2009-04-30(Thu)

高速道整備 いつか来た道   小泉路線、あっさり破棄

「国幹会議」の関連報道

朝日新聞の28日付、東京版には乗ってなかった記事。



朝日新聞 2009年4月28日
高速道整備 いつか来た道   小泉路線、あっさり破棄

 国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)が、新規の高速道路建設に10年ぶりに事実上のゴーサインを出した。小泉元首相が06年に表明した「整備計画9342?以外は白紙」という歯止めは、景気対策の名の下であっさり外された。(前地昌道、津阪直樹)
 整備計画になると、国土交通相の判断で着工に踏み切れる。27日に整備計画に格上げされたのは、東京外環道など4区間計71?。総事業費は1兆5千億円を超える。
 これまでの「整備計画9342?」は99年に決まった。小泉内閣の01年に始まった旧日本道路公団の民営化議論では、無駄な道路を造らないため、どこに基準を置くかで関係者が激突した。約5年間の議論の結果、既存の整備計画までは建設を認めるのが落としどころとなった。
 ところが、従来の姿勢を転換した27日の国幹会議はわずか2時間。あいさつを除けば、審議時間は1時間弱だった。中身も国交省の方針の追認にとどまった印象が強い。政府の経済危機対策にも道路整備が盛り込まれ、方針転換は既成事実化していた。個別区間も、必要性が十分に議論されたとは言い難い。
 外環道は、東京都の石原慎太郎知事が強く必要性を訴えてきた。慢性的な都心の渋滞解消にも効果があるとされ、国交省幹部は「必要性は誰も認める」と自信を見せる。
 だが、環境問題に配慮して大深度地下に建設するため、16?の区間に1・3兆円(1?約8千万円)もの建設費が必要になる。道路会社が採算がとれるラインとして負担するのは3割程度で、残りは税金になりそうだ。
 地方については「都会に巨費をつぎ込む以上、配慮は必要」という政治的な配慮が感じられる。2車線から4車線に拡張する6区間も盛り込まれた。道路の必要性を巡る議論は深まらないまま、高速道建設は「抑制」から「拡大」へとかじが切られた。

      区   間 距離 事業費
(キロ) (億円)
整備計画に格上げされた4区間

東京外郭環状道路(東京都)練馬―世田谷 16 1兆2820
  名古屋環状2号線(愛知県)名古屋西ー飛鳥 12    1350
東関東道水戸線(茨城県)潮来-鉾田 31 710
日本海沿岸東北道(山形県)酒田みなと―遊佐 12 310

2車線→4車線が決定した6区間

関越道上越線(長野県、新潟県)信濃町一上越JCT 38 510
東関東道館山線(千葉県)木更津JCT-富津竹岡 21 280
東海北陸道(岐阜県)白鳥ー飛騨清見 41 890
近畿道紀勢線(和歌山県)御坊-南紀田辺 27 750
四国横断道(徳島県、香川県)鳴門一高松市境 52 680
九州横断道長崎大分線(長崎県)長崎一長崎多良見 11 400


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2009-04-29(Wed)

補正予算:大丈夫か! 本当に景気回復の効果ある? 借金のツケは増税?

(各紙の主張)



朝日新聞 2009年4月28日(火)付
100兆円予算―こんなに借りて大丈夫か
 政府は総額15兆円余りの「経済危機対策」を盛り込んだ09年度補正予算案を、国会へ提出した。補正後の09年度予算の規模は102兆円を超え、初めて100兆円を突破する。
 世界的な危機で景気が急激に落ち込んでおり、財政出動はその衝撃を緩和するのが目的だ。だが、20兆~40兆円ともいわれる需要不足のすべてを政府が埋め続けることはできない。
 心配なのは、その財源の多くが借金でまかなわれることだ。今年度に発行する新規の国債は44兆円と過去最悪の規模になり、税収と肩を並べる。もはや、小泉政権での「30兆円枠」に収める目標どころではない。
 政府の借金は、いずれは国民がみずから負担していかなければならないものだ。だから、将来の国民が困らないように財政規律がある。その規律が大きく揺らぎ、財政運営はかなりの危険水域に入ってきたのではないか。
 それでも政財界には、危機の克服には「もっと巨額の財政出動が必要」という意見もある。国債の買い手の多くが国内の投資家であることから「家庭内で貸し借りしているようなもの。心配はいらない」との声もある。
 その種の楽観に楽観を重ねた期待や分析は危険だ。政府と自治体の債務残高は800兆円にのぼる。市場から財政運営が信用されなくなったり、景気が回復してきたりすれば長期金利は上昇する。もし債務の平均金利が1%上がれば、それだけで年間8兆円も国民負担が増えてしまう勘定だ。
 世界の各国も巨額の景気対策をしており、「みんなで渡れば怖くない」という空気もある。しかし、日本の債務残高の国内総生産(GDP)比は170%にも達しており、主要国で最悪だ。60~80%の米国やドイツ、フランス、英国などとは出発点が違う。
 まだ状態のよい欧州が財政悪化に警戒感を強めているのに比べて、日本の楽観ムードは際立っている。
 過剰に膨れあがった歳出額はいずれ減らさねばならず、そのときは景気にマイナスに働く。高齢社会で年金や医療、介護の需要は高まるのに、歳出削減で必要な予算を組めなくなるかもしれない。子や孫の世代が割を食わないよう、いまのうちから出口戦略を描いておかなければいけない。
 政府には、借金の元利払いを除く基礎的財政収支を2011年度に黒字化する財政再建目標がある。もはや実現は不可能として新目標を検討しているが、わかりやすく国際的な比較が可能なものにすべきだ。欧州連合(EU)が設けている「毎年度の赤字額のGDP比」のような数値目標である。
 与謝野財務相は景気対策に際して「賢い使い方」を強調した。それ以上に、「借り方」や「借金の返し方」への格段の配慮が必要ではないか。

毎日新聞 2009年4月28日 東京朝刊
社説:補正予算 国債増発の怖さ心せよ
 09年度の補正予算案が国会に提出された。麻生太郎首相は08年度の第1次、第2次補正予算、09年度当初予算に続く第4段ロケットと位置付けている。
 総額13兆9200億円と異例の大盤振る舞いで、多種多様な項目が盛り込まれている。金融対策や雇用対策などや景気底割れ回避は期待できるだろうが、それ以上ではない。歳出面では費用対効果の検討が不十分な上、絞り込みも不完全ということに尽きる。
 今回の補正予算案で最も気になるのは国債の増発である。09年度当初の一般会計の国債発行見込み額は33兆2900億円である。これに加えて、財投国債11兆9900億円がある。補正では、一般会計で10兆8100億円、財投で6兆1200億円が追加された。新規国債の総額見込みは約62兆円である。
 さらに、国債には借り換え分がある。そのうち、市中消化だけでも当初予算段階で約113兆円に達している。補正に伴う増発分を含めれば、約130兆円にもなる。
 日本の国債はほぼすべてが国内で消化されていることや、金融機関の国債保有意欲が依然高いことから、消化難や長期金利の上昇の可能性は小さいというのが政府の見解だ。金融機関が貸し出しを渋っていることの裏返しでもある。
 しかし、今の状況が今後長期にわたり継続する保証はない。景気が悪くなったら財政出動が必要で、その財源は国債でまかなえばいいという論理も問題である。とめどもない額の国債がいとも簡単に発行されていくことは、財政のみならず、経済構造をも揺るがしかねない。日本銀行に国債の買い切りを思い切って引き上げ、さらには新発債の引き受けを求めるに至っては、論外である。
 夏以降を展望すれば、今年度46兆円と見込んでいる税収は数兆円下方修正せざるを得ない。公共事業の大幅前倒しのあおりもあり、第2次補正予算がないとも限らない。歳出を絞ったとしてもかなりの国債増発は避けられない。そうなれば、金融・資本市場も平静ではありえない。現在の年1・4%程度の長期金利は超低水準であり、企業に資金需要でも出てくれば2%や3%程度に上昇することは容易に想定できる。その場合、国債費への跳ね返りは大きい。
 国債残高の増加は基礎的財政収支の黒字化を遠のかせるだけではない。与謝野馨財務・金融・経済財政担当相が財政健全化の有力な指標としている国債残高の国内総生産比を下げることは夢のまた夢になってしまう。財政は取りかえしのつかない状況に陥る。政治家も国民もこうした国債増発の怖さを心すべきだ。

日経新聞 2009年4月29日
社説1 補正予算案、国会は中身の徹底審議を(4/28)
 政府は27日、追加経済対策の裏付けとなる2009年度補正予算案を国会に提出した。同時に09年度の政府経済見通しも下方修正した。景気が急速に落ち込むなかで追加対策は必要だが、政府案にはばらまきにつながりかねない歳出もまぎれこんでいる。国会では対策の中身を徹底審議し、必要に応じ与野党が協力して修正すべきだ。
 政府・与党は4月10日に財政支出規模15兆4000億円にのぼる「過去最大規模」というふれこみの追加経済対策を決めた。今回の補正予算案の歳出規模は補正予算案としては過去最大の約13兆9000億円、財源調達のため約10兆8000億円の新規国債を増発する。
 政府の新年度予算の執行が始まったばかりの4月に補正予算案を提出するのは極めて異例だ。米国の金融危機に端を発した世界同時不況に対応して、各国は追加の財政出動に動いており、迅速に景気対策を実施するのは必要なことだ。
 ただ、政府の補正予算案を点検すると気掛かりな点も多い。短時間で規模を大きくするために、景気対策として効果の薄い歳出まで含まれているとみられるからだ。
 例えば約1兆円の予算がついた農林漁業分野。農業の集積促進、コメ粉の生産・需要拡大策、林業再生などの項目が並ぶが、農業の構造改革につながる対策になるのかどうかは不透明だ。教育予算でも、教室の耐震化や温暖化対策のための太陽光パネル設置はいいにしても、電子黒板の設置など緊急性や効果に疑問のある歳出も入っている。
 就学前3年間の子どもへの手当を今年度に限り第1子にも支給する措置は、景気対策としても少子化対策としても中途半端だ。
 補正予算案通りに国債を追加発行すれば、09年度全体での国債新規発行額は約44兆円に達する。歳入のうち、どの程度を税金で賄っているかを示す税収比率は45%と過去最低になる。
 限られた財源は、本当に有効な景気対策に使われるのか。国会では補正予算案の審議を通じて、歳出の中身を十分に吟味すべきだ。緊急対応だからといって非効率なばらまきをしても、長い目でみた日本の成長力強化にはつながらない。
 政府・与党は、景気対策の早期実施を名目に政府案の早期成立を目指す構えだが、対策の中身をより効果的にするためならば、補正予算案の修正もためらうべきではない。経済危機への緊急対応というならば、与野党が協力すべき時だ。

東京新聞 2009年4月29日
【社説】補正予算 バラマキの是非詰めよ
 補正予算案の論戦が始まった。焦点は選挙目当てともされる政府・与党の大盤振る舞い予算の吟味だ。無駄遣いはないか、詰めた議論で対立軸を明確にせよ。それが解散・総選挙の争点になる。
 職業訓練の拡充など追加経済対策を盛り込んだ二〇〇九年度補正予算案は総額十三兆九千二百億円で、過去最大規模だ。財源の多くは国の借金である国債。当初予算と合わせると四十四兆円に上る。
 緊急措置としての財政出動は野党にも容認論があるが、国の借金が一段と増している現状を考えれば、効果薄な分野につぎ込まれていないか、疑問を抱く人は多い。
 二十八日に衆参両院で行われた代表質問は、バラマキ批判を払拭(ふっしょく)したい与党と、与党の野放図さをあぶり出したい民主党の思惑が浮かび上がった。
 民主党の鳩山由紀夫幹事長は「族議員と官僚の既得権である税金の無駄遣いを繰り返し、膨大な借金で歳出規模を膨らませて、あとは消費税の増税で国民に負担を押し付けるのは無責任だ」と批判。子育て支援や雇用対策など民主の政策は恒久的とし「政府・与党が猿まねした政策はその場しのぎの場当たりだ」とも切り捨てた。他の野党も従来型の公共事業が目立つことなどを問題視した。
 麻生太郎首相は答弁で、国民が政治に望むのは景気対策と雇用対策だ、景気の底割れを防ぎつつ国民の安心を確保し未来の成長力強化につながる分野に重点的に施策を講じた、と繰り返した。
 自民党の保利耕輔政調会長は分かりやすい説明を、と注文をつけたが、首相は「官僚答弁」に流れたきらいは否めない。小学校入学前の子どもを対象に一回限定で支給する手当についても、どこまで効果があるか納得できる答えはなかった。大増税が待ち構えることへの世間の不安感は大きい。
 こうした面が世論調査で補正予算案の低評価につながっている。十数兆円の経済対策をまとめたのに内閣支持率が微増にとどまる現実を直視すべきだ。
 総選挙を前にしながら、これまでは低調な国会審議が続いた印象が強い。小沢一郎代表の秘書が逮捕・起訴されて以降、民主党が国会で精彩を欠いているからだ。
 鳩山氏は代表質問で一連の経緯に触れ「国民に心配をかけている」と頭を下げたが、小沢氏は有権者の理解を得られていない。当面続投すると言った以上、論戦の先頭に立つのが仕事ではないか。
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2009-04-29(Wed)

第2名神見直し区間 「凍結解除」要請の安易さ

安易な発想で、これまでも腕力の強い有力政治家の地元に高速道路がたくさんつくられてきた。

大阪府知事らが、第2名神(新名神)の抜本的見直し区間を凍結解除するよう要請している。
金子国交大臣も、27日の国幹会議で、委員の意見を聞くなどと議題にした。
一部委員から、建設着工推進を支持する意見が出された。

しかし、大阪府知事から「論破して来い」と言われた猪瀬氏は、「安易すぎる」と喝破している。
猪瀬氏は
「第2名神高速道路は民間会社(西日本高速道路株式会社)の事業なので、直轄負担金は発生しない。高速道路の利用者からの料金収入で、建設費をまかなっていくことになる。
 高速道路には直轄負担金が発生しないから、第2名神高速道路をつくってくれと言っているのだとしたら、あまりにも安易である。そういう安易な発想で、これまでも腕力の強い有力政治家の地元に高速道路がたくさんつくられてきた。四国と本州を結ぶ橋が3本もあるのもそのためだ。
 現在、直轄負担金を廃止すべきだという流れが強まっている。たしかに直轄負担金に明細がないのは問題だが、直轄負担金があることで、道路をつくる場合に自己責任原則が働いてきた側面もある。
 地元の自民党議員、民主党議員、府知事、関西経済界は、第2名神高速道路の全面着工を要求してきた。しかし、彼らは住民目線ではない。声なき声は、新たな投資よりも借金の早期返済と料金値下げを期待している。
 無理に着工せず、浮いた6800億円を借金返済や料金値下げに回せばいい。利用者である国民が得をすることが最大の便益なのだ。この場合は、直轄負担金があるかないかではなく、費用対効果を考えて判断したほうがわかりやすい。」
と言って、批判した。

まったく同感だ。
前にも書いたが、直轄事業負担金を廃止・見直せと、あれほど息巻いている一方で、
負担がないからものは、ぜひつくってくれ、ではご都合主義も甚だしい。

だが、実際に凍結解除・着工となれば、負担はあるだろう。
27日の国幹会議で決めた外環道など合併施工方式で、大半が税金投入される。
新直轄方式でも地元負担があるように、1/3程度の直轄事業負担金が発生するだろう。
まあ、それでも「つくれ」と言うのであろうが・・・・。


日経BP ネット
猪瀬直樹の「眼からウロコ」 2009年4月28日
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090428/149767/
第2名神の「凍結解除」はちょっと待った
直轄負担金が生じないから「つくってくれ」では安易すぎる

 大阪府の橋下徹知事が、「猪瀬さんを論破してこい」と府の職員を送り込んできた。道路公団改革で実現した第2名神高速道路の凍結区間について、大阪府は凍結解除を要求している。

「猪瀬が反対しているからつくれない」
 第2名神高速道路は、三重・四日市市と神戸市を結ぶ高速道路である。凍結区間は、大津JCT(滋賀県大津市)~城陽JCT(京都府城陽市)の25キロと、八幡JCT(京都府八幡市)~高槻JCT(大阪府高槻市)の10キロの、あわせて35キロとなっている。

 なお、城陽JCT~八幡JCTの4キロについては、京奈和自動車道と第2京阪道路をつなぐ道路ということで、建設は凍結されていない。

 凍結区間と並行して、名神高速道路の瀬田東ICから大山崎JCTまで、京滋バイパスという有料の国道が通っている。この京滋バイパスが、実質的な「第2名神」だ。「第3名神は要らない」と僕が言ったら、建設推進派は「新名神」なんて名をつけた。

 4月20日、橋下知事は「新名神」の凍結区間について、金子一義国土交通相に早期着工を陳情した。21日には、大阪府都市整備部の技監や交通道路室道路整備課長ら4人の職員が、僕のもとを訪れた。
 説明は受けたが、太田房江前知事の頃から大阪府は「つくれつくれ」と言ってきた。今回も同じ話の繰り返しである。

 太田前知事は「猪瀬さんが凍結だと言っているが、あれは勝手な言い分」と言っていた。橋下知事も「猪瀬さんの主張を封じ込めるように頑張っていきたい」と同じ言い方をしている。

 大阪府の職員から「猪瀬が勝手に反対しているからつくれない」と吹き込まれているのではないか。第2名神高速道路の凍結区間が決められた経緯を知らない橋下知事が、それを信じてしまった可能性もある。

国交省から引き出した「着工しない」という文言

 1987年に国会の全会一致で決められた高速道路の最終的な予定路線は1万1520キロである。3~4年ごとに開かれる国幹会議(国土開発幹線自動車道建設会議)で、高速道路の目標値は、1万1520キロを目指して段階的に引き上げられてきた。高速道路の区間、工事費用、車線数、設計速度などは、国幹会議で決められる。

 1999年には、目標値が9342キロになった。また、9342キロのうち未開通の2000キロを作るのには、20兆円かかるとされていた。第2名神高速道路の凍結区間35キロの建設費は、この時点で1兆600億円だった。

 道路公団改革は、費用対効果の観点から高速道路計画を見直し、コストをできるだけ削減して、無駄な道路はつくらないことを目指していた。

 2003年12月に、政府与党枠組み合意によって、高速道路の「抜本的見直し区間」が設定された。小泉首相は「9342キロ全部はつくらない」ということを繰り返し発言した。

 道路1本1本についてコスト計算をして、無駄をなくし、20兆円の建設費を10.5兆円にまで削減することができた。また、第2名神高速道路の35キロについては、36%のコストカットをして、建設費が6800億円になった。これは改革の成果である。

 ただ、コストカットをしても、そもそも必要のない道路をつくるわけにはいかない。35キロの凍結は、2006年2月7日に開かれた国幹会議で決定された。「主要な周辺ネットワークの供用後における交通状況等を見て、改めて事業の着工について判断することとし、それまでは着工しない」という文言を国交省から引き出した。

 役所が決めた仕事で「着工しない」という文言が出たのは初めてのことである。留保条件をつけてあっても、結論に「着工しない」という文言が入っていることが重要だ。そういう文言が入っていれば、諫早湾の干拓事業だって、あのように無理矢理実施されることはなかった。

 にもかかわらず、国幹会議の翌朝の新聞は、「民営化骨抜き」(朝日新聞)「道路公団改革骨抜き」(読売新聞)「改革形骸化」(日経新聞)「改革、中途半端」(毎日新聞)と、型通りの見出しが打たれた。全国紙にとっては、地方の高速道路は所詮他人事だから、言葉が軽いのである。

 一方、ひとつひとつの情報が生活とかかわり合う地元紙は、正確に伝えようとしていた。本当に第2名神高速道路がつくられるのか、つくられないのか、見きわめる情報が地元では求められる。京都新聞は、「第2名神判断先送り」「猪瀬氏 造らないと解釈」「京滋の知事『残念』」と、いく通りも見出しを打って、実像に迫ろうとしていた。

実際に車で走って、混雑していないことを確かめた

 第2名神高速道路の全面着工を望む関西経済界からは、「猪瀬さんは現場を見ていない」(当時の秋山喜久・関西経済連合会会長)と言われた。当時の太田知事も、高槻JCTの東側にある天王山トンネルについて「混み合っちゃう」と指摘して、「京滋バイパスも満杯なんです」と言っていた。地元自治体も、天王山トンネルを渋滞の名所として挙げていた。

 そこで、僕はテレビ局と協力して、実際に高速道路を走って交通量の調査を行った。2006年4月29日の読売テレビ「ウェークアップ」で、その模様が放映された。この番組のビデオを、先日、副知事室を訪問した大阪府の職員にも見せた。

 番組では、水曜日の昼過ぎに、高槻JCTから天王山トンネル、大山崎JCT、そして京滋バイパスを実際に走ってみた。

 まず、天王山トンネルでは、当日は雨が降っていたにもかかわらず、渋滞は発生していなかった。上下8車線になっているので、非常にスムーズに流れている。日本の高速道路でも、ここが一番広い区間である。

 総工費130億円の大山崎JCTは、実際に走ってみるとその巨大さはまるでSF映画のセットのように空中に孤を描いており、圧倒される。ここまで大げさにつくる必要はない。明らかにお金をかけすぎている。こういうところにも、コスト意識のなさが表れている。

 京滋バイパスもガラガラだった。スタジオでも、「京滋バイパスは盆・正月の一番混んでいるときでも空いている」という話が出ていた。大阪府知事も関西経済界も、ここをちゃんと走って確かめたのだろうか。

 建設推進派は、瀬田東ICから草津JCTのあいだも渋滞するから、第2名神高速道路が必要だと主張する。しかし、片側5車線になっていて、その区間もボトルネックにはならない。

住民は借金の早期返済と料金値下げを期待している
 2010年3月には、京滋バイパスから枝分かれして大阪・神戸方面へ抜ける、上下6車線の第2京阪が開通する。さらにネットワークはスムーズになる。

 これだけスムーズに流れているところへ第2名神高速道路をつくっても、交通量が増えるとは思えない。大阪府職員は「費用対効果が高く、つくる価値がある」と主張するが、京滋バイパスや第2京阪がある以上、もう1本つくることによる便益はほとんどないとしか考えられない。

 第2名神高速道路は民間会社(西日本高速道路株式会社)の事業なので、直轄負担金は発生しない。高速道路の利用者からの料金収入で、建設費をまかなっていくことになる。

 高速道路には直轄負担金が発生しないから、第2名神高速道路をつくってくれと言っているのだとしたら、あまりにも安易である。そういう安易な発想で、これまでも腕力の強い有力政治家の地元に高速道路がたくさんつくられてきた。四国と本州を結ぶ橋が3本もあるのもそのためだ。

