしっかりと見直すべきだろう。
 もうひとつの課題は非正規社員の増大である。企業は国際競争力の強化に全力を挙げた。コスト削減は当然だが、人材投資まで減らしたことは失敗だ。白書が指摘する「長期雇用の重要性」を再確認すべき時期である。
 政府にも注文がある。行き過ぎた労働法の規制緩和を見直すことだ。パートと正社員との均衡待遇や日雇い派遣の原則禁止に続き、契約社員などの有期雇用にも歯止めをかける。中小企業に配慮しつつ「雇用の安定」つまり正社員化を推進することが重要である。

北海道新聞 2008年7月23日
社説
労働経済白書 働く意欲どう高めるか(7月23日)
 今年の労働経済白書を貫くテーマは「働きがいのある社会の実現に向けて」である。
 たしかに今の社会で、労働者が働きがいを持つことは、なかなか難しくなっている。その大きな要因が、過度な成果主義や、非正規社員を受け入れる環境の未整備だ。
 今ほど働く意味が問われている時代はない。ワーキングプア(働く貧困層)や、賃金格差の拡大など、是正に取り組まなければならない問題は山積している。
 白書もこうした労働の現場が抱える問題の深刻さを認め、解決が急務であるとした。企業は真剣に受け止めてもらいたい。
 わが国の経済は、バブル崩壊による一九九〇年代の停滞から、二〇〇二年には回復局面に入った。
 だが、その果実が、十分に労働者に還元されていない現実がある。
 成果主義は、仕事への意欲を高めるという本来の目的よりも、人件費削減の狙いで運用されているきらいがある。それが賃金格差の拡大を招き、仕事に対する意欲の低下につながっている。
 白書は、その是正策として、評価基準の明確化などを挙げるとともに、行きすぎた成果主義に反省を求めている。
 非正規社員が増えたことも「企業にとってコスト負担の低い就業形態として活用された」とし、多様な就業希望の実現という目的はおろそかになっていると断じた。
 どの産業でも、仕事への満足感が低下した労働者の割合は高い。
 白書は、正規社員の絞り込みや成果主義的な賃金制度の運用には「多くの問題点があった」と認めた。
 同時に、こうした労働者の不満感を企業が認識していない、と批判したのは大きな意味を持つ。
 企業はコスト意識にとらわれ過ぎずに、社会的な観点から人材育成に努めるべきだという指摘にほかならない。
 ただ問題は、こうした課題の解決を、すべて企業に委ねていいのかということだ。
 そもそも非正規社員の増大は、政府が推し進めた規制緩和政策がもたらした結果だ。労働者が抱えるさまざまな問題の責任の一端は、国にあることは疑問の余地がない。
 厚生労働省は次の臨時国会に、日雇い派遣の原則禁止を盛り込んだ労働者派遣法の改正案を提出する構えだ。それだけで格差の是正に十分とはとても言えまい。
 政府は、労働現場の切実な声をくみ上げ、意欲を持って働ける社会の実現に向け、真に効果ある対策をとらねばならない。

2008年7月23日(水)「しんぶん赤旗」
非正規増え労働意欲低下
成果主義見直しも求める 労働経済白書
 厚生労働省は二十二日、二〇〇八年版「労働経済の分析(労働経済白書)」を発表し、労働者の満足感が「仕事のやりがい」「雇用の安定」「収入の増加」などで長期的に低下していることを明らかにしました。
 白書は、その要因として、企業が一九九〇年代から人件費の抑制を優先して正社員を減らし、非正規雇用が増大したためだと分析。成果主義賃金の見直しや正社員化への支援を求めました。
 今回の白書は、「働く人の意識と雇用管理の動向の分析」をテーマに、非正規化や成果主義賃金のもとでの労働意欲を分析しています。労働意識を白書で分析するのは初めての試みです。
 白書は、大企業の労働分配率は大きく低下していることを指摘。持続的な経済発展を実現するために、雇用の拡大、賃金の上昇、労働時間の短縮にバランス良く成果を配分することを求めています。
 労働意欲については、非正規雇用化、成果主義賃金によって長期的な満足感の低下があることを指摘。一九九〇年代に企業が人件費の抑制を優先し、若年層の計画的採用や育成の努力を怠ったことで、満足感が低下したと分析し、正規雇用化への支援を求めています。また、成果主義賃金の導入では、正規の中高年層で賃金格差の拡大による意欲の低下があるとのべ、賃金制度の見直しが企業経営の重要な課題だとしています。
 さらに、日本の産業構造について、一九九〇年代までは生産性の高い産業に労働力が集中していたのに、二〇〇〇年代以降は、生産性の低い分野に労働力が集中していることを分析。生産性の高い製造業などで人員削減がすすみ、小売業やサービス業などで非正規雇用が増加することで、産業間の生産性格差が拡大しているとし、製造業などでの雇用拡大が課題だとしています。


関連記事
2008-07-23(Wed)

ガソリン 200円台に現実味

8月から180円後半?
 いつまでつづくのか ガソリン価格値上げ


 とにかく、毎月価格が上がる。
 投機マネーを規制せず、有効な価格抑制策も打ち出さない政府。

 無為無策の自公政府・与党。このままでは200円/㍑も現実味を帯びてくる。
 暫定税率廃止、価格補てん・・やる気さえあればできるのに・・・と以前書いた。
 やる気のない政権はチェンジしよう!


7月23日19時46分配信 毎日新聞
<ガソリン>180円台後半まで上昇か 新日石が6円上げへ
 石油元売り最大手の新日本石油は23日、原油価格高騰で調達コストが増加したとして、8月の卸値を1リットル当たり6円程度上げる方針を明らかにした。ジャパンエナジーも6~7円値上げする方針。この結果、レギュラーガソリンの小売価格(全国平均)は8月に1リットル=180円台後半まで上昇するとみられる。
 新日石は、6月26日~7月25日の原油調達コストを8月の卸値に反映させる。米国の原油先物相場は7月22日の終値で1バレル=127.95ドルまで下落したが、11日に一時147ドル台をつけるなど総じて高値水準が続いたため値上げにつながった。
 石油情報センターによると、7月14日現在のレギュラーガソリンの小売価格(同)は1リットル=181.3円だった。【谷川貴史】

7月23日19時1分配信 時事通信
8月は180円台後半も=ガソリン卸値、6円値上げ示唆-石連会長
 石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産社長)は23日の定例記者会見で、石油元売り大手の8月1日からのガソリン卸値に関し、原油価格が現状のままの場合「(1リットル当たり)6円前後の値上がりになる」との見通しを示した。卸値の引き上げが実現すれば、レギュラーガソリンの平均店頭価格は180円台後半になりそうだ。 
関連記事
2008-07-23(Wed)

戦国時代の海の物語

海王伝
海狼伝

 海王伝  海狼伝


書名:海狼伝   著者:白石一郎
出版:文春文庫   発行年月 1990年04月
価格: 660円(税込)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
書名: 海王伝     著者:白石一郎
出版: 文春文庫   発行年月 1993年07月
価格: 660円(税込)

 海と船への憧れを抱いて対馬で育った笛太郎は海賊船黄金丸の船大将となってシャムを舞台に活躍する。バンコクは明国の海賊マゴーチの本拠地。マゴーチは笛太郎の実父だが、笛太郎が異母弟を殺したことから、親子の宿命的な対決となる。海に生きる男たちの夢とロマンを描いた直木賞受賞作「海狼伝」の続編。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
購入日 2008年7月12日 
読始日 2008年7月14日
読了日 2008年7月17日
<感想メモ>
 主人公笛太郎が海賊船黄金丸の船大将になるまでを描いた「海狼伝」の続編。出だしは新たな黄金丸の一員・神龍牛之助が紀伊の神龍村で村八分になる話からはじまり、十津川村、新宮、熊野灘から種子島、沖縄、そしてタイのユンタヤへと南海の海が舞台に描かれている。バンコクに本拠地をおく海賊・マゴーチが実父だが、義理の弟を殺したため、父と敵対する。戦国時代の海の交易の一端が良く分かる物語である。紀州と種子島が黒潮でつながり、鉄砲の伝来経路となっていたなど、認識を深めた。「海狼伝」につづき、白石一郎作品が面白いので、次は「山田長政」の物語を読んでいる。(7月20日から)

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
関連記事
2008-07-22(Tue)

河川行政の逆行 世論は厳しいぞ 淀川水系ダム

国交省近畿地整の淀川流域委無視 批判はつづく

今日は、毎日新聞、東京新聞が国交省の姿勢を批判している。
改正河川法に示された河川行政の転換を逆戻りさせるものだという厳しい批判だ。

政府は、09年度概算要求基準で、公共事業予算を5%削減する方向だ。
「優先度は高くない」(大阪府知事)とされるダム事業こそ、先送り、凍結すべきではないか。

流域委員会が指摘するように、「堤防の強化」こそ進めるべきだ。




毎日新聞 2008年7月22日
記者の目:淀川流域ダム計画、河川行政の逆行=野田武

 近畿の淀川流域で200年に1度の豪雨時の水位を19センチ下げるため、ダムを造るのだという。四つのダムで事業費は3830億円に上る。そんな計画案を6月、国土交通省が公表した。治水・環境の専門家や住民らで作る同省の諮問機関「淀川水系流域委員会」が「治水効果が小さく、建設は不適切」と指摘したにもかかわらずだ。省が自分たちで委嘱した委員会の意向を無視したもので、怒りと同時に残念に思う。国は建設計画を強行せず、改めるべきだ。
 国交省が公表したのは、大津市の大戸川(だいどがわ)ダムなどを建設・再開発する「河川整備計画案」。国は昨年8月、「計画案」の前段の「原案」を提示して淀川流域委に意見を求めた。審議の過程で流域委が水位低下のデータ公開を求めると、12月、同ダムの効果で200年に1度の豪雨時に下流の水位が19センチ下がるとの試算結果を出した。他のダムでの試算もほぼ同じで、国は「水位を1センチでも下げるのが重要」と理解を求めた。
 だが淀川流域委は「19センチは水位変動幅や計算誤差の範囲で、治水効果は小さい」と判断。今年4月には「堤防強化などダム以外の代替案の検討も不十分」として、国に原案作り直しを求める中間意見書を出した。
 淀川流域委のようにダム事業について意見を聞く手続きができたのは11年前。きっかけは95年にできた長良川河口堰(ぜき)(三重県)に各地の市民が強く反対したことだった。国は97年に河川法を改正して全国で流域委を設け、淀川流域委も01年に誕生した。
 その後、各地の委員会が計画を認めてきた中で、見直しを求めたのは淀川流域委が初めてだった。背景には淀川流域委だけが、分かりやすいデータを基に議論した事実がある。川の流量ではなく、水位に着目したのだ。治水の上で、堤防の高さとの関係で水位こそ重要と見極めたのだ。
 この流れを作ったのが元国交省官僚の宮本博司委員長(55)だ。官僚時代はダム建設に携わり、長良川河口堰などで反対運動に直面した。淀川工事(現河川)事務所長だった01年、発足したばかりの淀川流域委と情報を共有するため、洪水で各地点の水位がどう上昇するかを数値で示し、堤防決壊の危険個所を明示した。水位データは省内では用いられていたが、外部への公開は異例だった。
 宮本さんは「人命を救うには堤防決壊を防ぐのが必須。水位上昇が決壊の主な原因で、流量より大事だ」と説明。このデータを基に流域委は03年、堤防の危険部分の強化を優先し、環境に影響の大きいダムは原則建設しないと提言した。国も05年、大戸川ダムの建設凍結を発表した。徹底した情報公開に基づく議論は「淀川方式」と呼ばれ、全国で高く評価された。ところが国は07年になって一転、ダム建設凍結を解除した。
 一般的に国のダム計画では、一定の大雨を想定し、その際の川の流量「基本高水(こうすい)流量」を算出する。このうち堤防からあふれる水をためられるようにダムを計画してきた。基本高水流量は、過去の大雨で実際に生じた流量より大きいことが多い。このため、ダムに反対する市民団体や専門家から「ダム建設ありきの過大な想定」との指摘が相次いできた。建設の是非が争われている八ッ場(やんば)ダム(群馬県)や川辺川ダム(熊本県)でもそうだ。国が基本高水流量を見直すことはまずない。加えて算定方法が合理的かどうか素人には分かりにくいが、各地の諮問機関はこの流量にとらわれた審議に終始し、結局はダムは必要と結論づけてきたのだ。
 ダムに限らず、投資に見合うかどうかの判断には、客観的に効果が分かることが必要だ。国が示す「19センチの水位低下」の「効果」に、ダム建設費を一部負担する滋賀や京都などの知事が必要性を真剣に検討し始めた。
 国は、もう勝手に公共事業を進めないと国民に約束し、河川法を改正した。たった11年前のことだ。なのに河川行政を逆戻りさせる今回の強行を見ると、国はあの約束をすっかり忘れてしまったようだ。「淀川方式」による全国の河川のチェックが、何よりも欠かせないと思う。(大阪科学環境部)

東京新聞 2008年7月22日
【社説】
淀川水系4ダム なぜ流域委を無視する

 国土交通省側が自ら設けた諮問機関の意見を顧みず、なぜ淀川水系の河川整備計画案に四ダム建設などを盛り込んだのか。住民の意見を反映させるとの河川法の趣旨はどこへいったのか。
 国交省近畿地方整備局の淀川水系河川整備計画原案(二〇〇七年八月)は、大戸川(だいとがわ)ダムと丹生(にゅう)ダム(滋賀県)、川上ダム(三重県)など四ダムの建設、再開発や調査・検討を盛り込んだ。
 同局の諮問機関・淀川水系流域委員会がダムの必要性の説明は不十分と、原案見直しなどを求めたが、同局は今年六月、大筋を変えず計画案として発表し関係府県知事と協議中だ。
 国交省側は、降雨時でもダムに貯水し河川の流量や水位を下げるのが、確実な洪水対策の一つとする。流域委側は、ダムの効果は誤差の範囲に収まるほど小さく、建設は不適切という。
 治水ダムの効果の判断は、専門的知識がないと難しい。双方に相応の根拠があり、真剣なことは疑えない。確かなのは、国交省側が流域委の意見を取り上げようとしないことである。
 一九九七年の河川法改正で、河川整備計画の案を作るのに必要なら学識経験者、関係住民の意見を聴くと定めた。その具体化の一つが流域委員会である。整備局が自ら設けた諮問機関の意見を無視するのは、極めて異常だ。
 〇一年二月発足の淀川水系流域委には一時、委員の数、会議の回数、運営の費用が多すぎるなどいらだつ声もあった。だが、公共事業の是非や進め方を悔いのないよう、ある程度の時間と費用をかけ検討するのは当然だ。
 九〇年代前半の長良川河口堰(ぜき)反対運動を機に、河川整備に住民の合意を重視、河川法が改正されたはずだ。現に徳島県・吉野川の可動堰建設は二〇〇〇年一月、徳島市の住民投票で反対が九割を超え、国交省の前身・建設省は事実上、計画を白紙に戻した。当時の柔軟な姿勢はどこへ行ったのか。
 建設省の発足は戦後で、河川整備を含んだ国の公共事業は明治以来、旧内務省が中心だった。住民の合意など問題にしない高圧的、強権的な手法もとられた。まさかこんな時代に逆戻りするつもりではないだろう。
 新任の近畿地方整備局長、同局河川部や淀川水系の出先事務所幹部らが、流域委メンバーといま一度徹底的に議論を尽くし、その結果を公開、広く流域の自治体や住民の判断を求めてはどうか。


