2009-03-31(Tue)

大戸川ダム建設凍結 周辺道路は継続…淀川水系河川整備計画 国交省が発表

①大戸川ダムの本体工事は当面実施しない(凍結する)。
②将来、ダム本体工事に着手する場合は、改めて知事等の意見を聴き、河川整備計画を変更する。
③大戸川ダムの準備工事として県道大津信楽線の付替工事はダム予算をもって継続する。


国交省の判断は当然だ。
「ダム建設ありき」の河川行政を転換する第一歩となることを期待したい。

だが、他のダムはどうか。
天ケ瀬ダム再開発、川上ダムは、建設を続行する。
丹生ダムは、穴あきか、水をためるかの形式を検討する。

淀川水系流域委員会は、これらについても凍結を主張していた。
この点では、不十分だと言わざるを得ない。





国土交通省近畿整備局 HP

淀川水系河川整備計画を策定しました
平成21年3月31日
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/index090331.html

近畿地方整備局では、平成20年6月20日に淀川水系河川整備計画(案)を公表し、河川法に基づき関係府県知事の意見聴取を行って来ましたが、この度、関係府県知事からの意見が出揃ったのを受け、これらの意見を踏まえて、淀川水系河川整備計画を策定しました。

<全体版>
淀川水系河川整備計画の策定≪記者発表資料一式≫
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/pdf/090331issiki.pdf

<個別資料>
淀川水系河川整備計画の策定について
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/pdf/090331siryou.pdf

関係府県知事意見書(別添資料1)
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/pdf/betten1.pdf

淀川水系河川整備計画の概要(別添資料2)
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/pdf/betten2.pdf

淀川水系河川整備計画(別添資料3)
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/pdf/betten3.pdf

淀川水系河川整備計画の変更箇所対比表(別添資料4)
http://www.kkr.mlit.go.jp/river/yodo_sui/pdf/betten4.pdf


平成2 1 年3 月3 1 日
国土交通省近畿地方整備局
淀川水系河川整備計画の策定について

1.経緯
○近畿地方整備局は、淀川水系河川整備計画(案)を平成20年6月20日に作成・公表し、河川法に基づいて関係府県知事の意見をお聴きしました。
○これに対し、平成21年2月中旬から3月上旬までに、関係府県知事から意見が近畿地方整備局に提出されました。
【別添資料1:関係府県知事意見書】
2月10日三重県知事、兵庫県知事
2月13日滋賀県知事、大阪府知事、奈良県知事
3月2日京都府知事
○近畿地方整備局は、関係府県知事から提出された意見を受け、内容の正確な理解のための確認作業や関係機関との調整を行った上で、本日、淀川水系河川整備計画を策定しました。
【別添資料2:淀川水系河川整備計画の概要】【別添資料3:淀川水系河川整備計画】

2.関係府県知事意見の対応
○関係府県知事の意見のうち、その主旨が河川整備計画(案)に記述されていなかったものは本文の修正を行いました。
【別添資料4:淀川水系河川整備計画の変更箇所対比表】
○また、河川整備の実施段階で検討すべき事項については、必要に応じて関係機関との連携を図りながら対応します。

3.大戸川ダムに関する考え方
(要点)
①大戸川ダムの本体工事は当面実施しない(凍結する)。
②将来、ダム本体工事に着手する場合は、改めて知事等の意見を聴き、河川整備計画を変更する。
③大戸川ダムの準備工事として県道大津信楽線の付替工事はダム予算をもって継続する。
○6府県の知事意見について、各府県に具体的な内容を確認して、河川整備計画(案)の修正を行いました。
○特に、焦点となっている大戸川ダムについては、大阪、京都及び滋賀の三府県知事の共通した意見は「一定の治水効果は認めるが、優先順位の問題から河川整備計画には位置づける必要はない」ということでしたが、一方で大戸川ダムに直接関係する大津市や宇治市をはじめとする沿川市町長からは整備の促進を直接要望されるなど、知事と関係市町長との考え方が異なっており、その扱いに大変苦慮いたしました。
○大戸川ダムは、河川整備計画(案)でもお示ししたように、段階的な目標として、戦後最大の洪水に対する安全性を確保するためには必要です。
○しかしながら、その整備手順として、中・上流部の河川改修や他の洪水調節施設の整備手順を考慮すれば、必ずしも優先しなければならないものではなく、知事意見にもあるように、「中・上流部の河川改修の進捗とその影響を検証」して整備時期を検討するという考え方にも一定の合理性があると考えています。
○そこで河川整備計画では、「ダム本体工事については中・上流部の河川改修の進捗状況とその影響を検証しながら実施時期を検討する。」こととし、「これまで進捗してきた準備工事である県道大津信楽線の付替工事については、交通機能を確保できる必要最小限のルートとなるよう見直しを行うなど徹底的にコストを縮減した上で継続して実施する。」こととしました。
○ダム本体工事に着手する場合は、河川整備計画を変更する必要がありますので、その際には、改めて知事等のご意見をお聴きします。





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2009-03-30(Mon)

国道建設約20件凍結、国交省方針 経済効果薄いと判断

路線名は31日に公表、 関係自治体の反発も予想される

どこが凍結されるのだろうか。
凍結事業には、「準高速道路」の地域高規格道路も含まれる、という。

大都市部もあるのだろうか。地方ばかりだと疑問だ。




費用便益比(B/C)の点検結果について平成21年3月31日
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000065.html

 国土交通省では、先の通常国会での議論も踏まえ、将来の交通需要推計について、平成17年の道路交通
センサスや新たな人口推計等の最新のデータを基にした全国交通量を昨年11月に公表し、また、事業評価手
法について、昨年11月に、人や車両の時間価値など、費用便益比(以下、「B/C」という。)の計算方法を最
新のデータと知見に基づき見直したところです。

 今般、これらの見直しを踏まえ、平成21年度に事業を実施する予定の高規格幹線道路及び直轄事業等(新
設・改築事業)について、3便益(走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少)によるB/Cの点検を実施し、
別添のとおり、点検結果を取りまとめました。

 点検の結果、B/Cの値が1以下の事業については、既に支払いが約束済みのもの等を除き平成21年度の
事業執行を当面見合わせることとし、速やかに、コスト縮減など事業内容の見直し等の検討を行い、再評価を
実施して事業継続の可否を決定する予定です。

 また、B/Cの値が1を上回る事業についても、3便益が費用を上回るものの両者の値が近い事業もあること
から、直轄事業については関係地方公共団体より、各事業の役割や効果など点検結果に関する事項について
のご意見も頂いたうえで、各地方整備局等において平成21年度の事業を執行する予定です。

添付資料
点検結果一覧(PDF ファイル) http://www.mlit.go.jp/common/000036949.pdf


お問い合わせ先
【点検結果全般について】  国土交通省 道路局 企画課 道路事業分析評価室 
TEL:(03)5253-8111 (内線37682)
【直轄国道関係について】  国土交通省 道路局 国道・防災課 
TEL:(03)5253-8111 (内線37832)




朝日新聞 2009年3月30日3時0分
国道建設約20件凍結、国交省方針 経済効果薄いと判断
 国土交通省は29日、建設中の直轄国道約600件のうち18件前後の建設を凍結する方針を固めた。費用に見合う経済効果が得られないと判断した。09年度予算に盛り込まれた約400億円の執行をやめる。地方負担を含めた事業費は約5千億円。公共事業は事業再評価で停止されるが、直轄国道の凍結は過去5年間で数件にとどまり、今回は異例。関係自治体の反発も予想される。
 道路建設は、「交通需要は2020年代まで伸びる」とする02年時点の需要予測を前提にしてきた。だが、野党などから「過大な予測だ」と批判が高まり、国交省は昨年11月、予測を大幅に下方修正、交通量は03年には減少に転じたとした。道路の着工は、渋滞解消などの「便益」が、建設に伴う「費用」を上回ることが条件。国交省は新しい予測に基づき整備中の約600件(事業費約10兆円)の見直しを行っていた。
 凍結事業には、「準高速道路」の地域高規格道路も含まれる。すでに数百億円の事業費がつぎ込まれているが、建設を続けても十分な便益は見込めないと判断した。路線名は31日に公表し、関係する地方自治体と、計画の修正を含め事業の存廃について協議に入る。
 道路の経済効果については、民主党の馬淵澄夫・衆院議員も独自の試算をもとに、国道232号天塩バイパス(北海道)、国道168号十津川道路(奈良)、国道58号名護東道路(沖縄)など約50件が建設着工の基準を満たしていない、と指摘している。
 国交省は、政府が整備方針を決めている全国の高速道路網1万4千キロの未整備区間2900キロも再評価を行うが、凍結路線が出るのは必至だ。
 公共事業について国交省は00~07年度に9千件の再評価を行い、350件を停止している。ただ直轄国道は経済効果が高いとされ、止まる例はほとんどなく、07年度も0件。
 しかし、政府・与党は、公共事業を景気浮揚策の柱として位置づけており、景気の落ち込みが激しい地方からは反発が予想される。(座小田英史)

NHK 2009年 3月30日 4時16分
国道建設 約20区間で凍結へ
 国土交通省は、現在建設中の全国の国道のうち、およそ20区間は経済効果が低いなどとして、事業を一時凍結する方針を固めました。
 建設中の事業の凍結はきわめて異例で、景気の急激な悪化で公共事業の拡大を求める声が強まっているなか、反発が出ることも予想されます。
 国土交通省は、過大な交通量の予測でむだな道路が造られていると批判されたことを受けて、去年秋、道路の必要性を判断する基準を抜本的に見直したうえで、全国およそ600区間で建設中の国道をあらためて評価し直しました。
 その結果、およそ20区間について、新しい基準を下回り、建設費のわりには経済効果が低いことがわかったなどとして、平成21年度は事業を一時凍結する方針を固めました。
 建設中の事業の凍結はきわめて異例で、国土交通省は、今後、建設の取りやめも含め、計画を抜本的に見直すことにしています。
 また、地方自治体が国の補助を受けて建設している、およそ1400区間の道路についても、事業の再評価を進めており、凍結される事業はさらに増える見通しです。
 しかし、景気の急激な悪化を受けて、経済対策として公共事業の拡大を求める声が強まっていることに加え、住民の生命や財産を守るという観点から道路の建設を進めるべきだという意見も根強く、今回の措置には地方を中心に反発が出ることも予想されます。


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2009-03-29(Sun)

高速道値下げ―景気への賢い策なのか


第1に、地球温暖化対策と矛盾する。
第2に、道路公団を民営化した効果をそぐ恐れがある


高速道路1000円乗り放題が始まった。
行楽客がぞっと押し寄せた・・・なんて報道もある。

だが、それも最初だけだろう。
金融経済危機による雇用破壊、景気悪化、将来不安・・・
ますます、消費マインドは冷えていく。

行楽地にいこうにも財布と相談のうえだから、
おおもとの懐が冷え込んでいては、高速値下げを利用する機会もない。
やはり、仕事と雇用、生活を支える対策が必要だ。




朝日新聞 2009年3月29日(日)付
社説:高速道値下げ―景気への賢い策なのか
 大都市圏以外の高速道路で「土日・祝日は上限1千円」への値下げが、きのう始まった。ルートや距離によっては料金が10分の1以下になる区間もあるので、どの路線も前年より交通量が大幅に伸びた。4~5割増えた区間も珍しくなかった。行楽地は人出が増えて盛り上がったようだ。
 値下げに必要なETC需要も急増している。利用者への反響は大きく、景気刺激効果を喜ぶ声も少なくない。
 だが、ここは冷静に政策のプラスとマイナスを考えたい。国民は値下げの恩恵を受けるだけでなく、自分の懐が痛むことも知る必要がある。
 高速料金の値下げにつぎこまれることが決まっている税金は、10年間に総額3兆円。これだけで国民1人当たりの負担は2万4千円にのぼる。
 さらに、当面は2年間とされている「土日祝1千円」を3年目以降も続けるとすると、国民は1人当たり毎年2千円ずつ負担を増やさなければならない。納税者の立場になってみても、高速値下げに「それだけの価値がある」と支持できるだろうか。
 もともと高速料金の値下げ案は、昨夏にかけての超原油高のなかで浮上した。その後は原油価格が大きく下がり、それにつれてガソリン価格もかなり安くなった。原油高対策の必要性は薄れているのだ。
 政府・与党は昨秋のリーマン・ショック以降、値下げの目的を景気対策だと説明するようになった。もちろん経済危機下で対策は必要だ。だが、不況は長期化する恐れが強いのだから、一時的に刺激効果が出るだけでは不十分だ。苦しい財政の中から巨額の資金を出す以上は、将来的にも役に立つ賢い投資が求められる。
 その点、高速値下げは二つの意味で疑問がある。
 第1に、地球温暖化対策と矛盾することだ。マイカーの行楽客を増やせば、それだけ鉄道やフェリーなどの需要が食われる。自動車より温室効果ガスが少ない鉄道や船へ誘導することが国際的な目標になっているのに、逆方向の政策といわれても仕方ない。
 第2に、道路公団を民営化した効果をそぐ恐れがある。05年に民営化した高速道路6社は、旧道路公団時代の野放図な道路建設をやめるとともに、経営努力でコストを下げ、料金引き下げをめざすはずだった。なし崩し的に道路へ税金を投入することは、そういう経営努力に水を差すことになる。
 たいへんな経済危機に直面した恐怖から、目先の刺激効果が期待できそうな対策なら、何でもありで構わない。そんな気持ちが政府・与党にも、国民にも強まっているように見える。
 しかし、こんな時だからこそ「賢い政策」を選ばねばならない。高速値下げは、その点で問題が多すぎる。
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2009-03-29(Sun)

雇用“3月末危機”  路上生活しかないのか 国は宿泊施設拡充を

都と8政令市 入所率9割  緊急一時宿泊施設(シェルター)や自立支援施設の増設進まず

反貧困ネットワークの湯浅誠氏は危機感を募らせ、必死に訴える
「満杯の既存のシェルターでは絶対に足りない。このままでは大量の失業者が路上にあふれる」
「施設のある自治体に、他の自治体からホームレスが流入している。シェルターの拡充が進まないのは『これ以上来てほしくない』という自治体の本音があるのでは。国は自治体任せにせず、労働者の大量解雇で空いた社員寮を買い上げるなど、対策に本腰を入れるべきだ」

東京都
二十三区内の宿泊施設で四十人分の部屋確保。
四月から自立支援センター周辺のアパートで、単身用の四十部屋を借り上げる予定。
介護職を目指す失業者を対象に家賃が無料のアパートを二百五十人分用意、四月から募集する。

名古屋市
一月中旬から元社員寮やアパートの協力を得て、市内五カ所で単身の生活保護受給者が敷金・礼金なしで住めるようにしている。
現在、二百八十八室のうち約二百八十室が利用されている。
などの取り組みはあるものの、増設はすすんでいない。

自治体任せでは進まない。国が責任もって宿泊施設を拡充すべきだ。




東京新聞 2009年3月29日 朝刊
【社会】都と8政令市 入所率9割 雇用“3月末危機” 『仮住まい』不足も
 多くの企業が決算期を迎え、期間従業員らの大量解雇が懸念される中、緊急一時宿泊施設(シェルター)や自立支援施設の増設が進んでいないことが分かった。既存の施設は慢性的に満室状態で、ホームレスが多い東京都と八政令市の入所率は、本紙の調べで九割近くに達している。“三月末危機”を目前に控え、労働者側は「動きの鈍い自治体に代わり、国が施設の準備を」と訴えている。 (社会部・菊谷隆文)
 ホームレス自立支援法に基づき、東京都と仙台、横浜、川崎、名古屋、京都、大阪、堺、北九州の八市が運営する施設は計二十九カ所。定員に対する入所率は平均87%で、昨年秋から入所者が増え続けている。
 十カ所の施設がある東京都の入所率は92%(二月末)。大量解雇に備え、今月中旬から二十三区内の宿泊施設で四十人分の部屋を確保。四月からは自立支援センター周辺のアパートで、単身用の四十部屋を借り上げる予定。一-二カ月間は家賃、食事、光熱費が無料で利用できる。
 このほか介護職を目指す失業者を対象に家賃が無料のアパートを二百五十人分用意、四月から募集する。
 非正規労働者の失業者が約二万四千人と全国最多の愛知県。名古屋市は一月中旬から元社員寮やアパートの協力を得て、市内五カ所で単身の生活保護受給者が敷金・礼金なしで住めるようにしている。現在、二百八十八室のうち約二百八十室が利用されている。
 東京都と名古屋市以外は拡充が進んでいない。「既存の施設で対応」(川崎市)や「生活保護で敷金・礼金分も支給」(横浜市)としている。北九州市は「入所期間を短縮し、多くの人が利用できるようにする」という。
 厚生労働省の調査では、昨年十月から今月までの半年間で非正規労働者の失業者数は約十五万八千人になる見込み。今月末には製造業を中心に期間従業員や派遣労働者の失業が急増するとみられる。

東京新聞 2009年3月29日 朝刊
路上生活しかないのか 3月末危機 国は宿泊施設拡充を
 製造業の期間従業員や派遣労働者の解雇がピークを迎える“三月末危機”。しかし、仕事と住居を同時に失った失業者が駆け込める一時宿泊施設(シェルター)の拡充は一部大都市を除き進んでいないのが実情だ。「満杯の既存のシェルターでは絶対に足りない。このままでは大量の失業者が路上にあふれる」。非正規労働者やホームレスらを支援する「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長は危機感を募らせている。 
 年末年始に東京・日比谷公園などで、住居を失った非正規労働者ら約五百人を支援した「年越し派遣村」。半数余りが生活保護を受けて住居を確保できたが、派遣村は住居が決まるまでのシェルターの役割も果たした。
 湯浅さんらは年明けに「派遣村に来られなかった人との間に差別があってはならない」と厚生労働省に全国的なシェルターの拡充を要請。同省は政令市に協力を依頼したが、あまり進んでいない。
 湯浅さんは「施設のある自治体に、他の自治体からホームレスが流入している。シェルターの拡充が進まないのは『これ以上来てほしくない』という自治体の本音があるのでは。国は自治体任せにせず、労働者の大量解雇で空いた社員寮を買い上げるなど、対策に本腰を入れるべきだ」と訴える。
 湯浅さんは、国会議員らにも国の予算措置を求めて働き掛けており、賛同者が出始めている。自民党の亀井善太郎衆院議員は「地方議会には『住居を失う非正規労働者は金をためてないからだめだ。甘えている』とあからさまに言う議員もいる。国と地方が一体になって政策を進めないと解決しない」と話す。
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2009-03-28(Sat)

“負のスパイラル”断ち切れ 下請企業や労働者にしわ寄せ 公共工事

公共工事設計労務単価のあり方検討会の報告

建設投資の急速な減少により価格競争が激化し、
公共工事においては、ダンピング受注が多発し、落札率が低下。

そのもとで、

下請企業や労働者にしわ寄せ、
公共工事に従事する労働者の賃金が下がり、
賃金の支払い実態を調査している公共工事設計労務単価も低下する。
それを基に積算されることから予定価格が低下する。

負のスパイラルともいうべき状況。

これを断ち切る改善策となるか、
期待したいのだが・・・?





公共工事設計労務単価のあり方検討会の報告
平成21年3月27日
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo14_hh_000064.html

 平成21年度公共工事設計労務単価のあり方検討会(座長:常田賢一 大阪大学教授)において検討内容を取りまとめたので、添付資料の通り発表する。

添付資料
「公共工事設計労務単価のあり方について」報告(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000036586.pdf
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平成21年度公共工事設計労務単価(基準額)について
平成21年3月27日
http://www.mlit.go.jp/report/press/sogo14_hh_000061.html
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お問い合わせ先
国土交通省総合政策局建設市場整備課 
TEL:(03)5253-8111 (内線24863,24865)
――――――――――――
公共工事設計労務単価のあり方について 報告
平成21年3月 公共工事設計労務単価のあり方検討会
(抜粋)

2. 公共工事設計労務単価をめぐる論点
(1) 基本的考え方
 建設投資の急速な減少により価格競争が激化し、公共工事においては、ダンピング受注が多発し、落札率が低下している。そうした影響もあって、下請企業や労働者にしわ寄せが行われ、公共工事に従事する労働者の賃金が下がり、賃金の支払い実態を調査している公共工事設計労務単価も低下することとなる。それを基に積算されることから予定価格が低下するといった、負のスパイラルともいうべき状況となっている。
 加えて、我が国経済は戦後最大の経済危機に直面し、雇用情勢も急速に悪化してきているが、特に建設産業は従来から製造業等に比べ賃金水準が低いなど、労働条件が厳しいことから、雇用状況の深刻化が一層懸念されるところである。
 建設産業は「人」が支える産業であり、雇用状況の悪化は、建設生産物の品質の低下や施工の安全性の低下が懸念されるとともに、次代を担う優秀な人材の確保が困難になるなど、建設産業の今後の健全な発展に支障が生じることが懸念される。建設産業は住宅・社会資本整備を担い、地域経済を支える基幹産業である。今後とも、建設産業が国民の期待に適確に応え、建設産業に従事する者が誇りとやりがいを持って仕事に取り組めるよう、建設労働の改善に資する施策を総合的に実施していく必要がある。

(2) 論点の整理
 公共工事設計労務単価に関する課題は、単に労務費調査の問題にとどまるものではなく、前述のように、負のスパイラルともいうべき状況の中で労務単価が下落している点が重要である。アンケート結果を見ても、公共工事設計労務単価の改善すべき事項については、単価の設定のための調査方法や設定の考え方だけにとどまらず、労務単価を使用した積算に関する事項、ダンピング対策をはじめとした入札契約の適正化に関する事項、元請下請関係に関する事項、建設技能労働者の賃金等の労働条件の決定に関する事項、など公共工事の各段階における課題が指摘されている。
 したがって、本検討会においては、公共工事設計労務単価をめぐる論点について、労務費の調査のみならず、予定価格の設定から、入札契約・施工といった公共工事の一連のプロセスを捉え、それぞれの局面における論点を以下のとおり整理して検討していくこととした。《図-18参照》

論点1 労務費調査の改善
 公共工事設計労務単価設定の基礎となる労務費調査について、精度向上等に向けた改善。

論点2 積算の更なる適正化
 実勢価格を反映した予定価格の設定に向け、現場条件の適正な評価、最新の実例価格を用いた積算・見積方式の拡大など、更なる適正化。

論点3 入札契約の適正化
 ダンピングの抑止等による適正な価格による受注の促進。

論点4 元請下請関係の適正化
 元請・下請間の契約の片務性の是正。

論点5 労働条件の確保・改善
 労働者への適正な賃金の支払いが確保されるよう、労働条件の確保・改善。
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2009-03-27(Fri)

地価公示 バブル崩壊時しのぐ急落とは

不動産投資信託(REITなどの資金流入減が原因

ミニバブルの崩壊は
「世界的な金融危機による信用収縮で、不動産投資信託(REIT)やファンドを通じた不動産市場への資金流入が減っている。金融機関も不動産向け融資を抑えている」
ことにある。




平成21年地価公示について
平成21年3月23日
http://www.mlit.go.jp/report/press/land04_hh_000017.html

平成21年地価公示の結果について、公表します。
http://tochi.mlit.go.jp/chika/kouji/20090323/index.html

※「地価公示」とは、一般の土地の取引価格に対して指標を与えるとともに、公共事業用地の取得価格算定の規準となり、また国土利用計画法に基づく土地取引の規制における土地価格算定の規準となる等により、適正な地価の形成に寄与することを目的として、土地鑑定委員会が、毎年1回、標準的な土地についての正常な価格を一般の方々にお示しするものです。