 現在、直轄負担金を廃止すべきだという流れが強まっている。たしかに直轄負担金に明細がないのは問題だが、直轄負担金があることで、道路をつくる場合に自己責任原則が働いてきた側面もある。

 地元の自民党議員、民主党議員、府知事、関西経済界は、第2名神高速道路の全面着工を要求してきた。しかし、彼らは住民目線ではない。声なき声は、新たな投資よりも借金の早期返済と料金値下げを期待している。

 無理に着工せず、浮いた6800億円を借金返済や料金値下げに回せばいい。利用者である国民が得をすることが最大の便益なのだ。この場合は、直轄負担金があるかないかではなく、費用対効果を考えて判断したほうがわかりやすい。

猪瀬直樹(いのせ・なおき)
作家。1946年、長野県生まれ。1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。『日本国の研究』で1996年度文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人などの廃止・民営化に取り組み、2002年6月末、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。政府税制調査会委員、東京工業大学特任教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなど幅広い領域で活躍中。東京都副知事。最新刊に『霞が関「解体」戦争』(草思社)がある。
オフィシャルホームページ:http://inose.gr.jp/
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2009-04-28(Tue)

国幹会議:「白紙」の高速道路建設にGOサイン 1兆8700億円の事業を追認

「薄皮まんじゅう方式」(合併施行方式)を初適用/「形骸化」 「市民の声が反映されていない」などの声無視

1、国幹会議の形骸化
参加した16名(20名中)の委員が全員発言したようだが、会議のあり方について批判が多かったようだ。
「先週の金曜日、急な招集だ。本来なら時間をかけてじっくり審議すべきだ」
「今日の会議はどうかんがえてもおかしい」
「そもそも、国幹会議の設定の仕方がおかしい」
「議論が十分ではない」「機動的でない」
など準備期間がないままに拙速に開かれたことなど会議の開催そのもののあり方に対する批判。さらに、
「全く説明がない。妥当性のデータを示していない」
「正直これではよくわからない」
「説明責任をはたせ」
など、B/C(費用対効果)分析や交通需要推計が会議の当日に示されたことなど
議題案件についての説明が不十分さが指摘されたという。

金子大臣も、形骸化の指摘がある、これについては検討していかなければならない、とこたえていたらしい。
そして、会議のあり方をどうするか、資料が不足している、次をできるだけ早く・・・と言ってるすぐ後に突然、議決をとったという。
(ただ、議決の際に「異議」がでなかったらしい。これも変だ)

※民主党の馬淵議員の質問より 2009年 4月28日  国土交通委員会
  衆議院TV ビデオライブラリ http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

高速道路の必要性を「議論」する場ではなく、政府方針を「追認」する場
会議傍聴者のブログには、
「外環道についても、住民の納得が得られていないことが指摘されたほか、今後交通需要が減少していくなかで、総額1兆6000億円(今回の国幹会議の試算では1兆2820億円)ともいわれる巨額の建設費を投じる意味合いや地方とのバランスの点でも疑問の声があがりました。
 何よりも問題なのは、国幹会議が完全に形骸化していることです。多くの委員が指摘したように、国幹会議は高速道路の必要性を「議論」する場ではなく、政府が決めた方針を「追認」するだけの機能しか果たしていません。昨日の会議でも、基本計画を整備計画にする4区間と二車線から四車線化を目指す6区間のあわせて10区間すべてが一括議題とされ、個別の区間について話し合う場は設けられていませんでした。こうした中で、総額1兆5000億円を超える事業にゴーサインが出されたこと自体が国民不在といえます。」

※土屋ひとし ひとことコラム (民主党練馬区議会議員)より
  2009年4月28日 (火)    拙速な外環道の事業化
http://hitoshi-tsuchiya.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-080d.html

2、建設の歯止めを取り払う大転換
 「(従来の計画以外は)白紙」(小泉元首相は06年の国会答弁)を覆す
これまでの9342kmの整備計画は、不要不急の高速道路を際限なくつくり続ける歯止めとなってきた。

小泉元首相が道路公団民営化の際に9342kmを超える部分は「白紙」と言い、
ムダな道路はつくらない、ということだとまで言っていた。
99年から10年間、凍結されてきた理由でもあった。

それを、今回覆し、外環道など4区間を新たに事業化することになった。
全国の整備計画区間は9413キロとなる。

抜本的見直し区間となっている「新名神」の凍結解除を求める声が相次いだという。
そんな国幹会議の委員も、問題だが、それが、この会議の方向性を物語っている。

3、「薄皮まんじゅう方式」(合併施行方式)を初適用
さらに問題なのは、税金を使って建設するということだ。
これまで、この国幹道は、「新直轄方式」の区間以外は、道路公団や民営化会社が料金収入を原資にして建設してきた。

ところが、4区間とも料金収入のみで建設費を回収するのは困難と試算している。
回収可能額は外環道で1~3割程度、日沿道では1割未満だという。

そこで、日沿道は全額税金を投入する「新直轄方式」での整備し、
外環道、名古屋環状、東関東道の3区間は、
国と高速会社を事業主体として不足分に税金を充てる「合併施行方式」で建設することを検討するを決めた。

高規格幹線道路のうち、圏央道など一般国道自動車専用道路については、これまでも「合併施行方式」が使われていた。
本来、税金でつくるなら料金は無料のはず。税金も通行料金も取る二重取りされて、国民は納得するだろうか。

4、1兆8700億円の事業費 将来の負担 消費税増税か?
そして、国会にもかけず、巨額の事業支出が決められた。
関連事業費を含めれば、さらに支出額が膨らむ。

通行料金で賄えないから税金でつくる。その税金は建設国債(借金)でまかなう。
仮に、不必要ではないとしても、優先順位は高いといえるだろうか。

いま自治体の借金となっている90年代に「負の遺産」を残した大型道路事業と同じではないのか。
ますます、消費税を増税するしかない、という借金漬けの国家財政をつくろうとしている。

5、自動車優先の国土、交通政策を転換すべき
一方で、「低炭素社会」などと強調している「経済危機対策」
エコ自動車やエコ家電の普及を、これまた巨額の予算をつけ、奨励しながら、
自動車優先の高速道路をつくり続ける。

こんな矛盾した「経済対策」が、効果があるとはとても思えない。
「需要の先喰い」という批判が当たっている。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4回国土開発幹線自動車道建設会議について
平成21年4月27日
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427.html

標記会議を開催しましたので、お知らせいたします。

第4回国土開発幹線自動車道建設会議
 日 時:平成21年4月27日(月)18:30~20:30
 場 所:ホテルオークラ 本館一階 「平安の間」

●議事次第
1、会長あいさつ
2、国土交通大臣あいさつ
3、審議事項:
 これまでの経緯等と今後の高速道路のあり方について
 新たに整備計画を策定する区間について(議案第1号関係)
 暫定2車線区間の4車線化に伴う整備計画等の変更について(議案第2号、第3号関係)
 市町村合併等に伴う整備計画等の変更について(議案第4号、第5号関係)
4、報告事項
 高規格幹線道路の点検結果について
 高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きの見直しについて

●配布資料  ※資料はいずれもPDFファイル
○資料1 第4回国土開発幹線自動車道建設会議説明資料
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/1.pdf
    第4回国土開発幹線自動車道建設会議参考資料
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/1-1.pdf
○資料2 国土開発幹線自動車道建設会議の所掌事務等
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/2.pdf
○議案書
 議案第1号、http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/g1.pdf
 議案第2号、http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/g2.pdf
 議案第3号、http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/g3.pdf
 議案第4号、http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/g4.pdf
 議案第5号、http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/g5.pdf

●議事要旨
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20090427/yousi.html

●議事録(PDF形式) ・・・未掲載
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2009-04-27(Mon)

09年度補正予算案、国交省分2兆3千億円 全体の16%

高速道路、スーパー中枢港湾、羽田拡張、新幹線、都市再生・・・約7200億円


将来に“負の遺産”を残す問題の予算

○ 「国土ミッシングリンク」の結合 1,441億円
   (三大都市圏環状道路、主要都市間の規格の高い道路等の整備等)
○ 港湾・空港インフラの強化 2,086億円
   (スーパー中枢港湾の機能強化、産業港湾インフラの刷新、羽田空港C滑走路延伸等)
○ 整備新幹線の着実な整備 733億円

○大規模都市再生プロジェクトや地方の優良な都市開発事業等の支援 3,000億円
   (都市再生機構や民間都市開発推進機構の活用)
 



(共同通信) [2009年4月27日12時34分]
09年度補正予算案、国交省分2兆3千億円
 国土交通省は27日、2009年度補正予算案に同省関係分として、交通インフラの整備や災害対策に2兆3321億円が盛り込まれたと発表した。
 インフラ整備では、整備新幹線の建設工事費として733億円を盛り込んだ。ただ一部の自治体から地元負担の軽減を求める意見があったため、路線別の配分額は決定せず、補正予算成立までに自治体側と調整を図る。
 羽田空港の滑走路の延伸や重要港湾の整備費には2086億円を計上。地域活性化では、離島航路や地方鉄道の経営支援などに414億円、まちづくり支援に578億円を充てる。
 このほか災害対策で、ゲリラ豪雨の観測態勢強化や高潮対策などに3562億円、公共建築物の耐震化に2691億円を計上した。

日経新聞 2009年4月27日
整備新幹線、補正予算配分決まらず
 国土交通省は27日、2009年度補正予算案の整備新幹線の事業費について路線ごとの配分決定を見送った。予算案の閣議決定と同時に配分が決まらないのは異例。理由は明らかでないが、新潟県が予算案の受け入れに反対しているためとみられる。国交省は補正予算案の成立までに路線ごとの配分を決める方針で、新潟県との調整を続ける。政府は補正予算案に整備新幹線で国費733億円(事業費1100億円)を計上した。(13:02)

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国土交通省HP
平成21年度 国土交通省関係補正予算の概要
平成21年4月27日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo05_hh_000027.html

平成21年度補正予算のポイント

安心と活力のための基盤づくり  国費1兆6,290億円
1.底力発揮・21世紀型インフラ整備  国費4,387億円
 [1] 「国土ミッシングリンク」の結合 1,441億円
   (三大都市圏環状道路、主要都市間の規格の高い道路等の整備等)
 [2] 港湾・空港インフラの強化 2,086億円
   (スーパー中枢港湾の機能強化、産業港湾インフラの刷新、羽田空港C滑走路延伸等)
 [3] 整備新幹線の着実な整備 733億円
 [4] 日本ブランド発信強化による需要拡大(外客誘致事業の強化等) 13億円
 [5] 下請建設企業等の経営強化対策 98億円
  等

2.地域活性化等  国費1,321億円
 [1] 地域交通の活性化等 414億円
   (内航海運・フェリー・地方の鉄道・バス・離島航路、地方航空の活性化等)
 [2] まちづくり支援・地域の実情に応じた活性化策の推進等 578億円
   (地方の優良なまちづくりに対する支援等、地域の汚水処理対策等)
 [3] 住宅・建築物の耐震化等の促進 70億円
 [4] 住宅等の省エネ化(エコハウス化)加速、長寿命化等の促進 130億円
 [5] 高齢者・子育て世帯等に対する住宅セーフティネットの充実等 55億円
 [6] 木造住宅の振興、住宅瑕疵担保履行法の円滑な施行 75億円
  等

3.安全・安心確保等  国費9,912億円
 [1] 社会資本ストックの耐震化・予防保全対策 2,691億円
 [2] ゲリラ豪雨、洪水・高潮等防災・災害対策等 3,562億円
 [3] 交通の安全確保対策 3,198億円
  (道路のバリアフリー化、無電柱化の加速、開かずの踏切等の解消、通学路等の交通安全対策、高速道路の安全対策等)
 [4] 駅のバリアフリー化の推進等 249億円
 [5] 海上保安体制の強化 213億円
  等

4.低炭素革命  国費664億円
 [1] 公共建築物への太陽光発電の導入促進等 198億円
 [2] 環境対応車への買換えなど普及促進 149億円
 [3] 低炭素交通・物流インフラの革新(次世代交通関連技術開発)  283億円
  等

5.雇用対策  国費5億円
 [1] 船員雇用促進対策 5億円

住宅・土地金融の円滑化  国費7,030億円
 [1] 住宅ローンの円滑な借入れ支援(住宅融資保険制度の拡充、フラット35の融資率の引上げ等)  3,530億円
 [2] 大規模都市再生プロジェクトや地方の優良な都市開発事業等の支援(都市再生機構や民間都市開発推進機構の活用)  3,000億円
 [3] 住宅・不動産事業者の円滑な資金調達支援(住宅金融支援機構のまちづくり融資の充実等)  500億円
  等

補正予算追加額総計  国費2兆3,321億円
 (注)計数はそれぞれ四捨五入によっているので、端数において合計とは合致しない。

※ 地方公共団体への配慮
 ○ 「地域活性化・公共投資臨時交付金」の交付

※ 住宅・土地金融の円滑化
 ○ 官民一体となったファンドの創設等によるJ-REIT への資金供給の充実

添付資料
平成21年度国土交通省関係補正予算の概要(PDF ファイル46KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000039028.pdf
平成21年度国土交通省関係補正予算 事業費・国費総括表(PDF ファイル10KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000039029.pdf

お問い合わせ先
国土交通省大臣官房会計課 
TEL:(03)5253-8111 (内線21603、21604、21606)
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2009-04-27(Mon)

09年度補正予算提出 過去最大の13兆9200億円

新規の国債の追加発行額は10兆8190億円



日経新聞 2009年4月27日
政府、09年度補正予算案を提出 過去最大の13兆9200億円
 政府は27日午前の臨時閣議で、追加経済対策を裏付ける2009年度補正予算案を決定し、国会に提出した。歳出規模は補正予算として過去最大の13兆9256億円。主要財源である新規国債の追加発行額は10兆8190億円に達する。麻生太郎首相は野党が早期成立を阻む場合は衆院解散・総選挙も辞さない構え。補正審議は解散含みの緊迫した展開になりそうだ。
 補正予算案と当初予算を合わせた09年度の一般会計総額は102兆4736億円に膨らむ。急激に悪化した景気を下支えするためで、4月に補正予算案を提出するのは過去に例のない対応だ。
 補正予算案の歳出には追加経済対策の関連経費14兆6987億円を計上。当初予算の経済緊急対応予備費1兆円のうち8500億円を取り崩して財源の一部に充てるため、歳出規模は差し引き13兆円台となる。 (11:11)


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財務省 HP
■第171回国会における与謝野財務大臣の財政演説
  平成21年4月27日
http://www.mof.go.jp/daijin/210427.htm

■平成21年度補正予算 (平成21年4月27日)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/hosei210427.htm

平成21年度補正予算が閣議決定されました
本日の閣議において、平成21年度補正予算が閣議決定されました。この補正予算は「経済危機対策」(平成21年4月10日)を実施するためのものです。

○ 平成21年度一般会計補正予算(第1号)等について(61KB)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/sy210427/hosei210427b.pdf
○ 平成21年度一般会計補正予算フレーム(61KB)
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/sy210427/hosei210427a.pdf
○経済危機対策関係経費の概要
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/sy210427/hosei210427c.pdf
○平成21年度補正予算(第1号、特第1 号及び機第1 号)等の説明
http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h21/sy210427.htm


(問い合わせ先)
財務省主計局総務課
TEL 03-3581-4111 内線2949


■平成21年度財政投融資計画補正
平成21年度財政投融資計画補正を国会に提出しました
本日、平成21年度補正予算において財政投融資を追加することとし、平成21年度財政投融資計画補正を国会に提出しました。これは、「経済危機対策」(平成21年4月10日)を実施するためのものです。
   ○ 「経済危機対策」における財政投融資の追加について[110kb,PDF]
          http://www.mof.go.jp/seifuan21/210427a.pdf
    ○ 平成21年度財政投融資計画補正[113kb,PDF]
         http://www.mof.go.jp/seifuan21/210427b.pdf

連絡・問い合わせ先
理財局 財政投融資総括課 企画係
電話(代表) (3581)4111 内線2577
夜間直通  (3581)4061

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2009-04-26(Sun)

解雇解決金:キヤノンが1億円 請負会社も同額負担で合意

「あきらめなくて良かった」解決金・寮居住など合意

闘えば道は開かれる・・・・



毎日新聞 2009年4月26日 21時28分
解雇解決金:キヤノンが1億円 請負会社も同額負担で合意
 大分キヤノン(大分県国東市)の人員削減で、請負会社「日研総業」(東京都)から解雇された元社員らでつくる日研総業ユニオン大分キヤノン分会(加藤州平分会長、7人)は26日、日研総業が解雇者約700人全員に解決金を支払い、その経費約2億円のうち1億円はキヤノン側が負担することで合意したと発表した。4月末に支払われるという。

 分会に対する解決金は、契約期間満了までの賃金補償▽有給休暇の買い上げ▽5万円の生活支援金▽慰労金相当の一時金--の4項目から成り、1人あたり3~4カ月分の賃金に相当するという。また、組合員以外の元社員にも一時金を除く同様の解決金を払うという。

 日研総業を含めて請負会社は8社あり、人員削減数は昨年12月の見込みで約1100人。今回の決定は各社に影響を与える可能性もある。分会を支援する小谷野毅・ガテン系連帯事務局長は「雇用が継続されないので十分とは言えないが、発注企業が雇用責任を認めたのは画期的。これを法制度につなげたい」と話した。

 キヤノン広報部は「当社に発注責任はあり、請負会社に雇用と住居面の配慮をお願いしてきたのは事実。しかし、請負会社と労働者との合意事項についてコメントする立場にはない」としている。

 ユニオン大分キヤノン分会とは別の「大分県労連大分地域労組大分キヤノン・日研総業分会」も、日研総業との間で同様の内容の解決金で合意している。【梅山崇】



2009年4月26日(日)「しんぶん赤旗」

「あきらめなくて良かった」解決金・寮居住など合意
大分キヤノン労働者

 大分キヤノン大分工場(大分市)で働いていた労働者が解雇撤回を求めて結成した「大分地域労組大分キヤノン・日研総業分会」(平野孝治分会長、二十一人)は、直接の雇用主である日研総業(本社・東京)との交渉で、解雇撤回には至りませんでしたが、同社が契約途中で解雇された残存期間の賃金などを「解決金」として支払うことで合意しました。二十四日、市内で開かれた「交渉収拾のための全員集会」で報告されました。

 大分県労連によると、日研総業は「解決金」として、▽当初の契約満了日までの賃金▽未消化の有給休暇の買い上げ▽生活支援金―を四月末日までに支払うとしています。五月末までの社員寮への居住も認めました。

 大分地域労組の池本和之委員長は合意内容について、「金額は開示できないが、個々の組合員にとって十分に満足できる内容と思う」とのべました。

 「全員集会」で組合員らは、「あきらめなくて良かった」「組合以外の人にも知らせて勇気づけたい」「日研とキヤノンは、首を切った全員に援助の手を差し伸べてほしい」などと語りました。

 県労連の児玉圭史事務局長は「解雇撤回には至らなかったが、大きな一歩です。派遣法の抜本改正を求めるたたかいを勇気づけることができたと思う。引き続きキヤノンには、直接雇用を求めていきたい」と話しました。

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2009-04-25(Sat)

JR脱線事故4年 風化させてはいけない

JR福知山線脱線事故から、4年。 遺族の悲しみは消えない。


毎日新聞 2009年4月25日
社説:JR事故4年 さらに綿密な防止策を
 JR福知山線脱線事故から、25日で4年がたつ。兵庫県警がJR西日本の山崎正夫・現社長ら幹部9人を業務上過失致死傷容疑で神戸地検に書類送検して7カ月が過ぎ、公訴時効も1年後に迫っている。責任をどこまで問えるのか。刑事処分の判断を受けて、さらに綿密な再発防止策に取り組むべき時期である。
 兵庫県警の捜査では、96年に現場の線路を急カーブに改造した際、ATS(自動列車停止装置)を設置しなかった点が重視された。
 鉄道事業法では、ATS設置義務は明文化されていなかった。だが、県警は、当時鉄道本部長として設置判断にかかわった山崎社長らが、危険性が認識できたのに事故を回避する努力を怠った、とした。
 鉄道のような公共性の高い交通機関には、人為ミスや車両トラブルなどの可能性も考慮に入れ、安全への最大限の手だてを尽くすことが求められるのは言うまでもない。「安全装置さえあれば最悪の事態は避けられた」という被害者感情や一般市民の常識に沿う判断といえる。
 JR側は一貫して、危険を予見するのは不可能だった、と主張している。鉄道事故で、運行現場以外の幹部が安全上の刑事責任を問われるのは異例だ。地検の捜査が慎重を極めたのも当然だろう。
 地検のアンケートでは、被害者や遺族の大半が処分結果の通知や説明会を求めている。地検は処分を決定すれば直ちに、その理由や捜査で明らかになった安全対策の欠陥を、広く社会全体に開示すべきである。それが市民の関心の風化を防ぎ、教訓をこのような事故の未然防止に生かすことにつながる。
 JR西日本は、事故に結びつく危険度を数値化し、安全対策の優先度を決める「リスクアセスメント」を導入した。通勤路線のダイヤ編成を見直し、運転にゆとりを持たせるなど「利益優先」と批判された企業体質の改善に取り組んできた。
 だが、社員の意識改革はまだ不十分だ。組織が肥大化して職場間の連絡、連携不足が続き、勤務中の「ヒヤリ」とした体験の報告をためらうケースがまだ多いという。
 遺族らで作るグループは、事故の背景を探り、安全の再構築に役立てるために「事故検証委員会」を設置すべきだ、と訴えている。検討に値する提案だ。
 国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の最終報告は、輸送指令員の状況確認方法や速度計の誤差などの問題点を詳細に指摘した。それらを今後の対策にどう取り込むかは、JR西日本だけに任せておくべきではない。被害者や専門家を含めた組織で、改善を提言し、実行を監視する仕組みを作ることが欠かせまい。

東京新聞 2009年4月25日
【社説】尼崎事故4年 風化させてはいけない
 乗客百六人と運転士が死亡、五百六十二人が負傷したJR西日本の尼崎脱線事故から四年。事故の刑事責任をめぐり検察と遺族の追及が続く中、同社の安全最優先の改革はどこまで進んだのか。
 今年も二十五日午前九時から尼崎市総合文化センターで追悼慰霊式が行われる。会場は遺族および負傷者の悲しみと憤りに包まれることだろう。事故現場には献花台が、大阪駅などには記帳所も設置される。
 悲惨な事故だった。二〇〇五年四月二十五日午前九時すぎ、宝塚駅を出発した快速電車は十数分後に現場のカーブに制限速度を大幅に超えた速度で進入した。七両編成の車両は次々に脱線し、隣接するマンションに激突した。
 事故原因の解明にあたった国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)は当初、運転士のミスを示唆しつつ、〇七年六月の最終報告で「現場に新型の自動列車停止装置(ATS)が設置されていれば事故を回避できた可能性がある」と指摘した。
 これを踏まえ兵庫県警尼崎東署捜査本部は翌年九月、業務上過失致死傷容疑で同社の山崎正夫現社長と元幹部ら九人および死亡した運転士の計十人を書類送検した。神戸地検は現在、起訴に向けて慎重に検討しているもようだ。
 また遺族が事故当時の経営陣だった井手正敬元社長らを告訴していることも明らかになった。遺族にとっては歴代経営陣の責任がなぜ問われないのか不満がある。
 これまでの原因解明で明らかになったのは同社の利益優先・安全軽視の体質だった。私鉄との激しい競争に勝ち抜くためとはいえ、安全投資の遅れや余裕のないダイヤ編成、懲罰的な日勤教育などは同業他社が驚いたほどだ。
 同社は現在、昨年四月に策定した安全基本計画を実行中だ。ATSなどへの積極的投資と“事故の芽”を探して対策を打つリスクアセスメントの導入、コミュニケーションの徹底を通じて安全最優先の風土づくりを目指している。
 その方向はいいが、まだ十分ではない。より高いレベルの安全運行をまず実現してもらいたい。
 一九九一年の信楽高原鉄道事故でも同社の責任が強く問われた。尼崎事故はJR発足後、最悪である。全社員が責任をかみしめ風化させないことを誓うべきだ。
 遺族の悲しみは消えない。負傷した人にも痛みが残る。補償は誠意をもって取り組め。

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2009-04-25(Sat)

規制緩和を率先 あのオリックスが苦境! らしい

資産圧縮で耐え忍ぶ“不動産金融王” 政府の危機対策で救済ねらってるのかな?