関連記事
2008-07-21(Mon)

トラック運送 過酷な労働、貧困 これでいいのか

生命・安全さえも脅かす規制緩和の実態だ

 朝日のルポを読んで、これが日本の実態だと思った。 
 <男性の車は「傭車(ようしゃ)」と呼ばれる。季節で物流量は大きく変わり、運送会社は運べない荷物を同業者に流す。車両が足りないと、2次下請けに回り、これが4次、5次……と続く。もっぱら、これら下請け荷物を運ぶのが傭車だ。>

 戦争を請け負う「傭兵」という言葉が思い浮かんだ。
 まさに「競争」という戦争に借り出された傭兵そのものだ。


 <男性は前日に勤務先からの携帯連絡で、仕事の有無と積み荷を初めて知る。九州から東京、大阪へ主に魚や野菜など生鮮食料品を積み、帰りは家具や電化製品、雑誌など何でも運ぶ。まさに「物流の調整弁」、仕事の決まり方は日雇い派遣のようだ。>

 そして、「物流の調整弁」、「日雇い派遣」。
 こんな働き方、働かせ方でいいのか。トラック事故が増えるのもあたりまえだ。
 
 運送業の新規参入や営業区域の「規制緩和」で、事業者と車両台数が急増。
 90年に比べ06年は1・5倍、1・2倍になったという。うち半数は10台以下の零細業者。
 社会保険の未加入率27%、労働保険も13%が未加入。毎年、加入率が悪化している。
 原油高騰による軽油値上がりが拍車をかけ、6万2千社のうち転嫁できているのは2%程度。
 
 確か、労働規制も緩和されたはずだ。いまこそ見直すべきときだ


朝日新聞 2008年7月21日3時1分
ルポにっぽん 下請けドライバー、車中泊連続2週間

ルポにっぽん 下請けドライバー、車中泊連続2週間

(写真 略)倉庫に到着後、翌朝の荷下ろしまで精神安定剤を飲んで車内で仮眠した=千葉県内、金成写す
 
 真夜中の中国道を、熊本ナンバーの大型冷凍車が西へ急ぐ。カーブが続き、バックミラーに下げたお守りが激しく揺れる。
 午前0時10分、運転手の40歳代の男性は、岡山県のパーキングエリアに寄った。3分100円のシャワーを浴びるためだ。運転中、ずっと目が充血していた。
 前日の朝6時から働きっぱなし。福岡から千葉へ運んだ5千箱計15万本のアイスキャンディーを1人で下ろした後、埼玉で冷凍食品3千箱を積んで夕方に出発。それからずっとハンドルを握っている。
 「最後に家に帰ったとは……、記憶になかねえ」。シャワーから戻り、苦笑した。数えてみると熊本の自宅を出て13日目、ずっと車中泊だ。
 暗い一本道をヘッドライトが照らす。運転席の後ろから前方を見つめていると、眠気に襲われる。
 男性の携帯電話が鳴った。仲間の運転手からだ。「帰りの荷物が見つからない」「社長がケチって下道(したみち)を走らされた」。愚痴をこぼし合う。
 男性の車は「傭車(ようしゃ)」と呼ばれる。季節で物流量は大きく変わり、運送会社は運べない荷物を同業者に流す。車両が足りないと、2次下請けに回り、これが4次、5次……と続く。もっぱら、これら下請け荷物を運ぶのが傭車だ。
 男性は前日に勤務先からの携帯連絡で、仕事の有無と積み荷を初めて知る。九州から東京、大阪へ主に魚や野菜など生鮮食料品を積み、帰りは家具や電化製品、雑誌など何でも運ぶ。まさに「物流の調整弁」、仕事の決まり方は日雇い派遣のようだ。
 午前2時、広島県内を走行中に突然蛇行し、車体がきしんだ。男性がしきりに目をしばたかせる。最寄りのサービスエリアに入り、運転席後部の1畳ほどのスペースに倒れ込んだ。「運転中の記憶がない。危なかった。寝るわ、1時間だけ」。すぐに寝息をたてた。車内で12泊目だ。
 働き始めてから、すでに20時間。前夜は常備薬の精神安定剤を飲んで寝たという。
 洗面器、歯ブラシ、つめ切り、洗剤、衣装ケース……。車内に生活用品があふれている。頭上の棚には、空のペットボトル。「急いどると、これに小便するんよ」
 エンジンを切った車内は蒸し暑い。冷房をつけたいが、デジタルタコグラフが搭載されており、速度やエンジンの回転数などがメモリーカードに記録される。いつ走っていつ休んだのか、仮眠中はエンジンを切ったのか。グラフに打ち出され、「急発進・急加速」など16項目で5段階評価と点数がつけられる。
 国は「エコドライブ管理システム」と名づけ、3年前から総額80億円の補助金を出して導入を進めてきた。「エコに反対するもんはおらんやろうけど、助手席にずっと社長が乗っとるようなもんで気分悪かよね」。エアコンをつけたまま仮眠し、給料から8千円を引かれたこともあった。
 起きたのは4時間後の午前6時だった。「まだ、寝足りんね」。だるそうにハンドルを握った。
 関門橋の白い鉄塔が見えてきた。「今日の仕事の連絡なかったねえ。あぶれちまったかなあ」。九州を目前に、次の仕事を心配した。
 「連続運転は最長4時間」「最大拘束は1日16時間」――。国の労働基準に照らすと違反だらけだが、「違反なしじゃ、食っていかれん」。
 運転手歴15年。高校を出て入った会社が倒産し、友人に誘われた。当初500万円あった年収は、ここ数年で300万円台まで落ちた。
 午前10時20分、目的地の佐賀の倉庫に到着した。荷下ろしの順番待ちのトラックが10台以上並んでいた。
 「こんな生活、いつまで続くっちゃろね」。ハンドルの上に両脚を放り出し、たばこに火を付けた。
 妻と子ども2人がいる。高校生の長男が「お父さん大丈夫かな」と健康を気づかっている、と妻から聞いた。大学に進んで欲しい。その時までに学費は稼いでおきたい。子どもの将来について、しばらく考えて言った。「好きな仕事をやってよかばってん、トラック乗りだけはダメだ」
 午後3時すぎ、冷凍食品の荷下ろしが終わった。期待して仕事の連絡を待っていたが、携帯は鳴らなかった。
 給料は歩合制で、東京行きは1往復6万円。月に6往復はしたい。「5往復じゃあ、家族が食べておしまい」。ため息をついて、久しぶりの熊本の自宅へ向かった。
 年間の走行距離は18万キロ、地球を4周半走る。(金成隆一)

関連記事
2008-07-20(Sun)

「蟹工船」ブームはまだ続く

貧困や格差の拡大は人災だ
---搾取するものとたたかおう!

もう黙ってはいられない。貧困や格差の拡大は人災だ。
東京新聞が、今日の状況をわかりやすくまとめている。
確かに、政治の責任は大きい。
同時に、貧困と格差のおおもとには搾取するものがいる。
黙っていては変えられない。“やつら”とたたかうしかないのだ。


東京新聞 2008年7月20日
【社説】

週のはじめに考える 『蟹工船』が着く港

 「貧困」という言葉が二十一世紀のいまになって、頻繁に目につくようになりました。政治は国民の生活を守る責務がある。あらためて思い起こすべきときです。
 「あれから八十年近く。いまさらどうしたことか」
 小説「蟹(かに)工船」が再びブームと聞いて、作者の小林多喜二は草葉の陰で驚いているでしょう。
 不安定な雇用関係、屈辱的な取り扱い、働いても食えない若者らが、昭和初期に発表されたプロレタリア文学の傑作をわが事と受けとっているようです。
 厳冬のオホーツク海。カニを捕り缶詰に加工する船での出稼ぎ労働者の過酷な日々。我慢も限界を超えストライキを断行するが…。

「安全網」にも穴が
 派遣労働者、パート、アルバイトなど、昨年の非正規雇用者は全雇用者の35・5%と過去最高、生活保護世帯はこの十年で五割増え百万の大台に乗りました。
 大きな原因は、「小泉改革」で急速に進んだ規制緩和です。
 一九九〇年代のバブル崩壊後、企業は業績回復のために人件費削減に重点を置きます。これに呼応した政府は法律を改定し、結果として低賃金、いつでもクビを切れる派遣労働を可能にしました。
 やがて、所得格差拡大という副作用を引き起こし、いま若者を含む「貧困」層の増加となって立ち現れています。
 同時に「小さな政府」志向は、雇用、社会保険、公的扶助の三層のセーフティーネット(安全網)に大きな穴をあけました。生活保護を拒否されて餓死などのニュースには言葉を失います。
 「自己責任」ではなく、政治・経済の仕組みの犠牲でしょう。
 なぜこんなことに。九一年の東西冷戦終結が大きな転機です。

市場原理主義が暴走
 それ以前、資本主義の国々は共産主義の台頭を恐れ、労働者保護や社会福祉、男女平等などの分野に力を入れました。
 日本では、この“修正資本主義”が八〇年代に「一億総中流」を実現し、経済の安定、社会の安定をもたらしたのです。
 ところが冷戦の終結で、資本主義は独り勝ちと勘違いして野放図に。市場の役割を重視する米国流の「市場原理主義」、いわゆるグローバル化の登場です。
 経済活動のすべてを資本の論理に任せれば、弱肉強食の世界になるのは必然です。この結果、貧富の格差拡大は地球のあらゆるところへ広がっています。
 「そして、彼等は、立ち上がった。-もう一度!」
 「蟹工船」の結びには奇妙な明るさが感じられます。
 労働者は再び団結して、抑圧者をやっつけて、労働者の天下をつくり上げる…。作者は自らが志向した共産主義を念頭に置いていたに違いありません。
 しかし、共産主義国家は独裁政治や経済の非能率でほぼ自滅しました。いまや万国の労働者の理想郷にはなり得ません。
 となれば、資本主義の暴走を食い止め、国民生活を破壊し、貧困に陥れないよう抑制の利いたものにする必要があります。先のサミットに期待された課題です。
 市場原理主義を象徴するのが投機マネー。実際の需要を超えて出回り原油や食料の高騰を招いて、貧しい国々や人々を痛打しています。監視の仕組みなど国際的な処方せんが必要ですが、まとめることができませんでした。
 そうではあっても、政府は国内での対策に手をこまぬいているわけにはいきません。
 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」(憲法二五条)
 国家は国民のこの権利を保障する責務を負っています。
 企業の競争力を最優先にして、最低限の生活ができない人たちを放置する政治は本末転倒です。
 「人間疎外」の仕組みは、国全体の力を衰弱させるはずです。
 政府・与党はようやく日雇い派遣の原則禁止に着手しました。「生活者重視」「生活第一」…。各政党とも似たようなスローガンを掲げています。

「貧困」直視し対策を
 問題は政策の中身と実行です。格差是正という抽象的な課題でなく、安全網の再構築、安定した労働環境など具体策が必要です。
 特に重視すべきは貧困対策です。現状を把握し真正面から向き合う必要があります。貧困層の生活保障なくして、職業訓練も再雇用の機会も確保できません。
 かつて、この国は大銀行などの不良債権処理に、公的資金を十兆円超つぎ込みました。再び景気後退は必至。いまは国民生活を守る政策に力を入れるときです。
 平成版「蟹工船」が安心して着岸できる港を築くこと。政治の喫緊の仕事です。
関連記事
2008-07-20(Sun)

道路財源一般財源化と公共事業費5%削減

公共事業費の削減が、高速道路建設の見直しに結びつくか?