お問い合わせ先
国土交通省土地・水資源局地価調査課地価公示室 
TEL:(03)5253-8111 (内線30353) 直通 (03)5253-8377


日経新聞 2009年3月24日
社説2 世界的な危機映す地価下落(3/24)
 国土交通省が発表した公示地価(1月1日時点)によると、住宅地、商業地ともに3年ぶりに下落した。世界的な不況の影響で日本の地価は「全面安」の様相になっている。
 東京、大阪、名古屋の3大都市圏で地価が上がった地点はゼロだった。都道府県別に平均値をみても、すべての地域で下落した。大都市圏では昨年半ば以降、下落が加速しており、底はまだ見えない状況だ。
 世界的な金融危機による信用収縮で、不動産投資信託(REIT)やファンドを通じた不動産市場への資金流入が減っている。金融機関も不動産向け融資を抑えている。
 不動産業者の倒産が増えているのも資金調達が厳しいためだ。物件を短期でファンドに転売して利益をあげてきた業者だけでなく、消費者向けに住宅を供給する業者も在庫を抱えたままで資金繰りが悪化し、破綻する事例が増えている。
 企業業績の悪化も響いている。人員整理や事業の見直しで企業はオフィスの縮小に動いており、全国の主要都市で空室率が上がっている。昨年初めまではほぼ満室だった東京都心部でも空きが目立ち始め、賃料は下がっている。新築ビルの空室率が高い点も最近の特徴だろう。
 全国の商業地で下落幅が大きい10地点のうち、9つは名古屋だった。トヨタ自動車の不振が地域経済を直撃し、市況が一気に悪化した。
 マンション市場も冷え込んでいる。発売戸数が減っているうえ、首都圏でも物件の契約率が好不調の分かれ目といわれる70%を下回っている。在庫を減らすために業者の値引き販売も広がっている。
 土地の収益力が低下しているのだから、地価は当面下落しやすいだろう。急激な下落は企業の資金調達や金融機関の経営にも悪影響を及ぼしかねないだけに要注意だ。特に、土地を担保にした借り入れへの依存度が高い中小企業の資金繰りについて、政府は目配りする必要がある。
 過去最大規模の住宅ローン減税の実施を見込んで、分譲住宅やマンションの内覧会に来る人が最近増えてきた。政府はこうした政策面での需要喚起策に加えて、土地取引や物件情報の開示を進めて、適正な価格が形成されるように促してほしい。


朝日新聞 2009年3月24日(火)付
公示地価―下落を経済再生のバネに
 景気の急激な落ち込みの影響が地価にも及んできた。国土交通省が発表した今年1月1日時点の公示地価で、住宅地、商業地の両方とも、47都道府県のすべてで下落した。全国平均では3年ぶりの下落となった。
 昨年調査までは首都圏、大阪圏、名古屋圏の3大都市圏は中心部の土地需要が底堅く、地価は高い伸びを示していた。だが、今回はその大都市圏が地方より大きく下落し、全国ほぼすべての地点で下落局面に入った。
 これほど広く地価が下落したのは実需が落ちたからだ。雇用不安が高まり所得の伸びを期待しにくくなったためか、マンションの売れ行きが落ちている。オフィスビルも空室率が上がり、賃料が下がっている。企業の資金繰りの悪化で、商業施設や工場の建設への投資が急激に減っている。
 1~2年前までは都心部のホテルや商業施設の大型投資に海外から巨額の資金が入ってきたが、それも世界金融危機でしぼんでしまった。
 こうなると、不況がもたらした地価下落がさらに不況に拍車をかける、という悪循環が心配だ。保有地の時価が簿価をかなり下回ると企業は損失を計上しなければならず、業績の悪化が投資や雇用の削減を招くからだ。
 政府はそういうショックをやわらげるよう、企業の資金繰り支援などに一層目配りする必要がある。
 さらに、地価下落を経済危機に立ち向かうバネに利用する、という逆転の発想も必要なのではないか。
 住宅地はバブル経済前夜の85年ころ、商業地は第2次石油危機の79年ころの水準まで下がった。
 これだけ用地費が安くなれば、JR東海の中央リニア新幹線計画や首都圏の環状道路などの大型プロジェクトも、これまでの想定より採算がとりやすくなるはずだ。高齢社会にふさわしいコンパクトシティー化のような都市づくりも進めやすくなる。
 良質な住宅環境をつくるチャンスでもある。92年に宮沢元首相が打ち出した「生活大国」の目標は「大都市圏の住宅を平均年収の5倍程度に」。首都圏マンションでは90年代半ばに達成。建売住宅でも01年に6倍を切るところまでいったが、ここ2~3年は再び上昇し、差が開いていた。
 世界不況は少なくとも数年は続く、という見方が増えている。しばらく土地需要は盛り返しそうもない。それにそもそも人口減少社会となった日本では、どこかで人口が増えて地価が上がれば、人口が減って地価が下がるところも出る「地価のゼロサム社会」となる可能性が高い。
 地価の反転を期待した経済政策や企業ビジネスはもはや通用しない、と覚悟した方がいい。「土地本位」の経済構造や取引慣行を変えるときだ。

(2009年3月24日01時45分 読売新聞)
地価公示 バブル崩壊時しのぐ急落とは(3月24日付・読売社説)
 不動産市場は、まるで“ツナミ”に襲われたようだ――。業界関係者がこう嘆くほどの地価の急落ぶりである。
 つい1、2年前まで、大都市の優良地では、前年比で30~40%上昇する地価のミニバブルが起きていたが、それが様変わりの状態だ。
 ただでさえ落ち込む国内景気の足を、さらに引っ張るのが地価の下落だ。政府は、不動産市場へのさらなるテコ入れ策を検討すべきではないか。
 国土交通省が発表した今年1月1日の公示地価は、全国の住宅地で3・2%、商業地で4・7%、前年に比べそれぞれ下落した。
 住宅地、商業地とも昨年までは2年連続で上昇を記録しており、長かった地価デフレに、ようやく歯止めがかかったとされた。
 それを直撃したのが、米国発の金融危機と、それに伴う世界同時不況だ。今年の調査では住宅地、商業地とも全都道府県で値下がりしている。
 しかも、前年比で上昇したのは住宅地(調査地点約1万5000か所)でわずか16地点、商業地(約4800か所)でも5地点にすぎなかった。
 国交省によると、1990年代以降のバブル崩壊時にも激しい下落に見舞われたが、上昇地点がこれほど少ないのは、地価公示40年の歴史で初めてという。
 今回の下落は、それほど広範囲に、しかも急激に起きたということである。
 なかでも、ミニバブルに踊った地域ほど下落が激しい。全国の下落率ワースト10には、住宅地では東京都渋谷、港区などの一等地、商業地では開発ブームにわいた名古屋市の中心地が並んでいる。
 地価下落の大きな要因は、海外からの投資マネーの撤退と、国内の買い手不足だ。
 日本の不動産価格は欧米に比べて割安とされ、3、4年前から海外の資金が大量に流入した。それが日本の地価を底上げしたが、世界的な住宅バブルの崩壊で、資金が一斉に引き揚げられた。
 歩調を合わせるように、国内の不動産会社などに対する金融機関の融資姿勢が厳しくなり、買い意欲が一気にしぼんだ。
 地価下落に歯止めをかける手段はないのか。税制上の優遇措置が一つの候補だろう。実施が決まっている住宅ローン減税の大幅拡充に加え、不動産取得税の軽減などが指摘されている。
 政府に迅速な行動を期待する声は大きい。

毎日新聞 2009年3月24日 東京朝刊
社説:地価下落 金融収縮防止へ十分な対策を
 公示地価が発表された。経済の急速な低下を映す形で地価も総崩れ状態となっている。全国にある2万8000余の調査地点のうち、地価が上昇したのはわずか20地点余り。比率にして0・1%にも満たないという状況だ。
 今年1月1日時点の地価を1年前と比べたもので、前回まで商業地で3年連続、住宅地で2年連続上昇していた東京、大阪、名古屋の3大都市圏の地価も、今回は下落に転じた。
 地方圏の地価は下落が続いていたとはいえ、前回まで4年間にわたって下落幅は縮小していた。しかし、今回は再び下落幅が拡大することになった。
 中でも3大都市圏の地価下落が急で、地方圏の下落率を上回っていることが特徴だ。
 地価が上昇した地点が0・1%に満たないのはバブル崩壊後の90年代にもなかったことで、不動産市場の深刻さを示している。
 日本は80年代後半のバブルが崩壊し、その後遺症からようやく抜け出すのに長期を要した。そして都心の一等地を舞台にしたミニバブルと呼ばれた不動産ブームも起こった。過熱が心配され、金融庁は不動産融資への監視を強めた。
 そうした効果もあって地価は07年の夏をピークに下降に転じた。そこに米国発の金融危機が重なり、昨年9月のリーマン・ショックの後、さらに地価下落に拍車がかかった。新興不動産開発業者を中心に不動産、建設関連の企業の倒産が続いている。
 日本は輸出に依存する形で経済の再生を進めてきた。しかし、米国の住宅バブル崩壊に端を発した今回の世界的な経済危機が、外需への依存度を高めていた日本経済を直撃した。
 日本経済の落ち込みは、金融危機の震源地の欧米より激しく、それが地価にも表れた。地価の下落は、担保価値の下落という形で金融の収縮につながる。住宅やマンションの価格低下は、逆資産効果という形で消費にも悪影響を与える。
 政府と日銀は、資金繰り問題に取り組んでいるが、あらゆる対策を講じて対処してほしい。また、政府も経済対策の中で、住宅ローン減税の拡充や不動産譲渡益課税の軽減を打ち出すなど、不動産取引を促す措置をとっている。
 しかし、今回の不動産市況の急速な冷え込みは、日本だけの対応で克服するには荷が重い。
 今回の不況の原因は、米国の住宅ブームの崩壊をきっかけに、世界的に膨らんだ金融バブルがはじけたためだ。日本の不動産市場が活力を取り戻すのは簡単ではない。
 震源地の米国が金融システムを立て直すため大胆な措置をとるのが第一だ。そして、日本も含め各国政府が金融、財政面で適切な措置をとり、危機克服に全力を尽くしてもらいたい。
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2009-03-26(Thu)

成田貨物機炎上 初の死亡事故 解明急げ

気象の急変 これまでもあったはず 経営に問題はなかったのか



フェデラルエクスプレス社副社長による技術部長訪問概要
平成21年3月24日
http://www.mlit.go.jp/report/press/cab10_hh_000010.html

1.日時・場所
 平成21年3月24日(火)15:00~15:30  於:航空局応接室

2.訪問者
 フェデラルエクスプレス社 グローバルコミュニケーション&IR担当副社長
 ウィリアム・マルガリーティス 氏     他

3.概要
(宮下技術部長)
 ・23日(月)の事故は、成田空港開港以来初めて死亡者が出るという大きな事故であり航空の安全性に係る信頼を揺るがすものであることに加え、日本の主要国際空港である成田空港のA滑走路が長時間閉鎖されることとなり、利用者等に多大な影響を及ぼしたものであり、誠に遺憾。
 ・現在、運輸安全委員会による事故調査が進められているが、本件事故の原因究明に向けて本調査へ協力するとともに、安全確保に向けて真摯に取り組むよう指導。
  
(フェデラルエクスプレス社)
 ・当該事故により多大な迷惑が及んだことについて陳謝を表明。
 ・ご指摘を踏まえ、事故調査に積極的に協力するとともに、今後さらに安全確保に取り組みたい。

お問い合わせ先
国土交通省航空局技術部運航課 
TEL:(03)5253-8111 (内線50104) 直通 (03)5253-8731
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2009年3月24日01時45分 読売新聞)
貨物機炎上 突風に対する備えは万全か(3月24日付・読売社説)
 成田空港が1978年に開港して以来、初めて航空機事故による死者が出た。中国・広州発の米国の定期貨物便が着陸に失敗し、米国人の機長と副操縦士の2人が死亡した。
 着陸寸前、機体が不安定に横揺れし、バウンドして炎に包まれる様子を、テレビカメラもはっきりと映し出した。衝突の衝撃で、主翼内部の燃料に引火したとみられている。操縦席の2人は逃げる間もなかっただろう。
 事故当時、滑走路には最大瞬間風速18メートルの強風が吹いていたことから、機体が突風にあおられたのが原因とみられている。これが旅客機だったら、大惨事になったのではないか。
 自然現象として突風は常に起こり得る。なぜ事故を回避できなかったのか。運輸安全委員会は航空事故調査官を現地に派遣した。原因を詳細に分析し、再発防止につなげてもらいたい。
 成田航空地方気象台は当時、高度約500メートル以下の低空で、風向や風速が突然乱れるウインド・シア現象が発生する、との気象情報を出していた。
 事故機の直前に着陸した航空機からも、ウインド・シアが発生しているとの通報が管制官に入っていた。こうした情報は、事故の約2分前、着陸許可を出した際に事故機にも伝えたという。
 「強風時に滑走路に突っ込むかどうかの判断は難しい。着陸寸前に突風に遭えば、着陸のやり直しは不可能だ」と指摘する専門家もいる。管制官からの注意情報を受け、事故機の機長らは何らかの対応をしたのだろうか。
 操縦ミスの有無や、突風に対する特性など機体の構造上の問題も調査する必要がある。
 千葉県外房沖の上空では先月、マニラ発のノースウエスト機が乱気流に遭遇し、乗客ら43人が負傷する事故が起きている。
 当時も気象が不安定で、寒冷前線の通過で積乱雲が連なり、乱気流が発生しやすかった。
 成田空港の管制官が周辺上空で待機して着陸許可を待つよう指示していた中で事故は起きた。シートベルトを着用していなかったことが、被害を大きくした。
 安全が第一である。刻々と変わる気象状況に応じた機長や管制官の判断は、極めて重い。
 気象台と空港、機長との気象情報の伝達や指示は、的確・迅速に行われているだろうか。異常気象に対処する機長らの教育訓練は十分だろうか。この点についても総点検が重要である。

産経新聞 2009.3.24 03:47
【主張】貨物機炎上 気象の急変に対応怠るな
 中国・広州発の米貨物機が成田空港で着陸に失敗し炎上する事故を起こし、機長と副操縦士の2人が死亡した。成田空港で航空機の事故により死者が出たのは昭和53年の開港以来初めてのことだ。これが旅客機であれば、多くの犠牲者を出していた可能性が高い。
 気象台によると、事故当時の空港周辺は、最大瞬間風速約20メートルの強風が吹いていた。そのうえ、風向きや風速が急激に変化して機体が激しく揺れ、失速につながりやすい「ウインドシア」と呼ばれる現象が、事故の数分前に着陸した旅客機から管制官に報告されていた。こうした風が事故原因のひとつとみられている。
 風の変化を甘く見てはならない。航空会社や国土交通省は今回の事故を契機に運航の障害となる気象への対策を総点検し、安全運航に万全を期してほしい。
 管制官は、事故機のパイロットにウインドシアの発生を警告していたという。発生をとらえる地上レーダーや航空機搭載の警報装置もある。事故機のパイロットは気象条件の悪化を把握できていたはずだ。それなのになぜ、事故を防げなかったのか。
 今後、コックピット内の機長と副操縦士との会話や管制官とのやりとりを録音したボイスレコーダー、飛行状態を記録したフライトレコーダーが解析される。その検証により、同種の事故の再発を防止しなくてはならない。
 専門家のなかには「貨物機は条件が悪くても着陸しようとする傾向があり、それが事故の引き金になる」と指摘する声もある。事故機は着陸を強行してはいなかったか。着陸が無理なら他の空港への着陸もできたはずだ。
 春先は気象の変化が激しく、この日の首都圏は、強風が吹き荒れ、鉄道ダイヤなども大混乱していた。日本の上空では2月20日、ノースウエスト機が乱気流に巻き込まれ43人が負傷した。3月5日にもエールフランス機が乱気流に遭遇し2人が重傷を負った。
 最近の日本列島の気象に急速な変化がみられるようだ。昨夏には、群馬県や北陸地方で竜巻のような突風が発生し、屋根が飛ぶなどの大きな被害が出た。この春の荒天も、気候変動にともなう異常気象が影響しているとする意見もある。
 航空関係者だけではなく、だれもが気象の変化に注意を払う必要がありそうだ。

【社説】
東京新聞 2009年3月24日
成田着陸失敗 解明急げ初の死亡事故
 着陸に失敗し炎上する貨物機の生々しい映像は航空会社や海外旅行の出発待ちの人たちに大きな衝撃を与えた。成田空港初の死亡事故は、航空関係者にあらためて「空の安全」徹底を求めている。
 成田空港A滑走路に着地した米貨物大手のフェデラルエクスプレス(フェデックス)80便は二度ほどバウンドした後、横転し、炎上しながら疾走。乗員二人が死亡した。旅客機なら大惨事になっただろう。
 事故原因は今後、国土交通省運輸安全委員会が解明していくが、当日朝の空港周辺は風が強かったことが指摘されている。
 航空機は正面からの風には強いが、横風や追い風、突然の上昇・下降気流には弱い。先月二十日、米ノースウエスト航空の旅客機が千葉県・銚子沖上空で乱気流に巻き込まれて四十三人が負傷したケースなどは記憶に新しい。
 今回は着陸時での事故だ。パイロットは通常、飛行場とその周辺の風向や風速、視程、気圧など最新の気象情報を管制官などから提供される。事故機も無事に着陸した他社航空機の情報を得ていたはずだ。機体や操縦士の健康などのほか「想像もつかない風」が吹いたのか解明が待たれる。
 ただ、急変する天候が相手でも万全の安全対策が不可欠だ。航空会社には悪天候なら離着陸を断念する勇気を持ってもらいたい。
 今回の着陸失敗事故は、一九七八年五月に開港した成田空港にとって初めての死亡事故という。
 成田は年間利用者数が約三千五百万人に達する世界有数の空港である。来年三月には暫定滑走路を二千五百メートルに延伸する工事が完成。B滑走路として供用が始まれば、同空港の発着枠は現在の年間約二十万回から二万回増える。
 羽田空港も来年十月には四本目の滑走路が完成し年間約四十一万回と約十一万回も拡大される。国交省は両空港を「首都圏空港」と位置付け一体運用を行って国内外からの要望に対処する考えだ。
 そうした方向はいいが、拡大する航空需要に対応した空域・空港管制に穴はないか。管制官の誤指示や操縦士との交信ミスなどが依然として後を絶たない。習熟を重ねて空の安全をしっかり守ってほしい。
 また航空会社によると中部空港などは立地上、横風に見舞われるケースが多いという。国交省は設計段階から横風には工夫していると説明する。この機会にあらためて風対策を徹底させるべきだ。
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2009-03-25(Wed)

西松献金事件―小沢代表は身を引くべきだ  他

各紙の論調



朝日新聞 2009年3月25日(水)付
西松献金事件―小沢代表は身を引くべきだ
 政治家に不祥事が持ち上がった時、問われるのは法的責任だけではない。重い政治責任を負わねばならない。政権をうかがう大政党の党首となれば、なおさらである。
 民主党の小沢代表の公設第1秘書が、西松建設の違法献金事件で起訴された。政治資金規正法違反の起訴事実は、逮捕容疑とほとんど変わらず、あっせん利得や収賄など別の容疑に広がることはとりあえずなかった。
 この結果を受け、小沢氏は昨夜、記者会見し、引き続き代表にとどまる考えを表明した。
 秘書の逮捕以来、小沢氏は「政治資金規正法の趣旨にのっとって正直に報告した。何ら悪いことはしていない」と検察の捜査に強く反発してきた。秘書も容疑を否認しているという。
 そうであるなら、法的には裁判で争い、司法の場で決着をつければいい。秘書が逮捕され、さらに起訴されたからといって「黒」と決めつけるわけには、むろんいかない。
■説明責任を果たさず
 だが、それとは別に、小沢氏には政治家としての重い責任があることを忘れてもらっては困る。
 まず、説明責任だ。
 検察が西松建設のダミーと認定した政治団体について、小沢氏は正体を知るすべもないと語ってきた。献金はどこからもらっても、公開していれば問題ない。そう胸を張ってもきた。
 だとしても、なぜ素性も知らない団体からそんなに巨額の献金をもらい続けてきたのか。
 秘書の逮捕後、小沢氏側が東北地方を中心に土木・建設業界に強い影響力を持ち、そこから巨額の献金を得ていたことが明らかになった。
 業界に便宜を図ったかどうかはともかく、ゼネコンなどと深い、長い付き合いがあるのに、今回のカネの出どころは知らなかったというのは、どうにも不自然だ。
 大規模な公共事業の受注をめぐってしのぎを削る業者との付き合いは、どのようなものだったのか、なぜ影響力を期待されるようになったのか。そうした事情をきちんと説明すべきなのに、小沢氏がその責任を果たしたとはとても思えない。
 仮に小沢氏の主張が正しく、法的な問題がなかったとしても、だからそのカネを受け取ることが政治的にも妥当であったとは言い切れまい。たとえ法には触れなくても、政治家として受け取るべきでないカネはあるのだ。
 政治資金収支報告書の誤記載であり、形式的な問題といわんばかりの主張にも違和感がある。政治資金規正法は、政治とカネの不祥事が発覚するたびに、渋る政党や政治家の尻を世論がたたくようにして強化されてきた。その違反はけっして軽い犯罪ではない。
 政権交代によって、日本の政治を変える。官製談合や天下りを根絶し、税金の無駄遣いを徹底的に改革する。それが民主党の政権公約の柱のはずだ。
■変革の党にそぐわぬ
 だが、肝心の党首が「古い自民党」そのままの土建政治にどっぷり漬かる姿が浮き彫りにされてしまった。果たして政権をとれば、本当に政治を変えられるのか。根本的な疑念を呼び起こさずにはおかない。
 変革を訴える党の党首として、小沢氏がふさわしいとは思えない。国民の大方が納得できる説明を尽くせないのなら、代表から身を引くべきだ。
 情けないのは、この間、小沢氏の政治責任にほとんど触れようとしなかった民主党議員たちの姿だ。
 民主党はきょうからでも、党の態勢立て直しを真剣に議論すべきだ。民主党が目指す政治はどのようなものなのか。そのためには小沢氏が代表にとどまることが正しいのか。もう一度原点に戻って自らの姿を描き直さなければ、有権者の信頼を取り戻すことはできないだろう。
 民主党だけの問題ではない。
 朝日新聞が2月~3月中旬に実施した政治・社会意識基本調査の結果は衝撃的だった。9割の人が「政治に不満を持つ」「政治が国民の意思を反映していない」「今の政治は社会の将来像や道すじを示していない」と思っている。7割が自民党と民主党の政策に大きな違いはないと考えている……。
 2大政党がそろって国民の不信を浴びているのだ。日本の政党政治の危機と受け止めるしかない。
 麻生首相に改めて言いたい。この危機を克服する第一歩は、一日も早い衆院解散・総選挙で政治に民意のパワーを注ぎ込むことだ。政治のリセットなしに、政治不信は収まるまい。
■検察は捜査を尽くせ
 今回の事件では、検察の捜査にも国民は釈然としないものを感じている。
 総選挙が近いこの時期に、なぜ最大野党の党首の秘書を逮捕したのか。金額の多寡はあっても、同様にカネをもらった自民党の議員たちはどうなのか。公共事業に絡む権限を握っているのは、与党の方ではないのか。
 事件については法廷で明らかにするというのが、検察の立場だ。だが、もうひとつ腑(ふ)に落ちないという国民の疑念を放っておいていいものか。
 捜査は日本の政治の行方に重大な影響を及ぼす可能性がある。国民の厳しい視線にさらされるのは当然だ。徹底捜査はもちろんだが、国民も相応の説明を聞きたいに違いない。