不動産価格の下落、マンションの販売不振が不動産業界を襲っている。
“塩漬け”になった土地を、政府が買い取るらしい。
経済危機対策だという。

でも、あのオリックスの宮内さんは、規制改革を中心になってすすめてきた人のはず。
規制改革と言えば、「官から民へ」、市場化推進など政府の関与を批判してきたはずだ。
もちろん、税金を使って企業を救済するのは、市場化とは矛盾する。
不動産不況だからといって、そんなオリックスを救済するはずがないよ、と誰もが思う。

ところが、金融に関しては
「オリックス社内では、赤字転落により資金調達が困難になることを想定した“頭の体操”も行われているという。それは、オリックス信託銀行の下にリースなど他部門をぶら下げる形とし、銀行持ち株会社に転じることだ。こうすれば経営の自由度が制限される代わりに、公的資金注入で資本増強を図れるというわけだ。」などと噂されている。


もし、こんなことになったら、国民は起こらなければいかない。
とりわけ、規制緩和政策で、苦境に立たされてきた中小企業、非正規労働者。
黙っていられないはずだ。




東洋経済オンライン  2009年4月21日
苦境のオリックス! 資産圧縮で耐え忍ぶ“不動産金融王”《不動産危機》
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/8cc20e6f09fd0970db61efa5ae252f35/page/1/

 「3月末の資金繰りは乗り切れたが、次の焦点は監査法人の出方。まさに綱渡り状態だ」

 オリックスの幹部社員はこう現状を説明する。「今年3月の定期人事はエクセルシート2000行にも及ぶ大規模なもの。40歳代の部長クラスを子会社に飛ばし、これまでにないほど若返りを進めている。与信管理強化、資産圧縮を進める最強体制に切り替えた」。

 リース最大手で、プロ野球球団のオーナーとして知名度抜群のオリックス。2008年3月期に1695億円の連結当期利益を稼ぎ、総資産は8・9兆円(06年3月期は7・2兆円)と鋭角的な拡大を遂げた同社の急成長を支えたのは、新興不動産会社向けの融資、不動産関連SPC(特別目的会社)向けのノンリコース(非遡及)ローン、不動産担保融資などの不動産関連金融に加え、グループ会社のオリックス不動産のマンション分譲、流動化事業だった。08年3月末のピークから減少しているとはいえ、12月末で3・5兆円に及ぶ不動産関連資産がある。

 それだけに、不動産市場の急悪化はオリックスの経営に手痛いダメージを与えている。貸倒引当金繰り入れなど与信コストが拡大したほか、マンション分譲最大手の大京や富士火災など持ち分法適用会社の損失も膨らみ、2月9日には09年3月期の純利益予想を従来の1050億円から150億円へ修正した。

 同時に広がったのが資金繰り不安説だ。アナリスト説明会で「12月に転換社債1500億円の発行を行ったことに加え、銀行団と結んだコミットメントライン(融資枠)の空き枠が2500億円あり資金調達の問題はない」(梁瀬行雄社長)と宣言。しかし、不安は払拭されなかった。「不動産業者向けの貸付金への引当金は12月末で2%弱に増えたが、少ない印象。引当金、評価損のサジ加減で無理に黒字を維持しているのではないか」(証券アナリスト)。株価は急落し、一時期は2000円を割り込む水準まで売り込まれた(3月末は3170円へ回復)。

 こうした環境下、営業の現場は「管理強化」「債権回収」一本やりだ。期央の時点でもくろんでいたプロジェクトを実行すれば年度末までに3000億円ほど新規に不動産投資をする予定だったが、これを断念。逆にこれまで拡大してきた総資産を7・8兆円程度までスリム化する方向へ舵を切った。そして、5・5兆円ある有利子負債の圧縮を図り、嵐が通り過ぎるまで耐え忍び反転の機会が訪れれば真っ先に仕掛けていく――これがオリックスの現在の経営方針である。

なぜジョイントに出資を行ったのか?

 が、はたして嵐が通り過ぎるまで耐え忍ぶことができるのか、これが最大の焦点だ。

 まず不動産事業者向けの貸し出しが非常に厳しい。08年3月末時点の大口与信先(下表)を見ても日本綜合地所、レイコフインベストメントがすでに倒産していることから推測できるように、新興デベロッパーを中心に貸し倒れが多発している。08年3月末の1%弱から12月末に2%弱へ拡大した貸倒引当金繰入比率はいっそうの増額を迫られる可能性が高い。

 新興デベロッパー向けの融資は金額が大きいため目立つものの、オリックスの不動産事業向け融資の特徴は1億円未満の小口が多い点にある。貸出先は全国にまんべんなく散らばっており、そのことが経営の安定度を高める強みとみられてきた。小口融資の典型例が、地方の建売業者への1億円程度の融資で、これは土地を担保に建設費を融通。分譲後に返済を受ける、というものだ。「今回の景気後退では、こうした小口の融資先でも貸し倒れが増えている。新興デベ向けより、こちらが厳しくなっているほうが深刻だ」とオリックス関係者は打ち明ける。

 強みとしてきた不動産向けのノンリコースローンも損失が増加する傾向だ。物件の賃料などを見て貸し出し条件が悪化していれば、エクイティの増額や一部返済を求める方針だが、相手先に体力がなければオリックス自体が当該不動産を抱え込むことになる。不動産の価値が大きく落ちていれば、やはりここでも損失計上が必要だ。ノンリコースローンだけでなくSPCが発行する社債や買取債権についても、損失発生リスクが続く。

 賃貸不動産、分譲マンションなど、オリックス不動産などが行う不動産事業についても、厳しさが付きまとう。マンション冬の時代に対応して新規分譲を抑制し、08年1307戸(不動産経済研究所調べ)に対し、09年は約1000戸へ減らす計画だ。

 50%弱出資する持ち分法適用会社の大京は08年4~12月期までに339億円の棚卸評価損を計上。10年3月期以降販売予定の物件についても評価替えを行ったことから、評価損の規模は全棚卸資産残高の10%に及んだ。これにより09年3月期は大幅な赤字に転落することになり、オリックスは大京の優先株100億円を引き受けて資本強化を助けた。

 05年に増資を引き受けて以来、融資枠の設定などにより経営支援を進めてきたが、今回は2度目の支援だ。しかし、今でも「純投資」という従来からの位置づけは変わっていないというのがオリックスの説明。好条件の買い手が現れればいつでも売却するというわけだ。

 とはいえ、今回の評価損計上後に、大京が見せつけたのはすさまじいばかりの販売力だった。オリックス不動産と大京の共同事業第1号である江東区の「亀戸レジデンス」(700戸)のような大型プロジェクトでも、大京の活躍が目立った。十分な引き当て処理を行って価格を切り下げさえすれば、業界ナンバーワンの販売力は健在なわけだ。オリックス不動産としては、計画しているプロジェクトを円滑に進めるためにも、大京の強力な販売力を積極的に使いたいところだろう。今後は「純投資」を卒業し、いっそう事業面での連携を強化していくことは間違いない。

 大京に加えもう1社、グループにマンション分譲大手が加わっている。昨年9月、オリックスは、不動産流動化事業で急成長したものの資金繰りに行き詰まったジョイント・コーポレーションの第三者割当増資を引き受け、100億円を出資。さらに200億円分の融資極度額を設定し、資金繰り支援に乗り出した。

 ジョイントの副社長には、松崎勉・オリックス不動産副社長を送り込み、再建へ向けた経営支援を進めているところだ。これについても、オリックスの説明は「純投資」。資産内容に比べて過小評価されており、株価が回復した際には売却によりリターンを得られる、というわけだ。その証拠に、投資銀行本部による投資案件だという。

 確かに、ジョイントが手掛けていた土地には、銀座8丁目など一等地の案件も多い。しかし、短期での回復を考えて出資を行ったのだとすれば、不動産市況に対する見方はいかにも甘かったといえる。一段と地価が下落していけば、追加の支援を迫られる可能性が高い。金融危機が深刻化する最中にこうしたリスクの大きい出資を行ったことも、オリックスの信用不安につながっている。

 12月末時点で5・5兆円ある有利子負債のうち資本市場調達が占める比率は35%(07年12月末は41%)。残りは銀行、生損保など間接金融に頼っている。とりわけみずほコーポレート銀行は過去数年で融資残高を一直線に伸ばし、今年に入ってからは三井住友銀行、住友信託銀行が融資を減らしたことに伴い、最大の貸し手に浮上したもようだ。

 みずほコーポがどのような姿勢をとるかが、オリックスの命運を握る。しかし、「たまたま残高が多いだけでオリックスのメインバンクという認識はない」(みずほフィナンシャルグループ幹部)。経営不振の不動産金融大手アトリウムを完全子会社として取り込んだクレディセゾンなど、メイン先のノンバンクには支援が必要になりそうなところもある。この先、どこまで支えることができるか。

 さらにオリックスには地銀からの借り入れも合計で4000億円以上あるとみられる。経営悪化により貸し出し縮減に動く地銀も多く、この部分の残高維持にも苦労しそうだ。

 年度末にかけ、社債、コマーシャルペーパーなど直接調達市場が機能を取り戻しつつあることは朗報だ。が、4月以降どう転ぶのか、まったく予断を許さない。「監査法人が引当金の大幅な増額を迫り、赤字決算を迫られるリスクもある」(証券アナリスト)。

 オリックス社内では、赤字転落により資金調達が困難になることを想定した“頭の体操”も行われているという。それは、オリックス信託銀行の下にリースなど他部門をぶら下げる形とし、銀行持ち株会社に転じることだ。こうすれば経営の自由度が制限される代わりに、公的資金注入で資本増強を図れるというわけだ。

 海の向こうでは、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの巨大投資銀行が昨年、銀行持ち株会社に業態変更を行うことで経営の安定度を高めた。世界的に外部負債依存型のノンバンクが行き詰まる中で、オリックスはノンバンクのままでいられるか。09年は正念場の年となる。

■業績・事業概要など企業データの詳細はこちら
http://www.toyokeizai.net/compsh/detail/CN/8591/

(週刊東洋経済 写真:大隅智洋)
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2009-04-24(Fri)

高速道路つくりは続くよ 際限なく ♪♪ 歯止めなさ鮮明に

「白紙」のはずが・・・復活することになりそうだ。

第4回の国幹会議が27日に開かれる。
そこでは、外環道など新たに事業化するかどうか審議される。

そもそも、昨年の道路国会で民主党の管直人氏らが、国幹会議のあり方を問題にした。
わずか40分程度で、議案に対する異議はほとんど出ない。
手続き過程で異論のある住民の声を聞いていても、報告もしない。

20名の委員のうち半数が国会議員だが、まともに議論する時間もない。
学識経験者10人のうち、日本経団連会長など財界関係者が6人、知事1人、学者3人
消費者や、住民運動関係者は一人もいない。

運営でも、採決もしない、シャンシャンで終わる。
こんな形骸化した会議で、ことが決まってしまっていいのか、疑問だ。

議題を国会(国土交通委員会)に示して承認を受けるぐらいすべきだろう。

もうひとつ。議題にかけられる外環道など新たに事業化する区間には重大な問題がある。
そもそも、民主党の岡田氏などが道路国会で福田首相や冬柴大臣に厳しく詰め寄った事例だ。
道路公団民営化の際に、小泉元総理が9342kmを超えた部分は「白紙」だと答弁した経緯がある。民間になるからムダな高速道路はつくらない、という説明だった。
その9342kmを超える部分、それが今回新たに事業化する区間だ。

それが、いつのまにか、事業化、着工されるところまで来ている。
おかしな話だ。

道路特定財源制度は廃止になった。
一般財源化した見返りに、高速道路をつなぐ・・・
名を捨て実を取った道路族の作戦勝ちということか・・・

それでも、国幹会議には、民主党議員が少数だがいる。
まとまって、異議を唱えれば、従来にない事態になるのでは・・・?
と、かすかな期待をしている・・・・

うーん、甘いな!
とにかく、おかしな話だ。





第4回国土開発幹線自動車道建設会議の開催について
平成21年4月23日
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000070.html

標記については、以下のとおり開催いたしますので、お知らせいたします。
1.会議日時
   平成21年4月27日(月) 18:30~20:30
    
2.場  所
   ホテルオークラ 本館一階「平安の間」
    東京都港区虎ノ門2-10-4  TEL:03-3582-0111

3.主な議題
   ・ 新たな整備計画を策定する区間について
   ・ 暫定2車線区間の4車線化に伴う整備計画等の変更について
   ・ 今後の高速道路のあり方について

 [ 道路IRサイト  http://www.mlit.go.jp/road/ir/ ]

添付資料
(参考)委員名簿(PDF ファイル) http://www.mlit.go.jp/common/000038877.pdf

お問い合わせ先
国土交通省 道路局 有料道路課  【議題について】 
TEL:(03)5253-8111 (内線38312)
国土交通省 道路局 総務課  【開催庶務関係について】 
TEL:(03)5253-8111 (内線37103)

<参考>
第3回国土開発幹線自動車道建設会議について
平成19年12月25日
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225.html

 標記会議を開催しましたので、お知らせいたします。
第3回国土開発幹線自動車道建設会議
日 時 : 平成19年12月25日(火) 14:00~15:00
場 所 : ホテルオークラ 本館一階 「平安の間」

●議事
 1 会長の互選
 2 会長あいさつ
 3 国土交通大臣あいさつ
 4 審議事項
・ 東京外かく環状道路の基本計画の策定等について (議案第1号、第2号関係)
・ 市町村合併による市町村名の変更等を事由とする路線指定政令の改正等について (議案第2号、第3号、第4号関係)

●配布資料
※資料はいずれもPDFファイル
資料1  第3回国土開発幹線自動車道建設会議説明資料
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/1.pdf

資料2  国土開発幹線自動車道建設会議の所掌事務等
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/2.pdf

議案書  
議案第1号、三鷹・東京練馬間及び三鷹・東京世田谷間の国土開発幹線自動車道建設線の基本計画について
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/g1.pdf
議案第2号、高速自動車国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令案について
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/g2.pdf
議案第3号、函館・室蘭間ほか3 2 区間の国土開発幹線自動車道建設線の基本計画の一部変更について
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/g3.pdf
議案第4号、 4 7 区間の新設及び改築に関する整備計画の一部変更について
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/g4.pdf
 
●議事録  http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20071225/gijiroku.pdf

■第1回国土開発幹線自動車道建設会議 平成15年12月25日
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20031225.html
■第2回国土開発幹線自動車道建設会議 平成18年2月7日
http://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/kansen/20060207.html
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2009/04/23 21:42 【共同通信】
国幹会議を27日開催 外環道格上げなど検討
 国交省は23日、全国で計画されている高速道路のうち新たに整備する区間などを決める国土開発幹線自動車道建設会議を27日に都内で開催すると発表した。
 会議では東京都の東京外郭環状道路世田谷-練馬を、基本計画から着工の前提となる整備計画区間に格上げするかどうかを審議。さらに2車線で暫定的に整備している区間の一部を4車線にするかも検討する。
 会議は衆院6人、参院4人の国会議員のほか御手洗冨士夫日本経団連会長、金子原二郎長崎県知事ら学識経験者10人の計20人で構成する。
 全国で計画されている高速道路網は1万1520キロ。うち9342キロは既に開通しているか整備が進められている。国幹会議は残り区間の扱いなどを主に審議する。


産経新聞 2009.4.24 07:57
凍結40年…外環道未着工区間、着工へ
 国土交通省が、東京外郭環状道路(外環道)の未着工区間(関越道-東名高速、16キロ)を整備計画路線に格上げする方針を固めたことが23日、分かった。27日に「第4回国土開発幹線自動車道建設会議」(国幹会議)を開催し、着工に向けた準備が整う。計画凍結から約40年たって、懸案だった事業がやっと動き出すことになった。
 外環道は、千葉・埼玉・東京を環状に結ぶ全長85キロの高速道路。うち、東京・練馬と世田谷の約16キロの未着工区間は、昭和41年に高架方式で都市計画決定していたが、環境への影響を懸念する地元住民らの反対で45年に計画が凍結され、埼玉県内の区間が開通する中、着工は大きく遅れていた。
 未着工区間について、平成11年に初当選した石原慎太郎都知事が地下化を提案し、19年4月に地下40メートル以上の大深度地下方式で都市計画変更が決定。同年12月の第3回国幹会議で基本計画路線に格上げされた。石原知事は、2016年五輪招致への影響も考慮し、繰り返し国に早期着工を求めていた。
 現在、国は未着工区間を6車線で計画しており、大深度地下をシールドマシンで掘り抜く方針。途中に3カ所のインターチェンジ設置が予定されている。
 同区間が開通すれば、関越道、中央道、東名高速が相互に結ばれることになり、首都高や環状8号線の慢性的な渋滞が大幅に改善されると見込まれている。現在は環状8号線経由で40~100分かかっている関越道-東名間が12分程度に短縮されるという。
 国は、未着工区間の整備事業を今月10日に発表した追加経済対策に盛り込んでおり、平成32年度の供用開始を想定。総事業費は1兆6000億円を見込んでいる。
 都と国は年度内をめどに、建設主体など事業の枠組みを確定したい考えで、国または高速道路会社が建設の主体になると見込まれる。都は「いずれにしても、用地買収などで都が協力することはあり得る」としている。
 また、23日、沿線7区市長意見交換会が都庁で開かれ、国交省と都がまとめた環境・騒音対策を盛り込んだ「対応の方針」が了承された。
外環道 
都心から約15キロを環状に結ぶ全長約85キロの自動車専用道路で、関越道から常磐道の先まで約34キロが開通済み。首都高速中央環状線、圏央道とあわせて3環状道路を形成する。未着工区間の開通により、都心に向かう首都高3号線、4号線の交通量はそれぞれ2割程度減ると予想されている。

2007/12/25 09:36 【共同通信】
外環道の基本計画策定承認 国幹会議、練馬−世田谷間
 国土交通省は25日の国土開発幹線自動車道建設会議で、高速道路網構想のうち予定路線にとどまっていた東京外郭環状道路(外環道)の練馬−世田谷間(16キロ)について、基本計画を策定することを決めた。  今後、国交相が正式決定。実際の建設には施行主体などを盛り込む1段上の整備計画に格上げする必要がある。ただ、同区間の事業費は1兆6000億円で、政府、与党が決めた高速道路整備計画(9342キロ)の枠外にあることから整備計画格上げまでには紆余曲折がありそうだ。  同区間は1966年に高架式で都市計画決定されたが、地元住民の反対で70年に凍結。東京都は今年4月、約40メートルの大深度地下にトンネルを掘る計画に変更した。  基本計画案では、標準車線数は片側3車線。開通すれば、関越道−東名間は現在の40−100分から約12分に短縮され、都心部の渋滞解消などが期待されている。

2009/02/19 20:46 【共同通信】
外環、世田谷-練馬着工手続きへ 今春にも整備計画に格上げ
 国土交通省は19日、全国1万1520キロの高速道路網構想のうち、東京外郭環状道路(外環道)の世田谷-練馬間(16キロ)の着工に向けた法定手続きの準備に入った。今春にも国土開発幹線自動車道建設会議を開き、基本計画から着工の前提となる整備計画路線に格上げしたい考えで、格上げされれば1999年12月以来となる。
 名古屋環状2号線の名古屋西-飛島間(12キロ)も、同時に整備計画とするかどうかを検討する考え。これを受け、残りの基本計画区間についても、自治体や自民党道路族議員から早期の格上げと建設を求める声が出そうだ。
 政府、与党は2003年、道路公団民営化に伴って当時の整備計画計9342キロまでは建設する方針を確認。構想で残る基本計画などの区間は、小泉純一郎元首相が国会で「白紙」と答弁していた。この白紙区間の建設は初となるだけに、妥当性をめぐって野党から批判も予想される。
 外環道の同区間は、約40メートルの大深度地下にトンネルを掘り、関越道、中央道、東名高速の各路線と接続する1キロ当たり1000億円、総事業費1兆6000億円の巨大プロジェクト。

もっと知りたい ニュースの「言葉」
基本計画(2002年5月16日)昨年9月の米中枢同時テロを受けた米国の軍事行動を自衛隊が支援するための基本計画。憲法の範囲内での支援、協力が基本方針で、海上、航空自衛隊による燃料や人員、物資の輸送を内容としている。艦船の活動範囲はペルシャ湾を含むインド洋などと定め、派遣期間については当初、昨年11月20日から今年5月19日までの半年間と決定した。期限切れが迫っているため、政府は17日の閣議で半年間の延長を正式決定する。
東京外郭環状道路(2003年1月10日)都心から約15キロの圏域を環状に結ぶ延長約85キロの高速道路。3環状道路の一つで、首都圏の交通渋滞を緩和するのが狙い。1970年から関越道と東名を結ぶ都内区間は凍結されていたが、2001年に扇千景国土交通相と石原慎太郎東京都知事が視察したのをきっかけに02年に地元住民らを含めた協議会が設置され、工法なども含め建設の是非を議論していた。外環道のうち東名から湾岸道に至る20キロは調査中。埼玉県区間(関越道―常磐道)の30キロは既に開通し、千葉県区間(常磐道―湾岸道路)の20キロは07年の開通を目指し...
道路公団民営化(2006年9月30日)日本道路公団など道路4公団は2005年10月1日、東日本高速道路など6つの民営化会社と、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構としてスタートした。債務と高速道路などの資産は機構が承継。6社は機構から道路を借りて管理運営にあたり、料金収入から管理費を引いた分を貸付料として支払う。機構は貸付料を債務返済に充当。債務は45年以内に完済、道路は無料開放される計画。

東京新聞 2009年4月24日
新たな検討会設置へ 外環道の地上部街路
 東京外郭環状道路(外環道)関越道-東名高速間整備についての、沿線七区市長の意見交換会が二十三日、都庁で行われ、沿線地域の課題に国と都がどう向き合うかを整理した「対応の方針」について論議が行われた。その結果、一定の理解を得たとして、国と都は同方針を確定した。白紙撤回を求める声がある地上部街路「外環ノ2」については、外環本線と切り離して別に地元との話し合いの場を設けることなどが盛り込まれている。
 今後は、方針に盛り込んだ課題の検討を進め、事業着手に向け、合意形成を進めたいという。
 方針は東名・中央・大泉の各ジャンクション周辺、青梅街道インターチェンジ(IC)周辺、狛江市、武蔵野市、杉並区の七地域に分けて、環境対策やまちづくりなど、検討すべき課題と住民の意見、国・都の考えや今後の進め方を列挙している。
 意見交換会では、武蔵野市の邑上守正市長が「外環ノ2」について、計画の廃止も含めた必要性の有無を検討すべきであり、その検討に必要なデータを公表し、検討会の枠組みを設けるよう求めた。
 「外環ノ2」は、当初は高架方式で計画した外環道の下を走る一般道として一九六六年に都市計画決定された。しかし、本線が地下化に変更後、計画廃止を求める声が武蔵野市から出ていた。
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2009-04-23(Thu)

いっそのこと 国有化したらどうですか? 産業再生法成立 

企業の国有化に道を開く異例の措置

「苦境に陥った民間企業に公的資金を投入して支援する仕組み」である産業再生法が成立した。
「金融危機で業績が悪化し、雇用者数が多く日本経済への影響が大きい企業を対象にする」という。

政府は出資する条件として
(1)売上高が四半期で前年同期比20%以上減少か、半期で同15%以上減少
(2)国内従業員5000人以上か、そうした企業に代替困難な部品を3割以上供給している

「政府の民間企業への出資は極めて異例の措置だ」
「市場経済をゆがめる危険もはらんでいるだけに、その活用はあくまで緊急避難として限定的にすべきだ」

うーん、なんていうのか、こんな税金の使い道は「あり?」と思ってしまう。
第1に、なんで、大企業だけに税金投入するのか。
雇用者数が多く経済への影響が大きい、というのだったら、
雇用者の60%以上を雇用している中小企業に投入しないのはなぜなのか。

第2に、非正規労働者を切り捨てている大企業ではなくて、切られている労働者にこそ投入すべきではないのか。

第3に、こんな税金の使い方するなら、国で直接雇用すればいいではないか。
その方が安く上がるはずだ。

ということは、いっそのこと、 国有化すれば、丸く収まるってことかも。
経営者や株主には無給、配当なし、優秀な官僚が経営を立て直せばいいのではないか。

悪くない提案だと思うがどうだろう?



