2008-10-31(Fri)
追加経済対策・・ 一票の買収 色合い濃く映る
政権延命になりふり構わずの様相
ハッキリ言って、選挙の票の買収を公然と打ち出したとしか思えない。
「今度の解散総選挙では、ぜひ、麻生自公政権をお願いします。
あなたの一票で暮らしが変わります。
一人当たり1万6000円。4人家族だと6万4000円差し上げます。
選挙権のない子供の分もお付けしますよ。
住宅買う方には特典として、高額住宅買うほど税金をまけてあげます。
最高600万円、
毎年50万円以上の税金払っておられる方は最高額の減税が当たります。
さらにさらに、土日は車でお出かけするときは高速道路を使ってください。
東京から鹿児島、青森、どこまでいっても1000円です。」
・・・こんないっぱいもらっていいんですか?財源はどうするんですか?
「大丈夫ですよ。3年後には消費税を上げさせてもらいますからご心配なく」
こんなふうに見えるのは、私だけだろうか・・・?
<政府の追加経済対策>
・麻生内閣総理大臣記者会見-平成20年10月30日
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2008/10/30kaiken.html
・「生活対策」-国民の経済対策の概要- (PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/asophoto/2008/10/081030taisaku.pdf
・生活対策
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/images/taisaku.pdf
・ 「生活対策」について(概要)
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/images/gaiyou.pdf
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
毎日新聞 2008年10月31日 0時02分
社説:追加経済対策 これは究極のばらまきだ
政府は30日、追加経済対策を決定した。全治3年の経済危機からの回復が最大の目的だ。また、麻生太郎首相は景気回復後、消費税増税の実施を明言した。そのプログラムを年内に提示することも明らかにした。この点では、従来になく踏み込んだことは間違いない。施策にはメリハリを付け、ばらまきではないとも自賛した。
本当にそうなのか。言葉とは裏腹に、「究極のばらまき」である。
家計への給付や住宅ローン減税、高速道路通行料金のさらなる引き下げなどで、事業規模は20兆円まで膨らませた。国の財政支出は約5兆円である。
政府・与党は8月末段階の緊急経済対策で定額減税を盛り込んだ。今回、所得制限を設けず、全世帯対象の総額2兆円規模の給付金に変更したのはなぜか。仕組みが簡素で、早期実施が可能だからというが、表向きの理由だろう。
与党の顔が見えにくい減税より、現金給付やクーポン券配布の方が、実績を印象付けやすい。総選挙や来年夏の東京都議選に向け「票をカネで買う」手法とみられてもやむを得ない。
中長期も見据えているというのであれば、抜本的な個人消費振興策として所得税を含む税の再配分機能を高める施策を検討する必要がある。その中で、消費税率の引き上げも位置付けることができる。
過去最大額の住宅ローン減税にも、住宅政策に熱心な政権の姿勢を示したいという思惑が見える。ただ、住宅ローン減税はその時々で制度が異なっている。結果的に不公平が生じている。今回の措置は、その不公平感、不平等感を増幅する。自己資金での住宅取得者も含め、不公平の生じない制度を検討すべきだ。
8月末の対策に盛り込まれ、既に実施されている高速道路料金の再引き下げ措置にも問題が残る。この間、原油価格が1バレル=60ドル台まで軟化しており、原油価格高騰対策は影響の甚大な業種への経営支援などを除けばピークは過ぎている。メリハリというのならば、再検討が必要だったはずだ。
政府・与党はこうした施策を赤字国債の増発に頼らず実施するという。しかし、主たる財源とされる財政投融資特別会計の準備金は、国債の償還や消却の原資だ。税収が当初見込みを大幅に下回ることが確実な現状では、その補てんの赤字国債増発は避けられない。
景気対策で財政が一時的に悪化することはある。ただ、その時には、国民が景気回復を確信できるような施策でなければならない。効果の不透明な対策は赤字膨張を招く。
今、日本にとって必要なことは、国民が安心できる社会保障制度の構築に加え、経済の土台である家計や中小企業が元気になることだ。政治色の濃い大衆迎合やばらまきでは経済社会は強くならない。
毎日新聞 2008年10月30日 21時50分(最終更新 10月31日 1時34分)
追加経済対策:暮らしどうなる…家計への影響は
「生活者支援」をうたう政府・与党の追加経済対策だが、国民の暮らしにどれだけ役立つのか。総額2兆円の定額給付金や住宅ローン減税などについて、家計への影響を探ってみた。【位川一郎、赤間清広、辻本貴洋】
◇定額給付…家族4人で6万4000円
所得制限を設けずに年度内実施を目指す定額給付金は、全国民一律に支給する場合、単純計算で1人当たり約1万6000円。市町村の窓口で現金かクーポン券を配布する仕組みになりそうだ。
