2011-08-02(Tue)

日航機墜落事故の報告書 分かりやすく

解説書 運輸安全委が公表

520人が犠牲になった1985年8月の日航ジャンボ機墜落事故。
87年に出された事故調査報告書の「解説書」が公表された。

事故から26年を経ているが、報告書の説明が十分でなかったため、
遺族の抱く疑問点について、分かりやすく説明するためだという。

作家の柳田邦男氏が寄稿し、「解説書」の意義を次のようにまとめている。

(1)事故調査を被害者および一般国民に対し開かれたものにするための扉を大きく開く役割を果たすものである。
(2)事故調査報告書をわかりやすく納得感のあるものにするための具体的な取り組みと進め方のモデルになる。情報公開の新しい形でもある。
(3)安全な社会を作る仕事である事故調査の中で、被害者・遺族ならではの気づきや被害者・遺族の理解と納得感を視野に入れることが重要であることを具体的に示す“教科書”的な意味を持つ。
(4)被害者・遺族もそれぞれの分野で仕事をこなす理性のある社会人であり、大切な人の喪失や命の危機という事態の中では、必死になって専門的なことであっても学び理解しようとするものだということを、専門家や行政官に理解してもらうための事例となる。
(5)運輸安全委員会と「8・12連絡会」の議論の場に、安全問題の専門家である操縦分野と整備分野のベテラン経験者がアドバイザーとして同席することによって、相互に理解と納得を深める役割を果たしたことは、参考にすべき取り組み方である。
(6)このような「解説書」の試みは、今後の事故調査報告書をわかりやすいものにするうえで大きな刺激となる。
(7)運輸安全委員会が対象にする分野以外の事故調査と報告書のまとめ方にも、参考にしてもらいたい取り組み方と内容になっている。



◇日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説(PDF)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kaisetsu.pdf
◇「この解説書の大きな意義 ~納得感のある開かれた事故調査への一歩~」(ノンフィクション作家 柳田邦男)(PDF)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kikou.pdf




運輸安全委員会トップページ
http://www.mlit.go.jp/jtsb/index.html
◆日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説
2011年7月29日
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123.html
 航空事故調査委員会(当時)が昭和62年6月に公表した日本航空株式会社123便の御巣鷹山墜落事故(昭和60年8月12日発生)に関する航空事故調査報告書について、ご遺族の皆さまの疑問点にできるだけ分かりやすく説明するため、本事故の遺族の会である「8・12連絡会」にご協力をいただき、当該報告書の解説書を作成いたしました。
 また、本解説書の公表にあたり、ノンフィクション作家の柳田邦男氏から、「この解説書の大きな意義 ~納得感のある開かれた事故調査への一歩~」と題する寄稿がありましたので、あわせてお知らせいたします。

◇日本航空123便の御巣鷹山墜落事故に係る航空事故調査報告書についての解説(PDF)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kaisetsu.pdf
◇「この解説書の大きな意義 ~納得感のある開かれた事故調査への一歩~」(ノンフィクション作家 柳田邦男)(PDF)
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kikou.pdf
*「8・12連絡会」ウェブサイトへのリンク
http://www.neverland.co.jp/8_12/

◇日本航空123便の御巣鷹山墜落事故調査報告書
◆事故調査報告書(昭和62年6月19日公表)
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/download/pdf/62-2-JA8119.pdf

◆事故の被害者・ご遺族への事故調査情報の提供
 航空・鉄道・船舶事故の被害者・ご遺族の皆さまに対しては、当該事故調査に関する情報を以下の窓口で提供いたします。
【事故調査情報提供窓口】
運輸安全委員会事務局 事故調査調整官
E-Mail:jtsb_faminfo@mlit.go.jp
電話:03-5253-8111 内線54134
FAX:03-5253-1680

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TBSニュース 2011年7月30日
日航機墜落事故、運輸安全委が解説書


520人が犠牲となった日航ジャンボ機の墜落事故からまもなく26年を迎えます。事故の原因をめぐり、遺族らの間に今も疑問の声があることを受け、運輸安全委員会は29日­までに、当時の事故調査報告書をわかりやすく説明した「解説書」をまとめました。