東京新聞 2009年4月23日
【社説】産業再生法 経営責任をはっきりと
 政府が苦境に陥った民間企業に公的資金を投入して支援する仕組みを整えた。企業の国有化に道を開く異例の措置だ。企業が経営改善に努めるのはもちろん、経営責任も明確にすべきである。
 経済危機が世界的な規模で進む中、日本の大企業にも荒波が押しよせてきた。自動車や電機といった日本経済の中核を支えるような輸出製造業でも、経営不振にあえいでいる先が少なくない。
 今回、成立した改正産業再生法は国が経営難にある大企業を認定し、政策金融機関である日本政策投資銀行が公的資金で優先株などを購入して出資する仕組みだ。出資した企業が破綻(はたん)し損失が出た場合には、国が五-八割を税金で補てんする。
 公的資金を使って一般企業を支援するのは、かつて産業再生機構を使った例がある。機構が経営を引き受けて再生後に譲渡する仕組みだったが、今回は経営に直接関与せず、経営責任も問わない。
 大企業が倒産すれば、連鎖倒産や大量失業も発生する。危機対応の非常措置として理解できなくはないが、国が民間企業に出資して支援するのは問題が多い。
 経営者が国頼みになって甘い経営を続けるモラルハザード(経営倫理の喪失)が懸念されるほか、本来、市場から退出すべき企業を政府が救済し、産業全体の生産性が低下する恐れもある。
 政府は認定に際して、売上高の一時的な急減や三年後の生産性向上が見込めること、従業員五千人以上の大企業など条件を課しているが、裁量の余地も大きい。
 政府が支援に値する有望な企業をしっかりと見極められるとも限らない。甘い判断をして、支援企業が破綻すれば、つけを払わされるのは国民である。日本経済全体の生産性を高める観点から将来の産業再編も視野に入れて、厳密な認定作業をすべきだ。
 半導体のエルピーダメモリや音響機器のパイオニア、日本航空などが出資要請を検討している。雇用不安が広がる中、国民の間には大企業だけが救済される対策に抵抗感も強い。国の支援を求めるからには、企業自身が襟を正して経営責任を明らかにし、出直す姿勢を示すべきではないか。
 日本政策投資銀行には追加経済対策で新たな投融資枠が設けられた。経済危機に乗じて、完全民営化の先送り案まで浮上している。官製金融の復活は長い目でみれば、経済全体の効率性を損なう点も忘れてはならない。


日経新聞 2009年4月23日
社説1 政府の企業出資は緊急避難に限れ(4/23)
 公的資金を使った一般企業への資本注入を可能にする改正産業活力再生法が22日成立した。金融危機で業績が悪化し、雇用者数が多く日本経済への影響が大きい企業を対象にするというが、政府の民間企業への出資は極めて異例の措置だ。市場経済をゆがめる危険もはらんでいるだけに、その活用はあくまで緊急避難として限定的にすべきだ。
 支援対象として海外需要減少の直撃を受けた電機、自動車など製造業が想定されているようだ。すでにAV(音響・映像)機器大手パイオニア、半導体大手エルピーダメモリなどの名前があがっている。
 日本の製造業は1990年代のバブル崩壊後も公的資金に頼らずに事業再編を進めてきた。今回は世界的な経済・金融危機とはいえ、民間企業が政府支援を受けるのは市場経済では極めて異例の事態であることを経営者は重く受け止めるべきだ。
 政府は出資する条件として(1)売上高が四半期で前年同期比20%以上減少か、半期で同15%以上減少(2)国内従業員5000人以上か、そうした企業に代替困難な部品を3割以上供給している―などをあげている。こうした基準を設けても、日本に残すべき企業のふるい分けを政府ができるのかについては疑問が残る。
 今回の危機は市場などを通じて連鎖するグローバル危機の性格が強いため、市場の大混乱などいざという時の緊急避難策を整えておくのは意味があるかもしれない。だがその劇薬は安易に使うべきではない。
 この措置を使う場合は、必要性を吟味するとともに、出口戦略も明確にする必要がある。政府支援が、非効率な企業を延命し産業の新陳代謝を遅らせるようでは問題だ。
 政府は支援の条件として、企業に3年間で企業価値向上を見込んだ事業計画を立てることを求めているが、公的資金の返済についても明確な目標を求めるべきだ。支援を受けた企業は国民が納得する大胆な経営改革を進める責任を負う。
 この支援は主に日本政策投資銀行が実施することになる。政投銀は、政策金融改革の一環で、2013年10月―15年10月に政府が保有株をすべて売って完全民営化することになっている。ところが今回の金融危機で政投銀は企業金融支援など政策金融の仕事の比重を高めている。
 これも緊急避難とはいえ、民営化計画がなし崩しで修正される懸念もある。与党は完全民営化の時期を3年半延期する法案を今国会に提出する準備をしているが、今すぐ計画を見直す必要はない。


毎日新聞 2009年4月23日 0時02分
社説:貿易赤字 競争力強める支援を
 昨年度の貿易収支が7253億円の赤字となった。貿易収支の赤字は第2次石油危機により原油の輸入価格がふくらんだ80年度以来28年ぶりのことだ。
 金融危機の影響で自動車や家電製品などの耐久消費財の需要が急減している。外需への依存度が高い日本の製造業はその直撃を受け、それが貿易統計にも表れた形だ。
 当然、企業業績の悪化は避けられない。大幅な赤字を計上し、自己資本が減少すると、銀行の融資基準からはずれるところも出てくる。
 大きな雇用を抱えた企業が倒産すれば、影響は大きい。そうした状況を回避するため、資本不足を公的資金で補えるようにするための産業再生法改正案が成立した。
 従業員数に加え、売り上げや自己資本の減少の程度などの要件を満たした企業に対して公的資金を供給する。企業が発行した優先株や優先出資証券を日本政策投資銀行が引き受ける形をとる。
 現在のところ半導体大手のエルピーダメモリやパイオニアといった企業の名前があがっている。
 エルピーダはDRAMと呼ばれるパソコンのメモリー用半導体で唯一となった国内メーカーだ。半導体は、製造装置や部材の供給など参加企業が広範に及ぶ。日本の半導体産業全体の競争力維持の観点からも、国内のDRAMメーカーの存在が必要という見地もあるだろう。
 パイオニアはカーナビゲーションで高いシェアを持ち、雇用も大きい。プラズマディスプレーで競争に敗れ、撤退のコストがかさむ。今回の経済危機の影響は甚大だ。
 ただし、政府が一般の民間企業に対し公的資金を使って資本注入を行うのは、異例の措置だ。それ以外に、融資という形で政投銀に支援を求める企業も相次ぐとみられる。
 しかし、政府の支援が一時的な延命策に終わってしまい、ツケが国民の負担となる事態は避けなければならない。協調して出融資を行う民間銀行を含め、経営再建に向け、関係者の尽力を期待したい。
 貿易収支が赤字に転じたのは、外需が輸入の減少を上回る形で落ち込んでしまったからだ。今年に入ってからは、2、3月の月次では黒字になっている。ただし、日本の製造業の国際競争力が現状でどのような位置にあり、そして、これからどうなっていくのかは、将来の日本の国力につながる問題だけに気になる。
 各国で政府が民間企業の支援に乗り出している。しかし、衰退産業の温存ではなく、競争力の強化につなげることが重要で、日本の政府による企業への支援策も、その視点を忘れてはならない。
関連記事
2009-04-22(Wed)

原発データ改ざん、省エネ表示偽装 騙しのあげく 公的資金もらう? 日立G

冷蔵庫 エコ表示で消費者を騙す/保安院 原発データ改ざん改善求める/公的資金での資本増強を検討 

ちょっと呆れてしまう。
“世界の日立”はどこに行ったのだろう。

世界経済危機に関係なく、企業の存亡も問われる事態と言っていい。



東京新聞 2009年4月22日
【社説】日立の冷蔵庫 消費者をエコで騙すな
 省エネを売り物にした冷蔵庫の表示が偽装だったと、日立の100%子会社が公正取引委員会から排除命令を受けた。エコで消費者を騙(だま)すのは、関連技術で起死回生を図るものづくりの自殺行為だ。
 排除命令の対象になった冷蔵庫九機種は、廃家電から再生したリサイクル樹脂を断熱材として再利用することにより、断熱材の製造過程で発生する温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を、最大で約48%削減したとして、カタログや新聞広告などにも、その“成果”をうたっていた。
 九機種は「技術の日立」の人気商品で、財団法人「省エネルギーセンター」の省エネ大賞で昨年度、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞したシリーズだ。
 ところが、公取委の調べでは、うち六機種には再生樹脂がまったく使われておらず、そのほかの三機種も、部分的に従来の素材に混ぜて使っていただけで、CO2の削減率も表示を大きく下回った。
 メーカーの「日立アプライアンス」は、省エネ冷蔵庫開発の遅れが開発部門から宣伝部門へ伝わっていなかったのが原因、としているが、にわかに信じ難いミスだ。
 消費者に「誤解」を与えたことをわびてはいるが、性能には問題がないとして回収の予定はない。しかし、ミスや誤解と言うよりも、これでは「騙し」ではないか。再発防止はもちろんのこと、日立にはもっと踏み込んだ消費者対応を求めたい。
 折しも二十日、政府は日本経済を強化するための政策案「緑の経済と社会の変革」を発表した。
 その中にも「エコポイントによる省エネ家電の爆発的普及」とあるように、日本経済再浮揚のかぎを握るのが省エネで、普及の決め手は消費者の信頼だ。「エコ」が偽装では、せっかく省エネ製品への理解と関心を広げつつある消費者の信頼だけでなく、「省エネ技術最先端の日本」という海外からの評判にも傷がつく。
 省エネセンターの責任も重い。受賞の有無は、エコを志す消費者の選択に大きな影響を及ぼしている。メーカーからのデータをうのみにせずに、もっと詳細な独自の技術評価が必要だ。
 暮らしにエコが定着し始めた今だから、エコ製品の信頼性には、企業個々の利益だけにとどまらず、温暖化防止の成否や日本経済の浮沈がかかっている。エコは目先の金もうけの手段ではない。そのことを社会全体でもう一度、確認し合うべきである。

毎日新聞 2009年4月14日 1時19分
原発データ改ざん:保安院、改善求める 日立製で再び
 日立製作所と日立GEニュークリア・エナジー(日立GE)が製造した原発2基のデータ改ざん発覚で経済産業省原子力安全・保安院は13日、両社の社長を呼び、原因と改善策を速やかに報告するよう指示した。両社は社員の意識改革に取り組む考えを表明した。
 改ざんがあったのは中部電力浜岡原発5号機(静岡県、運転停止中)と中国電力島根原発3号機(島根県、建設中)に取り付けられた「湿分分離加熱器」の配管溶接部の検査記録。タービンに入る蒸気を除湿・加熱する機器で、強度を保つための加熱処理後に徐々に冷やす。しかし、規定を上回る速度で温度が下がったため、下請けの日本工業検査(川崎市)の50代男性社員が規定を外れたデータだけを漂白剤で消した。作業のやり直しを避けるために行ったという。
 日立製の原発では97年にも、同様の熱処理データ改ざんが全国18基で発覚。日立は下請け先変更などの対策を講じたが、再発を防げなかった。保安院の薦田(こもだ)康久院長は同日「(日立は過去を教訓に)再発防止策を取られるとしていたが、今回の事案が確認されたことは極めて遺憾」と批判。山本哲也・原子力発電検査課長は「改ざんは大変巧妙だが、よく見れば記録紙の罫線(けいせん)が消えている。見抜けなかった日立の責任体制は極めて不十分」と指摘した。
 指示を受け日立の川村隆会長兼社長は、記者団に「精いっぱいやってきたつもりだったが不十分だった。原子力を作っている重要性が隅々に行き渡るよう意識の再徹底を図りたい」と応じた。【山田大輔】

4月20日22時8分配信 毎日新聞
日立 公的資金での資本増強を検討 川村社長会見で表明
 日立製作所の川村隆会長兼社長は20日、今月1日の就任後初めて記者会見し、グループ企業の財務基盤強化のため、産業再生法に基づく公的資金を活用した資本増強を検討していることを明らかにした。また、原子力発電から家電まですべてを手がける「総合電機」路線を転換し、競争力、成長力のある分野に重点投資する方針も示した。
 世界的な不況による輸出急減や内需の冷え込みで、日立の09年3月期の連結最終(当期)赤字は、過去最悪の7000億円に膨らむ見通し。多額の赤字決算に伴い、自己資本比率も大きく低下することになる。川村社長は「安定的に利益を確保して自己資本を積み上げるのが基本」としながらも「成長や構造改革を速めるには(迅速な)増資が必要」と述べ、「いくつかの分野で(公的資金活用は)検討対象に入っている。量産品分野が中心になる」と説明。業績不振でNECエレクトロニクスと統合交渉中の半導体関連会社「ルネサステクノロジ」など傘下企業の再建加速のため、公的資金を申請する可能性を示唆した。さらに「本体もあるかもしれない」と述べ、日立製作所自ら申請することもありうるとした。
 公的資金については、すでに半導体大手「エルピーダメモリ」が、台湾メーカーとの提携による事業の抜本的強化に向け、活用の方針を明らかにしているほか、東芝も検討の可能性を示している。総合電機最大手の日立が検討に入ったことで、世界不況に直撃されている電機、自動車などの製造業を中心に、公的資金活用の動きが広がりそうだ。
 また、川村社長は「軸足を総合電機から社会インフラに移し、安定的な収益が出る体質にしたい」と述べ、情報通信、電力などに重点を置く意向も示した。【和田憲二】
◇ことば・産業再生法(産業活力再生特別措置法)
 事業の再構築や、中小・ベンチャー企業支援を目的に99年10月に施行。国が事業計画を認定した企業を対象に、資金繰りや設備投資面で優遇措置を設けている。企業業績の急速な悪化を受けた今回の改正案は、新たに公的資金を活用した大手企業の資本増強策を整備。具体的には、日本政策投資銀行などの金融機関の一般企業への投融資の一部を政府が保証する。4月7日に衆院を通過し、参院で法案審議が続いている。


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2009-04-22(Wed)

超・格差社会アメリカの真実    小林由美/著

超・格差社会アメリカの真実    小林由美/著


超・格差社会アメリカの真実

書名:超・格差社会アメリカの真実
著者:小林由美
出版:文春文庫            発行年月:2009年02月
価格:720円(税込)

本の内容
5%の金持ちが富の6割を独占し、3割が貧困家庭!これが小泉改革路線以降、日本が目指してきた格差社会アメリカの真実なのだ。かつての豊かな中流階級はなぜ消滅したのか。それでも「心地よい」のはなぜか。アメリカの政治、経済の変遷を綿密に分析し、今日の米国社会の本質を描ききった本書は、明日の日本の姿でもある。

目次
第1章 超・階層社会アメリカの現実—「特権階級」「プロフェッショナル階級」「貧困層」「落ちこぼれ」
第2章 アメリカの富の偏在はなぜ起きたのか?—ウォール街を代理人とする特権階級が政権をコントロールする国
第3章 レーガン、クリントン、ブッシュ・ジュニア政権下の富の移動
第4章 アメリカン・ドリームと金権体質の歴史—自由の国アメリカはいかにして階級社会国家となったのか?
第5章 アメリカの教育が抱える問題—なぜアメリカの基礎教育は先進国で最低水準となったのか?
第6章 アメリカの政策目標作成のメカニズムとグローバリゼーションの関係—シンクタンクのエリートたちがつくり、政治家たちが国民に説明するカラクリについて
第7章 それでもなぜアメリカ社会は「心地よい」のか?—クリエイティビティが次々と事業化されてくる秘密
第8章 アメリカ社会の本質とその行方—アメリカ型の市場資本主義が広がると、世界はどうなるのか?
第9章 アメリカ発世界経済危機はなぜ起こったのか?—レーガン以降のアメリカ政権の経済政策を検証する

著者情報
小林 由美(コバヤシ ユミ)
経営戦略コンサルタント/アナリスト。東京生まれ。1975年東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行に女性初のエコノミストとして入社。長銀を退職後、スタンフォード大学でMBA取得。82年ウォール街で日本人初の証券アナリストとしてペインウェバー・ミッチェルハッチンスに入社。85年経営コンサルティング会社JSAに参加後、ベンチャーキャピタル投資やM&A、不動産開発などの業務を行い、現在にいたる

※セブンアンドワイより http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32186199
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購入日 2009年03月07日
読始日 2009年03月07日
読了日 2009年03月28日
<感想メモ> アメリカという国の実態がよく分かる。アメリカがまだ、発展途上だということがよくわかった。とりわけ、、宗教色の強さは、日本と感覚がまったく違う。しかし、アメリッポン、従属国の日本の情けなさをいっそう強く感じてしまった。
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2009-04-22(Wed)

新名神の整備促進を要望 滋賀、京都、大阪の3知事 軽すぎるのでは?

