2008-11-29(Sat)

空港出資規制:20%未満に規制 

空港インフラへの規制のあり方 成田は20%まで、羽田は導入見送り

(参考)


国土交通省HP
空港インフラへの規制のあり方に関する研究会
http://www.mlit.go.jp/koku/cab07_fr1_000001.html

1.開催の趣旨
 空港整備法及び航空法の一部を改正する法律案の国会提出に際し、「外資の積極的な導入による開かれた日本の実現」と「安全保障のための空港などの基本インフラの機能確保」の両立という要請に如何に応えるか検討を行った結果、「安全保障」に対する脅威への対応については、内資、外資併せて幅広く議論を深める必要があり、行為規制のあり方、資本への規制のあり方等、空港会社や空港機能施設事業者への規制のあり方について、他の関係法令も含め、諸外国における政府の関与のあり方等も参考にしつつ検討を行い、年内のできるだけ早い時期に結論を得ることとされた。 
 これを踏まえ、今般、内閣官房長官及び国土交通大臣の下に「空港インフラへの規制のあり方に関する研究会」を開催し、空港インフラへの規制のあり方に関する基本的な方策を検討することとする。

2.検討内容
 開かれた投資環境の整備及び我が国の安全保障の観点から、成田空港及び羽田空港の設置・管理について、どのような制度が望ましいか。
  (1) 成田国際空港株式会社の完全民営化に必要な措置
  (2) 指定空港機能施設事業者(例.羽田空港の日本空港ビルデング株式会社)に対する措置

3.委員名簿(PDF形式) http://www.mlit.go.jp/common/000021578.pdf
4.開催状況
  第1回 平成20年 8月 7日 ・空港インフラへの規制のあり方を巡る諸情勢について
  第2回 平成20年 9月 8日 ・関係者からのヒアリング①
           (成田国際空港株式会社、千葉県、定期航空協会)
  第3回 平成20年 9月25日 ・関係者からのヒアリング②
       (日本空港ビルデング株式会社、日本貿易振興機構(JETRO)、株式会社東京証券取引所)
  第4回 平成20年10月 9日 ・空港インフラへの規制のあり方について①
  第5回 平成20年11月 6日 ・空港インフラへの規制のあり方について②
  第6回 平成20年11月27日 ・報告書(案)について
   (配付資料 )
   議事次第(PDF形式:7KB)
    (資料1)    空港インフラへの規制のあり方に関する研究会委員名簿(PDF形式:9KB)
    (資料2)    空港インフラへの規制のあり方に関する研究会報告書(案)要旨(PDF形式:13KB)
             http://www.mlit.go.jp/common/000027811.pdf
    (資料3)    報告書(案)(PDF形式:992KB)
             http://www.mlit.go.jp/common/000027830.pdf
    (資料4-1) 国民保護における指定公共機関等について(PDF形式:92KB)
             http://www.mlit.go.jp/common/000027831.pdf
    (資料4-2) 参照条文(PDF形式:19KB) http://www.mlit.go.jp/common/000027832.pdf
    (資料5)    今後のスケジュール(案)(PDF形式:8KB)
   第7回 平成12月11日(木) ・報告書とりまとめ


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毎日新聞 2008年11月28日 東京朝刊
空港外資規制:成田の大口出資、20%未満に規制
 空港関連会社への規制のあり方に関する政府の研究会(座長=落合誠一・中央大法科大学院教授)が27日開かれ、株式上場後の成田国際空港会社について、民間の1株主が保有できる株式を20%未満に規制(大口出資規制)することが固まった。一方、羽田空港ターミナルビルを運営する日本空港ビルデングへの出資規制は見送る方向になった。
 成田空港会社は国の全額出資だが、10年の株式上場を目指している。研究会の議論では、特定株主の出資比率が高すぎると空港の公正な運営が妨げられる恐れがあるとの意見が大勢を占めた。また、上場後も当面、国が3分の1超の出資を維持することでほぼ一致した。
 日本空港ビルデングの株式は豪投資銀行グループが昨年、大量に取得したが、研究会では羽田空港全体の管理は国がしており、出資規制がなくても問題ないとする意見が多数だった。国土交通省は、研究会が来月まとめる報告書をもとに、来年の通常国会で空港法か成田国際空港株式会社法の改正案を提出する。【位川一郎】


朝日新聞 2008年11月27日22時17分
空港出資規制 成田は20%まで、羽田は導入見送り
 国土交通省は27日、成田国際空港会社の3分の1以上の株式を当面保有し、段階的に放出する株式についても民間の出資者に20%以上の議決権を持たせない方針を決めた。羽田空港の旅客ターミナル運営会社で、東証1部に上場している日本空港ビルデングについては、出資規制を見送る方向となった。
 国交省は同日開いた有識者による研究会に方針を提案、おおむね理解は得られたと判断した。外資を狙い撃ちにした規制の代案として来年の通常国会での法改正を目指す。
 研究会は、成田会社の株式放出を段階的に進める点で一致した。大口出資の規制は「投資意欲を低下させ、創意工夫も促せない」との反対意見も出た。国交省は少数意見として退ける方針だが、与党内にも「国交省は成田を天下り先として維持しようとしている」といった厳しい意見が依然としてある。
 日本空港ビルについては、羽田空港全体を管理していないことから「大口出資への規制は不要」との意見が研究会の多数を占めた。豪州系ファンドがすでに20%弱を保有しており、「後出し規制は不適当」との指摘も出ていた。
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2008-11-28(Fri)

非正規労働者、3万人が失業 新卒内定取り消し300人

厚生労働省が調査(参考)



(2008年11月28日12時02分 読売新聞)
3万人が職失う、今年度下半期の非正規労働者
 景気悪化の影響で、10月~来年3月の半年間に、職を失ったか、失うことが決まっている非正規労働者は3万人に上ることが28日、厚生労働省の調査で分かった。
 自動車メーカーなどで生産縮小の動きが顕著になる中、派遣社員らが雇用調整の対象になっている。厚労省は「景気回復の兆しは見えず、職を失う非正規労働者は今後も増えると想定される」と指摘している。
 調査は、全国の労働局やハローワークが企業から聞き取るなどして実施した。
 それによると、来春までの半年間に契約期間満了による「雇い止め」や中途解除となるのは、派遣労働者が1万9775人、期間工などの契約社員5787人、請負労働者3191人で、パートなども含めると計3万67人。派遣や請負といった間接雇用だけでなく、直接雇用の契約社員も対象となっている。
 契約社員では雇い止めが約7割に上る。派遣や請負では雇い止めは約3割で、その分、中途解除などが多くなっている。
 都道府県別では、トヨタ自動車の下請けなどが多い愛知が4104人で最も多く、岐阜1986人、栃木1680人、長野1616人、広島1568人と続く。業種別では製造業が2万8245人で大半を占める。
 厚労省は28日、緊急雇用対策本部を設置して再就職支援に乗り出したほか、派遣元や派遣先企業に対し、雇用の安定を図る指導を徹底することを全国の労働局長に指示した。


日経新聞 2008年11月28日
非正規労働者、3万人が失業 新卒内定取り消し300人
 景気後退による企業のリストラで、今年10月から来年3月までの間に失業したり、失業する見通しの派遣などの非正規労働者が全国で3万67人に上ることが28日、厚生労働省のまとめで分かった。採用内定を取り消された来春の学卒者も331人と2002年3月卒以来の高水準で、雇用環境の厳しさが一段と増している実態を裏付けた。
 厚労省によると、非正規労働者に対するリストラは全国で477件。このうち契約期間満了や契約解除による派遣労働者のリストラが292件、1万9775人で最多。次いで期間工など契約社員が89件、5787人。工場などで働く請負労働者は36件、3191人だった。
 製造業の派遣労働者が1万9456人と全体の約65%を占めており、自動車をはじめとする輸出産業の減産を反映したとみられる。都道府県別では愛知県4104人、岐阜県1986人、栃木県1680人など製造業を中核産業とする地域が多かった。 (10:06)

日経新聞 2008年11月28日
派遣社員に突然の解雇通知 景気悪化で募る雇用不安
 景気が後退局面に入り、派遣社員や大学生の就職環境が急速に悪化している。契約更新の打ち切りという実質的な“解雇通告”を受ける派遣社員が急増。「これほど就職が難しいとは」。必死に再就職を目指すが、前年比で2ケタも求人が減るハローワークも。内定を取り消された学生が通う大学は「これ以上の報告がないことを祈るだけ」と頭を抱えている。
 「契約更新はありません。ほかの派遣先も紹介できません」。東京都練馬区に住む女性(26)は今年8月末、派遣社員として勤務していた大手通信会社の上司と派遣会社の担当者から突然雇い止めを通告された。(16:00)
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2008-11-28(Fri)

道路予算 新たな中期計画はどうなる?

国関与の道路事業5・6兆円のうち2.2兆円(約40%)が高速道路予算(08年度)

07年度の総道路投資額は8・1兆円。
このうち地方単独事業2・3兆円を除いた5・8兆円が国直轄や補助事業など国関与の道路予算。
この額は、公共事業予算が削減され、最近は減少してきた。
10年間で59兆円の道路整備費を計上した道路の中期計画は、この数年の予算をもとに×10年で算出された。
高規格幹線道路や地域高規格道路は、07年度約2・3兆円。中期計画は2・3×10年で23兆円が盛り込まれた。

新たな中期計画では、事業費の総額は明示しない方向だが、事業を重点化していくという。
大きく分けて、1、生活道路(開かずの踏切や交通安全や防災、老朽化対策など)
         2、高速道路(高速道路ネットワーク、産業拠点間を結ぶ幹線道路など)
それぞれ重点化するという。
そして、前の中期計画と違うのは、地方の計画を新たに加えるという。
これは、国土形成計画の全国計画にもとづき策定が進められている広域地方計画と整合性を持たせることが前提となる。

新たな中期計画の方向ををどうみるか。やはり、高速道路をどう位置づけるか。ここに核心がある。
つまり、09年度の道路予算で高速道路予算がどれだけ占めるかどうか。
概算要求では高規格幹線道路に1兆7870億円、地域高規格に5863億円、合わせて2兆3733億円を要求している。
今年度08年度の約2・2兆円よりも増額要求だ。国関与の道路予算も6・1兆円(08年度5・6兆円)を要求。

このまま高速道路予算を確保するとなると、批判された前の中期計画と中心は変わらないことになる。
道路特定財源を一般財源化しても、高速道路予算は減らないことになる。

どうすればいいか。
日経の社説のように、「道路予算は抑制し、事業の重点化」するべきだが、その際の「重点化」は、生活道路関連のみにすべきだ。
交通需要推計、費用便益の見直しにより、厳格に実施するのはもちろんのことだが、
高速道路計画そのものをいったん凍結して、いちから抜本見直しする。
必要性についても、財政状況や他の施策と比較して優先度を決める。
緊急性の低いものは大胆に先送りする。不必要なものはすぐ中止する。ぐらいの見直しが必要だ。

ハッキリ言って、2兆円を超える高速道路予算を半減するぐらいしないと、
道路予算をを削減して社会保障など他に回すという道路財源一般化の趣旨は実らない。
もちろん、暫定税率を廃止すれば、一時期、2・6兆円が減収となるから、やはり、道路予算を目に見える形で削減しないと意味がない。

地方に交付金で1兆円、補助金と併せ1・3兆円を超えて配分することを政府与党は目論んでいるが、
地方に渡して、国直轄事業(高速道路など)の負担金や、地域高規格道路(地方主体)に使われるのでは意味がない。
地方への配分を論じる前に、やはり高速道路予算を大幅削減することの方が先決だ。

ここに、新たな中期計画がどうなるのか、その核心がある。




社会資本整備審議会道路分科会第26回基本政策部会 2008年11月26日
資料3-1 新たな中期計画の作成に向けて 骨子(336KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-1.pdf
資料3-2 新たな中期計画の作成に向けて 参考資料(335KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-2.pdf



日経新聞 2008年11月27日
社説1 道路予算は抑制し、事業の重点化を(11/27)
 国土交通省が策定する道路中期計画の基礎となる交通量の新たな将来推計がまとまった。これまで交通量は2020年までは増えると見込んでいたが、人口減少などを背景に今後微減に転じる見通しになった。需要予測が下方修正されたのだから、道路予算は抑制し、経済効果が大きい事業に重点化すべきだ。

 国交省が昨年末にまとめた中期計画は、交通量が右肩上がりに伸びる前提で10年間に59兆円もの事業費を見込んでいた。しかし、算定の根拠となるデータが古いことが判明し、将来推計から見直し、中期計画も作り直すことになった。

 新たな推計では20年時点の交通量が05年実績よりも1.7%減る。従来の20年段階の予測値と比べると13%減だ。人口が減るうえ、軽自動車の保有者が相対的に増えたことで移動距離が短くなった点が主な要因だ。建設路線を選ぶ基準となる走行時間の短縮効果などについても、従来よりも厳しく算定する。

 これまで、東京湾アクアラインのように水膨れした利用予測をもとに巨額の資金を投じる道路が少なからずあった。この点からみても今回推計値を改定したのは当然だ。今後、さらに厳しく見直してほしい。

 政府は09年度から道路特定財源の全額を一般財源化する方針を閣議決定している。08年度でみると、5兆4000億円の財源のなかで一般財源は1900億円程度とわずかだ。今後交通量は伸びないのだから道路予算は中長期的に削減し、環境対策や通信インフラの整備、福祉などに大胆に振り向けるべきだろう。

 道路予算の内容も吟味してほしい。経済効果からみれば、最優先で整備すべきなのは首都圏など大都市部の環状道路である。地方では全線開通が間近な路線に重点的に配分すれば地域経済への波及効果が大きくなる。老朽化で耐震性に問題がある橋りょうの補修も必要だ。

 自民党の道路族の間では、景気対策として道路予算の維持・増額を求める声が出ている。税財政面からの景気てこ入れ策は確かに必要だろうが、バブル経済崩壊時の対策のように、通行量が極端に少ない道路までつくられてはたまらない。

 「道路特定財源から1兆円を地方に回す」という麻生太郎首相の発言をきっかけに、政府や自民党内では地方への配分額やその方法を巡る駆け引きも続いている。地方に配るお金は使い道ができるだけ自由な方が望ましいが、まずは国が手がける道路事業を絞り込み、権限と併せて財源を地方に移すことが重要だ。



毎日新聞 2008年11月28日 東京夕刊
道路特定財源:代替、新型交付金で調整 1兆円、地方公共事業に
 09年度からの道路特定財源の一般財源化をめぐり、焦点となっている地方自治体への予算配分問題で、政府・与党は28日、地方自治体が地域経済活性化に幅広く使える新型交付金(1兆円)を創設する方向で調整に入った。道路整備に使い道を限定した従来の地方道路整備臨時交付金に代わるもので、道路整備だけでなく地域の実情に合わせてインフラ整備の公共事業に広く使えるようにする。これとは別に国が使い道を決める道路整備の補助金3000億円超も確保し、一般財源化後も地方向け配分が現行水準(1・3兆円)を下回らないようにする。
 新型交付金は「地方活力基盤創造交付金」(仮称)で、全国知事会などの要望を取り入れ、自治体の自由度を上げる。国の道路特定財源は08年度当初予算で約3・3兆円、うち約7000億円を地方道路整備臨時交付金として地方に配分。このほか補助金6000億円も含め計1・3兆円が地方の道路向けに配分される仕組み。
 道路特定財源の一般財源化をめぐっては、政府が10月末に策定した追加経済対策に「1兆円を地方の実情に応じて使用する新たな仕組みを作る」と盛り込んだ。麻生太郎首相はこれを受け、一般財源化後も地方への配分額は「1・3兆円」以上に維持すると表明。「地方交付税」とすることにも言及した。
 ただ、使途を限定しない交付税の場合、与党内では「人件費などに回り、地域経済活性化につながらない恐れがある」との意見が出ていた。税を負担するドライバーらの反発で揮発油税(ガソリン税)の暫定税率の維持が困難になる恐れもある。政府・与党は地域経済の下支え効果も考慮し、新型交付金に衣替えすることで着地点を探る方向となった。

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2008-11-27(Thu)

高速道路建設 圧縮できるか 交通需要予測、費用便益の見直し

下方修正どこ吹く風の自民道路族 巻き返し強まる

国交省の社会資本整備審議会道路分科会で、交通需要推計や費用便益の算出法の見直しを決めた。
交通需要は下方修正し、便益は厳格に算出するという。
これをもとにすれば、高速道路建設も少しは圧縮されるかも知れない。

しかし、道路族などの巻き返しも始まっている。安心はできない。

報道はされていないが、この他にも、高速道路の手続きについても見直しがされる。
高速道路のうち、道路局長の決裁で事業のGOサインが出ていたやり方を、審議会に諮ることなど手続きを改める。
最終的に、新たな中期計画に反映されるらしいので、注意してみておこう。




社会資本整備審議会道路分科会第26回基本政策部会 2008年11月26日
 将来交通需要推計・道路事業の評価手法の見直し 等
 http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26th.html
 http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/siryo26.html

1、将来交通需要推計
2、道路事業の評価手法の見直し
3、新たな中期計画の作成に向けて
4、高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きのあり方

(配布資料)
資料1-1 道路の将来交通需要推計に関する検討会報告書(464KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1.pdf
 ・別添1 交通需要推計の前提となるシナリオ http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b1.pdf
 ・別添2 将来交通需要推計モデル(人の移動)http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b2.pdf
 ・別添3 将来交通需要推計モデル(物の移動)http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b3.pdf
 ・別添4 意見・提案と考え方http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b4.pdf
 ・参考1 現状の交通動向等の分析http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_s1.pdf
 ・参考2 諸外国との比較 http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_s2.pdf

資料1-2 新たな将来交通需要推計(2.2MB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-2.pdf

資料2-1 道路事業の評価手法の見直しについて(186KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/2-1.pdf
        ・別添(費用便益分析マニュアル)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/2-1_b.pdf
資料2-2 道路事業の評価手法の見直しについて(説明資料)(494KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/2-2.pdf

資料3-1 新たな中期計画の作成に向けて 骨子(336KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-1.pdf
資料3-2 新たな中期計画の作成に向けて 参考資料(335KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-2.pdf
資料3-3 今後の道路行政についての意見・提案について(結果概要)(195KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-3.pdf

資料4 事業実施に向けた手続きの見直しに関する議論のポイントと見直しの方向(1.3MB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/4.pdf



毎日新聞 2008年11月27日 東京朝刊
道路見直し:整備、より厳しく 特定財源の一般化議論に影響も
 自動車交通量(道路交通需要)の新しい推計など、国土交通省が行っている道路に関する一連の見直しは、今後の道路整備の条件を大幅に厳しくした。道路への要望が強い地方自治体などから不満の声が出る一方、無駄の排除がこれで十分かといった指摘も予想される。見直しに対する評価は、道路特定財源の一般財源化の議論で重要な論点の一つになりそうだ。
 見直しの柱は、26日に公表した交通量の推計のほか、費用対効果の計算方法の厳格化(25日)▽期間を5年に短縮した新しい道路整備中期計画の策定(12月上旬予定)など。国会審議などで「交通量の推計が古いデータに基づいている」「道路の便益(効果)の算定は過大」などの批判が出たのがきっかけだった。
 新しい交通量の推計は、従来に比べ、便益が低く出る計算方法に変わるため、費用対効果の数字は「2~3割小さくなるだろう」(道路局)という。中期計画には「効果が小さいと判断されれば、現道の活用など抜本的な見直しを行う」など「選択と集中」の考え方を明記する。
 こうした見直しに対し、東国原英夫宮崎県知事は26日の会見で「費用対効果だけでいいのか。(災害、医療への対応も含んだ)新しい算定方式が必要だ」と述べた。【位川一郎】



毎日新聞 2008年11月26日 東京朝刊
国交省:道路建設、「便益」低めに 算出法見直し決定
 国土交通省は25日、道路事業の費用対効果の計算方法を見直すことを正式に決めた。道路整備による「便益」が従来より低く算出されるため、建設が認められないケースも出そうだ。
 同日の検討委員会で了承した。道路の便益は「走行時間短縮」「走行経費減少」「交通事故減少」の3要素で算出し、費用(事業費と維持管理費)を上回る便益があれば建設できるのが原則。
 時間短縮の便益は、業務目的の場合は道路整備で浮く賃金の額などが基準だが、今回はもともとの賃金が相対的に低い小規模事業所も対象にすることで、道路整備の便益が小さくなるようになった。
 レジャーなど業務目的以外の場合、短縮時間を仕事に充てると仮定し賃金が増える額が便益になるが、運転者の手取りにならない税金分を差し引くことにした。
 今後は新しい計算方法で個別路線ごとに費用対効果が計算されるが、国交省道路局は「従来より便益が1~2割減る事業が多いだろう」とみている。【位川一郎】



(2008年11月26日23時01分 読売新聞)
道路建設の圧縮必至、2030年需要予測を13%下方修正
 国土交通省は26日、将来の車の交通量を予測した交通需要推計を正式に発表した。
 2020年、30年の見通しをいずれも前回予測(02年)から約13%下方修正した。今後5年間の道路整備中期計画の骨子には、コスト削減と地域の実情に合わせた道路整備を盛り込んだが、需要予測の大幅な見直しで、道路建設の圧縮が迫られるのは必至だ。
 需要予測は全国の車の総台数に走行距離をかけた「台キロ」で表す。前回は20年代まで増え続けると推計したが、今回はおおむね横ばいで推移する前提で、30年の交通量を7490億台キロに引き下げた。人口減などで、07年度に初めて全国の自動車保有台数が減少に陥ったことが要因だ。
 需要推計の算出方法についても、実態とかけ離れているとの批判が集まった。このため、今回は、高齢者の免許返上や走行距離が短い軽自動車の普及などの社会環境の変化を反映させた。
 推計結果をもとに中期計画の骨子では、1万4000キロの高速道路網など基幹道路の整備方針は堅持した。だが、コスト管理をより厳しく評価するため、地方では「採算割れ」と判断される道路も多く出そうだ。
 09年度から道路特定財源が一般財源化されることに伴い、中期計画には総事業費は盛り込まれず、道路整備は年度ごとの予算編成に任される。需要予測の下方修正を根拠に、これまで10年間で59兆円を充てるとした総事業費の削減を求める圧力が高まるのは確実だ。
 26日の自民党の道路調査会は、地元から道路建設の要望を受けている議員からは、道路建設の推進を求める発言が相次いだ。山本有二会長は「建設縮小というよりコスト削減を徹底的にやることだ」と、計画圧縮の流れにくぎを刺した。
 国交省は、高速道路の4車線計画を縮小したり、既存道路を積極活用したりする方針だ。さらに、地方への配慮として、年内に正式に決まる中期計画には、地域ごとの実情に見合った「地方版」の整備計画も初めて策定する予定だ。(香取直武)



TBS 2008年11月26日
国交省、将来交通量予測を下方修正
 道路整備計画のもとになる将来の交通量の予測について、国土交通省は、2030年には2005年と比べて減少すると下方修正しました。
 国土交通省が公表した新たな交通需要の推計によりますと、6年前の予測では2020年頃まで増え続けるとしていた全国の交通量の予測を、2030年には2005年と比べて2.6%減少すると下方修正しました。
 少子高齢化の加速や自動車の保有台数の減少などが原因で、これまでの見通しが甘かったことから修正したものです。交通量の予測は、高速道路などの建設を進める際のデータとして使われるため、道路整備計画の見直しにつながる可能性が出てきました。(26日10:57)
「交通量は将来減る」、早くも警戒感
 道路整備計画の基になる将来の交通量について、国土交通省がこれまでの予測より少なくなると修正しました。道路事業への影響を恐れる地方や自民党内から、さっそく警戒する声が上がりました。
 国土交通省が26日、今後の全国の道路整備に大きな影響を与えそうなある数字を公表しました。これまでの予測では、今より増えるとしていた将来の車の交通量について減少すると下方修正したのです。それによると、2030年は2005年より2.6%の減少となります。
 少子高齢化の加速や自動車の保有台数の減少などが原因としていますが、これまでの見通しの甘さが浮き彫りになった形です。道路整備計画の見直しにつながる動きに東国原知事が動きました。
 「(Q.地方の道路が後回しになる懸念は?)その懸念を抱いているので、いち早くといいますか、地方からの要求の声を大きくするためこの時期を選んだ」(宮崎県 東国原英夫 知事)
 東国原知事らは、地方は贅沢な道路を必要としているのではないとして、道路整備のための基準を変えるべきだという考えを強調しました。
 一方、自民党のいわゆる道路族の議員らも警戒感を隠せません。
 「数字の数合わせはちょっと横において、本当に必要なものは造るべきであるしね。当然。特に地方の自立を求めていこうというならなおさら」(自民党 野田 毅 衆院議員)
 「下方修正があったからといって、地方の道路整備ができないということにはなりません。プライオリティーの高い道路を着々と整備するというわけですから」(自民党 衛藤征士郎 衆院議員)
 道路整備をめぐっては、特定財源の一般財源化で地方に回す1兆円を地方が自由に使える交付税にするかどうかで道路族の反発を浴びたばかりの麻生総理。党内の新たな火種となる可能性があります。(26日17:43)



産経新聞 2008.11.26 20:44
交通量予測 下方修正どこ吹く風の自民道路族
 国土交通省が全国交通量の見通しについて26日、下方修正する将来推計を提示したが、自民党内の「道路族」議員はこうしたデータもどこ吹く風と道路建設を求める声が相次いだ。
 交通量の下方修正は、道路整備事業の抑制につながりかねない。だが、同日の自民党道路調査会(山本有二会長)の総会では、「費用対効果が先にありきという姿勢はどうか。地方にはまだまだ必要な道路整備はある」「貸し渋り対策でカネが回っても、仕事がなければ仕方がない。国は公共事業を行って責任を果たすべきだ」との声が出た。
 「中国はすごい勢いで道路建設をしている。地方道路整備臨時交付金は地方が道路を造る財源ということでお願いしたい」
 高知県選出の中谷元・元防衛庁長官は、一般財源化が予定される7000億円の臨時交付金について、道路整備に使途を限定するよう要請した。


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2008-11-27(Thu)

派遣切りから 正社員リストラ 内定取り消しも 人員削減の大波

大企業の首切り 中小企業では数十倍にひろがる いま止めなければ

大企業の首切りの波が、派遣社員だけでなく正社員まで押し寄せている。
忘れてはならないのは、下請け中小企業とその労働者のことだ。
下請け企業への発注縮小・打ち切りで、仕事がなくなり、労働者の解雇が広がる。
外国人労働者を含め、各地で仕事に就けない労働者があふれ始めている。

内定取り消しも顕著になっている。第2のロストゼネレーションが懸念される。

不動産・建設不況も深刻だ。仕事がないと土建労働者が悲鳴を上げている。
金融危機・景気後退の波は、じわじわと日本全体に押し寄せてきている。

そんな中で、大企業が首切りを率先すれば、合成の誤謬が生まれる。大企業の責任は重い。
同時に、政府の役割が問われている。
にもかかわらず、追加景気対策も先送りして、迷走・失言ばかりしている総理がいる。
何という不幸だろうか。

しかし、嘆いてはいられない。
「仕事をよこせ」「雇用を守れ」と立ち上がるしかない。「蟹工」の労働者みたいに!