小渕政権(当時)が99年に配布した「地域振興券」を思い出すが、当時は総額7000億円で、15歳以下の子供を持つ世帯や低所得の高齢者に限り1人当たり2万円分を給付した。20枚つづりの振興券は半年間の使用期限付きで、指定の地元店でしか使えず、額面より安い商品を買うとお釣りがもらえないなど使い勝手は悪かった。
日本総研の試算では、今夏までのガソリン代や食料品などの値上げで、08年度の勤労者世帯の家計負担は前年度比4万8000円程度増加する見通し。夫婦と子供2人の世帯で約6万4000円の定額給付金が配布されると、負担増加分は吸収できる。ただ景気悪化で今冬のボーナスの大幅なダウンも見込まれ、1回の給付金の効果には限界もある。
◇住宅ローン減税…過去最大の600万円に
マンションなどの購入者は現在、借入金上限2000万円、控除期間10年で最大160万円の減税が受けられる。今回の対策に盛り込まれた減税は今後、マンションなどを購入する人を対象に、これまで最大だった99~01年の住宅ローン減税(最大減税額587.5万円)の減税額を上回る600万円に引き上げる方針だ。
ただ、現在の減税対象は所得税のみ。納税額が低い人は控除額を使い切れないため、新たに住民税を控除対象に加えることを検討している。大和総研の試算では、住民税控除が可能になれば、99年と同水準の減税規模でも年収400万円の夫婦と子供2人の世帯で現行の住宅ローン減税に比べ最大約80万円減税額が拡大する。年収500万円で約180万円、年収600万円では約275万円と年収が上がるごとに恩恵が増す。年収800万円を超える世帯では約427万円増える計算だが、既に住宅を購入し毎月のローン返済に負担を感じている世帯に不公平感が募りそうだ。
◇高速道路割引…休日1000円で走り放題
首都圏、大阪圏を除く高速道路で休日(土日祝日)、距離を問わず乗用車の料金を原則1000円(場所により1500円)で乗り放題にする。
例えば、東北自動車道の青森-盛岡インター間(167キロ)の普通車の通常料金は4050円、青森-宇都宮インター間(576キロ)は同1万1500円だが、適用されればどちらも1000円となる。
ただ、時間制限やお盆など混雑期を対象外にするかなどの詳細はこれから。また、割引の対象は自動料金収受システム(ETC)装着車だけという条件付きだ。
ハッキリ言って、選挙の票の買収を公然と打ち出したとしか思えない。
「今度の解散総選挙では、ぜひ、麻生自公政権をお願いします。
あなたの一票で暮らしが変わります。
一人当たり1万6000円。4人家族だと6万4000円差し上げます。
選挙権のない子供の分もお付けしますよ。
住宅買う方には特典として、高額住宅買うほど税金をまけてあげます。
最高600万円、
毎年50万円以上の税金払っておられる方は最高額の減税が当たります。
さらにさらに、土日は車でお出かけするときは高速道路を使ってください。
東京から鹿児島、青森、どこまでいっても1000円です。」
・・・こんないっぱいもらっていいんですか?財源はどうするんですか?
「大丈夫ですよ。3年後には消費税を上げさせてもらいますからご心配なく」
こんなふうに見えるのは、私だけだろうか・・・?
<政府の追加経済対策>
・麻生内閣総理大臣記者会見-平成20年10月30日
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2008/10/30kaiken.html
・「生活対策」-国民の経済対策の概要- (PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/asophoto/2008/10/081030taisaku.pdf
・生活対策
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/images/taisaku.pdf
・ 「生活対策」について(概要)
http://www.kantei.go.jp/jp/keizai/images/gaiyou.pdf
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
毎日新聞 2008年10月31日 0時02分
社説:追加経済対策 これは究極のばらまきだ
政府は30日、追加経済対策を決定した。全治3年の経済危機からの回復が最大の目的だ。また、麻生太郎首相は景気回復後、消費税増税の実施を明言した。そのプログラムを年内に提示することも明らかにした。この点では、従来になく踏み込んだことは間違いない。施策にはメリハリを付け、ばらまきではないとも自賛した。
本当にそうなのか。言葉とは裏腹に、「究極のばらまき」である。
家計への給付や住宅ローン減税、高速道路通行料金のさらなる引き下げなどで、事業規模は20兆円まで膨らませた。国の財政支出は約5兆円である。
政府・与党は8月末段階の緊急経済対策で定額減税を盛り込んだ。今回、所得制限を設けず、全世帯対象の総額2兆円規模の給付金に変更したのはなぜか。仕組みが簡素で、早期実施が可能だからというが、表向きの理由だろう。
与党の顔が見えにくい減税より、現金給付やクーポン券配布の方が、実績を印象付けやすい。総選挙や来年夏の東京都議選に向け「票をカネで買う」手法とみられてもやむを得ない。
中長期も見据えているというのであれば、抜本的な個人消費振興策として所得税を含む税の再配分機能を高める施策を検討する必要がある。その中で、消費税率の引き上げも位置付けることができる。