政府の09年度予算の概算要求基準(シーリング)で、公共事業費を3%から5%に削減枠を増やすと報道されている。

当然、公共事業費の3割を占める道路予算も削減されると考えることができる。
しかし、道路与党協議では、「道路予算の削減に慎重論が強い」とされ、削減の具体的な姿へ見えてこない。

公共事業予算を削減することは当然のことだと思う。
問題は、道路を始め公共事業のどこを削るか、ということだ。

これまで、毎年3%、公共事業予算が減らされてきた。予算が圧縮されるもとで、重点化がすすんだ。
重点化は、国際競争力の強化のために、物流インフラ整備への投資に振り向けられてきた。
スーパー中枢港湾整備、大都市圏拠点空港、三大都市環状道路など大都市部に重点投資されてきた。

すると、削減の対象となってきたのは、当然、生活関連公共事業だ。道路でも同じだ。
高速道路など大型道路には財源をつぎ込むが、生活道路はほったらかし、だった。

同じやり方だとすれば、公共事業削減が、地域や住民生活に深刻な被害をもたらす。

公共事業でも国民・住民にとって必要なものもたくさんある。
これを無視して、削減だけすればいい、というのはおかしい。

住民生活に密着した公共事業は減らすべきではない。

道路の与党協議では、「道路の中期計画」をどうするか、突っ込んだものはない。
「必要と判断される」=「真に必要な」道路が、高速道路中心だということが明らかになっている。

「5年に短縮する道路整備中期計画では、道路整備の優先順位を厳しく見直さねばならない。
 「生活者財源」としての使い道も精査が必要だ。道路財源の改革を、無原則な予算の“分捕り合戦”に終わらせてはなるまい。」(読売社説)

この指摘は正しい。公共事業予算の中身まで立ち入ってみる必要がある。
高速道路をつくり続けるこ小さい文字とに固執すべきではない。



(2008年7月20日01時52分 読売新聞)
道路与党協議 生活者財源にどう生かす(7月20日付・読売社説)
 道路特定財源の来年度からの一般財源化を実現するため、自民、公明の与党は、具体策の議論を急がねばならない。
 「与党道路財源問題等協議会」がようやく発足した。
 協議の論点は、今後の道路整備計画のあり方をはじめ、一般財源化後のガソリン税収などの使途、暫定税率の扱いと課税の理由付け、地方に回る特例交付金の扱い、などである。
 今年度の道路特定財源は、国と地方を合わせて約5兆4000億円ある。このうち、地方への特例交付金などを含め、約3兆3000億円が国の財源だ。
 一般財源化したあと、この税収をどう使うか。
 福田首相は、「必要な道路」は整備しつつ、残りは、医療や環境などの「生活者財源」として使う考えを表明している。
 公明党も、国の道路予算を削減して、社会保障に振り向けることを主張している。次期衆院選に向け、改革姿勢をアピールする狙いがあるようだ。
 これに対し、自民党内では、「地方にとって『必要な道路』は、今までとそれほど変わるはずがない」などと、道路予算の削減に慎重論が強い。
 だが、一般財源化は、首相が約束したものだ。
 それを目に見えるかたちで示せなければ、自民党は、国民の期待を裏切ることにならないか。
 5年に短縮する道路整備中期計画では、道路整備の優先順位を厳しく見直さねばならない。
 「生活者財源」としての使い道も精査が必要だ。道路財源の改革を、無原則な予算の“分捕り合戦”に終わらせてはなるまい。
 公明党は、自動車重量税の暫定税率の撤廃などを求めている。自民党内にも、ガソリン税などの暫定税率の一部を環境税に衣替えする案がある。
 厳しい財政事情を考えれば、暫定部分も本則に取り込み、税率を維持するのが妥当だろう。
 一般財源化に伴い、「道路整備に使う」という課税の根拠が変わる。税率維持に自動車ユーザーの理解を得るためにも、与党は、一般財源化の全体像を早めに国民に示すことが大事だ。
 与党協議会は、4月の自公党首会談で設置に合意しながら、発足が遅れていた。
 民主党など野党との協議は、5月末を最後に中断している。まずは、与党協議会で一般財源化の具体案作りを先行させ、改めて野党に協議を呼びかけるべきだ。

朝日新聞 2008年7月20日3時0分
財務相「公共事業費5%減に」 概算要求基準
 【タシケント(ウズベキスタン)=松村愛】額賀財務相は19日、09年度予算の枠組みになる概算要求基準(シーリング)で、公共事業費や防衛費といった政策的経費の削り幅を、07、08年度より最大2%分広げる方針を明らかにした。公共事業費の削減幅は3%から5%に増す。浮いた約3千億円を医師不足や環境対策、技術開発などの「重点化枠」にあてるという。
 訪問先のタシケントで同行記者団に話した。22日の経済財政諮問会議で正式に表明し、各省や与党との調整も進めたうえ、29日にシーリングの閣議了解を得る考えだ。
 予算を削り込む対象は、各省が裁量的に支出を決められる項目で、社会保障費や人件費、制度的に支出が決まっているものは入らない。08年度は約14兆円を計上している。一方、08年度の重点化枠は500億円だった。
 シーリングは、各省庁の予算要求前に財務省が分野ごとに設定する上限額。07、08年度は「骨太の方針06」で定めた歳出削減目標に沿い、前年度に比べ防衛費や国立大運営費・私学助成費を1%減、公共事業費やその他経費は3%減の水準にした。
 額賀財務相は今回のシーリングでは、これらの予算をさらに一律2%分削り、公共事業費は5%減、防衛費などは3%減にする考え。必要性の薄れた政策を洗い出し、法律も改廃して進める。タシケントでは「生活者重視や経済活性化につながらない分野は思い切ってカットし、使いみちを例年以上に重点化する。硬直化した予算編成のあり方を変える」と話した。
 福田首相は15日に、今回のシーリングで従来通りのペースで歳出削減を続けることと、新しい政策課題に対処するための予算重点化の両立を図るよう、額賀財務相に指示。今回の方針はこれを受けて予算配分を見直し、メリハリをつけるのが狙いだ。
 ただ、公共事業費も含めおしなべて削減する方針のため、与党などから反発が強まることも予想される。

毎日新聞 2008年7月20日 東京朝刊
09年度予算:重点枠、3000億円に拡大 医師不足対策など
 政府は19日、09年度予算編成に向けて月内に決める概算要求基準(シーリング)で、福田康夫首相が掲げる重要政策に予算を重点配分する「重点化促進枠」を08年度の500億円から6倍の3000億円に拡大する方針を固めた。財務省は財源確保のため、公共事業費の圧縮幅を08年度比3%から最大5%とするなど、公共事業を含む政策経費(08年度計約14兆円)を例年以上に絞り込む。
 政府は、道路特定財源の一般財源化をテコに予算配分の大胆な見直しに踏み込む方針だが、公共事業費削減については、解散・総選挙をにらむ与党の反発が強まるのは必至。週明けに始まる与党との調整は難航しそうだ。
 シーリングで、政府はこれまでに「骨太の方針06」に沿って公共事業費を同3%、防衛費や国立大学運営費を同1%、ODA(政府開発援助)など各省庁が裁量的に支出する経費を同3%削減する方針を固めていた。しかし、重点施策の医師不足対策や高齢者支援、環境対策、経済成長力強化策などに重点配分するには、他分野の予算の一層の削減が必要と判断。
 社会保障費や義務的経費などを除く政策経費全般をそれぞれさらに2%程度絞り込むことにした。【清水憲司】

毎日新聞 2008年7月19日 東京朝刊
09年度予算:シーリング 公共事業費、削減幅「3%超」に拡大 道路建設抑制示す
 政府は18日、09年度予算の概算要求基準(シーリング)で、03年度予算から「前年度当初比3%」としてきた公共事業費の削減幅を「3%以上」に拡大する方向で調整に入った。政府は09年度から道路特定財源を一般財源化する方針だが「道路予算は維持される」(自民党筋)との見方もあるため、道路予算を含む公共事業費全体の削減幅を拡大し、無駄な道路は建設しない姿勢を鮮明に打ち出す。
 公共事業費の削減幅拡大で捻出(ねんしゅつ)した財源は、福田康夫首相が打ち出した医師不足対策など重点分野の予算拡大に回す考え。景気低迷で税収減が続くと見込まれる中、首相が提唱する医師不足や救急医療対策、高齢者支援、少子化対策など重点分野への予算配分を十分に確保するには「予算編成で例年以上のメリハリが必要」(財務省幹部)と判断した。
 防衛費も従来の「前年度当初比1%減」から削減幅を拡大するなど予算全般にわたって政策経費を例年以上に削り込む方針だが、与党の反発で調整が難航する可能性もある。【須佐美玲子、清水憲司】


関連記事
2008-07-19(Sat)

地方分権(その1)


河川・国道移譲など、国の出先機関 廃止縮小

日経新聞 2008年7月18日
国の出先、15機関の業務見直し 地方分権推進委
 国の権限の地方移譲を議論する地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は17日、国の出先機関の見直しについて8月1日にまとめる中間報告の内容を協議した。地方整備局や地方農政局など15機関が手掛ける合計数百の業務について、地方への移譲や廃止を含む4種類の対応策を示すことを決めた。
 中間報告では国の出先機関が手掛ける業務を分析し(1)廃止(2)地方へ移譲(3)本府省へ移管(4)引き続き出先機関で処理――の4つに分類する。各省庁は出先機関の業務を地方に移せるかどうかを検討し、今秋にも分権委に報告する。
 中間報告には組織の見直しも盛り込む。二重行政の問題を抱える出先機関は原則廃止し、新設する総合的な出先機関へ集約したり、都道府県の個別機関を地域ブロックごとに再編したりする。ただ、具体的な機関の存廃や人員削減の規模などについては、年末の二次勧告でまとめる方針だ。(17日 22:02)


■ 地方分権改革推進委員会 勧告
平成20年5月28日 「第1次勧告 ~生活者の視点に立つ「地方政府」の確立~」
   http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html

 「地方分権改革推進要綱(第1次)」政府決定 (平成20年6月20日)
   http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/080620torimatome2.pdf

関連記事
2008-07-18(Fri)

がんばれ!淀川流域委員会

国交省の委員会開催要請は、形式を整えたいだけ
  ・・・・・・・・・・・・手続きの瑕疵を取り繕うという焦り


近畿地方整備局が正式な形での委員会の開催を要請したという。
「正式な委員会」とは何を指すのだろうか?

ところが、開催しても「委員の意見は聴くが、計画決定には反映しない」と条件を付けたという。
委員会の意見は計画に反映されてこそ意味がある。

こういうのを「ガス抜き」という。実際に「バカにしている」話だ。

ここにきて、なぜ、「正式な」委員会改正要請なのか。
明らかに、改正河川法の手続き規定に違反しているからだ。
「最終意見」も聞かずに「意見を聞いた」など詭弁にしかならない。
国交省の焦りを感じる。


宮本委員長はじめ委員が手弁当で自主的な開催を実施したという。

“えらい”感動する。
心から応援したい。がんばれ、流域委員会!


産経新聞 2008.7.17 23:27
委員会の開催要請を却下、近畿地整に淀川委
 国土交通省近畿地方整備局は17日、4ダム建設を含む淀川河川整備計画案の策定に抗議し、自主運営で審議を続けている諮問機関「淀川水系流域委員会」の宮本博司委員長らに対し、「計画案の内容を説明したい」と正式な委員会活動の再開を要請した。
 しかし、「委員の意見は聴くが、計画決定には反映しない」と条件を付けたため、委員側は開催要請を却下。宮本委員長は「諮問機関をバカにしている。整備局長と直接会談させてほしい」と逆に申し入れる事態となり、両者の決裂は決定的となった。
 この日は整備局側の求めで運営会議を開き、井上智夫・河川調査官が今後の正式な開催を委員会に要請した。委員らは「見切り発車で計画案を発表しておきながら、説明だけ聞けというのは納得できない」「一方的な説明会なら自主的に開けばいい」などと猛反発、最後まで議論はかみ合わなかった。
 宮本委員長は「官と民でよりよい計画をつくっていこうというのが流域委の原点で、流域府県の知事もそれを求めているはず。計画を見直し、一から出直すという提案なら別だが、計画は国の思い通りに進めるというのは受け入れられない」と話した。

京都新聞  2008年7月16日(水)
「手弁当」の審議始める
淀川水系流域委
(写真)国の予算を使わず審議したため会場の後片づけも自ら行う淀川委の委員ら(京都市左京区・みやこめっせ)
 国土交通省近畿地方整備局の諮問機関・淀川水系流域委員会は16日、委員個人の自己負担で会場費などをまかなう「手弁当」の審議を始めた。整備局が審議継続を必ずしも求めていないことから、「税金の無駄使い」との批判を避けるため異例の形で行うことになった。
 この日はみやこめっせ(京都市左京区)の小会議場を使用、委員6人と傍聴者数人が集まった。通常、会場設営は事務局の民間企業が行うが、委員が自らいすや机を並べたり、持参したプロジェクターを設置するなど準備に当たった。
 計画の策定や点検、修正のあり方をテーマに意見交換をした後、委員は会場を片づけ、会場費計3465円を割り勘で支払った。宮本博司委員長は「おかしなことではあるが、中途半端に審議を打ち切る訳にはいかない」として、最終意見作成に意欲を示した。
 淀川委は河川整備計画案の策定に意見を述べるよう諮問されていたが、整備局はその最終意見を待たず6月に計画案を公表、以降の審議を要望していない。
関連記事
2008-07-17(Thu)

「穴あきダム 歴史的愚行」  そうだそうだ!

今本氏の意見に大賛成

朝日新聞に今本博健氏(元京都大防災研究所長)が「穴あきダム」について寄稿している。
今本氏は、淀川流域委員会の前委員長でもあった。

国交省は、専門家の意見に真摯に応えるべきだ。




朝日新聞 2008年7月17日 朝刊17面opinion

◆穴あきダム歴史的愚行に他ならない

いまもと  ひろだけ
今 本  博 健  元京都大防災研究所長

 ここ数年、従来の多目的ダム計画を、治水専用の「穴あきダム」に変更して推進しようとする動きが相次いでいる。国の直轄事業に限ると、淀川水系の大戸川ダム(滋賀県)や九州最大級の川辺川ダム(熊本県)など、地域の合意が得られていないダムを中心に、10件ほどを数える。補助事業を加えるともっと多く、長野県では前知事時代に「脱ダム」の象徴として中止が表明された浅川ダムが、穴あきで建設されようとしている。

 穴あきダムには多様な形態があるが、現在推進されているのは、ダム下部の河床近くに直径数㍍ほどの穴をあけておき、普段は川の水をためずにそのまま流し、洪水時は一時的に貯留するタイプのものだ。従来のダムからの変更が相次ぐ理由は、①水の需要が減ったため建設目的が治水専用になり、水を常時ためる必要がなくなった②穴あきにすれば環境悪化への社会的批判の高まりをかわすことができる、という点に集約される。

 私は河川エ学者として各地の住民から相談を受け、穴あきダムの実態を調べているが、いずれも「中途半端なダム」という印象をぬぐえない。

 まず、事業者がうたい文句にする「環境に優しい」は本当だろうか。普段は水をためないので、水がよどんでアオコが発生するようなことはないだろう。だが、①魚が穴を通ってダムの上下流を自由に遡上・降下できる②土砂がたまらない、とする主張は極めて疑わしい。

 国内の本格的な穴あきダムは2年前に完工した島根県の益田川ダムが最初だが、県が昨年公表した環境調査では、①アユの遡上が阻害されている②土砂の一部は流れずにたまる、などの点が明らかになった。

 私は何度か視察したが、穴あきダムは、魚が自由に行き来する単純な構造ではない。洪水時に勢いよく水が流れるのを食い止める構造物「減勢工」がダムの下流直下にあり、魚が上って行くには、減勢工などを通って穴に向かわなければならず、これらが障害になっている可能性がある。土砂も予想以上にダムに堆積しており、下流への砂の供給が減ると、砂の中に産卵する魚の生態に影響が出る恐れがある。こうした点が何も検証されていないのに「環境に優しい」と言えるのだろうか。

 治水についても、肝心の大洪水で役立たない恐れがある。特に洪水が間隔を置いて続くケースは危険だ。通常のダムは、職員がゲートを操作し、最初の洪水でたまった水を必死に放流して数日内に予想される次の洪水に備えるが、穴あきダムでは、小さな穴から自然に任せて少しずつしか放流できないため、最初の洪水を処理しきれないうちに次の洪水が押し寄せ、水がダムから一気にあふれて被害が拡大することが予想される。