橋下知事説得工作、猪瀬氏一蹴「年季が違う」

大戸川ダムでは、建設凍結に貢献した3知事だが、
一転して、高速道路は促進を要望している。

もともと、高速道路民営化の際に、ムダな道路はつくらないとした象徴が、
新名神の「抜本的見直し区間」だった。

大戸川ダムは、優先順位が低いとして整備計画に盛り込まないよう意見をまとめた。
では、新名神の「抜本的見直し区間」は、優先順位が高いというのだろうか。

猪瀬氏が、主張するように、京滋バイパスが第2名神の役割を果たしているのだから、
第3名神までは必要ない、というのは、まったく筋にかなっている。

しかも、第2京阪道路が今年度中に供用される予定だ。
凍結区間は、この第2京阪の交通量をみて、検討することになっている。

こうした経過を知らないはずはない。それでも要請するのは、いかなる理由があるのか。
高速道路会社が建設するから、地元負担が生じない、からなのか。
だとしたら、いかにもご都合主義ではないか。

民営化会社が建設費を全額まかなったとしても、国民にとっては負担になる。
なぜなら、民営化会社の借金は、債務返済機構に移るが、返済の原資は通行料金だから、
今回の高速料金値下げみたいに税金(または国債)を充てることになる。
新規の建設費用を増やさないことこそ、新たな負担なしで高速無料化する近道だ。

本当に必要な事業なのかどうか、国民負担が正当なのかどうか、
たとえ、必要でも急いでやらなければならないものかどうか。

まず、事業そのものを検討すべきだ。地方分権云々を論じる前に・・・。





2009/04/20 20:24 【共同通信】
新名神の整備促進を要望 滋賀、京都、大阪の3知事
 滋賀、京都、大阪の3府県知事が20日、国土交通省を訪れ、金子一義国交相に一部区間が未着工となっている新名神高速道路の整備促進などを要望した。
 橋下徹大阪府知事は「今、手を付けないと日本全体の人、物の流れが途絶える」と訴え、嘉田由紀子滋賀県知事は「現在の名神高速道路には建設から50年近く経過した橋があり、危機管理上も問題」と指摘した。山田啓二京都府知事は「交通量や経済効果だけでは計れない国土軸との考え方も大切だ」と強調した。
 これに対し、金子国交相は新名神高速道路については「大事な路線であり、どういう形で議論していくか検討したい」と述べるにとどまった。
 また金子国交相は、通行料金の値下げで関西空港の利用促進につながるとされる同空港と対岸とを結ぶ連絡橋の国有化については、29日に関西国際空港会社から国に移管されることを橋下知事に伝えた。
 これに先立ち、3知事は首相官邸で河村建夫官房長官とも面会し、新名神高速道路の早期着工を要望。河村氏は「国にとって必要だし、経済対策の観点からも必要だ」と応じた。


(2009年04月22日 読売新聞)
「新名神」全面開通を…橋下知事説得工作、猪瀬氏一蹴「年季が違う」
 一部区間の着工が凍結されている新名神高速道路(名古屋市―神戸市、174キロ)を巡り、推進派の橋下徹・大阪府知事は21日、凍結を訴えていた作家の猪瀬直樹・東京都副知事=写真=の元に府職員を派遣し、全面開通への理解を求めた。猪瀬氏は「関西に投資するなら、もっと投資しがいのある場所にするべきだ」と一蹴し、「説得工作」は不調に終わった。
 道路関係4公団民営化推進委員だった猪瀬氏は、2006年2月、新名神(当時の呼称は第2名神)に関する国の凍結決定に大きな影響を与えた。「新名神は国土軸の大動脈として絶対に必要」と主張する橋下知事は、凍結解除には猪瀬氏を「論破すること」が不可欠とみて、この日、府都市整備部の村上毅技監ら4人を都庁へ送り込んだ。
 約45分間に及んだ議論で、猪瀬氏が「すでに関西には京滋バイパスがあり、便益を考えると、もう1本造る必要はない」と指摘。過去に出演した民放の番組で、新名神の非効率性などを訴えたDVDを職員に渡し、「橋下知事に見せて欲しい」と要請した。
 猪瀬氏は終了後、報道陣に「(職員が自分を)論破できるわけがない。年季が違う。橋下知事とは国直轄事業負担金で一緒にやっていく」と余裕の表情を見せ、村上技監は「出直しです」と肩を落としていた。
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2009-04-21(Tue)

命の遺伝子   高嶋哲夫/著

命の遺伝子      高嶋哲夫/著

命の遺伝子

書名:命の遺伝子             著者: 高嶋哲夫
出版:徳間文庫             発行年月: 2007年03月
価格:960円(税込)

本の内容
ネオナチの集会で爆破事件発生。遺留品のなかにナチの大物戦犯と一致する手首があった。それは一見、四十代の肌に見えた。日系の天才遺伝子科学者トオル・アキツはベルリンで講演直後に拉致され、百歳を超えるはずの手首の謎の解明のため、アマゾンへ。壮大な科学冒険小説。

著者情報
高嶋 哲夫(タカシマ テツオ)
1949年岡山県生まれ。日本原子力研究所研究員を経て、カリフォルニア大学に留学。1999年『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞

※セブンアンドワイより http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/31841003
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購入日 2009年03月07日
読始日 2009年03月07日
読了日 2009年03月14日
<感想メモ> やっぱり、おもしろい。永遠の命を手に入れたナチの残党がいたとしたら・・・。生命科学が人の寿命を左右できる日が来るのだろうか。そうなる前に、癌なんかは克服してるだろうな。いや、そもそも、そうなに長く生きていたいと思える国だろうか?考えてしまうなあ。
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2009-04-21(Tue)

08年度国交白書 閣議で報告

64%が将来の暮らしに不安  公共交通、地方「満足」は23% 大都市と格差


平成20年度国土交通白書について
平成21年4月21日

平成20年度国土交通白書については、本日の閣議で配布、公表されましたので、お知らせいたします。
http://www.mlit.go.jp/statistics/file000004.html

お問い合わせ先
国土交通省総合政策局政策課政策調査室課長補佐 伊藤
TEL:(03)5253-8111 (内線24282) 直通 (03)5253-8260
国土交通省総合政策局政策課企画調査室主査 十河
TEL:(03)5253-8111 (内線24216) 直通 (03)5253-8260




(共同)2009年4月21日
国交白書報告、64%が将来の暮らしに不安
 金子一義国土交通相は21日午前の閣議で、2008年度の国土交通白書を報告した。厳しい経済情勢の中で、64%の人が将来の暮らしや生活環境に不安を感じているとの意識調査結果に基づき、国交省の施策として地方の公共交通機関や道路の整備、バリアフリー化などが必要と強調している。
 意識調査は、昨年11月から12月にかけてインターネット上で20歳以上の男女4000人を対象に実施。現在の暮らしや生活環境に対しては「満足」と「どちらかといえば満足」が合わせて60%だったが、将来については20%が「不安」、44%が「どちらかといえば不安」と答えた。
 具体的に「特に足りない」と感じている項目では、「雇用機会や働く場」「街のにぎわい」のほか、高齢者や障害者をサポートする「地域のバリアフリー」などが目立ったという。
 これを受け、白書は地域の雇用機会や活力確保に向け、企業誘致の呼び水となる交通アクセスの充実に取り組む必要があると指摘した。意識調査では、鉄道など公共交通の利便性に不満を感じる人の割合も東京、大阪、名古屋の3大都市圏の26%に比べ地方圏が53%と高かった。このため具体策として、地方での新駅設置や列車の増発、バス路線維持のための支援などが挙げられた。
 また、お年寄りや障害者が移動しやすいよう、駅にエレベーターを設置するなどの交通機関のバリアフリー化について、5年前より向上したと答えた人は49%にとどまったことから、白書は「一層の取り組みが必要」とした。このほか、高齢者向けのケア付き賃貸住宅の整備も必要としている。

日経新聞 2009年4月21日
公共交通、地方「満足」は23% 08年度国交白書、大都市と格差
 金子一義国土交通相は21日の閣議に、2008年度国土交通白書を報告した。三大都市圏以外の地方圏では、鉄道、バスなど公共交通の利便性に住民の52.6%が不満を抱いていることが調査でわかった。
 調査は昨年11月下旬から12月初めに、全国の満20歳以上の男女4000人を対象にインターネットで実施した。世代、地域の偏りがないようにした。
 地方圏では公共交通の利便性について「不満」が28.5%だった。「どちらかといえば不満」の24.1%とあわせて5割を超す。「満足」「どちらかといえば満足」はあわせて23.2%にとどまった。三大都市圏では「満足」「どちらかといえば満足」が計54.6%にのぼり、「不満」「どちらかといえば不満」の合計は25.7%にとどまった。地下鉄などが発達しており、地方より満足度が高いことがうかがえる。 (10:31)
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2009-04-20(Mon)

なぜ、日本では、「貧困」・不平等が政治の軸にならない?

よその国で、貪困・再分配の問題が政冶論争の主要軸になるのに、日本ではそうならない。

ハッとするコラムが東京新聞にあった。
小泉改革が進行するさなかに、「貧困」と格差の拡大が問題視された。
ネットカフェ難民やワーキングプアが当たり前のように語られるようになった。
「蟹工船」が脚光を浴びたのも、そんな時代だった。

昨年9月、リーマン・Bの経営破たんを引き金に、派遣・請負労働者がモノ扱いで切り捨てられた。
派遣村、ハウジングプア、未届け老人施設・・・

「貧困」を象徴する言葉が次々と生まれている。

ドーア氏の言うように、メディアが関心を持っているのに、政治論争の主要なテーマにはなっていない。
やはり、対抗軸であるべき野党第1党の民主党が、その役割を果たしていないからだろう。
いまだに、大企業・ゼネコンから企業献金をもらって、批判されても党代表に居座るようでは期待もできない。

それでも、まじめに「貧困」・不平等問題にメスを入れ、政治を変えたいと思っている議員もいるだろう。
リストラ・工場閉鎖・・・はこれからも続く。
「貧困」と格差、不平等はいっそう拡大する。資本主義の避けられない矛盾なのだから。

よその国のように、貧困・再分配の問題が政冶論争の主要軸になるようにしたいものだ。





東京新聞 2009年4月19日
時代を読む ロナルド・ドーア

政治の軸にならない「貧困」

 最近は株価が少し上がり、米国で銀行が倒れ続けたころの、パニックに近いムードが多少後退した。金融財産を持っている人々、株価連動の401k型年金で生活している人々などが、損失の一部を取り戻し、安心してきただろう。

 しかし、世の勝ち組の人々が少し安心してきたといっても、切られた派遣労働者、切られそうな請負労働者にとって、見通しは依然として暗い。失業率が十二月の3・9%から二月の4・6%へと着々高くなる。年末までに二桁の失業率確実とされている米国に比べて、日本は、まだ低いにしても、過去最高の失業率5・8%をはるかにしのぐだろうというのは経済学者の一般の見通しとなった。

 長期的な―少なくとも二十年来の―所得分布の不平等化傾向が、今の不況によって大いに加速されている。政府の緊急対策、「底割れ」対策が、やはり底割れの効果があるか。それこそ目下の主要な関心事である。

 「麻生政権は規制改革に再び火をつけ、危機を乗り切るための展望を示すべきだ」と、日本経済新聞の九日の社説がいう。そのような竹中・小泉路線亜流の声は依然として高く響く。しかし、幸いにして、政府は「転向」してきた。供給面の規制を撒廃するより、総需要刺激こそが景気対策として必要だという結論になった。その「悟り」が、二〇〇三年、輸出繁盛、消費停滞の時代が始まった時に得ていたならば、今ほど酷い状態になっていなかったかもしれないが、とにかく、泥縄のきらいかあっても、めでたい、めでたい自覚だ。

 失業対策として、失業者の住宅支援、訓練費の補助、雇用調整助成全、介護職員の待遇改善など、厚生労働省の役人さんたちはいろいろと工夫を練った。その努力をけなしたいと思わないが、もし私が切られた派遣労働者だったら、危機対策の予算配分を問題にするだろう。五六・八兆円のうち、雇用対策費(国費、事業費も合めて)は四・四兆円、金融対策費はその十倍の四四・八兆円である。その数字を見て、失業者たちは「麻生政権の関心の優先順位はそんなものか」と怒るだろう。
 
 当面の問題を超えて、例の 「二十年来の所得分布の不平等化傾向」も忘れてはならない。その傾向の説明は複雑だが、意識的な制度改革による分が大きい。派遣事業の解禁・拡大や企業管理職の給料決定システムなどの変化(昔、社長の給料上昇率は大体従業員のそれと歩調を合わせた。今はますます利益・株主への還元に連動する)。他の先進国でも、特にアングロサクソンの国でも、同様な制度変化、不平等化か見られる。

 しかし、他国に比べれば、日本で不思議なのは、不平等が政党政治の重要な軸にならないことだ。メディアの関心は外国と比べ強い。本屋には、「ワーキングプアの反撃」「派遣村」「反貧困の学校」など、貧困関係の本が何十点も並んでいる。

 ところが、よその国で、貪困・再分配の問題が政冶論争の主要軸になるのに、日本ではそうならない。

 いたるところで、フリーター組合をつくったり、不当解雇を法廷で争ったりする草の根の低抗が起こっている。ところがそれに手を伸ばしているのは、民主党支持の連合ではなくて、体制外の全労連である。その不満をくみ士げて地方の政党支部にその人たちを組み込もうとしているのは、今度天下を取るつもりでいる民主党でなくて、共産党だけである。

 なぜだろう。

 (英ロンドン大学政治経済学院名誉客員=rdore@alinet.it)
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2009-04-19(Sun)

淀川水系:水需要見通し 大幅減 それでもダム計画は温存

淀川水系における水資源開発基本計画変更

河川整備計画で大戸川ダムの凍結を決めた淀川水系だが、
川上ダムと天ヶ瀬ダム再開発は計画に盛り込まれた。

ダム計画の初期は、治水と利水が目的だった。
水需要が減り、各周辺自治体が水はもういらない、と利水を返上してきた。
今回の水需要見通しの変更は、水あまりの実情を反映したものだ。

だが、
・・・供給の目標である安定的な水の利用を可能とするため、次の事業の必要性を計画に位置付けました。
   ・川上ダム建設事業 (予定工期:昭和56年度から平成27年度まで)
   ・天ヶ瀬ダム再開発事業 (予定工期:平成元年度から平成27年度まで)
として、2ダムの建設が計画に盛り込まれた。

川上ダムについては、
淀川水系流域委員会が、大阪市の余ったものを転用すればいいと提案したが、大阪市が断った経過がある。
天ヶ瀬ダムの再開発も、既存ダムの砂が想定以上に早くたまってきたことから考えられた計画で、利水とはあまり関係ない。

そもそも、水需要の見通しそのものも甘い気がする。




淀川水系における水資源開発基本計画の変更について
平成21年4月16日
http://www.mlit.go.jp/report/press/water01_hh_000035.html

  淀川水系における水資源開発基本計画について、計画目標年度を平成27年度とし、近年の河川流況を踏まえた上で安定的な水の利用を確保するために、以下のとおり、需要の見通し、供給の目標等の変更を行います。
1.目標年度、対象地域
目標年度: 平成27年度(現行計画:平成12年度)
対象地域: 淀川水系に、水道用水、工業用水及び農業用水を依存している三重県、
       滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県及び奈良県の諸地域

2.水需要の見通し
水の使用実績や各府県による需要想定を踏まえ、現行計画と比べ水需要の見通しを次のように下方修正しました。

【都市用水(水道用水+工業用水)】 
   対象地域において淀川水系に依存する需要水量
         約 144 m3/s:現行計画(平成12年度目標)
           ↓
         約 114 m3/s:次期計画(平成27年度目標)
【農業用水】
   対象地域において淀川水系に依存する新規需要水量
         約 8.4 m3/s:現行計画(平成12年度目標)
           ↓
         約 6.6 m3/s:次期計画(平成27年度目標)

3.供給の目標
  水需要の見通しに対し、近年の降雨状況等による河川流況の変化を踏まえた上で、 地域の実情に即して安定的な水の利用を可能にすることを供給の目標としました。   
  このため、4.に示す施設整備を行い、これまでに整備した施設とあわせて、近年20年に2番目の規模の渇水時において毎秒約111立方メートルの都市用水の供給が可能であると見込んでいます。
(なお、計画当時の河川流況を基にすれば、その水量は毎秒約134立方メートルとなります。)

4.施設整備
 供給の目標である安定的な水の利用を可能とするため、次の事業の必要性を計画に位置付けました。
 ・川上ダム建設事業 (予定工期:昭和56年度から平成27年度まで)
 ・天ヶ瀬ダム再開発事業 (予定工期:平成元年度から平成27年度まで)

5.閣議決定、国土交通大臣決定予定日
平成21年4月17日(金)

添付資料
淀川水系における水資源開発基本計画の変更について(閣議決定案)(PDF ファイル168KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000038162.pdf

淀川水系における水資源開発基本計画(案)説明資料(PDF ファイル109KB)
http://www.mlit.go.jp/common/000038163.pdf

お問い合わせ先
国土交通省土地・水資源局 水資源部 水資源計画課水資源総合調整官 金子
TEL:(03)5253-8111 (内線31202)
国土交通省土地・水資源局 水資源部 水資源計画課企画専門官 細井
TEL:(03)5253-8111 (内線31203)
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2009-04-18(Sat)

国内工場、閉鎖100カ所超 08年度下期、上期の4倍 地域経済に大打撃

パナソニック 13工場 コマツ2工場・・・・、東芝はさらに3900人非正規切り

リストラはさらに加速している。
非正規切りに加え、正規も、さらに各地の工場閉鎖も相次いでいる。

2001年頃のリストラ・工場閉鎖もひどかったが、それ以上かも知れない。

地方自治体が誘致企業に数十億円もの補助金をつけて誘致を競ったのは、ついこの間だった。
政府も企業誘致のために支援策を用意した。
いたせりつくせりで、各地に進出した企業は、今度は撤退を競い合っている。

非正規切り、リストラもまだまだ続いている。
3月末までに19万人という計画だった。
契約期間を残して雇止めすることに世論の批判が集中し、ちょっと控えたらしい。
が、連休前にも期限が来るという話もある。

フランスでは、労働者がトヨタ、ソニーに対して、物理的抵抗に及んでいるらしい。
日本では、久しく見ない後景だが、いつまでも国民・労働者は黙ってはいない。

政府の経済危機対策が、どういう効果をもたらすのか。
たぶん、貧困と格差が広がるだけに終わるような気がする。




日経新聞 2009年4月18日
主要企業の国内工場、閉鎖100カ所超 08年度下期、上期の4倍
 世界同時不況に伴う需要の急減を受け、製造業が設備過剰の解消を急いでいる。主要企業が2008年度下期(10月―09年3月)に閉鎖を決めた国内工場は100カ所を超え、上期(08年4―9月)に比べ4倍に急増した。電機や機械、食品など幅広い業種が不採算事業を縮小。中国など新興国を中心とする成長市場の開拓に軸足を移し、事業構造を転換する。
 08年度に国内工場の閉鎖を公表した大手企業を日本経済新聞が独自集計したところ、下期は計110カ所で上期の28カ所に比べ大幅に増えた。このうち09年1―3月は94カ所と全体の7割を占め、閉鎖の勢いは増している。(07:01)

毎日新聞 2009年4月18日 2時12分
パナソニック電工:初の最終赤字に…業績予想を下方修正
 パナソニック電工は17日、09年3月期の連結業績予想を下方修正し、最終(当期)損益が従来予想の50億円の黒字から140億円の赤字(前期は454億円の黒字)になると発表した。創業以来初の赤字となる。コスト削減を図るため08年度に国内外6工場を閉鎖したのに続き、09年度も4カ所以上を閉鎖する。また今年4月から半年間、1日の就業時間を20分増やし、その分の残業手当を減らす賃金削減に着手した。
 赤字となるのは、競争力の低い電子材料工場の製造設備の減損処理など構造改革費用200億円を追加したため。6カ所の閉鎖費用など50億円に積み増した。
 07年度比で最大25%減としていた08年度の役員と管理職の報酬カットは、09年度も継続実施する。20分延長で1日8時間となる従業員の就業時間は、市況が改善しなければ延長することで労使が合意しているという。休日出勤、残業などの各種手当も削減する。こうした取り組みによるコスト削減効果は180億円に上る。会見した彦惣正義副社長は「役員や従業員が一定の痛みを分かち合い、難局を乗り切っていく」と強調した。【新宮達】
毎日新聞 2009年3月27日 23時37分
パナソニック:熊本と愛媛の2工場を閉鎖 
 パナソニックは27日、熊本県と愛媛県の半導体などの2工場を閉鎖し、別の工場に生産を集約すると発表した。約750人の従業員は解雇せず配置転換で対応する。パナソニックはグループで世界の50カ所前後の生産拠点を閉鎖する方針で、今回の工場閉鎖はその一環。
 熊本県の工場は9月末までに生産を終了し、組み立て工程を中国、マレーシアの工場に移管。愛媛県の工場は10月末で閉鎖し同県内の別の2工場に生産を集約する。


日経新聞 2009年4月18日
東芝、09年度の設備投資4割減 非正規3900人削減
 東芝は17日、2010年3月期の設備投資額を前期より4割圧縮するなどのリストラ策を発表した。前期に4500人削減した非正規社員も、さらに3900人減らす。前期が3500億円の最終赤字となるなか、5000億円規模の資本増強で財務を強化すると同時に一段のコスト構造改革にも踏み込み、中長期の成長に向けた経営基盤を強化する。
 09年3月期の本業のもうけを示す連結営業損益は2500億円の赤字と、赤字幅が計画より300億円縮小した。半導体の赤字縮小や薄型テレビの採算が改善したため。ただ繰り延べ税金資産の一部取り崩しで最終赤字が従来予想より700億円拡大した。
 連結売上高は13%減の6兆6500億円程度で、従来予想を500億円下回った。携帯電話などデジタル製品や、家電部門が計画を下回った。(17日 22:32)

日経新聞 2009年4月14日
コマツ、国内2工場を閉鎖 創業地・小松など
 コマツは14日、創業の地である小松工場(石川県小松市)を含む国内の2工場、子会社1施設を閉鎖すると発表した。生産は国内の他の工場に移管し、約1400人の従業員は配置転換する。人員削減は実施しない。主力の土木建設工事向けの需要低迷が続いているうえ、産業機械も設備投資抑制の影響で受注が激減。2009年度も回復は望めないとみて、国内でも工場再編を本格化させる。
 土砂などを積載する20―30トンのダンプトラックや大型フォークリフトを生産する真岡工場(栃木県真岡市)を2010年7月末をめどに閉鎖。ダンプトラックは茨城工場(茨城県ひたちなか市)に、フォークリフトは子会社のコマツユーティリティ栃木工場(栃木県小山市)に生産移管する。ダンプトラックの場合で国内生産能力を35%減らし、年260台体制にする。
 小松工場は薄鋼板から自動車のボディーパネルを成型する大型プレス機を生産しているが、10年3月末をめどに閉鎖する。やはりプレス機を生産する金沢工場(金沢市)や関係会社に組み立てや部材加工を移す。(14日 20:37)

日経新聞 2009年4月18日
トヨタ仏工場、従業員が占拠 一時帰休時の待遇改善求める
 【パリ=古谷茂久】トヨタ自動車のオナン工場(フランス北部)で17日、一時帰休時の待遇改善を求める従業員が工場を占拠し、自動車の生産が止まった。新車販売の落ち込みでフランスでは自動車メーカーの従業員削減や一時帰休が増えており、トラブルが頻発している。
 小型車「ヤリス(日本名ヴィッツ)」を生産する同工場は昨年9月から一時帰休を実施。先週からストが続いていたが、16日夜から2700人の従業員のうち約300人が工場入り口を封鎖した。一時帰休時の支給額を現在の基本給の60%から100%に引き上げることなどを要求している。会社側は占拠を解くための仮処分手続きを進めている。 (00:13)

(共同)[2009年4月18日2時41分]
仏ソニー工場閉鎖で従業員が「葬儀」記事を印刷する
 フランス南西部ランド地方で17日、電機大手ソニーの工場閉鎖に抗議する従業員らが同工場の「葬儀」を行った。1984年に操業を始めた同工場は、17日で閉鎖されることが決まっている。
 従業員らは「ソニーがわれわれを殺した。犠牲者は(従業員)311人」と書かれた横断幕を掲げ、ショパンの「葬送」を口ずさみながら「葬列」を演出した。
 同工場では解雇補償金の額をめぐり労使が対立、3月には説明に出掛けたソニー・フランス社長が一時軟禁される騒ぎが起きた。


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2009-04-17(Fri)

ますます深刻 追い出し屋被害 各地で提訴 不動産管理会社など訴える 

かたや、主要家賃保証会社29社 売上高前年比42%増 

国土交通省は、2月に家賃保証会社を対象にしたガイドラインを作成した。
しかし、それ以後も被害は後を絶たない。
最近は管理会社による追い出し行為が横行しているらしい。