朝日新聞 2008年11月27日
「業績悪ければ転職ご検討を」 人員削減の波、正社員に

 世界的な景気悪化に伴う雇用調整の波が、正社員にも及び始めた。人員削減はこれまで、販売不振に悩む自動車産業などの派遣社員や期間従業員が中心だったが、正社員の希望退職に踏み切る企業が増えている。

 「業績が低く改善が見られない社員は、社外でキャリアを求めることを含め、将来について真剣にご検討いただきたい」

 コンピューター大手の日本IBM。11月上旬、社内向けのネットに人事担当役員名でこんな文書が載り、社員に波紋を呼んだ。コンピューターのサーバーなどの販売低迷で、売上高は3四半期続けて前年割れ。1万6千人の正社員のうち、年内をめどに1千人規模の早期退職を募る計画だ。

 会社側は「競争力強化と社員のキャリアの選択を広げるため」と説明する。だが、全日本金属情報機器労働組合日本アイビーエム支部によると、5段階の人事評価のうち下から2段階までの人を対象に、会社側が繰り返し退職の意思確認をしている例もあるという。労組側は「『残ってもあなたの仕事はない』と言われている人もいる。事実上の退職勧奨だ」と強く反発する。

 正社員削減の動きは、業種を問わず広がりつつある。

 金型加工機械の中堅メーカー、ソディック(横浜市)は26日、約330人の全社員を対象に年内に希望退職を募集すると発表。応募者数は不透明だが、退職金のほかに一時金を支給する。部品メーカーなどの設備投資抑制の影響で09年3月期決算が赤字に転落する見通しとなり、「合理化が不可欠と判断した」(経営企画部)。希望退職に応じなかった社員も、12月から給与を最大2割カットする。

 中堅電機メーカーの沖電気工業も、50歳以上または勤続25年以上の管理職1200人程度を対象に、来年初めに300人の早期退職を募る。半導体事業から撤退し、管理職が余っているためという。

 不動産不況に直面するマンション・建設業界。マンション大手の大京は事業縮小にともない、40歳以上を対象に、社員の1割強にあたる450人の希望退職を募る。中堅ゼネコンの若築建設も、不動産開発会社ゼファーの破綻(はたん)などに伴う特別損失の計上で経営が悪化。マンション事業から撤退し、社員の1割強にあたる100人の希望退職に踏み切る。

 個人消費の落ち込みは、小売りやアパレル業界も揺るがす。大手アパレルのレナウンが300人の希望退職を募るほか、中堅のルックも27日から、正社員の3分の1にあたる約150人の希望退職の募集を始める。両社とも1年契約の嘱託社員のデザイナーも減らす。

 健康食品の製造・販売を手がけるキリンヤクルトネクストステージは、市場の縮小で苦戦が続く。栃木県内の工場を閉鎖し、正社員143人の7割にあたる100人の人員を削減する計画だ。

   081127朝日)正社員の希望退職を実施する主な企業


毎日新聞 2008年11月27日 
社説:派遣切り 労働者を使い捨てにするな

 「君は明日で終わりだから」。自動車部品メーカーの工場で派遣で働いていた埼玉県の男性(38)は派遣元の営業担当者から突然そう言われた。契約はまだ1カ月残り、その後も更新されると思っていた。休まず残業もこなしてきた。「減産」を理由にメーカーとの派遣契約が中途解約されたことを、派遣元が男性に伝えていなかった。

 派遣元との交渉で残り1カ月分の金銭補償は得られそうだが、新たな働き先はまだ見つからない。男性は「派遣はいつ切っても平気な道具としか思われていない。年末年始をどうしのげばいいのか」と憤る。

 米国発の金融危機のあおりを受け、こんな光景が製造業の現場で広がっている。自動車、電機を中心に工場などで働く派遣労働者や有期雇用の期間工との契約打ち切りが一斉に進む。その数は報道されている大手企業だけでも計1万7000人以上。年末に向けてさらに増えるのは確実だ。非正規社員の「大量首切り」で景気悪化に備えようとする企業の姿が浮かぶ。

 突然切られる労働者はたまらない。派遣や期間工の多くは3カ月や6カ月の短期契約を更新しながら働いているが、更新なしの雇い止めだけでなく、一方的な中途解約も少なくない。工場近くの寮も同時に出なければならず、仕事と住居を一遍に失ってしまうケースが多い。インターネットカフェで寝泊まりしたり、そのまま路上生活に移行したりする人も出始めている。

 まさしく使い捨てだ。非正規を正社員よりも安い賃金で働かせ、巨額の収益を上げてきた製造大手が先行きに不安を抱くや、千人単位でばっさり切ることが許されるのだろうか。増益を見込んだり、多額の内部留保があったりする企業も少なくないのに、である。

 企業が正社員を経営上の理由で解雇するには、努力しても他に方法がないなど厳格な要件が必要だが、この考え方は非正規にも通じるはずだ。企業には再考を求めたい。派遣元も含め、再就職先のあっせんなどにも手を尽くすべきだ。雇用の不安定は消費低迷を招き、景気悪化に拍車をかけ、社会不安も引き起こす。企業には重い社会的責任があることを自覚してほしい。

 政府も手をこまねいている場合ではない。全国の実態を早急に調べ、問題あるケースがないか監視を強めるべきだ。就職先紹介や住宅あっせん、失業給付金支給などにも万全を尽くしてもらいたい。

 派遣では、相次ぐ規制緩和で派遣先の対象が広がり04年から製造業へも解禁されたことが今日の事態を招いたといえる。派遣は雇用の調整弁に使われるとの懸念がまさに現実になった。政府が今国会に提出した労働者派遣法改正案は、今起きている「派遣切り」問題には無力のままだ。派遣先を専門業務に限るなどの抜本改正がぜひとも必要だ。



東京新聞 2008年11月27日
【社説】内定取り消し 悪質なら企業名公表を

 来春卒業予定の大学生や高校生の採用内定を取り消す企業が相次いでいる。人生の門出を傷つけるだけでなく、正当な理由なしには許されない行為だ。悪質な場合は企業名を公表すべきである。

 今年前半まで売り手市場だった学生たちは最近の就職情勢の急変に困惑していることだろう。金融危機をきっかけに企業の二〇〇九年度以降の採用計画は一変した。なかには内定を取り消すところも出てきた。

 厚生労働省が各地のハローワーク(公共職業安定所)を通じて調べたところ、すでに内定取り消しの報告が四社六十三人もあった。全国調査を踏まえて学生への相談体制と、企業に対する指導を強化する方針だ。また連合も学生たちの相談窓口を来月、開設する。

 取り消しの理由は倒産や業績不振などさまざまという。社員の雇用も維持できない倒産の場合はやむを得ないケースとなろうが、景気後退に伴う業績悪化というだけでは正当な理由とは言えまい。

 法的には内定取り消しは労働基準法に基づく労働契約の解約、つまり一種の解雇と見なされる。合理的な理由がなければ解約権の乱用とされ無効である。一九七九年七月、大日本印刷事件で最高裁が示した判例が有名だ。

 同社は内定後に誓約書を提出した学生に対して「陰気」な印象を理由に内定を取り消した。最高裁は本人の印象は面接試験でわかっていたとし、取り消しをする合理的理由にはならないと指摘した。採用の内定は、労働契約が成立したことと同じ重みがある。

 来春卒業予定の大学生は約六十六万四千人。高校生は百十万人に達する。就職は人生の重要な節目であり、採用内定はその第一歩と言える。フリーター百八十一万人や再出発を目指す転職者にとっても内定通知はうれしいものだ。

 今春卒業の就職率は大学生が96・9%、高校生が98・4%といずれも最高水準だった。来春以降は“氷河期”再来となろうが困難にくじけず頑張ってもらいたい。

 現在、雇用情勢は急速に悪化している。自動車や電機業界などで期間工や派遣社員、パート労働者の解雇が続いている。失業率の上昇と有効求人倍率の低下は避けられない。

 政府は追加経済対策で年長フリーター対策や雇用保険料引き下げなどを取り上げたが本年度第二次補正予算案の提出は来年一月だ。政治空白を解消して一日も早く雇用対策に取り組んでもらいたい。
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2008-11-26(Wed)

個室ビデオ店等調査 6割で法令違反 非常照明や火災報知に不備

国交省、消防庁が調査 「残念な結果」自治体を通じて是正を指導

以前書いた個室ビデオ店火災を受けた調査結果がまとまった。

ネットカフェ難民 命がけの宿泊 ・・・ 個室ビデオ店火災 
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-148.html

個室ビデオ店 建築基準法違反あった 石原都知事 また暴言
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-156.html

法令違反、安全軽視の実態は、ある程度、想像できた。
業態別で、カラオケボックスの違反が一番少なかったらしいが、それでも3割あった。
2007年1月20日に、宝塚でカラオケボックス火災があって、今年の4月に調査結果が出された。
その時は45%の建築基準法令違反があった。
それに比べると違反は減ってはいるが、まだ3割もあるのかという気がする。

いずれにしても、これだけずさんな安全管理・防火体制は放置できない。
貧困層や長時間労働を強いられた人々が犠牲となるようなビジネス。
規制を含めた抜本的な対策が必要ではなかろうか。




【共同通信】 2008/11/25 19:22
全国の個室ビデオ6割で法令違反 非常照明や火災報知に不備
 国土交通省と総務省消防庁は25日、大阪・難波で16人が死亡した火災を受け、全国の個室ビデオ店について防火安全対策を緊急調査した結果を発表、795店のうち、63・8%にあたる507店で非常用の照明や排煙設備に不備があるなどの建築基準法令違反が見つかった。
 消防法施行令で自動火災報知設備の設置が義務付けられている594の個室ビデオ店のうち、26・9%の160店で未設置などの違反があることも判明。
 国交省と消防庁は「残念な結果」として自治体を通じて是正を指導しているが、国交省によると立ち入り検査に応じなかったり、日程を調整中の店も約100残っており、不備の解消には時間がかかりそうだ。
 調査は、自治体の建築担当部局と消防本部などが協力して実施、10月末までの結果をまとめた。
 国交省によると、違反が最も多かったのは非常用照明の未設置や不備で、全体の55・7%にあたる443店。排煙用の窓や設備がなかったり排煙量が不十分だったりした店も38・9%の309店、防火用の扉やシャッターがないなどの問題も17・2%の137店で確認された。


毎日新聞 2008年11月26日 東京朝刊
大阪・個室ビデオ店火災:全国調査 個室ビデオなど1/3超違反 非常用照明など不備
 大阪市浪速区の個室ビデオ店で客16人が死亡した放火事件に絡み、国土交通省と総務省消防庁は25日、全国の自治体などに指示していた類似店舗に対する緊急調査の結果を公表した。個室ビデオやマンガ喫茶など計8574店のうち、3分の1以上の計3085店に非常用照明装置や排煙設備がないなどの建築基準法違反があった。また、計1028店が消防法に違反し、自動火災報知設備を設置していなかった。両省は違反店舗に是正を求めると共に、継続的な監視を強化する。
 建築基準法と消防法に基づき、放火事件直後の10月1日に調査実施を指示していた。
 調査結果によると、業態別の違反率は個室ビデオ(795店)による建築基準法違反が最高で、63・8%(507店)に達した。非常用照明装置や排煙設備のほか、延焼を食い止める防火戸がない例があった。
 他の業態の同法違反率は▽テレホンクラブ56・1%(83店)▽マンガ喫茶とインターネットカフェ42・4%(824店)▽カラオケボックス29・4%(1671店)。
 両省は「立ち入り検査の頻度を増やすなどし、継続的に対応したい」としている。
 建築基準法違反があった店舗数の上位の都府県は次の通り。(カッコ内は総数)
 (1)東京510(1344)(2)大阪264(644)(3)愛知184(489)(4)埼玉176(361)(5)千葉175(375)【高橋昌紀】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
国土交通省
個室ビデオ店等に係る緊急点検結果について
平成20年11月25日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000055.html

 平成20年10月1日に発生した大阪府大阪市の個室ビデオ店火災を受け、「個室ビデオ店等に係る緊急点検について」(平成20年10月1日付国住指第2541号)により、全国の特定行政庁に依頼した個室ビデオ店等に係る緊急点検の結果をとりまとめましたので、公表いたします。
1.点検対象
 個室ビデオ店等(個室ビデオ店、カラオケボックス、漫画喫茶・インターネットカフェ、テレフォンクラブ)の用途に供する建築物又は建築物の部分
2.点検事項 建築基準法令(防火・避難関係規定)への適合状況
3.点検結果概要(平成20年10月31日現在における都道府県からの報告による
(表 略)
4.今後の対応
・緊急点検が完了していない特定行政庁には、引き続き、点検の実施と結果の報告を求める。
・建築基準法令に違反する事項が認められた物件については、特定行政庁に対して、迅速な違反是正に取り組むよう要請するとともに、国土交通省において、定期的なフォローアップ調査を行い、その結果を公表する。

添付資料
都道府県別集計表(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000027670.pdf
各都道府県宛通知(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000027671.pdf
お問い合わせ先
国土交通省住宅局建築指導課 
TEL:(03)5253-8111 (内線39562)
-------------------------
消防庁
個室ビデオ店等に係る緊急調査結果
平成20年11月25日
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/2011/201125-1houdou.pdf

 平成20 年10 月1 日に発生した大阪府大阪市の個室ビデオ店の火災(※1)を受けて、個室ビデオ店等(※2)について実施した緊急調査の結果を別添のとおり取りまとめました。
 個室ビデオ店等の防火安全対策については、現在、全国の消防機関において類似火災発生防止のため防火対策の更なる徹底と違反是正の推進を図っているところです。
○全国調査結果(概要) 略
【問い合わせ先】消防庁予防課
担 当:渡辺・三浦・村井
TEL:03-5253-7523(直通)
FAX:03-5253-7533
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2008-11-26(Wed)

2次補正先送り 筋が通らぬ 逃げ回る麻生総理にブーイングの嵐

誰の言葉?「私は逃げない」「責任と実行力ある政治を行う」「政局より政策」「景気対策最優先」

麻生総理が、2次補正案の今国会提出を先送りした。各紙が批判している。
麻生流にいうと、
「逃げない」は逃げる/「責任と実行力」は無責任となにもしない/政策より政局/景気対策あと回し/
ということになるらしい。

とりわけ、「百年に一度の暴風雨」といって、「迅速」な実行が肝心だと意気込んだ追加経済対策(=2次補正)。
こともあろうに、「緊急対策を要するものでかなりの部分は1次補正で賄えている」とまでいってのけたのには呆れた。

1次補正を提起したのは、いったい誰だ。第2次投げ出し首相ではないか。
しかも、原油高騰対策が主内容だ。2次補正はそのあとの金融危機に対するものだ。
肝心の原油高騰も一服、値下がり始めている。

結局、何もしない内閣。
国民がリストラ、取引停止、貸しはがしなど、大企業の身勝手に泣かされているとき、
金融危機、景気後退で仕事がない、年金、介護、医療など社会保障の不安、貧困と格差、地域の疲弊、
無差別犯罪など社会不安が蔓延・・・・・。
将来への展望が見えにくいというのに、政権が何もしないでは情けない限りだ。




日経新聞 2008年11月26日
社説2 筋が通らぬ2次補正先送り(11/26)
 政府与党は景気対策を具体化する第2次補正予算の今国会提出見送りを決め、この方針を民主党など野党側に伝達した。麻生太郎首相が「政局より政策」「景気対策最優先」と言って衆院解散を先送りしたにもかかわらず、この国会に補正予算を提出せず、景気対策を先送りするのは筋が通らない話である。麻生内閣の政権運営は一貫性に欠けると言わざるをえない。
 世界的な金融危機の広がりで、日本の景気も深刻な後退局面に入りつつある。いま、日本がやるべきことは各国と協調して危機対応と景気対策に全力を挙げることである。中小企業に対する信用保証枠の拡大などは早急に実施すべき施策である。それなのに、なぜ2次補正を先送りするのか、理由が明確でない。
 麻生政権は定額給付金に所得制限を設けるかどうかなどで迷走した。補正予算を今国会に提出すれば野党の批判攻勢を受けて不測の事態に追い込まれかねないと警戒する声が与党内に高まった。景気対策に責任を負う立場にある政府与党として情けない話である。もっと危機感を持って政策運営に当たるべきである。
 麻生首相は2次補正見送りの理由について外遊先で「小沢民主党は信用できない」と語ったが、これにも首をかしげざるをえない。2次補正を今国会に提出して、民主党がその成立に協力しないなら、民主党を批判するのは当然だが、2次補正の提出見送りを民主党のせいにするかのような発言は責任逃れである。
 政府与党の2次補正先送り方針を受けて、民主党は金融機能強化法案とインド洋における給油活動継続法案の会期内の参院採決に応じない方針だ。この結果、30日に会期が切れる今国会の会期延長は不可避になった。2次補正の扱いとは切り離して両法案は1日も早く、参院で採決して成立させる必要がある。
 2次補正の今国会提出を強く求めながら、金融機能強化法案の採決は引き延ばす民主党の国会戦術は矛盾している。党首討論を速やかに行い、景気対策のあり方をめぐって麻生首相と小沢一郎代表が論戦を展開すべき時期である。小沢代表は麻生首相に対して、なぜ2次補正を先送りしたのかをただす責任がある。

朝日新聞 2008年11月26日
補正先送り―「逃げない政治」はどこに
 にぎやかな自民党総裁選を経て、麻生政権が誕生したのはわずか2カ月前のことだ。余勢を駆って衆院の解散・総選挙に突き進む。そんなムードが高まっていたのに、空気は一変してしまった。いまや何はともあれ解散回避。麻生首相と与党はすっかり歩調を合わせたようだ。
 首相はきのう、緊急経済対策の裏付けとなる第2次補正予算案を今国会には出さず、来年1月の通常国会に先送りすると表明した。解散・総選挙は来春以降という見方が、与党内では大勢になっている。
 2カ月前を思い起こしてみよう。所信表明演説で、首相は民主党に質問を連発し、「私は逃げない」「責任と実行力ある政治を行う」と対決をあおった。それからすると、まさにとんでもない様変わりである。
 ひとつの理由が「100年に1度」と首相が呼ぶ世界金融の混乱や景気の先行き不安にあるのは間違いない。緊急の経済対策こそが最優先課題、「政局より政策だ」という首相の説明はそれなりの理屈ではあった。
 だが、経済対策の土台となる補正予算を先送りするというのでは、この理屈を自ら吹き飛ばしたに等しい。予算案の審議に協力するという民主党の小沢代表の言葉は「信用できない」からと首相はいう。それで納得できる有権者がどれだけいることか。
 民主党は年明けの通常国会で解散に追い込もうと、いよいよ意気込んでいる。補正予算や関連法案が成立するかどうか、不透明さを増してきた。
 これでは、中小企業の年末の資金繰りに欠かせないと首相が強調した対策のあれこれは、早くても来春まで先送りになる。首相が逃げるほどに、肝心の経済対策の実現が難しくなる。皮肉な構図に陥ってしまった。
 首相も与党もこうした矛盾は承知のうえだろう。それでも先送りせざるを得なかったのは、結局のところ、いま解散に追い込まれたら政権を失いかねないという恐怖感が日に日に高じているせいに違いない。
 さすがに先週、塩崎恭久元官房長官や渡辺喜美元行革担当相ら自民党の中堅・若手が2次補正を今国会に出すべきだ、と河村官房長官に求めた。解散先送りはともかくとして、政策の筋は通してもらいたいということだろう。
 これに対し、与党内からは「敵に塩を送るようなもの」などと批判の声が出ている。早期解散を強く求めてきた公明党も、その旗を降ろしてしまったかのようだ。与党全体が縮こまってしまった。
 フジテレビ「新報道2001」の先週の首都圏の世論調査では、経済対策と総選挙のどちらが先かという質問に、58.4%の人が総選挙と答えた。政治の閉塞感(へいそくかん)は深まるばかりだ。

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2008-11-25(Tue)

道路財源一般化 暫定税率はどうする 与党内で混迷

一般財源化なら自動車関係諸税を廃止すべき(自動車関連団体)

道路財源一般化をめぐり、暫定税率をどうするか、についても与党内で混迷している。
「『道路に使わず税率も維持』では理解されない」と尾身幸次元財務相が発言したそうだ。

暫定税率は、本則税率に上乗せしてかけられた税金だが、そもそも、道路整備財源を確保するため増やしたものだ。
道路整備だけに使わない一般財源にするなら、この暫定税率を徴収する根拠はなくなる。
誰が考えても分かる理由だ。暫定税率は廃止するのが筋。

日本自動車連盟や石油業界などでつくる「自動車税制フォーラム」が、
一般財源化するというなら、道路に使うという財源(自動車関係諸税)は廃止しろ。というのも理屈に合っている。

そういう当たり前の理屈があるものだから、
斎藤環境相が「道路財源の暫定税率を環境税とする案は年内に決着させたい」と提案した。
暫定税率の根拠を環境税にするば、税収は維持できるからだ。

ところが、自民党は「税目を変更するのは困難」と判断、3年間は、暫定税率を維持することを決めた。
財政への影響や環境への配慮を名目にするらしい。
3年間維持というのも、消費税を3年後にあげるという麻生総理の方針で、消費税増税で減収分を賄えるということのようだ。

ここで透けて見えるのは、暫定税率維持は、一般財源化で根拠がなくなるという常識はごまかせない、ということだ。
苦しいごまかしなどやめて、根拠がなくなる暫定税率はすぐ廃止するしかない。

筋から言えば、そのうえで、本則税率も含め税徴収の根拠を明確にして、税率を決めたらいいのだ。
道路特定財源を細かく見ると、ガソリンや石油ガス税、軽油引取税などの燃料と、自動車重量税や自動車取得税など自動車に係る税がある。
ガソリンには揮発油税のほか地方道路税というのもかかっている。
石油ガス税以外に暫定税率が上乗せされている。
自動車に係る税では道路特定財源ではない自動車税・軽自動車税がある。
さらに、消費税も二重課税でかけられている。

説明するのも面倒なくらい複雑だ。まず、一般財源化の前提として、税の簡素化が必要だ。
例えば、燃料税と自動車に係る税に分ける。
燃料税は、CO2排出量の応じて炭素税などの税目で税率をかける。
(重油や灯油などには新たな税率がかかることになるが用途におおじて軽減したらいい)
自動車に係る税は、自動車税・軽自動車税(地方税)を中心に統廃合すればいい。
自動車重量税や自動車取得税は道路整備目的につくった税だから、なくすのが筋かも知れない。

いずれにしても、政府・与党は、消費税を上げるまで暫定税率維持するという、税を取る側の論理だけだ。
国民の生活を少しも考えていない。
政府・与党では、迷走・混迷は深まるばかりで、国民負担だけが結論になる危険性は大きい。