日経新聞 2009年3月25日
社説1 小沢氏続投は有権者の理解得られるか(3/25)
 公設第1秘書が政治資金規正法違反で起訴された民主党の小沢一郎代表が続投する意向を表明した。涙ながらに検察との認識の違いを強調したが、次期衆院選で政権交代をめざす民主党のトップの決断は有権者の理解を得られるのだろうか。民主党にとって手負いの小沢氏の下で衆院選を戦うのは大きな賭けになる。
 小沢氏と民主党は公設秘書の起訴によって大きなダメージを受けた。特に秘書の逮捕以降、公共事業をめぐって小沢事務所側と西松建設など建設業者との間に献金を通じて密接な関係があり、小沢事務所の資金集めの構造の一端がしきりに報道された。こうした疑惑に小沢氏はきちんと説明責任を果たすべきである。
 政治資金規正法に反する虚偽記載という「形式犯」であっても、民主党トップの公設秘書が逮捕・起訴された事態は重大である。政治不信を増幅させた点で小沢氏の政治的、道義的責任も問われている。
 民主党内では小沢氏続投を受け入れる声が大勢だ。代表辞任なら党内結束や野党協力に陰りが出る恐れがあるからだ。小沢氏はある程度のダメージは覚悟してでも代表の座にとどまり、党内結束、野党協力の維持を最優先させたとみられる。こうした判断が有権者に受け入れられるかどうかは別問題だ。各種世論調査では小沢氏の責任を問う声が多い。
 秘書の起訴事実の核心は、会社から政治家個人への献金禁止規定をくぐりぬけるために、西松建設からのカネを同社関連の政治団体からの寄付として扱ったことにある。
 同規定は度重なる改正の1つで政治腐敗防止の目的から加えられた経緯がある。カネの出所を故意に隠した秘書の行為は、起訴事実どおりなら、法の趣旨をないがしろにするもので単なる形式犯といえなくなる。
 検察も違反の悪質さに着目して立件したと説明している。西松建設からの“隠れ献金”は、小沢氏側が東北地方の公共事業の施工業者選定に影響力を持つと見込んで出した、特定の見返りを期待するカネだった、という見方のようだ。
 それならば検察は、当然、東北以外の地域で西松建設が政治献金をした底意を突き止める捜査を遂げる必要がある。さらに西松建設以外のゼネコンも公共事業の受注を狙った“隠れ献金”を、各地で影響力を持つ政治家相手にしていた疑いはないのか。そこまで捜査の対象を広げなければなるまい。
 でなければ小沢氏側への献金が際だって悪質だったとの説明は根拠を失う。捜査の進展を注視したい。


毎日新聞 2009年3月25日 0時40分
社説:小沢氏秘書起訴 代表続投は説得力に欠ける
 西松建設の巨額献金事件で東京地検特捜部は24日、小沢一郎民主党代表の公設第1秘書らを政治資金規正法違反罪で起訴した。これに対し小沢氏は代表続投を表明し、党側も了承した。
 総選挙を間近に控えた時期の事件は小沢氏をねらい撃ちした「冤罪(えんざい)」だと言いたいのか。同夜、記者会見した小沢氏は「私自身が犯罪を犯したような印象で悔しく、無念の思いをしながら耐えてきた」と語った。
 だが、これから自民党に代わって政権をねらう民主党の対応として、これで有権者は納得するだろうか。やはり疑問が残る。
 起訴内容について小沢氏も秘書も西松建設からの企業献金だったという認識はなく、政治資金収支報告書の虚偽記載に当たらないと一貫して否定し、公共事業に絡む贈収賄や口利きなどの違法行為も一切なかったと主張している。今後、これらを小沢氏側が裁判で争うことに異論はない。
 しかし、政治家の責任はそれで済むとは思わない。少なくとも西松側は小沢氏の地元のダム工事などの受注に際し何らかの期待があって献金したと供述している。便宜供与の有無はともかく公共事業に絡んでカネが動いたのは確かだろう。
 利権をめぐりカネと票が動く。これこそ政官業の癒着の本質であり、古い自民党の族政治そのものの構図ではないのか。しかも小沢氏はそんな自民党政治の打破を掲げて離党し、政権交代可能な2大政党制の実現を目指してきたはずだ。
 次の衆院選で首相をねらう民主党の代表が「古い自民党の体質そのままだ」と多くの有権者を失望させた責任は免れまい。小沢氏は突然、企業・団体献金の全面禁止にも言及しているがそもそも、これまでなぜゼネコンから巨額な献金を受け続けてきたのか。小沢氏は会見で「隠しているわけでない」などと語るだけで疑問に直接答えなかった。
 民主党内ではあっせん利得罪など政治資金規正法違反以外の容疑が出てこなかったことで続投を容認する声が大勢になったという。党としても、規正法違反は単なる形式犯で、政治資金収支報告書の記載の仕方の問題というのだろうか。もし、そう受け止めているのなら、「政治とカネ」の問題で従来、有権者がどれだけ不信感を抱いてきたか認識が不足している。
 小沢氏は会見で、政権交代の実現が最大の目標だとも再度語った。しかし、世論調査を見ても政権交代への有権者の期待はうせてはいないものの民主党の支持率は下がっている。何より深刻なのは与野党問わず政治への不信が再び拡大していることだ。
 進退問題はなおくすぶりそうだが、自民党と違う姿を示すのが民主党の原点だ。政権交代実現のために小沢氏が辞任して早くけじめをつけた方がいいとは考えられないのだろうか。

毎日新聞 2009年3月25日 東京朝刊
社説:小沢代表続投 検察は与野党問わず捜査を
 西松建設事件の捜査は今後、他の政治家側にも及ぶのだろうか。西松建設のダミーとされる政治団体は小沢一郎民主党代表の側以外にも、与野党の国会議員らに多額の献金をしていた。東京地検特捜部は徹底的に捜査し、不透明な「政治とカネ」の全容を明らかにすべきである。
 政治資金収支報告書などによると、西松建設のOBが代表を務めていた二つの政治団体は、ともに解散する06年までの3年間に、小沢氏や二階俊博経済産業相ら国会議員14人、自民党の5派閥、自治体首長5人の側に寄付やパーティー券購入で総額6360万円を提供している。また、最初に設立された95年から集計すれば、2政治団体からの提供額は4億7000万円を超え、巨額に上っている。
 政治資金規正法は企業から政治家側への献金を、政党や政党の政治資金団体を除いて一切禁止している。一方、政治団体からの献金であれば認められる。このため、西松建設はダミーとして作った政治団体を隠れみのに違法な企業献金を続け、小沢氏の公設第1秘書もそれを認識しながら報告書に虚偽の記載をした--というのが、特捜部が描く事件の核心だ。
 だとすれば、このダミー団体から他の政治家側に提供された分はすべて、同様に西松建設からの違法な企業献金に当たるはずである。そして政治家側も実際は企業献金だと認識していれば、小沢氏の秘書と同じように同法違反に問われる事態となる。献金額は小沢氏側が最も多いものの、違法かどうかの線引きは額の多少にかかわらない。献金を受けた政治家側を洗いざらい調べてもらわなければ国民の納得は得られない。
 政治家側への企業献金が禁じられているのは、特定の企業と政治家の癒着を封じることが狙いだ。報告書に虚偽の記載をしてまで企業献金が温存されているとすれば、公開される報告書を通じて国民が政治資金を監視する制度は根底から崩れてしまう。
 虚偽記載の罰則は禁固5年以下などで、国民にうそをつく重い犯罪だ。特捜部が報告書に「表のカネ」として記載された献金を立件したのも、その点を重視したからにほかならない。政治家の職務権限が限定され収賄罪の立件が難しくなる昨今、政治資金規正法違反で立件するケースが増えてきている流れもある。
 一方で今回の捜査には、総選挙が近づく中で選挙妨害になるのではないか、政権交代の可能性が強まる民主党の代表を意図的にターゲットにしたのではないか、などという疑問の声が国民の一部から聞かれるのも事実だ。
 そうした国民の疑念をぬぐい去るためにも、検察には節目節目で捜査の必要性を十分に説明してほしい。そして何よりも、政界にはびこる疑惑を徹底的に解明することだ。


(2009年3月25日01時50分 読売新聞)
公設秘書起訴 小沢代表続投後のイバラの道(3月25日付・読売社説)
 民主党の小沢代表が続投を表明したことを、すんなり納得する人は少ないのではないか。民主党の行く先には険しいイバラの道が待っている。
 東京地検が、小沢代表の公設第1秘書を政治資金規正法違反で起訴した。秘書は、西松建設からの計3500万円の献金を同社関連の政治団体からの寄付と偽って報告したとして、虚偽記入など三つの罪に問われている。
 小沢代表は、事件が軽微な形式犯であるかのように主張する。
 だが、虚偽記入罪は、5年以下の禁固である。秘書によるあっせん利得処罰法違反の懲役2年以下よりも重い。
 しかも、問題の金は、西松建設が東北地方の大型公共工事の受注を狙い、ダミーの政治団体や下請け企業を使った迂回(うかい)献金だった。秘書は、西松建設に献金を要求し、献金先の分散を指示するなど事件に積極的に関与していた。
 検察当局はそう見ている。
 それでも、民主党が小沢代表の続投を了承したのは、世論はいずれ沈静化する、と判断したためだろう。小沢代表以外に、寄り合い所帯の党を束ねられる指導者がいないという事情もあるようだ。
 しかし、古い自民党と同様の金権体質を小沢代表が今も引きずっていたことは、民主党のイメージを著しく傷つけた。
 小沢代表は24日夜の記者会見で政権交代にかける思いを何度も力説した。だが、代表が次期衆院選の陣頭指揮をとることのプラス・マイナスを本当に党内で議論したのか。そこがはっきりしないこと自体が民主党の弱点だと、有権者に受け止められないだろうか。
 小沢代表はこれまで、献金受領の経緯や西松建設との関係について「何も悪いことはしていない」としか語っていない。
 疑惑を払拭(ふっしょく)するため、より説明を尽くさなければ、自らの続投への理解を得ることも、国民の信頼を回復することもできまい。
 国民への説明が求められるのは小沢代表だけではない。
 検察当局は事件について、「政治資金の実態を偽ることは国民の政治的判断を歪(ゆが)める。悪質な事案で看過できない」と強調する。
 ただ、総選挙が迫る中での捜査着手は政治的な影響が大きい。
 社会的な関心も高い。西松建設のダミー政治団体から献金を受けた他の与野党議員のケースと、どう違うのか。
 検察当局は、事件の徹底捜査に加え、こうした疑問にも、より丁寧に答えるべきだろう。

東京新聞 2009年3月25日
【社説】西松建設事件 どうもすっきりしない
 西松建設の違法献金事件は、ゼネコンと密着する旧態依然の政治の現状を浮き立たせた。民主党の小沢一郎代表の公設秘書が起訴されたが、与党の政治家側に問題はないか。全容解明にはまだ遠い。
 西松建設のOBが代表を務める政治団体から、小沢氏の資金管理団体に多額の献金がなされた。もともと同社のカネで、OBの団体も実体がない。それを知りつつ、小沢氏の秘書が収支報告書に虚偽の記載をしたから、政治資金規正法に反する…。それが東京地検が起訴した事件構図である。
 同法は「ザル法」と皮肉られつつ、ゼネコン汚職事件など政界の不祥事のたびに強化されてきた歴史がある。今回の事件は、政治資金収支報告書に載った、いわば「表のカネ」である。それすら「偽装」が凝らされている点に着目し、立件に着手した東京地検の努力は評価されていい。
 地検幹部も「特定業者から長年、多額の金銭の提供を受けた事実を国民の目から覆い隠し、法の趣旨に照らし悪質だ」と強調した。
 ゼネコンと政治の癒着があらためて表面化したことで、国民は政治への失望の念を深めた。政治とカネをめぐる不信から脱皮し、政治資金の透明性を確保する意味でも、与野党はさらなる法改正の道を模索すべきだ。
 その一方で、小沢氏側は一貫して「適法な処理だ」と主張している。OBの政治団体が全く実体のない「ダミー」であったのか、秘書にその認識があったのか、今後の公判では争われよう。
 西松建設側の政治団体は、与党の有力政治家側にも献金をしている。現職の閣僚や元首相らが名前を連ねている。本当に同社のカネだと知らなかったのだろうか。小沢氏側と同じ構図だと、疑っている国民も多いことだろう。
 その意味で、この違法献金事件の捜査には不公平感がぬぐえない。公共事業に絡む献金ならば、なおさら関係する全議員を視野に入れた徹底捜査を求めたい。
 麻生内閣が窮地に陥っていた最中での野党党首秘書の逮捕と起訴だった。総選挙で与野党逆転もありうるタイミングである。政治状況を一変させたインパクトは計り知れない。「不公正な権力行使だ」という批判の声も上がったほどの捜査でもあった。
 すっきりしない感覚は尾を引いている。国民の納得がいく説明と、今後の捜査の行方こそが、検察不信の清算にもつながろう。

東京新聞 2009年3月25日
【社説】小沢民主党 けじめのつけ時 誤るな
 民主党の小沢一郎代表が続投の意向を表明、執行部も了承した。腹心を起訴した検察と断固戦う、と。だが政治不信を引き起こした事実は重い。けじめのつけ時を誤れば悲願の政権交代が遠のこう。
 西松建設の違法献金事件で、政治資金規正法違反の罪で小沢代表の公設秘書が起訴されて間もなく民主党は幹部らの会合で続投方針を確認した。「形式犯である規正法違反での起訴にとどまり、辞任の理由はない」との理屈からだ。総選挙を前に野党党首の側近をやり玉にあげた検察に世論の批判が向かうとの読みもあるのだろう。
 検察側のやり口に民主党サイドが「選挙妨害だ」と憤慨する気持ちは分からないではない。新たな容疑も現時点で言及されていない。だからといって、小沢氏の責任を不問にして続投を是とするのは早計すぎる。
 小沢氏は自らの「政治とカネ」の問題で、強い不信感や失望を招いたことを直視すべきだ。小沢氏側のいうように合法であったとしても、ゼネコンから巨額献金を長年受け続けてきたことは紛れもない事実だ。
 自民党を離党して政治改革の旗を掲げてきた人物が「古い自民」を象徴するかのような資金集めを続けている。しかも、献金元の政治団体の実体を「せんさくしない」というのでは、国民の納得は得られまい。小沢氏の資金管理団体をめぐっては、都心のマンションを購入し家賃収入を得ていたことも指摘されている。
 各種の世論調査では、代表続投に「ノー」の答えが際立つ。小沢氏は企業・団体献金の全廃を主張したが、本気度は怪しい。批判をかわす目くらましだとしたら、無責任のそしりを免れない。
 民主党内にも「総選挙は小沢氏では戦えない」と本音では辞任を求めたい議員がいる。清潔さや進退判断の潔さで自民との差別化を図るべきだと考える人たちも少なくない。なのに活発な議論が聞かれない現状からは「小沢党」の印象すら受ける。
 この難局をどう乗り切るのか。政権に手が届くところまで来た民主党の重大局面である。世論は恐らく、小沢氏が感じているほど甘くない。思い切って代表を辞すことも決断すべきではないか。
 対応を誤れば政権交代に共鳴している人たちの支持も失いかねない。「総選挙勝利を行動基準の物差しとして判断する」と明言したのはほかならぬ小沢氏である。


産経新聞 2009.3.25 03:12
【主張】公設秘書起訴 小沢氏続投は通らない
 ■「悪質な違反」と指弾された
 西松建設をめぐる違法献金事件で、東京地検特捜部が政治資金規正法違反罪(虚偽記載など)で小沢一郎・民主党代表の公設第1秘書らを起訴したにもかかわらず、小沢氏は代表続投を表明した。
 起訴された公設秘書の大久保隆規被告は会計責任者であり、小沢氏と一心同体といえる側近だ。
 検察側は起訴にあたり、特定の建設業者から長年にわたり資金が提供された「看過できない重大かつ悪質な事案」と位置付けた。この事件が秘書だけに責任を押しつけて一件落着する事案ではないことを示している。
 小沢氏は政治的、道義的責任に加え、大久保被告の刑事責任にどう関与したかが問われることになる。検察のさらなる解明を期待する。小沢氏は24日夜の会見で「責任は大きい」と自ら認めた。その意味では、民主党代表を辞任するなどして政治責任を明確にすべき事態である。
 民主党の対応もきわめて遺憾だ。小沢氏の続投を無批判で容認した。同党の自浄能力が働いていないことを国民にみせつけた。
 小沢氏や民主党執行部には、大久保被告の起訴が逮捕容疑と同じ規正法違反だけなのか、新事実に基づいて再逮捕されるかを、起訴後の対応の目安に置く考え方があったといわれる。
 ≪「形式犯」ではない≫
 規正法違反が「形式犯」であり、あっせん利得や贈収賄などの罪に比べれば、軽視しても構わないという認識が根底にある。
 小沢氏自身が「政治資金収支報告書の問題の認識の違い」であり、「後になって(西松建設からの献金だと)分かれば、収支報告を訂正する」と述べてきた。
 規正法上の虚偽記載は「5年以下の禁固」の罰則が設けられた重い犯罪である。刑が確定すれば公民権も停止する。平成15年、後援企業から集めた巨額の寄付を収支報告書に記載しなかったとして、秘書にとどまらず坂井隆憲衆院議員(当時)が逮捕された。
 政治資金規正法の柱は、政治資金の「収支の公開」と「授受の規正」だ。後者は政治献金の質、量とともに、対象者を制限するねらいがある。資金提供者をあいまいにするため、ダミーの政治団体を経由させる行為は、法の本来の趣旨と相いれない。
 小沢氏は秘書逮捕の後、「不公正な国家権力、検察権力の行使」と検察批判を展開し、「民主主義を危うくする」と強調した。
 これまで通用してきた献金が、なぜ悪いのかといった思いがあり、実質的に建設業界との間で構築してきた集金システムの合法性を強調したいのだとすれば、規正法の抜け道探しを政党党首が奨励するようなものだ。
 それこそ民主主義の危機ではないか。検察側は起訴に際し、規正法を「議会制民主主義の根幹をなす法律」と位置付けた。
 ≪政党の生命線を左右≫
 「民主党はかくあるべしという姿を国民に示すチャンスだ」
 鳩山由紀夫幹事長は党代表時代、自民党議員の疑惑追及で歯切れの良い言葉を残してきた。
 今回の事件では「小沢氏を信じるしかない」と繰り返し、硬直的な対応に終始している。
 民主党は、公共事業受注企業からの企業献金禁止をマニフェスト(政権公約)に盛り込むなど、政治資金の透明性の拡大を掲げてきた政党だったはずだ。
 その意味では、ゼネコンなど企業側から多額の資金を受けている小沢氏は、多くの議員にとって異質の存在に映っていただろう。
 小沢氏の資金管理団体が東京都内に多数の不動産物件を購入し、与党側から追及を受けたことも、ほかの党幹部らにとっては説明に窮する重荷だったはずだ。
 巨額の資金が西松建設側からダミーの政治団体を経由して提供された実態は、民主党も否定できないだろう。党首が“古い自民党”の体質を引きずっている姿を目の当たりにしたのではないか。
 しかし、有権者の視線をとりわけ意識する必要のある政治とカネというテーマに目をつぶり“小沢頼み”を続けようとしている。
 現体制の継続は、政党としての生命線にかかわる選択につながる。そういう危機意識はないのか。小沢氏は会見で、献金額の大きさについては「隠すことも恥じることもない」と強調した。
 小沢氏の続投の是非を見極めることが、現時点で民主党に問われる自浄能力である。
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2009-03-24(Tue)

未届の有料老人ホームに係る緊急点検 国交省

国交省として何をなすべきか・・・

資料



群馬県渋川市の老人ホームにおける火災とその対応について
平成21年3月23日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000080.html

 3月19日に群馬県渋川市の老人ホームにおいて、死者10名、負傷者1名の火災が発生しました。
 これを受け、本日(3月23日)付けで、都道府県を通じ特定行政庁に対し、別紙のとおり未届の有料老人ホームに係る緊急点検を行うよう通知しましたのでお知らせいたします。
なお、今回の火災に関する事実関係については、引き続き、群馬県等を通じて情報収集を行います。

(火災の概要)
  発生日時 平成21年3月19日(木)22時45分頃
  場   所 群馬県渋川市北橘町八崎2335-9 静養ホーム たまゆら
  被 害 者  死者10名、負傷者1名
  概   要 NPO法人彩経会が運営する老人ホームから出火し、3棟約388㎡を焼損(出火当時、職員1名、入所者16名が在館)

添付資料
未届の有料老人ホームに係る緊急点検について(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000035980.pdf

(別添1)消防庁緊急調査通知(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000035981.pdf

(別添2)厚生労働省緊急点検通知(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000035982.pdf

群馬県渋川市の老人ホームにおける火災について(PDF ファイル)
http://www.mlit.go.jp/common/000035983.pdf

お問い合わせ先
国土交通省住宅局建築指導課 
TEL:(03)5253-8111 (内線39567)
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2009-03-24(Tue)

椿と花水木 万次郎の生涯 上 下   津本陽/著


椿と花水木 万次郎の生涯 上  椿と花水木 万次郎の生涯 下

   
書名:椿と花水木 万次郎の生涯 上 下  
著者: 津本陽
出版:幻冬舎文庫     発行年月: 2009年02月
価格:上巻 840円(税込)  下巻 800円(税込)

本の内容
上巻:土佐国中ノ浜村の貧家に生まれた万次郎は、ある日、乗り込んだ漁船が遭難、太平洋の無人島に漂着する。島 での暮らしは言語に絶したが、彼の生への執念は天に通じた。百数十日後、大海原に船影が—。それは、生まれて初めて目にする異国船の異容な姿であった。幕末動乱期に活躍した国際人・ジョン万次郎の波瀾の生涯を描く壮大な歴史ロマン。

下巻:英語、数学、測量、航海術、造船技術…アメリカでさまざまな知識を身につけた万次郎は、愛妻の死を契機に望郷の念を募らせる。やがて鎖国状態の日本へ命がけの渡航を試みるが、晴れて十数年ぶりに降り立った故国は黒船来航を端緒とした未曾有の国難に面していた。卓越した才学で開国に向かう日本を陰で支えた男の数奇な後半生。圧巻の人物評伝。

著者情報
津本 陽(ツモト ヨウ)
1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年、「深重の海」で第七九回直木賞、「夢のまた夢」で第二九回吉川英治文学賞を受賞

※セブンアンドワイより  http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32185738

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購入日 2009年02月16日
読始日 2009年02月16日
読了日 2009年02月28日
<感想メモ>
 ずいぶん昔に高知に行ったとき、足摺岬の銅像を見た。が、詳しくは調べなかった。小説だが、なるほどと感心した。幕末の動乱期に開国を迫る諸外国。右往左往する幕臣らにとって、万次郎の果たした役割は大きなものがあった。幕末を扱った他の歴史小説にはあまり出てこないが、もっとクローズアップしてもよいのではないかと思った。
 とりわけ、奴隷のごとくこき使われる身分であっただけに、封建領主制度とは全く違うアメリカの政治システムにさぞ、驚き、強い共感を抱いたであろうことが想像できる。当時の日本がいかに遅れていたか、鎖国制度の恐ろしさというものを感じた。
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2009-03-23(Mon)