 また、大雨で山腹が崩壊すれば、流木や岩が絡み合い、穴をふさいでしまう恐れもある。

 事業者は、穴あきダムを「逃け道」にして、ダム建設を強行しようとしている。だがそもそも、ダムに頼る治水は、計画を超える降雨があれば破綻する。いま急を要するのは、ダム神話の錯覚から目覚め、ダムに頼らない治水に転換することだ。

 堤防の補強に加え、はんらんした水を輪中堤などで制御する持続的な方法を併用し、さらには避難対策の整備や危険地域の開発規制など、実現可能な対策を着実に進めることが重要である。こうした転換期に穴あきダムを建設することは「歴史的愚行」に他ならない。



関連記事
2008-07-17(Thu)

河内の悪党 生きざま考えさせられる

人物像はつくられるもの

 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 楠木正成  
書名: 楠木正成   著者:北方兼三
出版: 中公文庫 発行年月 2003年6月
価格: 上巻620円・下巻620円(税込)

☆上巻
ときは鎌倉末期。幕府の命数すでに無く、乱世到来の兆しのなか、大志を胸にじっと身を伏せ力を蓄える男がひとり。その名は楠木正成―。街道を抑え流通を掌握しつつ雌伏を続けた一介の悪党は、倒幕の機熟するにおよんで草莽のなかから立ち上がり、寡兵を率いて強大な六波羅軍に戦いを挑む。己が自由なる魂を守り抜くために!北方「南北朝」の集大成たる渾身の歴史巨篇。
☆下巻
潰えれば、死。壮絶なる覚悟を抱き決起した楠木一党は、正成の巧みな用兵により畿内各地で幕府の大軍を翻弄。ついには赤松円心、足利高氏らとともに京を奪還し、ここに後醍醐帝の建武新政が成就する。しかし―。大志を貫くも、苛酷な運命によって死地へと赴かざるを得なかった悪党・楠木正成の峻烈な生き様を迫力の筆致で描く歴史巨篇。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
購入日 2008年6月26日 
読始日 2008年7月 9日
読了日 2008年7月13日
<感想メモ>
  楠木正成に抱いていた朝廷に忠義を尽くした人物というイメージが間違っていたと確信できる小説だ。帝(後醍醐天皇)と廷臣である公家の愚かさが良く描かれていると思った。史実がどれほどかを確認するすべはないが、こんなものだったんだろう、と得心がいく。「悪党の裔(すえ)」と時代背景は重なるが、赤松円心と同じく、「悪党」の生きざまに引き寄せられる。本書では描かれていないが、赤松円心は、足利尊氏側につくが、楠木正成は、最後まで朝廷方として足利尊氏と闘う道を選び、最後は自害する。朝廷の愚かさに絶望しながらも、そのもとで戦わざるを得なかった正成の無念さ。現在の多くのサラリーマンが、無能な経営幹部のもとで味わされる虚しさに似ているのではなかろうか。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
関連記事
2008-07-16(Wed)

与党協議の先に消費税?  道路財源「一般財源化」

「一般財源化」の骨抜き狙う 自民“道路族”


道路財源の一般財源化に向け、自民・公明の与党協議が始まった。
15日は、論点として
(1)必要とされる道路
(2)一般財源化後の使途
(3)一般財源化後の揮発油(ガソリン)税の暫定税率水準の扱いと課税の理由
(4)地方の道路財源
について意見を交換したとういう。

案の定、自民は道路に固執、公明はちょっとだけ修正。
まとまるにはまだまだ抵抗が大きい。

しかし、
「与党は、年内に協議会で一般財源化法案の骨子をまとめ、5月末に中断した与野党政策協議の再開を呼びかける考えだ。野党が後期高齢者医療制度の廃止法案を提出しているため、道路財源の使途から社会保障論議にまで議論を広げ、できれば消費増税論議に野党を巻き込む考えだ。」(朝日)
とある。

道路財源を削れないから、社会保障は、消費税増税で、というシナリオなのだろうか。要注意だ。



朝日新聞 2008年7月16日朝刊
自民、一般化に重い腰  道路財源与党協 公明と温度差
 
 道路特定財源の一般財源化に向けた与党協議会が16日に発足した。道路予算はどこまで削れるのか。暫定税率の見直しに切り込めるのか。福田首相が一般財源化の方針を示してから4ヵ月近くたち、ようやく議論が始まった。(鶴岡正寛、石松恒)

 協議会には、自民、公明両党の政調や税制の担当者が出席。国会内で開かれた初会合では、早くも自公両党間の溝が浮かび上がった。
 国の道路予算の1割削減を求める公明党側は「道路予算そのものについて見えるものがなくては、一般財源化への国民の期待を裏切ることになる」と主張。これに対し、自民党側は「必要な道路というのはそんなに変わるはずがない」と慎重な姿勢を示した。
 
 本来の税率に上乗せされている暫定税率についても、公明党側が「自動車関係諸税の簡素化も議論すべきだ」として自動車重量税の暫定税率部分の撤廃を求めたのに対し、自民党の園田博之政調会長代理は「税収を減らす議論はできない」と譲らなかった。

 公明党は、改革姿勢をアピールして次期衆院選の実績にしたい考えだ。自重税の引き下げは党のマニフェスト(政権公約)にも記したものの、昨年の与党税制改正大綱の取りまとめでは自民党の反対が強く引き下がった。首相の後押しを受けたこの協議会を、党の存在感を示す場にしたいという考えだ。

 しかし、自民党は道路予算の配分で地方自治体や道路関係団体を仕切ってきただけに党内調整は容易ではない。道路政策に強い影響力を持つ古賀誠選対委員長は道路特定財源を社会保障費に転用することを容認する一方で「地方の道路は確保する」と明言しており、与党協議会メンバーの一人は会合後、党内にプロジェクトチームを設けて道路族議員や税制調査会幹部との調整を始める考えを示した。

 与党は、年内に協議会で一般財源化法案の骨子をまとめ、5月末に中断した与野党政策協議の再開を呼びかける考えだ。野党が後期高齢者医療制度の廃止法案を提出しているため、道路財源の使途から社会保障論議にまで議論を広げ、できれば消費増税論議に野党を巻き込む考えだ。
 しかし、野党側が協議に乗る公算は小さい。民主党の菅直人代表代行は15日、「消費税の引き上げ議論に野党を引きずり込む魂胆が見え隠れしていれば乗れない」と語り、警戒を緩めていない。
与党協議会は今後、交通需要予測を受けた道路整備中期計画の見直しや税制改正論議と並行した形で論議を進めていく。まず与党内調整を進めなければならないが、この日は「両党内で議論し、タイムリーに開いてすり合わせる」(自民党の谷垣禎一政調会長)と確認しただけで、次回日程のめどは立たなかった。

■道路特定財源の一般財源化への日程
   8月末 09年度予算概算要求締め切り
      秋   国交省が新たな交通需要予測公表、政府が道路整備中期計画を見直し
   年 内   与党協議会が一般財源化法案の骨子取りまとめ
 12月中旬  09年度与党税制改正大綱決定
     下旬 09年度政府予算案決定
 09年1月~ 通常国会に一般財源化法案提出


毎日新聞 2008年7月16日 東京朝刊
道路特定財源:自・公、主張折り合わず 一般化協議会、次回日程も決まらず

 自民、公明両党は15日、09年度からの道路特定財源の一般財源化に向けた与党協議会の初会合を開いた。道路予算削減に積極的な公明党側と、予算確保を目指す自民党側で主張は折り合わず、次回協議の日程も「自民党側の都合」(公明党幹部)により、決められなかった。野党との協議前に与党内での合意を目指す協議は、先行きが見通せないスタートとなった。

 国会内で開かれた協議には、自民党の谷垣禎一、公明党の斉藤鉄夫両政調会長のほか、両党の税制調査会長ら計12人が出席した。今後の論点として(1)必要とされる道路(2)一般財源化後の使途(3)一般財源化後の揮発油(ガソリン)税の暫定税率水準の扱いと課税の理由(4)地方の道路財源--を挙げ、その在り方を検討するとした。 

協議では、公明党側が「道路予算を目に見える形で削らないと、一般財源化への国民の期待を裏切る」と強調。自民党側は「厳しい財政状況の中で税収は減らせない」(園田博之政調会長代理)と反論したほか、「道路財源をこれまでと同じような額にすれば地方が安心する」などの意見も出た。終了後の記者会見で谷垣氏は「必要な道路はこれまでとそんなには変わらない」と述べた。【三沢耕平】

 ◇「歳出増圧力を高める可能性」--財務省警戒
 道路特定財源の一般財源化に関する与党協議会について、財務省は「議論次第では、道路関連の歳出削減に明確な道筋がつかないまま他の分野の歳出増の圧力を高めるだけに終わる可能性がある」(幹部)と警戒している。

 08年度のガソリン税など道路特定財源は国の分だけで約3兆3000億円。使い道が道路関連に限られてきたが、一般財源化で一部、他の分野に使えるようになる。ただ、新たな財源ができたわけではなく、社会保障や少子化対策などに回すには道路予算の大幅削減が必須だ。

 しかし、与党内には総選挙をにらみ「必要な道路は造るべきだ」との声が強い。このため、一般財源化を名目に他分野の歳出が増える一方で、道路予算の削減は進まず、「国債増発などを迫られ、財政再建に逆行する恐れもある」(財務省幹部)という。【清水憲司】

関連記事
2008-07-15(Tue)

20万隻の漁船がスト 政府の無策を怒れ!

燃料価格引下げはやろうと思えばすぐできる

漁船ストの要求は、燃料価格の引下げよ、ということだ。
燃料費引下げは900億円あればできるという。

政府がその気になれば、補正でも何でもすぐできる話だ。
「今の予算の中でできること」(福田首相)などとスッとぼけている場合じゃない。

消費者も他人事じゃない。政府の無策を怒るべきだ。



(2008年7月15日11時35分 読売新聞)
国内漁船20万隻が一斉休漁…苦境訴え都内でデモ行進も
 原油高による燃料価格の高騰を受け、全国漁業協同組合連合会(全漁連)や大日本水産会など17の漁業団体に所属する国内のほぼすべての漁船約20万隻が15日、一斉に休漁に入った。
漁に出ても採算が採れないなどの危機的な状況を訴えようと、東京・日比谷公園には全国から約4000人の漁業者らが集まり、「漁業経営危機突破全国漁民大会」を開いた。
 大会では燃料費の補てんなどの緊急対策を政府・与党に求める決議文を採択、シュプレヒコールを上げた。集会後には消費者や流通業界に価格転嫁への理解などを求める横断幕やプラカードを手に、霞が関を約20分かけてデモ行進した。
 全国の漁港では、漁船が待機。普段は、カツオやマグロが並んで活気づく宮城県気仙沼港の市場もひっそりと静まり返っていた。


日経新聞 2008年7月15日
20万隻の漁船が全国一斉休漁、燃料高など窮状訴え
 全国漁業協同組合連合会をはじめとする17の主要漁業団体が15日、一斉に休漁に入った。全国で約20万隻の漁船が参加した。漁業者は急激な燃油高騰で経営が圧迫されている窮状を各地の漁港などで訴えた。
 全漁連が同日午前、東京都千代田区の日比谷公園で開いた決起集会には全国から沿岸漁業者ら3000人以上が集まり「今すぐ対策を打たないと日本の漁業の将来はない」と気勢をあげた。正午過ぎからは政府に燃料費補てんなどの対策を求め官庁街の霞が関をデモ行進した。
 島根県内では約4400隻あるすべての漁船が出港を見送った。漁船は「燃油高騰により全国一斉休漁中!」と垂れ幕を掲げた。神奈川県三浦市のみうら漁業協同組合も全700隻が休漁した。漁師の1人は「燃料代の高騰で出漁しても赤字」と憤っていた。 (12:15)
関連記事
2008-07-14(Mon)

環境保護と運動

イルカやシャチの生態 環境保護を考える
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

モビィ・ドール
著者:熊谷達也
出版: 集英社文庫      
発行年月 2008年6月
価格: 700円 (税込)

舞台は南の島。イルカがすむ島として脚光を浴びる巌倉島で、比嘉涼子は、環境保護団体の一員として生態調査に従事していた。そのかたわら環境客向けのドルフィン・スイムなどの世話をしていた。そこに新しいダイバーとして雇われた葛西拓海がやってきた。イケメンの彼は何かとトラブルの元。彼は、かつて潜水中の事故でバディを死なせてから潜れなくなっていたという。そんな折、イルカが数頭、浜に打ち上げられる。原因は不明。そしてシャチの出現!平和だった島に波紋がひろがっていく…。直木賞・山本周五郎賞ダブル受賞から半年、注目のストーリーテラー、最新長編。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
購入日 2008年6月25日 
読始日 2008年7月 6日
読了日 2008年7月 9日
<感想メモ>
 イルカやシャチの生態を少し学んだ気がする。反捕鯨団体の運動についても理解が深まった。最近、ピースボートが捕鯨調査船員が鯨の肉を横領していると運送前の現物を抑え告発した。ところが、その行為が窃盗に当たると逮捕される事件があった。確かに、宅急便で運ばれる荷物を無断で持ち出せば、窃盗に当たるだろう。告発の手段として証拠を押さえるために窃盗行為が許されるのか、と言えばノーだろう。捕鯨がいいかどうかは、本書の主人公と同じ考えだが、反捕鯨運動を否定もしない。しかし、武力的実力行使や違法行為を「正当化」することはいただけない。・・・・もっとクジラやイルカ、シャチなど、人類が利用するためでなく、地球の中で共存できるようさらなる研究が必要ではなかろうか。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

関連記事
2008-07-12(Sat)

道路整備予算削減なし、一般財源化の意味なくなる

道路整備以外に予算回せない?(概算要求基準)

きのうのつづき。

福田内閣は、一般財源化を閣議決定した。しかし、
「一般財源化後の道路整備費の削減規模や、道路整備以外の事業にどれだけ予算を回すかは決まっておらず、今月末の閣議了解を目指す概算要求基準での取り扱いが焦点になっていた。このため、一般財源化の実効性を疑う声が高まる恐れもある。」

一般財源化の骨抜き、の動きだ。

際限のない高速道路新設が中心の「道路整備」計画。削らなければ意味がない。



(2008年7月12日14時34分 読売新聞)
道路整備削減額、概算要求基準に明記せず
 財務省は12日、2009年度予算の歳出規模を定める概算要求基準(シーリング)に、道路特定財源の一般財源化に伴う道路整備費の削減額を盛り込まない方針を固めた。
 政府・与党内の調整が難航しているためだ。
 道路整備費を含む公共事業費を前年度当初予算より3%削減する方針は、08年度予算編成に引き続き概算要求基準に明記し、厳しい歳出削減は堅持する。
 政府は今年5月、09年度から道路特定財源を一般財源化する方針を閣議決定した。不必要な道路建設を見直し、福利厚生費でマッサージチェアを購入するなどの不適切な予算流用に歯止めをかけるため、福田首相が決断した。しかし、一般財源化後の道路整備費の削減規模や、道路整備以外の事業にどれだけ予算を回すかは決まっておらず、今月末の閣議了解を目指す概算要求基準での取り扱いが焦点になっていた。このため、一般財源化の実効性を疑う声が高まる恐れもある。
 自民、公明両党は今月15日に与党協議会を発足させ、一般財源化後の税率や道路整備費の総額などについて本格的な検討を始める。自民党道路族や国土交通省が道路整備予算の確保を求める一方、与党内や他省庁では一般財源化された道路特定財源を社会保障や教育、環境保全など、他の目的に充てる主張も多く、調整は進んでいない。
関連記事
2008-07-11(Fri)

どうなる道路財源の一般財源化?