日経新聞 2008年11月25日
道路・郵政・公務員改革… 与党内紛、潜む火種
 政府・与党は12月の来年度予算編成や税制改正を見据えた政策の具体化作業を本格化する。道路や郵政、公務員制度改革など山積する政策課題には火種がくすぶっており、決着の中身次第で政権運営に大きな影響を与える可能性もある。
 「来年、民主党は道路特定財源の暫定税率引き下げ法案を出す。それを否決して選挙に勝てるのか。『道路に使わず税率も維持』では理解されない」。20日の自民党税制調査会の幹部会合。尾身幸次元財務相は声を張り上げ「民主党の方が筋が通っている」とまで主張した。(10:06)
税率の調整難航
 麻生太郎首相は既に「道路財源の一兆三千億円以上を地方に」と表明していた。道路整備を目的に徴収する税の一部を地方に回して道路以外にも使ううえ、税率まで下げれば道路予算が大幅に減りかねない。党側の理解を得る落としどころは「一般財源化するか、税率は維持」しかなかった。党政調・税調の幹部は暫定税率を含めた自動車関係諸税の税率を三年程度維持する方針を固めた。
 与党内では公明党も自動車重量税の引き下げを求めている。「首相指示の『一兆三千億円以上』とはいくらか」が焦点になる裏で、自動車関係諸税の調整は難航しそうだ。
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○道路財源から地方に回す   「1.3兆円以上」の首相発言を巡る対立
 地方「多く」⇔道路族「少なく」

○ 道路関係諸説の扱い
 党政調・税調幹部「税率維持」   ⇔ 党内「税率下げ必要」・公明党「自動車重量税引き下げ」
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(2008年11月21日03時10分 読売新聞)
道路特定財源の暫定税率、3年維持の方針…自民税調
 自民党は20日、国会内で政調、税制調査会の幹部による会合を開き、2009年度から道路特定財源を一般財源化するにあたり、暫定税率を3年程度維持する方針を固めた。
 暫定税率見直しの条件だった消費税を含む税制抜本改革について、麻生首相が今後3年間は「景気回復」期間にあて、事実上先送りする方針を示したことを踏まえた措置だ。
 政府は福田政権時の今年5月に閣議決定した「道路特定財源等に関する基本方針」で、暫定税率の扱いについて、「国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討する」と明記した。
 しかし、麻生首相は金融危機の影響で国内経済が悪化していることを踏まえ、消費税率引き上げの時期は経済情勢好転を条件に「3年後」と表明。今年12月の税制改正作業では、抜本改革の全体像を示すにとどめる方向となった。このため、自民党は「消費税率を上げるための抜本改革に着手できない以上、暫定税率も維持すべきだ」と判断した。景気が減速する中、暫定税率廃止や引き下げで、税収減が一層深刻になることへの懸念も作用した。
 ただ、公明党は、自動車重量税の暫定税率を廃止するよう求めており、与党内の調整が課題となる。


毎日新聞 2008年11月21日 東京朝刊
暫定税率:3年維持、自民検討 「道路予算」を確保
 自民党は20日、道路特定財源を一般財源化する際に焦点となる揮発油(ガソリン)税などの暫定税率について、3年程度維持する方向で検討に入った。消費税率引き上げを含む税制抜本改革を先送りしたのに伴い、暫定税率だけを見直すべきでないと判断した。麻生太郎首相が打ち出した地方への1兆円配分や、一般財源化後の道路予算への充当をにらみ、税収を確保する狙いがある。
 ただ、道路整備にあてられる暫定税率は自動車業界やユーザーの受益者負担の意味合いがあり、維持したまま一般財源化すれば反発を招くのは必至。公明党も自動車重量税などの税率引き下げを主張している。1兆円の地方交付税化という首相方針との政策的な整合性も問われ、調整は難航しそうだ。
 一般財源化を検討している自民党プロジェクトチームの幹部と保利耕輔政調会長らが20日、国会内で協議。メンバーの一人は会合後「暫定税率の見直しは消費税率の引き上げ時に先送りする」と語った。首相は消費税率引き上げのめどを「3年後」と表明している。
 政府は今年5月、道路特定財源を09年度から一般財源化し、暫定税率の扱いは年末の税制抜本改革時に検討することなどを閣議決定。しかし景気の悪化を受け閣議決定は有名無実化している。【三沢耕平】


2008/11/21 12:17 【共同通信】
自民方針、道路暫定税率3年維持 環境税は先送り
 自民党は21日、ガソリンにかかる揮発油税など道路特定財源を2009年度から一般財源化する際、本来の税率に上乗せしている暫定税率を3年程度維持する方針を固めた。通常国会で成立した法律が定める10年から期間を短縮するが、環境税の本格導入など抜本見直しは先送りする。
 現在は道路整備費を確保するため暫定税率をかけているが、使途を限定しない一般財源にした後も税率上乗せを続ける根拠や、税収の使途をめぐり調整は難航しそうだ。
 揮発油税の衣替えを含む環境税の導入構想も出ているが「税目を変更するのは困難」(同党幹部)と判断。当面は財政への影響や環境への配慮を名目に暫定税率を維持し、消費税を含む税制の抜本改革の中であらためて検討する。
 暫定税率維持の期間を大幅短縮することで納税者の理解を得たい考えだが、自動車、石油業界などは暫定税率の撤廃を強く要求。公明党は自動車重量税の大幅な軽減を主張しており、決着まで曲折がありそうだ。
 政府は5月、暫定税率の扱いは「今年の税制抜本改革時に検討する」と決定したが、税制改革は先送りされた。


レスポンス 2008年11月19日
自動車税制改革フォーラム、一般財源化なら自動車関係諸税を廃止すべき
 自動車関係諸税の見直しを求める総決起集会が18日、都内ホテルで開催された。何十年も続く高率な暫定税率を残したままなし崩し的に一般財源化されようとしている自動車関係諸税の廃止を求めるのが目的だ。
 日本自動車連盟(田中節夫会長)、全国石油商業組合連合会(天野洋一会長)、全国石油連盟(天坊昭彦会長)ほか自動車関係諸税のあり方を提言する「自動車税制フォーラム」所属の合計23団体が主催し、一般参加者500人を集めた。また、与党自民党・公明党の国会議員140人も出席した。
 自動車関係諸税を主な財源とする「道路特定財源」は、先の福田内閣で一般財源化することが閣議決定している。しかし、これらの税金は、所得税のように広く国民がうけるサービスのために使われるわけではなく、道路整備のために使い道を限定することで自動車ユーザーにだけ負担を求める税金だった。
 「政府のいう一般財源化とは、自動車感関係諸税を社会保障や国の借金返済にもあてられるようにするもの。最近では何にでも使える財源として(自動車関係諸税から)1兆円を地方に移譲するというが、本来国民全体で負担すべきものを、なぜ自動車ユーザーだけが負担しなければならないのか」と、自動車工業会・青木哲会長は訴えた。
 「一般財源化するなら、(自動車ユーザーだけが負担しなければならないという)課税の根拠を失う自動車関係諸税を、直ちに廃止すべきだ」(青木氏)の意見は、壇上に立ったすべての主催団体代表者が訴えた。
 その後、参加者は会場となった港区の赤坂見附から千代田区霞が関まで約1時間の請願行進を行った。
《中島みなみ》

産経新聞 2008.11.14 12:30
斉藤環境相、環境税21年度から導入方針
 斉藤鉄夫環境相は14日の閣議後会見で、道路特定財源のガソリン税などの暫定税率の課税根拠を現行の「道路整備」から「環境保全」に変更すべき、との考えを表明し、二酸化炭素(CO2)排出に課税する環境税を、平成21年度にも段階的に導入するよう政府与党に求める意向を明らかにした。温室効果ガスの削減度合いに応じた課税分を、省エネ減税の財源とするなど「グリーン税制」構築を目指す。
 斎藤環境相は「道路財源の暫定税率を環境税とする案は年内に決着させたい」と説明。課税と減税を組み合わせ「ネット(正味)で増税にはならないよう考えている。来年度からの実施も国民の理解は得られるのではないか」と述べ、税収が中立する形で、段階的に導入を目指す考えを示した。
 同省では平成21年度税制改正で、石油や石炭などに含まれる炭素1トン当たりの税率を2400円とするほか、すべての化石燃料を課税対象とする環境税案を提案する方針。税収は年間3600億円を見込む。
 環境省では、14日夜開催される中央環境審議会の専門委員会で提示される環境税についての考え方を受け、環境税の省案を策定。与党の税制調査会に提案する方針だ。


朝日新聞 2008年11月19日11時19分
ガソリン税など燃料税、CO2排出量を考慮 環境省提案
 環境省は19日、ガソリン税や石油石炭税など化石燃料にかかっている既存の税を、燃やした場合に出る二酸化炭素(CO2)の量に応じたものに改めていく新提案をまとめた。将来的に実質的な炭素税を実現する狙いだ。
 19日午前の自民党環境部会で示した。ただ、景気への懸念を考え、09年度の税制改正要望に盛り込むことは見送り、将来の課題とした。
 環境省は地球温暖化対策のため、化石燃料に含まれる炭素1トン当たりに2400円を課税する炭素税を新たに導入することを求めてきた。今年も引き続き09年度の炭素税導入を求める。しかし、新税導入には産業界を中心に反対が根強いため、既存税制の改正でCO2削減を目指す方が現実的と判断、炭素税とともに既存税制の改正を提案した。
 現行のガソリン税や石油石炭税は、関連法に基づき重さや量に応じて課税。CO2排出量1トン当たりで課税額を見ると、石炭291円、軽油1万3034円、ガソリン2万4052円など、大きくばらついている。これをCO2排出量も考慮したものにし、それぞれの税率を厳しくすることが検討されている。
 道路特定財源の暫定税率について地球温暖化対策の推進を明確にして維持すること、省エネ家電や省エネ住宅、低公害車の普及に向けた減税も提案した。
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2008-11-24(Mon)

米ビッグ3救済先送り 首切りが“人質”では納得できない  

日本の大量首切りやめさせよう 雇用を守るのは政治の責務

米自動車大手三社(ビッグスリー)の救済策をめぐる米議会の公聴会で、
3人の首脳は、再建計画どころか自らの経営責任にも触れることなく、資金繰り支援の懇請に時間を費やした。しかも、プライベートジェットで乗り付けた。
さすがに、議員から批判の声が相次いだ。

何考えて経営してんだか、信じがたい感覚麻痺だ。首切られる労働者のことなど露ほども考えていないことがよくわかった。

では、日本ではどうか。大量の派遣社員の首切りがトヨタなど自動車、電機などで相次いでいる。
アメリカみたいに公的支援を訴えるほどでもないが、この日のために、首切りしやすい制度を用意してきた。製造業派遣の解禁はじめ、労働法制の規制緩和だ。

むしろ、公的資金で救済するより、制度そのものを都合のいいように変えるほうが、実利は大きい。

この大企業の横暴な派遣首切りに対して、国会などで一番はっきりものを言っているのが共産党だろう。そこで、何言っているのか赤旗HPにあったので紹介する。(追記に掲載)





東京新聞 2008年11月24日
【社説】米ビッグ3救済 自国企業のためでなく

 米ビッグスリーの救済策が十二月へと先送りされた。これから再建計画というのでは当然だ。失業者の痛手を最小化する自国企業の支援にとどまらず、自由貿易体制の堅持も忘れてはならない。

 経営危機が深刻化する米自動車大手三社(ビッグスリー)の救済策をめぐる米議会の公聴会。ゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラーの首脳は再建計画どころか自らの経営責任にも触れることなく、資金繰り支援の懇請に時間を費やした。

 支援規模は民主党案のつなぎ融資二百五十億ドルと、既に決まっている環境対応車の研究開発費二百五十億ドルの計五百億ドル。いずれも公的資金だ。この救済案に共和党議員は「経営破綻(はたん)の時期を遅らせるにすぎない」とかみついた。民主党のペロシ下院議長もさすがに抗しきれなかったようだ。「経営計画を出さなければ資金も出せない」と採決を見送った。納税者の理解を得るためには当然だ。

 米自動車産業は一九七〇年代の石油危機でも経営難に陥っている。日欧が低燃費車に取り組んでいるのに、主力商品は相も変わらず燃料多消費の大型車。時代の要請からはずれた売れない車づくりが経営の屋台骨をぐらつかせた。

 日本はその巻き添えを受け、自主規制の名の下に対米輸出台数を抑え込まれた歴史がある。限りなく米国を利する保護貿易に近かった。形を変えた新たな保護策は何としてでも封じたい。

 米国は七〇年代を境に日本やドイツの急成長により、経済の機関車役を担ってきた製造業の競争力を著しく低下させた。そこで成長のエンジンを米国に比較優位のある金融部門へと切り替えている。

 ところが頼みの金融も米国発のサブプライムローン問題が世界景気を後退させ、米国内では住宅価格の急落で低所得者層が困窮にあえいでいる。自動車産業にさらに影響が及ぶと収入が安定している中間層も揺さぶられるだろう。

 オバマ次期米大統領は「自動車産業は米経済の中軸」と支援を鮮明にした。その必要性は理解できるが、政策失敗の逃げ道を外資系企業を排除して自国企業を優遇する保護策に求めるべきではない。自由競争のルールを逸脱すればモノの動きが細って経済を縮小させる。三〇年代の世界恐慌で得た教訓だ。

 審議再開にあたり、米議会は自国企業の利益ばかりに目を奪われず、世界経済にも広く目配りした救済策をまとめてほしい。

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2008-11-24(Mon)

温暖化防止、総量削減20年目標決め米も変化 さあ日本はどうする


世界から置いてきぼりされる日本

温暖化防止対策に背を向けてきたアメリカで、オバマ大統領の誕生により、政策が180度転換する。

ところが日本は、

 総量削減の20年をめどとした中期目標は定まっていない。

 目標設定の手段として「セクターごとの積み上げ」は、一連の国際会議で否定されている。

 排出量取引(キャップ・アンド・トレード(C&T))を日本は経団連と経産省の反対で導入していない。 ゆえに、日本は排出量取引に関する「国際炭素取引協定」(ICAP)に正式加盟できない。

 昨年度の日本の温暖化ガス排出量はその前の年度を2.3%上回った。
 京都議定書では90年比6%の削減が必要だが、逆に8.7%も上回った。

など、世界から取り残されつつある。これでいいのか日本!



日経新聞 2008年11月24日

社説1 温暖化防止、米の変化に日本の覚悟は(11/24)

 オバマ米次期大統領は、CO2など温暖化ガスの排出削減に背を向けてきたブッシュ現政権の政策を180度転換することを宣言した。増え続ける排出量を2020年には1990年レベルまで減らし、50年には90年比で80%を削減する。国が企業にキャップ(排出上限)を割り当て、達成の過不足分を市場で取引する排出量取引、キャップ・アンド・トレード(C&T)を連邦政府が導入する方針も明らかにした。

 米国の次期政権が具体的な総量削減の中期と長期の目標を明示し、排出量取引の導入も宣言したことで、日本の温暖化対策は本源的な問題を突きつけられた。日本政府は、50年に現状に比べて60―80%減という長期目標を決めたものの、京都議定書後の枠組み交渉でいま最大の焦点になっている20年をめどとした中期目標は定まっていない。

 今回、EU(20年に90年比20%減)に続いて、米国も90年比で0%という大甘の水準とはいえ、90年を基準年に中期目標を打ち出した。温暖化防止では周回遅れの米国にも日本は抜かれてしまった。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が先進国に求めているのは、20年までに90年比25―40%減である。科学の要請と経済社会の持続可能性を見極め、日本も早く合理的な目標を示すべきである。洞爺湖サミットなど一連の国際会議で、目標設定の手段としては明確に否定された「セクターごとの積み上げ」に固執しても、意味はない。

 日本は経団連と経産省の反対でC&Tを導入していない。試行的な取引も企業の自主参加と自主目標という不可思議な制度だ。キャップの無い制度は国際炭素市場とリンクしにくい。このままだと、日本は排出量取引に関する「国際炭素取引協定」(ICAP)に正式加盟できない唯一の先進国になってしまう。

 今月発表された昨年度の日本の温暖化ガス排出量はその前の年度を2.3%上回った。京都議定書では90年比6%の削減が必要だが、逆に8.7%も上回った。地震による原発の停止という要因もあるが、これはキャップを課さずに自主行動計画で進めてきた結果でもある。

 ブッシュ後は米国が方針を大転換し、米欧協調に中印などの新興国も絡んで、日本が置いてきぼりをくう可能性を、私たちは何度も指摘してきた。日本の環境技術力を生かすなら、国際社会には通じない、一部の業界団体のいう内向きの日本被害者論は、卒業するときである。幸い制度設計は緒に就いたばかりだ。


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2008-11-23(Sun)

マネー動乱 市場を破壊する激流

マネー動乱 市場を破壊する激流

マネー動乱 市場を破壊する激流

書名:マネー動乱 市場を破壊する激流 著者: 田村賢司
出版: 日本経済新聞出版社 発行年月:2008年10月
価格:1,890円(税込)

本の内容
忍び寄るさらなる激震!誰がこの怪物を生み出したのか?「日経ビジネス」ベテラン記者が、金融国家アメリカの断末魔を活写。

目次
序章 マネーが世界を揺るがす
第2章 液状化—米国中心システムが崩れだした
第3章 マネーの世紀—どん欲な資本移動が世界を変えた
第4章 金融国家—マネー帝国・米国の始まりと終わり
第5章 証券化—カネ余りが拡大し、バブルを生んだ
第6章 逆回転—崩落するドルバブル
第7章 崩落—マネーの激流が市場の常識を壊す
第8章 さらなる危機—クレジットと新興国バブルの終焉

著者情報
田村 賢司(タムラ ケンジ)
1958年生まれ。全国紙を経て88年に日経マグロウヒル(現・日経BP)入社。日経レストラン、日経ビジネス、日経ベンチャー、日系ネットトレーディング編集部などを経て、2002年から日経ビジネス編集委員。株式市場、企業財務、マクロ経済、税制、年金などが専門分野

※ セブンアンドワイ  http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32152448


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購入日 2008年10月28日 
読始日 2008年10月30日
読了日 2008年11月03日
<感想メモ>
 発売されてすぐに買って読んだのだが、すぐに理解できなかったので、もう一度読み直した。
 米金融崩壊の象徴となった9月15日のリーマン破綻やAIG経営不安、その後の米大手証券の救済合併や買収、それ以前にすでに兆候は現われていた。ブッシュ政権が、サブプライムローン破たん問題を解決できずに、フレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)やファニーメイ(連邦抵当金庫)への公的資金注入(最大22兆円)を9月初めに行ったが市場は反応しなかった、それだけ、金融システムの信用が崩壊している根の深さが感じ取れた。
 日本のバブル時に株や土地が右肩上がりが続き、誰も下落するなど思わなかったと聞くが、アメリカの土地・住宅神話はまさにバブルで、誰もそれを疑わなかった。その結果が今回の金融崩壊だが、深刻なのは、日本と違い、「証券化」技術が格段に「発展?」していたことだろう。サブプライム混入証券などが金融工学を駆使した金融デリバティブ商品として、トリプルAなどの格付けを得て、何の規制もなく世界中に販売された。バブルがはじけ、それを買った世界中の金融機関、機関投資家、個人投資家が、大量の不良債権を抱え込むことになった。米政権などの対策も効果を発揮しなかった。
 そして、株価が大暴落し、消費が冷え込みビック3をはじめ自動車、電機、精密機械など販売不振で経営不安が広がった。大量の失業者が発生し、将来不安が消費を一層冷え込ませる悪循環をに落ち込もうとしている。
 各国首脳は金融サミットを開催し、金融デリバティブなどが原因だとして、規制の方向を打ち出したももの、具体策はまだ明確ではない。金融崩壊の発生源となったアメリカのブッシュ政権は、新自由主義の立場に固執して、金融規制に消極的だ。
 このアメリカの一国金融覇権主義ともいえる立場が、金融不安のおおもとにあるというのも、本書で理解でいた点だ。ドルを世界の基軸通貨として押し広げ、力の拡張、メリットの最大限の享受を続けようというのがアメリカの戦後60年の歴史だった。さらに、日本と違い、投資が国民の中に根付いていることもアメリカという国の特徴だ。
 そんなアメリカに追随・いいなりの日本の政権が、アメリカ型新自由主義経済を模倣しようとしてきた誤りは、今や明白だ。なのに、麻生総理は、その反省どころか、「日本の経験が役立つ」などと言っている。EUや新興国からも浮いた存在、アメリッポンぶりを発揮している。
 いろんな金融不安に絡む本が書店に並んでいるが、客観的なスタンスで事実を追った書として一読するのもいいかも。
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2008-11-23(Sun)

際限ない高速道路建設に歯止めがかかるのか 見直しできるか

道路計画の交通需要推計、計画の可否判断基準 見直し 26日示す

道路財源一般化の国会議論の中で、高速道路建設計画の根拠が厳しく問われた。
将来交通需要推計が大きめに設定されている。
費用対効果(B/C)は、便益が大きく見積もりすぎだ。
高速の事業着工を国会にもかけず、道路局長の決裁で進めている。・・・などなど

「国交省の顧問弁護士」といわれた当時の冬柴大臣は、身内の議員からも苦情が寄せられ、見直しを約束した。
その作業が社会資本整備審議会道路分科会で、年内策定を目途に進んでいる。

同分科会の第26回基本政策部会が、26日に開催され、大まかな方向性が出される。
見直しの内容は、以下の4つについて。
 ○将来交通需要推計
  「道路の将来交通需要推計の考え方(案)」はすでにHPに出ている。
  URL : http://www.mlit.go.jp/road/press/press08/20081114/oubo.html
 ○道路事業の評価手法の見直し
 ○新たな中期計画の策定に向けて
 ○高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きのあり方

この見直しが、従来の高速道路計画を抜本的に改めるものになるだろうか。
答えは、否。
なぜなら、必要な道路整備を進めるとして、高規格幹線道路14000kmなどの計画を推し進めているからだ。
従来の交通需要推計で採算性の低い事業とされた822kmは、国の直轄高速として、全額税金でつくる仕組みがある。
3本も並行した高速はいらないと疑問視された第二名神(新名神)の「抜本的見直し区間」は、西日本高速道路会社につくらせる気だ。

際限なく高速道路をつくる方針をそのままにしている以上、抜本的な見直しはすすまない。
つまり、14000kmと約7000km(地域高規格道路)の高速道路計画をいったん凍結し、中止したり、先送りしたりすることができるかどうか。
道路特定財源の一般財源化を効果のあるものにするためには、ここまで踏み込む必要がある。



毎日新聞 2008年11月22日 東京夕刊
自動車交通量:30年まで横ばい 道路需要推計を下方修正--国交省方針

 国土交通省は、将来の自動車交通量(道路交通需要)について、2020年まで交通量が増え続けるとした従来の推計を下方修正する。30年までほぼ横ばいが続くとし、道路事業の費用対効果の計算方法も従来より厳しくする。無駄が多いと批判されている道路整備の見直しにつながりそうだ。

 交通量は、全国の自動車台数に年間走行距離を乗じて算出する「台キロ」で示される。02年の従来推計は交通量を、00年の7760億台キロから20年に8680億台キロまで増え、その後緩やかに減るとしていた。しかし、国会審議などで「近年の交通量減少を反映しておらず、数値が大きすぎる」と指摘されたため、05年の道路交通センサスなど新しいデータを使い計算し直した。

 この結果、(1)人口の減少ペースが従来推計より速い(2)利用距離の短い軽自動車の割合が増えている(3)貨物輸送量が減少傾向にある--などの減少要因が加わり、従来推計より低い数値が出る見通しになった。

 ただ、免許保有者数が今後も増えると予想されることなどから、現状(06年=7636億台キロ)からの増減は少ないと見込む。正式な推計値は26日に公表する。

 一方、費用対効果は、道路整備による便益(走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少)を費用(事業費と維持管理費)で割って算出する。新規路線は、この数値が1を上回った場合に建設できる。ただ、従来の計算方法に対し「便益を大きく見積もりすぎ」との批判があることから、今回は時間短縮のメリットとして算入する平均賃金を引き下げるなどの見直しをする。新しい計算方法では便益が低めに出るため、建設を認められない新規路線も出てきそうだ。

 交通量の推計と費用対効果の計算方法は、国交省が12月上旬をめどに策定する新しい道路整備中期計画(5年間)でも参考にされる。【位川一郎】



日経新聞 2008年11月22日
道路整備、厳格に判断   国交省可否の基準見直しへ

 国土交通省は道路整備計画の可否を判断する基準を厳しくする方針を固めた。いまは「時間の短縮など道路を整備したことで得られる便益」が「道路整備や維持に必要な費用」を上回るかどうかを基準としている。国会で「根拠が甘すぎる」との批判を受け見直しを進めていた。二十五日の有識者検討委員会で決定する。

 便益は道路整備で①走行時間が短くなるか②経費を減らせるか③交通事故を減らせるか――の三項目で算定。走行時間の便益は浮いた時間に働いて得られる賃金で計算するが、従来は大企業の正社員の時給(約二千八百円)を基準にしていた。今後はアルバイトや小企業の社員も計算に含める。

 経費減効果は余った時間、車から得られる収益が基準。これまでは余った時間分、車を貸し出したと仮定し、割高なレンタカー料金で計算していた。今後は車の減価償却費を基準に改める。