毎日新聞 2011年7月30日 東京朝刊
日航機墜落:要望受け遺族向け報告書、図で説明 圧力隔壁破壊→プール排水口を例に
 85年8月、520人が犠牲になった日航ジャンボ機墜落事故で、国土交通省運輸安全委員会は29日、遺族の要望を受け、87年にまとめた事故調査報告書を分かりやすく説明する解説書を作成した。原因の結論は同じだが、図や表を使って平易な表現で分析している。
 運輸省航空事故調査委員会(当時)の報告書は、米ボーイング社の修理ミスで強度が弱まっていた圧力隔壁が飛行中に壊れ、垂直尾翼などが破壊されて操縦不能になった、と結論づけている。
 しかし、遺族から「専門的過ぎて分かりにくい」との声のほか、圧力隔壁が壊れたとした点も「事実なら猛烈な風が機内を吹き抜けるはずなのに、証言は出ていない」などの疑問が寄せられていた。
 解説書は遺族の疑問にこたえる形で、同委員会が昨年10月から準備を始め、このほど完成した。
 圧力隔壁については、プールの排水口の例を挙げて「間近では激しく吸い込まれても、少し離れれば水の流れは感じない」と指摘。隔壁が破壊されても、機内の座席部分ではそれほど強い風にならないことを図付きで解説。また、事故発生直後の夜、ヘリコプターによるつり上げ救助がなされなかったことに触れ「夜間は火災の恐れもあって照明弾を投下できず、ヘリでのつり上げ救助は非常に危険だった。2次災害の恐れもあった」と説明した。
 遺族でつくる「8・12連絡会」の美谷島邦子事務局長は「解説書は遺族の思いに安全委が寄り添うことで完成した。遺族の納得できる事故調査への第一歩になればいい」と話した。
 解説書は全38ページ。同連絡会から遺族に配布された。【川上晃弘】


産経ニュース 2011.7.29 14:38
日航機墜落事故で「解説書」公表 運輸安全委、遺族の要望受け異例の措置
 520人が死亡した日航ジャンボ機墜落事故(昭和60年)をめぐり、運輸安全委員会は29日、事故原因の調査報告書を平易に説明し直した「解説書」を公開した。遺族からの要望に応えたもので、いったん発表された報告書を国が新たに解説する取り組みは初めて。
 事故2年後に航空事故調査委員会(現・運輸安全委)が公表した報告書では、機体後部の圧力隔壁が壊れて尾翼などが損傷、操縦不能に陥った-などと事故原因を推定。ただ、当時機内では隔壁破壊に伴う気圧の急激な低下を感じなかったとする生存者の証言があり疑問が絶えず、報告書が専門的過ぎて分かりにくいとの意見も根強かった。
 事故25年に当たる昨年8月、一部遺族が前原誠司国土交通相(当時)に面会しこうした現状を説明。これを受けて国は遺族との懇談会を設置し、難解な報告書の内容を分かりやすくした解説書作成を進めていた。
 解説書では、プールの水を抜いても排水口から離れていれば水の流れは弱いことを例に挙げ、隔壁が壊れても巨大なジャンボ機の機体で急減圧による猛烈な風が吹くわけではないことなどを丁寧に説明。遺族から寄せられた個々の疑問についても、改めて個別に回答している。