航空貨物機炎上:強風で横転、炎上 乗員2人死亡 成田空港

機体弾み真っ二つ、成田で初の犠牲者

相次ぐ航空機事故、ちょっと多い気がするが・・・・ 




毎日新聞 2009年3月23日 15時21分
貨物機炎上:機体弾み真っ二つ、成田で初の犠牲者
 強風を受けたジェット機が滑走路で弾んでひっくり返り、炎に包まれた。23日朝、開港31年目の成田国際空港で、航空機事故による初の犠牲者が出た。二つに折れ、真っ黒焦げになった機体が炎の激しさを物語る。「見たこともない光景だった」。事故を目の当たりにした人たちは、言葉を失った。【倉田陶子、中川聡子、柳澤一男】

 事故機は滑走路から100メートルほど離れた芝生上で横転。黒焦げになった機体は中央部で折れ、ジェット燃料とゴムの焼けたようなにおいが立ちこめた。
 「炎と煙が巻き上がり、何が起きたのか分からなかった」。成田空港第1旅客ターミナルビル4階の中華料理店「翠鳳(すいほう)」の中村亮介店長(26)は午前6時55分ごろ、開店準備のため出勤した。目の前のA滑走路から炎が立ち上り、黒い煙に包まれていた。
 すぐに消防車が続々と駆け付け、慌ただしく消火活動を始めた。しばらくすると煙の間から航空機の機体らしきものが見えたという。「これまでに見たことのない光景。あぜんとした」
 1時間近くたって滑走路を見ると、黒く焼け焦げた事故機が目に入った。中村店長は「びっくりを通り越した驚き。こんなに近くで航空機事故が起こるなんて。本当に怖かった」と声を震わせた。
 ◇乗客にいらだち 搭乗手続き中止で
 A滑走路閉鎖に伴い出発のめどが立たなくなった一部の航空会社は搭乗手続きを中止。旅客ターミナルビルの出発ロビーは、海外出張するビジネスマンや春休みの海外旅行客らでごった返した。
 同僚2人とシンガポールへ出張する東京都内のコンピューター会社員、高橋洋平さん(28)は、「明日から仕事で、今日中に着かないと困る。朝8時からずっと搭乗手続きを待っているが、何の説明もない」と疲れた様子で話した。
 福岡県の筑豊青少年交響楽団は、ニューヨーク公演のため出発予定だった27人が成田で足止めに。伊藤政晴団長(59)は「福岡から成田に来る便も30分ほど遅れた。24日にブロードウェーで公演するのに、いつ出発できるのか」と、バイオリンなどの楽器を抱えて不安そうに話した。
 チェックインカウンター前では、「搭乗手続き一時中断」と書かれた案内板の前で、航空会社の地上職員に説明を求める旅客の姿も見られた。全日空やルフトハンザドイツ航空は「搭乗手続き開始は40分後を予定しています」と館内放送したが、予定の時間に手続きは始まらず、乗客たちがいら立ちを募らせていた。
 出張でロンドンへ向かう男性会社員(38)は「会議の予定があってどうしても今日中に行きたい」と焦り気味に話した。ニューヨークから一時帰国していた家族を見送りに来た女性(60)は「3歳の孫が待ち疲れてしまって心配だ」と孫をあやしながら話した。【倉田陶子、中川聡子】
 ◇強風による飛行機事故、過去にも
 過去にも強風の影響とみられる事故が起きている。
 99年8月には、今回と同型機の中華航空機が、香港国際空港に着陸しようとして逆さまにひっくり返り炎上、3人が死亡した。香港はこの日、台風の影響で激しい雨が降り、強風警報が出ていた。
 国内では93年4月には岩手県の花巻空港で強風にあおられた日本エアシステム機(当時)が着陸に失敗、炎上し、58人の重軽傷者を出した。同機は横風の中、着陸を強行し、あおられた右主翼が接地したまま着陸し、機体は数回バウンドして停止した。事故直前に風速が瞬時に急減したり、風向きが急変する「ウインドシア」現象が起きていたことが分かっている。
 このほかにも84年4月に日本アジア航空機(当時)が那覇空港で、90年3月にキャセイパシフィック航空機が成田空港でウインドシアーが原因で着陸に失敗している。【長野宏美】
 ◇風向きの変化か、横転多い機種 飛行記録で解明を…専門家ら
 今回の事故について専門家らに聞いた。
 ▽航空評論家の浜田一穂さんの話 映像で見る範囲では、接地直前に急に風の様子が変わり、それに対処しきれずにパイロットが操縦を誤った印象だ。翼の端が滑走路に触れて折れた瞬間にタンクの油が漏れて炎上したのだろう。風向きや風速が変わったことが最大の要因とみられ、その状況を詳しく検証することが重要だ。
 ▽元全日空機長の川本和弘さんの話 この機種はやや古いうえに、尾翼面積が通常の航空機より小さく、パイロットにとっては特殊なバランス感覚が求められると言われている。また着陸時に横転する事故がかなり多いことがパイロット仲間の定説だった。今日は東京近郊は強い風に見舞われており、「強い横風」が機体がバウンドして左翼が接地した理由の一つだと考えられる。
 ▽航空評論家の清水喜由(きよし)さんの話 現場周辺では昨日から風向きが急変する「ウインドシア」の情報が出ており、局地的な乱気流も起きていたとみられる。着陸時に主翼近くのタイヤの煙がかなり上がっており、機体はハードランディング(強い衝撃を伴う着陸)したと推測できる。その弾みで風にあおられた可能性が高い。着陸時の状況などは飛行記録装置などを回収して調べればもう少し解明できるだろう。

毎日新聞 2009年3月23日 7時48分
貨物機炎上:強風で横転、炎上 乗員2人死亡 成田空港
23日午前6時50分ごろ、千葉県成田市の成田国際空港に到着した中国・広州発の定期貨物便「フェデラル・エクスプレス80便」(MD11型機、乗員2人)が強風にあおられてA滑走路(4000メートル)への着陸に失敗し横転、炎上した。県警成田空港署などによると、いずれも米国人男性のケビン・モスレー機長(54)とアンソニー・ピノ副操縦士(49)が死亡した。成田空港での航空死亡事故は78年の開港以来初めて。A滑走路は閉鎖され、成田到着便の一部が羽田空港や中部、関西国際空港へ目的地を変更し、成田からの出発便も大幅に遅延するなど、ダイヤが乱れている。国土交通省の運輸安全委員会は航空事故調査官6人を現地へ派遣し、調査を始めた。
 事故機は着陸の際、大きくバウンドして横転、すぐに炎上した。火災は約50分後に鎮圧したが、A滑走路脇に残骸(ざんがい)があるため、成田空港は暫定平行滑走路(B滑走路、2180メートル)のみの運用となり、大型機の長距離便は出発できなくなっている。
 成田航空地方気象台によると、低気圧の通過に伴い、前夜から風向、風速の急激な変化について航空機に注意を呼びかける「ウインドシア情報」を出しており、事故の前後には瞬間風速20メートル程度の突風が吹いていた。【柳澤一男】
 【ことば】MD11 米マクドネル・ダグラス社(現在はボーイング社に吸収合併)が製造した、両翼と尾翼に計3基のエンジンがある大型機。1991年に初就航した。日本では日本航空が93年から計10機導入したが、04年10月を最後に全機が退役した。旅客機として開発され、定員は300~400人強。約200機が製造されたが、燃費の悪さなどから受注は伸びず、ボーイングやエアバスの新型機に押されて旅客機から貨物機に転用される機体が相次いだ。

 ◇当時、最大20メートルの突風
 成田航空地方気象台によると、事故当時の気象状況は320度(北北西、真北は360度)の方向から毎秒約13メートルの風、最大同約20メートルの突風が観測されていた。滑走路の向きは340度で、着陸機からすると進行方向のやや左手からの風だった。視程は30キロで、雲も地上2000フィート(約600メートル)に積雲が若干あっただけで、飛行上の障害はなかったという。
 事故機は着陸後にバウンドを繰り返し、滑走路の左脇にそれて芝生上で炎上した。国内航空会社のパイロットは「テレビの映像を見る限り、接地時の姿勢は正常に見えるが、降下率が高く、激突するように着陸したためバウンドしたようだ。不安定な姿勢になれば一般的にはゴー・アラウンド(着陸復行)するが、着陸できると判断したのだろうか」と話す。
 また、事故機はバウンドの途中で首脚(ノーズギア)も破損し、機首を地面に激しくぶつける形で停止した。貨物機は設計上、機体重量のほとんどを主脚で支える構造になっている。別のパイロットは「首脚の強度は最低限のバランスを取る程度で、着陸時の衝撃を吸収しきれずに破損したのだろう」と話す。


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2009-03-23(Mon)

小説 上杉鷹山   童門冬二/著



小説  上杉鷹山

書名:小説 上杉鷹山   著者: 童門冬二/著
出版:集英社文庫 発行年月: 1996年12月
価格: 1,000円(税込)

本の内容
九州の小藩からわずか十七歳で名門・上杉家の養子に入り、出羽・米沢の藩主となった治憲(後の鷹山)は、破滅の危機にあった藩政を建て直すべく、直ちに改革に乗り出す。—高邁な理想に燃え、すぐれた実践能力と人を思いやる心で、家臣や領民の信頼を集めていった経世家・上杉鷹山の感動の生涯を描いた長篇。

灰の国はいかにして甦ったか。九州高鍋の小藩から養子に入り、十七歳で名門上杉家の藩主の座についた治憲は、自滅か藩政返上かの瀬戸際にある米沢十五万石を再建すべく、冷メシ派を登用し改革に乗り出す。藩主や藩のために領民がいるのではない、との考えのもとに人びとの心に希望の火種をうえつけてゆく…。
重役の反乱を克服し、家臣や領民一人ひとりの共感をかちとりながら、地域と人を活性化してゆく鷹山の経営手腕とリーダーシップのすべて。“最も尊敬する日本人はウエスギ・ヨウザン”と、かつてケネディ大統領が語ったように、「愛と信頼の政治」を貫いた鷹山の不撓不屈、信念の生涯を描く。

※セブンアンドワイより

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購入日 2009年02月09日
読始日 2009年02月09日
読了日 2009年02月16日
<感想メモ>
 「改革」とはなにか。現在に当てはめれば、これこそ「改革」のあるべき姿。トップに立つ指導者のあるべき姿。ということになろうか。節約はもちろんだが、新たな産業育成、それを担う人材育成・教育には先を見越して惜しみなく投資するリーダーシップ。経営者のお手本だろう。だが、一番肝心なのは、領民である民=国民こそ第一に考える哲学だ。まさに国で言えば、主人公は国民だということだ。現在の会社経営で言えば、お客様あっての企業、従業員である家臣を大事にする企業ということだろう。ケネディ大統領が。“最も尊敬する日本人”として名をあげたという史実は驚嘆に値する。
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2009-03-22(Sun)

「年度末派遣村」…相談会に行列 行政のやる気のなさミエミエ

さいたま 事前要請したのに「検討したが宿泊施設の確保はできなかった」って?!

相談に来た宿泊場所のない離職者らが、
「さいたま県緊急求職者サポートセンター」に緊急宿泊施設の提供を要望。
しかし、同センターは「検討したが宿泊施設の確保はできなかった」というだけ。
今月上旬、県とさいたま市に対し、緊急宿泊施設の提供などを求める要請書を提出。
「にもかかわらず対応しないのはおかしい」
「こうした人を支援する責任は本来行政にあるはず」
「行政の失業対策は実態に合ってない」
といった厳しい声、当然だ。




(2009年3月21日12時44分 読売新聞)
さいたま・愛知・大阪に「年度末派遣村」…相談会に行列
大揺れ雇用
「反貧困・駆け込み大相談会in埼玉」に集まったボランティアら(21日午前9時45分、JR大宮駅西口で)
 年末年始に東京・日比谷公園で開かれた「年越し派遣村」をモデルに、職や住居を失った人たちを対象にした相談会が21日、埼玉、大阪、愛知で開かれた。
 派遣社員らの失業がピークを迎えるとみられる年度末、各地の会場で、窮状を訴える人たちが列を作った。
 さいたま市大宮区の鐘塚公園で開かれた「反貧困・駆け込み大相談会」(主催・反貧困ネットワーク埼玉)。受け付け開始の午前10時には約20人が行列を作った。日雇い派遣で働く男性(38)は「新宿などのネットカフェで寝泊まりしてきたが限界。寝る場所と食事を何とかして」と訴えた。反貧困ネットワーク埼玉の藤田孝典副代表は「状況は悪くなる一方。リストラに遭ったら、できるだけ早く弁護士など専門家に相談してほしい」と強調した。
 大阪市役所前では、労働組合や支援者組織など32団体で作る実行委員会が「反貧困・春の大相談会」。炊き出しなどを行う特設テントも設置された。昨年末に失業した男性(59)は「カプセルホテルを転々としているが、体調が良くない。住む場所がほしい」。
 自動車工場などがある愛知県岡崎市でも「反貧困・駆け込み相談会」(主催・愛知派遣村実行委員会)が開かれ、弁護士や医師のほか、外国人労働者向けにポルトガル語やスペイン語ができるボランティアらも相談にあたった。


毎日新聞 2009年3月22日 地方版
反貧困・駆け込み大相談会:さいたま「派遣村」に120人 /埼玉
 ◇「働きたいけど家がない」 反貧困ネット「行政は社会復帰の支援を」
 派遣社員らの大量解雇が予想される年度末に合わせ、弁護士や社会福祉士らでつくる「反貧困ネットワーク埼玉」(川井理砂子代表)は21日、さいたま市大宮区桜木町1の鐘塚公園で「反貧困・駆け込み大相談会in埼玉」を開いた。訪れた120人の生活困窮者が「働きたいけど家がない」などと窮状を訴えた。【山崎征克】
 受け付け開始前の午前10時前、会場には既に約20人の相談者が集まっていた。車上生活をしていた、千葉県から訪れた男性(39)の所持金は10円。昨夏、派遣社員として働いていた工場を辞めた後、病気で入院したこともあり、借金も抱える。「無料の健康相談もあってありがたい。早く病気を治して働きたい」と、か細い声で話した。別の路上生活者の男性(38)は、「就職活動しているが、不況で雇ってくれるところがない」と頭を抱えた。
 会では、弁護士や看護師らが、▽健康▽生活・労働・多重債務▽住宅▽女性--などのブースに分かれ、相談を受けた。元派遣社員以外にも、「過労でうつ病になり、困っている」「夫の給料が下がり、住宅ローンを払えない」など多くの相談が寄せられた。
 夕方には、実行委ら約50人が近くのビルに入る県緊急求職者サポートセンターを訪れ、家のない相談者が生活保護を申請する間に利用できる緊急宿泊所を求める一幕もあった。実行委は事前に県とさいたま市に打診していたが、「すぐに貸せる施設はない」との回答を受けていた。この日受け付けた県就業支援課の職員は、「民間の無料低額宿泊所などを紹介している」などと説明。実行委は「宿泊所は満員で入れないのが実情」などと訴えたが、話し合いは平行線に終わった。家のない約30人は23日以降、さいたま市などに生活保護の申請をするという。
 社会福祉士で実行委の藤田孝典事務局長は、運営するNPO法人で、センターのサポートから漏れた人の相談も受ける。「行政は家も職もない人が社会に復帰できる態勢づくりをすべきだ」と話す。相談会は22日午後5時まで。


埼玉新聞 2009年3月22日(日)
相談に120人 所持金4円の人も さいたまに「派遣村」
“派遣村”に仕事や生活の相談に訪れ、列をつくる人たち=21日午前、さいたま市大宮区【共同】
 不況が深刻化する中、「派遣切り」などで仕事と住居を失った人たちを支援しようと二十一日、さいたま市の大宮ソニックシティ前・鐘塚公園で「反貧困・駆け込み大相談会」が開かれた。昨年末に東京・日比谷公園で開設された「年越し派遣村」と同様の取り組み。厚生労働省の調査で非正規労働者の失業者は今月末までの半年間に約十五万八千人と予想される中、県内を中心に約百二十人の離職者らが相談に訪れた。
 弁護士やNPO法人でつくる「反貧困ネットワーク埼玉相談会実行委」が主催。約二百二十人のボランティアも会場入りしサポートした。公園内にテントを設け、生活・労働相談や法律相談、健康相談などを開催。実行委事務局によると、午前十時から午後五時まで相談に訪れた人は約百二十人。そのうち生活保護の申請を希望したのは約四十人。派遣切りで寮を出され、四円しか所持金を持っていない男性もいたという。
 昨年、県内の自動車工場を解雇され現在、大宮公園でホームレスを続ける男性(44)は「もう限界。自殺する人の気持ちが分かる。行政は自己責任っていうけれど、住居がなければ職も見つからない。ここで人生をリセットしようと思って相談に来た」と沈痛な面持ち。川口市出身でネットカフェなどを転々としながら生活しているという男性(40)は「行政に生活保護を申請しても門前払い。職もこの年では、なかなか見つからない」とこぼした。
 県選出の各党国会議員や県議らも来場。実行委スタッフからは「貧困問題に取り組まない議員は要らない。野球のようにオールジャパンで各党が対応してほしい」との声が上った。
 相談会は二十二日も午前十時から同所で開かれる。実行委は二十三、二十四の両日、さいたま市の大宮区役所で生活保護申請希望者の手続きを支援する予定。
 同様の取り組みは愛知県や大阪府でも開かれた。
宿泊施設の提供要請 実行委
緊急宿泊施設の提供を求め、県緊急求職者サポートセンターを訪れた実行委のメンバーら=21日午後、さいたま市大宮区桜木町
 相談会後、実行委は宿泊場所のない離職者らを伴い、会場近くの「県緊急求職者サポートセンター」を訪れ、同日からの緊急宿泊施設の提供を要望、午後四時半ごろから同九時すぎまで交渉した。しかし同センターは「検討したが宿泊施設の確保はできなかった」との答えにとどまった。
 実行委は相談会の開催に先立ち今月上旬、県とさいたま市に対し、緊急宿泊施設の提供などを求める要請書を提出。「にもかかわらず対応しないのはおかしい」「こうした人を支援する責任は本来行政にあるはず」「行政の失業対策は実態に合ってない」といった厳しい声も上がった。
 同実行委の藤田孝典事務局長は「失業者の現状は年末よりひどい。生活保護と自立支援のための緊急宿泊施設が十日間程度あれば何とかなる。今回はこちらでカプセルホテルを用意するが、民間の支援だけでは厳しい。行政に対してこれからも支援を強く訴えていく」と話した。


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2009-03-22(Sun)

黒竜の柩 上  下  北方謙三/〔著〕

黒竜の柩 上  黒竜の柩 下

   
書名:黒竜の柩 上 下
著者:北方謙三
出版: 幻冬舎文庫   発行年月: 2005年10月
価格:上巻720円 下巻680円 (税込)

本の内容
☆上巻
 時は、幕末。時勢は否応なく男たちを呑み込んで行く。土方歳三も、人を斬りながら新選組の活路を探し続けた。親友・山南敬助の捨て身の切腹、同志・近藤勇との別れの予感。やがて土方は、坂本龍馬が暗殺の直前に語った計画に、新選組の未来と己の夢を賭ける。命を燃やしながら奔った男たちの青春群像。見果てぬ夢を謳いあげた北方版「新選組」。

☆下巻
 時代は激しく動いた。徳川慶喜は朝廷に大政を返上。江戸幕府は終焉を迎える。だが新政府は追討令を発し、江戸に進軍を開始する。遂に土方歳三らは、壮大な計画に踏み切った。徳川慶喜を極秘に蝦夷地へ。数十万の幕臣を呼び、豊富な海産物・鉱脈を利用し独立国家を設立する。男たちの夢は、果たして叶うのか。新・幕末歴史小説ここに誕生。

北方 謙三(キタカタ ケンゾウ)
1947年佐賀県唐津市生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年「眠りなき夜」で吉川英治文学新人賞を、85年「渇きの街」で日本推理作家協会賞を、91年「破軍の星」で柴田錬三郎賞を、2004年「楊家将」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞

※セブンアンドワイより   上: http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31593209/pg_from/rcmd_detail_1
下: http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31593210/pg_from/rcmd_detail_1

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購入日 2009年1月19日 
読始日 2009年1月19日
読了日 2009年1月28日
<感想メモ>
 北方時代小説(日本)はほとんど読んだのではなかろうか。新撰組ものはたくさん出ていたので、読むのを後回しにしてきた。しかし、読んで改めて、北方時代ものは、夢とロマンがあふれていると思った。どれもが激動のまっただ中で、国をつくる、社会を変える、時代をつくりかえる仕事に夢を見、追いかける。だから面白いのだろう。
この小説は、土方歳三を主人公にし、北海道に新たな国をつくる構想があったということを柱に物語は展開している。そんな中で、途上で死んだ坂本竜馬が生きていたら、どうなっていただろう・・・と空想が広がる面白さを感じた。歴史の結果は誰もが知っているが、もし、北海道が独立国になっていたら・・・。九州が独立したら・・・。考えてみるのも夢があると思えるのだが。(ただし、現実は、住民・国民を置き去りにした道州制という議論が進んでいる。そんなのとは違う意味で)

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2009-03-22(Sun)

老人施設火災 背景にある高齢者施策の貧困 「高齢者賃貸住宅」?