日経新聞 2008年11月16日
道路需要の予測引き下げ 国交省方針、整備計画に影響

 国土交通省は2008年度からの10年間で総額59兆円を投じる道路整備中期計画の改定に伴い、同計画の根拠となる道路需要の将来予測を引き下げる方針を固めた。計算の前提条件を見直し、少子化の進展や自動車保有台数の減少といった需要抑制要因も考慮するようにする。過大な需要予測を是正すれば、無駄な道路整備の圧縮につながりそうだ。

 有識者が参加する同省の「道路の将来交通需要推計に関する検討会」が21日、この前提条件を正式決定する。そのうえで同省が新たな将来予測を計算し、今月中に公表する予定だ。(07:00)


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社会資本整備審議会道路分科会 第26回基本政策部会の開催について
平成20年11月21日
1.会議日時 : 平成20年11月26日(水) 10:00~12:00
           ※ 傍聴・取材可。
              但し、カメラ撮りは冒頭のみ。
           ※ 資料・議事録については、会議後、道路IRサイトにて公開します。
2.場   所 : 国土交通省 11階 特別会議室
           (東京都千代田区霞が関2-1-3)
3.議   題 : 将来交通需要推計
           道路事業の評価手法の見直し
           新たな中期計画の策定に向けて
           高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きのあり方
添付資料
社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会 委員名簿(PDF ファイル)
お問い合わせ先
国土交通省 道路局 企画課 道路経済調査室 (議題について) 
TEL:(03)5253-8111 (内線37642)
国土交通省 道路局 総務課 (開催庶務関係について) 
TEL:(03)5253-8111 (内線37103)

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2008-11-22(Sat)

政権末期の症状 迷走首相  「指導者」失格は明白

「指導者の自覚ある発言を」を求めても無駄  指導者にふさわしくないのだから

麻生政権を擁護してきた産経新聞が、麻生首相に「指導者の自覚ある発言を」求めている。
「綸言(りんげん)汗の如(ごと)しである。一度口に出した君主の言は取り消すことはできない。生煮えの発言は混乱を広げ、信頼を傷つける。当然なことを指摘せざるを得ない。」と麻生氏をいさめている。

たとえ話として、麻生氏を「君主」とするならば、まさに「バカ殿」だ。
もちろんこの日本において、君主制・殿さま的な「指導者」はいらない。

さしもの産経新聞も、たまりかねたのだろう。
「麻生政権が発足してから2カ月しかたっていない。自民党存亡の危機感を共有して麻生総裁を選んだことを忘れてしまったのか」
と嘆き、 そして、「首相は指導者としての自覚を深め、早急に政権を立て直さなければならない。そうでなければ、政権交代を求める声が強まっていくだろう。」と叱咤する。

しかし、無理だろう。

国会内の身内の自民党からも、麻生総理」を、どう読むか。
麻生氏流に読むと「あほうそうり」だ。・・・なんて話が聞こえてくる。

でも、火中の栗を拾うような「変わりがいない」という声も・・・。

「迷走首相へ」と極めてまじめに意見を伝えようとしている東京新聞。えらい。
けれど、「バカ殿」には通じる可能性はほとんどない。

やはり、政権末期。ふさわしくない指導者には、即刻辞めてもらいましょう。





産経新聞 2008.11.22 03:48
【主張】麻生首相 指導者の自覚ある発言を
 麻生太郎政権のたがが外れてしまったのではないか。そんな印象を持たざるを得ないような首相発言の修正、撤回や閣内の不統一、さらには自民党との不協和音が表面化し始めている。
 こんな事態が続けば、首相の指導力への疑念が強まり、機能不全に陥りかねない。
 日本はいま、内政外交面で大きな懸案をいくつも抱えている。
 米国発の金融危機は実体経済に悪影響を与え始めており、どう食い止めるか。社会保障の負担と給付問題も早急な制度設計を必要としている。北朝鮮動向も不透明だ。北が弾道ミサイルに搭載できる小型核弾頭を開発している可能性に関し在韓米軍司令官は先月、「大きな懸念事項」と語った。
 与野党が党派を超えて対処しなければ、解決できない問題も少なくない。それが民主党の「政局至上主義」路線で望めない以上、政府・与党が一致結束して難題を一つ一つ片付けるしかない。
 だが、残念なことにそうなっているとは言い難い。直接の要因は首相に帰する。道路特定財源の一般財源化について、首相は19日、地方交付税として地方に回すことを明言したが、20日には「交付税でなくても構わない」と修正した。総額2兆円の定額給付金についても首相は「全世帯対象」から「高額所得者に辞退してもらう」などと変わった。
 綸言(りんげん)汗の如(ごと)しである。一度口に出した君主の言は取り消すことはできない。生煮えの発言は混乱を広げ、信頼を傷つける。当然なことを指摘せざるを得ない。
 首相は方針を示し、あとはプロに任せる手法という。これも21日、道路特定財源の使途について関係閣僚が異なる見解を示すなど混迷を深めた。内閣の調整機能に問題があることを示しており、統治力が問われかねない。
 自民党の対応も疑問である。道路族からは首相の発言をあえて無視するような動きが出ている。政権末期のような受け止め方をする向きもあるようだ。麻生政権が発足してから2カ月しかたっていない。自民党存亡の危機感を共有して麻生総裁を選んだことを忘れてしまったのか。
 国民のための政治や国益を実現するために首相は指導者としての自覚を深め、早急に政権を立て直さなければならない。そうでなければ、政権交代を求める声が強まっていくだろう。


東京新聞 2008年11月22日
【編集局デスク】 迷走首相へ
 麻生首相の失言と迷走が止まらない。もはや「おっちょこちょい」では片付けられないほど深刻だ。
 医師不足に絡んで「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い」と発言。一夜で撤回し、日本医師会長に頭を下げた。
 道路特定財源の地方配分などをめぐる発言でも、自民党内から猛反発され、軌道修正を余儀なくされた。「『交付金』を『交付税』と読み間違えたのだろう」と皮肉られる始末。
 だが、この一連の失態は「頻繁」を「はんざつ」、「踏襲」を「ふしゅう」と読んだ愛嬌(あいきょう)のたぐいとは全く違う。自身の認識の披歴であり、政策の中身にかかわる言及だからだ。
 迷走の極みは、例の「定額給付金」である。
 首相は当初「全世帯に」と明言しながら、バラマキ批判を浴びるや「豊かな所に出す必要はない」。二転三転した揚げ句、所得制限を自治体に丸投げした。
 総額2兆円もかけるというのに、まるで腰が据わっておらず、無責任極まりない。丸投げについても平然と「地方分権ですから」。失言どころか暴言だ。
 もともと生活支援か景気浮揚か目的があいまいで、効果もはなはだ怪しい。案の定、世論調査では6割の人が「評価しない」「不要な政策」と答えている。
 本紙にも読者の皆さんから意見が寄せられている。もちろん「素直に喜ぶべきだ」との声もあるが、心打たれるのはこんな訴えだ。
 「私たち高齢者が求めているのは、2万円ほどのお金より、医療や介護が安心して受けられることです」と66歳の女性。
 「年金暮らし」と言う男性は「生活は苦しい。でも2兆円は子どもたちの教育費や医療費に使って。子どもは国の宝だから」。
 この国の今と未来を、誰よりも見据えなくてはならないのは、麻生首相、あなたではないですか。
 (名古屋本社編集局長・加藤 幹敏)
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2008-11-21(Fri)

金融サミット 「ひ弱な花(アメリッポン)」 米にしっぽ振りすり寄る麻生首相

「ドル基軸通貨体制を支える」としっぽを振って米追随

金融サミットについて何かもやもやしてた。
日経新聞のコラムにわかりやすく書かれていたので、紹介する。

「(外国の態度に比べ)、日本は相変わらず「ひ弱な花(アメリッポン)」だった。麻生首相は出発前に「ドル基軸通貨体制を支える」としっぽを振って擦り寄り、外交の交渉ゲームを台無しにした。「市場原理主義も規制強化もどちらも問題」と米欧の調整役を買って出る構えだが、米国の忠臣ぶりを見せつけた日本の言うことを誰が聞くだろうか。」




日経新聞 2008年11月21日
大機小機:金融サミットで見えた構図

金融サミットは想定内のブッシュ王朝最後の晩さん会で終わった。これからの長い道のりの始まりの意味では、何も決まらなかった博物館での討議よりも、前哨戦での駆け引きこそが見ものだった。

「危機の原因は規制緩和ではなく、新興国からの資金流入と低金利が重なったずさんな融資」。ニューヨークでこう演説したブッシュ米大統領は「成長が問題を解決し、成長の確実な道は自由市場資本主義だ」と会合を締めくくり、去りゆく指導者は最後まで反省の色を見せなかった。

金融サミットを「ブレトンウッズⅡ」と命名、第二次大戦後の世界秩序を協議した連合国通貨金融会議になぞらえたのはブラウン英首相だ。米国と共同でアングロサクソンによる支配の永続をもくろむ大英帝国の末裔(まつえい)の腹の底はまだ読めない。

 ドゴール以来の独自路線の伝統を守ったのはサルコジ仏大統領である。「もはやドルは唯一の基軸通貨ではない」と剛速球を投じて乗り込んだ欧州連合(EU)議長は「(米国が)規制強化の協議を受け入れたのは歴史的なこと」と終始高揚していた。

 近未来の経済大国を率いる胡錦濤中国国家主席は、五十七兆円の財政出動の公表で世界の大向こうをうならせ、悠揚迫らぬ存在感を示した。

 対照的なのは敵国ゆえ一九四四年のブレトンウッズは不参加だった日独の対応だ。

 メルケル独首相は寡黙だったが、規制強化の言行一致は際立っていた。フォルクスワーゲン株を空売りしたヘッジファンドをねじ伏せて大損失を負わせ、火事場泥棒的行為に鉄ついをくわえたドイツの意思は、何より強烈なメッセージだったといってよい。

 それに引き換え、日本は相変わらず「ひ弱な花(アメリッポン)」だった。麻生首相は出発前に「ドル基軸通貨体制を支える」としっぽを振って擦り寄り、外交の交渉ゲームを台無しにした。「市場原理主義も規制強化もどちらも問題」と米欧の調整役を買って出る構えだが、米国の忠臣ぶりを見せつけた日本の言うことを誰が聞くだろうか。

 問題はシカゴから距離を置いて見守っていたオバマ次期米大統領が何を考えているかだ。百年に一度の経済危機を前に、世界は歴史的なパラダイム転換を迎えつつある。新大統領の下での米国の変化を見据えて戦略を練り、いかに国益を守るか。想像力の貧困な外交は国を誤る。(渾沌)



★「ひ弱な花(アメリッポン)」てなんのことか調べてみた。

ズビグネフ・ブレジンスキーの著書「ひよわな花・日本――日本大国論批判」に「アメリッポン [Amerippon]= America + Nippon。」というのがあるらしい。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によると)

◆ズビグネフ・ブレジンスキー(ズビグニェフ・ブジェジニスキ)(Zbigniew Kazimierz Brzeziński, 1928年3月28日 - )は、ポーランド出身の政治学者、戦略家。カーター政権時の国家安全保障担当大統領補佐官。 日本に対しては属国意識を持ち、日本を米国の被保護国と呼ぶ。日本がアジアの大国になることは「不可能」であり、日本はひたすら経済成長に力を注ぎ、その経済力でアメリカに貢ぎ使ってもらう存在になるべきだと説く。
<著書>
The Fragile Blossom: Crisis and Change in Japan, (Harper and Row, 1972).
大朏人一訳『ひよわな花・日本――日本大国論批判』(サイマル出版会, 1972年)


◆「アメリッポン」については、エルニーニョ深沢(ElNino Fukazawa)氏によると 
http://www5e.biglobe.ne.jp/~elnino/Folder_Opinions/Folder_General/Op_USH_America.htm

「アメリカが嚏(くしゃみ)をすればニッポンは風邪を引く」状態をアメリッポン(Amerippon)と呼ぶらしい。

-------ズビグニュー・ブレジンスキー教授の言う「アメリカとニッポンの間の新しい連帯関係」。21世紀に掛けての国際的な秩序と安定を約束する中枢的な地政学的戦略関係。<出典:「現代用語の基礎知識(1999年版)>
 補足すると、1988年の氏の論文で初めて使われ、「新しい連帯関係」の実態は日米安保条約が規定する日米二国間の”主従関係”、即ち「米主日従」をより具体的に述べたもので「軍事大国アメリカが世界戦略を主導するので経済大国日本は経済で貢献し軍事費を負担せよ」という内容です。つまり「アメリッポン」とは「日本人は貧乏を甘受しアメリカ人の為に働け!」をジョークで表現した言葉です。------------だそうだ。

 

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2008-11-20(Thu)

巨大投資銀行(バルジブラケット) 上  下/ 黒木亮著


"リーマン・ショック"は予見できたか!?投資銀行の全てを描く本格経済小説!
巨大投資銀行(バルジブラケット) 上  下

巨大投資銀行(バルジブラケット) 上 巨大投資銀行(バルジブラケット) 下

書名:巨大投資銀行(バルジブラケット) 上 下
著者:黒木亮
出版:角川文庫  発行年月 2008年10月
価格:上巻 820円 下巻820円 (税込)

本の内容
"リーマン・ショック"は予見できたか!?投資銀行の全てを描く本格経済小説!
☆上巻
狂熱の80年代なかば、米国の投資銀行は最先端の金融技術を駆使し、莫大な利益を稼ぎ出していた。旧態依然とした邦銀を飛び出してウォール街の投資銀行に身を投じた桂木は、変化にとまどいながらも成長を重ねる。一匹狼の日本人起業家に翻弄されながら進めてきた買収案件に調印する寸前、世界を揺るがす金融不安が…。虚々実々の駆け引きから、複雑な取引の仕組みまで、投資銀行業務をガラス張りにした経済小説の金字塔。

☆下巻
ウォール街での実績を買われた桂木は東京のM&Aチームに移り、多くの買収案件を成功に導く。一方、“伝説のトレーダー”ソロモンの竜神宗一は、金融工学を駆使して日本の証券市場に旋風を巻き起こす。バブル崩壊後、危険なデリバティブ商品が横行する中、米国投資銀行の幹部となった桂木は、一つの志を抱き、新たな世界へと転進する。世界金融の激変期を、圧倒的なリアリティと迫真の筆致で描ききった、俊英の代表作。

著者情報
黒木 亮(クロキ リョウ)
1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資、プロジェクト・ファイナンス、航空機ファイナンス、貿易金融など数多くの案件を手がける。2000年、『トップ・レフト』でデビュー。英国在住

※セブンアンドワイより http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32129882
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購入日 2008年11月05日 
読始日 2008年11月05日
読了日 2008年11月19日
<感想メモ>
 "リーマン・ショック"は予見できたか!?投資銀行の全てを描く本格経済小説!・・・このコピーにつられて読んだ。「トップレフト」を以前読んだことがあり、面白かったので作者は知っていた。確かに、巨大投資銀行とは何ぞや、というのが良く分かる。お勧め本だ。
 投資銀行がどういう仕事をしているのか、裁定取引など金融工学を駆使したディールでいかに儲けを生み出すか、M&Aなど一種のアドバイザー・コンサルタントの手数料でいかに儲けるか、そのノウハウが蓄積された米国を中心にした投資銀行(外資)と日本の銀行のその分野での稚拙さが良く分かる。加えて、80年代の中頃から主人公の仕事ぶりを通して金融の歴史が整理されているのもためになった。
 日本のバブルが始まったころから、90年のバブル崩壊の時期、日本の金融危機の時代を経て、小泉構造改革へとすすむ時代背景が事実として描かれている。バブルとともに金融デリバティブ商品が膨れ上がり、バブル崩壊とともに、それらが不良債権となって増大し、銀行も企業も経営危機に追い込まれる。不良債権を隠したり、隠ぺいするために、あるいは、損失を取り戻すために、投機的商品(サギ的なものも含め)にして販売すれば、それが売れ、傷口をさらに広げる。これこそが「資本主義の本質」という姿が良く理解できる。
 〝リーマン・ショック″でウォール街の荒廃がクローズアップされたが、住宅バブルに浮かれ、サブプライムローンなど金融証券化商品が世界中にばらまかれた結果、バブルが崩壊し、金融危機を招くことになったのは資本主義の必然と言えば言えるかもしれない。
 先週の金融サミットで、金融デリバティブなど投機的な金融取引を規制しようという方向に動いているようだが、具体的にどこまで踏み込むのかはっきりしない。麻生総理が表明したのは、ドル基軸体制を守るため10兆円をIMFに融資するというアメリカへのおべんちゃら使いだけだった。漫画ばかり読んでないで、本書でも読んで、金融の実態について学んだらどうか、総理殿。
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2008-11-20(Thu)

迷走発言つづく 麻生総理 道路財源一般化

一日で変わる 「交付税」 「交付税でなくてもいい」 迷走

なんともはや、末期状態だね。
昨日と今日の発言 以下のとおり。





(今日の発言)
時事通信(2008/11/20-13:47)
1兆円、交付税にこだわらぬ=道路財源で発言を修正-麻生首相
 麻生太郎首相は20日昼、道路特定財源の一般財源化に伴う地方への配分総額を1兆3000億円超とし、うち1兆円を使途が限定されない地方交付税とするとした自身の発言について「地方が自由に使える1兆円という話をした。自由に使えるのであれば何だっていい」と述べた。地方交付税にはこだわらず、特例交付金としての配分も検討する考えを示したものとみられる。首相官邸で記者団に語った。
 いずれも、使途は制限されないが、地方交付税は毎年度恒常的に配分され、特例交付金は年度を限定して支給することができる違いがある。首相は19日の全国知事会議で、地方への配分額を「現在の1兆3000億円より増やす」と表明。この後、記者団に「交付税として1兆円だ」と明言していた。

2008/11/20 14:00 【共同通信】
交付税でなくてもいいと首相 一般財源化で配分の1兆円 
 麻生太郎首相は20日昼、来年度の道路特定財源の一般財源化に伴い地方に渡す1兆円の配分方法について「自由に使えるなら何でもいい。交付税でなくても構わない」と述べ、自治体が自由に使えるならば地方交付税にこだわらない考えを示した。官邸で記者団の質問に答えた。
 首相は19日には「地方交付税として自由に使える金が1兆(円)」として、配分は地方交付税にすると明言していた。自民党内の「道路建設に支障が出る」とする反発に配慮した可能性があるが、わずか1日での方針転換には「迷走」との批判が出そうだ。
 首相は記者団に「交付金、補助金では(現状と)変わらないんじゃないか。裏で縛ってるのは駄目だ」と強調した。

産経新聞 2008.11.20 14:44
【麻生首相ぶら下がり詳報】道路財源一般化「自由に使えるならなんでもいい」(20日昼)
 【1兆円交付税化】 
 --(道路財源一般化に伴い1兆円を地方交付税として分配するとの発言で)自民党道路調査会では批判が出ている。地方交付金と地方交付税を言い間違えたのではないか、と。
 「地方が自由に使える金が1兆円あればいい、道路にしか使っちゃいけない交付金、補助金じゃ変わんねぇじゃないか。地方が自由に使えるお金が1兆円といっている。地方が自由に使えるならなんでもいい」
 --地方交付税でなくてもいい、と。
 「交付税じゃなくても別にかまいません。なんでもいい。ただ、うらでしばっていない(使い方が特定されていない)ヤツじゃないとだめ。ちゃんと(情報の)ウラを洗いきらないで聞いちゃだめ。今だって交付金って書いてあるだろう。わかっている?わかっていない顔している」

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(昨日の発言)
朝日新聞 2008年11月19日21時32分
道路財源の地方配分「1.3兆円以上」 首相が表明
 麻生首相は19日、道路特定財源の一般財源化に伴い、国から地方への新たな配分総額を、現行水準の1兆3千億円以上とし、そのうち1兆円は地方交付税として配分する考えを表明した。交付税にすれば使途を縛られず、道路整備以外に使えるようになる。公共事業に使途を限定した交付金にするつもりだった道路族などが強く反発しそうだ。
 首相は19日の全国知事会議で「現在の地方の取り分の1兆3千億円よりは増やさなければならない」と発言。地方への配分を、道路特定財源から現在出ている地方道路整備臨時交付金(約7千億円)と補助金(約6千億円)の合計額以上にすると約束した。
 さらに首相は同日夜、先月末の会見で「1兆円を地方に配分する」と語った趣旨について「地方交付税として自由に使える金が1兆。ただ(交付金)7千億と(補助金)6千億を削って、地方の取り分が3千億減りました、というのはだめだ」と説明した。

毎日新聞 2008年11月20日 1時48分
一般財源化分:1兆円は地方交付税に
 麻生太郎首相は19日、09年度に道路特定財源の一般財源化に伴い、地方が確保する財源を1兆3000億円以上とし、うち1兆円は地方が自由に使える地方交付税とする方針を固めた。ただし現在の地方分である地方道路整備臨時交付金(約7000億円)と国庫補助金(約6000億円)の扱いは言及しなかった。自民党の道路族議員は、1兆円は道路整備などの公共事業に充てるべきだと主張しており、首相の方針に反発が出そうだ。
 同日に首相官邸で開かれた全国都道府県知事会議で首相は「地方が自由に使える金が1兆円だ」と明言した。地方分は「現在の1兆3000億円よりは増やさなければならない」と述べた。
 首相は同日夜、「交付金って何でも使えそうに見えるが、ウソだから。道路にしか使えない交付金なんておかしい。総務相の時から『おかしいなー』と思っていた」と述べ、「(地方が)使いやすい交付税として1兆円を僕は言った」と述べた。首相官邸で記者団に語った。
 地方に配分するとした1兆3000億円以上のうち、地方交付税となる1兆円以外の3000億円以上の財源や使途を首相が明言しなかったため、主管官庁の総務省も「意図が不明だ」(幹部)と困惑している。これまで地方分1兆3000億円はすべて道路建設に向けられており、道路族議員は別枠で道路財源を要求しそうだ。【石川貴教】

日経新聞 2008年11月20日 
首相「地方に1.3兆円以上」 交付金・補助金分を振り替え
 麻生太郎首相は19日、道路特定財源のうち少なくとも1兆3000億円を使途を限定せず、地方が自由に使える財源として移譲する方針を明らかにした。内訳は地方に回っている道路整備向けの交付金7000億円と補助金6000億円。ただ、首相は地方が自由に使えるお金についてそこからどの程度上積みするかは示しておらず、今後議論になる可能性もある。
 追加経済対策で表明した「地方に1兆円」の意味合いについて首相は「地方交付税として自由に使えるカネが1兆円。それはずっと同じだ」と言明。その上で、地方が自由に使える金額の総額は現状の1兆3000億円を下回らない金額とした。(07:01)

毎日 2008年11月19日
首相VS記者団 11月19日午後6時17分~ 
◇道路特定財源一般財源化
Q 道路特定財源の問題ですが、今日の全国知事会の中で、地方の取り分は今、1兆3千億円だとおっしゃいました。
A そうです。
Q その分より増やさなければならないとおっしゃったと思うが。
A ちょっと、もうちょとね、きちんとその整理してね、多分分かってないんだと思う。分かっていない人の方が多いんだろうと思うけれども。道路特定財源のうちから地方の取り分としては、今、現在ですよ。交付金という名前でいくらいっている?
Q 7000億円です。
A 補助金で?
Q 6000億です。
A 足して1兆3千億円、ね。これがすべての答えですよ。地方交付としていわゆる交付金と言ったって、そりゃ本当の交付金じゃないんだから、それは。聞こえがいいよ。交付金って、何でも使えそうに見えるけれどもうそだからそらぁ。そらぁ、道路にしか使えない交付金なんておかしいじゃないの、そんなの。だから、これは総務大臣の時から「おかしいなあ」と、なんでこんなのに交付金という名前が付いてるんだろうなと。僕は思っていましたよ。だから少なくとも、今回、地方が交付税として、使いやすい交付税として1兆円ということを僕は言ったんであって、それが1兆3千億のほうが消えて。分かる?それが消えて、1兆3千億が1兆円に減るか、のごとき話にする人もいるだろ?
Q そうですね。
A ね?そりゃない。ね?だから1兆3千億を下回ることはない。分かる?そういう、そういう意味ですよ。するとまた1兆という記憶しかないから、そんなこと言うんだけど。
Q 1兆3千億というのは、地方交付税として1兆3千億円以上……。
A 地方交付税として自由に使える金が1兆、僕が最初から言っている金が1兆。そりゃずっと同じです。ただこっちのやつ、7千億と6千億を削って、いつの間にか気が付いて見たら地方の取り分が3千億減りましたなんてのはダメだと。
Q 3千億は地方の道路の整備費用。
A ああそれは道路の整備費用でもいいでしょうし、要は考え方ですよ、そりゃ。ただ少なくとも地方が自由に使えるというものが基本として、まあ地方はほとんど道路に使うんだって!正直言うけれども。だけど、使いますけれども、自由に使った、自分でつかう道路と、言われて使う道路とじゃあ、意味が違うでしょうが、全然。だから1兆円というのは、地方交付税として1兆円というのが、もうずーっと一貫して言っていることであって、何とか気が付いてみたら、勝手なこと言って、みんな、いきなり、だったら、この1兆3千億を削るみたいな話をしているやつがいるからさぁ、「なぁーにを考えてんだ」っていう話をしたんで、今度はこっちはこっちで勝手にやって、いやその1兆3千億プラスの1兆みたいな話になるから、「じゃあ2兆3千億」って話になるから、ちょっとそれも違うんじゃないのと。まあ今からいろいろ出ますけれども、僕の言っているのは、地方が自由に使える交付税として1兆を、したがって今の1兆3千億というあれを下回ることはないと、そう言う意味です。
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2008-11-19(Wed)