与党だけで協議はじめるらしい

自民・公明だけで一般財源化の協議をはじめるという。

1、暫定税率をどうするのか
  自民も公明も暫定税率は、維持したままというのが基本だろう。
  あるとすれば、「暫定」をやめて、暫定分も本則に組み込む=全部が本則税率にするということ。
  「財源確保」は道路目的で無くなっても必要だというだろうから、
  暫定分を一部でも減税にすることはしない。

2、課税根拠は、どういう名目にするのか。
  「暫定税率」は道路整備に充てる財源を確保するのが名目上の課税根拠だった。
  ガソリンの場合、本則は貴重品に対する「物品税」的な根拠になっている。
  暫定分も本則とした場合、その課税根拠をどうするのか。

3、環境税(炭素税など)として、衣替えするのか
  環境税として衣替えすれば、課税根拠も環境負荷に対する課税という理屈はありうる。
  しかし、環境税ということになれば、
  ① 税率は適切か。いくらにすればいいのか。
  ② ガソリンだけにかけるのか。(税金のかかっていない灯油や重油はどうするのか)
  ③ CO2排出に応じて企業などにかける「環境税」(環境省などが検討)との関係をどうするのか。
  など、整理検討すべき事項が多い。

4、一般財源化すれば、何でも使えるが、道路予算がそのままだと道路以外に使える予算はない。
  道路予算を削らないと、社会保障などに回すことはできない。
  では、5・4兆円(国・地方)の道路予算をどれだけ削るのか。
  公明党は、国の道路予算の1割の約2000億円と削るらしいが、少ないのではないか。
  08年度(今年度)でも、1900億円を一般財源化(ひも付きだが)することから見れば少ない。
  ひも付きでなく社会保障に回す予算だと言うかもしれないが、
  すべて、一般財源化した財源なのだから社会保障に使得るのが前提だ。
  2000億円という額は、道路整備に使われないあまった額だ。
  つまり、道路整備予算は削らないということになる。

5、道路整備のどこを削るのか。
  道路整備予算を削るのなら、どこをどれだけ削るか、どの道路事業をやめるか
  道路建設事業そのものを見直すことをしないと意味はない。
  公明党の案は、地方は削らないようだが、それでいいのか。

6、自動車重量税だけでなく、取得税など自動車関連税はどうするのか。

  ざっと考えただけでも、いろんな問題点が出てくる。



毎日新聞 2008年7月11日 東京朝刊
道路特定財源:与党「一般化」協議へ 予算枠巡り、なお溝--15日初会合
 09年度からの道路特定財源の一般財源化に向け、自民、公明両党は15日に与党協議会の初会合を開く。環境税への衣替えなど揮発油(ガソリン)税の暫定税率水準の扱いのほか、必要とされる道路についての考え方などが焦点になる。一般財源化を巡る与野党協議が5月末から中断しているため、与党で具体案づくりを先行させるが、道路予算削減に積極的な公明党に対し、自民党内は道路族を中心に予算確保へのこだわりが強く、与党内でもまとまっていない。
 協議会は、与党で09年度税制改正の議論がスタートしたことを受けて発足させる。メンバーには、両党の政調会長、税制調査会長、道路の政策責任者などが入る予定だ。
 公明党は9日、国の道路予算の1割の約2000億円を削減し、社会保障費に充てることを求める方針で一致し、15日の初会合で提示する。しかし、協議に参加する自民党幹部は「採算だけで必要な道路を論じるわけにはいかない」と冷ややかだ。
 自民党道路族も「必要な道路」予算の確保に向けて発言を強めている。古賀誠選挙対策委員長は7日、福岡市での講演で「2、3年は必要な道路整備を凍結してでも(社会保障費などに)充てることができないか」と述べ、消費税率引き上げまでの間、一般財源化された道路財源の使途拡大を容認する姿勢を示したが、「地方の道路は必要だ」とくぎを刺すことも忘れなかった。
 暫定税率の水準についても、与党内での溝が目立つ。自民党は、暫定税率を維持して従来通りの税収を確保したい考えだが、公明党は自動車重量税の引き下げなど税率の引き下げに前向きな姿勢を示している。【三沢耕平、田所柳子】

関連記事
2008-07-10(Thu)

洞爺湖サミット G8の無責任だけが目に付いた

「投機マネー」手つかず、食糧問題は身勝手な言い分

サミットが終わった。地球温暖化、投機マネー、食糧問題などが主なテーマと言われていた。

CO2削減では、目標設定もしなかった。先進国がこれまでCO2を輩出してきた責任を棚上げして、新興国も同じように削減しろ、という言い分はどこかおかしい。案の定、先進国は80%以上削減しろとやり返された。

さらに問題なのは、投機マネー規制はなにも決まらなかった。アメリカのサブプライム問題が発端で、投機資金が原油や食糧に流れ、価格高騰を招いているのははっきりしているのに、何も手を打たない。元凶はアメリカじゃないか。

食糧問題は、食糧不足になるから輸出を規制しようとしている途上国に、「規制するな」などと身勝手なことをいう。日本は、米の生産能力あるのに減反したうえに、米を輸入している。先進国が、身勝手に途上国が生産した食料を輸入して、食糧不足を加速している。日本などは自給率をまず高めることが先だ。


2008年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
洞爺湖サミット 食料・原油高
投機マネー暴走に無策 「競争」あおる文言も
 食料の高騰や原油急騰の原因になっている投機マネーの暴走をいかに制御するのか。世界のリーダーたちに迫られている緊急課題です。ところが、北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)に集まった主要八カ国(G8)の首脳には投機マネーの暴走に向き合う姿勢が見られないどころか、「市場競争」を加速する文言を盛り込んだ宣言さえ発表しました。(金子豊弘)

 「食料価格と燃料価格の高騰という二重の危機に際し、最も弱い立場の人々を救うことができるか、グローバル・システムが試されている。失敗は許されない」。サミットに出席した世界銀行のゼーリック総裁は北海道留寿都村の国際メディアセンターでの記者会見で危機感をあらわにしました。
 サミットに出席した国連の潘基文事務総長も、「世界は、三つの同時危機に直面している。それは食料危機、気候変動の危機、開発問題の危機だ」と警鐘を鳴らしました。
 その危機の引き金を引いている一因に大手金融機関などを資金源とした投機マネーの暴走があるのは、いまや明らかです。金融規制の緩和によって「自由」の羽を与えられ、暴れまわる投機マネーの規制について日米首脳会談では、「そこまで細かい話はありませんでした」(日本政府)。投機マネーの暴走は、人々の生存を脅かす「静かなる殺人」とまでいわれるほど。それを、「細かい話」だと言い切るところに、議長国としての日本政府の見識がないことが露呈しました。

アフリカは規制要求
 アフリカの人々の声を首脳会議に届けようと国際メディアセンターで記者会見した非政府組織(NGO)のメンバーは「原油、食料の高騰が不安定を招いている。カメルーン、セネガルなどで暴動が起きた。アフリカは危機の時に入った」と訴えました。
 七日のG8首脳とアフリカ七カ国首脳との会談の席では、アフリカの首脳から「原油取引で過大なもうけを得るのは問題。この取引に課税する制度ができないか」と、投機マネーへの規制を求める声も上がりました。
 ところが八日発表された「世界経済」宣言で、石油高騰への対応として指摘されているのは、「商品先物市場の透明性の向上」という文言だけ。しかも、「開放的で競争的な資本市場は、経済成長を促進させる」と強調。投機マネーの制御どころか、暴走をあおるかのような競争強化をうたいました。
 G8の無策ぶりに、大手紙編集委員も「世界経済は深刻な問題に直面している。その時に、先進資本主義の陣営は戦略をなくしてしまったようだ」と指摘します。
 「投機マネーの規制に最も反対しているのは米国」(経済産業省幹部)です。その理由はどこにあるのでしょうか。金融問題が専門の相沢幸悦埼玉大学教授は指摘します。「米国政府と米国の金融街は人脈的にも一体化している。しかも規制策がとられて原油や穀物価格が下落すると石油大手企業や穀物大企業が損をしてしまう。金融、石油、穀物の三つの利害関係者が存在しているわけで、投機マネーを規制できないのはそのためだ」

飢餓解決逆行する
 サミットは、世界の人たちが切実に求めていることには向き合わないで、やってはいけないことには熱心です。
 「世界経済」宣言では、自国の食料供給を確保する動きを「保護貿易主義」として敵視。世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉について「喫緊の課題として交渉妥結に向け取り組む決意を改めて表明」と強調しました。
 しかし、WTOルールにもとづく農産物の貿易自由化路線こそが、飢餓の原因になっています。実際、途上国の農産物の生産力を高めるどころか、農家向け補助金の削減を求めるなど逆に生産力を阻害します。貿易自由化が飢餓の解決に逆行することは、国連の人権理事会に提出された報告でも指摘されています。
 「過去十年間に、自由化と民営化はほとんどの国で急速に進展した。(ところが)かつてなく多くの人が恐るべき恒久的な栄養不足に苦しんでいる」
 食料やエネルギーなど人類の生存にかかわる問題を、市場任せにする市場万能主義に固執していては、解決の道筋は見えてきません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
読売新聞 2008年7月9日
投機マネー暴走に歯止めを
 投機マネーの暴走を野放しにしていては、世界経済を安定した成長軌道に戻すことはできない。だれもがわかっているはずの課題だが、またしても主要8か国(G8)は真っ向から向き合おうとしなかった。
 1バレル=140㌦を超えた原油高、世界各地で暴動も招いている食料高、そして、それらに伴う世界的なインフレの問題は、日常の暮らしに直結するだけに、世界の人々が、北海道洞爺湖サミットで最も注目した課題だったかも知れない。
 8日の首脳宣言と食料安全保障に関する首脳声明は「原油・食料の価格上昇に強い懸念」を示し、原油の生産能力増強などの処方箋も描いた。ただ、投機マネーについては、国際通貨基金(IMF)と国際エネルギー機関(IEA)に影響・分析の報告を求めたG8財務相会合の声明をなぞったにとどまった。
 だが、例えば石油業界は生産・管理コストからみた原油価格は1㌦=70~80㌦で、上積みは投機マネーによるとみている。米シカゴ商品取引所の小麦の取引高は、投機が実需の2・5倍にも膨らんでいる。高騰の最大の要因が、米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅融資)危機で行き場を矢った投機マネーにあるのは明らかである。
 サミットでも、議論がなかったわけではない。拡大対話でアフリカ7か国は投機マネー規制を求めた。G8でもイタリアなどは規制を主張したと見られるが、踏み込んだ議論は行われなかった。
 背景には、米英の慎重姿 勢がある。中でも米国は投機的ファンドを多く抱え、年金基金などがファンドで資金を運用している。投機マネーにメスを入れれば、年金などにもしわ寄せが行ってしまう。米国経済の低迷は世界経済の屋台骨をも揺るがしかねず、各国も慎重にならざるを得ない。
 しかし、金融商品から原油、食料へ次々襲いかかる投機マネーをみれば、どこかで暴走を食い止めなければ、世界経済のかく乱要因を増すばかりだ。出来る限り軟着陸を図るためにも、投機マネーをどう制御していくか、G8で真剣に協議すべき時が来ている。
(編集委員 安部順一)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産経新聞 2008年月10日
洞爺湖サミット/高騰要因「投機」手つかず
食糧問題見えぬ道筋/G8自らの改革に及び腰
食糧高騰問題について福田康夫首相は9曰、主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の議長総括で「あらゆる対策をとるとのコミットメントを新たにした」と支援に万全を期す姿勢を強調した。しかし、途上国側が強く求めているのは、投機規制など先進国側が二の足を踏んでいる対策であり、主要8力国(G8)主導の支援策が緊急の危機を脱するメッセージとして機能するのは困難な状況だ。 (坂本一之)

途上国との溝
G8にブラジル、中国、インド、メキシコ、南アフリカの5ヵ国を加えたり9日午前の拡大会合で、新興国首脳は食糧問題の対応の重要性を訴えた。この中で新興国側がとくに強調したのが「投機」「原油価格上昇」「食料を原料に使うバイオ燃料」の3つの高騰要因で、皮肉なことに「あらゆる対策」を約束する先進国が対応に二の足を踏むものばかりだった。
 G8は8日に発表した食糧問題に関する特別声明で当面の緊急支援に加え、中長期対策として輸出規制撤廃や生産倍増などを次々と打ち出していた。
 もちろん、アフリカ側にも「種子や肥料、物流整備などの支援はありがたい」とG8の対応を評価する声はある。だが、詳細に支援策の中身を検討すると、輸出規制を行っている国は途上国が多いことでも分かるように、危機の原因を途上国側に帰し、対応を促すものが多い。
 一方、現在の異常な価格高騰の最大要因とされる投機資金の規制については、特別声明でも踏み込んでいない。
投機資金は食物相場の高騰の直接原因とされるだけでなく、「投機資金で異常価格となった原油」(政府筋)のために肥料価格や輸送コストが上昇し、食糧価格に跳ね返る間接的高騰要因にもなっている。
 G8は6月のG8財務相会合で、原油や食糧など一次産品の高騰に関し実需・金融両面からの分析を国際通貨基金(IMF)に要請したが、緊急の事態に分析で応じているようでは、価格抑制へのインパクトは弱い。

負の連鎖深刻
G8は首脳宣言で「世界のインフレ圧力を高める原油・食糧の価格上昇に強い懸念」を表明はした。しかし、その原因が先進国の金融市場で動く投機資金であることに強い表現で言及することはなく、需要抑制に向けた自国内の対応にも着手していない。
 懸念を表明しながら○日自身の改革には及び腰なことが途上国側の不満を招いている。
 たとえば、インドネシア政府関係者は「食糧は先進国が輸入し途上国が輸出する貿易構造になっている」と述べ、資金力のある先進国側の多消費や自給率不足を食糧価格高騰の原因として強調した。
 途上国支援を実施する世界食糧計画(WFP)の2008年当初予算は31億㌦。食糧価格の高騰などで現在の必要額は50億状に跳ね上がった。小麦仕入れ価格は昨年に比べ2倍近く、同じ資金では飢餓に苦しむ人たちに去年の半分しか食糧を供給できない。価格高騰で食糧難民も生まれている。負の連鎖は深刻だ。
 G8議長の福田首相は9日日の記者会見で、支援で原油と食糧価格が沈静化するのかとの質問に対し、「そうなるかどうか、そうなってほしいと思う」と淡々と答えた。
関連記事
2008-07-09(Wed)

道路財源一般財源化: 消費税増税の代わりも可?