(つづき)無届け施設『貧困ビジネス』 漂流高齢者の受け皿 

高齢者アパート事業者は
「介護が受けられ食事も食べられても、あくまで『賃貸住宅だ』と主張し、有料老人ホームではないという言い方もできる。そもそもの基準があいまい」と指摘。
・・・介護と福祉の所管庁は厚労省、
・・・賃貸住宅なら国土交通省
・・・行政の対応を後手に回らせている。





朝日新聞 2009年3月22日(日)付
社説:高齢者施設火災―福祉行政と防災の貧しさ
 亡くなったお年寄りたちは、さぞかし無念だったろう。
 群馬県渋川市の高齢者向け住宅「静養ホームたまゆら」で起きた火災は、10人の命を奪う惨事となった。
 建て増しを重ねたこの施設は、複雑なつくりになっていた。法令上の設置義務はないが、スプリンクラーや自動火災報知機もなかった。出火当時、施設にいた職員は1人だけだった。これでは、体の不自由なお年寄り全員を避難させるのは難しかったろう。
 悲劇で浮き彫りになったのは、いくつもの不備がからんだ施設のありようである。経営者には命を預かっている自覚が十分あったのか。警察や消防には、火災の原因となぜ被害が拡大したかを徹底的に究明してもらいたい。
 今回の火災でさらに驚くのは、入居していたうち15人が東京都墨田区から生活保護を受給していたことだ。
 東京など都市部では低所得者向けの高齢者施設は空きがない。そのお年寄りの受け皿に、こうした地方の施設が使われてきたのが実情のようだ。
 しかもこの施設を運営するNPO法人は、群馬県に有料老人ホームとしての届けを出していなかった。それでは行政の目もなかなか届かない。施設の関係者はこんな事情を明かす。「届けると設備基準などを満たすための投資が必要で、利用料に跳ね返る」
 墨田区は結果的に無届けの施設を、お年寄りに紹介していたことになる。
 しかし区ばかりを責めるわけにはいかない。施設が地元から遠く離れていては、お年寄りに好ましくないとわかっていても、身近に受け入れ先がなければ仕方ないだろう。無届けであれ、こうした施設がなかったら、行き場のないお年寄りは救えない。
 「無届けの施設を廃止しろ」と言うだけでは問題は解決しない。
 同じような無届けの老人施設は全国で350を超すという。政府や自治体はまず、こうした施設の運営や設備、介護、防火の体制を緊急に点検する必要がある。
 1人で動けない人がいる施設であれば、たとえ今の法律で義務づけられていなくても、スプリンクラーや火災報知機の設置を検討すべきだ。
 費用負担を施設側だけに求めていては設置は進むまい。行政がもっと必要な助成をしてはどうか。国や地方の財政事情は厳しいが、ことは人の命にかかわる。
 施設の数を増やす手だても、もちろん考える必要がある。優先順位は高いはずだ。
 介護の必要な単身のお年寄りはこれから増える一方だ。今こそ高齢者向け施設のあり方を社会全体で見直し、体制を整えなくてはいけない。
 急速な高齢社会の安心と安全を確保する覚悟が求められている。

(2009年3月22日01時24分 読売新聞)
老人施設火災 背景にある高齢者施策の貧困(3月22日付・読売社説)
 超高齢社会の行く末を案じさせるような、痛ましい出来事だ。
 群馬県渋川市の高齢者向け施設「静養ホームたまゆら」の火事で、10人の入居者が亡くなった。
 なぜ、このような惨事が起こったのだろうか。
 要因は大きく二つある。第一には施設の運営者の問題だ。
 「静養ホーム」といっても、法令にある呼称ではない。有料老人ホームかどうかをあいまいにしたまま、県への届け出をしなかったため、群馬県は実態をつかんでいなかった。
 防火設備や職員の配置など、高齢者を受け入れる施設として十分な態勢だったとは思えない。増築を重ねた建物は複雑で、認知症や寝たきりの人もいる入居者が、深夜の火事で避難しきれなかったのは当然だ。
 無届け老人ホームは、厚生労働省の調査で、全国に400近くある。把握できていないものも相当あるだろう。
 老人福祉法は罰則付きで届け出義務を定めているのに、徹底されていない。厚労省と自治体は厳しく臨んで、無届け施設をなくし、指導を行き届かせることが肝要である。
 問題のある施設でも必要とされる現状が、第二の要因だ。
 「たまゆら」の入居者の多くは現在も東京都墨田区の“区民”として生活保護を受けている単身高齢者だった。「たまゆら」の経営者が働きかけて、区役所がこうした高齢者の入居を斡旋(あっせん)した。
 東京では地価が高いことなどから、介護施設が極めて不足している。生活保護の高齢者が、病気などで一人暮らしが難しくなった場合、生活保護費の範囲で入居できる施設は少ない。
 墨田区に限らず、都内の自治体は、他県に受け入れ施設があれば助かる。地方の施設側も、入居費は生活保護費から確実に支払われるのでビジネスになる。
 その結果、多くの高齢者が行政の目が届かない状況に置かれる。墨田区は施設の実態を知っていたのだろうか。群馬県も入居者が県民なら、もっと早く関心を持ったのではないか。
 高齢化は今後、地方よりも東京など大都市で急激に進行する。こうした状況をこれ以上、放置するわけにはいかない。
 行政の責任をはっきりさせ、連携を整えるべきだろう。介護施設の拡充・整備とともに、高齢者に対する生活保護の仕組みも、見直しが必要である。

産経新聞 2009.3.22 03:03
【主張】老人施設火災 ずさんな運営と無責任さ
 群馬県の老人施設「静養ホームたまゆら」が全半焼し、高齢者ら10人が亡くなった。施設は無届けで運営され、スプリンクラーもなかった。
 消防庁と厚生労働省は平成18年に長崎で起きた老人施設火災を教訓に、4月から小規模施設にもスプリンクラー設置義務を課すことになっていたが、その矢先の惨事だった。
 高齢者は体が不自由な場合が多く、すぐには避難できない。防火対策には格段の注意を払うのが当然だ。火災原因調査とともに、これを機に全国の老人施設の防火対策をあらためて点検すべきだ。
 たまゆらの出火は深夜だった。出火時、女性職員1人と入所者16人がいたというが、夜間の見回りや職員数などの態勢が十分だったかがまず問われる。建物は入居者増加にともなって増改築が繰り返され、「壁はベニヤみたいで粗雑だった」との証言もある。構造・耐火面に問題がなかったか、定期的な避難訓練が実施されていたかについても検証が必要だ。
 高齢者や障害者が生活する福祉施設には、消防法と都道府県のガイドラインで防火上の安全管理が求められている。群馬県警は出火原因をつきとめるだけでなく、安全管理上の問題点も含めて徹底的に捜査してもらいたい。
 今回の火災では、施設の運営ばかりでなく、行政の監督責任も見過ごすことができない。
 たまゆらはNPO法人(特定非営利活動法人)が8年に開設し、有料で食事や洗濯のサービスを提供していた。こうした運営形態は老人福祉法で知事への届け出が義務付けられる有料老人ホームに該当する可能性があるのに無届けだった。「高齢者が劣悪環境に置かれている」との指摘や入所者が徘徊(はいかい)したり、禁煙施設で喫煙する姿も目撃されていた。運営はずさんだった可能性が高い。群馬県がもっと早く立ち入り調査していれば惨事は防げたかもしれない。
 たまゆらの入所者の大半は東京都墨田区から紹介され、生活保護が必要な高齢者だった。墨田区は「無届け施設とは知らなかった」としているが、事前の調査が不十分だったのではないか。
 都市部の高齢者たちの受け皿になっている無届け施設は全国で増えている。背景には急激な高齢者の増加と、それに対応しきれない施設不足がある。厚労省は早急に実態を把握し、対策に乗り出すべきである。

日経新聞 2009年3月22日
社説2 「高齢者施設」火災悲劇の教訓(3/22)
 群馬県渋川市で非営利組織(NPO)法人が運営する「高齢者施設」が火災に遭い、高齢者ら10人が死亡した。まことに痛ましい事故だ。
 この施設は高齢者施設と称しているが、介護保険法に基づく施設ではなく、介護サービスを提供するのに必要な届けを県当局に出していなかった。また入居者にからだの不自由な人がいるにもかかわらず、スプリンクラーがないなど安全面にも問題があった可能性が大きい。
 無届け施設の実態をつかむのは困難を伴うが、各地方自治体は同種の施設の調査を急ぎ、問題点を把握すれば早急に改善を求めるべきだ。
 火災は大都市圏の高齢化事情について構造問題もあぶり出した。この施設には東京・墨田区役所の紹介で生活保護の受給者15人の区民が入居していた。区は各人の生活保護費を施設の運営者に渡し、そこから利用料を引いた額が入居者に渡っていたという。区民の住み家について、こんなやり繰りをしなければならない背景には首都圏の高齢者住宅や施設の大幅な不足がある。
 6年後の2015年には団塊世代のすべてが前期高齢者になり、認知症の高齢者は今の150万人強から250万人に急増するとみられる。また独り暮らしの高齢者は570万世帯と、全高齢者世帯の3分の1を占めるようになる見通しだ。
 特に高齢化が加速するのは首都圏だ。15年までに高齢化率がどれだけ上昇するかの推計を県別にみると上から埼玉、千葉、神奈川の順となっている。夫に先立たれ十分な年金をもらえない独居女性や認知症を患っている人も念頭に、住まいの確保に取り組むのが優先課題になる。
 その際はできるだけ自宅で暮らせるように配慮するのが基本だ。公営住宅や旧公団住宅をバリアフリー化したり、介護者がいるケア付き住宅に改装したりするのを急ぐべきだ。経済対策を兼ねて国の財政支援があってもよい。市区町村の主導で日常の面倒をみたり安否確認したりするボランティアも育ててほしい。
 高地価のせいで老人保健施設など介護保険が適用される施設も足りない。安全基準を満たし高質のサービスを提供する民間の有料老人ホームの建設に税制支援するのも一案だ。

(東京新聞)2009年3月22日 08時03分
10人死亡火災 無届け施設『貧困ビジネス』 漂流高齢者の受け皿
 群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」で起きた火災の犠牲者は、十人になった。施設入所者の大半は、東京都墨田区から紹介された生活保護受給者。背景には、高齢者を受け入れる施設が飽和状態な上、生活保護費をあてにした「貧困ビジネス」ともいえる高齢者施設の実態がある。
 「目の前にいる被保護者の保護、受け入れ先の確保に汲々(きゅうきゅう)としていた」。墨田区の高橋政幸保護課長は二十一日の会見で入所者を紹介した事情を説明した。同区は「たまゆら」の現在の入所者のうち十五人を紹介。火災で死亡した十人のうち、同区からの紹介者は六人に上るとみられるという。
 高橋課長は、区内の今年一月の新規生活保護申請が前年同月比43%増となるなど、経済・雇用情勢の悪化に伴い、生活保護のニーズが急増している現状を強調した。区の生活保護費受給者で、区外の施設に入所中の高齢者は三百五十二人。「たまゆら」以外にも、無届けの施設に七十六人を紹介したという。
 「たまゆら」については有料老人ホームではなく、届け出義務のない「ケア付き高齢者賃貸住宅」と認識していたと強調した。
 東京都福祉保健局によると、昨年一月時点で生活保護費を受けている高齢者のうち約五百人が、都外の有料老人ホームやグループホームに移っていたが、その後、激増しているとみられる。
 総務省が昨年九月にまとめた調査では、調査対象の二十二都道府県のうち十五都府県で、三百五十以上の高齢者施設が都道府県への設置届け出をしていなかった。
 特別養護老人ホーム(特養)や費用の高額な有料老人ホームに入れない要介護の高齢者は、これまで慢性患者向けの「療養病床」に長期入院したり、グループホームに入ったりしていた。それが厚生労働省の二〇〇六年の医療制度改革で、療養病床の削減を打ち出しグループホームも居住する自治体以外の施設には入れなくなった。
 行き場を失った高齢者の受け皿として「たまゆら」のような施設が増えたとみられる。
 もともと都市部の施設は不足している。特別養護老人ホームの都内の定員は約三万四千人に対し、待機者は約三万八千人に上るとされる。東京都世田谷区の特養「博水の郷」の田中雅英施設長は、現行の介護報酬では、高い人件費や物価など、都市部の運営費に見合わないと指摘する。「都市部の介護難民を当て込んで、地方に施設をつくる業者が出るのは当然」と話す。
 淑徳大の結城康博准教授(社会保障論)は「こうした『闇市場』が広がった最大の原因は介護、医療費の抑制政策にある。介護サービスの充実に向け、医療、介護制度を根本的に見直すべきだ」と指摘している。

毎日新聞 2009年3月22日 東京朝刊
クローズアップ2009:群馬・老人施設火災 受け皿不足、無届け急増
 火災で多数の人が犠牲になった群馬県渋川市の老人施設「静養ホームたまゆら」は、実態は有料老人ホームだったにもかかわらず、老人福祉法に基づく届け出をしていなかった。こうした「無届け施設」は、高齢者の受け皿不足を背景に急増しているとみられる。「制度のはざま」にある施設が悲劇の舞台となったが、その裏に国の政策の貧困さがあると指摘する声もある。【清水健二、有田浩子、曽田拓】
 ◇行政の対応、後手に
 高齢者向けの施設には、社会福祉法人などが運営し介護保険が適用される特別養護老人ホーム(全国5892施設、定員41万2807人)や老人保健施設(同3435施設、同31万3894人)などがあるが、これらの利用率は9割を超え、特に都市部では入所待ちが続いている。また、入所費が比較的高く、民間企業でも経営できる有料老人ホームは昨年7月時点で3569施設(定員18万3295人)と、10年間で約12倍に増えた。
 これらに対し、無届け施設は厚生労働省の07年2月調査で377施設にのぼり、全国の有料老人ホームの約1割に達している。07年には千葉県浦安市の無届け施設で入所者をオリに入れていたことが発覚。厚労省は都道府県に対し、施設の実態把握と届け出の徹底を数回通知したが、都道府県や市町村の側も担当者が少なく、十分に実態を把握できていないのが現状だ。
 老人福祉法は、無届け施設でも都道府県が「有料老人ホームに該当する」と判断すれば立ち入り検査でき、無届けには30万円以下の罰金を科すと定めている。しかし「入所者がいる以上、強引に摘発して施設をなくしてしまうわけにもいかない」(厚労省老健局)ため、虐待などがない限り強制的な措置は取れないという。
 一方、施設側からすれば、届け出ると▽建物や設備の基準▽入所者への必要な情報開示▽身体拘束した場合の記録保存--などの規制がかかり、その分コストもかさむ。本来は介護や食事などいずれかのサービスを提供すれば、有料老人ホームなどとしての届け出が必要だが、「高齢者アパート」などと自称して届け出ない事業者は少なくない。
 首都圏で高齢者アパートを展開する事業者は「介護が受けられ食事も食べられても、あくまで『賃貸住宅だ』と主張し、有料老人ホームではないという言い方もできる。そもそもの基準があいまい」と指摘する。
 介護と福祉の所管庁は厚労省、賃貸住宅なら国土交通省と異なることも、行政の対応を後手に回らせている。
 こうした無届け施設は、今回の群馬など比較的地価の安い地域に多いとみられる。昨年1月の東京都の調査では、都内の生活保護受給者で有料老人ホームや高齢者向け住宅に入所していたのは674人で、そのうち都内在住は158人に過ぎなかった。他県の施設には516人が入所し、内訳は▽茨城236人▽埼玉83人▽群馬64人▽千葉63人▽静岡41人▽山梨12人▽栃木10人--などだった。
 ◇サービス抑制、政策の誤り--服部万里子・立教大教授(高齢者福祉学)
 今回のようなことがあれば「無届けはけしからん」「もっと取り締まれ」ということになるだろうが、それでは意味がない。なぜこのような施設が横行するのか考えるべきだ。
 無届けの施設が多くあるのは、施設不足と費用の問題があるからだ。防火対策など施設としての基準を満たそうとすればコストがかかる。その費用は入所者と家族にはね返る。高齢者の1人暮らしや老夫婦だけという世帯が増える現状で、たとえ劣悪でも安い費用で引き受けてくれる施設があるのは家族としては助かる。
 無届けの施設は、自治体も、ある程度把握している。では、なぜ手をつけないのかと言えば「入所者をどうするのか」という話になるからだ。自治体が見て見ぬふりをしているケースもあるだろう。
 背景にあるのは政策の誤りだ。介護保険スタートと同時に国による保護(措置)入所をやめ、待機者が増えているのに施設を減らし、サービスを抑制する流れになっている。これでは取り締まりをしても介護者や家族を苦しめるだけだ。
 今回のような火災はどこで起きても不思議はない。「人生の最後に受けるサービスを最低限人間らしく送れるように」。国はその点を考えるべきだ。
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2009-03-21(Sat)

群馬施設火災 命が軽視されてないか 行政の責任大きい

無届けホームの監視強化へ=群馬の死亡火災で厚労省
申請せず増改築繰り返す=建築基準法違反の可能性も



なんと悲惨な出来事だろう。

生活保護を受ける貧困層 ずさんな施設 
行政が紹介 
無届ホームが許されている現状
建築行政もざる・・・・・

いっぱい問題がありそうだ。
徹底的に問題点を洗い出すべきだ。



毎日新聞 2009年3月21日 
社説:群馬施設火災 お年寄りの安全対策再考を
 またしても痛ましい火災となった。群馬県渋川市の「静養ホームたまゆら」で起きた火事で、現場から遺体で見つかった7人の入所者は逃げ遅れて炎に包まれたものとみられている。
 総務省消防庁などによると、介護施設などの出火率は一般住宅などと比べて決して高くないというが、体が不自由なお年寄りが入所する施設でいったん火事に見舞われると被害が大きくなりがちだ。今回も、3年前に長崎県大村市のグループホームで7人が死亡した火災と並ぶ犠牲者が出た。
 警察、消防は出火原因の究明はもちろん避難誘導や防火施設面、管理面などでミスや問題がなかったか、徹底的に調べて今後の教訓にしなければならない。
 一般論で言えば、夜間の当直や介護スタッフを増強したり、スプリンクラーを各室に設置するなど法定基準を上回る対策を講じれば、安全性が高まることは言うまでもない。
 だが、コストや要員確保などには限界があり、万全を期すのは至難の業だ。大村市のグループホームの火災のように、オール電化にして火気をなくしていたのに、たばこの火の不始末から出火したとみられるケースもある。
 各施設が対策をできる限り強化するのは当然だが、不十分さを認識した上での現実的な取り組みも求められる。いざという場合に応援が得られるように、日ごろから近隣住民や地元消防団と緊密に連絡をとり、円満で良好な関係を築いておくことなども重要だ。施設を開設する際には、資金的な制約はあるとしても、なるべく人里離れた場所を避けたいものでもある。入所者もまた、安全対策を常に心がけ、集団生活する以上は喫煙習慣を改めるといった覚悟も必要ではないか。
 全国の出火件数は減少しており、昨年も約5万2000件で、四半世紀前に比べ2、3割減ったが、火災による死者は逆に増加し、97年から11年連続で2000人を超えるなど高止まりの状態にある。昨年は微減して1967人になったものの、住宅火災による死者の6割以上を高齢者が占めており、高齢化に比例するように増加が続いている。とくに目立つのが、病気や体の不自由さから逃げ遅れるケースだ。
 同消防庁は出火にいち早く気づかせるため、消防法を改正して住宅用火災警報機の設置を11年6月までに全国で義務化させることにしたり、早期に設置するように呼びかけるなどの対策に努めているが、肝心なのは各自の心構えだ。万一に備えて家族や近隣住民と、火事を知らせる方法や避難経路を打ち合わせておくことも大切だ。
 耐火建築が普及し、裸火を使う機会も減ったのに、1日平均5.4人が火事で落命している現状を看過してはならない。身の回りの火の用心を徹底したい。

東京新聞 2009年3月21日
【社説】老人施設火災 命が軽視されてないか
 群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」で起きた火災は七人が死亡する惨事となった。出火原因の特定と合わせ、またもこれだけのお年寄りの命が守れなかった原因を徹底的に検証すべきだ。
 火災が発生した十九日深夜、施設三棟に入所者十六人と職員一人の計十七人がいた。亡くなった七人はいずれも同じ棟の入所者とみられる。やけどした四人のうち、三人は症状が重いというから被災状況は深刻だ。
 お年寄りが入所する施設の火災はたびたび起きている。二〇〇六年一月、長崎県大村市の認知症高齢者グループホームでは七人が死亡した。昨年十二月は福島県いわき市の老人介護施設で二人、今年二月には東京都足立区の老人ホームで一人が犠牲となった。
 老人施設に限らず、建物なら火の管理は最優先事項だが、万一の備えも怠るわけにはいかない。
 大村での火災を教訓に法令が改正され、一定の建物面積があるグループホームなどはスプリンクラーの設置が義務付けられた。
 しかし、小規模施設ではコストの問題などから未設置が多い。
 「たまゆら」火災で死者が出た建物にはスプリンクラーがなかった。面積が基準以下のため法令上の設置義務はなかったようだ。
 設備と合わせて重要なのは人員配置だ。老人施設や福祉施設の場合、介護を必要とする入所者が多い。火災や地震のとき、自力では避難できない人もいるだろう。
 職員一人の当直体制は手薄な印象を受ける。十六人は三棟に分かれて生活していた。連絡や巡回するだけでも時間がかかろう。
 ましてや火災の際、職員一人で避難誘導などを行い、入所者全員の安全確保ができるのか。
 万一のときを考えると、老人施設や福祉施設は地域との連携が欠かせない。地方では閑静な場所に建設されることが多く、地域の人たちと疎遠になりがちだ。
 今回、火災に気づいた近隣の住民が施設に駆けつけ、救助や消火活動に協力したようだ。
 ただ、「たまゆら」側は日ごろから住民と関係を深める努力をしていたのだろうか。
 高齢化社会で小規模な老人施設は増えている。法規制の外にある施設もあるようだ。行政は地域の実態を早急に把握すべきだ。
 火災発生の原因は一つであっても、犠牲を大きくした原因は複合的な場合がある。介護面だけでなく、安全管理面からも設備と人的配置を考えなければならない。

時事通信 (2009/03/21-19:54)
申請せず増改築繰り返す=建築基準法違反の可能性-10人死亡の高齢者施設・群馬
 10人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災で、施設を運営する特定非営利活動法人(NPO法人)「彩経会」が施設を増改築する際、建築基準法で義務付けられた建築確認申請をしていなかった疑いがあることが21日、県への取材で分かった。
 県建築住宅課によると、施設の建築確認申請は1997年から2004年にかけ、彩経会や高桑理事長の名前で3度出された。
 97年3月には各約66平方メートルの建物2棟の新築申請に対し、県が確認書を交付。用途は「長屋」とされていた。7人の遺体が見つかり火元の可能性が高い別館「赤城」と、延焼し3人が病院搬送後に死亡した別館「榛名」とみられる。
 99年4月には、用途を「多目的室(本館)」とした2階建て約185平方メートルの新築申請、04年2月には約990平方メートルの「寄宿舎」の増築申請があり、確認書が出された。これ以降、建築確認申請はなかったという。
 一方、施設関係者や近所の人の話では、施設は増改築を頻繁に繰り返していた。高桑理事長らが自分たちで工事することもあった。一時は本館と別館を渡り廊下でつないでいたが、現在は取り払われている。

2009/03/21 20:26 【共同通信】
群馬、施設火災の死者10人に 5人は墨田区の紹介で入所
 群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」の火災で、群馬県警は21日、病院に搬送されていた深井隆次さん(77)が死亡したと発表した。死者は計10人になった。
 焼け跡から遺体で見つかった7人のうち4人の死因は、男女各1人が焼死、男性2人が一酸化炭素(CO)中毒だったことが県警の調べで分かった。病院に収容後死亡した3人のうち、深井さんを除く2人の死因はいずれも全身やけど。
 また東京都墨田区に対し、たまゆらの近隣住民の男性が2006年、「介護状況は問題が多い」として、入所者の紹介をやめるよう区役所のホームページにメールで求めていたことが分かった。
 死亡した10人のうち、5人は墨田区の紹介でたまゆらに入所したとみられる。
 男性は、介護面で問題が多い施設なのに、区が「良好」と判断して入所者を「派遣」していると指摘。施設の閉鎖を求めていた。散歩中の入所者が倒れても駆け付けられる職員がおらず、施設に知らせたところ、食事当番の職員しかいないというトラブルが続き、気付いたという。

時事通信(2009/03/21-12:06)
無届けホームの監視強化へ=群馬の死亡火災で厚労省
 9人が死亡した群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火災を受け、厚生労働省は21日、老人福祉法に基づく有料老人ホームの届け出を徹底するなど、無届けホームの監視を強化することを決めた。同省老健局は「無届けの場合、問題が起きるまで実態がつかめない」としている。
 厚労省が把握している無届けの有料老人ホームは2007年2月時点で全国に377施設ある。06年4月の同法改正で、有料老人ホームの定義は従来の「入居者10人以上で食事を提供している」から、人数要件が撤廃され、「食事、介護、家事、健康管理のいずれかのサービスを提供している」に変更。都道府県への届け出義務が拡大されたが、徹底されていないことを重く見た。
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2009-03-21(Sat)

「無料低額宿泊所」 生活保護費ピンハネする「貧困ビジネス」

「保護費から利用料をもらう。保護費が出るまで外出できない」と元派遣男性を“軟禁”

「無料」どころか、ピンハネではないか。
それも、生活保護費(税金)からとは許せない。

「行政の中には安易に無料低額宿泊所を紹介するところもある」
NPOや慈善事業を装った悪徳業者に手を貸す行政の責任も重い

「入所者の保護費の多くを利用料として奪い、自立を妨げている面がある」
「入所者の預金通帳やキャッシュカードを預かり、生活保護費から利用料を天引きしていた」
ということは、雇用・ホームレス対策にまっこうから反する。