道路財源一般化 核心抜きの迷走 高速道路つくりづづけるのかどうか

一般財源化議論 利害絡み着地点見えないが 

・・・財源の奪い合いにとどまり、「必要な道路とは何か」の議論が置き去りにされる懸念もある
毎日新聞が指摘するとおり、問題の核心部分が置き去りにされたままだ。

前にも書いたが、核心は、道路予算の4割超をしめる高速道路網を計画通りつなぐかどうか。
際限のない高速道路を造り続けるのかどうかだ。

この議論を抜きに本質は見えてこない。




毎日新聞 2008年11月19日 20時56分
09税・財政:道路財源一般化 利害交錯し着地点見えず

 ガソリン税などの道路特定財源を、道路建設以外にも使えるようにする一般財源化の枠組みの検討が本格化してきた。税金の無駄遣いを排除し「真に必要」な使途に振り向けることを目的とした一般財源化だが、省庁や政党、自治体、自動車ユーザーなどの利害が絡み、着地点はまだ見えない。財源の奪い合いにとどまり、「必要な道路とは何か」の議論が置き去りにされる懸念もある。【位川一郎、三沢耕平、太田圭介】

 道路特定財源の一般財源化は、福田前政権の今年5月に09年度から実施することが閣議決定された。その際、(1)暫定税率の扱いは年末の税制改正時に検討する(2)地方財政に影響を及ぼさない(3)必要な道路は整備する(4)5年間の新しい道路整備中期計画をつくる--などの方針も決まった。

 政府・与党は年末の09年度予算編成前に、こうした課題を処理しなければならない。暫定税率については自民党税制調査会、地方の道路整備費などについては同党のプロジェクトチーム(PT、座長・谷垣禎一元国土交通相)が中心になって検討。新たな中期計画は国交省がつくる。

 しかし、総務省が一部を地方交付税増額に回すよう主張するのに対し、自民党道路族や国交省は一般財源化されても道路整備費を確保する仕組みの維持を目指すなど、財源の奪い合いが早くもし烈化。地方自治体は、道路予算を確保した上で自由に使える財源も希望している。

 一般財源化されると、最終的な道路整備費は他の公共事業と同様に毎年の予算編成で決まるが、地方を中心に道路整備の要望は強く、「現実には総額は大きく減らせない」(財務省幹部)との見方もある。

 ◇「地方への1兆円」も焦点
 一般財源化の議論で注目されたのが、麻生太郎首相が表明した「地方への1兆円」の仕組み。総務省が使途を縛らない地方交付税の形で1兆円を配分するよう求めたのに対し、国交省などは地方道路整備臨時交付金(年約7000億円)のように使い道を道路に限定した財源を1兆円の中に残すよう主張した。

 麻生首相は19日、「地方が自由に使えるのが1兆円」と発言し、地方交付税の方式にする考えを示した。ただ、その場合に臨時交付金の7000億円分をどんな形で維持するか、国の直轄事業費や補助金を削るのかなど、具体的な制度設計をめぐってはなお論議が続きそうだ。

 ガソリン税などの暫定税率を維持するかも焦点。日本自動車連盟(JAF)など自動車関連の23団体は19日、東京都内で総決起大会を開き、「一般財源化するなら、課税根拠を失う自動車諸税は廃止すべきだ」(青木哲・日本自動車工業会会長)などと訴えた。また、公明党は自動車重量税の引き下げを主張しているが、自民党は税収減につながる暫定税率の廃止や軽減に慎重論が強い。

 道路整備中期計画は12月上旬ごろにつくられる見通しだが、計画では総事業費が示されないため、道路建設予算が毎年どのぐらい必要かの判断基準にはなりにくい。基幹道路網の整備、渋滞解消、交通事故削減などの目標項目を掲げる予定だが、項目相互の優先順位ははっきりしない可能性もある。自民党でも、幹線道路と生活道路の比率をどうするかといった議論はほとんど行われていないのが実情だ。

 ◇道路無関係、わずか6%
 道路特定財源の一般財源化方針は小泉政権が01年に表明。安倍政権にも引き継がれたが、与党の抵抗などから08年度予算では道路整備費など道路関連予算を上回る分(1927億円)だけを部分的に一般財源化している。

 08年度当初予算では、国の道路特定財源は約3兆3300億円。このうち1兆4600億円は国が道路整備を計画する直轄事業に充てられ、1兆2000億円は「地方道路整備臨時交付金」や「補助金」の名目で地方が主導して計画する道路整備に回る。

 このほか、高速道路料金引き下げ(約1500億円)や地方の公共事業を支援する「まちづくり交付金」などにも使われ、道路とは直接関係しない一般財源化分は特定財源全体の6%に過ぎない。【清水憲司】

 【ことば】道路特定財源

 戦後立ち遅れていた道路整備を自動車利用者の負担で加速させるため1954年に導入され、受益者負担の原則で自動車ユーザーに負担を求める代わりに、使途を道路整備に限ってきた。国の道路特定財源は揮発油(ガソリン)税、自動車重量税、石油ガス税。地方の道路特定財源には軽油引取税や自動車取得税がある。74年には石油危機を背景に、揮発油税などに暫定税率が上乗せされた。08年度当初予算では国税3.3兆円、地方税2.1兆円。



朝日新聞 2008年11月18日2時31分
道路整備費、総額示さず 中期計画で国交省方針

 国土交通省は、年末の公表に向け策定を進めている「道路整備中期計画」に、事業費を盛り込まない方針を固めた。道路特定財源の一般財源化に伴い、「示す必要がなくなった」というのが理由だ。ただ、金額を示さないことで、巨大道路事業への批判をかわす狙いもありそうだ。

 政府は昨年末、08年度から10年間で最大59兆円の道路整備を行う中期計画を公表。しかし、年明けの通常国会で、道路特定財源の無駄遣いが次々判明。計画策定の根拠となっていた「交通需要推計」もデータが古く、需要が過大だと批判を受けた。このため当時の福田首相は計画を5年間に短縮したうえで年末までに作り直すよう指示していた。

 金子国交相は12日の衆院国土交通委員会で「今度は数字は入らない」と発言。自民党側も、14日の党道路調査会で山本有二会長が「今回の計画は事業費より、基幹道路(を造るの)か、生活道を造るのか、何をするかの方が重要だ」とし、事業費にはこだわらない方針を表明した。

 これまで中期計画に事業費を盛り込んできたのは、5年ごとに期限が切れる道路特定財源の暫定税率を維持する目的が強かった。「事業費がこれだけかかるので暫定税率の維持が必要」とアピールする狙いだ。だが、09年度から道路特定財源を一般財源化する方針が閣議で決まり、道路整備と財源の関連は希薄になった。暫定税率維持の理由を将来の道路事業費に求める必要性がなくなったと判断した。

 国交省は、河川や港湾などの他の公共事業についても5年ごとの事業計画を作っているが、いずれも事業費は示していない。特定財源が無くなることで、道路も他の公共事業と同じ扱いになる。

 今後の道路事業費は年度ごとの予算編成で決定される。ただ、中期的な総事業費が示されないことで事業費の巨額さや無駄を検証しにくくなる。また道路特定財源が中長期的にどれぐらい余り、医療や福祉に回せるかも見通しにくくなる。(座小田英史)


朝日新聞 2008年11月18日3時2分
「1兆円」公共事業限定の交付金で地方へ 自民PT調整

 道路特定財源の一般財源化に伴って1兆円を地方に回すとした麻生首相の指示をめぐり、自民党のプロジェクトチーム(PT、谷垣禎一座長)は、道路整備も含めた公共事業に使い道を限定した交付金を創設し、地方に配分する案をとりまとめる方向で調整に入った。12月上旬に結論を出す方針だ。

 首相は7日、一般財源化された道路財源の地方配分について、「自由に使える地方へのカネが増えることが基本だ」と述べ、使途を限定しない考えを示した。首相指示については、現在の臨時交付金7千億円を含めた総額なのか、別に1兆円の新たな枠を設けるのかでも、政府・与党内で意見が分かれており、最終決着まで迷走しそうだ。

 現在、道路特定財源のうち3.3兆円は国、2.1兆円が地方の税収。国の税収のうち、地方の道路整備に充てる地方道路整備臨時交付金7千億円と補助金6千億円が地方に回されている。

 国交省は「一般財源化されると、臨時交付金という仕組みはなくなる」(金子国交相)として、地方に配分されるのはあくまでも総額1兆円と主張。一方、総務省は1兆円の別枠を設けたうえで、財源不足の自治体に手厚く配分され、使途が限定されない「交付税」を想定している。

 PT内では「交付税にすると自治体の借金返済に充てられ、地域活性化につながらない」(幹部)などの意見が出ていた。PTでは交付金とした場合、国交省の裁量で配分できる予算ではなく、地域活性化を担当する内閣府の予算とする案も検討されている。
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2008-11-19(Wed)

大戸川ダム 国交省の見直し対象外? 4知事意見無視か!

「4知事意見反映せぬ」  近畿整備局長 巻き返し激烈
大戸川ダムを河川整備計画に位置付けるべきではない、と4知事が意見表明したあと、
国交大臣は、「今の手続きに、どこか問題があるのか、財政負担のあり方をどう考えるのか。見直してみるべき」と、発言。
ところが、その中で、川辺川ダムや大戸川ダムはその見直しには間に合わない、と消極的だった。

それに対し、滋賀県知事が、淀川水系も見直しの対象に入れるべきだと言った。
当然だ。

国交大臣の見直し発言は、この間のダム建設手続きに対する批判が高まっているので、問題があればその部分を見直して、ダム建設に対する批判を和らげようという趣旨だろう。
「ダム建設ありき」を根本的に見直そうというものではない。

だから、大戸川ダムなどは見直し作業の対象に、間に合わないなど平気で発言する。

問題は、間に合わないかどうかではない。
改正河川法の手続きを無視するのかどうか、が問われている。

知事意見は、河川整備計画を策定する法的手続きの一つだ。
その意見を、「間に合わない」などと見直し対象にしないなら、法手続きを無視するということだ。

その兆候は、近畿地方整備局長が、滋賀県自民党会派に、知事の意見は反映しない意向を説明していることにあらわれている。
それを、ダム推進派が巻き返しに躍起になって応援している。

近畿整備局は、河川整備計策定の法的手続きを再び無視つもりのようだ。
淀川流域委員会の最終意見を聞かず無視し、見切り発車したことにつづく、知事意見の無視。

国交省が所管法律を無視、ないがしろにして整備計画を策定しようとしている。
これが、今の局面だ。
こんな暴挙を許してはいけない。抗議の声をあげよう!





毎日新聞 2008年11月19日 地方版
淀川水系ダム問題:計画見直し「淀川水系にも対応を」 知事、国交相発言に /滋賀
 ダム建設計画の見直しに言及した金子一義・国交相の発言について、嘉田由紀子知事は18日の定例会見で、「淀川水系にも対応していただきたい」などと述べた。これは滋賀、京都、大阪、三重の4知事が「整備計画に位置づける必要はない」と凍結要望を決めた大戸川ダム(大津市)も見直しの対象とするよう求めたものだ。
 金子国交相は14日の閣議後の会見で「今の手続きに、どこか問題があるのか、財政負担のあり方をどう考えるのか。見直してみるべき」と発言。しかし、大戸川ダムの見直しには消極的な発言もしていた。
 また、4知事の共同見解に反し、国が整備計画に位置づける場合について、嘉田知事は「首尾一貫した対応が必要。位置づけないとしたのだから貫くことが必要」と明言。大戸川の治水対策については▽土砂堆積のしゅんせつ▽河道内の木の伐採▽堤防の部分補強--を柱に挙げ、来年度中に計画を作る意向を示した。【服部正法】

Kyoto Shimbun 2008年11月19日(水)
滋賀県、負担金拒否も  大戸川ダムで嘉田知事 計画に盛るなら
 滋賀県の嘉田由紀子知事は18日の定例会見で、大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)建設の中止を求めるとした4府県知事の共同意見に反して国が河川整備計画に建設を盛り込んだ場合、「『計画に位置付ける必要がない』との方針を貫く」と、知事意見を反映させるよう強く訴える姿勢を示し、国へのダム事業費の負担金支払いを拒否する可能性も否定しなかった。
 会見で嘉田知事は、国がダム建設を計画に位置付けた場合の対応について、「『位置付けない』と要望したのだから、4府県と連携して首尾一貫した対応が必要」と強調。ダム事業にかかる残り約4億円の直轄負担金の支払いについても、「4府県で相談しないといけない」と支払い拒否を否定しなかった。
 また、金子一義国土交通相がダム整備の在り方の見直しを指示しながら、大戸川ダムを検討対象に加えることに難色を示していることについても、「淀川水系も含めて考えてもらいたい」と求めた。


(2008年11月19日 読売新聞)
大戸川ダム撤回共同意見の尊重要請 県意見書 概要判明 議会同意後整備局へ
 国土交通省近畿地方整備局が策定した琵琶湖・淀川水系の河川整備計画案に対し、嘉田知事が整備局に提出する知事意見書案の概要が判明した。滋賀、京都、大阪、三重の4府県知事は大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)建設の白紙撤回を求める共同意見を表明しているが、滋賀県だけは意見書提出に議会の同意が必要なため、知事は28日開会予定の11月定例会に提案する方針。
 意見書案では、大戸川ダムについて「優先順位を考慮すると、河川整備計画に位置づける必要はない」と記し、共同意見を尊重するよう要請。丹生(にう)ダム(余呉町)に関しては、関係自治体の事業費の負担割合などを提示し、早急に県と協議するよう求めた。
 また、琵琶湖の総合保全に向けた取り組みや、琵琶湖からの放流量を調節する瀬田川洗堰(あらいぜき)(大津市)を豪雨時に全閉すると定めた操作規則の撤廃を掲げた同省方針の堅持など、計16項目を盛り込んだ。
 県議会では、民主党系など3会派が9月定例会で大戸川、丹生ダムを含む4ダムの建設見直しを求めた意見書を賛成多数で可決している。





Kyoto Shimbun 2008年11月19日(水)
大戸川ダム、4知事意見反映せぬ 近畿整備局長意向を説明 県会自民会派に
 国土交通省近畿地方整備局の木下誠也局長は19日、淀川水系河川整備計画案について「正しい理解をいただく努力を続ける」と述べ、大戸川ダム(大津市)建設中止を求めた京都、滋賀など4府県知事の共同意見を現時点で反映させる考えがないことを示した。
 同ダムの建設推進を求めて同日訪問した滋賀県議会会派の自民党・湖翔クラブとの会談で述べた。木下局長は「説明がうまくない部分もあり、誤解されている」として、府県や地元市町に対し「ダムの効用を含め、正しく事実認識をしてもらわないといけない」と、現行の計画案の妥当性を強調し、4府県に対し、あらためて建設の必要性を訴えていく姿勢を鮮明にした。


朝日新聞 2008年11月18日
「合意容認できない」 【大戸川ダム地元住民ら知事に説明求める】
 大戸川ダム(大津市)の建設に反対する4府県知事の合意をめぐり、ダム計画に伴って集団移転した住民でつくる「大鳥居地域開発協議会」など地元の3団体のメンバーらが17日、県庁に嘉田由紀子知事を訪ね、「(合意は)断じて容認できない」として詳しい説明を求めた。県議会会派の自民党・湖翔クラブも嘉田知事の考えをただし、「知事合意の素案は議会に報告はなく、議会軽視だ」などと批判した。
 協議会の小林茂宜会長らは「結論として、ダムはいらないということなのか」「(大戸川ダムに反対するという)結論を出すまでに、地域の住民と十分な議論をしたのか」などと嘉田知事の考えをただした。集団移転の意義や治水対策などを聞いた公開質問状についても、「回答は不十分だ」と再回答を求めた。
 嘉田知事は「ダムは(治水の)手段であり、目的ではない」などと説明。大戸川ダムへの反対は、財政状況や環境への影響、京都府や大阪府の意見などをふまえた「総合的な判断だ」と強調した。
 一方、自民党・湖翔クは県側との政策懇談会で、「県議会に説明や協議をせず、知事合意の素案をつくったのは議会軽視」と4知事合意を批判。「県の負担は残り4億円なのに、反対する知事の考えは理解できない。貧乏くじを引いたのでは」とただした。
 嘉田知事は「知事意見には議会の議決が必要で、12月議会で議論していただきたい」と説明。ダム計画について、「段階的整備の中で大戸川ダムを見送るわけだが、ダム計画の提案を下ろすわけではない」との考えも示した。
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2008-11-18(Tue)

2期連続マイナス成長 日本の景気後退が鮮明に 

世界的不況の長期化 どう対応するのか

2期連続でマイナス成長となった。
日本経済が景気後退局面になったことが鮮明になった。
世界不況も長期化するとも言われている。

新聞各紙は、「新エネルギーの利用・開発や一段の省エネに結びつく投資を財政支出や税制優遇によって促すことは有益だろう」(日経)、
「次世代を担う環境分野などの新産業や、医療・福祉など内需関連の有望産業を政策的に刺激していくことこそが必要だ」(朝日)
「高度成長時代に整備した社会インフラの老朽化は放置できない。必要な更新投資は着実にやらなければならない。予算は増やさなくとも、大胆な事業の組み替えや改廃などで、効果の出方は大きくなり得る。・・・有益な公共投資の出番が来ているのだ。」(毎日)
など、いろりろ対策を取れと言っている。

でも、本当にこの景気後退局面を打開できるのだろうか。
政府はどう対応しようとしているのだろう。
景気対策として、追加経済対策を出した麻生内閣は、2次補正予算も出さずに来年まで先送りしようとしてる。

2兆円の定額給付金をどうするのかすったもんだの挙句、地方に丸投げ、6割以上が反対。
道路特定財源の一般財源化に伴う地方への配分、住宅ローン減税、高速道路料金引き下げ・・・

いろいろ出したが、補正予算通さないと意味がない。 

新聞各紙が指摘する対策どころではないのが今の麻生内閣の現状ではなかろうか。
ただ、各紙の論も、それで景気後退に歯止めがかかるのだろうか、と思うが・・・。




日経新聞 2008年11月18日
社説1 世界的不況の長期化に備えを怠るな(11/18)
 内閣府が17日発表した7―9月期の実質国内総生産(GDP)は、前期比で年率0.4%減少した。4―6月期に続くマイナス成長で、日本経済が景気後退局面にあることが確認された。7―9月期は日米欧がすべてマイナス成長に陥ったわけで、世界的な景気冷え込みの深刻さが一段と鮮明になってきた。
 先週末に開いた20カ国・地域(G20)の緊急首脳会合(金融サミット)では、メンバー各国がそれぞれの状況に応じ、適切な財政・金融政策によって景気を刺激することで合意した。政府は地球温暖化への企業の対応を税制面から後押しするなど、中期的な需要創造につながる措置を積極的に考えていくべきだ。
 7―9月期のGDPで減少が目立ったのは企業の設備投資である。今年1―3月期から3期連続のマイナスになった。資源価格の高騰や外需の低迷で企業収益が急速に減少したことが背景にある。個人消費は前期のマイナスからプラスに転じたものの、勢いは弱い。
 7―9月期までの景気低迷は、世界的な資源高の影響が大きかった。その点で、原油価格の大幅低下は、ガソリン値下がりや原材料コストの低下を通じて、日本経済への逆風を和らげる要因にはなる。だが、10―12月期以降には、9月に米大手証券会社リーマン・ブラザーズが破綻した後の金融危機拡大の影響が本格的に表れてくる。
 金融危機は世界的な需要の減少をもたらしているうえ、株価下落などを通じて企業や消費者の心理を冷え込ませている。雇用や所得環境も悪化している。日本の金融機関は比較的健全とはいえ、株安や不良債権の増加に伴い、貸し出しに慎重になってきている。
 世界的な景気冷え込みによるマイナス効果は、燃料や原材料費低下のプラス効果をはるかに上回りそうだ。10―12月期は大幅マイナス成長になり、こうした傾向が来年前半まで続くという見方がエコノミストの間では増えている。厳しい環境が当面続くと覚悟せざるをえない。
 経済の落ち込みを最小限にとどめるとともに、中長期の経済活性化につながるような政策を積極的に打ち出すべきだ。たとえば、新エネルギーの利用・開発や一段の省エネに結びつく投資を財政支出や税制優遇によって促すことは有益だろう。地球温暖化対策に熱心な欧州諸国がすでに積極的に進めているこうした施策は、新たな需要を刺激するとともに産業の構造転換にも役立つものであり、日本も検討に値する。


東京新聞 2008年11月18日
【社説】景気悪化 麻生政権の対応が鈍い
 国内総生産(GDP)の伸び率が二・四半期連続でマイナス成長を記録し、景気後退が裏付けられた。この先は一段と悪化する可能性が高い。麻生政権の対応が遅れ気味な点が気がかりだ。
 内閣府が発表した七-九月期のGDP速報は実質成長率が前期比0・1%減(年率換算0・4%減)になった。物価要因を加え、人々の実感に近い名目でみると、0・5%減(同2・1%減)と低迷感は一層鮮明だ。
 中身をみても、悪材料が多い。内外需別では、輸出から輸入を引いた純輸出が減少に転落した。企業の設備投資は実質1・7%減と、前期よりもマイナス幅が拡大している。企業が景気の先行きに慎重な様子を示している。
 物価も弱い。GDPデフレーターは前年同期比で1・6%減と持ち直す気配がない。輸入価格は一時の原油高で上昇しているが、肝心の国内の景気が弱いためだ。
 しかも、足元の景気は、はるかに悪いと覚悟しなければならない。今回の速報値は九月のリーマン・ブラザーズ破たん以後、急激に進んだ金融危機や世界的な景気後退を織り込んでいないからだ。
 たとえば、七-九月期の機械受注は電力・船舶を除く民需が大幅に減少している。タクシー運転手など街角の声を聞き取りし、先行指標として定評がある景気ウオッチャー調査でも、家計動向の現状判断指数が三カ月連続で過去最低になった。外食レストランは空席が目立って増えた。家計は敏感に自己防衛に動いているのだ。
 金融危機の震源地である米国や欧州も景気後退が鮮明になっている。住宅どころかローン購入が多い自動車販売も客足が止まり、GMやクライスラーの経営が瀬戸際を迎えている。
 好材料もなくはない。原油価格が反転し、最高値から半分以下に下がった。円高効果もあって、電力など公共料金や企業の原材料コストは今後、下がるはずだ。
 だからといって、とても自律反転を期待できるような情勢ではない。ここは政府と日銀の政策対応が鍵を握っている。
 政府は景気対策をまとめたが、肝心の第二次補正予算案は臨時国会に提出しない空気が与党に強い。それではなんのための対策か、と問う声が出るのも当然だろう。
 中小零細企業の資金繰り支援や雇用対策など待ったなしである。政府はできることから手を打つべきだ。日銀も一層の金融緩和を視野に入れる必要がある。


毎日新聞 2008年11月18日 0時02分
社説:日米欧景気後退 有益な「公共投資」で回復図れ
 日本の今年7~9月期の実質成長率は前期比0.1%減、年率換算では0.4%減だった。2四半期連続のマイナス成長となり、与謝野馨経済財政担当相は景気が後退局面にあることを公式に認めた。
 世界的にもユーロ圏は4~6月期から2四半期連続でマイナス成長に陥っている。米国も7~9月期は前期比・年率でマイナス0.3%となった。先進地域は同時景気後退に見舞われていることが、GDP(国内総生産)統計からも確認された。
 これは世界経済の安定的な発展の上からも好ましいことではない。影響は新興国にも徐々に表れている。14、15の両日ワシントンで開かれた主要20カ国・地域による緊急首脳会議(金融サミット)が、財政による内需刺激の必要性で認識が一致したのも、こうした状況を踏まえたからだ。
 80年代以降、先進国の間では経済政策における政府の役割は最小限にとどめるべきだとの論調が主流を占めてきた。財政による需要追加は小さな政府に反するという主張だ。緊急サミットは経済を市場にのみ任せるだけでは、複雑な問題の解決は不可能と認めたといっていい。
 だからといって、減税でも、公共投資でも実施すれば、直ちに経済が回復するわけではない。どのような財政出動が効果的なのか。
 日本の7~9月期の場合、民間最終消費支出(個人消費)は実質、名目とも4~6月期の前期比マイナスからは回復したものの、いずれも0.3%増に過ぎない。所得が伸びていないことが最大の要因だ。企業が勤労者に利益の配分を渋ってきたことの表れだ。
 そこで、減税に代表される家計所得の増える施策が浮上する。定額給付金もその一種だが、社会政策なのか、景気対策なのか不明確だ。加えて、所得制限を自治体に丸投げするなど、経済政策の体をなしていない。税制や給付金を用いた所得再配分では、政策目的が明確である上、効果が期待できる手法でなければならない。
 では、公共投資はどうみるべきなのか。日本では公共事業は評判が良くない。「土建国家」という言葉に示されているように、建設業界や族議員の食い物にされてきた経緯があるからだ。その意味で公共投資の削減は正しい政策だ。
 ただ、高度成長時代に整備した社会インフラの老朽化は放置できない。必要な更新投資は着実にやらなければならない。予算は増やさなくとも、大胆な事業の組み替えや改廃などで、効果の出方は大きくなり得る。
 国民的ニーズが高く、需要が今後とも高まることが確実な介護を円滑に進めるため、報酬の引き上げは広い意味での社会資本投資ととらえることができる。有益な公共投資の出番が来ているのだ。