消費税増税の代わりに「必要なら道路から」
   「3大都市圏での道路整備の一部凍結を提言」(自民・古賀氏)


道路族のドン、選対委員長として、道路財源維持だけでは選挙に負けると思ったのかな?

社会保障財源として道路財源を充てることも可、という。

では、道路財源の削減は、地方じゃなく大都市圏の道路を凍結するべし、という。

消費税増税議論は別にして、道路整備費を大都市部から減らして、社会保障に回す、という意見だ。

これには、賛成できる。

しかし、実際にはどうなる事やら・・。来週から与党だけで一般財源化の具体化が始まる。



=2008/07/08付 西日本新聞朝刊=
解散「来年冒頭か春」 衆院選 古賀選対委員長が言及 西日本政経懇
2008年7月8日 00:33 カテゴリー:政治 九州・山口 > 福岡
 自民党の古賀誠選挙対策委員長は7日、福岡市であった西日本政経懇話会で講演し、衆院解散の時期について、「(来年の)通常国会冒頭、歳入歳出法(予算)案を提出し、早ければそこで決断いただくか、予算案を成立させてからということであれば、3月末か4月に入ってからが1つのめどではないかと思っている」と発言した。
 古賀氏はこれまで、衆院解散について、衆院議員の任期満了となる来年9月に近い時期が望ましいとの考えを繰り返してきたが、「任期満了となれば野党から追い込まれてしまう危険が大いにあり、かえって福田康夫首相の解散権を縛る」と態度を一変させた。
 また「首相に少しフリーハンドを与えるために、歳出歳入法案を提出したら、『どうぞ、自分で1番いいタイミングと思ったときに決断してください』と言うのが親切かなと思っている」と述べた。年内解散については「絶対あってはならず、あったら(自民党は)負ける」と強調した。内閣改造は「全く分からないが、首相に勇気ある決断をしていただかなければならない」と前向きな姿勢をにじませた。
 一方、消費税増税の時期を2、3年後に先送りした首相を支持した上で、この間の歳入欠陥を補う財源について言及。道路特定財源を一般財源化する中で「東京、大阪、名古屋に約6700億円が国費として措置されているが、2、3年後回ししていいものは絶対ある」と3大都市圏での道路整備の一部凍結を提言。防衛費についても「備品の調達は若干、先送りしていいのがある。この分野の議論も避けてはいけない」と述べた。


朝日新聞 2008年7月7日22時30分
社会保障財源「必要なら道路から」 自民・古賀氏
 自民党の古賀誠選挙対策委員長は7日、福岡市内で講演し、道路特定財源の一般財源化後の使途について「財政規律の旗は掲げる。足りない財源は必要な道路整備を凍結しても充てることができないか」と述べ、社会保障などに使うことを容認する考えを示した。
 古賀氏は「すぐに税制も改革されて、一般消費税(の増税)も今年まとめられ、お約束として今度の選挙を戦えるかというと無理だ」と指摘。消費税の代わりに現在の道路特定財源を充てることはやむを得ないとの考えを表明した。ただ、「地方の道路はしっかり確保するが、公共交通機関が整備されている都市部の道路は2、3年後回しにしていいものは必ずある」と語り、まず都市部の道路整備を凍結すべきだと主張した。
 来年9月に任期満了を迎える衆院の解散・総選挙の時期については「年内は絶対あってはならないし、あったら負ける」と警告。福田首相が選択すべき時期について「(来年1月召集の通常国会の)冒頭に決断するのか、3月末か4月に入ってからなのか」と指摘し、首相に「(来年度)予算が通ったら、自分が一番いいと思ったときに決断してください」と呼びかけた。



朝日新聞 2008年7月8日19時39分
与党も道路財源一般化で協議会 来週中にも発足
 自民、公明両党は8日、道路特定財源の09年度からの一般財源化を検討する与党協議会を来週中に立ち上げる方針を決めた。野党との政策協議は5月末で中断しているが、両党の税制調査会が7月初旬に議論を始めたことから、与党単独で議論を先行させる。
 自民党の谷垣禎一政調会長は同日、党役員連絡会で「道路特定財源の一般財源化について与党協議を来週からスタートさせたい」と語った。メンバーは両党の政調会長、国対委員長、税調会長、道路調査会長らで構成する。道路予算を削減するかどうか、暫定税率を維持するかどうかが焦点で、年内に一般財源化法案の素案を取りまとめる。
関連記事
2008-07-08(Tue)

民主党の原油価格高騰対策

(資料)
民主党の原油価格高騰に関する緊急対策

民主党 2008/07/08
原油価格高騰に関する緊急対策PT 緊急経済対策の方向性議論し対策まとめる
 増子輝彦『次の内閣』ネクスト経済産業大臣を座長とする「原油価格高騰に関する緊急対策プロジェクトチーム(PT)」は8日午後、国会内で会議を開き、原油価格高騰緊急経済対策の方向性について話し合った(下記ダウンロード参照)。
 冒頭、挨拶に立った増子座長は、昨年来の原油価格の高騰については各地から悲鳴が上がっているとして、「原油高は世界的な問題で、現在行われている洞爺湖サミットの最重要課題のひとつでもあるが、先般発表された政府の緊急対策は全く不十分で何ら効果がない」と切り捨て、「もし我々が政権を取れば具体的にこういうことができるというものを打ち出して、解散・総選挙に向け、しっかりとした対策を国民に示したい」と意気込みを述べた。
 今回のPTは、昨年12月に政府に申し入れた「原油価格高騰緊急対策・中間報告」を基本にしているが、予測以上の速いスピードで原油高が進んでいるため、現況を踏まえた上で更に進んだ措置を組み込んでいくことを確認した。
 共通項目として(1)道路特定財源暫定税率の凍結及び廃止、(2)高速道路料金無料化を挙げ、その他、中小企業(資本金1億円以下)・個人事業者対策、漁業対策、農業対策、離島・半島・過疎地域対策運送業対策、新エネルギー対策などについて意見を交換した。
 出席議員からは、漁港整備費が年間3000億円あるが、漁業関係者から1年くらいは港の整備よりもこちらの対策をしてほしいという声が上がっていると報告があった。



原油価格高騰に関する緊急経済対策の方向性(中間報告)


民主党
2008年7月8日
原油価格高騰に関する緊急経済対策の方向性(中間報告)
原油価格高騰に関する緊急対策PT

 原油価格高騰による、わが国の国民生活及び社会経済に対する影響は深刻の度合いを増している。よって民主党として、今までに提案した、原油価格高騰緊急対策・中間報告(12/12発表)・緊急経済・生活対策(4/14発表)・離島振興法改正案(5/30発表)・漁業用燃油の高騰に対する当面の緊急措置(6/18発表)を基本としつつ、現況を踏まえた短期・中期的な対策を早急に実施するよう求める。

共通項目
1、道路特定財源暫定税率の凍結及び廃止
 燃料価格高騰の折から、道路特定財源暫定税率を凍結及び廃止する。
2、高速道路料金無料化
 高速道路料金を無料にする。

中小企業(資本金1億円以下)・個人事業者対策
1、特別信用保証の実施
 政府として特別信用保証制度を実施する(10兆円規模)
 ※セーフティーネット対象業種を中心とし、起業5年以上を条件とする。
2、既貸付資金の繰り延べ返済
 原油高で影響を受けている者に対する既貸付資金の繰延べ返済を実施する。
3、貸し渋り・貸しはがし対策
 中小企業向け融資について、金融機関に対する指導・監督を強化する。
4、中小企業向け官公需発注比率の拡充
 官公需法に基づく中小企業向け契約目標比率を10%上乗せする。
 (平成20年度の目標比率は51%)

漁業対策
1、高騰が続く漁業用燃油のA重油及び軽油について、平成17年9月に緊急対策が講じられたことを踏まえ、現時点の燃油価格を平成17年9月段階の水準まで引き下げるための補てんを実施する。

農業対策
1、高騰が続く農業用燃油のA重油及び軽油について、平成17年9月に緊急対策が講じられたことを踏まえ、現時点の燃油価格を平成17年9月段階の水準まで引き下げるための補てんを実施する。
2、道路特定財源を前提として設けられている、船舶の使用者による船舶、農林業等の従事者による動力耕うん機等の動力源に使用する軽油の引取りの減免措置につき、道路特定財源の一般化財 源化後の扱いについて検討する。

離島・半島・過疎地域対策
1、公共輸送機関の料金維持
 原油高により、当該地域の公共輸送機関が料金を引き上げざるを得ない場合には、国が助成を行い、料金を維持する
2、離島における揮発油税の減免
 離島における揮発油価格から揮発油税相当額を免除する

運送業対策(新規)
1、燃油サーチャージの厳正かつ円滑な運用等
 トラック運送業者は荷主等に対し運賃交渉力が弱いことなどの諸事情に十分配慮し、試行的に実施されている燃油サーチャージ制の厳正かつ円滑な運用を図る。あわせて独占禁止法、下請法の さらなる取締の強化などに努める。
2、営業用トラック燃料(軽油)の安定供給の確保
 原油高に伴い、営業用燃料である軽油の価格高騰により、トラック運送業界は事業存廃の岐路に立たされている。さらに、元売による軽油の輸出の急増、出荷規制の強化などの動きが見られる。 かかる事態を重く受けとめ、実態調査、国内需要を最優先した安定した供給などを図るため行政当 局による厳正な指導等を強化する。

新エネルギー対策
1、新エネ・省エネ機器普及の推進
 新エネ・省エネ技術を利用した機器設置の助成(太陽光発電・燃料電池等)を実施する
2、新エネ・省エネ技術開発の推進
 新エネ・省エネ技術開発の主体(大学・研究所等)に対する、助成・投資を大幅に拡充する。

中期的対策
○下請けいじめ防止法(民主党案)による、公正な市場環境の整備と中小下請け業者等の活性化
○石油備蓄制度の在り方について、抜本的に見直す

国際的な取組み
○IEA(国際エネルギー機関)、OPEC等に対する働きかけを強め、国際的連携による原油価格の引き下げを努力する
○投機による石油価格上昇を防ぐため、消費国における石油備蓄が十分な量を維持できるよう、石 油供給国に働きかける
○ヘッジファンド等に対する何らかの国際的規制を実施することを国際社会へ提案する

以 上
関連記事
2008-07-08(Tue)

再び、タクシー参入規制について

労働者行政の規制緩和こそ問題だ。企業の社会的責任を果たさせるべきだ。

昨日、タクシーの参入規制は当然と書いた。
日経が社説で、規制強化は疑問だと論じている。

日経の
「業界保護の色彩を強めても、問題になっている運転手の待遇改善に直結するかどうか不明なうえ、消費者利益は置き去りにされる。」
・・・・という指摘には、一理ある。

そして、
 「事業者は需要を伸ばす努力をしたのか。無理な増車に走った経営の責任はどうなるのか。こうした疑問に応えず安直に値上げした結果、消費者のタクシー離れを招いた。」「行政が台数調整や減車指導に乗り出せば、最も喜ぶのは楽して稼げる既存のタクシー会社だろう。一方でサービスの多様化や料金の低廉化の動きは鈍り、消費者のメリットはない。」
・・・・こういう見方もできるだろう。

だからこそ、儲け第一の経営手法をとる事業者に、「参入する自由」、「台数増やすのも自由」という競争手段を与えていいのか、という根本的問題がある。

「規制緩和」は、競争によって消費者利益を追求するという競争政策を建前にしている。しかし忘れてはならないのは、競争には「公正」がなくてはならない。「弱肉強食」的な自由競争原理は経済民主主義を危うくし、最終的には消費者の利益に反することになる。

この「公正」な競争があってはじめて、消費者利益が生まれるのだが、日経が指摘する事業者は、この「公正」のない、「参入する自由」、「台数増やすのも自由」を利潤追求のみに利用したのではないだろうか。

行政が関与すべきは、「業界」保護のためではなく、
第1に、「公正」な競争、すなわち「ルールある競争」の実現にこそ関与すべきだ。もともと、独禁法が公正な競争を建前としながら、一方、大企業と中小企業の格差を考慮し、「大企業に対抗しうるように、中小企業を育成する」ことが、行政関与の基本であった。

第2に、労働者保護に積極的に関与すべきである。
 日経も、「行政の関与は「業界」を守るためではなく、労働行政の範ちゅうで手を尽くすのが筋だろう。」「タクシー会社は営業が厳しい中でも、運転手の取り分(人件費)を減らすことで、一定の黒字を確保してきた。」と指摘するが、その労働j行政の規制緩和が、目に余る現実を直視すべきである。

 労働者派遣法など問題になっているほかにも、運輸分野における労働者保護規制の緩和は、多くの労働者の命と健康を蝕んで、挙句には、JR脱線事故、観光バス事故など事故を多発する事態を生んでいる。