政府として、きちんと調査して、是正すべきだ。


 
3月20日0時25分配信 産経新聞
保護費ピンハネ? 元派遣男性を“軟禁”
 ホームレスら生活保護受給者を対象にした「無料低額宿泊所」と呼ばれる埼玉県の民間施設で、40代の元派遣労働者の男性が半月にわたり「軟禁」されていたことが19日、分かった。
 施設は生活保護費から利用料を徴収しており、男性は保護費が支給されるまで外出を禁じられていた。
 施設を運営する業者は入所者の預金通帳を預かり、保護費から利用料を天引きしていたことも発覚。男性を施設へ紹介した同県蕨(わらび)市は事態を把握しておらず、埼玉県は実態調査に乗り出した。

 この施設は、埼玉県内だけで8施設を運営する任意団体による戸田市内の宿泊所。男性や関係自治体によると、男性は派遣の職を失ったため2月16日、埼玉県蕨市役所で生活保護の申請を勧められ、この施設を紹介された。同日夜から滞在し「職を探したいので外出したい」と申し出たが、「保護費から利用料をもらう。保護費が出るまで外出できない」と禁じられた。
 施設は定員210人で多くが元ホームレスなどの中高年男性。小部屋を板で3人分に区切ったネットカフェのようなスペースで、3食つきで月額約9万5000円。男性は生活保護申請と結核の診察で2回外出したが、いずれも施設の男性が同行した。
 入所16日目の今月3日、生活保護費約20万円が支給されたが、このうち施設が2月の日割り分と3月分として計17万4320円を徴収し、外出を許されたという。
 男性は「職を探したいのに外出できないのでは、自立などできない」と話す。
 この施設の業者をめぐっては昨年11月、入所者の預金通帳やキャッシュカードを預かり、生活保護費から利用料を天引きしていたとして埼玉県が改善指導していた。
 男性を施設へ紹介した蕨市の小川博福祉総務課長は「そういう話は初めて聞いた」。施設を指導する埼玉県は「好ましいものではない」(社会福祉課)として、調査を始めた。施設側は「取材は拒否している」と話している。

■「貧困ビジネス」と批判も
 景気悪化を受けて、無料低額宿泊所は近年急増している。本来は生活保護受給者や職を失った人を助ける目的で運営される施設だが、「生活保護費をピンハネする貧困ビジネス」との批判を受けるケースもある。
 埼玉県川口市では2月、生活保護費を振り込みでなく窓口で受け取った入所者から施設が利用料を徴収する際、市が庁舎内の部屋を利用させる便宜を図っていたことが明らかになった。1月には千葉市の建設会社社長が、自ら立ち上げたNPO法人が運営する宿泊所に社員を入所させて保護費をだまし取ったとして、千葉地裁で懲役5年の判決を受けている。
 宿泊所が入所者から徴収する利用料は、多くの場合、家賃よりも取りはぐれのない税金を原資とする生活保護費だ。名称とは裏腹に無料でも低額でもなく、年末年始の「年越し派遣村」でさえ、村民らに「保護費をピンハネされるので悪質な宿泊所だけは行かないように」と呼びかけた。
 本来、生活保護はアパートを借りて入居する「居宅保護」が原則だが、保証人や敷金・礼金が必要なためホームレスの人には難しい。生活保護問題に詳しい森川清弁護士(48)は「行政の中には安易に無料低額宿泊所を紹介するところもあるが、入所者の保護費の多くを利用料として奪い、自立を妨げている面がある」と指摘する。
 宿泊所は、都道府県への届け出だけで誰でも開設でき、国や自治体が定めたガイドライン以外、法的な規定はない。各自治体は数年前から法整備を要請しているが、厚労省は「公金を一切受けない善意の福祉事業者に厳しい規制をかけることには議論の余地がある」(保護課)として慎重姿勢を崩していない。(徳光一輝)
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2009-03-20(Fri)

追加経済対策:ばらまき復活懸念 エコ事業規模膨らまず

旧来型大規模事業は『負の遺産』残すだけ

自民党は、「▽道路▽空港▽港湾▽鉄道網▽下水道▽電線地中化--の6項目を挙げて総額14.7兆円の財政出動を求めた」という。

景気対策なら何でもあり、か!
90年代のバラマキで、いま借金返済に苦しめられているのに・・

こういう発想しかできない自民党だから、退場させるしかないのだ。


毎日新聞 2009年3月17日 21時40分
追加経済対策:ばらまき復活懸念 エコ事業規模膨らまず
 追加の経済対策を巡り、自民、公明両党のメニュー作りが難航している。景気刺激策として、財政出動を伴う公共事業を軸としながらも、「ばらまき」との批判を浴びないよう雇用創出や環境対策につながる「次世代型」事業を模索するが、財政規模が膨らまないという弱点がある。その一方、次期衆院選を控え、所属議員からの歳出圧力は強まるばかりで、巨額の財政出動が可能な「旧来型」の公共事業が復活する懸念も強まっている。

 自民党は17日、党本部で追加対策を議論する日本経済再生戦略会議(会長・町村信孝前官房長官)を開催。席上、党国際競争力調査会の代表は「100年に1度の大恐慌に対応するため、当面は財政再建よりも財政出動を行う」と提言し、▽道路▽空港▽港湾▽鉄道網▽下水道▽電線地中化--の6項目を挙げて総額14.7兆円の財政出動を求めた。

 出席者からは衆院選をにらみ、「発想の転換を打ち出すべきだ」として、財政再建路線の見直しを求める意見が出た。戦略会議の有力メンバーは会合後、「雇用面を考えれば、旧来型の公共事業が一番いい。次世代型の公共事業では、なかなか雇用と両立しない」と漏らした。

 自民党内では「次世代型」の事業として、太陽光発電や次世代自動車の普及支援、学校施設の耐震化といった日本版「グリーンニューディール政策」が浮上。旧来型の公共事業には「ゼネコン向け」との批判がつきまとうだけに、次世代型を追加経済対策の目玉とする構想が浮上していた。ただ、次世代型は大型の財政出動を伴わず、「景気刺激効果に疑問」(政調幹部)とのジレンマも抱える。

 公明党も太田昭宏代表を本部長とする「新・経済対策検討本部」を発足。「社会保障」「雇用」「需要創出」を3本柱に、日本経団連や連合など各種団体の要望を踏まえ、追加対策の取りまとめを急いでいる。ただ、核になる事業が見当たらず、党内では「衆院選が先送りされる可能性もあり、急ぐことはない」との声も上がる。

 麻生太郎首相は4月2日にロンドンで開かれる金融サミットに出席する予定で、自民、公明両党は同サミットに間に合うよう、3月中に追加対策をまとめる意向。景気情勢が厳しさを増すなか、政権浮揚の狙いもあるが、「旧来型公共事業の上積みでは支持を下げてしまう」(自民党幹部)との不安も広がり始めている。【三沢耕平、犬飼直幸】



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2009-03-19(Thu)

高速料値下げの期待と懸念 不公平感も

巨額の借金の返済を税金で肩代わり ETCに補助・限定 環境対策は?


高速料金の値下げが話題になっている。
利用する側にとって見れば、『歓迎』だろう。

「冷え込んだ消費を刺激する期待がある一方で懸念や不満もある」
まず、値下げの仕組むについてだ。

「今回の値下げによる高速道路各社の料金収入の減少分は政府が2年間で5000億円を使って穴埋めする。すでに昨年秋から10年間で2兆5000億円を投じて深夜料金なども下げている。
「景気対策を理由に、旧日本道路公団の放漫経営で膨らんだ巨額の借金の返済を税金で肩代わりしているともいえる」
「本来、通行料の見直しは民営化された高速各社の経営努力で実施するのが好ましい」(日経)

もともと料金設定は、民営会社の経営判断事項だ。
それを、税金で肩代わりするなら、民営化の意味が問われる。
民営会社をやめ公営に戻せばいい。

次に、対象について。
そもそも、3割しか搭載していないETC設置車だけなのか。
恩恵が、人ではなく、ETC車にしかわたらない。
これって、ETC製造メーカーやその関連業界への特別待遇ではないか。

ETC設置に対する補助制度も不公平感がある。
すでに、設置していた人(=車)には何の補助もない。

3つ目は、効果、影響について。
まず、高速道路利用が増えて、他の交通機関があおりをくらうことになりそうだ。
とりわけ、本四架橋やアクアラインも安くなるからフェリーなどは大打撃だろう。

そして、環境問題だ。CO2削減に、逆行するのではないかとの懸念だ。
土日に、マイカーを中心に車での遠出を奨励する。
環境対策として、こんなのでいいのかな?

それでも、経済効果が上がり、景気が好転するなら・・・
結果はどう出るか・・・




日経新聞 2009年3月18日
社説2 高速料値下げの期待と懸念(3/18)
 全国の高速道路で3月下旬から料金の引き下げが始まる。麻生太郎内閣の景気対策のひとつだ。

 全国を大都市部、大都市近郊部、地方の3地域に分け、曜日や時間帯で複数の割引率を設ける。20日から東京湾アクアラインと本州四国連絡道路で先行実施し、28日からは土日祝日の地方の高速料金が一部を除いて上限1000円になる。首都高の休日割引なども順次始まる。

 例えば東京・霞が関から山形・蔵王に行く場合で料金は現行の約4分の1になる。青森から鹿児島まで日本を縦断すると約15分の1だ。

 すでに、割引を受ける条件である自動料金収受システム(ETC)の設置希望者が急増している。イベントや施設割引を計画する観光地も多い。徳島県のように観光客を倍増させようと意気込む自治体もある。

 急速な景気悪化や円高で観光客は伸び悩んでいる。移動費の低下は需要を掘り起こす好機になるだろう。平日は大型車などの割引も拡充されるので輸送コストも下がる。ルートや曜日、時間帯で通行料がかなり異なるので、利用者は事前にしっかりと計画を練る必要があろう。

 冷え込んだ消費を刺激する期待がある一方で懸念や不満もある。今回の値下げによる高速道路各社の料金収入の減少分は政府が2年間で5000億円を使って穴埋めする。すでに昨年秋から10年間で2兆5000億円を投じて深夜料金なども下げている。

 景気対策を理由に、旧日本道路公団の放漫経営で膨らんだ巨額の借金の返済を税金で肩代わりしているともいえる。本来、通行料の見直しは民営化された高速各社の経営努力で実施するのが好ましい。今回の値下げは2年間に限った対策という原則をしっかりと守るべきだろう。

 ETC設置に対する補助制度に制約を設けている点も解せない。ETC搭載車は現在、車全体の3割にとどまる。日本の高速道路は欧米に比べて料金が高く、インターチェンジの間隔が長い。搭載車が増えればETC専用の入り口をつくりやすくなり、高速道路の利便性が高まる。

 国土交通省や高速各社の準備不足もあって料金体系は複雑だ。新料金の周知徹底に加え、休日の渋滞対策にも各社は万全を期してほしい。
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2009-03-18(Wed)

道路特定財源の一般財源化法案が審議入り

地方道路公社7割で計画倒れ

参考)道路関連記事2本



共同ニュース2009年3月18日
地方道路公社7割で計画倒れ
 36都府県などが設置している42の地方道路公社の7割に当たる31公社が、道路整備特別措置法に基づき借入金で造った有料道路や駐車場について、事業の将来収支見込み額が建設時の計画を割り込むと予想していることが18日、共同通信社のまとめで分かった。
 甘い需要予測などが原因で投資に見合った採算が取れず、8公社は国や金融機関から借りた長期債務のうち計738億円を、有料期間(多くは30年程度)終了時の返済期限までに完済できない見通し。返しきれない分は、債務保証した設立母体の自治体が「将来負担」として肩代わりすることになる。
 特措法事業の将来収支は2008年度から有料期間終了時までの累計。料金収入などから建設・維持費などの経費を引いた差額の見込みで、借金返済の原資になる。自治体財政健全化法に基づき、全国42の地方道路公社について、自治体が当初計画と05-07年度実績の差額などから推計。路線などが複数ある場合は合算し、総務省に報告している。
 まとめによると、将来収支が計画を下回ったのは31公社で、茨城、和歌山、香川の各県と大阪市の公社は実績が計画の2割台。43億円の黒字見込みだった福島県公社は福島空港道路の通行台数の低迷などで、有料期間終了時の30年度までの累計で3億円の赤字、高知県公社も観光客を当て込んだ高知桂浜道路の利用が不調で25年度までに17億円の赤字を予想する。


(共同) [2009年3月13日14時15分]
道路特定財源の一般財源化法案が審議入り
 道路特定財源を2009年度から一般財源とするため、揮発油税収などの使い道を道路整備に限定する規定を削除した道路整備事業財政特別措置法改正案が13日午後、衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。
 質疑で民主党の森本哲生氏は「今回の一般財源化は粉飾、まやかしで名ばかりの改革」と批判。揮発油税などを本来より高くしている暫定税率の撤廃、高速道路の無料化を求めるなど対決姿勢を見せた。
 道路特定財源制度は、自動車ユーザーの税負担で道路整備を安定的に進めるのが目的だった。しかし国会で「無駄遣いの温床になっている」などの批判が強まり、福田康夫前首相が一般財源化を表明、昨年5月に閣議決定していた。
 改正案は、揮発油税収の4分の1を地方道路整備臨時交付金(08年度6800億円)として、自動的に地方自治体へ配分するとした規定も削除。同交付金に代え、09年度からは道路整備を中心とする地域活力基盤創造交付金(当初予算案で9400億円)が創設されるが、改正案には明記していない。
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2009-03-17(Tue)

国交省が率先して雇い止め 約1000人超  偽装請負も発覚 矛盾だらけ

公用車の削減や発注業務の見直し、新たに落札した業者 年200万円以下募集

国交省は、公用車のムダ遣いを指摘され、削減や発注業務の見直しを行った。
その結果、1000人を超える運転手が雇止めされる事態が生まれている。

ムダ遣いを改めるのは当然だが、それで1000人を超す労働者が職を失う。
この失職した労働者がムダ遣いをしていたわけではない。労働者に罪はない。

ムダ遣いをしていた国交省に責任がある。
ならば、国交省が離職する労働者の再就職の面倒を見るなど最低限の支援をすべきではないだろうか。

ところが、車両管理業務は、業務委託しているから「労働者の雇用問題は受注業者の問題」、
どれぐらいの解雇が起きるかは「把握はしていない」(国交省官房長)という態度。

かつて、請負社員の雇止めをしたキヤノンの御手洗会長が
「キヤノンは解雇していない、解雇しているのは請負会社だ」と言ってヒンシュクをかったことがある。
よく似ている。いや、まったく同じ発想だ。

舛添・厚生労働大臣はたしか、「派遣先企業にも責任がある」と法改正まで言っていた。
3月末に向けて派遣切り、雇止めが増加するため、
雇用調整助成金など対象を増やすなど政府あげて取り組みを強めている。
そんなさなかに、政府自身が率先して雇止めをやっているということになる。

入札のやり方にも問題がある。
運転管理業務というが、人件費、労働者の給料がほとんどを占める業務だ。
落札するには、給料を減らすしかない。

実際に落札した業者は、予定価格の60%(低入札で調査する価格)を下回っているケースも多い。
まさしくダンピングだ。
募集広告には、日勤8時間、週5日の通常勤務で14万~16万円、年収にすると200万円にもならない。
しかも、災害時などは非常体制に組み込まれる契約。命がけの場合もある。

こういう入札を平気で実施して請負業務だから関係ない、などとんでもない言い分だ。

もともと、運転手は必要なのだから、公務員として雇えばいい。
それをしないで、無理やり請負業者に外注するから矛盾も起きる。

中国地方整備局広島国道事務所が、偽装請負の実態があったとして、広島労働局から是正指導を受けた。
国交省は、改善措置の報告書を労働局に提出した。

「報告書では、職員が運転手に対して直接、指示をすることを慎むと明記。指示をする場合は、指示した時間、指示内容などを運行計画書に記し、公用車の使用伝票を添付した上で、同国道事務所に常駐する委託先の運行責任者に提出するとした。災害などの緊急事態の際にやむを得ず口頭で指示した場合も、改めて運行計画書を作成して確認するとしている」

これをよむと、職員が直接指示しても事後報告すればいい、ということのように読める。
ほんとうだろうか。
国が率先して法律違反まで犯している。

いたい何と言う国だろうか。




(追加)
産経新聞 2009.3.19 01:30
公用車の低価格落札相次ぐ 談合改革の入札…国交省調査へ
 国土交通省が昨年の談合疑惑を契機に、公用車の運転・管理業務について指名競争から一般競争に切り替えた平成21年度の入札で、落札価格が予定価格よりも極端に低いケースが相次いでいることが18日、分かった。「入札が適正に機能している」との見方がある一方、実際に業務が行えるのか疑問視されるほどの低価格という。国交省は落札予定業者から聞き取り調査を実施する方針で、契約開始となる4月1日から公用車が使用できなくなる恐れも出てきた。
 問題の公用車にかかわる業務の入札は2月以降、全420事務所で実施された。その結果、落札がいったん保留される、落札価格が予定価格の6割以下となる入札が相次いだ。国交省によると、保留は、業務の質の低下などが懸念されるための措置で、業者から聞き取りが行われることになる。
 今回の入札では、特に国交省の都市部にある出先機関の業務で保留が目立ち、首都圏では保留の割合が約50%にまで達しているとみられるという。国交省の18年度の公共工事全体に占める保留の割合は約10%。ある関係者は、今回の状況を「異常事態」と明かす。
 国交省は「競争の激化」が低価格落札の背景にあるとみる。業者にとって、官公庁の事業を請け負うことは、ブランド力の向上につながる。このため、「赤字ギリギリでも取りたい」(自動車運転業者)という業者が多いのだという。競争原理が働くと節税が期待できる。一方で、業者からは「従業員の給与カットや待遇の見直しをせざるを得ない」「今後は撤退が増え、結局はこれまでと同じ大手主導に戻る」との不満の声も漏れる。
 国交省の公用車にかかわる業務をめぐっては昨年7月、公正取引委員会が談合を繰り返していたとして、3業者の立ち入り検査を実施。これを機に入札を指名競争から一般競争に切り替えた。昨年9月に116事務所で先行実施したところ、参加業者は7倍に増えて落札率も下がり、月6000万円の節税につながった。
 その際の保留は数件だったが、今回は大幅に増えたため、国交省の聞き取りの対象も必然的に増えた。


2009年3月12日(木)「しんぶん赤旗」
国交省が約1000人を雇い止め
こくた議員 「路頭に迷わせるな」
 日本共産党の、こくた恵二議員は十一日の衆院国土交通委員会で、国交省による公用車の削減や発注業務の見直しにともない、約千人の労働者が「解雇」になる事態を取り上げ、対応を迫りました。
 こくた氏は、国交省による車両管理業務の一般競争入札で受注できなかった業者が、千人を超える運転者の雇い止めを始めているとし、「物品流通の話ではなく、国交省が雇っていた労働者の雇用が失われているというのは重大だ。政府の責任が問われている」と指摘しました。
 こくた氏は、政府あげて雇い止めや労賃の切り下げ防止に取り組まなければならない時に、政府自身が率先して雇い止めをやっていると批判。「雇い止めした労働者に対しては、政府として再就職など全面的な支援をし、一人も路頭に迷わせてはならない」と述べました。
 こくた氏は、「公用車の請負業務が災害時緊急出動など命にかかわるような内容であるにもかかわらず、新たに受注した会社の賃金が、年収にして二百万円いくかいかないか」と述べ、「国が必要だとする業務を担う労働者の賃金が、こんなに低くていいのか」とただしました。
 金子一義国交相は、「労務費が著しく下げられるのは問題だ。異常な安い価格に陥らないように、契約は正していかなければならない」と答弁しました。



(2009年3月10日 読売新聞)
中国地方整備局の偽装請負 労働局に改善措置報告書
 国土交通省の公用車の運転・管理業務で、労働者派遣法に違反する偽装請負の実態があったとして、同省中国地方整備局広島国道事務所が広島労働局から是正指導を受けた問題で、同国道事務所は9日、改善措置の報告書を同労働局に提出した。
 報告書では、職員が運転手に対して直接、指示をすることを慎むと明記。指示をする場合は、指示した時間、指示内容などを運行計画書に記し、公用車の使用伝票を添付した上で、同国道事務所に常駐する委託先の運行責任者に提出するとした。災害などの緊急事態の際にやむを得ず口頭で指示した場合も、改めて運行計画書を作成して確認するとしている。
 運転手に対しては、運行責任者からの指示のみによって運転するよう、改めて文書で要請した。
 同省から公用車運転・管理業務を委託された「日本総合サービス」(東京都)から同国道事務所などに派遣された運転手7人が、昨年12月、「労働者派遣法に違反して国交省職員が直接、運行業務などの指示が行われている」と同労働局に申し立て。同労働局が、同事務所に是正を指導していた。


毎日新聞 2009年3月16日 東京夕刊
国交省:公用車運転業務問題 福岡、大分の運転手も直接雇用求め申告書
 国土交通省発注の公用車運転業務を巡る偽装請負問題で、大手車両管理請負会社「日本総合サービス」(東京都品川区)に勤務する福岡と大分の運転手計4人が16日午前、偽装請負の解消と直接雇用を求めて是正勧告申告書を福岡労働局に提出した。職員が運転手に直接指示する就労形態が労働者派遣法などに違反すると訴えている。
 申告した運転手は、遠賀川(おんががわ)河川事務所管内の3出張所(福岡県)の3人と、山国川(やまくにがわ)河川事務所(大分県)の1人。申告書によると、両事務所は同社と業務委託契約を結んでおり、同社は発注元の事務所から独立して業務を請け負っている。このため、国交省職員は契約で決めた同社の車両管理責任者や運行管理責任者を通じてしか運転手に仕事の指示を出せない。職員が運転手に直接指示する場合、事務所が同社と派遣契約を結ぶ必要がある。
 ところが、職員は口頭で送迎先などを運転手に指示してきた。昨年11月以降は、同社が配車表を事前に作成し、責任者を通じ各運転手に仕事内容を伝えていたが、責任者本人が運転手を兼務しており、業務の変更は、運転手に直接出されるケースも目立ったという。
 この問題では、広島県内の運転手7人の申告を受けた広島労働局が2月、労働者派遣法違反を認定して広島国道事務所に是正指導している。【田中謙吉】

毎日新聞 2009年3月12日 21時08分
公用車偽装請負:運転手の直接雇用を否定 金子国交相
 国土交通省発注の公用車運転業務を巡る偽装請負問題で、民主党の大久保勉委員は12日の参院予算委員会で、偽装請負を申告した広島国道事務所の運転手7人を「直接雇用すべきだ」と訴えた。これに対し金子一義国交相は、新たな運転手の雇用の廃止を決めた83年の閣議決定などを理由に、直接雇用の可能性を否定した。
 運転手の雇用はこの閣議決定以降は原則的に行われず、国交省が業務を委託する民間業者の運転手に順次入れ替わってきた経緯がある。だが大久保氏は業務委託する公用車1台当たりの支出(約430万円)に対し、運転手の人件費が250万~300万円で、「経費削減のためには運転手を直接雇った方がいい。雇用の確保やセーフティーネットも強化される」と訴えた。
 この問題では、広島労働局が労働者派遣法違反で広島国道事務所に是正指導している。


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2009-03-16(Mon)

「百年に一度の危機」・・・ 「誰の責任という問題ではない」?