朝日新聞 2008年11月18日(火)付
GDPマイナス―不況を生き抜く戦略を
 世界不況の長いトンネルの入り口を、日本もくぐってしまった。内閣府が発表した7~9月期の国内総生産(GDP)統計はそう告げている。
 2四半期連続のマイナス成長は約7年ぶりだ。米国も欧州もマイナス成長に陥っている。世界中が景気の後退局面に入った。
 年率0.4%減と、下げ幅こそ前期より縮まった。しかし、戦後最長の景気を支えた日本経済の「強み」が、そのまま「弱み」に転じた構図はいよいよ鮮明になった。
 これまで成長を先導してきた企業の設備投資が不振だ。金融危機や世界的な資源・エネルギー高で、輸出向けなどの設備増強が鈍っている。輸出自体はややプラスだが、勢いはない。外需頼みの景気回復は完全に終わった。
 さらに大変なのはこれからだ。今回のGDP統計には、9月中旬のリーマン・ブラザーズ破綻(はたん)によるショックや、その後の円高・株安の影響はほとんど織り込まれていない。
 米国での自動車販売は2~3割の大幅減少に入っている。輸出の目減りはこれからが本番だろう。7~9月の国内機械受注は過去最大の減少を見せており、設備投資の落ち込みもさらに拍車がかかるだろう。
 GDPの半分を占める個人消費はプラス0.3%だが、北京五輪や猛暑などの追い風が吹いた割に振るわなかった。消費者心理の10月の指数も、統計を取り始めた82年以来、最も冷え込んでいる。発表が出そろった企業の9月中間決算は、東証1部上場企業で20%の経常減益だ。通期の見通しも25%の減益となっている。
 ただ、なお多くの企業で黒字を保っているだけでなく、利益水準もまだ高い。その点は心強い。
 日本の企業はかつての不況時のように過剰な債務、設備、雇用を抱えていない。当面は苦しくとも、次の回復期をにらんだ攻めへの布石を打てるゆとりはある。実際、日本企業が国内外で合併・買収(M&A)の主役になる例が目立つ。今こそ先を読んだ経営に打って出るときだ。
 グローバル企業にとっては、米国市場にばかり頼る体質を改め、均整のとれた国際戦略へと立て直す好機だ。中国など新興国で、次を見通した基礎固めをしなくてはならない。
 金融サミットでは各国政府が内需拡大に努めることで合意した。ところが麻生政権の政策は迷走を深めている。
 次世代を担う環境分野などの新産業や、医療・福祉など内需関連の有望産業を政策的に刺激していくことこそが必要だ。歳出構造の思い切った転換や大胆な規制緩和など、構造転換に向けて明快なメッセージを発しないままでは、政治が景気の足を一層引っ張ることになる。



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2008-11-18(Tue)

地域住民の足 路線バス廃止を考える

規制緩和・市場原理からの脱皮 公共投資の視点が必要

バス路線の廃止が相次いでいる。これまでも4万4千kmが廃止された。

JR東海バスが5路線を廃止するというのはおかしい。
親会社のJR東海は5.1兆円ものリニア建設費を独自に負担するというほど大儲けしている。
こういう大儲けしている事業者が独立採算だからと赤字路線を廃止するのは、公共交通機関として身勝手ではないか。

路線バス事業について、廃止は儲からないから仕方ない、やむを得ないというやり方、考え方を認めてしまっていいのだろうか。
国民には移動する権利があり、地域住民の足を守り、確保するのは国や地方自治体の義務である。
事業者には、必要な住民の足を確保する責任がある。採算性だけで事業の存廃を判断するのはふさわしくない。

とりわけ、地方のローカル鉄道やバス路線は、事業採算性だけで見るべきではない。
規制緩和・市場原理主義を脱皮して、「公共性」の視点から見直すべきである。

ドイツなどでは、1兆円規模で地方の公共交通機関の維持・再生に勤めているという。
「バス会社への赤字補てんとは意味が異なる『公共投資』という考え方で税金を使うべきだ」(加藤氏)という視点がいま必要だ。
政府も「地域公共交通活性化法」など、小出しではあるが見直しを始めているが、大本からの発想の転換が必要だ。




東京新聞 2008年11月17日
【社説】路線バス廃止 『地域の足』再出発を

 路線バスの廃止が相次いでいる。バス会社の多くは経営が苦しく、赤字路線を運行する体力を失いつつある。暮らしに欠かせぬ「地域の足」を守る手だてを、地域全体で考えなければならない。

 バス路線は全国で約三十七万キロに及ぶ。小泉政権がバス路線の参入などを規制緩和した二〇〇二年度からの五年間で、約四万四千キロが廃止された。

 マイカーの普及や過疎地での沿線人口の減少、最近は燃料費の高騰も加わり、バス会社の経営は厳しい。今年四月に福島交通が会社更生法の適用を申請した。八月には、ジェイアール東海バスが最後まで運行してきた愛知県瀬戸市内など五路線を来年九月末で廃止する方針を明らかにした。JR各社のバス子会社で路線バス事業からの完全撤退は初めてとなる。

 同社は、東京-名古屋などの高速バス事業の収益で、路線バスの赤字を穴埋めしてきた。その高速バスも、規制緩和を機に格安料金で参入してきた貸し切りバス会社に客を奪われて赤字となり、路線バスを支えきれなくなった。規制緩和のしわ寄せを、路線バスに公共交通を頼る過疎地などの住民が受ける構図だ。

 生活に欠かせないバス路線は、一定の条件で国と各都道府県が赤字補てんしている。独自に補助金を出す市町村もある。〇七年度に全国のバス会社が都道府県や市町村に申請した補助金は総額四百十三億円で、四年前の二百六十七億円から五割以上増えている。

 廃止を受け、市町村がコミュニティーバスと呼ばれる自主運行バスを始める例も多い。これも自治体の負担であるが、名古屋大大学院環境学研究科の加藤博和准教授(都市環境学)は「バス会社への赤字補てんとは意味が異なる『公共投資』という考え方で税金を使うべきだ」と話す。

 二年前の道路運送法改正で自治体や住民代表などによる地域公共交通会議が市町村単位で設置され、路線や運賃を地域の実情に応じて決められるようになった。バスを実際に利用する住民にとって希望を生かせる機会だが、責任も伴う。「自分たちの税金だ」と各地区の住民が都合のよい路線を主張すれば、寄り道が多くなって使い勝手が悪くなる。

 バスや鉄道など、これまで事業者任せだった地方の公共交通を地域で守る時代だ。脱マイカーの温暖化防止対策にもなる。知恵を出し合えば、再出発の道は開ける。

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2008-11-17(Mon)

賃貸住宅の「追い出し屋」被害  大阪でも住宅「貧困ビジネス」 

「ゼロゼロ物件」スマイルサービスと同じ手口 家賃保証会社


大阪では、弁護士らでつくる「賃貸住宅追い出し屋被害対策会議」という団体があるらしい。
前にも紹介した「ゼロゼロ物件」のトラブルが相次いでいるが、
大阪では、家賃保証会社が「賃貸住宅追い出し屋」になって、鍵を無断で換えたり、高率の違約金を請求したりしているという。

手口は、スマイルサービスと同様だ。
家賃の滞納を理由に「保証会社の社員を名乗る男2人が自宅に来て、玄関ドアを何度も強くたたき、妻に「使用禁止が決まった。今すぐ荷物をまとめろ」などと指示。数分後、妻に「もう出て行け」と言い、乳児とともに追い出したという。その後、別のカギを取りつけられ、自宅に入れなくなったという」

「借り主が保護される借地借家法の脱法行為で、まん延すると法の支配が崩れる」(弁護士)と憂いている。
こういう保証会社は「金融業で培った顧客管理ノウハウを活用」とうたっているという。金融業者からの転業する例が多いらしい。

「消費者金融の債権回収が金融庁ガイドラインなどで厳しく規制されるのに対し、保証会社の回収は規制がない」のも問題だ。

やはり規制が必要だろう。



朝日新聞 2008年11月13日20時17分
賃貸住宅の「追い出し屋」被害、入居者ら賠償求め提訴へ

 賃貸住宅の家賃滞納者が、カギを無断で交換されるなど強引な手法で退去を迫られたとして、弁護士らでつくる「賃貸住宅追い出し屋被害対策会議」は12日、入居者数人を原告とし、家賃保証会社などを相手に損害賠償や慰謝料を求めて、年内にも大阪簡裁に一括提訴する方針を決めた。

 関西では数年前から敷金・礼金がない「ゼロゼロ物件」や低額の保証金などで入居できる賃貸住宅が、フリーターや派遣労働者ら低所得者層の人気を集めている。一方で、滞納者を違法性の高い手段によって閉め出す「追い出し屋」の横行が社会問題となっている。

 同会議によると、被害を訴えているのは大阪市、大阪府枚方市、柏原市、兵庫県宝塚市に住む10~30代の男女。このうち数人が原告となる予定だ。被告は、東京や大阪に本社を置く家賃保証会社や所有者で、入居者が滞納時に繰り返しカギを交換したり、年率29.2%の高率の違約金を請求したりして入居者に退去を迫ったという。

 原告予定者の枚方市の男性(22)は4月、不動産仲介会社の紹介でアパートに入居。内縁の妻(18)、生後まもない乳児と暮らしていた。最近、2カ月分の家賃を滞納。今月6日、男性が外出時、保証会社の社員を名乗る男2人が自宅に来て、玄関ドアを何度も強くたたき、妻に「使用禁止が決まった。今すぐ荷物をまとめろ」などと指示。数分後、妻に「もう出て行け」と言い、乳児とともに追い出したという。その後、別のカギを取りつけられ、自宅に入れなくなったという。

 同会議代表幹事の増田尚弁護士は「低所得層を狙った悪質な『貧困ビジネス』で、被害の掘り起こしを進めたい」と話している。(室矢英樹、千葉雄高)

毎日新聞 2008年10月17日 大阪夕刊
家賃滞納:保証会社、無断で鍵設置 26歳男性、禁止求め仮処分申請--大阪簡裁に
 大阪市内の賃貸マンションで家賃を滞納した衣料品店員の男性(26)が、留守中に無断で市内の家賃保証会社に新たな鍵を付けられたとして、会社と家主に住居の使用妨害を禁止する仮処分を17日、大阪簡裁に申請した。男性は鍵業者に頼んで開錠し、代理人が分割払いを交渉中だが、会社は明け渡しを求めているという。保証会社を巡っては、取り立てや明け渡し請求の強引な手法が各地で問題化しつつあり、仮処分が認められればトラブル抑制につながると期待される。

 申請書などによると、男性は7月、大阪市東住吉区の敷金・礼金なしの賃貸マンションに入居した。契約時、連帯保証人を付けたが、仲介業者から指示された保証会社とも契約(有料)した。滞納時に保証会社が家主に滞納分を支払い、入居者に事後請求するという内容だった。

 男性は家計管理に不慣れで8、9月分の家賃を滞納した。保証会社は9月上旬、「滞納家賃を支払わないと、玄関ドアに鍵をかける」との通知書をドアに挟み、2日後に鍵設置のため再訪問。男性は「1週間後に2カ月分を支払う」との念書を書き、引き取ってもらったという。

 しかし、多忙で帰宅できない日が続き、支払わずに1週間たつと、保証会社が留守中にドアを無断で開け、追加の鍵を取り付けたうえ「無断立入禁止」「連絡なき場合は明け渡しの手続きをとる」などと書いた紙を玄関に張り付けたという。帰宅した男性は張り紙の連絡先に電話し「鍵を開けて」と頼んだが、「お前が金を払わんから悪いんやろ!」と怒鳴られ、電話を切られた、としている。

 翌日、男性の相談を受けた司法書士が電話で交渉したが、保証会社は鍵の取り外しに応じず、再び無断で玄関を開け、別の鍵と取り替えた。男性は鍵業者に頼んで開錠し家に入ったが、保証会社は数日後にも留守宅に無断で入り督促状を置いていったという。

 男性の代理人の堀泰夫司法書士は「裁判を経るという借地借家法の明け渡し手続きを無視した犯罪的な追い出し行為を食い止める必要がある」と話す。保証会社は「申立書を見ていないので、コメントできない」としている。【岩崎日出雄、前田幹夫】

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 ■解説
 ◇脱法行為抑制への第一歩
 賃貸住宅の保証会社は、敷金・礼金ゼロの「ゼロ・ゼロ物件」や格安敷金の物件の増加とともに、ここ数年で急増した。家賃を踏み倒されても敷金・礼金から充当できないためで、入居者から保証委託料をとって滞納時に代わりに支払い、事後回収するシステムだ。

 保証会社が明け渡し手続きを代行する場合も多い。明け渡しは本来、裁判の判決に入居者が従わない場合に初めて強制執行が許されるが、保証会社が裁判を経ず、突然鍵を取り付けたり家財を搬出するなど実力行使に出るケースが多発し、社会問題化し始めている。

 消費者金融など貧困問題に詳しい木村達也弁護士(大阪)は「借り主が保護される借地借家法の脱法行為で、まん延すると法の支配が崩れる」と憂える。

 今回の保証会社は当初、消費者金融会社の100%出資で「金融業で培った顧客管理ノウハウを活用」とうたっていた。不動産業者らによると、他にも金融業者からの転業は多いという。消費者金融の債権回収が金融庁ガイドラインなどで厳しく規制されるのに対し、保証会社の回収は規制がなく、必要が指摘されている。仮処分申請は規制策定に向けた取り組みの第一歩と位置付けられる。【岩崎日出雄】

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2008-11-16(Sun)

住宅ローン減税 新たに住民税も10万円

5000万を超える住宅を買え、所得税年50万払っている所得者ってどれだけいるのだろう

「新たな減税案は、残高5000万円までの1%分を所得税から、同2000万円までの0・5%分を住民税から控除できる」らしい。

住民税の減税を新たに加えても、やっぱり高所得者向け減税だなあ。




2008/11/15 17:02 【共同通信】
住宅減税、所得税を年50万軽減 新たに住民税も10万円

 政府、与党が追加経済対策の柱として打ち出した住宅ローン減税について、国税の所得税から年最大50万円、地方税の住民税からも同10万円、いずれも10年にわたって差し引ける案を軸に検討していることが、15日分かった。減税規模は合計600万円と過去最大になる。

 現行の160万円から大幅拡大することで、停滞する住宅建設をてこ入れするとともに、住宅を取得する家計を支援する。同案をたたき台として与党の税制調査会で詳細を詰め、2009年度税制改正に盛り込む。

 法案が成立すれば、09年1月以降の入居者から適用される。
 ただ総務省は、住民税の軽減を最小限にするよう求めており、年末にかけ調整が続きそうだ。
 
現在は入居1-6年目に年末時点のローン残高2000万円までの1%分、7-10年目は0・5%分を所得税のみから差し引ける。新たな減税案は、残高5000万円までの1%分を所得税から、同2000万円までの0・5%分を住民税から控除できる。

 国から地方への税源移譲により所得税の納付額が減少し、所得税の減税額を拡大しても利用し切れない層が多いため、住民税にも対象を広げることにした。

一方、総務省は所得税額が控除額を下回る場合に限り、差額を住民税から引くことを提案、手続きが複雑になるなどとして財務省が強く反対している。地方に負担をかけないように、国が住民税の減収分を補てんすることも検討課題になる。

 住宅を改修した人が費用の一定割合を税額から引ける「リフォーム減税」や、不動産取得税の軽減措置の延長も合わせて議論する。
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2008-11-14(Fri)

迷走する麻生内閣 解散せず金融危機対応は何だったのか

第2次補正ださず、国会延長せず閉じる方向

いったいなんだったのか?
金融危機対応だとして、解散を先送りした。
ところが、11月末で国会は延長せず、閉じようとしている。

金融危機対策では第2次補正が必要だ。
大もめにもめている定額給付金も補正予算を通さないと配れない。

これでは、支持率あがるはずない。解散はますます遠のき任期満了までなしか・・・?



毎日新聞 2008年11月14日
社説:迷走・麻生首相 解散から逃げたツケは重い

 発足から2カ月もたたないというのに麻生内閣は目に余るほどの迷走ぶりだ。麻生太郎首相は米ワシントンで14日始まる金融サミットに出席するが、深刻な金融危機に対応するには政治のリーダーシップが不可欠だ。果たしてこんな状況で乗り切れるだろうか。

 混乱の象徴は定額給付金問題だ。首相は当初、全世帯への給付を明言したが、与謝野馨経済財政担当相が所得制限が必要との考えを示したのを機に二転三転。政府内で綿密な調整もせずに、その場の思いつきで発言しているのではないかと疑わせるものだった。

 そして揚げ句の果てに制限を設けるかどうかを含め、給付の窓口となる市町村に判断を任せるという。

 毎日新聞は目的も効果も不明確な今回の給付金は白紙に戻すべきだと主張してきた。首相は、この丸投げについて「地方分権なんだからよろしいのではないですか」と語ったが、それを聞いてあぜんとしたのは、混乱の尻ぬぐいを押しつけられた地方関係者だけではなかったろう。

 さらに重大なのは、定額給付金を含む第2次補正予算案の成立を今の国会では見送るとの声が与党内に強まっていることだ。

 国会会期は今月末まで。野党が徹底抗戦すれば、予算関連法案まで成立させるには参院が否決したとみなす「60日ルール」を適用したうえで衆院での再可決が必要となる。この場合、会期は来年1月末まで大幅延長しなくてはならないが、与党内では、この厳しい日程に慎重論が強いという。

 首相はどうするつもりか。「政局より政策」を理由に衆院解散・総選挙を先送りしたにもかかわらず、今度は政策の実現も先送りするというのだろうか。政策を見直すならともかく、それもせずに早々と国会を閉会すれば、それこそ政治空白というべきである。

 元々、一連の経済対策は骨格だけを大々的に発表して解散・総選挙に突入し、具体的な詰めは選挙後に検討するというのが、首相をはじめ与党の戦略だったと思われる。ところが、「勝てる保証がない」と首相は総選挙を回避。そこで大あわてで詰めてみたら、ほころびが次々と出てきたというのが実相だろう。

 このほか、首相は道路特定財源のうち1兆円を地方に配分すると明言したが、1兆円は地方道路整備臨時交付金(約7000億円)と別枠か、それを含めた配分か、閣僚の間でも食い違ったままだ。

 あいまいな発言を繰り返す首相には与党内にも不満が出ている。政策の整合性を検討しなくてはならない官僚側にも白けた空気が漂っているといわれる。

 私たちは自信を持って政策を実現するためにも、総選挙で国民の信を問うべきだと再三主張してきた。やはり、解散から逃げたツケは重かったのである。
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2008-11-14(Fri)

国の出先機関改革 各紙社説

(資料)




毎日新聞 2008年11月14日 東京朝刊
社説:国の出先見直し 衣替えの統廃合ならごまかしだ
 かけ声倒れにならぬことを切に望む。地方分権改革の当面の焦点である国の地方出先機関の見直しが近く山場にさしかかる。麻生太郎首相は政府の地方分権改革推進委員会に対し、国土交通省の地方整備局、農水省の地方農政局という大組織について廃止も含めた抜本見直しを指示、同委もこれに沿う調整を進めることを確認した。
 麻生政権にとって年内の決着を迫られる重要案件だが、首相が音頭を取り作業が進むことになったのはひとまず前進と言える。ただ、各省の出先機関を単に統合する「衣替え」でお茶を濁すのであれば、ごまかしだ。国が握る事業や人員を自治体に移す分権の本筋を外れてはならない。
 国家公務員32万人のうち出先機関の職員は21万人を占める。出先の業務は自治体と重複したり、国会や住民の監視が届きにくい。このため分権委は見直し作業を進めているが、身を削られることを拒む中央官庁は激しく抵抗している。
 とりわけ国道、河川業務などを行う整備局は人員2万2000人、年間予算約8兆円、土地改良、農産物統計などを行う農政局は人員1万5000人、年間予算約1兆1500億円とそれぞれ規模が大きい。整備局は道路財源のムダ遣い、農政局は汚染米のずさん監督でそのあり方が厳しく問われた。両組織に照準を合わせることは正解だ。
 とはいえ、実際に廃止するには大きな困難が伴う。政府がさきに決めた分権要綱では、国道の整備・管理を地方に移す割合は「15%以上」にとどまる。農水省が握る大規模農地を住宅地などに転用する許可権限の都道府県への移譲も、同省の抵抗で結論は先送りされた。事務・事業を飛躍的に上乗せして地方に移す道筋を描かなければ、とても廃止はおぼつかない。
 一方で分権委には、出先機関を縮小したうえで地域ブロックごとに府省の壁を越えて統合し、新機関に衣替えする意見もある。徹底的な合理化を前提としなければ、北海道開発局のような国の巨大拠点を各地に新設する愚行となりかねない構想だ。首相の言う「統廃合」の検討がこれを意味するのなら、くれぐれも慎重に対応すべきである。
 首相の決意が果たしてどこまで本物なのか、政府・与党や自治体には早くも冷ややかな受け止めもある。道路特定財源の地方への1兆円移譲をめぐる混乱も含め、結局は竜頭蛇尾に終わりかねないとの見方が地方側にはつきまとう。
 分権委は来月上旬、出先機関見直しに関する勧告をまとめる。解体に本気で取り組めば、中央官庁のみならず、族議員がつぶしにかかることは確実だ。
 そのときに分権委が孤立無援では、立ち往生しかねない。この改革についても、首相は自らの指示に責任を持たねばならない。


朝日新聞 2008年11月10日
社説:出先機関改革―この一歩から壁を壊せ
  「住民に身近な行政は地方自治体に移す。霞が関の抵抗があるかも知れないが、私は決断する」
 こんな勇ましい言葉で政府の出先機関の統廃合に意欲を見せていた麻生首相が、地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長に大胆な具体策づくりを促した。閣僚にもこの作業に協力するよう指示した。
 官僚や族議員の抵抗に悩まされてきた分権委にとっては、首相の指示は何よりの後押しだろう。12月の第2次勧告にむけて弾みがつく。
 出先機関の改革が必要なのは、こんな理由からだ。
 たとえば、全国に8カ所ある国土交通省の地方整備局は、合わせて8兆円あまりの年間予算を持つ。農林水産省の地方農政局は7カ所で約1.2兆円。
 道路や河川の管理、農業振興などを担当しているが、都道府県も同じような仕事をしている。自治体に任せて二重行政をやめれば、行政は効率化し、税金の節約になる。
 分権委はこれまで、八つの府省で計15種類の出先機関を統廃合できないか、役所側と折衝してきた。だが、出先が担当している仕事の9割近くについて「今後も存続させるべきだ」と突っぱねられるなど、中央官僚機構の厚い壁に阻まれてきた。
 分権委が発足したのは安倍政権の時だった。その後、福田、麻生とめまぐるしく政権が変わるなかで、政治的な後ろ盾が弱まっていると霞が関から見透かされた面もあった。
 そこに改めて活を入れたわけだ。だが、首相には別の思惑がありそうだ。
 首相は先月末、3年後の消費税率アップを明言した。その際に、引き上げの前提条件として「大胆な行政改革」をあげた。出先機関の統廃合に号令をかけてみせたのは、その具体的な証しを示そうとの狙いではないのか。
 統廃合を実現するのはそう簡単なことではない。
 首相の指示をめぐって、「原則廃止」なのか「統廃合」なのか、分権委と官僚、一部の閣僚たちの間で早くも解釈の食い違いが表面化したのも、抵抗の大きさを物語っている。
 分権に熱心な民主党を意識したからこそ、首相も大胆な改革を打ち上げたいと考えたのだろう。2大政党が政権を競い合う政治の、建設的な側面が出たと言えるのではないか。
 ただ、出先機関の改革は、そこで働く国家公務員を地方公務員にしたり、税財源を移したりという大がかりな作業だ。分権社会の将来像をきちんと描いたうえで、息の長い取り組みが求められる。
 間近に迫った衆院の解散・総選挙をにらんだ、打ち上げ花火のような話に終わらせてはならない。