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この解説書の大きな意義 ~納得感のある開かれた事故調査への一歩~
ノンフィクション作家 柳 田 邦 男
http://www.mlit.go.jp/jtsb/kaisetsu/nikkou123-kikou.pdf
 昭和60年(1985年)8月12日、群馬県御巣鷹山に墜落し、520人が犠牲となった日本航空ジャンボ機事故からはや26年が経過した。幼き者であれば社会人となり、熟年層であれば老年期に入っているほどの長い歳月の流れである。時代変化の尺度で見れば、昭和初期の恐慌と農村疲弊の時代から満州事変、日中戦争、太平洋戦争を経て敗戦に至った20年間よりもずっと長い年月である。昔流に言えば、2昔も前の事故について、公的機関である運輸安全委員会が解説書を作成して公表するのは、なぜなのか。それにはどのような意味があるのか。
 私は、この事故の関係者ではないが、現代における「いのちの危機」をテーマに、事故、災害、公害、病気などの問題について取材し研究してきた作家として、日航機墜落事故の発生当時から事故原因をめぐる様々な問題についてフォローし、犠牲となった人々の遺族たちの歩みについても見つめてきた。御巣鷹山の現場にも何度となく慰霊の登山をし、遺族の心情に少しでも近づければと思ってきた。
 そのような中で、年月が経つほどにはっきりと見えてきたのは、遺族たちが亡き人たちに対し、《あの事故はこういう原因で起きたのだということがはっきりしたよ。あなたのような犠牲者を2度と出さないように、安全対策もしっかりと取られるようになったよ。》と、納得感をもって報告することができないという事実だった。供養できないのである。納得して報告することができないから、遺族たちの心には、いつも雲がかかったような状態に置かれてきた。
 その大きな理由は、当時の航空事故調査委員会が2年後にまとめた航空事故調査報告書が、専門的すぎて一般人にはわかりにくく、しかも遺族たちが抱いていたいくつもの疑問点に対して明確に答えてくれるような文脈になっていなかったところにあった。なぜそういう報告書が書かれたのか、その背景には、当時の事故調査委員会の事故調査についての考え方(パラダイム)が、視野の狭いものだったという点にあった。
 視野が狭いとは、航空事故のように高度に専門的な技術がからむ領域の問題については、一般人の知識レベルで理解できるように記述するのは無理である。専門家が理解して、それに対応する対策を立てればよい、報告書がすべてであって、解説書など必要がないという考え方に支配されていたという意味である。その視野の中には、事故の最も重要な関係者である被害者・遺族が入っていなかった。入っていなかったというより、被害者・遺族というものは、怒りや悲しみの感情が先に立つ人々であり、専門的な知識を持たない人々だから、客観性・科学性を重視する事故調査を妨げるおそれがあるとして、排除するに等しい考え方が支配的であった。
 もう一つ、事故調査とは何かという基本的な問題についても、視野が限定的だったという問題もあった。事故調査は、事故発生の技術的な問題点(欠陥、故障、エラーなど)を解明すれば原因を解明できたとする考え方である。そこにおいては技術的な問題の背景にあった、より根本的な原因というべき組織の要因について深く調査分析し、問題点を指摘するという取り組みは稀薄だったし、とくに被害者・遺族の問題を視野に入れるという発想はなかった。
 事故調査において、被害者・遺族の視点を導入する大きな転機となったのは、平成17年4月に発生した福知山線事故調査の過程で、いわゆるサバイバルファクター分析の重要性が指摘され、平成18年に改正された法律に、事故調査の対象を、事故原因だけでなく、被害の発生・拡大の原因にまで広げることを明記したことだった。「なぜ墜落する事態になったか」だけでなく、「なぜ死傷者が出たのか」「被害を少なくする方法はなかったのか」という問題についても、しっかりと調査するように義務づけられたのである。これは、国際航空分野では、ICAO(国際民間航空機関)の事故調査マニュアルで早くから求められていたことだったが、ようやくわが国でも被害者をめぐる問題の調査に取り組むようになったのである。
 平成20年10月、陸海空の事故調査機関を一本化した運輸安全委員会が発足したことに伴い、改正された法律では、合わせて被害者に対する情報提供も義務づけられたことを契機として、今年4月から事故調査情報提供窓口が設けられて、被害者・遺族の疑問や意見に対応するようになった。国の行政においては、21世紀を迎えてから、平成16年に犯罪被害者支援の基本法ができ、国土交通省においては、運輸事故の被害者支援の取り組みについて検討を始めるなど、国民の命に対する取り組みの中に被害者の視点を取り入れる動きがいろいろな分野で見られるようになったが、上記の2つの法改正は、そうした行政の変化と軌を一にするものととらえることができる。
 このような流れの中で、日航機墜落事故の遺族の会である「8・12連絡会」が、事故から25年目を迎えた平成22年10月に、事故原因について長年にわたり抱いてきた疑問点をまとめて、運輸安全委員会に提出したことを契機として、両者の間で疑問点を少しでも解消しようとする解説文を作成する努力が始められた。運輸安全委員会の事務局が解説書の素案を作ると、8・12連絡会が遺族にアンケート調査をして理解と納得が得られるかどうかを把握し、運輸安全委員会側にフィードバックし、議論を重ねる。そういう作業を10か月にわたって緊密に積み重ねていって、ここに「解説書」が生まれたのである。
 遺族たちにとって、何と長い道のりであったことか。もちろん遺族によって、解説された内容についての評価に微妙な違いはあるし、全面的に納得感が得られたわけではない。しかし、「8・12連絡会」が寄せた文章にあるように、事故調査の歴史の中ではじめて作られた「解説書」の中に、被害者がどんなことを求めているかを明記するとともに、遺族の抱く疑問点に対し事故調査機関が真摯に回答をする姿勢を示すことを通して、事故の教訓を関係者や社会が共有し、次の時代につなげていくという役割を果たすようにした点に、最大の意義があると言えるだろう。そのことを含めて、この「解説書」の意義をまとめると次のようになろう。
(1)事故調査を被害者および一般国民に対し開かれたものにするための扉を大きく開く役割を果たすものである。
(2)事故調査報告書をわかりやすく納得感のあるものにするための具体的な取り組みと進め方のモデルになる。情報公開の新しい形でもある。
(3)安全な社会を作る仕事である事故調査の中で、被害者・遺族ならではの気づきや被害者・遺族の理解と納得感を視野に入れることが重要であることを具体的に示す“教科書”的な意味を持つ。
(4)被害者・遺族もそれぞれの分野で仕事をこなす理性のある社会人であり、大切な人の喪失や命の危機という事態の中では、必死になって専門的なことであっても学び理解しようとするものだということを、専門家や行政官に理解してもらうための事例となる。
(5)運輸安全委員会と「8・12連絡会」の議論の場に、安全問題の専門家である操縦分野と整備分野のベテラン経験者がアドバイザーとして同席することによって、相互に理解と納得を深める役割を果たしたことは、参考にすべき取り組み方である。
(6)このような「解説書」の試みは、今後の事故調査報告書をわかりやすいものにするうえで大きな刺激となる。
(7)運輸安全委員会が対象にする分野以外の事故調査と報告書のまとめ方にも、参考にしてもらいたい取り組み方と内容になっている。

 日航機墜落事故の遺族たちが26年間もあきらめることなく事故の真実を求め続けた姿勢と、運輸安全委員会になって新しくなった事務局の遺族の要望に真摯に向き合った姿勢に、私は深い感銘を受けるとともに、長年事故の再発防止を願って取材を続けてきた者として、心からの敬意を表したい。

平成23年7月


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