 労働行政の範疇だけでは、国民の命・安全も守れない。業界に対し、企業としての社会的責任を果たさせる行政の関与が求められているのではなかろうか。



日経新聞 2008年7月8日
社説2)タクシー規制強化は疑問だ(7/8)
 国土交通省がタクシー事業の規制強化に動き始めた。台数の増えている地域で新規参入や増車を制限し、必要なら減車指導にも乗り出す。こんな内容の道路運送法の改正案を来年の通常国会に提出する考えだ。
 だが、業界保護の色彩を強めても、問題になっている運転手の待遇改善に直結するかどうか不明なうえ、消費者利益は置き去りにされる。
 タクシー事業は2002年に参入が自由化されたが、需要は伸びず、一部地域ではしわ寄せが運転手に及んだ。「規制緩和の失敗が、働いても生活の厳しいワーキング・プアを生んだ」と批判が高まり、今回の規制強化案につながった。
 だが、全国平均で見ると、運転手の平均年収は02年の325万円から昨年は342万円に増えている。絶対額としては多くはないが、「ドライバーの待遇は悪化の一途」という認識は正確ではない。
 昨年来のタクシー料金の値上げでは、「運転手の待遇をよくするため」とタクシー業界は主張した。だが、待遇改善の負担を乗客に求めるのは筋違いではないか。
 事業者は需要を伸ばす努力をしたのか。無理な増車に走った経営の責任はどうなるのか。こうした疑問に応えず安直に値上げした結果、消費者のタクシー離れを招いた。
 今回の規制強化案についても、同じ批判が当てはまる。行政が台数調整や減車指導に乗り出せば、最も喜ぶのは楽して稼げる既存のタクシー会社だろう。一方でサービスの多様化や料金の低廉化の動きは鈍り、消費者のメリットはない。
 仙台など一部の地域ではタクシーが大幅に増え、夜の街には客待ち車があふれている。労働実態も厳しく、月収10万円程度の運転手もいるという。労働が長時間化し、時間当たりの収入が最低賃金を下回るケースは、最低賃金法の適用を強化すべきだ。行政の関与は「業界」を守るためではなく、労働行政の範ちゅうで手を尽くすのが筋だろう。
 タクシー会社は営業が厳しい中でも、運転手の取り分(人件費)を減らすことで、一定の黒字を確保してきた。労使の分配のあり方について、もう一度当事者間で考えることが大切だ。
関連記事
2008-07-07(Mon)

タクシー参入規制は必要だ

「規制緩和」政策の破綻を証明  

タクシーの参入規制が復活しそうな気配だ。
「自由化に逆行する」との論調もみられるが、自由化=規制緩和政策が破たんした結果だ。

規制緩和が万能だと吹聴してきたことで、タクシー労働者の生活はどん底に落ち込み、事故も増え、利用者=国民の安全も脅かされる事態になった。

参入自由化により車台数が過剰になることで、最大のサービスである「安全」までもが、脅かされることになってきたという事実をみれば、自由化の弊害を取り除くのは当然だ。

もちろん、タクシー事業者が歩合制により低賃金で労働者を働かせ、収益低下のつけを押しつける実態は許されるものではない。歩合制のあり方など改善すべきだ。

問題は、事業者、とりわけ大手事業者のためでなく、労働者、中小事業者のために実効ある措置にすべきだということだ。

いずれにしても、新自由主義・規制緩和政策を根本から見直すときである。



交通政策審議会 陸上交通分科会 自動車交通部会
タクシー事業を巡る諸問題に関する検討ワーキンググループ
(第8回) 配布資料
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/jidosha03_sg_000012.html


産経新聞 2008.7.7 02:35
【主張】タクシー再規制 業界体質の改善が先決だ
 全国で料金値上げが相次いだばかりのタクシー業界で、今度は新規参入や増車を制限する規制が復活しそうな気配だ。
 利用者利便の向上を目指すせっかくの自由化に逆行する動きであり、慎重な検討が必要だ。安易な再規制は、業界の正常化をさらに遅らせかねない。
 国土交通省は再規制をこう主張する。規制緩和でタクシー台数は増加傾向にあり、地域によっては行き過ぎた運賃競争を招いている。それがまた、乗務員の労働条件を極度に悪化させる原因にもなっており、緊急対応はぜひとも必要だというのである。
 規制復活の方向は、すでに交通政策審議会の作業部会に示され、実施は既定方針として進み始めている。国交省は、来年の通常国会には道路運送法改正案を提出する段取りという。
 タクシー事業は、平成14年の規制緩和で新規参入や既存業者の増車が大幅に自由化された。東京地区を例にとっても、緩和前に比べると車両数は約1割増の6万台近くに達している。
 その分、利用者はタクシーが拾いやすくなり、明らかにサービスは向上したと受け止めている。だがその一方、乗務員の待遇は悪化しているのも事実だ。
 タクシー乗務員の平均年齢は50代前半で、全産業平均より10歳以上高い。労働時間も長い。半面、平均年収は350万円程度にとどまり、全産業平均とは200万円以上の格差がある。この10年では100万円前後下落した。
 国交省は昨年、東京を含む全国の半分以上の地域で相次ぎ値上げを認めたが、その最大の理由も乗務員の待遇改善だとされた。
 ところが結果はどうだったか。値上げを上回る客足の落ち込みにより、乗務員の収入はむしろダウンしている。それでも台数が減らないのは、歩合制が主流のいびつな給与体系と、人件費が総費用の7割を占めるというタクシー事業の特殊事情があるためだ。
 車両の調達・管理コストの比率が低い分、事業者は売り上げ減には増車で対抗しようとする。結果的に乗務員の待遇はますますしわ寄せを受ける構図である。
 本来、規制緩和とあわせて行政が真っ先に取り組むべきは、こうした業界体質の抜本改善だった。そこが手つかずのままでは、値上げも再規制も、結局は弥縫(びほう)策の繰り返しにすぎない。


2008年7月5日(土)「しんぶん赤旗」
タクシー新規参入抑制
国交省が対策案 世論と運動受け
 国土交通省は三日、タクシーの競争激化を受けて、供給過剰地域を対象に新規参入や増車の手続きを厳しくし、業者が協調して減車できるようにすることなどを柱とする対策案を示しました。行き過ぎた規制緩和に対する批判の世論と運動の高まりに、政府が見直しせざるをえなくなったものです。
 二〇〇二年の道路運送法改悪で需給調整が撤廃され、新規参入や増車が自由化。各地でタクシーが激増し、供給過剰で運転者の低賃金や長時間労働が広がり、安全運行が脅かされています。
 同日の交通政策審議会のワーキンググループで示された案は、「過剰な輸送力の供給」がこうした問題の背景に存在する「根本的な問題」であり、「供給過剰の解消やその防止に特に強力に取り組む必要がある」と強調。具体策として、(1)供給過剰となっている地域での参入・増車の要件引き上げ、手続きの厳格化(2)供給過剰が特に深刻な地域での協調的な減車措置(3)緊急調整地域の指定要件の緩和―などをあげています。
 同省の自動車交通局長は、六月十七日のワーキンググループ会合で、制度設計の議論を踏まえて来年の通常国会に道路運送法の改正案を提出する考えを示しています。
 タクシーの規制緩和問題では、仙台市などで労組、業界団体、商店主、利用者ら市民が一丸となって供給過剰解消を求める運動が広がり、昨年十一月に国交省は緊急調整地域の指定要件緩和などの措置に踏み出しました。全国自動車交通労働組合総連合会(自交総連)は、減車指導や運転者免許制度の導入で適正な労働条件と安全運行を確保することを求めて運動を広げてきました。
-------------------------------------
実効ある措置が必要
 自交総連・今村天次書記長(交通政策審議会ワーキンググループ専門委員)の話 国交省が今回示した案は、タクシーの供給過剰と過当な運賃引き下げ競争を解消する必要性に大きく踏み込んでいます。
 これまで、交通政策審議会でのタクシー問題の議論は、運転者の資質向上や悪質業者の排除の問題だけにとどまっていました。それが今や、需給と運賃の問題をどうにかしないといけないということがワーキンググループの共通認識になり、行政もそういう認識に至ったというのは大きな変化です。
 規制緩和の見直しを求める世論と運動の成果であり、タクシーの供給過剰が安全、環境、運転者の労働条件を脅かしている実態がそれだけ深刻であることの反映だと思います。
 大切なのは、実効ある措置をどう具体化するかです。例えば、減車をどう進めるかにしても、業者間の協調的な減車や、行政による減車命令などがあります。また、何をもって供給過剰と判断するかの指標が必要であり、私は、規制緩和前に用いていた需給動向の判断を採用すべきだと考えます。
 さらには、タクシーの安全運行、運転者の資質の向上、労働条件の確保のために、運転者免許制度を国家資格として制度化することが必要だと考えます。
 

朝日新聞 2008年7月4日
社説
タクシー再規制―緩和の本旨に立ち戻れ 
 「規制緩和の象徴」といわれてきたタクシー業界で、再規制の動きが本格化してきた。台数の過剰にあえぐ業界の都合を最優先したもので、これではゆがんだタクシー業界の構造を正すことにはならない。
 国土交通省は3日、台数が増えている地域では新規参入や増車を制限できるようにする再規制案を、審議会の作業部会に示した。供給過剰が深刻な地域では減車も指導できるようにし、道路運送法の改正案を年明けの通常国会に提出する考えという。
 02年の規制改革により、タクシーの新規参入と増車は原則自由になった。この結果、01年度に20万台だった全国の法人タクシーが06年度は22万台に増え、拾いにくかった夜間でも乗りやすくなるなどの効果があった。
 しかし多くの地域では、台数が増えても全体の売り上げは減少した。苦しくなった業界は昨年から、全国90の運賃ブロックのうち約50地区で運賃を値上げした。これが逆効果だった。たとえば東京では、12月の値上げから5カ月連続で営業収入が前年同月を下回った。乗客から敬遠されたのだ。
 これでは経営が立ち往生するはずだ。だが不思議なことに、タクシー業界は全体として黒字を保っている。コストの中心を占める運転手の賃金が「歩合制」だからだ。売り上げが減れば賃金も減るので、会社は黒字を確保できる。この状態が、売り上げが落ちたら更に増車して利益を確保する、という悪循環を生んでいる。
 こんな構造を温存したまま台数を規制すれば、業界は楽になって喜ぶだろうが、お客や運転手には何のメリットもない。
 台数が過剰になれば経営が赤字になり自然と台数が減っていく。肝心なのはこのメカニズムを働かせることだ。
 それにはまず、営業の悪化が運転手の処遇に一方的に押し付けられないようにすることである。歩合給の割合を引き下げ固定給を上げさせる規制を導入したらどうか。あるいは、無理な長時間運転をさせるような会社は、減車させたり営業許可を取り消したりする仕組みは考えられないか。
 同時に、運賃やサービスの内容をもっと自由にすべきだ。02年の規制緩和で台数は自由にしたが、運賃や営業方法の自由化には業界の反対が強く、規制を残した。業界規制の緩和が不徹底だったことが、ゆがんだ増車競争を生むことにもなっている。
 様々な運賃体系やサービスに業者自身が知恵をしぼり、顧客にとって魅力あるものにする。料金が高くなりすぎて客が減ったのなら、料金を自由化して納得が得られる水準をさぐる。それができない業者は退場する。そうした自然の流れを活用したらいい。
 規制改革の本旨に立ち戻るべきだ。

日経新聞 2008年7月4日
国交省、タクシー台数削減へ 供給過剰地域の判断に新制度
 国土交通省は3日、タクシーの供給過剰地域を判断する新しい制度を設け、タクシーの台数を削減する措置を盛り込んだ中間整理案を同省の作業部会に提示した。年内をメドに結論を得て、来年の通常国会に国交省が道路運送法の改正案を提出する方針。特定業種への再規制は規制緩和の流れに逆行するため、批判の声も出てきそうだ。
 今の「緊急調整地域」制度に替わる新しい地域指定制度は、新規参入や増車の禁止などの措置をより発動しやすくしたのが特徴。運転手の労働条件などで厳しい要件を設け新規参入や増車を抑制する。国交省が直接、規制を命じるのでなく、地域の関係者も加えた「総合的計画」を作って、地域のタクシー台数を削減するよう促す。
 中間整理案は全国を(1)仙台市など供給過剰が深刻な地域(2)供給過剰とみられる地域(3)運転手の営業収入が増えた愛知県豊橋市など問題ない地域――の3つに分けて対応すると指摘した。(10:37)

日経新聞 2008年7月2日
国交省、タクシー参入を再規制へ 09年メド
 国土交通省はタクシーの供給過剰問題で、2009年をメドに地域の競争状況に応じた参入や増車の規制に乗り出す方針を固めた。国交省は02年にタクシーの需給調整規制を撤廃して、原則自由に事業者が参入できる仕組みに改めた。新制度では新規参入そのものは締め出さないが、再び国が規制を強化することで議論を呼ぶ可能性もある。
 3日、タクシーの過剰問題を検討する作業部会に素案を示す。年内に結論を出し、国交省は来年の通常国会に道路運送法の改正案提出を目指す。(07:00)


関連記事
2008-07-07(Mon)

北方兼三 歴史ものはおもしろい

北方兼三氏の歴史ものにはまってる 

悪党の裔(すえ)

著者:北方兼三
中公文庫 発行年月 1995年12月
価格 上巻660円・下巻600円 (税込)

☆上巻
播磨の悪党の首魁には大きすぎる夢だった。おのが手で天下を決したい―楠木正成と出会った日から、大望が胸に宿った。軍資金を蓄え兵を鍛えて時を待ち、遂に兵を挙げた。目指すは京。倒幕を掲げた播磨の義軍は一路六波羅へと攻め上る。寡兵を率いて敗北を知らず、建武動乱の行方を決した男―赤松円心則村を通して描く渾身の太平記。
☆下巻
苦闘の末、倒幕はかなった。だが恩賞と官位の亡者が跋扈する建武の新政に、明日があるとは思えなかった。乱がある―播磨に帰った円心は、悪党の誇りを胸にじっと待つ。そして再び、おのが手で天下を決する時はきた。足利尊氏を追って播磨に殺到する新田の大軍を、わずかな手勢でくい止めるのだ。赤松円心則村を通して描く渾身の太平記。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
購入日 2008年6月26日 
読始日 2008年7月 1日
読了日 2008年7月 5日

<感想メモ>


 水滸伝、三国志など中国ものだけでなく、日本ものを興味深く、楽しみながら読んでいる。
「悪党」という言葉が、現在の「悪いやつ」という意味合いと違い、時の権力に反抗する者たちという意味を持っていた。武士でもなく、公家でもなく、さらには、溢れ者、野伏せりなどとも違う集団。その生き様を赤松円心や楠木正成などを描くことで明らかにしている。
 武士による幕府体制から権力をとりもどそうと倒幕に走る大塔宮の純粋さと比べ、大塔宮を疎んじる当時の朝廷の醜さが浮き彫りになっている。
 本書でも、わずか16歳で奥州制圧を成し遂げ、足利尊氏討伐をめざし京へのぼった北畠顕家が登場するが、顕家を主人公にした「破軍の星」、九州独立を夢見た懐良を主人公にした「武王の門」、その続編の「陽炎の旗」など、権力の腐敗と反権力の視点が一貫しているように思う。
-----------------------------------
あくとう【悪党】 (大辞泉)
「中世、特に南北朝時代、荘園領主や幕府に反抗した荘民とその集団」

あぶれもの 【溢れ者】 (大辞泉)
 「社会から脱落して放浪し、徒党をなすもの」だが、 「悪党」という意味もあるらしい

のぶせり【野伏せり】(大辞泉)
 「中世、山野に隠れて、追いはぎや強盗などを働いた武装農民集団」
--------------------------------------------





∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

関連記事
2008-07-05(Sat)

国土形成計画(全国計画) どう読むか

全国総合開発計画(全総)の「開発」優先政策は改まったのか

今日は、国土形成計画について考えてみたい。
道路だけでなく今後10年間の国土のあり方を決めている。けっこう大変な計画である。
だから、計画全般についてはまたの機会に譲るとして、3つの点で見てみたい。

第1、「開発」中心からの転換か?