産経新聞 2008.11.9 03:07
【主張】出先機関見直し 首相の本気度が問われる
 地方分権改革最大のヤマ場とされる国の出先機関の見直しで、麻生太郎首相自らが地方農政局など機関の具体名まで挙げて原則廃止に強い決意を表明した。
 典型的な二重行政と批判が強い出先機関については、地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長(伊藤忠商事会長)が来月上旬の第2次勧告で統廃合の青写真を示す予定だ。今回の首相発言は、その強力な追い風となろう。
 だが、組織と権限の縮小を迫られる「霞が関」は、族議員を巻き込んで激しく抵抗している。分権委の意見聴取にもかたくなにゼロ回答を続け、改革の先行きを不透明にしているのが実情だ。
 首相は改革断行を口先だけのパフォーマンスに終わらせてはならない。実のある勧告取りまとめに向けて今後とも分権委を支援するのはもちろん、関係閣僚を指揮して官僚を動かす強力な指導力を発揮するよう求めたい。
 分権委が統廃合を目指す国の出先機関は8府省15系統(約9万6000人)あり、全体の予算規模は12兆円近い。
 なかでも首相が名指しした国土交通省の地方整備局と農林水産省の地方農政局は廃止対象の最たる機関とされている。最近も整備局では道路特定財源のあきれた無駄遣いの実態や官製談合が相次いで発覚し、農政局は汚染米の不正転売を長年にわたり放置して国民の厳しい批判を浴びた。
 たしかに組織は巨大だ。例えば整備局は全国に8つだが、事務所と出張所をあわせれば1000カ所にもなる。職員数は2万1000人、予算は8兆円を超える。国道や河川の管理が主業務だが、都道府県はじめ地方自治体の仕事とは重なるものが多い。これほどの陣容がなぜ必要なのか、誰もが首をかしげざるをえまい。
 国が地方の末端まで管理しようとする行政のあり方は、組織の肥大化を通じて膨大な税金の無駄遣いを生みやすい。
 地域住民のニーズを行政に機動的に反映させていくうえでも、出先機関の廃止と業務の地方移譲は必要だ。もちろん、それに見合った財源や適正規模の人員の移管は当然である。分権委はその点にも具体的に踏み込むべきだ。
 来月の勧告取りまとめに向け、抵抗勢力の動きは一段と活発化しよう。首相の本気度が問われるのはこれからだ。


(2008年11月8日02時02分 読売新聞)
国の出先機関 廃止の「決意」だけでは困る(11月8日付・読売社説)
 首相の言葉は重い。国の出先機関の見直し作業が実質的な成果を上げるよう、政府全体で取り組まねばならない。
 麻生首相が地方分権改革推進委員会に対し、国土交通省の地方整備局や農林水産省の地方農政局を廃止・統廃合する方向で作業を加速するよう指示した。関係閣僚にも協力を求めた。
 分権委による15系統の出先機関の見直し作業は難航している。権限や予算を手放したくない8府省が強く抵抗しているためだ。
 国交省は、国直轄国道の整備・管理事務の18%、一級河川は総延長の7%の地方移譲案を提示しているにすぎない。農水省は、より消極的で、ほぼゼロ回答だ。
 首相の指示は、分権委を後押しし、膠着(こうちゃく)状態を打開する狙いがある。分権委は、12月上旬の第2次勧告に向けて、より踏み込んだ見直し案をまとめてもらいたい。
 8地方整備局の職員は計2万1300人、年間予算は計8兆円にも上る。7農政局は、職員1万5400人、予算1兆1500億円で、これに次ぐ巨大組織だ。
 地方整備局の道路、河川、港湾行政や、農政局の土地改良、農業振興などの事務は、自治体との二重行政が指摘されている。
 地方が担える出先機関の事務は地方に移譲する。この原則を徹底することで、合理化を図りつつ、地方の活性化につなげたい。
 今年、地方整備局は道路特定財源の無駄遣い、農政局も事故米のずさんな監督が発覚した。出先機関に対して国会や国民の監視の目が届きにくいことが要因だ。
 都道府県の事務に移せば、議会や住民によるチェックがより容易になるはずだ。
 ただ、「廃止・統廃合」の首相指示だけでは十分ではない。
 仮に地方整備局などを廃止し、複数の府省の出先機関に統廃合しても、肝心の事務や職員の地方移譲が進まなければ、単なる「看板の掛け替え」になってしまう。
 できるだけ多くの事務量を、それに見合う職員、財源とともに、地方に移譲することが、出先機関見直しの成否のカギとなる。
 「地方重視」を掲げる麻生首相は9月の所信表明演説で、出先機関見直しについて「私が決断する」と明言した。今回の指示を単なる決意表明にとどめてはならない。見直しが中途半端にならぬよう第2、第3の指示を出すべきだ。
 地方分権担当の鳩山総務相や、出先機関を所管する金子国交相、石破農相らは積極的に協力し、官僚の抵抗を抑える責任がある。


日経新聞 2008年11月7日
社説1 首相の指示をてこに出先機関の廃止を(11/7)
 日本の統治機構は国、都道府県、市町村の3層制といわれているが、実態は3.5層制だ。国と都道府県の間に「地方支分部局」と呼ばれる国の出先機関がある。
 行政機関に勤める約33万人の国家公務員のうち、21万人は出先機関の職員だ。地域と関係が深い八府省の15機関だけで予算額は12兆円に上る。
 麻生太郎首相は6日、地方分権改革推進委員会の丹羽宇一郎委員長に農林水産省の地方農政局や国土交通省の地方整備局について廃止も含めて検討するように指示した。両局は出先機関の中心的な存在だ。分権委は首相の指示をてこに出先機関の大胆な統廃合案をまとめるべきだ。
 公共事業から中小企業対策、福祉まで出先機関の仕事は自治体と重なっている。霞が関の縦割り行政がそのまま地方に持ち込まれる場合も多い。出先機関を廃止できれば二重行政が解消され、無駄を省ける。
 国会で出先機関の業務の必要性などが十分に審議されないこともあって監視の目は届いていない。地方整備局で道路特定財源の無駄遣いが長らく続いてきたのもこのためだろう。北海道開発局の官製談合事件、農政事務所が見過ごしてきた事故米問題など、不祥事も相次いでいる。
 全国知事会はすでに国交省など八府省の出先機関の8割を廃止や統合するように求めている。職員数でみると、対象となる9万6000人の国家公務員を2万人に減らし、残る約7万6000人の7割強を自治体が受け入れるという内容だ。権限と財源が自治体に移れば、住民の受益と負担の関係もわかりやすくなるだろう。
 分権委はこの問題について省庁側の意見を聞いている。全国的な連携の必要性や業務の専門性などを理由に、軒並み「ゼロ回答」である。
 もちろん、入国管理局や税関など明らかに国の仕事と思われるものもあるが、道路や河川の管理など大半は自治体でも可能な仕事だ。首相の明確な指示が出たのだから、省庁は省益優先の姿勢を改めるべきだ。
 麻生首相が名前を挙げた農政局と整備局の職員数を合わせると約3万6000人に上る。権限に併せて国の職員も自治体に移すとなると、身分や給与の問題が出てくる。これを理由に統廃合を懸念する声もあるが、まず具体的な再編案をしっかりと決めたうえでじっくり検討すればいい。
 麻生首相がこの段階で明確な指示を出した点は大いに評価したい。今後自民党内での反対などが予想されるが、首相は腰折れすることなく、改革を最後まで断行してほしい。
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2008-11-14(Fri)

「ダム事業『抜本的に見直し』 国交省、チーム発足へ」って?(追加)

ダム建設に固執 共同意見を正式と認めず、改めて府県から話聞くを強調 国交相


(追記に追加記事)

朝日新聞の夕刊に
「ダム事業のあり方の抜本的な見直しに取り組むプロジェクトチームを省内に発足」
という記事が載った。

「ダム偏重との批判が根強い治水行政の転換に今後つながる可能性がある」
と希望的観測があるが、どうだろうか。

国会の質疑では、ダム計画見直し後の地域振興などについては、府県と協議して対応を検討する意向を示したようだ。
しかし、国交相は、4知事共同意見を正式な意見と認めず、改めて各府県から意見を聞く必要があると強調し、ダム計画については「修正とか白紙とか言葉だけ踊るのは危険だ」などとダム中止の決断を頑なに拒む姿勢に終始している。

記事にはないが、国会でのやりとりで、穀田議員が川辺川ダムについて、
金子国交相が蒲島知事と会談した際に「ダムによらない治水を極限まで追求する場を設けたい」と提案した事実にふれ、
「ダムをつくらないということを決断することもありうるということか」と、しつこく問うても、最後まで肯定しなかった。(参考) こくた議員HP http://www.kokuta-keiji.jp/cat1/post_829.html
ダムなしを極限まで追求すれば、ダムなし治水が可能になることはありうる話で、それすら認めないのも変な話だ。

なぜだろうと考えれば、いよいよ運動と世論に追い詰められている、という姿が浮き彫りだ。

だから、朝日記事が、金子国交相が「ダムを造る手続きや財政の負担問題などについて見直す必要もあるのかもしれない」といみじくも引用しているように、ダム中止を視野に入れていない「見直し」になるのだろう。

この間の国交省のとってきた態度は、「ダム建設ありき」だった。それを覆すためには、最後まで気を抜けない運動が必要だ。





朝日新聞 夕刊 2008年11月13日18時18分
ダム事業「抜本的に見直し」 国交省、チーム発足へ

 地方の知事から、ダム計画に反対表明が続いている事態を受け、国土交通省はダム事業のあり方の抜本的な見直しに取り組むプロジェクトチームを省内に発足させる方針を固めた。早ければ年内にも作業を始める。ダム事業が抱える問題点の改善を目指す異例の試み。ダム偏重との批判が根強い治水行政の転換に今後つながる可能性がある。

 プロジェクトチームには、治水を担当する河川局以外の職員や学識経験者も加わる予定で、従来の国の治水行政の範囲にとらわれない視点で意見を出し合う。住民の意見を採り入れることに消極的だと批判の絶えない事業の進め方や、おおむね3分の1を地方に負担させる現在の費用配分のあり方などの見直しも進める。

 国交省のダム事業をめぐって、熊本県に計画する川辺川ダムに県知事が9月、計画の白紙撤回を求める考えを表明。今月11日には関西の淀川水系に計画する大戸川ダム(大津市)に対し大阪、京都、滋賀、三重の4府県知事が計画に反対する共同意見を発表した。こうした流れに、金子国交相は「ダムを造る手続きや財政の負担問題などについて見直す必要もあるのかもしれない」と述べた。

 ただ、治水行政に関し、ダムと堤防だけに頼らない「総合治水」という考えを80年代に打ち出しながら具体的な取り組みが一部の河川にしか広がらなかったり、環境保全と住民参加の視点を取り入れた97年の河川法改正が現場で十分に機能しなかったりした経緯があり、今後、どのような具体的成果を出せるかが焦点となる。(松川敦志、前地昌道)



Kyoto Shimbun 2008年11月13日(木)
 「府県の意見聞く必要」 国交相見解、整備計画案修正で 大戸川ダム「建設中止」

 京都や滋賀の4府県知事が大戸川(だいどがわ)ダム(大津市)の建設中止を求めたことについて、12日開かれた衆院の国土交通、内閣の両委員会で、京都、滋賀の衆院議員から関連の質問が相次いだ。金子一義国土交通相は、検討次第で整備計画案の修正があり得ると示した午前中の答弁に絡め「修正とか白紙とか言葉だけ踊るのは危険だ」と早急な結論を求めることにくぎを刺した。

 国交委員会で、共産党の穀田恵二議員(比例近畿)が、金子国交相が整備計画案の修正の可能性を答弁したことについて、さらに「大戸川ダムを整備計画案から外すべきだ」と踏み込むと「言葉だけ踊るのは危険だ。各自治体から話を聞くことが必要だ」と改めて強調した。

 また穀田氏がダム建設が中止になった場合、近畿地方整備局が付け替え道路の建設を取りやめると示唆したことを問うと金子国交相は「ダム関連予算でできないのは当然だが、関係知事と協議して対応を検討する」と述べた。

 内閣委員会では民主の泉健太議員(京都3区)が4知事の共同意見を国交省に尊重させる働きかけを、河村建夫官房長官と鳩山邦夫総務相に求めた。河村官房長官は「地方の声を重視しなければならない」と述べたが、今後の対応については明言しなかった。鳩山総務相は「選挙で選ばれ、住民の視点に近い4知事の意見は重い」として、必要に応じて関係部署に伝える考えを明らかにした。

Kyoto Shimbun 2008年11月12日(水)
国交相「修正あり得る」  4知事反対の大戸川ダム計画

 京都や滋賀など4府県知事による大戸川ダム(大津市)の建設反対表明を受け、金子一義国土交通相は12日の衆院国土交通委員会で「(国が示した)河川整備計画案の修正はあり得る」と述べた。
 民主党の三日月大造衆院議員(滋賀3区)の質問に答えた。
 金子国交相は「共同会見だけで判断するわけではない」として、宇治川など流域の市町長や各知事から意見を聞く必要性を示した。その上で計画案修正の可能性があり、「(計画案に代わる)治水の在り方をどうするのか考える必要がある」と説明した。また同じく知事が反対表明した熊本県の川辺川ダムの事例も踏まえ、「修正するとなれば、検討する協議の場が必要となる」とも話した。
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2008-11-13(Thu)

「総額ありき」見送り 国交省、道路整備中期計画

道路整備の中期計画(5年計画)に、事業費を盛り込まない方針

道路特定財源を一般財源化すれば、道路整備だけに使う財源はなくなる。
だが、昔のように「〇〇箇年計画」のように、総額を先に決めることも理屈上は可能だ。

しかし、03年に道路を除き他の公共事業は、その総額を先に確保するやり方をやめた。
総額を消化することが目的になり、不要不急の事業に使われるという批判があったからだ。
道路だけは、特定財源が残されたため、総額を先に決めるやり方が残された。

今回、一般財源化に伴い総額を中期計画に盛り込まない方針というのは当然である。
他の公共事業と同様に成果目標(事業の何%までを目標にする)とするのだろう。
毎年、その目標目指して予算を獲得していく方式になると思われる。

しかし、抜け穴はある。
14000kmの高規格幹線道路、7000kmの地域高規格道路などの高速道路を5年間で100%つくり、ネットワークをつなぐ。という目標を立てるとどうなるだろう。
批判を浴びた前の中期計画は10年で59兆円だった。
しかし、5年間で、高速道路21000kmをすべてつなぐには、それ以上の予算が必要になるだろう。

つまり、この21000kmをどれだけ削り、先送りするかが問題の核心だ。
道路族はもちろん、自公政権は、この21000kmを削るところまで踏み込んでいない。

道路特定財源の「名は捨て」ても、21000km予算確保の「実を取る」狙いを許すな!である。



フジサンケイ ビジネスアイ2008/11/13
道路5年計画 国交省が方針「論争の火種」事業費示さず

 国土交通省は12日、同省が策定を進めている新しい道路整備の中期計画(5年計画)に、計画全体でかかる事業費を盛り込まない方針を固めた。道路整備の中期的計画は、揮発油(ガソリン)税の創設された1954年度以降、5カ年計画の形で更新されてきたが、事業費が示されないのは、戦後初になる。

 昨年末に政府・与党が合意した中期計画(10年計画)では、事業費が「59兆円を上回らない」ことが明記された。だが、国会などで、「建設ありきで、必要性、採算性などが度外視されている」との批判が起き、今年5月に閣議で、期間を2008年度からの5年間に短縮して、策定し直すことを決定していた。

 国交省側は「単純に(事業費を)半減させるというわけにはいかない」(冬柴鉄三元国交相)していた。さらに、新計画で示される事業費いかんでは、再び国会論争の火種にもなりかねないため、事業費を明記するかが、焦点になっていた。事業費を盛り込まない背景には、「総額まずありき」の批判をかわす狙いもあるとみられる。

 同省は今月中にまとまる新たな交通需要推計を元に、年内に新計画を策定する。

 また、道路特定財源の09年度からの一般財源化が決まっていることも事業費を盛り込まない背景にある。従来の計画に明記された「59兆円」は、道路特定財源の税収10年分にほぼ匹敵し、同財源を使いきることを“担保”したともいえた。しかし、一般財源化によって道路に確実に回せる財源が読めなくなっている。

 また、03年度に複数の公共事業分野を一本化して策定した「社会資本整備重点計画」(5年計画)では、各分野の公共事業について事業費を定めないこととしており、「道路事業だけ事業費を記す特別扱いの必要はない」との声がある。

                  ◇

【用語解説】道路整備の中期計画
 国土交通省が策定する道路整備の中期的なあり方を示す計画。揮発油(ガソリン)税などを財源に、5カ年計画の形で更新され、その都度、事業費が示された。当初、欧米に比べて格段に遅れていた道路の舗装などを進め、高度成長期からは高速道路の整備が加速した。54~58年度の計画は2600億円にすぎなかった事業費は、98~2002年度は78兆円にまで伸びた。一方で、財源の一部が「まちづくり交付金」にあてられるなど、“無駄遣い”の温床とも指摘された。増大する社会保障費に回すため、一般財源化論が盛んになり、05年12月には、「一般財源を前提とした道路特定財源全体の見直し」を閣議決定した。


産経新聞 2008.11.13 01:30
事業費計上を見送り 国交省、道路整備5年計画

自民党の道路特定財源の一般財源化に関するPTであいさつする谷垣禎一座長=12日、東京・永田町の自民党本部
 国土交通省は12日、新たに策定を進めている道路整備中期計画(5年計画)をめぐり、道路整備計画全体の事業費を盛り込まない方針を固めた。これまでの整備計画では事業費を明示してきたが、平成21年度から道路特定財源の一般財源化が決まったことで道路建設に充てる財源が不透明になったため事業費計上を見送る。また、多額の事業費の明示しないことで「まず道路建設ありきだ」とする野党などからの批判をかわす狙いもある。

 これまでの道路整備計画は5カ年計画の形で更新され事業費が盛り込まれてきた。ただ、20年度からの当初計画は10カ年の長期計画としたため、昨年末の政府・与党合意で事業費が「59兆円を上回らない」との方針を盛り込んでいた。

 しかし、道路財源をめぐる不適切な使用が相次いで表面化したほか、道路建設に向けた多額の費用計上に批判が高まったため、整備計画を凍結し、新たに5年の計画を策定することを閣議決定した。

 従来の整備計画は道路財源をほぼ使い切ることを前提としてきたが、来年度からは一般財源化が決まり、道路建設に充てる財源がどこまで確保されるか分からなくなった。こうした理由で、国交省は事業費を盛り込まない方針を固めた。

 同省では月内にまとめる新たな交通需要推計をもとに年内に新計画を策定する。ただ、道路財源の一般財源化に伴い道路建設予算は毎年度の予算折衝で確定する見通し。与党内から道路事業に対する批判が上がることも予想される。

時事通信 (2008/11/12-19:41)
道路整備費の総額掲げず=新たな中期計画で-国交省
 国土交通省は12日、閣議決定に基づき来月にも策定する新たな道路整備中期計画(2009~13年度)に、総事業費を盛り込まない方針を固めた。現行計画は道路特定財源の使途を説明するため、今年度以降10年間の道路整備費を59兆円とし、国会審議などで過大との批判を招いた。来年度からの一般財源化により、道路整備費は毎年度の予算編成で決まるため、複数年度にわたる整備費を示す必要はないと判断した。

(共同) 2008年11月12日 13:08
道路中期計画は事業費なし 金子国交相、衆院国交委で
 金子一義国土交通相は12日、衆院国土交通委員会で策定中の道路整備中期計画に事業費を盛り込むかどうかについて「今回は数字は入らない」と述べ、盛り込まない考えを示した。
 整備計画をめぐっては、本年度から10年間で59兆円の事業費が必要とした案を国交省が昨年策定していた。しかし今年の通常国会で「過大」との批判を浴びたため、期間を5年に短縮し年内に作り直すことになっている。
 これまで整備計画は、将来の道路整備目標と整備に必要な事業費の両方を示すことで、道路特定財源の暫定税率を維持する根拠としていた。ただ来年度から道路特定財源が使途を限定しない一般財源になるため、道路整備費を計算する必要性が薄れていた。
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2008-11-13(Thu)

大戸川ダム 4知事の共同意見尊重せよ (各紙社説)

国交省はダムに固執やめ 建設中止を決断せよ

各紙社説を紹介する。



朝日新聞 2008年11月12日
社説:淀川水系ダム―知事の反乱を受け止めよ

 「地域のことは地域で決める」と、関西の知事らが国土交通省のダム計画に「ノー」を突きつけた。

 大阪の橋下徹、京都の山田啓二、滋賀の嘉田由紀子の3知事と三重の副知事が集まり、淀川水系の大戸川(だいどがわ)ダムの建設に反対を表明した。熊本の蒲島郁夫知事が川辺川ダムに反対したのに続く画期的な動きである。

 大戸川ダムは淀川水系の上流、大津市に計画された。治水、利水、発電を担う多目的ダムとして40年前に計画ができた。総事業費は1080億円。だが、水余りで大阪府が利水から撤退するなどし、残る目的は治水だけ。川辺川ダムとそっくりの経緯だ。

 そもそも専門家らでつくる流域委員会が、治水効果が低いとして、ほかの3ダムと合わせ、このダムの建設に「待った」をかけていた。大戸川ダムについての知事らの判断は当然と言えよう。国交省はただちに建設を中止すべきである。

 何より上下流で利害が複雑に絡みあう河川政策で、4府県が足並みをそろえた意義はたいへん大きい。大戸川ダムを造らない場合の洪水対策は、既存ダムを活用するなど知恵を出し合って進めようと合意したのも画期的だ。

 上下流がいがみあえば、国交省が調整に乗り出し差配されてしまう。「だから地方には任せられない」と、分権の流れに水を差されてしまうのだ。

 大型の公共事業が、国交省の出先である近畿地方整備局に実質的に仕切られていることへの反発ものぞく。

 財源の乏しい地方にとって事業の優先順位はそれぞれに違う。学校の耐震化や子育て支援など課題は目白押しだ。なのに、政府が決めたダムのような直轄事業は優先順位を押しのけてやってくる。

 地域の政策の優先順位は、選挙で選ばれた首長が決めることだ。ダム反対を通じて知事は、そう主張している。

 さらに、直轄事業の巨額の負担金は自治体の重い荷物になる。直轄ダムの地方負担は3割だ。国交省による淀川の4ダムの総事業費は約3800億円にのぼる。最大の負担者の大阪府には今後、何百億円もの出費が求められる。5兆円の借金に苦しむ自治体にそんな余裕があるわけがない。

 これらの事業は本来、国会が必要性を判断し、厳選すべきだった。点検を怠り、国と地方の借金を膨らませた国会の責任も重い。

 そういう意味で、民主党が今国会に提出をめざす公共事業改革の3法案は注目される。国交省が進めるすべてのダムを凍結し、2年間かけて必要性をチェックする。100億円以上の公共事業は国会承認を義務づけるなどの内容だ。ぜひ成立させてほしい。

 地方の知事の相次ぐ「反乱」に、今度は国会が応える番だ。


東京新聞 2008年11月12日
【社説】:淀川水系のダム 国交省は「聞く耳」持て

 国土交通省が策定中の淀川水系河川整備計画案に盛られた大戸(だいど)川ダム建設に滋賀、三重、京都、大阪の四府県知事が中止を求めた。これを受け、国交省はかたくなな姿勢を早く改めるべきだ。

 蒲島郁夫・熊本県知事が九月、川辺川ダム計画の白紙撤回を求めたのに次ぎ、国の方針に淀川流域の知事たちが反対した。今回は国交省が河川整備計画策定の手続きの中で、河川法に基づき意見を聴いたのに対する異論の表明で、非常に重みがある。

 淀川水系の河川整備では当初、計画を策定する国交省近畿地方整備局とその諮問機関・淀川水系流域委員会ともダム建設に慎重だったが、昨年八月、同局の整備計画原案は大戸川ダム(滋賀県)など四ダム建設などを盛り込んだ。

 流域委が今年四月、ダムの効果を疑問視、建設は不適切とする意見を出したのに、同局はダムに関する内容を変えずに整備計画案を発表した。以来、同局の流域委の意見無視が続いていた。

 四知事の共同意見は、四ダムのうち川上ダム(三重県)建設と天ケ瀬ダム(京都府)再開発は容認し、調査段階にある丹生ダム(滋賀県)は意見を留保した。しかし、大戸川ダムは緊急性が低いと整備計画から除外を求めた。明快な反対の表明である。

 整備局が自らの諮問機関をまともに相手にしないのは、極めて異常である。だが、河村建夫官房長官が「きちっと受け止めて」と語ったように、法に基づき求めた知事の意見は無視できまい。

 長良川河口堰(ぜき)をめぐる論議を機に一九九七年、河川法が改正されて、河川整備計画の作成に学識経験者、流域住民、自治体の首長の意見を聴くことにしたのは画期的だった。ところが近年のダムにこだわる河川整備は、法改正以前の独善的、高圧的な手法に逆戻りしている疑いを否定できない。

 「国交省は自分たちの考えのみが正しいと思っているのではないか」という批判が強い。そうでないなら、ダムの有無による洪水など治水対策の効果を比較検証したわかりやすい資料を公開し、反対論に答えるとともに、流域住民の理解を求めるべきだ。

 四府県や熊本県以外の知事ら自治体の首長も、見せ掛けの「地域振興」や一時だけの「景気浮揚」につられ、安易に国の公共事業の片棒を担ぐべきではない。過重な事業費負担や修復不能の事態も起きる。その意味でも今回の共同意見は貴重な試みといえよう。


日経新聞 2008年11月13日
社説1 大戸川ダムは中止し、整備局の解体を(11/13)