帝国データバンクの調査では、家賃保証会社が売り上げを42%も増やしている。
不動産会社など不況のただ中にあって、なぜ、増益できるのか。

・・・・同社は「ハウジングプア(住まいの貧困)の低所得者が急増しているのが短期間で急成長した背景」とみている。
まさに「貧困ビジネス」だ。

低所得者が保障されるべき「住まい」を供給しない国や自治体の責任は大きい。




朝日新聞 2009年4月17日
追い出し屋被害、大阪や兵庫で提訴 電話相談も開設
 家賃滞納を理由に強引に退去を迫られ、居住権を侵害されたとして、大阪など3府県の借り主が16日、家賃保証会社などに1人あたり110万~140万円の損害賠償を求め、大阪簡裁など4簡裁に提訴した。
 弁護団は「ハウジングプア(住まいの貧困)の温床となっている追い出し行為の違法性を追及するとともに、不明な点が多い賃貸住宅の管理・保証業務の実態を明らかにしたい」としている。
 訴えたのは大阪市、大阪府東大阪市、同府茨木市、兵庫県西宮市、宮崎市の30~50歳代の男女6人。被告は不動産管理会社、家賃保証会社など計8社と家主ら。
 訴状によると、原告は雇い止めや採用の内定取り消しで収入が断たれるなどし、家賃を滞納。その後、業者側から無断侵入や鍵交換、家財撤去などの追い出し行為を受けたという。
 同様の訴訟を、東京の20代と60代の男性が15日に起こし、大阪市、奈良県の借り主も訴訟準備を進めている。(室矢英樹)
     ◇
 「着の身着のままで手元のお金もわずか。途方に暮れるしかなかった」。提訴後、原告2人が記者会見に臨み、追い出された直後の心境を語った。
 大阪府東大阪市の男性(53)は昨年末、流通会社の内定を取り消され、2万5千円の家賃を2カ月分滞納。先月末の深夜、玄関を開けると、家財がすべてなくなっていた。やむなく、24時間営業のファストフード店で夜を明かした。雇い止めに遭った同府茨木市の男性(38)は鍵を換えられ、ネットカフェや駅などで4日間過ごし、トイレで水を飲んで空腹をしのいだ。
 2人は「追い出されても泣き寝入りする借り主は多いはず。国と自治体は法整備とともに、相談窓口をつくって助けてほしい」と求めた。
     ◇
 弁護団の「全国追い出し屋対策会議」(代表幹事・増田尚弁護士)は19、20の両日、無料の電話相談会「追い出し屋被害ホットライン」を開設する。
 東京=0120・442・423(19日午前10時~午後6時)▽大阪=06・6361・0546(同日午前10時~午後4時)▽福岡=092・741・4566(20日午前10時~午後4時)


毎日新聞 2009年4月15日 11時41分 更新:4月15日 12時0分
追い出し屋:不動産管理会社などを提訴 被害の大学生ら
 短期間の家賃滞納を理由にアパートから追い出したのは違法だとして、東京都内の男子大学生(25)と60代の営業職の男性が15日、不動産管理会社など4社を相手取り、1人あたり200万円の慰謝料などを求めて東京地裁に提訴した。不況の影響で家賃支払いが遅れ、退去させられるケースが増えているといい、大阪や宮崎など3府県でも近く元派遣社員らが同種の訴訟を起こす予定。原告側弁護団は「一斉提訴で『追い出し屋』への法規制を促したい」としている。
 訴状などによると、大学生は05年に杉並区のアパートに入居。生活苦のため、今年1月末に2月分の家賃7万7000円の支払いが遅れた。管理会社は2月中旬、ドアを開けられないようにする器具を設置。大学生は滞納分を払って3月下旬に部屋に戻ったが、撤去されたパソコンなどは返還されていない。
 60代の男性は昭島市のアパートに住んでいたが、昨年12月分の家賃を滞納したところ、鍵を交換され、荷物も撤去された。現在は別のアパートで暮らしている。
 原告側はこうした管理会社の「追い出し」行為により、原告の居住権が侵害されたとしている。
 60代男性は記者会見し、「自分がだらしないのが原因だとは思うが、会社の対応は納得できない。他にも同じ立場の人がいると思うので、少しでも良い結果が出るようにと提訴した」と話した。
 不動産管理会社側は「訴状を見て対応を検討したい」などとしている。【工藤哲】
 ◇無料で被害相談
 住まいの貧困問題に取り組む「全国追い出し屋対策会議」など3団体は19日午前10時~午後6時、家賃滞納を理由とする高額な違約金請求や、鍵の無断交換・荷物撤去の被害相談に無料で応じるホットライン(0120・442・423)を開設する。


東京新聞 2009年4月15日 夕刊
『追い出し屋』を一斉提訴 スマイルサービスは和解
 家賃滞納を理由に荷物を撤去されて精神的損害を受けたとして、都内の男性ら二人が十五日、不動産業者や管理会社を相手取り、慰謝料など計約四百七十万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。十六日には大阪、神戸、宮崎でも計七人が地元簡裁に提訴する。
 原告代理人弁護士によると、二人は翌月分の家賃振り込みが遅れただけで、勝手に玄関ドアの固定やカギ交換をされ、室内の荷物も撤去される「追い出し屋」の被害に遭った。
 一方、敷金礼金なしに入居できる「ゼロゼロ物件」の居住者ら九人が不動産業者「スマイルサービス」(東京都新宿区)に損害賠償を求めていた訴訟は十五日、東京地裁(松並重雄裁判長)で和解が成立。和解内容は明らかにされていない。
 同社に対しては昨年、居住者が計三千四百万円の損害賠償を求め提訴。今年三月には都内の男性が、不動産侵奪などの疑いで東京地検に刑事告訴。被害対策弁護団は「双方にとって満足できる内容で和解した」とした。

朝日新聞 2009年4月14日
売上高前年比42%増 主要家賃保証会社29社
 信用調査機関の帝国データバンク(東京)は13日、国内の主要な家賃保証会社29社の昨年1年間の売上高が前年比42%増の計216億3千万円にのぼったと発表した。平均業歴は8年11カ月で、消費者金融業からの参入組が目立つという。
 賃貸住宅の家賃滞納者が一部保証会社から強引に退去を迫られる「追い出し屋」被害が各地で続出。同社は「ハウジングプア(住まいの貧困)の低所得者が急増しているのが短期間で急成長した背景」とみている。(室矢英樹)
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2009-04-16(Thu)

「塩漬け」民間用地をURが買い上げ これでいいのか?

「景気悪化で計画が中断した民間の開発用地などを、独立行政法人・都市再生機構(UR)の資金で一時的に買い上げる」

政府・与党が検討していたが、どうなったのだろう。
追加経済対策で、住宅・不動産活性化支援のための金融対策として、7000億円が計上されている。
住宅ローンを貸し出す民間金融機関への保証100%などのため、住宅金融支援機構への出資や
都市再生機構、民都機構などへの資金投入する。
これ以外でも、不動産投資信託(REIT)への支援も日本政策投資銀行やゆうちょ銀行を通じて実施するらしい。

いわば不良資産となったものを買い上げ、整備して販売する。
どうも割り切れない。
買い上げ価格+整備費よりも高く売れなければ、損をする。その原資は税金。
これまでも、同じようなことやってきた。どうなったのだろう。損を出していないのだろうか。





朝日新聞 2009年4月5日
不動産業界の悲鳴を消せるのか?
筆者 阿部和義
 不動産業界が金融機関から資金が貸してもらえないために、土地も買えず運転資金も思うようにならずに倒産する業者が増えている。すでにこの欄でも書いたが、米国を中心にした外国資本が、サブプライムローン(低所得者に対する高い金利の住宅ローン)問題が起きて資金を引き揚げてしまっている。3月10日には、東証一部上場の不動産ファンドを運営しているパシフィックホールディングスが東京地裁に会社更生法の申請をして倒産した。負債総額は子会社2社を含めて約1940億円でかなりの額である。また、マンション分譲の(東証一部上場)が3月30日、破産手続を東京地裁に申し立てて受理された。負債総額は442億円である。
 パシフィックホールディングスは資金繰りが苦しくなって08年末には中国の不動産会社10社が資本参加することで一度は合意したが、決算で債務超過になることがわかって資本参加は白紙になり倒産した。
 パシフィックは、日本レジデンシャル投資法人と日本コマーシャル投資法人の2つの上場不動産投信(J-REIT)の母体(スポンサー)である。2法人は今後、新しい母体を探すことになる。
 J-REITは外国のファンドが引き揚げていったことから、07年5月のピーク時と比べると、価格は約7割になってしまった。08年10月には日本の上場不動産投信として初めてニューシティ・レジデンス投資法人が破綻した。
 国土交通省は3月23日、1月1日時点の公示地価を発表した。それによると、住宅地と商業地は全国平均がともに3年ぶりに下落した。外国からのファンドが入っていた東京、大阪、名古屋の大都市圏が全国平均を上回る大幅な落ち込みになった。こうした地価の下落が、一段と不動産業者に金融機関が融資を渋る一因にもなっている。
 J-REIT支援のため、与党は官民共同の投資ファンド設立の検討を始めた。日本政策投資銀行やゆうちょ銀行の資金を活用する。この資金をJ-REITに投資することで、不動産への購買意欲を増す効果を期待している。
 また、ビルやマンション建設計画が中断された都市部の再開発用地を、独立行政法人の「都市再生機構(UR)」を通して買い上げることも検討している。
 さらに「住宅金融支援機構」の長期固定ローン「フラット35」についても、マンション・住宅購入資金の10割(現行は9割)に融資額の上限を引き上げることも検討。これで頭金がなくても住宅ローンが組めるようになる。
 この10割ローンについて、三井康寿・住宅金融支援機構副理事長は「まだ決まったわけではない。国土交通省と相談して具体的なことを決めていきたい」と話している。
 政府・自民党は、景気対策の要になるとみている不動産価格を上げるため、国土交通省の関係機関を使っていく方針のようである。こうしたことで不動産業者の悲鳴は消えることになるのだろうか?


(2009年3月29日20時42分 読売新聞)
「塩漬け」民間用地のUR買い上げ、価格維持狙い与党検討
 景気悪化で計画が中断した民間の開発用地などを、独立行政法人・都市再生機構(UR)の資金で一時的に買い上げる案を与党が検討していることが29日、分かった。
 買い取り後にURが必要な整備を行って不動産価値を高めたうえで、将来、民間の開発事業者に売却する。市場取引を活性化し、不動産価格を下支えする狙いがある。
 外資系金融機関が不動産市場から投資を引き揚げたことによる資金調達難や、景気の急速な悪化による需要減を受け、都市部を中心にオフィスビルやマンションの開発計画が中断する事例が広がっている。開発の中断で塩漬けとなる土地が増えれば地価の一段の下落を招く恐れがある。「資産デフレ」による一層の景気悪化を回避するため、与党は近くまとめる追加景気対策に盛り込みたい考えだ。


毎日新聞 2009年3月29日 東京朝刊
不動産市場:公的支援 再開発用地、UR通じ買収--政府・与党方針
 政府・与党は28日、不況と金融危機の影響で冷え込む不動産市場の活性化対策を固めた。ビル、マンション建設計画が中断された都市部の再開発用地を、独立行政法人「都市再生機構(UR)」を通じて買い上げるのが柱。URによる土地の集約や周辺道路整備で開発しやすくした上で、民間業者に転売する。【赤間清広】
 金融危機の本格的な波及と景気の急激な落ち込みで、民間開発業者の経営は急速に悪化。オフィスビルやマンションを中核とする都市再開発計画が完成前に頓挫する事例が全国で相次いでいる。09年1月時点の公示地価は住宅地・商業地とも3年ぶりのマイナスを記録した。不動産不況の深刻化が、再開発計画の中断を招き、一層の地価下落につながる悪循環も引き起こしている。
 政府・与党は不動産不況が資産デフレに発展し、景気悪化を増幅させかねないと判断。不動産市場への公的支援に乗り出すことにした。買い入れ規模を調整し、09年度補正予算案への関連財源計上や、投資資金確保のためのURの増資も検討する。
 対策ではこのほか、銀行の貸し渋りと投資マネー流出で資金繰りが苦しくなっている不動産投資信託(REIT)への、日本政策投資銀行などを通じた投融資を拡大する。さらに、住宅金融支援機構の長期固定ローン「フラット35」融資の上限額を、マンション・住宅購入資金の10割(現行9割)に引き上げ、頭金なしでも住宅ローンが組めるようにすることも盛り込む。
 与党は、これらの対策を月内にまとめる金融市場安定化策などに反映させる。
==============
 ■ことば
 ◇都市再生機構
 通称UR(Urban Renaissance Agency)。「多摩ニュータウン」などを開発した都市基盤整備公団と、地域振興整備公団の地方都市開発整備部門とを04年7月に統合した国土交通省所管の独立行政法人。旧公団から受け継いだ約77万戸の賃貸住宅の管理に加え、地方自治体と提携し、財政融資資金などを活用した都市再開発事業も手掛けている。資本金9485億円(07年度末)のうち20億円が地方自治体の出資。残りは政府出資。


朝日新聞 2009年3月24日2時11分
不動産、しぼむ投資 公示地価下落 Jリート破綻痛手
最高価格地点の「山野楽器銀座本店」のある銀座も下落した=東京都中央区銀座4丁目、本社ヘリから、細川卓撮影
 景気悪化で、不動産投資は急速にしぼんでいる。市場の下支え役を期待された上場不動産投資信託(Jリート)も、1社の破綻(はたん)をきっかけに投資家が逃げ出した。新たな資金の出し手は見当たらず、地価の反転は期待薄だ。
 「あれは大失敗。不動産市場のリーマン・ショックだった」。不動産関係者が口をそろえるのは、昨年10月のニューシティ・レジデンス投資法人の破綻。Jリートの破綻は初めてで、市場は一気に冷え込んだ。
 Jリートは、一般投資家から集めた資金を元手に不動産を買い、収益を投資家に分配する仕組み。外資が撤退し、買い手が減る中で、今後の不動産市場を支える存在として、不動産業界や霞が関も期待していた。だが、ニューシティ破綻以降、リートの値動きを表す東証リート指数は800前後で推移。ピーク時(07年5月)の3分の1程度に落ち込んでいる。
 ニューシティ破綻の発表は所管する金融庁と国交省にとって「寝耳に水」の出来事だったとされる。市場の動揺を抑える対応も後手に回った。
 政府は昨年12月以降、日本銀行も巻き込み、09年中に1.2兆円とも言われるリートの借り換え資金支援対策を打ち出した。金融庁も昨秋以降、監督指針を一部改正するなど、制度面でリートの合併・再編を後押しする取り組みを進めている。ただ、一度失った投資家の信頼を取り戻すのは簡単ではない。
 都市未来総合研究所によると、上場企業などの不動産売却金額は、08年度上半期1兆963億円で、前年同期の46.7%。下期も2月までで前年同期の3分の1近くまで落ち込んでいる。
 国内勢が期待できない中、撤退した欧米資本に代わり、新興国資本に期待する向きもある。今月中旬、ある投資コンサルタント会社のメンバーが、東京都内で、日本の不動産への投資を検討している中国企業の役員と会った。相手側は、長期投資先の一つとして日本の不動産へ興味を示したという。しかし、結局、当分は投資を見合わせることになった。このコンサル会社の社長は「地価はどこまで下がるかわからない。今は時期尚早ということだろう」と話す。(座小田英史、日浦統)
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2009-04-15(Wed)

全国初の公募型公共事業 京都府、15日から受け付け

事業の公平性確保が課題
「人口が多い地域が優先され、小さな集落の声が届かなかったりしないか」など懸念


府民公募型安心・安全整備事業
http://www.pref.kyoto.jp/koubo-kouji/

事業の概要について(募集要領)
http://www.pref.kyoto.jp/koubo-kouji/jigyounaiyou.html

<参考>
住民から提案を募る「公募型公共事業」制度を導入 京都府
http://ajimura.blog39.fc2.com/blog-entry-401.html



Kyoto Shimbun 2009年4月14日(火)
全国初の公募型公共事業 京都府、15日から受け付け
 京都府は15日から、公共工事の実施個所の提案を住民から直接募る「府民公募型安心・安全整備事業」の受け付けを開始する。公募のほか工事の採否を決める審査委員会も公開する全国初の試みだが、地域間の公平性の確保や市町村のまちづくり計画との整合性など難問は多く、要望がどれだけ寄せられるのか注目される。
 公募型公共事業は住民の提案を生かし、公共事業への関心と行政の説明責任を高めていくのが目的。府管理道路の段差解消やガードレール、信号の設置や河川の護岸など小規模工事が対象で、事業費は本年度に60億円を見込んでいる。
 各広域振興局や警察署などのほか、府ホームページで9月30日まで応募を受け付ける。府ホームページからダウンロードできる提案書を府内の各広域振興局や警察署などに提出し、事業採用の可否は各振興局ごとに置く審査委員会で公開審査し、結果を公表する。審査会は締め切り前を含めて複数回開く。
 公募型公共事業に対して、府議会から「人口が多い地域が優先され、小さな集落の声が届かなかったりしないか」など懸念が出ているが、14日に開いた公募開始に向けた検討会で、麻生純副知事が「初めての事業手法であり試行錯誤だが、府民の暮らしの中での気づきを生かしたい」と述べ、府幹部らも事業が一部に偏らないよう公平性を確保することを確認した。(岡本晃明)


毎日新聞 2009年4月15日 地方版
府:「住民提案で工事」始動 公募型安全・安心整備事業、募集要領決まる /京都
 ◇きょうから受け付け 採否・審査経過を公表
 住民の提案を府が直接取り入れて道路の段差解消や信号機設置など「身近な安心・安全」のための工事を行う「府民公募型安心・安全整備事業」の募集要領が14日、決まった。府は全国初で経済対策にもなるとアピール。市町村からの要望枠も含めて今年度当初予算に60億円を計上した。審査基準ガイドラインを策定し、採否や審査の経過は公表する。15日から府庁や四つの広域振興局、各警察署などの窓口、府のホームページ(HP)などで受け付ける。【太田裕之】
 14日に検討委(座長・麻生純副知事)を開いて決めた。対象は府管理の道路・河川・施設で、効果が特定の個人団体に限られず、比較的小規模な工事。具体的には舗装の補修▽ガードレールや転落防止柵の設置▽河川の護岸や堤防修繕--なども想定している。
 府民から所定の提案書を受けると、担当部署が事業の対象かどうか、公共性や必要性、投資効果、地域やまちづくりとの整合性などについて、市町村とも相談しながら審査する。この結果を基に府庁と各広域振興局に設置する審査委員会を開いて採否を決定する。審査委には民間の学識経験者も入り、公開する。担当部署の審査経過も含めて府のHPで公表する。
 ただ、予算枠には市町村からの要望で行う工事も含み、府民の直接提案に応じられる額は分かっていない。寄せられる提案数の見通しもつかないが、1件当たりの上限額や地域別の配分も特に定めない。募集期間は9月30日までで、この日の検討委では「(予算を使い切り)早いもの勝ちになるのでは」との戸惑いの声も出たが、事務局の財政課は「各審査委員会は複数回開いてもらい、全体の進ちょく状況と予算のバランスをとりながら、期間内に寄せられた提案はすべて審査対象としたい」としている。
 検討委顧問の新川達郎・同志社大大学院総合政策科学研究科教授は「意欲的な取り組みでぜひ成功させてほしい。大事なのは府民に見えやすく、提案が的確公正に反映されること。経済性にも留意し、スピード感ももってほしい」と注文した。
 提案書は府のHP(http://www.pref.kyoto.jp/koubo‐kouji/)や各窓口で入手できる。問い合わせは各広域振興局や府建設交通部監理課(075・414・5184)。
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2009-04-15(Wed)

トヨタ・ショック  井上久男・伊藤博敏/編著 

トヨタ・ショック  井上久男・伊藤博敏/編著 


トヨタ・ショック

書名:トヨタ・ショック         著者: 井上久男・伊藤博敏/編著 
出版:講談社             発行年月:2009年02月
価格:1,500円(税込)

本の内容
赤字転落、人員削減、賃金カット、社長交代。世界ナンバーワンのトヨタがなぜ失速したのか。トヨタは甦るのか。甦るとしたら、それはいつなのか。いま日本経済の根幹が変わろうとしている!トヨタと日本経済の「これから」が見える必読の一冊。

目次
プロローグ まさかあのトヨタが…
第1部 最強トヨタにいったい何が起きたのか(立ちすくむ巨人・トヨタ
     拡がるトヨタ・ショック
     日本経済の悲鳴と悲劇—数字で見るトヨタ・ショックの波及力)
第2部 トヨタ・ショックの「先」を読む(トヨタ・ショックの出口
     もしトヨタが国内生産300万台を切ったら—スモール・トヨタという悪夢
     トヨタ・ショックで見えてきた日本経済の実力)
     自動車産業は生き残れるか

著者情報
井上 久男(イノウエ ヒサオ)
ジャーナリスト。1964年生まれ。九州大学卒業。大手電機メーカー勤務を経て、92年に朝日新聞入社。95年から経済部記者としてトヨタ自動車、日産自動車、松下電器産業(現パナソニック)などを担当。04年からフリー

伊藤 博敏(イトウ ヒロトシ)
ジャーナリスト。1955年福岡県生まれ

※セブンアンドワイより   http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32207143
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
購入日 2009年02月21日
読始日 2009年02月21日
読了日 2009年02月28日
<感想メモ>
 アメリカGMが自動車版サブプライムローンによって「架空の消費」をつくりだしていた、というNHKの報道番組を見て、トヨタはどうだったのだろうか、と思い、本書を購入。GMほどひどくはなかったが、アメリカで自動車販売する際に、自動車ローン債権を証券化し、ウオール街でその金融商品を市場化していたとういう手法は同じだった。アメリカの過剰=架空の消費力を当て込んで、現地生産に踏み出し、同じような金融手法により販売してきた。米の自動車市場が、右肩あがりでマイナスになることなど考えもしなかったトヨタ首脳部の経営判断の誤り。それが、一気に経常収支を7500億円も下落させる結果となった。「100年に一度」など自然現象の話ではなく、まさに「経営判断」の誤り・失敗に他ならない。なのに、犠牲は真っ先に派遣労働者に。だからこそ、トヨタの罪は重い。経営者の責任はきわめて大きい。この点を指摘する論調が、マスコミにも殆ど見られなかった。企業の社会的責任とは、こういったところに現われるようだ。
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2009-04-15(Wed)

市場原理主義が世界を滅ぼす! 〈日本人〉再生への提言

市場原理主義が世界を滅ぼす! 〈日本人〉再生への提言
高杉良/著

市場原理主義が世界を滅ぼす! 〈日本人〉再生への提言

書名:市場原理主義が世界を滅ぼす! 〈日本人〉再生への提言
著者:高杉良
出版:徳間文庫             発行年月:2009年02月
価格:620円(税込)

本の内容
「日本は小泉政権によって米国型資本主義、拝金主義に染め上げられ、企業はリストラで利潤を貪れることに味をしめた。その結果、いまの人心の荒廃ぶりは戦後の混乱期のそれと無残なほどに重なる」小泉‐竹中政権発足から一貫してその市場原理主義を批判し続けていた著者が万感の思いをこめて説いた、日本再生への道。

目次
第1章 倫理なきトップ
第2章 安倍退陣ショック
第3章 小泉改革“負の遺産”
第4章 メディアの腐敗
第5章 経済小説とその使命
第6章 経済成長か幸福追求か

著者情報
高杉 良(タカスギ リョウ)
1939年東京都生まれ
※セブンアンドワイより http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32186052

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購入日 2009年02月21日
読始日 2009年02月21日
読了日 2009年03月14日
<感想メモ>
 著者の高杉良の作品は初期のころからほとんど読んだと思う。企業とは、サラリーマンとは、なにかに興味をひかれ、実用書よりも読みやすいことから読み始めた。そんな親しみをもっていた作家が、政治に物申すというので、しかも、小泉竹中路線を批判しているというので読んだ。単行本を出していた2年前には、いまほど、小泉竹中路線の破綻が鮮明になってはいなかった。まだ、「改革」継続が主流だった。そんなとき、痛烈な竹中批判を繰り返していた。とりわけ、終身雇用制度など日本の企業経営の良さを主張してき高杉氏にしてみれば、新自由主義路線にかぶれ、短期利益、株主主権を追求する経営者とそのモラルハザードは、許しがたいものだったであろう。同時に、小泉竹中路線とは、いったいなんだったのか、という検証を行う上でも、傾聴に値する意見も多田あった

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2009-04-14(Tue)

続・高速道路値下げを考える 連休を前にして、膨らむ不公平感

鉄道や船、バスなど他の交通機関ははなぜ1000円にならないのか?

高速道路値下げに対して、「不公平だ」という声が広がっている。

巨額の税金を使って、
高速道路利用者(一部の)にだけ恩恵を与えることには、疑問を感じる。

そんな声が、連休を前に大きくなっているようだ。

先日発表した「追加経済対策」にも、不公平な施策が目白押しだ。
大企業や金持ちへの減税優遇、
セーフティネット対策、貧困と格差を是正する視点の欠如
将来につけを回す大型インフラ整備
そして、借金の穴埋めは消費税増税など国民負担増の押し付け・・・

この高速道路値下げは、政府の不公平な経済対策の縮図のようなもの。

環境問題など大きな問題があるのに、それが脇にやられ、
実際に恩恵をうけるのは、一部の利用者だけなのに、
さも、国民みんなが享受しているような錯覚を与えるようなまものだ。




毎日新聞 2009年4月8日 0時04分
記者の目:高速道路料金の大幅値下げ=位川一郎

 休日の高速道路料金を地方で「上限1000円」にする割引が、先月28日に本格スタートした。通行台数が増えて行楽地がにぎわう一方で、大渋滞や料金システムトラブルなど心配された混乱はなかった。利用者にはおおむね好評のようだ。しかし、残念ながらこの大幅値下げは筋の通った景気対策には見えない。メリットを受ける層が偏っている上、さまざまな副作用も予想される。国によるゆがんだ支援だと言わざるを得ない。

 今回の値下げの特徴は、休日に遠距離を走る乗用車への優遇が際立って大きい点にある。例えば、青森中央-名古屋の普通車の通常料金は2万600円だが、これが1000円に下がる(東京近郊を通らない場合)。割引率は何と95%だ。近距離ほど割引率は小さく、青森中央-盛岡なら4100円→1000円で76%の割引。一方、大型車は「上限1000円」の対象外なので休日昼間の割引がなく、平日も昼間なら3割引きにとどまる。そして、自動料金収受システム(ETC)機器のない車は、一部の例外を除き割引ゼロ。このアンバランスは尋常でない。当然ながら、ETC未搭載の人やトラック業界から「不公平だ」との不満が出ている。

 他の交通機関にも「全国一律○○円」といった割引は存在するが、それは民間企業の話。格安料金を提供しても全体として収益を最大化する、という一応合理的な理由がある。だが、税金を使った景気対策は性格が違う。一部の利用者を過大に優遇するのは禁じ手ではないか。

 「不公平」はもう少し広い意味でも指摘できる。「平日昼間3割引き」などを含む今回の値下げ全体で5000億円の財政負担(2年間)が生じるが、この巨額の支援をなぜ車という交通手段だけに与えるのだろう。高速道路が安くなれば、他の交通機関から利用者が流れる。日本旅客船協会によると、本州四国連絡高速道路などと競合するフェリー航路は、3月28、29日の輸送量が前年同期より3~5割も減ったという。

 自動車をめぐっては、地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)排出量の削減が国土交通省の重要な政策課題のはずだ。しかし、高速道路の値下げは、通行台数の増加や渋滞の拡大を通じてCO2の排出を増やす懸念もある。交通政策全体の中での位置づけが吟味されないまま、与党の選挙対策として出てきたのが今回の大幅値下げではないか。

 さらに、利用者自身も不便を被る可能性がある。スタート時の渋滞はさほどでなかったが、ゴールデンウイーク、お盆休み、年末年始の渋滞はやはり心配だ。ただでさえこうした時期の渋滞はドライバーを悩ませてきた。「上限1000円」で渋滞が悪化することはあっても、改善に向かうことがないのは明らかだ。

 このように問題の多い値下げだが、もう実行に移されてしまった。利用者は一度下がった料金に慣れるだろうから、期限である11年3月末で元の料金に戻せば反発は必至だ。だがそれでも、著しく不自然な「上限1000円」の部分だけは、延長せず2年で打ち切ってもらいたい。

 「平日3割引き」など他の値下げ部分まですべて廃止するのはさすがに影響が大きすぎるから、料金水準全体は現在の割引の平均的なところで維持せざるを得ないと思う。ただし、複雑な料金体系は整理した方がよい。今の料金は、曜日、時間帯、車種、ETCの有無によって割引率が違い、きわめて分かりにくい。割引の種類を減らした上で、原則として通常料金に一本化してはどうだろう。

 その場合、収入が恒常的に減るので、「高速道路建設で生じた約40兆円の債務を45年かけて料金収入で返済する」という現行計画は、根本から組み替えが必要になる。旧日本道路公団などの民営化時にできたこのスキームは、今の値下げが続く限りは国が年に何千億円も債務を肩代わりしないと維持できず、既に事実上破綻(はたん)している。それなら、返済期間を延ばすなどの見直しをして収入不足をカバーする方がよほどすっきりする。

 あるいは、財団法人・統計研究会の宮川公男理事長らが「便益を受ける利用者が負担するのが公平」だとして提言する「永久有料化」も、検討の価値がありそうだ。ちなみに、民主党が主張する無料化は、最終的に全債務を税金で返すことになり、高速道路を使わない人から見ると非常に不公平だと思う。私は反対だ。

 1000円であれ無料であれ、利用者にはありがたい。だが問題は全体としての費用対効果である。今回の値下げで地方の観光が活性化するかもしれないが、5000億円の財政負担に見合うかどうかは大いに疑問なのだ。(東京経済部)



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2009-04-13(Mon)

血涙 新楊家将 上 下   北方謙三/著

血涙 新楊家将 上 下   北方謙三/著
  

 血涙 新楊家将 上  血涙 新楊家将 下


書名:血涙 新楊家将 上 下     著者:北方謙三
出版:PHP文庫     発行年月:2009年04月
価格:上巻680円 下巻680円 (税込)

本の内容
☆上巻
 宋建国の英雄・楊業の死から2年。息子たちに再起の秋が訪れる。楊家軍再興—。六郎は、父が魂を込めて打った剣を佩き、戦場へ向かう。対するのは、強権の女王率いる遼国の名将・石幻果。剣を交えた瞬間、壮大な悲劇が幕を開ける。軍閥・楊一族を描いて第38回吉川英治文学賞に輝いた『楊家将』の続編でありながら新展開。『水滸伝』『楊令伝』に登場する宝刀「吹毛剣」の前史がここにある。

☆下巻
 闘うことでしか生きられない者たちに勝敗を決する秋が来た。「吹毛剣」を手に戦う六郎に、父楊業の魂が乗り移る。その剣に打たれたとき、遼国の名将・石幻果の記憶がにわかに蘇る。運命に弄ばれた男たちの哀しみを描く慟哭の終章。乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、いま静かに幕を降ろす。『水滸伝』に登場する青面獣楊志、楊令が佩く宝刀との奇しき因縁も明らかになる「北方楊家将」完結編。

著者情報
北方 謙三(キタカタ ケンゾウ)
1947年(昭和22年)、佐賀県唐津市生まれ。作家。ハードボイルド小説を発表しながら、日本及び中国を舞台にした歴史・時代小説に取り組む。おもな現代小説に、『眠りなき夜』(日本冒険小説協会大賞・吉川英治文学新人賞)など。歴史・時代小説に、『破軍の星』(柴田錬三郎賞)、『独り群せず』(舟橋聖一文学賞)、『水滸伝』(全19巻+別冊1巻、司馬遼太郎賞)など。『楊家将』(上・下)で、第38回吉川英治文学賞を受賞

著者情報

※セブンアンドワイより   http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32216239
http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32216240
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購入日 2008年04月04日 
読始日 2008年04月04日
読了日 2008年04月10日
<感想メモ>
 文庫本が出るまで、待ち続けた。何度か単行本に手をかけたが、文庫の「楊家将」に合わせようと我慢した。待ったかいがあって、楽しみながら読むことができた。宝刀「吹毛剣」の前史、まさに、水滸伝や楊令伝につながる物語だ。闘うことでしか生きられない者たちだからこそ、背負わざるを得ない「血涙」。哀しくもせつない気分にもさせられる。記憶をなくして遼の王族に婿入りし将軍となった主人公・石幻果こと楊四郎、耶律休哥が四郎を斬ることで、迷いを吹っ切り、楊家の兄弟たちと刃を交える。「血の涙をながしながら」。
以前読んだ「楊家将」も紹介する。
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楊家将 上 下   著者:北方兼三

楊家将 上   楊家将 下

  
書名: 楊家将 上 下   著者:北方兼三
出版: PHP文庫   発行年月 2006年7月
価格: 上巻680円・下巻650円 (税込)

☆上巻
中国で「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていないこの物語が、作家・北方謙三により新たなる命を吹き込まれ、動き始めた。; 物語の舞台は10世紀末の中国。小国乱立の時代は終わりを告げ、中原に残るは北漢と宋のみ。楊家は北漢の軍閥だったが、宋に帰順。やがて北漢は滅び、宋が中原を制する。; その宋の領土を北から虎視眈々と狙うのが、遼という国。強力な騎馬軍団を擁するこの国は、宋の一部であった燕雲十六州を奪い取り、幼い帝を支える蕭太后の命により、南下の機会を窺っていた。; 奪われた地を取り戻すのは宋王の悲願――。外様であり、北辺の守りを任されている楊家は、遼との血戦で常に最前線に立たされる。楊家の長で「伝説の英雄」として語り継がれる楊業と七人の息子たちの熱き闘い。苛酷な運命のなかで燦然と光を放った男たちを描き、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』、待望の文庫化。
☆下巻
 国境を挟み、宋遼二国は一触即発の状態に。宋の北辺を守る楊業と息子たちの前に、遼の名将・耶律休哥が立ちはだかる。神出鬼没、白い毛をたなびかせて北の土漠を疾駆するこの男は、「白き狼」と恐れられていた。意のままに動く赤騎兵を従えた「白き狼」の出現に、さすがの楊家軍も、思うように動けない。; 楊一族を苦しめたのは、敵将ばかりではない。力はあっても新参者の楊業に対し、宋軍生え抜きの将軍、文官たちが、次々と難問を突きつける。建国の苦悩のなかで、内なる戦いも始まっていたのだ。; 運命に導かれるように戦場に向かう男たち。天はいずれに味方するのか。滅びゆく者たちの叫びが切々と胸に迫る。最後の場面のためにそれまでの850枚があったかと思わせる感動のクライマックス。この先を読みたい、との読者の熱い要望に応え、著者は現在、続編「血涙」を執筆中だ。「水滸伝」に勝るとも劣らない英傑たちが活躍する北方『楊家将』、怒涛の後編。
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2009-04-12(Sun)

追加経済対策:景気浮揚効果は限定的、負担は将来の消費税増税

経済的弱者救済置き去り、大企業・金持ち優遇 いかにも自民党的すぎる



東京新聞 2009年4月11日
【社説】景気対策 選挙目当て懸念が残る
 政府・与党が十五兆円余の財政支出を伴う過去最大の追加経済対策を決めた。経済危機への対応が不可欠とはいえ、選挙対策のようなばらまき支出も散見される。徹底した中身の精査が必要だ。
 麻生太郎首相が六日に与謝野馨財務相兼経済財政担当相に十兆円超の補正予算編成を指示したと思ったら、わずか四日で歳出規模が五兆円も膨らんでしまった。これには驚いた国民も多かっただろう。なんでもかんでも丼に盛り込んだようで、いかにも安易な印象が残る。
 中身をみると、たしかに必要と思われる項目もある。非正規雇用労働者を念頭にした雇用調整助成金の積み増しや職業訓練中の失業者に対する生活費支給、小中学校をはじめとする公共施設の耐震化、介護職員の待遇改善などはうなずける。道路の無電柱化も長い目でみれば、景観改善に役立つ。
 低燃費車への買い替えや省エネ家電の購入促進策は自動車や家電といった個別業界に対する支援策ではあるが、環境対策にもなるので、ぎりぎり及第点だろう。
 だが、道路や橋、港湾といった従来型公共事業の枠を出ない事業についても予算がついた。その中には整備新幹線もある。
 目先の景気刺激という点で公共事業には即効性があるが、やや長い目でみたときに、投入する税金と得られる便益を比べて無駄がないかどうか。ここは、しっかり見極めねばならない。
 株価対策として政府が株式を買い取る仕組みを整備して、五十兆円という巨額の政府保証枠も用意するという。政府の大規模介入は市場で取引される株式の適正な価格形成を損なう恐れがある。制度を慎重に考えるべきだ。
 十五兆円の財源は「霞が関埋蔵金」と呼ばれる特別会計の積立金が一部充当されるものの、大部分は建設国債と赤字国債で賄われる見通しだ。景気回復したときには、税金で借金を返済せざるをえない。家計は先に消費税増税が控えている、と懸念している。
 国債発行増を見越して、金融市場でははやくも長期金利が上昇してきた。政府が非常時の景気対策に踏み出す以上、日銀も連携を強めて国債買い入れの増額を検討すべきではないか。
 追加経済対策がまとまり、衆院解散・総選挙の時期にも注目が集まっている。国会に提出されれば、与党による選挙目当て対策になっていないかどうか、中身について議論を尽くすべきだ。

毎日新聞 2009年4月11日 東京朝刊
追加経済対策:15兆円、両刃の剣 国債大量発行、景気回復阻害も
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR 経済>
 15・4兆円の真水(財政支出)を投入する政府の追加経済対策は「全治3年」(麻生太郎首相)といわれる日本経済を回復の道筋に押し上げることができるのか。対策を進めても、09年度は「ようやく先進国並みのマイナス幅」(与謝野馨財務・金融・経済財政担当相)にとどまり、プラス成長に浮上するのは早くても10年度以降だ。財源確保のため大量発行する国債が、景気回復の足を引っ張る可能性もあり、過去最大の景気対策は「両刃の剣」だ。【上田宏明、斉藤望、赤間清広】
 政府は昨年12月、09年度の日本経済がゼロ成長に失速するとの経済見通しを公表。しかし、3月に経済協力開発機構(OECD)が公表した見通しでは、日本は先進国中最悪のマイナス6・6%(09年)だった。与謝野氏は「放っておけば成長率が6~7%落ちるところを(経済対策で)2%程度戻すことになる」と説明した。雇用も、対策がなければ失業率が現在の4・4%から約3ポイント悪化し、約200万人の失業者が発生する可能性があったと指摘。過去最悪の5・5%にまで悪化しない範囲に抑制できる効果があるとした。
 麻生太郎首相は会見で、「今回の景気対策は未来の成長につなげることを重視した。公共事業も15兆円のうち2・4兆円に抑えた」と、公共事業を中心とした歴代政権の経済対策との違いを強調した。
 環境対応車(エコカー)と省エネ家電の購入補助制度に関係業界は「需要回復の起爆剤に」と期待を寄せる。自動車と家電は部品メーカーなど関連業種が多く、みずほ総研は「高い波及効果が見込まれる」と指摘する。
 ただ、制度が動き出すのは、09年度補正予算の成立が前提。予算審議が長引いて実施が遅れれば、「消費者に買い控えが広がり、エコカー減税など既存の政策効果が半減しかねない」(アナリスト)。
 また、国債の大量発行が長期金利の上昇を招き、景気の足を引っ張る可能性もある。企業の資金調達コストが高くなり、業績が悪化するだけでなく、金融機関の貸し渋りにもつながりかねない。メガバンクだけで1行あたり20兆~30兆円と大量の国債を保有。金利が上昇すればその分国債の時価が下落し、数千億円規模で含み損を抱えかねず、企業への貸し出しを抑制するかもしれないからだ。
 ◇基礎収支黒字化「ぼろぼろの旗」
 過去最大規模の追加経済対策の実施で10兆円を超える国債発行が必要になり、借金の大幅な増加が、現状ですら「火の車」の国の財政を、一段と悪化させることになる。将来世代に過大な「ツケ」を回さないためにも、新たな財政再建の道筋づくりが急務だ。今回の経済対策の策定に当たっては、国の財布を握る財務省に、与党から大規模な財政支出を求める強い圧力があった。財務省幹部は「誰も彼も政局と選挙のことしか頭にない」と疲れ切った表情で語った。
 月内にもまとまる09年度補正予算案では、赤字国債や建設国債の発行額は合わせて10兆円を超え、当初予算と合わせた09年度の国債発行額も過去最大の40兆円以上になる見通し。08年度末の国・地方の長期債務残高は787兆円と、先進国で最悪の水準だが、更に借金が大幅に積み上がることになる。
 政府が、財政再建の「一里塚」として目指してきた11年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化させるとの目標実現は不可能な状況。麻生首相は9日の会見で、「ぼろぼろになった旗(目標)だが一応立っている」と述べた。
 政府は昨年12月、税財政改革の道筋を示す「中期プログラム」をまとめたが、今回の追加経済対策には早くも改定の必要性を盛り込んだ。麻生首相は10日の会見で「消費税を含む税制抜本改革は、景気を立て直すことを前提に必ず実施する」と強調したが、与党内には「選挙を前に消費税論議などできるわけがない」との声が強く、踏み込んだ再建路線を打ち出すのは困難なのが実情だ。【平地修】
 ◇バラマキの印象--井堀利宏・東京大学大学院教授
 積極予算となった09年度当初予算や公共事業の前倒し執行の効果を検証するのが先決で、厳しい財政の中で15・4兆円もの補正はやりすぎだ。まず総額ありきで、経済対策の名のもと、バラマキをした印象を受ける。景気浮揚効果は限定的で、負担は将来に回る。このようなバラマキでは、将来的に消費税などの増税をしようとしても国民の理解は得られない。

日経新聞 2009年4月11日
社説 改革を進めてこそ需要追加策が生きる(4/11)
 政府・与党は10日、財政支出規模で15兆4000億円にのぼる「過去最大規模」の追加経済対策を決めた。日本経済の急速な悪化が続くなかで、大型の財政出動は景気底割れを防ぐために必要な措置だ。政府は、ばらまきを抑えるよう歳出項目を厳しく査定して関連法案づくりを急ぐとともに、規制緩和など構造改革も両輪で進め、中長期的な成長力強化を目指すべきだ。
環境配慮の対策は前進
 先の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)では財政出動の推進で合意した。米国や国際通貨基金(IMF)は各国に国内総生産(GDP)比で2%を超す財政出動を求めていた。今回の対策はGDP比で約3%になる。
 対策の目玉の一つは「低炭素・循環型社会」を目指し、環境配慮型の需要創出策を盛り込んだことだ。オバマ米大統領が進める「グリーン・ニューディール」を意識したものだ。家庭での太陽光発電の促進策、環境対応車への買い替えへの補助金、冷蔵庫、エアコンなど省エネ対応家電の購入支援などを打ち出した。
 具体的な制度設計や対策が実施されるまでの買い控えをどう抑えるかなどの工夫は必要になるが、低炭素社会づくりという中長期目標に即し、短期的には輸出不振で苦しむ産業界を支援する対策といえる。
 税制では、贈与税の非課税枠を住宅の購入・改修に限り現行の年110万円から610万円に時限的に拡大する。多額の金融資産を持つ高齢者層から、若い世代への生前贈与を促し、住宅関連の投資・消費を刺激するのがねらいだ。「金持ち優遇」との批判を恐れたのか減税規模が小幅にとどまったのは残念だ。富裕層のお金が消費にまわれば経済全体にはプラスになる。
 過去の景気対策の多くは、歳出の中身よりも金額を膨らませ、全国に事業をばらまくことに主眼を置いていた。今回の対策は過去に比べると歳出や減税の中身に工夫した跡はあるが、よくみると本当に景気対策として有効なのか首をかしげたくなるものも少なくない。
 その一例が、就学前3年間の子供に年3万6000円を支給する「子育て応援特別手当」を第一子にまで拡充する措置だ。需要刺激効果は不明なうえ、今年度1年限りの時限措置にしたことで少子化対策としての意味合いも薄い。自民党と公明党の妥協の産物で、中途半端な政策だ。
 公共事業についても、羽田空港の国際化促進や東京外環道の整備など日本の競争力強化につながりそうな項目も入ったが、「整備新幹線の着実な整備」など従来の延長線上の項目も潜り込んでいる。
 国の直轄公共事業の地方負担分を軽くするための臨時交付金も盛り込んだ。国の事業にこれ以上つきあう余裕がないという地方の声に配慮したものだが、恒常化すれば地方分権や公共事業の規律を損なう危険もある。「農林漁業の底力発揮」「地方公共団体への配慮」という項目もばらまきにつながらないか心配だ。
 緊急時の株価対策も盛り込んだ。政府機関が市場から株式などを買い取る仕組みで、買い取り額は最大50兆円と、東京証券取引所第一部の時価総額の2割近くに及ぶ。株式相場は3月中旬以降は回復傾向にあるが、今後発表になる企業業績や見通しが悪ければ再び売りが膨らむ恐れがある。株安と実体経済の負の連鎖が起きて、景気が底割れするのを防ぐ手だてを備えておくことは意味がある。
株価対策の発動慎重に
 ただ、株価の人為的買い支えには副作用があることも忘れてはならない。株価は経営者の通信簿で、株安は経営者に改革を促す力にもなる。1990年代のバブル崩壊直後に実施した株価維持策は経営改革の先送りにつながり、景気低迷も長引いた。
 海外をみても政府による株買い支えは異例だ。株式の需給関係に着目するだけでなく、企業の成長力強化こそが抜本的な株価対策である点を忘れてはならない。銀行が企業の株を大量に持ち、株安が貸し渋りに直結する構造からの脱却も急務だ。
 今回の対策の文章をみると「改革」という言葉がほとんど見あたらない。中長期的に日本の成長力を高めるには、財政による一時的な需要追加だけでなく医療、介護、農業分野などでの雇用創出につながる大胆な規制改革も進める必要がある。単発の財政刺激策だけでは、生産性の低い部門の構造を転換し経済の足腰を強化することにはつながらない。
 すでに巨額の財政赤字を抱えるなかで対策の財源調達も難題だ。今回の対策を盛り込む今年度補正予算では国債を10兆円増発する見込み。政府系機関向けの資金を確保する財政投融資債も約6兆円発行する。大量増発した国債をどう安定的に消化するかについて、政府は日銀などとも連携し十分目配りしてほしい。

産経新聞 2009.4.11 04:00
【主張】追加経済対策 効果の検証が欠かせない
 政府・与党が追加経済対策を決定した。事業規模で56兆円超、財政支出で15・4兆円だ。その財源措置を盛り込む今年度補正予算案は経済対策として過去最大で、月内にも国会提出する。
 今回の対策で目立ったのは、何といっても15・4兆円という財政出動規模である。これまでの対策を合わせると、その規模は28兆円近くに上り、米国が各国に求める国内総生産(GDP)比2%の2倍以上に達する。
 経済財政諮問会議で民間議員が示した必要な財政出動規模の試算でも10兆円だったから、いかに膨らんだかがわかる。特別会計積立金や建設国債では足りずに、8兆円程度の赤字国債も増発する。
 先進国で突出して財政が悪化している国が、最大の財政出動を行うわけだ。そうである以上、対策効果も最大でなければならないが、それがはっきりしない。
 例えば住宅購入などが条件の贈与税軽減は、株式市場対策と合わせて資産デフレ防止に一定の効果があろう。だが、金持ち優遇との批判を恐れて子ども手当まで拡充した。一過性の効果しかない地方向け公共事業も拡大された。
 成長分野である環境対応に目を向けたのはいいが、エコカーへの買い替え支援にしろ、参考にしたドイツとは買い替えサイクルが違う。省エネ家電の購入支援では、量販店のポイント制度を考慮しないと混乱するだけだろう。
 麻生太郎首相が言うように景気の底割れは防がねばならないが、その財源は国民の借金である。対策でどれだけ需要と雇用が創出され、将来の成長にどう貢献するのか。その目標と効果が不透明では説明責任が果たせまい。
 首相はそれを一定期間ごとに検証し、国民の前に示すべきだ。もちろん、裏付けがないと指摘される首相肝いりである今後10年間の「成長戦略」も対象になる。
 もう一つ大事なのは、先進各国が景気対策と同時に練っている回復後の「出口戦略」、つまり財政健全化策だ。対策に盛り込まれた税制中期プログラムの改定だけでは具体性に欠ける。
 財政悪化は将来の成長を阻害しかねない。消費税への対応や基礎的財政収支黒字化の目標などをどうするのか。今年の骨太の方針に向け明確にせねばならない。
 過去最大のばらまき対策だったと批判されないよう、首相には重大な覚悟が求められる。


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2009-04-11(Sat)

「経済危機対策」(09年4月10日)の内容

(資料)



平成21年4月10日
麻生内閣総理大臣記者会見
http://www.kantei.go.jp/jp/asophoto/2009/04/10kaiken.html

平成21年4月10日、麻生総理は総理大臣官邸で記者会見を行い、追加の経済対策となる「経済危機対策」を発表しました。

 この「経済危機対策」は、深刻度を増す「世界金融危機」と戦後最大の「世界同時不況」の中で、わが国経済もまた、輸出市場の急激な収縮に直面するとともに、金融環境も厳しいものとなっているという状況に対応するためのものです。

 麻生総理は、まず、この対策の目標を「第一に景気の底割れを防ぐことです。しかし、単に景気対策のために需要を追加するだけでなく、次の二つのことにも力を入れました。その一つは生活者の安心であります。この不況の直撃を受ける人たちへの対策です。そのため雇用や社会保障、子育て支援に力を入れます。もう一つは、未来への成長、経済成長につなげることです。経済回復の先の社会を見すえた成長政策を考えました。そのために、今年だけでなく、多年度、複数年度を視野に入れたものとしました。」と説明しました。

 この対策の規模としては、内需下支えによる「底割れ」の防止、財政出動に関する国際協調の実践、予想される失業率悪化への対処、民需主導経済への円滑な移行などを考慮し、多年度による対応も視野に入れ、平成21年度補正予算により、国費15.4 兆円程度(事業費56.8兆円程度)の対応を行います。

 麻生総理は、「『景気』に加え、『安心』と『未来』がキーワードです。今回の対策を『安心と成長のための政策総動員』と申し上げます。今回の危機は戦後最大。 国民の総力を挙げた挑戦が必要です。対策の策定にあたり、私は多くの有識者から、この難局の克服方法についてご意見を頂戴しました。 このうち、今回の対応には約6割のご意見を提言に盛り込みませていただきました。残りのご意見についても、引き続き経済財政諮問会議などで検討してまいりたいと存じます。今回決定した経済対策を実行に移すため、必要な補正予算、関連法案を早急に取りまとめ、国会に提出いたしたいと存じます。野党のご理解もいただき成立を急ぎます。それが景気を回復させ、国民生活を守ることになると存じます。」と述べました。

関連リンク
配布資料 「経済危機対策」 (PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/asophoto/2009/04/090410siryou.pdf

麻生内閣総理大臣記者会見(平成21年4月10日)
http://www.kantei.go.jp/jp/asospeech/2009/04/10kaiken.html

麻生内閣総理大臣記者会見-平成21年4月10日 (政府インターネットテレビ)
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg2522.html

「経済危機対策」-平成21年4月10日-(「経済危機対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議資料) (PDF)
http://www.kantei.go.jp/jp/asophoto/2009/04/090410kikitaisaku.pdf


記者配布 平成21年4月10日
「経済危機対策」
対策規模 事業費 57 兆円
(財政出動) 15 兆円

1.景気の底割れ回避
①雇用対策 事業費2.5 兆円(国費1.9 兆円)
・ 雇用調整助成金の大幅拡充 6,000 億円
・ 職業訓練の拡充や訓練期間中の生活保障 7,000 億円
・ 緊急雇用創出事業の拡充 3,000 億円

②企業の資金繰り対策 事業費41.8 兆円(国費3.0 兆円)
・ 中小企業向けの緊急保証枠(事業費20 兆円→30 兆円へ拡大)
・ 政府系金融機関のセーフティネット貸付等(事業費10 兆円→17 兆円へ拡大)
・ 政策投資銀行・商工中金の危機対応業務等(事業規模20 兆円)

2.安心と活力の実現
①子供
・ 「安心こども基金」の増額 1,500 億円
- 保育サービス等の充実
- 母子家庭の母親の職業訓練、在宅就業の支援
・ 「子育て応援特別手当」の拡充 1,250 億円
・ 高校生の授業料減免・奨学金に対する緊急支援 500 億円
・ 女性特有のがん対策 220 億円

②医療・介護
・ 地域医療再生のための交付金の創設 3,100 億円
・ 介護職員の処遇改善 4,000 億円
・ 介護施設の緊急整備等 3,300 億円

3.未来への成長
①低炭素革命 事業費2.2 兆円(国費1.6 兆円)
・ 住宅やオフィスへの太陽光パネルの設置支援 470 億円
・ 公立小・中学校への太陽光パネル設置 600 億円
・ 環境対応車購入支援 3,700 億円
・ エコポイントの活用によるグリーン家電の普及 2,900 億円

②世界最先端の研究開発・海外派遣支援 3,000 億円
③ミッシングリンクの結合 2,500 億円

4.地方への配慮
①地域の公共投資を円滑に実施するための交付金 1.4 兆円
②地域活性化のための交付金 1.0 兆円

5.税制改正 0.1 兆円
①住宅取得のための贈与税の軽減
②中小企業の交際費課税の軽減
③研究開発税制の拡充
以 上
関連記事
2009-04-10(Fri)

15兆円補正―大盤振る舞いが過ぎる 金持ち・大企業優遇のばらまきが目につく

 「規模ありき」で紛れ込む 不要不急のメニュー 贈与税優遇措置や大都市圏環状道路など



10兆円が、ふたを開けてみたら15兆円になっていた。
やっぱり規模を優先させたばらまきになっている。、

雇用対策や福祉、地方活性化など生活に身近な事業もすこしはあるが、
高速道路などの大型事業が、なぜ景気対策になるのか不明だ。
贈与税も金持ち優遇だ。税のあり方そのものが問われているときなのに・・・

この財政支出は、いずれ消費税増税で穴埋めできる・・と考えているようだ。




朝日新聞 2009年4月10日(金)付
社説:15兆円補正―大盤振る舞いが過ぎる
 財政支出15兆円余、事業規模は57兆円。過去に例のない大規模な新経済対策を政府・与党がまとめた。
 米国政府に「国内総生産(GDP)の2%相当の財政刺激」を約束した麻生首相は2%、つまり10兆円規模の財政支出を指示していた。しかし、総選挙を控えた与党の議員から「需要不足が20兆円超とされるのに足りない」といったむき出しの要求が高まり、膨れ上がった。
 この結果、すでに決定ずみの対策も合わせると、今年度の財政出動はGDP比3~4%程度となる。超大型景気対策をとっている米国や中国とも肩を並べるような水準だ。いくら深刻な経済危機に直面しているとはいえ、先月成立した経済対策の予算執行が始まったばかりの段階で、これだけ大規模な追加対策が必要だったのだろうか。
 「規模ありき」で性急に検討が進んだため、メニューには不要不急の項目がかなり紛れ込んだようだ。
 検討過程で、自動車や不動産などの業界が与党議員に働きかける姿も目立った。このためか業界支援色が濃い。エコカーや省エネ家電への買い替え補助は低炭素社会への転換を大胆に促すほど厳しい基準は設けず、住宅取得目的の生前贈与減税にも踏み切った。
 各省庁も予算拡大に動いた。食糧自給率向上へ向け減反政策の見直しを進めている農林水産省は、その結論も出ていないのに、従来の減反を推し進める対策費の増額を盛り込んだ。
 世界経済危機に直面し、日本経済も大きな痛手を負った。ショックを緩和し、社会不安を防ぐ安全網を整備し、経済活性化策を打ち出すのは政府の役割である。だが、それにしても「大盤振る舞い」が過ぎないか。
 民主党も2年間で21兆円の財政出動をする経済対策をまとめた。与野党あげて選挙目当てで規模を競う様相となっており、歯止め役が不在だ。
 政府案では、今年度の新たな「国の借金」(新規国債発行額)は空前の43兆円超となる。不況による税収の大幅減が見込まれるので、さらに膨らむだろう。新規の国債発行を極力抑え、主要国最悪の財政状態を立て直そうとする財政再建路線は挫折した。「11年度に基礎的財政収支を黒字に」という旗を麻生政権は降ろしてはいないが、実際には葬り去ったも同じだ。
 消費刺激型の景気対策は、将来の需要の「先食い」でもある。そのために政府が借金するのは、子や孫の世代へ「負担のつけ回し」になる。一時的に景気刺激効果があっても、長い目でみればマイナス面が少なくない。
 米オバマ政権は大規模な景気対策を打ちながら、任期4年で財政赤字を半減という目標も掲げた。いばらの道ではあろう。だが、将来世代に対し責任を果たすことも、政治の役割である。

毎日新聞 2009年4月10日 0時16分
社説:15兆円対策 大盤振る舞いの結末は
 政府は10日、景気の急激な悪化を食い止め、新たな成長への転換を目指した追加経済対策を決定する。09年度当初予算が成立して間もない異例の時期の策定に加えて、規模も財政支出(国費)15兆4000億円、事業費56兆8000億円と史上空前の水準に達する。
 追加対策は景気底割れ回避の緊急施策に加え、中長期を展望した低炭素社会づくりや21世紀型インフラ整備などの施策、国民の安心や安全を実現する子育て対策などが盛り込まれる。この筋立ては理路整然としており、無駄を排除しているようにもみえるが、実態は全く異なる。旧態依然とした対策の策定過程といい、与党の選挙向けとも受け取られる要求に最大限の配慮をしたことといい、与党の言い分には疑問を持たざるを得ない。
 最大の問題は、規模を膨らますことが先行し、それに基づき与党内や経済界などの要求や要望を盛り込むことになった点だ。政府が月末にも提出する補正予算の基礎になる財政支出額は当初予算の一般歳出51兆7000億円の約3割にも相当する。
 この時期に、15兆円もの予算を組むとなれば、党利党略と受け取られかねない施策や、企業優遇、富裕者優遇の施策も少なからず入ってくる。大衆迎合的な施策も入りやすい。景気に効果のある施策を積み上げることで規模を確定するという本来の対策策定プロセスが逆転したことのマイナスはあまりに大きい。
 幾つか例を挙げよう。贈与税優遇措置は住宅購入時に限定されたが10年末までの時限措置として実施される。4月から税制優遇措置が始まっているエコカーのさらなる購入促進策も講じられる。地上波デジタル化のためのテレビ購入補助も入った。
 環境にやさしい自動車の普及は悪いことではないが、低炭素社会を視野に入れるのであれば、マイカーに頼らなくてもいいまちづくりや地域づくりに力を入れるべきなのだ。
 さらに、08年度の第2次補正予算で第2子以降に導入済みの子育て支援策を、第1子についても1年限りの措置として拡大する。ちなみに、民主党は中学卒業まですべての子どもに1人月額2万6000円の子ども手当を掲げている。
 こうした大盤振る舞いは大半を国債の増発で手当てしなければならない。これだけでも09年度の国債の新規発行は40兆円台半ばに達する。夏以降、さらなる追加対策が講じられれば50兆円に迫る。本当に「100年に1度」の危機であっても、将来に禍根を残す財政運営は許されるはずはない。財政を壊した時、そのツケはとてつもなく大きい。それを忘れてはならない。


(2009年4月10日01時50分 読売新聞)
緊急経済対策 「真水15兆円」を賢く使え(4月10日付・読売社説)
 事業費56・8兆円、財政出動の真水で15・4兆円という史上最大の景気対策を、政府・与党がまとめた。
 約10年前の金融不況時に小渕内閣が出した対策の2倍の規模で、戦後最悪の不況を食い止めるための大胆な財政出動だ。
 巨額の財政赤字というツケを残す「もろ刃の剣」でもある。景気浮揚と成長力強化の効果に優れた「賢い支出」にすべきだ。
 補正予算の編成・成立を急ぐとともにアイデアをぶつけ合い、内容に磨きをかけてもらいたい。
 15兆円の財政出動で約20兆円の需要が生まれるとの試算がある。日本経済の需要不足を穴埋めできる数字だ。内閣府は、7%台に上昇しそうな失業率が5・5%程度におさまると見込む。経済情勢からみて規模は妥当と言えよう。
 政策メニューには、雇用対策や中小企業の資金繰り支援など不況の痛みを和らげる応急策に加え、消費や投資など内需を呼び起こす政策も幅広く並んだ。米国など海外経済は早期回復の道筋が見えず外需に期待できないためだ。
 低燃費車や省エネ家電への買い替え補助は、本来の目的である地球環境改善と同時に、売れ行きの回復も期待される。一時的なブームに終わらぬよう、メーカーは補助なしでも売れる魅力的な商品の開発に全力を挙げてほしい。
 一方、贈与税の軽減は子や孫が住宅を買う場合などに限られた。非課税枠の追加も500万円と住宅購入の促進としては物足りない。「金持ち優遇」の批判を恐れ、使途や金額を抑えたのだろう。
 高齢者の抱える休眠資産を生かして経済が活性化すれば、恩恵は国民全体に及ぶはずだ。効果が出るよう、もっと拡充すべきだ。
 介護職員の処遇改善や介護施設整備への助成などは、成長が見込まれる福祉分野の雇用機会を広げる。ただし、3年間の時限措置では一時的な効果にとどまる。
 景気回復を待って消費税増税などで安定財源を確保し、社会保障をしっかり支えねばならない。
 景気浮揚の効果が高いとされる公共事業も、「環境」や「安全」など優先度の高い事業に絞って追加する。表看板に隠れてムダな事業が紛れ込んでいないか、徹底したチェックが欠かせない。
 対策に伴う国債発行は10兆円を超え、今年度全体では40兆円を上回る見込みだ。国債増発で長期金利が上がれば、民間投資の減少や円高などの副作用を招く。日銀による国債の買い入れ増額など、政府・日銀の連携が重要だ。



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2009-04-09(Thu)

直轄事業負担金:知事から批判噴出 国交省と意見交換 でもどっか変!

追加経済対策で地方負担の大幅軽減策に警戒感も

直轄事業負担金
―――知事会側は(1)直轄事業負担金の内訳を示す情報開示の徹底(2)維持管理費に関する負担金の早急な廃止(3)直轄事業そのものの縮小と将来の廃止--などを強く求めた。
これに対し、金子一義国交相は「情報開示を早々にやる」と回答。

橋下徹大阪府知事
―――「全くスルーで払っているのが行政の実情。明細すら確認しないで、払っていたわけだから」と語ったように、知事会側の姿勢も問われる性格のものだ。


与党の新たな交付金創設
――― 「一時的に負担が軽減されるかもしれないが、抜本的解決にはならない。国と地方のシステムをどうするかだ」。滋賀県知事が警戒感を示すと、岐阜県知事も「何年続くのか。終わったら3分の1負担を払えるのか、急に仕事が頓挫しては意味がない」。

四国地方の知事
―――「負担してでもやりたい県は、県が計画をつくって、国に代行してもらえばいい」と国依存ともとれる発言まで飛び出した。

どうも変だ。
国と地方がどっちが負担するか、で議論しているけど、
肝心の直轄事業の見直しこそやるべきではないのか。




西日本新聞 (2009年4月9日掲載)
直轄負担金協議 国、懐柔策に腐心 知事会は存廃論に温度差
 国直轄事業負担金の廃止をめぐり8日、物別れに終わった国と全国知事会の初の意見交換会。追加経済対策で地方負担の大幅軽減による懐柔策をちらつかせ、問題の根幹に踏み込まない国の消極姿勢がにじむ。知事会側は運用面の改善で前進があったと評価するが、小手先の改革にとどめない取り組みが求められる。
 「一時的に負担が軽減されるかもしれないが、抜本的解決にはならない。国と地方のシステムをどうするかだ」。滋賀県知事が警戒感を示すと、岐阜県知事も「何年続くのか。終わったら3分の1負担を払えるのか、急に仕事が頓挫しては意味がない」。与党の新たな交付金創設の動きをけん制した。
 ただ、まずは運用面の改善を求める声がこの日は目立った。請求の不透明さは不満だが、公共事業が減っても困る−。負担金の廃止や縮減は、直轄事業の総量減少の不安を伴う。知事会側がこの日、人件費や庁舎移転費などまで含まれる負担金制度の明細開示を最優先事項に掲げ交渉に臨んだのも、負担金の原則廃止を掲げながら足並みがそろっているとは言えない知事会内の空気を反映した結果だ。四国地方の知事からは「負担してでもやりたい県は、県が計画をつくって、国に代行してもらえばいい」と国依存ともとれる発言まで飛び出した。
 情報開示は国と知事会側の双方にとって妥協しやすい部分。むしろ、橋下徹大阪府知事が「全くスルーで払っているのが行政の実情。明細すら確認しないで、払っていたわけだから」と語ったように、知事会側の姿勢も問われる性格のものだ。運用面改善などに矮小(わいしょう)化してしまっては意味がない。安易な妥協は分権改革の歩みを後退させることになる。
 (東京報道部・高野靖之)
国直轄事業負担金
 道路、港湾の整備や河川改修など国直轄の公共事業の実施に当たり、都道府県と政令指定都市が受益者として負担する経費。自治体の負担割合は法律で定められており、道路の場合、新設・改築費用の3分の1、維持管理費の45%の負担が原則。都道府県が市町村に一部負担を求めることもある。2008年度当初予算での国土交通省関係の直轄事業費は約3兆3000億円、うち地方負担は約9000億円だった。

毎日新聞 2009年4月8日 22時01分
直轄事業負担金:知事から批判噴出 国交省と意見交換
 国直轄公共事業の地元負担のあり方に関する全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)と国土交通省などとの初めての意見交換会が8日、国交省内で開かれた。知事会側は(1)直轄事業負担金の内訳を示す情報開示の徹底(2)維持管理費に関する負担金の早急な廃止(3)直轄事業そのものの縮小と将来の廃止--などを強く求めた。これに対し、金子一義国交相は「情報開示を早々にやる」と回答。他のテーマについては今後、事務レベルで具体的な見直し協議を進めることになった。
 知事会からは、麻生会長や橋下徹大阪府知事、泉田裕彦新潟県知事ら12知事が出席。「(県主体の事業が減り直轄事業が増えて)直轄シフトが進んでいる。地域経済にとって歓迎できない」(橋本昌茨城県知事)など、負担金が大きすぎることや不透明さへの批判が相次いだ。国側は鳩山邦夫総務相、石破茂農相も出席した。
 直轄事業は、事業の種類ごとに建設費の3分の1、維持管理費の45%といった地元負担率が決まっている。財政難に苦しむ自治体では「全国的な観点で進められる事業に、地方負担を課すべきではない」として負担金の廃止を求める声が強い。意見交換会では、このうち特に負担感が大きい維持管理費への不満が噴出した。
 ただ、地方の負担金を廃止・縮小して国の負担が増えると、そのあおりで直轄事業が減り、結果的に地方での国の補助事業も減ってしまう可能性がある。このため、知事会側は直轄事業全体については将来の廃止を求めるにとどまり、自治体ごとに公共事業への依存度が違う事情をにじませた。

【位川一郎、石川貴教】
出席した知事の発言(敬称略)
麻生渡(福岡) 情報開示がないと先に進めない。来月いっぱいには提示して。
泉田裕彦(新潟) 直轄事業に予算を食われ、医療など予算が柔軟に組めない。
山田啓二(京都) 高速道路など基幹事業は国の責任で、それ以外は地方に移譲を。
橋下徹(大阪) 地方の負担削減だけの議論に矮小(わいしょう)化せず、国と地方の関係の抜本議論を。
真鍋武紀(香川) 香川河川国道事務所への県の負担は釈然としない。金額も適正か疑問。


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