川辺川ダムに人吉市長「反対」

「水害という被害よりも、対立で生まれた不信感の方が重大な地域被害」
加害者はダムに固執する国交省


人吉市議会で、市長が川辺川ダムに反対、撤回要求する意見を表明した。

田中信孝市長は、
「ダムによる治水対策は多くの市民に根強い抵抗感がある」と指摘。ダムによる球磨川水系全体の水質汚濁や自然環境悪化への懸念を示した。
 さらに近年多発するゲリラ豪雨にも触れ「予想をはるかに超えた大量豪雨に、果たして現在の治水ダムで対応できるのか」と疑問を投げかけ、護岸の強化や家屋のかさ上げのほか、植林の治水効果などを強調し「人吉球磨の自然を生かしきった経済施策の方が勝る」とした。
 最後に「計画発表から42年。水害という被害よりも、ダム建設をめぐり、仲良く暮らした住民同士が賛成反対に回り、対立で生まれた不信感の方が重大な地域被害」と訴え、国に計画の再考を強く迫った。(西日本新聞)

もっともな意見だ。とりわけ、42年間の地域の苦労が、身にしみて感じられる。

これだけの苦労を地域に与える国とはいったい何なのか。

中止決定もできない政府。総裁選でうかれてる場合じゃない。地域・国民のことをまず考えろ!



朝日新聞 2008年9月2日13時51分
熊本・川辺川ダムに人吉市長「反対」 知事判断に影響か
 国土交通省が熊本県相良村に建設を予定する川辺川ダム計画について、建設予定地の相良村に隣接する人吉市の田中信孝市長は2日、「市民の多くがダムに否定的。計画を白紙撤回し、住民の意見が反映された治水対策を講じるべきだ」と述べ、07年4月の初当選以来初めて、実質上の反対を表明した。2日開会した市議会9月定例会の冒頭で明らかにした。今月11日開会の県議会でダムへの賛否を表明する予定の蒲島郁夫知事の判断にも影響を与えそうだ。
 田中市長は「ダム建設の経済効果を否定はしないが、自然を生かした経済施策のほうが勝る」などと語った。ただ、議会後の記者会見では「貯水式ダムは白紙撤回を求める。流水式ダム(洪水時のみ水をためる穴あきダム)は現状では判断できない」と含みを残した。
 人吉市の福永浩介前市長は流域市町村でダム推進の中心的存在だったが、引退表明後に収賄事件で逮捕・起訴された。田中市長は07年4月の統一地方選では「賛成、反対などさまざまな意見を聞きたい」と「中立」を掲げ初当選。今年3月の知事選で初当選した蒲島知事が9月に態度を表明すると公約したため、「その前に見解を伝えたい」と話していた。
 川辺川を含む球磨川流域の関係12市町村長は大半が推進派だが、ダム建設予定地・相良村の徳田正臣村長が8月29日に「現時点では容認しがたい」と表明したほか、賛否を保留する首長もいる。(中村幸基)
     ◇
 蒲島知事は2日、人吉市長の態度表明について「ダムの影響を大きく受ける地域のトップの考えとして、深く受け止めている」と話した。

(2008年9月2日 読売新聞)
川辺川ダム、人吉市長が撤回要求「市民の多く否定的」
川辺川ダム
 国土交通省が熊本県相良村に計画する川辺川ダム建設計画について、流域にあたる同県人吉市の田中信孝市長は2日の市議会で、「ダムは自然環境悪化につながりかねず、市民の多くが否定的だ」と述べ、計画の白紙撤回を国に求める見解を表明した。
 蒲島郁夫知事は「治水に影響が大きい地域のトップの考えとして、重く受け止めているが、様々な意見を総合的に判断したい」と述べ、県議会初日の11日に賛否を表明することを明らかにした。多くの流域首長は推進の意思を示しているが、建設予定地の相良村長に続いて計画に否定的な見解が示されたことで、知事の判断に影響を与えそうだ。
 同ダム計画で、人吉市は治水上の受益地となる。田中市長は市議会の施政方針演説で、「集中豪雨が増えており、想定を超えた洪水が起きた場合、ダムがあると逆に危険性が増す恐れがある。何より水害に遭った市民がダムの危険性を訴えている」と述べた。
 そのうえで、「治水対策のみにダム目的が限られている以上、計画そのものを白紙撤回し、住民の意見がよく反映された治水対策を講じるべきだ。環境や人に優しい治水施設・対策を望む」と求めた。

2008/09/02 12:04 【共同通信】
人吉市長、川辺川ダム計画の撤回を 初めて態度表明
 国が計画中の川辺川ダム(熊本県)建設について、ダムによる治水の恩恵が最も大きいとされる同県人吉市の田中信孝市長は2日の市議会で「流域住民はダムに否定的。ダム計画を白紙撤回し、住民の意見がよく反映された治水対策を講じるべきではないか」と述べ、建設反対の意向を初めて示した。田中市長は昨年4月、推進派の前市長に代わりダム建設に「中立」の立場で当選、これまで賛否を明らかにしていなかった。
 川辺川ダムは地元住民の反対などで、計画発表から40年以上がたった今も本体工事が始まっていない。同県の蒲島郁夫知事は、地元の意見などを参考に9月県議会でダム建設の賛否を表明するとしている。
 田中市長は「想像を超える大量降雨にダムは対応できるのか」と疑問を呈した上で、ダム建設による直接的な経済効果より「自然を生かした(観光推進などの)経済施策の方が勝る」と強調。ダムが計画されてから長年経過していることも反対理由の1つとして挙げた。


=2008/09/02付 西日本新聞夕刊=
川辺川ダム 人吉市長が反対表明 国に白紙撤回求める
2008年9月2日 13:31 カテゴリー:社会 九州・山口 > 熊本
 国が熊本県相良村に建設を予定する川辺川ダム計画について、同県人吉市の田中信孝市長は2日開会した9月市議会で「計画を白紙撤回し、地域住民の意見がよく反映された治水対策を講じるべきだ」としてダム建設に反対の意向を表明した。
 同計画をめぐっては建設予定地の相良村長が既に反対を表明。ダム建設の影響を最も受ける人吉市の首長も計画に反対したことは、11日開会の県議会で賛否表明する蒲島郁夫知事の決断に大きな影響を与えそうだ。
 田中市長は議会の冒頭、約30分間、川辺川ダムへの見解を述べた。この中で、市長は5月に行った「市民の意見を聴く会」や地元紙の世論調査で6‐8割の市民がダムに否定的な意見を述べたことを紹介して「ダムによる治水対策は多くの市民に根強い抵抗感がある」と指摘。ダムによる球磨川水系全体の水質汚濁や自然環境悪化への懸念を示した。さらに近年多発するゲリラ豪雨にも触れ「予想をはるかに超えた大量豪雨に、果たして現在の治水ダムで対応できるのか」と疑問を投げかけ、護岸の強化や家屋のかさ上げのほか、植林の治水効果などを強調し「人吉球磨の自然を生かしきった経済施策の方が勝る」とした。
 最後に「計画発表から42年。水害という被害よりも、ダム建設をめぐり、仲良く暮らした住民同士が賛成反対に回り、対立で生まれた不信感の方が重大な地域被害」と訴え、国に計画の再考を強く迫った。
 田中市長は昨年4月に初当選し、これまで川辺川ダム計画に「中立」の立場を通していた。

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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