 淀川水系で国土交通省近畿地方整備局が計画している大戸川ダムについて、大阪、京都、滋賀、三重の4府県の知事が建設中止を求めた。利害が対立しがちな流域自治体が共同提出した意見は重い。国交省はダムに固執することはやめ、新たな治水対策を早期に検討すべきだ。

 4県の知事は環境への影響や財政負担の重さを反対の理由にあげた。治水対策としては他のダムの再開発などで対応でき、大戸川ダムの優先度は低いと主張している。

 同ダムが最初に計画されたのは40年前だ。その後、水の必要量の減少で大阪府などが利水事業から撤退し、2005年に事業は凍結された。ところが国は昨年夏に、ダムの下底部に放流口を設ける治水専用ダム(穴あきダム)として再び建設する方針を突然打ち出した。

 この急な方針変更もそうだが、近畿整備局の姿勢には首をかしげる点が多い。今春には有識者委員会がダム建設を「適切ではない」という意見書をまとめた。同整備局はそれを無視して、ダムを盛り込んだ河川整備の計画案を作った。

 今回も、同整備局はダムを凍結する場合、滋賀県内の関連道路の整備を中止する意向を事前に伝えたという。大阪府の橋下徹知事らは「国の圧力だ」と強く反発している。

 知事の意見には法的な拘束力はないが、国の事業といえども地域の理解と協力が前提になることは論をまたないだろう。「ダムを認めないなら道路もつくらない」などという高飛車な姿勢は言語道断である。

 国交省がダムに固執するのは用地買収や住民移転が進み、今さら計画をやめられないというメンツだろう。実際、大津市の建設予定地では早期着工を求める声が多い。しかし、ダムに頼らなくても住民の安全・安心を守る道はあるはずだ。

 9月には熊本県の蒲島郁夫知事が川辺川ダム計画の白紙撤回を求めた。治水対策に対する民意はダムで洪水を抑え込む方式から、堤防強化や危険地域の宅地化抑制、災害情報の迅速な提供などを組み合わせた「減災」に移り始めている。河川行政の抜本的な転換が必要だ。

 近畿整備局の予算は約1兆3000億円に上る。京都府と滋賀県の一般会計予算を合わせた規模だ。地方分権が求められる現在、こんな公共事業の巨大機関などいるのだろうか。

 麻生太郎首相は先週、地方整備局など出先機関の見直しを指示した。近畿整備局の姿勢が煮え切らないようなら、真っ先に解体して権限と財源を自治体に移してはどうか。


毎日新聞 2008年11月13日 東京朝刊
社説:淀川水系ダム 地元判断を尊重し計画見直せ

 滋賀、京都、大阪、三重4府県の知事が、国土交通省近畿地方整備局が約3800億円をかけて淀川水系に建設を計画している四つのダムのうち、大津市の大戸川(だいどがわ)ダム建設を事実上凍結するよう求めた。2ダムは容認、1ダムは留保した。国のダム建設に流域の知事が共同して反対するのは全国でも初めてのことである。地元知事の一致した判断を尊重し、国は計画を見直すべきだ。

 整備局は今年6月、大戸川ダムなど4ダムを盛り込んだ淀川水系の河川整備計画案を公表、河川法に基づき地元知事に意見を求めていた。しかし、整備局の諮問機関・淀川水系流域委員会はそれに先立つ4月、ダム以外の検討が不十分とした中間意見書をだしており、その後、「堤防強化や河川改修を優先すべきだ」とした最終意見書を提出した。整備局の計画案公表は、委員会の一連の審議をないがしろにするもので理解に苦しむ。

 200年に1度の豪雨があった場合、大戸川ダムがあれば淀川の水位は計画上の危険ラインから2センチ下がるという。今の堤防でも上端まで2メートル余裕がある。その程度の効果なら堤防の安全性は変わらないと専門家は指摘している。既存ダムの有効活用などの選択肢もある。ダム建設費は1080億円で、約3割を地元が負担する。厳しい財政事情の中、まずダムありきで多額の税金を支出するのが妥当だろうか。知事が慎重になるのも当然だ。

 ダム建設を巡っては熊本県の蒲島郁夫知事が、同県を流れる球磨川水系で計画されている川辺川ダム建設への反対を表明した。流域住民にとって「球磨川そのものが守るべき財産だ」という判断からで、国のダム至上主義に一石を投じた。これまでのダム建設で、住民の宝ともいえる河川環境が破壊されたことに厳しい批判があったからだ。

 そもそも97年に河川法が改正され、知事や住民、学識者の意見を聞くよう義務づけられたのも、95年に完成した長良川河口堰(ぜき)建設で、国の強引な手法が厳しい反対運動を招いた反省による。住民の理解なくして今やダム建設は進まない。

 一方、大戸川ダムの建設では水没予定地の50世帯以上が既に集団移転している。治水政策の変化に翻弄(ほんろう)された犠牲者といえる。滋賀県は地元住民の理解が得られるよう、十分に説明を尽くす義務がある。地域整備などへの配慮も必要だ。

 麻生太郎首相は国の出先機関統廃合に意欲を見せている。淀川水系のダム計画を巡っても、地元議会などのチェックを受けない出先機関のあり方が疑問視された。知事らの動きをけん制しようとする整備局の姿勢も、存続をかけた危機感の表れにみえる。流域知事の連携で国の治水政策を変更させられるかどうか、地方分権のあり方も問われる。

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2008-11-12(Wed)

米国に次ぐ第2位の貧困大国 日本 06年OECD「対日経済審査報告書」

日本の歪んだ所得再配分 貧困層をより貧しくする

なぜ「蟹工船」が話題になったのか。
経済大国といえども、相対的貧困率がアメリカに次いで2位。
ここに答があるようだ。

本来、所得再配分は経済・社会の発達とともに正当な政策として実施されてきた。
税制における累進課税などが典型だ。

大金持ちには多くの税を払ってもらい、社会保障など貧困層の生活を支えるなどだ。

終焉を迎えつつある新自由主義・構造改革路線が、「勝ち組」「負け組」をつくりだした。
同時に、所得再配分を歪めたものにしてしまったのだろうか。

参考になりそうなので以下、紹介する。




(週刊東洋経済) - 08/11/04
貧困層をより貧しくする日本の歪んだ所得再配分

 「日本の相対的貧困率は今やOECD(経済協力開発機構)諸国で最も高い部類に属する」。2006年にOECDが公表した「対日経済審査報告書」は、日本が米国に次ぐ第2位の貧困大国である、という衝撃的な結果を伝えていた。

 相対的貧困率とは、税金や社会保障の負担などを差し引いた後に残る可処分所得を分析したもの。国民全体の所得分布から見て、中間に位置する人の半分以下の所得しか得られていない人の割合を示している。

 この報告書によれば、日本の相対的貧困率は13・5%。1位・米国の13・7%に肩を並べる水準だ。OECD加盟諸国の平均8・4%はおろか、3位・アイルランドの11・9%をも大幅に上回る。

 しかし、「日本は政府も含めて総中流意識が強く、これまで貧困の問題が十分に議論されてこなかった」と、貧困問題に詳しい国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩・国際関係部第2室長は指摘する。「日本は貧困に関する統計も十分に作られておらず、国会答弁も、ワーキングプアがいったい何人いるのかわからない状態で行われている」(阿部氏)のが実情だ。先進国最悪の状況を抱えながらも、日本は長らく貧困の問題から目をそらしてきたのである。

働く人を守らない 日本のセーフティネット

 日本が米国と肩を並べる貧困大国になったのは、なぜか。OECDの報告書によれば、非正規労働の増加による労働市場の二極化が主な要因だ。「10年前に全労働者の19%だった非正規労働者の割合は30%以上に増加した。パートタイム労働者の時間当たり賃金は平均してフルタイム労働者の40%にすぎない」。

 では欧米諸国は、こうした貧困や格差の問題に対して、どのような処方箋を講じてきたのだろうか。

 欧米諸国が導入を進めたものに「ワークフェア」と呼ばれる政策がある。ワークフェアとは、生活保護などの社会保障給付を行う条件として、一定の就労を義務づけるもの。各種の就労支援政策と組み合わせることによって、福祉に頼って生きていた人を経済的に自立させ、貧困から脱出させる政策だ。

 しかし、欧米で成果を上げたワークフェアが、そのまま日本の実情に当てはまるかというと、そうではない。ワークフェアが対象とするのは働いていない人だが、日本の貧困層の多くはすでに働いているからだ。

 たとえば、貧困率の高い母子家庭。日本政府は、シングルマザーの就労を促進するために、児童扶養手当を5年以上受給してきた母子世帯の手当を最大で5割削減すると決めた(実施は凍結状態)が、母子世帯の母親の85%はすでに働いており、仕事を二つ三つ掛け持ちしているケースも珍しくない。それでも、平均年収は全世帯平均の4割にも満たないのが現実だ(下グラフ)。
081021東洋経済)世帯別の平均所得金額

 
 しかも、最低生活水準を下回る収入で生活している世帯のうち、実際に生活保護を受けている人の割合を示す「補足率」は、日本では20%以下と、他の先進国を大幅に下回る。所得がゼロでも働く能力があると見なされたり、最低生活費の半月分に相当する資産を持っていれば却下される、といったように、たとえワーキングプアであっても生活保護が受けられないのが日本なのだ。働けど貧しい日本の貧困層に対するセーフティネットが、完全に欠如している。
081021東洋経済)極めて厳しい日本の生活保護認定


 それだけではない。日本では、驚くべきことに、ただでさえ苦しい立場にある独り親世帯(母子世帯・父子世帯)の貧困率が、政府の所得移転によって、かえって上昇するのだ。こんな問題を抱えているのは先進国の中でも日本だけである。なぜこんなことが起きるのか。
081021東洋経済)独り親世帯の貧困率


 その理由は、国民年金や国民健康保険の逆進性が高いことにある。所得移転には、年金給付や生活保護、児童手当などプラスの移転もあれば、社会保険料や消費税のようにマイナスの移転もあるが、日本では生活保護の補足率が低いため、最低生活水準の年収であっても、社会保険料や税を負担しているケースが多い。独り親世帯に限らずとも、日本における所得再配分の貧困削減効果は、欧州先進国に比べかなり低い。

 こうした日本の歪んだ所得移転を是正するには、「給付付き税額控除」と呼ばれる政策が一つのヒントになるだろう。課税所得がなく、税金控除の恩恵を受けられない人に給付を行うことで、所得再配分を強化する仕組みだ。日本ではまだ聞き慣れない政策だが、米国や英国、カナダ、オランダなどでは、すでに導入が進んでいる。(下の図表)日本でも、中央大学法科大学院の森信茂樹教授を中心とする研究者グループが、子育て世帯を対象にした「給付付き児童税額控除」を提言。財源や税収が中立であっても効果をもたらす、とのシミュレーション結果を得ている。

 貧困問題に対応するには、税制にまで踏み込んだ改革も避けて通れないようだ。
081021東洋経済)給付付き税額控除のイメージ
081021東洋経済)欧米の導入例






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2008-11-11(Tue)

道路特定財源 一般財源化の議論本格化 

これまでどおり高速道路財源を確保したい道路族 交付税化に反対

道路特定財源の一般財源化に伴い1兆円を地方に配分する方針をめぐり
7000億円の地方道路整備臨時交付金と別枠か、うち数かでもめている。

自民党は、これをの収拾を図るため「プロジェクトチーム」を立ち上げた。

一方で道路調査会は、
「交付税なら道路工事できぬ」
「これまで通り道路財源から道路整備の費用を捻出する」
ことをめざし、総務大臣の別枠・交付税化を批判。

ここではっきりしてきたのは、3・3兆円の国に入る道路特定財源は、
1兆円までなら余剰分もあるから地方に配分してもよい。
国に入る財源を減らすと高速道路につかう予算を確保するのが難しくなるから減らせない。

しかし、交付税にすると道路には回らないから、道路に多く使える形で配分したい。
地方が、道路以外につかうと、生活道路など必要な道路整備の財源がなくなる。
「まちづくり交付金」のように道路などインフラ整備のために使えるものにしたい。
ということのようだ。

いずれにしても、道路財源は道路につかうこと、
たとえ一般財源化されても「名を捨て実を取る」ことを目指す。
そのために道路族の暗躍が続いていくのだろう。





東京新聞 2008年11月11日 朝刊
自民税調 議論本格化へ ガソリン税 暫定税率に賛否

 自民党税制調査会(津島雄二会長)は十一日に総会を開き、二〇〇九年度税制改正に向けた議論を本格化させる。道路特定財源の一般財源化に伴い、ガソリン税などに上乗せされている「暫定税率」の取り扱いなど焦点となっている税目について検討する。消費税の引き上げを含む将来的な税制抜本改革の工程表「中期プログラム」をどこまで具体化するかも注目点だ。

 ガソリン税などは、使途を国と地方の道路整備に限った「道路特定財源」の一部で、暫定税率は「遅れている道路整備を急ぐ」という名目で本来の税率に上乗せされてきた。しかし、一般財源となって使い道が自由になると課税根拠がなくなり、「自動車利用者も反発する」(自民党幹部)。民主党も廃止を主張している。

 これに対し、政府や地方自治体は税率維持を主張。暫定税率による税収は道路特定財源全体の半分近い二兆六千億円を占める重要な財源だからだ。二酸化炭素の排出を抑えるための「環境税」に名目を変える案も有力視されている。

 さらに、麻生太郎首相が「道路特定財源から一兆円を地方に配分する」と発言したことで、従来、交付してきた七千億円と別枠で一兆円を加えるのか、総額一兆円なのか、総務省と国交省の論争が激化。税調の議論にも影響しそうだ。

 このほか、経済対策の一環として▽住宅ローン減税の延長・拡充▽現行の証券優遇税制の三年間延長▽中小零細企業への優遇税制▽省エネ機材への設備投資を促すための優遇税制-などがすでに決まっている。

 今後は、こうした減税の詳細を詰めるほか、証券優遇税制とセットで、少額の投資を促すための優遇措置を検討する予定。また、相続税の不具合も改善する方向。現行は遺族が受け取る額ではなく、遺産の総額などによって課税額を算出しており、同じ額を相続しても税額が異なる問題点がある。たばこ税引き上げも議題に上りそうだ。

 中期プログラムでは、社会保障費用をまかなうための消費税の引き上げプロセスとともに、所得税の最高税率(現行40%)の引き上げや低所得者への優遇措置が議論されそうだ。世界的に高いとされる法人税(原則30%)の引き下げも論点。変更時期や数値目標をどこまで具体的に書き込めるかが焦点だ。

時事通信(2008/11/10-20:16)
道路一般財源化チーム、12日に初会合
 自民党は10日、「道路特定財源の一般財源化に関するプロジェクトチーム」(PT、座長・谷垣禎一前政調会長)の初会合を、12日に開くことを決めた。道路特定財源問題のほか、麻生太郎首相が地方に回す方針を示した1兆円の配分方法なども論議する。
 会合は、週1回程度開催し、12月上旬までにPT案をまとめて、党税制調査会に報告する。メンバーは保利耕輔政調会長のほか、山本有二道路調査会長ら衆参両院議員約10人。(了)

産経新聞 2008.11.7 11:58
自民、「地方へ1兆円」でプロジェクトチーム設置
 自民党は7日、追加経済対策で道路特定財源の一般財源化によって地方へ1兆円を配分するとした政府方針に関し、プロジェクトチーム(PT)を近く設置して詳細を検討することを決めた。座長には谷垣禎一元国土交通相が就任する。細田博之幹事長が記者会見で明らかにした。
 政府方針をめぐっては、「1兆円枠」には従来の地方道路整備臨時交付金(約7000億円)が含まれるとする金子一義国土交通相と、「1兆円枠」は地方道路整備臨時交付金とは別に確保するべきだとする鳩山邦夫総務相の間で意見が対立している。
 自民党PTは、総額に関する対立を調整し、地方自治体への具体的な配分方法も検討する。
 一方、自民党道路調査会(会長・山本有二元金融担当相)の同日午前の会合では、道路特定財源の一般財源化後も地方の道路整備に必要な財源を確保すべきだとの意見が相次いだ。

時事通信(2008/11/07-12:21)
交付税なら道路工事できぬ=地方への1兆円-山本自民調査会長
 自民党道路調査会の山本有二会長は7日、党本部での会合後に記者会見し、一般財源化される道路特定財源から地方に配分する1兆円に関し、地方交付税に充てるべきだとする鳩山邦夫総務相の主張を「社会資本整備に使うよりも義務的経費、特に職員給与や退職金、借金返しで終わってしまう。わずかなお金しか道路工事ができない」と批判した。
 1兆円が地方道路整備臨時交付金(約7000億円)と別枠かどうかについても、山本会長は「他に1兆円の税財源を求めるのはあり得ない話で、赤字国債、建設国債の発行しかない」と述べ、7000億円を含む1兆円だと強調した。(了)

TBS 2008年11月7日
自民調査会、道路財源から整備費を
 麻生総理がガソリン税などの道路財源から1兆円を地方に配分する意向を示したことを受け、自民党の道路調査会は、これまで通り道路財源から道路整備の費用を捻出することを目指していくことを決めました。
 追加の緊急経済対策で麻生総理は、来年度から一般財源化される道路財源から1兆円を地方公共団体に配分する考えを示しています。
 しかし、この1兆円について、これまで道路財源から地方に配分されてきた道路整備費およそ7000億円が含まれるかどうかが曖昧なままになっています。
 7日の道路調査会でも、この1兆円の内訳について質問が集中し、「これまで通り、この道路整備費は維持されるべき」という意見が大勢を占めました。
 こうした議論を踏まえ、調査会では来週から地方公共団体から意見聴取を始め、道路整備費の必要性を訴えていく考えです。(07日13:15)
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2008-11-11(Tue)

消費税率上げ「早ければ2年後に法案提出」 首相が意向表明

消費税上げへの道筋議論=09年度税制改正作業に本格着手-自民税調

いよいよ消費税引き上げを本格化しはじめた。
年内総選挙もなくなり、いまのうちにやるべきことやっとこう、ということだろう。

経済対策は給付金や道路財源をめぐって、配分方法で混乱し、麻生内閣の支持率も下落。
総選挙は先送りしたから、怖いものなし・・・?

それでも、淡々とことをすすめることができるわけは?
庶民の暮らしの深刻さに関心のない麻生氏のことだから、総理の座を堪能したいだけなのかも?

いずれにしても、消費税引き上げが現実化しつつある。

低所得・貧困層ほど負担が重くなる逆進性の強い消費税増税、
かたや、金持・大企業には減税で優遇をすすめる。

こんな国でいいはずがない。必ず選挙で審判下そう!




TBS 2008年11月11日(16:44)
消費税、経済好転すれば2年後に法案
 経済対策に続き税金についても総理の発言をめぐって混乱が起きています。先月30日に「消費税率を3年後に上げる」と明言した麻生総理、ところが11日は「経済情勢次第で2年後に法案を」と発言し、自民党内からも「真意がわからない」という声が上がっています。
 「国民に安心を持っていただけるようにするという重大な責務を負っているわけでございます」(自民党・津島雄二税調会長)
 来年度の税制改正の方針を決める自民党の税制調査会が11日、本格的に動き出しました。例年と違うのは、来年度よりも先のことまで決めなければならないという重い宿題を背負っていることです。
 「経済状況をみたうえで、3年後に消費税の引き上げをお願いしたいと考えております」(麻生首相〔10月30日〕)
 消費税を引き上げる時期を「3年後」と明確にした発言。予想外に踏み込んだ、と政府・与党内でも受け止められました。
 「経済対策はバラマキではないか」という批判も受ける中で、財源を確保する増税では逃げない姿勢を示すべきだ、と総理に進言したのはこの人です。
 「首相があそこまではっきりと消費税について言われているという状況を踏まえて、相矛盾しない、積極的に追認する・・・」(与謝野経財相)
 与謝野氏や自民党の一部には、3年後に税率を上げるまでのプログラムを法案の形にして来年の国会に提出すべきだ、という案も浮上しています。
 「(Q.増税へのプログラム法案は?)長期的な話は、またもう少し議論が詰まってからの話です」(自民党・津島雄二税調会長)
 しかし・・・
 「景気対策をまずやって、そこそこ景気をよくして、その上で・・・」(麻生首相〔10月9日〕)
 「景気が回復した後には」という条件を麻生総理自身が強調し始めたため、「上げるのは3年後とは限らない」という受け止め方が広がっています。
 「消費税を含めた税制の抜本改正の議論というのは、3年後、景気回復というものを前提にしてこれからやっていくということを首相が表明されているわけでありまして」(中川昭一財務相)
 総理の指示をどう受け止めるか、は閣僚の間でもばらばら。さらに麻生総理は、11日になって「経済情勢が2年でうまくいったら法案を出す」と発言しました。
 総理の真意を図りかねながら、年末に向けた調整はスタートから混乱しています。


日経新聞(2008/11/11)
消費税率上げ「早ければ2年後に法案提出」 首相が意向表明
 麻生太郎首相は11日昼、消費税率引き上げについて「経済情勢次第だが2年でうまくいったらその時は出す」と述べ、早ければ2年後に関連法案を国会に提出する意向を表明した。同時に「3年たってもうまくいってなければその段階で考える」とも語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 首相は「きちんとした行政改革や無駄の排除をやり、景気対策を打って経済状況が良くなり、経済のパイが大きくならない限りできない」との認識を重ねて強調した。
 首相は景気回復を条件に、早ければ3年後の消費税増税を主張している。次期衆院選や2010年夏の参院選を経て、国会の「ねじれ」が解消されていることが前提とみられる。


時事通信(2008/11/11-18:50)
消費税上げへの道筋議論=09年度税制改正作業に本格着手-自民税調
 自民党税制調査会(津島雄二会長)は11日、党本部で総会を開き、2009年度税制改正作業に本格的に着手した。消費税を含めた税制抜本改革実現への中期プログラム策定が焦点。住宅ローン減税の拡充や、道路特定財源の一般財源化の具体化なども検討する。12月中旬までに詳細を詰め、09年度与党税制改正大綱をまとめる。
 中期プログラムでは、社会保障の安定財源確保や成長力強化、格差是正に向けて、消費税や法人税、所得税などの見直しをどのように進めていくのか方向性を示す。 
 消費税について麻生太郎首相は「経済状況を見た上で、3年後に引き上げをお願いしたい」としており、具体的な増税時期や手法、税率をどこまで盛り込めるかが焦点。企業の国際競争力強化に向けた法人税率引き下げなども論点だ。
 住宅ローン減税では、首相が最大控除額を現在の160万円から過去最大級に引き上げるように指示しており、600万円程度への増額を軸に調整が進む見通し。
 また現在、同減税の対象は国税の所得税に限られているが、新たに地方税の住民税も加える方向。これに伴い、税収減となる地方自治体への補てん措置も課題となりそうだ。
 証券優遇税制は、株式などの譲渡益と配当に掛かる税率を本来の20%から10%に軽減している現行制度を09年から3年間延長することを既に決定。このほか、少額投資の配当を非課税にする仕組みを設ける案も浮上している。
 道路特定財源の一般財源化は、12日に初会合を開く自民党プロジェクトチームが中心となって作業が進む見通し。同チームの議論を踏まえながら、税制面での対応を話し合う。
 総会後、津島会長は記者団に「限られた期間に、大きな当面の問題と将来に向けての方向性の両方を示さなければならない」と述べ、中期プログラム策定に意欲を示した。
◇09年度税制改正の主な検討項目
1、税制抜本改革の中期プログラム策定
1、住宅ローン減税の拡充。住宅リフォーム減税の創設
1、中小企業に対する軽減税率の時限的引き下げ
1、現在の証券優遇税制の延長と、少額投資のための優遇措置の創設
1、相続税の「遺産取得課税方式」への移行
1、道路特定財源の見直し

NHK 11月11日 19時13分
自民税調 本格的な議論始まる
 自民党の税制調査会は総会を開き、来年度の税制改正大綱の取りまとめに向けて、追加の経済対策に盛り込まれた過去最大規模の住宅ローン減税や、税制の抜本改革として消費税率の引き上げ幅などをどこまで具体的に示すかなどをめぐる本格的な議論に入りました。
 11日の総会で津島税制調査会長は「経済対策をしっかりと進めていくと同時に、これから増えていく社会保障の負担に対し、国民に安心感をもってもらうようにする重大な責務を負っている」とあいさつしました。
 また、中川財務・金融担当大臣は「社会保障の安定した財源の確保に向けて、その道筋を明確にすることは、財政規律の維持の観点からきわめて重要な課題だ」と述べました。
 税制調査会は、来月半ばまでに来年度の税制改正大綱を取りまとめることにしており、追加の経済対策に盛り込まれた過去最大規模の住宅ローン減税などの具体化を検討します。
 また、道路特定財源を来年度から一般財源化するにあたって、道路整備を急ぐ目的でガソリン税などに上乗せしてきた暫定税率の扱いをめぐっても意見が交わされます。
 さらに、社会保障を支える安定的な財源の確保に向けて、税制の抜本改革の道筋を示す「中期プログラム」の中で、消費税率の引き上げ幅などをどこまで具体的に示せるかも焦点となります。
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