過去最大額の住宅ローン減税にも、住宅政策に熱心な政権の姿勢を示したいという思惑が見える。ただ、住宅ローン減税はその時々で制度が異なっている。結果的に不公平が生じている。今回の措置は、その不公平感、不平等感を増幅する。自己資金での住宅取得者も含め、不公平の生じない制度を検討すべきだ。
8月末の対策に盛り込まれ、既に実施されている高速道路料金の再引き下げ措置にも問題が残る。この間、原油価格が1バレル=60ドル台まで軟化しており、原油価格高騰対策は影響の甚大な業種への経営支援などを除けばピークは過ぎている。メリハリというのならば、再検討が必要だったはずだ。
政府・与党はこうした施策を赤字国債の増発に頼らず実施するという。しかし、主たる財源とされる財政投融資特別会計の準備金は、国債の償還や消却の原資だ。税収が当初見込みを大幅に下回ることが確実な現状では、その補てんの赤字国債増発は避けられない。
景気対策で財政が一時的に悪化することはある。ただ、その時には、国民が景気回復を確信できるような施策でなければならない。効果の不透明な対策は赤字膨張を招く。
今、日本にとって必要なことは、国民が安心できる社会保障制度の構築に加え、経済の土台である家計や中小企業が元気になることだ。政治色の濃い大衆迎合やばらまきでは経済社会は強くならない。
毎日新聞 2008年10月30日 21時50分(最終更新 10月31日 1時34分)
追加経済対策:暮らしどうなる…家計への影響は
「生活者支援」をうたう政府・与党の追加経済対策だが、国民の暮らしにどれだけ役立つのか。総額2兆円の定額給付金や住宅ローン減税などについて、家計への影響を探ってみた。【位川一郎、赤間清広、辻本貴洋】
◇定額給付…家族4人で6万4000円
所得制限を設けずに年度内実施を目指す定額給付金は、全国民一律に支給する場合、単純計算で1人当たり約1万6000円。市町村の窓口で現金かクーポン券を配布する仕組みになりそうだ。
小渕政権(当時)が99年に配布した「地域振興券」を思い出すが、当時は総額7000億円で、15歳以下の子供を持つ世帯や低所得の高齢者に限り1人当たり2万円分を給付した。20枚つづりの振興券は半年間の使用期限付きで、指定の地元店でしか使えず、額面より安い商品を買うとお釣りがもらえないなど使い勝手は悪かった。
日本総研の試算では、今夏までのガソリン代や食料品などの値上げで、08年度の勤労者世帯の家計負担は前年度比4万8000円程度増加する見通し。夫婦と子供2人の世帯で約6万4000円の定額給付金が配布されると、負担増加分は吸収できる。ただ景気悪化で今冬のボーナスの大幅なダウンも見込まれ、1回の給付金の効果には限界もある。
◇住宅ローン減税…過去最大の600万円に
マンションなどの購入者は現在、借入金上限2000万円、控除期間10年で最大160万円の減税が受けられる。今回の対策に盛り込まれた減税は今後、マンションなどを購入する人を対象に、これまで最大だった99~01年の住宅ローン減税(最大減税額587.5万円)の減税額を上回る600万円に引き上げる方針だ。
ただ、現在の減税対象は所得税のみ。納税額が低い人は控除額を使い切れないため、新たに住民税を控除対象に加えることを検討している。大和総研の試算では、住民税控除が可能になれば、99年と同水準の減税規模でも年収400万円の夫婦と子供2人の世帯で現行の住宅ローン減税に比べ最大約80万円減税額が拡大する。年収500万円で約180万円、年収600万円では約275万円と年収が上がるごとに恩恵が増す。年収800万円を超える世帯では約427万円増える計算だが、既に住宅を購入し毎月のローン返済に負担を感じている世帯に不公平感が募りそうだ。
◇高速道路割引…休日1000円で走り放題
首都圏、大阪圏を除く高速道路で休日(土日祝日)、距離を問わず乗用車の料金を原則1000円(場所により1500円)で乗り放題にする。
例えば、東北自動車道の青森-盛岡インター間(167キロ)の普通車の通常料金は4050円、青森-宇都宮インター間(576キロ)は同1万1500円だが、適用されればどちらも1000円となる。
ただ、時間制限やお盆など混雑期を対象外にするかなどの詳細はこれから。また、割引の対象は自動料金収受システム(ETC)装着車だけという条件付きだ。
- 関連記事
-
- 09年度補正予算案、国交省分2兆3千億円 全体の16% (2009/04/27)
- 09年度補正予算提出 過去最大の13兆9200億円 (2009/04/27)
- 追加経済対策:景気浮揚効果は限定的、負担は将来の消費税増税 (2009/04/12)
- 15兆円補正―大盤振る舞いが過ぎる 金持ち・大企業優遇のばらまきが目につく (2009/04/10)
- 追加経済対策:首相、10兆円超の財政支出を指示 (2009/04/07)
- 追加経済対策:ばらまき復活懸念 エコ事業規模膨らまず (2009/03/20)
- 一般会計88.5兆円 09年度予算、財務省原案20日内示 (2008/12/20)
- 追加経済対策・・ 一票の買収 色合い濃く映る (2008/10/31)
- 住宅ローン減税、道路財源地方へ1兆円 追加対策をどうみるか (2008/10/27)
- 追加経済対策 大企業優遇策でいいのか? (2008/10/10)
- 09年度予算概算要求基準 かわり映えしない (2008/07/29)