欧州は、新たな規制の枠組み 日本はどんな姿勢で臨むのか
自然災害か地震に遭った時のように「百年に一度」という用語が飛び交っている。
しかし、この表現はおかしい。

オバマ新大統領は議会演説で、規制が問題に適切に対応できなかったと述べた。

「やはりルールを検証すべきだ」

「欧州は、新たな規制の枠組み作りのために懸命の作業を進めてきた。それはどうみても米国的放縦に対し何らかの歯止めを求めるものになるだろう。翻って、日本はどんな姿勢でこの会合に臨むか。本当は今、日本で最も話題になっていなければならない問題なのだが」

なるほど・・・。




日経新聞 2009年3月14日
大機小機:「百年に一度」は天災用語

 このたびの米国発の金融危機については「百年に一度の危機」という表現が盛んに使われる。この表現は「資本主義の世界では百年に一度くらいこの手の危機が起こるものであり、決して誰の責任という問題ではない」という雰囲気を醸し出すから、誰をも安心させる。米国のやり方をひたすら推奨してきた経済学者も評論家も皆悪くない。恐らく百年後にまた同じような危機が起こるだろう、と。まるで自然災害か地震に遭った時のようだ。「経済学が何を言っても同じこと」とも聞こえる。

 経済学音の中には「ざんげ録」のような“転向”の書物を刊行した人もいる。これを読むと、経済学はこんなに底の浅い信仰に似た感覚で世の中を動かしてきたのかと驚いてしまう。だが反省している以上、昔の主張か今の反省かのどちらかが正しいはずだ。反省しない経済学者は、一貫して正しいのか、一貫して問違っていたのか分からないので、全員がこの書物について意見を表明すべきである。

 米国人は反省しない人たちだと思っていたら、さすがにオバマ新大統領は議会演説で、規制が問題に適切に対応できなかったと述べ、これが米国的な規制のあり方に関する問題であるとの認識を示した。加えて米国人は百年に一度の危機がなぜ米国発なのか自問する必要もあるだろう。

 米国は貯蓄金融機関(S&L)の破綻危機に際して証券化という手法を開発したが、その住宅口ーン危機を今回はさらに探刻な形で再現させた。LBO(借り入れで資金景を増やした買収)で散々使ったジャンク債の次は、今回の「ジャンク証券化商品」である。同じようなことを何度でも繰り返して、懲りることのない体質なのではないか。

 経済学者は相も変わらず、「ゼロ金利にしたので、お金の流れがおかしくなった」などと論評している。だがお金が余ろうとどうだろうと「してはいけないことは、できない」となっていれば、お金の流れも違ったはずだろう。やはりルールを検証すべきだ。

 四月にロンドンで開かれるG20金融サミット(首脳会合)に向けて欧州は、新たな規制の枠組み作りのために懸命の作業を進めてきた。それはどうみても米国的放縦に対し何らかの歯止めを求めるものになるだろう。翻って、日本はどんな姿勢でこの会合に臨むか。本当は今、日本で最も話題になっていなければならない問題なのだが。(盤側)
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2009-03-16(Mon)

ハウジングプアが深刻化、家がなければ職探しも困難

参 考

東洋経済オンライン  09/02/19 | 12:20
ハウジングプアが深刻化、家がなければ職探しも困難 《特集・雇用壊滅》(1) -
 昨年末来、「非正規切り」の嵐が吹き荒れる中、ある問題が顕在化した。実は日本には、安心して生活できる住居を保障する社会的システムがほとんど存在しないという「ハウジングプア」(住まいの貧困)問題である。
 「もう派遣では働きたくない。何とか正社員の仕事を見つけたい」。埼玉県北部のハローワークで、田村政弘さん(28、仮名)はうつむき加減にそう呟いた。田村さんは昨年4月より、製造派遣大手のアイラインから曙ブレーキ工業に派遣され、加工、検査業務に従事してきた。「1年以上勤務していただける方が望ましい」との勤務説明書を提示されたが、契約更新時の昨年11月、唐突に「契約の延長はなし」と通告された。
 田村さんがこの日、ハローワークを訪れたのは、職探しと同時に、厚生労働省が職と住居を失った非正社員への支援として打ち出した、雇用促進住宅への入居に関心を抱いたためだ。雇用促進住宅とは厚労省が所管する独立行政法人、雇用・能力開発機構が設置している賃貸住宅。現在、約14万戸あり、入居者は約35万人。その空き部屋をこれまでは必要だった連帯保証人、敷金ともに不要として貸し出すことになった。田村さんが住む埼玉のアイラインの寮は、ワンルームで寮費は月5・4万円弱。時給制のため、お盆で工場が止まり総支給額が15万円程度にとどまる8月などは、寮費負担が重く手取りは7万円台まで落ち込んでいた。これでは貯蓄などは到底望めない。職探しの前提として、低家賃で住める住居の確保は喫緊の課題だった。
 ところが制度開始直後の混乱状態だったためか、ハローワークの窓口担当者は、「(雇用促進住宅への入居は)ハードルが高いよ」「(同時に開始された)就職安定資金融資との併用は無理だよ」(正しくは併用可能)と否定的な見解に終始した。田村さんはいったん引き揚げたが、そうこうするうちに、交通の便のよいところから埋まってしまった。開始から1カ月で約2400件の入居が決定。開始半月の12月末の段階で、早くも首都圏には都心から電車で1時間半、さらにバスで数十分かかるような物件しか残っていなかった。
 また開始当初はすでに廃止が決定され、入居を停止していた住宅は施策の対象外とされていた。愛知県の雇用促進住宅を視察した、社民党の福島みずほ党首は、「むしろ廃止決定された住宅のほうが低家賃で、職を失った非正社員にとっては役に立つはず」と批判する。結局、12月末に従来の1・3万戸に加え、廃止決定された3万戸の活用が決められたが、やはり交通の便のよい住宅はすでにまったく残されていない。
 さらに雇用促進住宅は2007年の規制改革会議の答申を受け、11年度までに全国で約半数の廃止が閣議決定されている。そのため今回の施策でも、自動更新のない6カ月間の定期借家契約にとどまっている。
 厚労省の矢継ぎ早の施策に背中を押される格好で、国土交通省も12月末、解雇等による住居喪失者向けに、同省が管轄する都市再生機構(UR)賃貸住宅の空き家2・3万戸を活用する方針を打ち出した。ただ厚労省の就職安定資金貸付事業で賄えるような低廉な家賃で入居可能な住宅となると、当面は500戸程度。東京では東久留米市の9戸だけだ。
 だが実はURは、23区内に1000戸以上の空家を抱える大型団地を有している。足立区の花畑団地は、東京メトロ日比谷線も直通する東武伊勢崎線・竹ノ塚駅からバスで15分。総棟数80棟、住居総戸数2725戸と有数の大規模団地だ。1DK、2DKといった小世帯住宅が半分を占め、約4割が家賃5万円未満と手頃感もある。ただ、実際団地を歩くと、日が落ちても室内灯がともらない居宅が多い。1998年の建て替え計画で入居募集が停止されたまま、今に至るためだ。
 今回の施策の対象はあくまで入居募集中の団地に限ったため、比較的交通の便がよく、大量の空き家を有する花畑団地は対象外とされた。URの事情に詳しい、国民の住まいを守る全国連絡会の坂庭国晴代表幹事は、「花畑団地の空家は清掃すれば即入居可能。解体予定なので極めて低廉な家賃設定が可能となるはず」と、その開放を提言する。
 各自治体は公営住宅の活用も発表しているが、1月上旬の段階で東京都の実績はゼロ。というのも、都営住宅の新規建設ゼロが10年近く継続していることもあり、空室が乏しく、今回も供給決定戸数が市営の6戸にとどまるためだ。実際、昨年5月の都営住宅の入居応募は、公募956戸に対して、申込者数は約5・5万人。住まいのセーフティネットのはずが、高嶺の花になってしまっている。特別区の議長会からも都知事宛に都営住宅の建設促進要望書が出されたが、財政難を理由に腰は重い。

ハウジングプアが深刻化、家がなければ職探しも困難 《特集・雇用壊滅》(2) - 09/02/19 | 12:20
 これら公営住宅に熱い視線が向けられるのは、賃貸住宅業界が問題山積であることの裏返しでもある。
 12月5日、賃貸住宅から違法な手段で退去を迫られたとして、大阪府と兵庫県の入居者4人が家賃保証会社などを相手取り、慰謝料の支払いを求めて大阪簡裁に提訴した。
無規制状態で急拡大 家賃保証会社の無法横行
 「あのとき以来、自分の外出中、家族の身の安全がつねに心配となり、階段を上がってくる足音が聞こえただけで、警戒心を抱くようになった」。原告の一人の川崎肇さん(仮名、22)は憤る。派遣社員の川崎さんは18歳の内縁の妻と生後8カ月の長男の3人で暮らしていたが、不安定な仕事で収入が途絶え、家賃の支払いが滞ってしまった。訴状によると11月上旬、川崎さんの外出中に突然、家賃保証会社の日本賃貸保証の社員がやってきて、「今すぐ出て行ってください。今すぐ荷物をまとめてください」と妻に告げた。強くせかされたため、妻が持ち出せたのは粉ミルクの缶と哺乳瓶、乳児の着替えだけ。妻と乳児を締め出すと、同社社員は別の鍵を付け、立ち去ったという。
 同社のような賃貸住宅入居時に借主の連帯保証を請け負う家賃保証会社で、現在トラブルが多発している。同業界には監督官庁がなく、宅地建物取引業法など業法も及ばず、業者数すら明らかではない。彼らは入居者が家賃を滞納すると、家主に立て替え払いをする仕組みなので、入居者からの家賃回収が損益に直結する。つまりは行き過ぎた実力行使に至りやすい構図となる(下図参照)。
 実際原告の中には、賃料の未払いなどなかったにもかかわらず、家屋に立ち入るなどされ、即刻退去することを強要されたケースすらある(裁判で保証会社は「勘違いだった」と認めている)。同様に東京では、家賃支払いが一日でも遅れると無断で鍵を交換して居住者を締め出していた不動産会社スマイルサービスに対する集団提訴も行われている(週刊東洋経済08年10月25日号に詳述)。事態を重く見た国交省は2月にもガイドラインをまとめて業界に示す方針だ。
 また類似のケースとして、保証人紹介業がある。「国内保証援助会」を利用した埼玉県の男性(35)は「保証人を一人紹介するにつき5万円を要求されたが、実際は紹介されず、この件を受けるにはさらに30万円必要だと言われた」と語る。同社に関しては消費生活センターに600件の苦情が寄せられている。
 非正社員がひとたび仕事を失い、寮を追い出されたら、安定した住居を獲得することすら困難な状況だ。実際、年越し派遣村の実行委員会が厚労省に対してまずもって要求しているのが、総合相談窓口を有するシェルターの確保だ。


ハウジングプアが深刻化、家がなければ職探しも困難 《特集・雇用壊滅》(3) - 09/02/19 | 12:20
公的施設も玉石混淆 住宅政策の再構築が急務
 最後のセーフティネットである救護施設、更生施設など生活保護法を根拠とする保護施設はそれぞれ都内で10施設と少数で空きもない。他都市も同様で、名古屋市の更生施設笹島寮の自立支援部門には「派遣切りで住まいを失った人が3割を占める」(佐原正人寮長)に至り、満員だ。
 他方で目下急拡大してきたのが、無料低額宿泊所とも呼ばれる「第2種宿泊所」だ。保護施設と比較して法的規制が少なく、設置運営基準も緩い。99年にNPO法が成立すると、NPOによる宿泊所が一気に広まった。都の施設数は97年ごろまでは20カ所程度だったが、08年には160カ所を超えている。措置費で運営される保護施設と異なり、第2種宿泊所は利用料を財源としている。「利用料」の出元は生活保護費の住宅扶助だ。福祉事務所長から宿泊所に直接支払われることも認められ取りはぐれもないため、事業参入は後を絶たない。宿泊所の実情に詳しい、東洋英和女学院大学の北川由紀彦講師は、「宿泊所の職員が他地域の炊き出しに出かけて勧誘している。結果的に生活保護が取れなかったら入所させないNPOもある」と語る。
 あるNPOによる宿泊所は住居費の月額3・9万円のほか、食費は日額1650円、水道光熱費も日額400円を徴収している。これでは生活保護費は手元にはほとんど残らなず、就職活動等にも支障が生じる。この施設も含めNPO運営の場合、ほとんどが相部屋で、狭い居室に4人も押し込まれる例もある。1人当たりの生活保護費の支給額は変わらないため高採算だ。こうした実態に、第2種宿泊所は自立支援や生活サポート機能が十分備わっていないとの認識を東京都は示している。
 シングルマザーや障害者も安定した住まいの確保に苦労している。
 「『子連れだと2LDK以上を借りてもらわないと』『保証人は40歳過ぎの男性で』などと言われ、アパートを見つけるのには本当に苦労した」。シングルマザーで小4と小2の娘を育てる二宮聡子さん(仮名、35)は振り返る。二宮さんは夫の暴力が理由で離婚。上京して何とかアパートを見つけたものの、慣れない仕事で心を病み生活保護を申請した。申請こそ通ったが、ケースワーカーに母子生活支援施設への転居を要請された。部屋は8畳間にトイレが付くが風呂はない。親子3人で銭湯に通うが、「施設の門限に間に合わず締め出され『決まりは守ってもらわないと』と職員から叱責されてから、ようやく入れてもらうこともたびたびだった」。今は体調も戻り再度アパートに移り住むことができたが、「牢屋みたいな鉄格子の門を思い出すと、やはり施設は住まいではなかった。戻りたくない」と語る。
 脳性マヒによる両上肢機能障害で車椅子生活の寺岡俊二さん(仮名、36)が9年前、一人暮らしのアパートを借りるには難儀を極めた。「本人名義でないと補助金が出ないといくら説明しても、親名義でないと貸さないといわれたりした」。ようやく見つけたものの、重量の問題で愛用してきた電動車いすが室内で使えなくなった。それまでは一人で自炊もこなしていたが、これが使えなくなったことで、生活の多くをホームヘルパーに委ねざるをえなくなった。目下、大家からは風呂釜を新しくすることで家賃を上げたいと打診されている。「生活保護の住宅扶助ではこれ以上は無理」と表情を曇らせる。
 さらに難しいのが精神障害者の住まいの確保だ。
 「精神病院が収容主義だったため、地域の受け皿づくりが進まないままで来てしまった」。ソーシャルワーカーとして40年近く精神科医療の現場に携わってきた、精神障害者生活訓練施設「ハートパル花畑」の小見山政男施設長は語る。「長期入院で疎遠となった家族の協力は望めないことが多く、居住サポートなど公的施策も実施する自治体は少数だ。施設側がトラブルに24時間体制で対応するぐらいの覚悟がないと地域の納得は得られない」。
 ハウジングプアに関する多くの訴訟にかかわる戸舘圭之弁護士は、「雇用の保障も重要な課題だが、まず安心して住める住居があってこそ、就労して自立することが可能」と語る。この数年間で住宅政策からの公の撤退が著しく進んだが、現状は明らかに「市場の失敗」が進んでいる。住宅に関しても、より厚めにセーフティネットを敷くことを議論する時期にある。
(週刊東洋経済)

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2009-03-15(Sun)

「失職→即ハウジングプア」防げ 全国ネット発足

「住まいの貧困に取り組むネットワーク」(全国組織) 3月14日誕生

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
「公共住宅を増やしてこなかったことが、ハウジングプア(住まいの貧困)の問題につながった」
「住宅は社会的セーフティーネットの一つ。公共的な住宅の数を現状より増やすよう国に政策の転換を迫りたい」と

「全国追い出し屋対策会議」 
家賃滞納を理由に強制的に住居から追い出す行為を取り締まる法律が整備されていない

日産ディーゼルユニオン書記長
「派遣だから家を追い出されても仕方ない、というのは間違いだ」

新たな運動が立ち上がった。
「失職→即ハウジングプア」に対する闘いを広げよう。



レイバーネット日本
詳細報告 : なくそうハウジングプア!3・14集会 (追記に記載)
http://www.labornetjp.org/news/2009/0314hokoku/
行政の差別的住宅政策を許すな
現場の訴えに連帯して闘う決意


朝日新聞 2009年3月15日1時56分
ハウジングプア、声上げよう 支援ネット結成
 「派遣切り」で住まいを失った労働者らを支援する「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の設立集会が14日、東京都内で開かれた。参加した市民団体などのメンバーは公共住宅の増築など、住まいのセーフティーネットの充実を求めることを確認。集会後に新宿区内をデモ行進した。
 パネルディスカッションでNPO法人自立生活サポートセンター・もやいの稲葉剛代表理事は「公共住宅を増やしてこなかったことが、ハウジングプア(住まいの貧困)の問題につながった」と指摘した。
 「全国追い出し屋対策会議」の徳武聡子さんは、家賃滞納を理由に強制的に住居から追い出す行為を取り締まる法律が整備されていない現状を説明。低所得者層の居住権を守るよう主張した。
 集会に参加した休職中の男性(32)は、日雇い仕事をしていた時に家賃の支払いが遅れ、強制的に追い出された経験を持つ。「最初は個人で闘ったが、こういう集まりができるのは心強い」
 労働組合の男性(57)は、住む場所に困る人のために働きたいと参加した。「これまで組合は住宅の問題に取り組んでこなかった。だが、失職は住居を失うことになる。組合だけでできる問題ではないので、ネットワークを広げて取り組みたい」と話した。(由利英明)

2009年3月15日(日)「しんぶん赤旗」
住まいは基本的人権 ハウジングプアなくせ 全国ネット発足
 「安心できる住まいを」を合言葉に「住まいの貧困に取り組むネットワーク」(全国組織)が十四日、誕生しました。設立集会は、労組や借地借家人組織など十八団体と弁護士など個人三十六人が賛同し、東京都新宿区で開催されました。
 派遣労働者が失職と同時に住居を失うケースは後を絶たず、敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」で、一カ月家賃を滞納しただけで借り主を閉め出す「追い出し屋」が横行するなど、不況の中、住まいをめぐる状況は深刻化しています。
 こうしたなか「住まいは基本的人権、ハウジングプア(住まいの貧困)をなくそう」との要求が高まっていました。
 集会では、日雇い仕事で家賃が払えずアパートを追い出された男性が証言。「鍵を交換され、部屋から閉め出された。結局、家財道具だけでなく服用薬や通帳、実印まですべて持ち去られた」と実態を告発しました。
 討論では、「仕事がなくなっても住まいはある。これが権利として保障される社会が必要だ」、「サラ金が金貸し業でもうけることができなくなり、子会社をつくり追い出し屋を始めている。しかし、これを規制する法律がないのは問題だ」といった発言がありました。
 集会後、参加者はデモ行進し、「公共住宅を増やせ」、「不動産屋は失業者、外国人、高齢者、障害者、シングルマザーへの入居差別をやめろ」などと訴えました。

2009/03/14 17:36 【共同通信】
「住まいの貧困」解消を NPOなどがネットワーク
 景気悪化が原因で住む家に困っている人を救おうと、生活困窮者支援の特定非営利活動法人(NPO法人)や市民団体、住宅問題に取り組む学者らが「住まいの貧困(ハウジングプア)に取り組むネットワーク」をつくり、14日、東京都内で設立集会を開いた。今後相談会を開催したり、国への要望活動に取り組んだりするとしている。
 集会では、派遣労働者として日産ディーゼル工業(埼玉県上尾市)で働いていた藤堂悟さん(24)が「派遣だから家を追い出されても仕方ない、というのは間違いだ」と訴えた。
 NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」(東京)の稲葉剛代表理事(39)は「住宅は社会的セーフティーネットの一つ。公共的な住宅の数を現状より増やすよう国に政策の転換を迫りたい」と話していた。

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2009-03-14(Sat)

第1回ダム事業プロセス検証タスクフォース議事録

資料


第1回ダム事業プロセス検証タスクフォース(平成21年1月22日開催)の議事録の掲載について
2009/02/20 (金) 15:00 治水課
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/y2009e9b1291bba84e157cc1eabc79ed2e668bb6eff108.html
第1回ダム事業プロセス検証タスクフォース(平成21年1月22日開催)の議事録を掲載致します。

【添付ファイル】
第1回議事録(pdf,309.0KB)
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/resource/y2009e9b1291bba84e157cc1eabc79ed2e668bb6eff108/%E7%AC%AC%EF%BC%91%E5%9B%9E%E8%AD%B0%E4%BA%8B%E9%8C%B2.pdf

配付資料(追加)
補足説明資料(pdf,140.0KB)
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/resource/y2009eecfdaa0b25e06b37af94d428bae5ae8ff3c2183c/%E8%A3%9C%E8%B6%B3%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
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2009-03-13(Fri)

景気対策にうってつけの工事とは

追加経済対策の焦点になる公共事業

公共事業と言ってもいろいろある。
景気・経済対策に本当に役立つものとは何か。
参考にしたい意見だ。




ケンプラッツ 土木 2009/03/11
景気対策にうってつけの工事とは
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20090310/531038/

 世界的な金融危機を受けて、オバマ米大統領が世界最大規模となる総額7870億ドル(約77兆円)の景気対策法案に署名したのは2月17日のこと。日本でも「3段ロケット」と呼ぶ景気対策を打ち出した。景気対策として効果的な公共事業とは何か、三菱総合研究所の白石浩介チーフエコノミストに聞いた。

───米国は景気対策法に基づいて今後、数年間にわたって総額1500億ドル(約15兆円)をインフラ整備に充てます。日本でも「3段ロケット」と呼ばれる2008年度第一次、第二次補正予算と2009年度当初予算によって、公共事業に国費ベースで総額7兆7635億円を投じます。公共投資が果たす役割は、米国と日本とで同じでしょうか。


 米国の公共投資は過去数十年間、過少だった可能性があります。国内総生産(GDP)に占める公的固定資本形成の比率を見ると、日本が5〜6%を維持してきたのに対し、米国は2%台と低水準だったからです。

 日本はバブル崩壊後の1990年代に公共事業費を増やしました。今回の景気対策で再び増やしても、手詰まり感はぬぐえません。景気対策としての効果は、米国よりも小さいでしょう。

 日本にも、まだ造らなければならない道路などはあると思います。しかし、必要か否かと効果の大小は別の議論です。


「ケインズ政策」は通用するのか
───景気が冷え込んで需要が不足しているときに、公共投資で景気回復を目指す「ケインズ政策」は、いまの日本に通用するのでしょうか。

 ケインズ政策は一定の効果があります。例えば、減税するよりも公共事業を実施した方が景気対策になる。

 日本の内閣府の試算によると、公的固定資本形成をGDPの1%だけ継続的に増やした場合、GDPを1年目に1.18%、2年目に1.71%、3年目に2.05%それぞれ押し上げます。
(注)内閣府経済社会総合研究所の2008年版短期日本経済マクロ計量モデルをもとに作成。2003年から2005年までの実績値を標準ケースとして試算した 


一方、個人所得税をGDPの1%だけ減税した場合、GDPを押し上げる効果は0.25〜1.08%にとどまる。減税分が貯蓄に回るなどして、お金が次の消費につながりにくいからです。

 ただし、ケインズが活躍した1930年代ごろと現在とでは、状況が異なります。

 いまは経済が国際化しています。例えば、日本国内の需要を喚起しようとして公共投資を増やしても、建設会社などから落ちたお金が、より安い商品を求めて海外に逃げていく。長期的にみると、公共投資が財政赤字などの負の影響をもたらす可能性も十分に考えられます。

 米国では1970年代のオイルショック以降、ケインズ政策に否定的な見方が広がりました。公共投資を拡大すると金利が上がってしまう。それなら減税しようと。1980年代以降は、財政再建で財政赤字ゼロを目指したり、戦争による支出が増大したりして、公共事業に手が回らなかったという事情もあります。

 しかし、ミネソタ州ミネアポリス市で橋が崩落する事故や、ルイジアナ州ニューオーリンズ市付近に上陸したハリケーンによって市街地が水没して、1300人以上が死亡する災害が起きました。劣化したインフラを更新したり、維持管理費を確保したりするために、公共投資を増やさなければならないというニーズが高まっています。