 2005年、「国土総合開発法」が「国土形成計画法」に改定され、「国土総合開発計画」が「国土形成計画」になり、「全国計画」と「広域地方計画」を策定することになった。

 「国土総合開発法」では、「国土を総合的に利用し、開発し、及び保全し、並びに産業立地の適正化を図り」としていた法の目的を「国土の利用、整備及び保全を推進する」に改めた。

 政府は、「『開発』中心から転換する」ことを強調してきた。「『開発』を基調としたこれまでの国土計画に代え、利用、保全に力点を置いて、国土に関する施策を一体的・総合的に推進する計画を策定する」(「国土審議会調査改革部会制度検討委員会の報告」05年3月30日)としていた。

 しかし、今回、道路問題で明らかになったように、4全総で決めた14000kmの高規格幹線道路や5全総で確認された地域高規格道路、その候補路線である海峡横断道路プロジェクトなどの計画は、そのまま継続され、盛り込まれた。

 「開発」基調はそのまま残しておきながら、「開発」中心か転換したなどとよく言えたものである。
 
 今後、地方の「広域地方計画」が策定される。全総計画と同様に、大規模開発事業が盛り込まれる可能性は充分にある。海峡横断道路の早期実現などが盛り込まれるかも知れない。


第2、東京一極集中の是正は進むのか?

 全国計画は、「東京への一極集中を是正するため、県境を超えた広域ブロックが東アジアと連携を深めながら自立的に発展することを目指すのが柱」(共同通信2008/07/03) だとされている。

 東京一極集中など地域間格差感が広がった現状については、政府も、是正すべきとの立場のようだ。

 全国計画では、これまでの全総計画が「国土の均衡ある発展」の考えのもとで、東京と地方の格差を埋めていく手法で一定の成果を上げてきたが、「画一的な資源配分や地域の個性の喪失を招いた面もある」と総括している。

 そのうえで、人口減少やグローバル化など経済社会情勢の変化を踏まえ「東京と地方という視点を超えて、東京を含めた国内各地域と東アジアを始めとする世界の諸地域という視点」で投資を進めていくべきだという。

 つまり、グローバル化の進展のもとで、「東京」対「地方」という考えはやめて、各広域ブロックが自立し、アジアとの競争に踏み出し、東京はグローバル都市として世界の都市と競争する。東京は、これからも発展させ、競争力をつけるべきで、地方とくらべるべきではない、ということらしい。

 この考え方で、すでに小泉内閣のもとで「都市再生政策」が進められた。結果、東京には超高層ビルが乱立し、大企業の本社が集中、金融やIT企業や外資系企業なども集まって、新たな東京一極集中が進んでいる。
 
 東京一極集中を加速した「都市再生政策」は、大手不動産会社をはじめとする財界・大企業が自由気ままに土地等を利用できるようにした規制緩和など、国土開発を市場原理にまかせ、それを後押しするインフラ整備を政策として推し進めたことに本質がある。

 具体的には、都心の国有地払い下げや都市再開発規制の緩和など市場化をすすめ、インフラ整備では、国際拠点空港、スーパー中枢港湾、大都市圏環状道路などに予算を重点投資してきた。

 この「都市再生政策」をやめない限り、一極集中は収まらないだろう。

全国計画では、東京一極集中の是正について触れているのは、とん挫している「国会等の移転」しかない。無力感を覚える。

 一方、地方の疲弊・衰退は地域活性化対策を乱発しているが、いまだ、効果が見えない深刻な事態が続いている。

 政府が、本当に地方再生・活性化をするというならば、まず「都市再生政策」をやめることだ。


第3、国土計画はどうあるべきなのか

 岡田知弘氏(京都大学教授)は、グローバル時代の「国土計画」のあり方として、次のように指摘をしている。
   ・・・「グローバル化時代の『国土計画』を問う」「ポリティーク第7号」(2004年4月)より
---------------------------------------------------------------------------
○ 人間の生活領域としての地域を軽視し、多国籍企業の経営の「効率性」や行財政投資の「効率性」のみを追及し、「選択と集中」を繰り返していけば、そこには日本の社会の再生産の破綻、とりわけ都市住民の生活の安定性の破綻が待っている。

 大都市住民は、お金や情報を食べて生きているわけではない。食料、水、空気、エネルギーが農山村部から供給されて、はじめて生物としての人間は生きていける。また、大都市住民自身が生み出していると錯覚している経済的富の多くも、日本国内や海外において生産された富の移転によるものである。

 この点を忘却して、闇雲に東京を中心とした大都市部のみに重点をおいて、「投資国家」化=「グローバル国家」化の道を突き進むならば、経済生活のみならず、人間としての生活も行き詰まる危険な状況に踏み込むことになろう。

○ グローバル時代の「国土計画」は、列島上の人間生活の持続的向上を第一目標におき、グローバル経済の変動がいかに大きくとも、日本列島の住民の生活の持続的発展を図るための政策でなければならない。

 同時に、食料資源やエネルギー資源を海外の土地から収奪するのでなく、国内においてできるだけ調達できるようにすれば、食糧需給面や地球環境面での「国際貢献」にもつながるだろう。

 農村の生産機能が回復することによって、農林地の遊休化も回避でき、緑あふれる景観が再生されるだろう。

 このような計画の実効性を高めるためには、生活領域ごとに地域内再投資力を形成できるような小規模自治体を基礎細胞とし、それらが相互に連携したり、あるいは上級機関としての広域事務組合や都道府県、国が補完するような地方自治制度と、それを補償する地方財政制度が必要である。
---------------------------------------------------------------------------

  

国交省HPより
新着情報 平成20年7月3日
国土形成計画(全国計画)について
http://www.mlit.go.jp/report/press/kokudo03_hh_000006.html

2008年7月5日(土)「しんぶん赤旗」
6大橋事業撤回せず
「国土形成計画」を閣議決定
 政府は四日、今後十年間の国土計画の方向性を定めた「国土形成計画(全国計画)」を閣議決定しました。
 同計画は、二〇〇七年度中に閣議決定される予定でした。しかし、道路特定財源をめぐる論戦のなかで、日本共産党国会議員団が全国を六つの長大橋でむすぶ海峡横断プロジェクトを繰り返し追及、無謀な計画に批判が高まったことをうけ、国土交通省が修正作業を進めていました。
 当初、六つの長大橋について、「長期的視点からの調査の推進、計画の推進等熟度に応じた取組を進める」としていたのを、「長期的視点から取り組む」と修正しました。「調査の推進」という文言はなくなったものの、プロジェクトそのものは撤回していません。
 また、計画は「今後の具体的な道路整備の姿を示す中期的な計画に即して、高規格幹線道路をはじめとした基幹ネットワークの…効率的な整備を推進する」とし、「道路中期計画」に示された、二万キロ超の高速道路網をつくり続ける計画は変えていません。
 国土形成計画は、福田内閣が決めた来年度からの道路特定財源の一般財源化や「中期計画」見直しの方針と根本的に矛盾するものです。
------------------------
解説
高速道路網建設に固執
 四日、閣議決定された「国土形成計画」からは、東京湾口道路など海峡横断プロジェクトの「調査の推進」という文言が消えました。
 日本共産党国会議員団は、同プロジェクトの調査費に、道路特定財源から計六十八億円が投入されたことを明らかにし、徹底して批判してきました。三月十二日の日本共産党の穀田恵二衆院議員の追及に、冬柴鉄三国土交通相は調査の中止を明言。国土形成計画の閣議決定を延期し、文言を修正せざるを得なくなりました。
 しかし、国土形成計画に、海峡横断プロジェクトは依然として残っています。
 冬柴国交相は、個々の横断道路の調査は行わないが、「広く一般的な技術研究にテーマを限定するなど調査の重点化を図る」(三月二十八日の記者会見)と述べ、一般的な技術調査は続けるとしています。
 政府・財界は、時期が来れば、無謀な大型事業を推進しようと着々と準備しています。
 伊勢湾口道路に関する課題検討ワーキンググループでは、昨年一月、国交省中部地方整備局東海幹線道路調査事務所長の長田真一氏(当時)が、今後十年は事業着手できないと発言。
 その上で、「伊勢湾口道路はやはり消したくない。何とかつなぎながら、いつ火がついても、すぐぱっと飛び出せるようにはしておきたい」と建設に執着する姿勢を示していました。
 また政府は、国土形成計画に、「真に必要な道路整備は計画的に進める」と明記。主要都市間を連絡する高規格道路、地域高規格道路、拠点的な空港・港湾へのアクセス道路など、「道路中期計画」に即して、高速道路ネットワークを整備推進することを盛り込んでいます。
 政府は、今秋に「道路中期計画」を見直して閣議決定するとしています。しかし、国土形成計画は、二万キロ超の高速道路網建設を今後十年間続け、“総額先にありき”の「道路中期計画」策定を示唆したものとなっています。
 これでは今後十年間、道路建設に多額の税金が投入されることになります。
 福田康夫首相は、五月に道路特定財源の一般財源化を閣議決定していますが、今後も際限ない道路建設を続けると宣言したに等しいものです。
 福田首相が掲げた、道路特定財源を福祉や環境などに使うという一般財源化の方針を、自ら骨抜きにするものにほかなりません。(小林拓也)
海峡横断プロジェクト
 日本列島に、東京湾口道路、伊勢湾口道路、紀淡連絡道路、関門海峡道路、豊予海峡道路、島原・天草・長島架橋道路の六本の海峡横断道路を建設しようというもの。それぞれ総額数兆円の事業費がかかる見込みです。

東京新聞 2008年7月4日 夕刊
広域ブロックの発展が基本方針 国土形成計画
 政府は四日、今後十年の国土づくりの方向性を示す国土形成計画を閣議決定した。人口減少社会の到来や東京一極集中の是正が課題として、県境を越えた広域のブロックが自立的に発展することを基本方針とした。
 国土形成計画は一九六二年から五次にわたって策定された全国総合開発計画(全総)に代わるもので、今後は北海道、沖縄を除く全国八ブロックごとに具体的な事業を盛り込んだ広域地方計画も策定される。
 全国計画では、産業や文化・観光、交通・情報通信体系の整備、防災、環境保全に関する施策の推進のほか、行政機関だけでなく住民や民間非営利団体(NPO)などの「新たな公」が地域づくりに参画する仕組みの構築も目標としている。

日経新聞 2008年7月4日夕刊  
国土形成計画を閣議決定
 政府は4日、今後おおむね10年間の中期的な国土づくりの指針となる国土形成計画を閣議決定した。国会などでの議論を踏まえ、道路の整備計画では「コスト縮減」を明記するなど原案を一部修正した。
 先ごろ閉会した通常国会では道路特定財源の無駄遣いが与野党の批判を集めた。道路関連では建設棚上げを決めた大規模な橋やトンネル工事を伴う道路計画「海峡横断プロジェクト」は「長期的視点から取り組む」と表現を後退させた。
 一方、秋以降にまとめる新しい道路の中期計画を基に大都市の環状道路など「真に必要な道路整備は計画的に進める」として、道路整備自体は続ける考えを盛り込んでいる。(12:02)

朝日新聞 2008年7月4日
「6長大橋」残し きよう閣議決定 国士形成計画
 政府は4日、全国総合開発計画(全総)に代わる国造りの指針となる「国土形成計画」の全国計画を閣議決定する。道路特定財源をめぐる国会論戦で、野党が計画からの削除を求めていた東京湾口道路など六つの長大橋プロジェクトの整備方針は残した。
 このプロジェクトは実現性が乏しいのに、国土交通省所管の公益法人に道路特定財源から68億円の調査費を支出していたと野党が批判。国交省は調査を打ち切った。野党は全国計画案に盛られた整備方針の削除も求めたが、国交省は「調査の推進」という表現を削る一方、「長期的視点から取り組む」とした。対象は東京湾口道路のほか、伊勢湾口道路、紀淡連絡道路、豊後伊予連絡道路、関門海峡道路、島原天草長島連絡道路。
 計画は今後、全国八つの地域に分かれた「広域地方計画」の策定に移る。

毎日新聞 2008年7月3日 20時26分
国土形成計画:10年間の国土政策の基本方針発表 国交省
 国土交通省は3日、08年度から10年間の国土政策の基本方針となる国土形成計画の全国計画を発表した。地方が広域圏を作り、経済成長が著しい東アジアと直接交流することで、自立的発展を実現することが柱。
 政府は、高度経済成長期の62年に作成した全国総合開発計画(全総)で、工業開発を通じた国土形成を打ち出し、以後ほぼ10年ごとに改定してきた。国土形成計画は、人口減少や国際化など時代の変化を背景に全総から衣替えし、今回初めて策定された。
 個別の開発計画がある北海道と沖縄県を除いて全国を8ブロックに分割。国の出先機関や自治体、地元経済団体などからなる広域地方計画協議会が年度内に、各広域圏ごとの地方計画を策定する。これに基づき、太平洋ベルト地帯に偏らない均衡ある国土の発展を目指す。【太田圭介】



関連記事
プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
06 | 2008/07 | 08
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン