2008-11-24(Mon)

米ビッグ3救済先送り 首切りが“人質”では納得できない  

日本の大量首切りやめさせよう 雇用を守るのは政治の責務

米自動車大手三社(ビッグスリー)の救済策をめぐる米議会の公聴会で、
3人の首脳は、再建計画どころか自らの経営責任にも触れることなく、資金繰り支援の懇請に時間を費やした。しかも、プライベートジェットで乗り付けた。
さすがに、議員から批判の声が相次いだ。

何考えて経営してんだか、信じがたい感覚麻痺だ。首切られる労働者のことなど露ほども考えていないことがよくわかった。

では、日本ではどうか。大量の派遣社員の首切りがトヨタなど自動車、電機などで相次いでいる。
アメリカみたいに公的支援を訴えるほどでもないが、この日のために、首切りしやすい制度を用意してきた。製造業派遣の解禁はじめ、労働法制の規制緩和だ。

むしろ、公的資金で救済するより、制度そのものを都合のいいように変えるほうが、実利は大きい。

この大企業の横暴な派遣首切りに対して、国会などで一番はっきりものを言っているのが共産党だろう。そこで、何言っているのか赤旗HPにあったので紹介する。(追記に掲載)





東京新聞 2008年11月24日
【社説】米ビッグ3救済 自国企業のためでなく

 米ビッグスリーの救済策が十二月へと先送りされた。これから再建計画というのでは当然だ。失業者の痛手を最小化する自国企業の支援にとどまらず、自由貿易体制の堅持も忘れてはならない。

 経営危機が深刻化する米自動車大手三社(ビッグスリー)の救済策をめぐる米議会の公聴会。ゼネラル・モーターズ、フォード、クライスラーの首脳は再建計画どころか自らの経営責任にも触れることなく、資金繰り支援の懇請に時間を費やした。

 支援規模は民主党案のつなぎ融資二百五十億ドルと、既に決まっている環境対応車の研究開発費二百五十億ドルの計五百億ドル。いずれも公的資金だ。この救済案に共和党議員は「経営破綻(はたん)の時期を遅らせるにすぎない」とかみついた。民主党のペロシ下院議長もさすがに抗しきれなかったようだ。「経営計画を出さなければ資金も出せない」と採決を見送った。納税者の理解を得るためには当然だ。

 米自動車産業は一九七〇年代の石油危機でも経営難に陥っている。日欧が低燃費車に取り組んでいるのに、主力商品は相も変わらず燃料多消費の大型車。時代の要請からはずれた売れない車づくりが経営の屋台骨をぐらつかせた。

 日本はその巻き添えを受け、自主規制の名の下に対米輸出台数を抑え込まれた歴史がある。限りなく米国を利する保護貿易に近かった。形を変えた新たな保護策は何としてでも封じたい。

 米国は七〇年代を境に日本やドイツの急成長により、経済の機関車役を担ってきた製造業の競争力を著しく低下させた。そこで成長のエンジンを米国に比較優位のある金融部門へと切り替えている。

 ところが頼みの金融も米国発のサブプライムローン問題が世界景気を後退させ、米国内では住宅価格の急落で低所得者層が困窮にあえいでいる。自動車産業にさらに影響が及ぶと収入が安定している中間層も揺さぶられるだろう。

 オバマ次期米大統領は「自動車産業は米経済の中軸」と支援を鮮明にした。その必要性は理解できるが、政策失敗の逃げ道を外資系企業を排除して自国企業を優遇する保護策に求めるべきではない。自由競争のルールを逸脱すればモノの動きが細って経済を縮小させる。三〇年代の世界恐慌で得た教訓だ。

 審議再開にあたり、米議会は自国企業の利益ばかりに目を奪われず、世界経済にも広く目配りした救済策をまとめてほしい。


2008年11月23日(日)「しんぶん赤旗」

大企業による大量「首切り」から雇用を守る国民的反撃を
全国革新懇の街頭演説 志位委員長の訴えから

 二十一日、東京都内でおこなわれた全国革新懇の街頭演説での日本共産党の志位和夫委員長の訴えのなかから、大企業による大量「首切り」から雇用を守る国民的反撃をよびかけた部分を紹介します。

 アメリカ発の金融危機が起こり、それが全世界に広がり、実体経済の悪化をもたらしています。日本の景気悪化もいよいよ深刻になってきました。アメリカで何が起こったのか。一言で申しますと、「ばくち経済」――「カジノ資本主義」が破たんしたというのが、ことの真相です。サブプライムローンという「いかさま商法」を繰り広げ、このローンをくみこんだ債権を膨らませてバブルをつくったあげく、それが大破たんした。「ばくち経済」をすすめた胴元のリーマン・ブラザーズという証券会社がつぶれて、それをきっかけに金融危機がいよいよ深刻になり、世界に広がりました。

 問題はこういう事態が起こったときに、政治がどういう責任を果たすかにあります。私は、バブルの失敗のつけを国民に回すな、この立場でしっかり対応することが、政治の責任だということを言いたいと思います。(拍手)

 私は、今日は、そのなかでも緊急に国民的反撃が求められる一つの大問題にしぼって訴えをさせていただきます。それは大企業による雇用大破壊を力をあわせて食い止めようではないかということであります。

大失業の危険――この寒空に労働者を放り出すことは許せない

 いま大失業の危険が進行しつつあります。

 世界一の自動車企業のトヨタ自動車とそのグループ企業では、期間従業員、派遣労働者、あわせて七千八百人もの「首切り」をすすめています。世界一のトヨタがはじめたものですから、自動車産業が競い合って「首切り」をはじめました。日産自動車が千五百人、マツダが千三百人、スズキが六百人、日野自動車が五百人、そして昨日のニュースでいっせいに流れましたが、いすゞ自動車は、千四百人いる期間労働者と派遣労働者――非正規雇用の労働者の全員を年内に解雇するという方針を明らかにしました。契約期間が残っていても、非正規の全員の「首切り」を十二月末に強行するというのです。

 派遣労働者、非正規労働者の「首切り」は、自動車産業から始まりましたが、電機産業など、他の産業にも広がりつつあります。厚生労働省は、わが党の小池議員の質問に対して、景気悪化による解雇者が一万人以上(全産業)にのぼることを明らかにしていますが、実態は、政府が把握しているよりも、はるかにひどい事態になっています。

 派遣労働者の問題は、私も今年の国会で、二月と十月に繰り返し取り上げてきました。そのさい、生活と労働の実態を詳しくうかがう機会がありましたが、派遣で働く若者、労働者の多くは、派遣会社が用意した寮やアパートに住んでいます。ですから、職を失うということは、住居を失うことに直結してきます。寮から放り出され、路頭に放り出されるということになってきます。この年末の寒空の路頭に、若者や労働者を放り出すようなことを放置するわけには、絶対にいかないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 生きている人間を、景気の「調整弁」のように「使い捨て」にしていいのか。私は、このままでは、日本は失業者があふれる社会になってしまう、この大企業の横暴勝手を、何としても食い止め、雇用を守るために力を合わせようではないかということを、心から訴えたいと思うのであります。(拍手)

大企業は雇用を守る力を十分にもっている

 いま大企業がすすめている「首切り」にはまったく道理がありません。私は、三つの点を訴えたいのであります。

 第一に、さきほどあげた大企業の中で、いま従業員を削減しなければ、つぶれてしまうような企業があるわけではないということです。雇用を守る力を大企業はもっているということです。

 たとえば「派遣切り」「期間社員切り」を真っ先に進めたトヨタは、大幅減益といっていますけれども、それでもなお年間六千億円もの利益を見込んでいます。十三兆円を超えるため込み金があります。だいたい、みなさん、トヨタの前会長の奥田碩さんは、「経営者よ、首切りするなら切腹せよ」と、まず雇用を守るのが経営者の責任だといってきたではありませんか。六千億円もの利益を見込み、十三兆円ものお金をため込んでいる企業が、景気が悪くなったからといって、派遣労働者を切り、期間従業員を切り、景気悪化のツケを非正規労働者にすべてかぶせようとしている。これは、絶対に許すわけにはいかないではありませんか。(拍手)

 いすゞ自動車はどうでしょう。昨日、明らかになった千四百人の非正規全員の「首切り」計画は、あまりにひどいものです。もともと、いすゞ自動車では、「偽装請負」という違法行為が行われていました。それが摘発され、いすゞは労働者の運動や日本共産党の要請に対して、派遣・請負をなくして、期間社員から正社員への転換を進めていくということを表明していました。この約束をまったく反故(ほご)にして、非正規全員の「首切り」をやるという。それではいすゞは赤字なのかといったら、いすゞも今年の利益の見込みは六百億円です。そしていすゞでは、株主にたいする配当は、この不景気の中でも増やそうとしているのです。労働者への約束を平然と反故にし、株主への配当を増やしながら、契約途中の人もふくめて非正規全員の首を切る、こんなことが許されてよい道理は絶対にありません。(「そうだ」の声、拍手)

 大企業全体でいいますと、二百三十兆円もの内部留保をため込んでおります。いったいだれのおかげで、こんなにたくさんのお金をため込んだのか。労働者のみなさんから、吸い上げたお金じゃありませんか。正社員を減らして非正規雇用を増やし、長時間過密労働で働かせ、ひどい搾り上げでため込んできたのが二百三十兆円ではありませんか。

 それならば、景気が悪くなったのなら、このため込んだお金を吐き出して、雇用を守る社会的責任を大企業は果たせ――私は、このことを声を大にして訴えたいと思うのであります。(拍手)

安定した雇用の保障は、最大の景気対策にもなる

 第二に、大量「首切り」が横行したら、日本経済はどうなるでしょうか。いよいよ、景気が悪くなります。

 いま、景気を良くしようと思ったら、これまでの輸出頼み、外需頼みのやり方をかえて、内需主導、家計を応援する政策に切り替えなければなりません。そのことが強く求められている真っ最中に、どんどん「首切り」をやったら、内需と家計は底が抜けてしまうような状況に落ち込み、景気がいよいよ悪くなることは避けられません。

 内需がいよいよ冷え込み、景気がますます悪化すれば、企業も立ち行かなくなってきます。いまトヨタなどの大企業の業績が急激に悪くなっているのは、その儲(もう)けを国民に還元して内需を活発にするという社会的責任を忘れて、輸出で大儲けをあげることに熱中してきたツケがまわってきているのです。大企業は、「内需を犠牲にして、輸出で儲ける」という、国民の利益をかえりみない企業行動をこそあらためなければなりません。その反省もなしに、雇用大破壊の先頭にたって内需を破壊していけば、みずからの存立の基盤をみずから崩すことにもなるでしょう。そして、景気悪化と雇用破壊の悪循環をつくりだすことになるでしょう。

 安定した雇用を保障することは、最大の景気対策にもなります。労働運動総合研究所の試算では、正社員になることを希望している派遣労働者・有期雇用労働者を正社員にし、「サービス残業」を根絶し、週休二日と有給休暇を完全に保障する、こういうことをしっかりやりますと、国内生産が、二十四・三兆円も増えるといいます。これだけでGDP(国内総生産)を2・5%押し上げる効果があるといいます。

 経済を支える一番の土台は、安定した雇用です。これをしっかり守っていくということが、最大の景気対策にもなるということを、私は訴えたいのであります。(拍手)

雇用大破壊は“政治災害”でもある――政治は三つの責任を果たせ

 そして第三に私が訴えたいのは、大企業の横暴勝手とともに、政治の責任が問われているということであります。

 以前ならば、こんな乱暴な「首切り」はできませんでした。不景気になっても、生産調整のために、残業を減らすとか、配置換えをするなどのことはやられても、こんなにむき出しの形で、労働者の「首切り」をどんどんおこなうということは、以前にはなかなかできませんでした。

 なぜ、こんなにいとも簡単に「首切り」が横行するようになったのか。それは、「労働法制の規制緩和」というかけ声で、非正規雇用をどんどん増やしてきた、派遣労働者を増やし、期間従業員を増やしてきたからです。非正規雇用への置き換えが、いま最悪の形で猛威をふるっているのです。これをやってきたのは、自民党政治の責任であります。派遣労働の原則自由化には、共産党以外のすべての政党が賛成したことも、指摘しなければなりません。いまの雇用大破壊は、政治が引き起こした“政治災害”でもあるということを、私は、きびしく批判したいのであります。

 政治の責任がいま問われています。いま政治は、つぎの三つの責任を果たさなければならないということを、私は訴えたいと思います。

 一つは、大企業に対して、雇用を守る社会的責任を果たせと、実効ある指導、監督をおこなうことです。私は、先日、政府に対して、そのことを求める緊急の申し入れを行いました。応対した河村官房長官は、「日本経団連などに対して『要請』する」という約束はしました。しかし「要請」では足りません。しっかりと、大企業を指導、監督して、雇用を守る実効ある措置をとることが、政府の責任だということを、私はいいたいと思います。(拍手)

 二つ目は、失業した労働者の生活と雇用をどう保障していくか。雇用保険をしっかりと活用すべきです。雇用保険には、六兆円もの積立金がため込まれています。失業給付をちゃんとやってこなかったから、六兆円ものお金がたまっているのです。これは労働者のみなさんの保険料が積み上がった、労働者の財産であり、労働者の生活と雇用のためにいまこそ活用すべきです。失業給付を非正規で働いてきた労働者にもきちんと給付できるように改善する。失業した労働者の生活援助、再就職の支援のために思い切った対策をとる。そのために六兆円のため込み金を使わせようではありませんか。(拍手)

 三つ目に、こういう「派遣切り」「期間社員切り」を許さないためにも、労働者派遣法を抜本改正する、有期雇用をきびしく制限する労働基準法の改正をおこなうことは、いよいよ急務となっています。

 いまおこなわれている非正規労働者の「首切り」を前にして、派遣労働者や期間従業員を拡大した労働法制の規制緩和は、「こういう時のことも考えてつくられたものか」ということを、あらためて痛感させられます。「正社員が当たり前」という働くルール、人間らしく働けるルールをつくることは、いよいよ急務となっています。それを、力をあわせて実現しようではありませんか。(拍手)

 みなさん。大企業による大量「首切り」から雇用を守る国民的反撃、国民的なたたかいを、全国で起こしていこうではありませんか。日本共産党は、みなさんと手を携えてがんばりぬく決意を申し上げまして、私の訴えを終わらせていただきます。(拍手)
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