(写真)1937年に開通した米国サンフランシスコ市にあるゴールデンゲートブリッジ。建設費は償還したが、2008年9月に自動車の通行料金を5ドルから6ドルに引き上げた。維持管理費を賄うためだ (日経コンストラクション)

人手のかかる工事を
───まずは雇用を確保するために、公共事業を実施しようという考え方もあります。

 日本の地方経済が疲弊しているのは事実です。公共事業で雇用を確保しようという政策は、納得のいく説明になっていると思います。

 大型機械を使って一気に造る工事よりも、多くの作業員を投入しなければできない手間のかかる補修工事や補強工事などの方が向いている。つまり、人件費の比率が高い工事です。

 新工法を使わなければ施工できない難しい工事も適しています。新工法の技術開発に多くの人が携わるからです。さらに、技術開発の効果が一つの工事だけで完結するのではなく、後に続くほかの工事にも波及することが期待できます。

 ただし、公共事業による景気対策は、1〜2年に限った緊急避難的な措置と考えるべきでしょう。国民の関心は、公共事業よりも社会保障などのセーフティーネットの構築に移っているからです。地方の主要産業も、建設分野から医療・介護分野などに変わりつつあります。

 かつては道路を造り、工業団地に企業を誘致することが地方の成功モデルでした。しかし、いまの成長産業である医療や介護、環境といった事業を手がける会社は、工業団地に張り付かない。成長産業の育成とインフラ整備をどのように関連付けると効果的なのか、戦略を立てる必要があります。

 景気対策や雇用確保のために、公共事業を総花的にやればよいというわけではありません。長期的な成長に役立つインフラを整備しなければなりません。公共事業の実施には、貴重な財源を使うわけですから。
瀬川 滋[ケンプラッツ]
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2009-03-12(Thu)

太陽光発電設備の設置など省エネ住宅リフォームの促進を位置づけ

住生活基本計画(全国計画)を変更 国交省

グローバル不況のもとで、経済危機打開対策が求めれれている。
その一つが、省エネなど環境分野の産業への支援強化だ。

太陽光発電設備を住宅に取り付け、省エネを促進する事業は有効だとして、政府も本腰を入れ始めた。
その時問題になるのが、やりたくても資金がないとうこと。
設置費への補助や改築工事(既存住宅のリフォーム)への支援はほとんどないと言ってもいいくらいだ。
そんな実情を踏まえ、住宅の基本計画である全国計画を改定するという。
この改定によって、たぶん、各都道府県の計画もリフォーム促進が進むだろう。
地方自治体が「リフォーム補助」を出せば、国の地域住宅交付金が使える。

補助をつけるかどうか、その率はどうするかなど、地方の裁量に任せられる。
実効性が上がるものであれば、リフォームが促進されるだろう。

そうなれば、地域の工務店の仕事おこしにもなる。
大工や左官など職人・労働者の雇用も増える。
住宅リフォームなど小さな工事はマンパワーで、大型工事よりも人手がいる。
リフォーム資材をはじめ、家具や備品も需要が伸びるかも知れない。
仕事で得た収入は、地元の商店街などで消費され、お金が循環するようになる。
そうすれば地域の景気は良くなる。

経済危機克服、景気回復への方策は、
地域循環型、小規模りホームなど維持補修などの事業こそ効果的だ。




住生活基本計画(全国計画)の変更について
平成21年3月12日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000015.html

1.概要
  住生活基本計画(全国計画)は、住生活基本法(平成18年法律第61号)第15条第1項に規定されており、平成18年度から平成27年度までの10年間における国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画です。
  本計画に基づき住宅政策を展開してきたところですが、昨年の「生活対策」(平成20年10月30日新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)等の景気対策を受けて住宅投資の活性化を図るに当たり緊急的かつ重点的に実施すべき対策として、(1)長期優良住宅の普及の促進及び(2)リフォームの促進を追記する等の変更を行います。

2.閣議決定予定日
  平成21年3月13日(金)

添付資料
変更の概要(PDF ファイル123KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000035211.pdf

住生活基本計画(全国計画)の変更について(PDF ファイル113KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000035212.pdf

新旧対照表(PDF ファイル170KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000035213.pdf

社会資本整備審議会意見聴取及び意見(PDF ファイル95KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000035214.pdf

【参考資料】住生活基本計画(全国計画)(平成18年9月19日閣議決定)(PDF ファイル63KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000035215.pdf

お問い合わせ先
国土交通省住宅局住宅政策課 
TEL:(03)5253-8111 (内線39-214)

(抜粋)
別紙6  
社会経済情勢の急激な変化に対応した計画の緊急的かつ重点的な推進に係る対策

1  長期優良住宅の普及の促進
 住宅の利活用期間の延伸に資するとともに、廃棄物等による環境への負荷の低減及び国民の住宅への負担の軽減を図るため、長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成20年法律第87号)に規定する認定長期優良住宅の普及を促進する。

2  リフォームの促進
 住宅を長く大切に使う社会を実現するため、以下の取組を促進し、リフォーム実施戸数の住宅ストック戸数に対する割合の引上げを図る。
(1) エネルギーの使用の効率性の向上への対応
 地球温暖化問題等に対応して、住宅の省エネルギー性能を向上させるため、一定の省エネルギー対策等を講じた住宅ストックの比率の引上げを図る。
 その際には、エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)第74条第2項の指針に掲げる基準を満たすとともに、天井、外壁及び床についても同指針に掲げる基準を満たす改修を促進する。
 また、住宅における自然エネルギーの利用を推進するため、住宅における省エネルギー改修工事と一体として行われる太陽光発電設備の設置を促進する。

(2) 高齢者等への配慮
 急速な高齢化に対応するため、高齢者等が安全・安心で快適な住生活を営むことができるよう、高齢者の居住する住宅のバリアフリー化率の引上げを図る。
 その際には、各住戸において必要とされるバリアフリー化の内容が、そこに居住する高齢者等の状況によって異なるものである
ことを踏まえ、一定の工事内容のうち居住する高齢者等の状況に応じて必要な工事を総合的に実施し、十分な効果を発揮できるものとする。
(3) 基礎的な安全性の確保
 大規模な地震に備え、国民の安全・安心を実現するため、新耐震基準(昭和56年基準)が求める耐震性を有する住宅ストックの比率の引上げを図る。

注1  2(1)における一定の省エネルギー対策とは、全部又は一部の窓に二重サッシ又は複層ガラスを使用することとする。
  2 2(2)における一定の工事内容とは、①廊下の拡幅、②階段の勾配の緩和、③浴室改良、④便所改良、⑤手すりの設置、⑥屋内の段差の解消、⑦出入り口の戸の改良及び⑧床表面の滑り止め化とする。
3 1及び2において、税制上の支援措置を講じる際には、標準的な単価の設定によって必要な手続の簡素化・合理化を行うなど、国民にとって分かりやすく使い勝手の良いものとする。

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2009-03-12(Thu)

信濃川不正取水問題 JR東日本会長・社長ら17人処分

水利権取り消し、放水 「もとの流れ戻った」
首都圏運行『黄信号』  電力3割減 発電所停止で 



川の水を違法に取水していたJR東日本。
水利権が取り消され、放水で、元の流れが戻ったという。

ひどい話だ。「水泥棒」なのだから、窃盗罪を適用すべきではないか。

流域住民が損害賠償を求めるのは当然。
国としても賠償を求めるべきではないか。

「運賃値上げ」云々は、話にもならない。
泥棒が罰則を受けて損したから、利用者に負担してもらう・・・
こんなのありえないからだ。

国交省は河川局と鉄道局両方がきちんと監視していたのか、が問われる。
「想定外」で済ますわけにはいかない。

発電所の停止で、電力3割減になり、首都圏運行に『黄信号』 と危惧されている。
不足は東京電力から買い取るらしく、コストがかさむという。 
ならば、なおさら、罪は重い。それを自覚してもらいたい。
JR東も、監督官庁も。




東京新聞 2009年3月12日 朝刊
JR東、違法取水 首都圏運行『黄信号』 発電所停止 電力3割減
 JR東日本は十一日、自営の信濃川発電所(水力、新潟県小千谷市、十日町市)で違法に取水していた問題で、清野智社長らの処分を発表した。水利権を取り消されて運転を停止した同発電所は、JR東の首都圏での使用電力量の32%をまかない、山手線などの電車の主要な動力源だ。JR東は、東京電力からの電力購入量などを増やして対処しているが、運転停止が長引けば、運行頻度を減らす「間引き運転」を懸念する声も出ている。 (比護正史)
 国土交通省によると、JR東は同発電所で流域の信濃川から七年間、取水データを計測するプログラムを改ざんして延べ約三億一千万立方メートルを違法に取水。二〇〇七年の調査で「取水は適正」と虚偽報告をしていた。国交省は十日、河川法違反に当たるとして発電所の水利権を取り消したため、同社は十日、運転を停止した。
 JR東の首都圏の使用電力量は、同社所有の水力、火力の二つの発電所からの電力で七割以上をまかない、残りを東京電力から購入している。火力発電のように原油価格の影響を受けず、コストが一番安い水力発電所の全面停止は、電車の「動力費」の大幅増となり、大きな痛手だ。
 JR東は、信濃川発電所に頼っていた電力を、自営の川崎発電所(火力)の稼働率を上げることと、東京電力からの購入量を増やして対処する。だが、三基ある発電機は、それぞれ年間二カ月程度、点検のため停止しなくてはならず、JR東の関係者は「もし点検中にほかの二基が事故で止まったら…」と不安は尽きない。
 最大の問題は、電力需要がピークとなる夏場の電力確保だ。運転再開には最低一年を要するともみられ、今夏の電力供給は絶望的。信濃川発電所は、〇四年十月の中越地震で三カ月間、運転を全面停止したことがあるが、関係者は「当時は冬季で電力消費量が少なく問題はなかった。夏場のストップは未経験なのでどうなるか分からない」と懸念する。




2009/03/11 18:43 【共同通信】
JR東日本社長ら17人処分 信濃川の違法取水問題
 JR東日本は11日、自営の信濃川発電所(水力、新潟県小千谷市、十日町市)で発覚した違法取水問題で、清野智社長を役員報酬の月額50%減額、3カ月とするなど17人の処分を発表した。
 清野社長ら6人が役員報酬の減額、プログラムの改ざんや虚偽報告に関与した当時の発電所所長ら社員11人を減給や戒告などの処分とした。
 国土交通省によると、JRは同発電所で流域の信濃川から7年間、取水データを計測するプログラムを改ざんして延べ約3億1000万立方メートルを違法に取水。2007年の調査で「取水は適正」と虚偽報告をしていた。国交省は10日、河川法違反に当たるとして発電所の水利権を取り消した。
 同社は10日、発電所の取水と操業を停止。再び許可を得るまで操業ができない。
 JRによると、信濃川発電所は同社の使用電力量の約23%を占め、山手線など首都圏の電車向けに使用されている。

毎日新聞 2009年3月11日 地方版
JR東日本の信濃川不正取水:水利権取り消し、放水 「もとの流れ戻った」 /新潟
 ◇地元喜びも、再申請に不安
 「ようやく川らしくなった」。JR東日本信濃川発電所の不正取水問題で10日、同社の水利権が取り消された。同発電所の宮中ダムからは放流が始まり、地元住民は「もとの流れが戻った」と喜びの声を上げた一方、国土交通省北陸地方整備局が不正を見落としてきたことなど、当局によるチェックの甘さも明らかになった。同社は水利権を再申請するものとみられ、住民の不安は消えていない。【神田順二、渡辺暢】
 ◇国のチェック、甘さも明らかに
 「水を流しています。危ないので川から逃げてください」。同整備局でJR東の清野智社長に命令書が手渡された直後の10日午後1時過ぎ、十日町市の宮中取水ダム周辺には、放流を知らせる放送が響き渡った。
 全11基ある放流ゲートのうち、最初に動き始めたのは、維持流量を確保するために常時放流されている7番ゲート。次いで6、8番ゲートがゆっくり引き上げられると、川の水量が徐々に増え始めた。
 同5時ごろ、ダムに流入する毎秒200トンの水流が信濃川に放流されると、石ころが見えていた川底は、急流に沈んだ。
 市民グループ「信濃川をよみがえらせる会」の長谷川克一会長代行は「目指していたのは(JR東との)話し合いでの解決だった。全面放流は喜ばしい半面、残念でもある」と複雑な胸中を明かした。
 一方、同整備局が問題視したのは、不正プログラムや07年の調査での虚偽報告。しかし、当局による検査では長期間、不正が見落とされてきた。問題が発覚したのは、08年の十日町市による情報公開請求がきっかけだった。
 同整備局の担当者は「毎年検査は行ってきたが、今回のように虚偽の資料を作られるとなかなか見抜けない。私どものミス」とチェックの甘さを認めた。今後は、抜き打ち検査や流量観測を行うなど、検査体制を強化するという。

毎日新聞 2009年3月10日 19時46分
JR東:信濃川発電所ストップ 水利権取り消しで
 JR東日本の信濃川発電所(新潟県十日町市など)が国の許可を上回る水量を不正に取水していた問題で、国土交通省北陸地方整備局は10日、同社の水利権を取り消した。これを受け、JR東は発電所の一部である宮中ダムの水門を開いて放流を始め、発電を止めた。地元の漁業関係者などは、ダム設置以来、サケの遡上(そじょう)や産卵が激減したことを問題視し、損害賠償などを求める動きが出ている。
 水利権取り消しは07年の東京電力塩原発電所(栃木県)に次いで2例目。
 信濃川発電所は、首都圏で運行する電車に電力を供給するなど、同社の使用電力の23%にあたる年14億キロワット時の発電を担っていた。今後、自前の火力発電所の発電量や東電からの購入量を増やして対応する予定。
 この日、同整備局で会見した清野智社長は陳謝したうえで「運賃に跳ね返ることはない」と説明。将来的には、水利権の再申請をしたうえで発電再開を目指すとみられる。
 同整備局の調べでは、同社は02~08年に約3億1000万トンを不正に取水した。さらに、発電量を上げるなどのための違法建築物が250件見つかっている。
 一方、「ダムのため下流の水が減り、サケが遡上できなくなった」などと反発してきた地元・十日町市の農協、漁協、商工会議所などは今月8日、集会を開き、JR東に対し、謝罪と損害賠償を求める抗議文を採択、12日に提出する。【渡辺暢、神田順二】


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2009-03-11(Wed)

<オウンゴール、居座り。相似形の自民、民主トップに国民唖然(あぜん)>

これほど不幸な政治状況はない/民主党も自民党も政治のリセットを

「思わずうなずいてしまう」という東京新聞コラムに同感。
まさに、「これほど不幸な政治状況はない」

日経も「民主党も自民党も政治のリセットを」
国民世論も同感だろう。




東京新聞 2009年3月10日
【コラム】筆洗
  「寸鉄人を刺す」という言葉がある。『日本国語大辞典』には<短いけれども奇抜で適切なことばによって、相手の急所をつくたとえ>とある。毎日、考えているのだが、これがなかなか難しい
▼昨日の朝刊の発言欄『目覚まし時計』から一つ借用しよう。
<オウンゴール、居座り。相似形の自民、民主トップに国民唖然(あぜん)>。
神奈川県横須賀市の青木恭子さんの作品である。今の政治と国民の関係を端的に表しており、思わずうなずいてしまう
▼同じ朝刊の共同通信社による世論調査の結果を読むと、民主党の小沢一郎代表の進退では「辞任を」が六割を超えた。公設秘書の逮捕を受けた説明を納得できていないのである
▼だからといって、麻生太郎首相の評価の見直しにはつながっていない。内閣支持率は微増したが、一割台にとどまっており、不支持率は七割台を維持している。総額二兆円の定額給付金の支給が決まった効果は、ないに等しい
▼これほど不幸な政治状況はない。歴史的な危機の中で、政権の座を争う二大政党のリーダーがそろって国民から退場を迫られている。二人のうち、どちらが首相にふさわしいかと聞かれて「分からない・無回答」が四割に達したのは当然、いや、まだ少ない方だろう
▼衆院選挙は、次の首相を国民が選択するための絶好の機会。唖然としたままで、その日を迎えたくない。

日経新聞 2009年3月10日
社説1 民主党も自民党も政治のリセットを(3/10)
 政治の現状にあきれ果てた。これが大多数の国民の実感だろう。経済危機が一段と深刻になっているのに、政治は機能不全に陥っている。日経平均株価は終値ベースでバブル経済崩壊後の最安値を更新した。
 西松建設の巨額献金事件で公設第1秘書が逮捕された民主党の小沢一郎代表への批判が強まっている。先週末に共同通信など各報道機関が実施した世論調査では、辞任を求める声が5―6割に達した。8割前後の人が小沢氏の説明は「納得できない」と回答している。
 麻生政権への視線も厳しい。大きな「敵失」にもかかわらず、内閣支持率は10%台に低迷。世論から不信任を突きつけられたままだ。
 私たちは来年度予算成立後の衆院解散を求めてきた。世論調査の結果は、国民が自民、民主両軍にピッチャー(党首)を代えて決戦に挑む覚悟を求めているようにもみえる。民主党も自民党も危機管理能力を問われており、政治のリセットに向け早急に態勢を整える必要がある。
 民主党内では小沢氏の代表辞任は避けられないとの見方が広がっている。小沢氏は身の潔白を強調しているものの「個々の一つ一つの献金についてはわからない」と述べるなど、説明にはあいまいな点が多い。
 小沢氏は秘書が起訴されることはないとの見通しを示しているが、この前提が崩れれば政治的、道義的な責任は免れない。次期衆院選への影響も含め、民主党は小沢氏の進退問題で賢明な判断が求められる。
 東京地検特捜部は西松建設から二階俊博経済産業相の関連政治団体に提供された献金などについても立件の可否を検討する方針で、事件は自民党に拡大する様相を呈してきた。
 看過できないのは漆間巌官房副長官が「自民党に及ぶことは絶対ない」と発言した一件だ。実名報道をしないオフレコ懇談での発言だった。漆間氏は9日の参院予算委員会で真意が伝わらなかったと釈明した。
 事務の官房副長官は官僚のトップだ。この発言は、警察出身で政権の中枢にいる漆間氏が、捜査の行方に影響力を行使しているかのような印象を与えた。捜査情報を漏らしたとすれば言語道断であり、一般論として見通しを語ったのだとしても、極めて軽率な発言である。
 麻生太郎首相は午前の予算委で「記者懇での内容が誤って伝えられた」と述べたが、その後修正し、記者団には「(午前の答弁を)撤回した」と説明した。漆間氏を副長官に起用した首相の任命責任は重く、中川昭一前財務相の辞任に続く失態だ。
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2009-03-10(Tue)

高速道路12区間、いつのまにか 着工を了承 国交省の審議会

突然、議題追加 その日のうちに決定 何のための審議会か

新たに設置された幹線道路部会。
議題が突然追加された。
何の事かなと思っていたら、12区間の新規着工を了承したという。

部会の設置は、高速道路を道路局長の了承だけで、着工等をすすめるやり方は問題だ、
国の審議会にかけるなど手続きを見直すとして、この間、議論されてきたもの。

審議会にかけるとは、わずか2時間の会議で、追認するだけなのか。
議事録が出ていないからわからないが、まともに議論したのだろうか。
これでは、何らこれまでと変わらない。

しかも、6日の会議案内には
「高規格幹線道路等の手続きについて」だけだったのに、
9日、会議当日に議題「高規格幹線道路等の計画の策定について」が追加された。
これが何を意味するかもよくわからないが、
報道によると、着工を了承したということのようだ。

12の区間が何の検討もないまま着工されるという。
例えば、京奈和自動車道 大和北道路は、地元の反対運動もあり、国会でも批判があった。
これまでは、奈良県の都市計画決定だけで、あとは道路局長が了承するだけだったが、
社会資本審議会にかけることになったことから、審議会での議論の場があるものと思っていた。
それが、第1回部会でいきなり了承された。

おかしい。




日経新聞 2009年3月10日
自動車専用道路など12区間、着工を了承 国交省の審議会
 社会資本整備審議会(国土交通相の諮問機関)の道路分科会幹線道路部会は9日、中部縦貫自動車道の大野油坂道路(福井県大野市、延長14キロメートル)など12区間の新規着工を了承した。交通量の低迷が予測され、着工を見合わせていたが、「移動時間の短縮など建設効果が費用を上回る」という条件を満たすと認めた。(02:38)


社会資本整備審議会道路分科会 第1回幹線道路部会の開催について  平成21年3月6日
1.会議日時 : 平成21年3月9日(月) 18:30~20:30
---
3.議   題 : 高規格幹線道路等の手続きについて 等

社会資本整備審議会道路分科会 第1回幹線道路部会の開催について(議題追加) 平成21年3月9日
※3月6日(金)に記者発表致しました上記部会について、議題が追加となりましたので
  再度記者発表致します。
1.会議日時 : 平成21年3月9日(月) 18:30~20:30
---
3.議   題 : 高規格幹線道路等の手続きについて
           高規格幹線道路等の計画の策定について  等

計画の内容
① 八戸・久慈自動車道 久慈北道路(一般国道45号)
② 三陸縦貫自動車道 南三陸道路(一般国道45号)
③ 京奈和自動車道 大和北道路(一般国道24号)
④ 中部縦貫自動車道大野油坂道路(大野東・和泉区間)  (一般国道158号)
⑤ 一般国道45号 上北天間林道路
⑥ 一般国道115号 霊山道路
⑦ 一般国道9号 鳥取西道路(Ⅲ期)
⑧ 一般国道9号 出雲・湖陵道路
⑨ 一般国道9号 静間・仁摩道路
⑩ 一般国道491号 長門・俵山道路
⑪ 一般国道218号 高千穂日之影道路
⑫ 新潟山形南部連絡道路 梨郷道路(一般国道113号)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
社会資本整備審議会道路分科会 幹線道路部会
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/index.html

第1回幹線道路部会(2009/03/09) 開催案内 審議内容
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s203_kannsen01.html

概要設置年月日: 2009/03/09
根拠法令: 社会資本整備審議会令第7条
所掌事務: 道路法の規定により審議会の権限に属させられた事項の調査審議
庶務担当部署(内線): 道路局総務課(37116)
委員(2009/03/09 時点)  
部会長  家田 仁      東京大学大学院教授
  委 員   青山 佾   明治大学公共政策大学院教授   
委 員   岸井 隆幸   日本大学理工学部教授
  委 員   大串 葉子   新潟大学経済学部准教授
  委 員   崎田 裕子   ジャーナリスト・環境カウンセラー
  委 員   竹内 健蔵   東京女子大学文理学部教授
  委 員   田村 亨     室蘭工業大学工学部教授
  委 員   森野 美徳   都市ジャーナリスト
  委 員   屋井 鉄雄   東京工業大学大学院教授
  委 員   山内 弘隆   一橋大学教授



第1回幹線道路部会の開催
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1st.html日 時  : 平成21年3月9日(月)18:30~20:30
場 所  : 国土交通省11階特別会議室

次 第  :
1. 開会
2. 会長の選任について
3. 高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きの見直しについて
4. 高規格幹線道路等の計画の策定について
5. 閉会


(配布資料)
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1s.html

資料1  社会資本整備審議会道路分科会幹線道路部会 委員名簿(29KB) [上記記載]

資料2  高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きの見直しについて(84KB)
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1pdf/2.pdf

資料3  計画の内容(67KB)
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1pdf/3.pdf

資料4  説明資料 
1(4.8MB) http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1pdf/4a.pdf

2(3.5MB) http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1pdf/4b.pdf

参考資料1  部会の設置について(8KB)
 http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1pdf/s1.pdf

参考資料2  高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きのあり方 中間答申(89KB)
 http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen-bukai/1pdf/s2.pdf


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