道路財源一般化 暫定税率はどうする 与党内で混迷
一般財源化なら自動車関係諸税を廃止すべき(自動車関連団体)
道路財源一般化をめぐり、暫定税率をどうするか、についても与党内で混迷している。
「『道路に使わず税率も維持』では理解されない」と尾身幸次元財務相が発言したそうだ。
暫定税率は、本則税率に上乗せしてかけられた税金だが、そもそも、道路整備財源を確保するため増やしたものだ。
道路整備だけに使わない一般財源にするなら、この暫定税率を徴収する根拠はなくなる。
誰が考えても分かる理由だ。暫定税率は廃止するのが筋。
日本自動車連盟や石油業界などでつくる「自動車税制フォーラム」が、
一般財源化するというなら、道路に使うという財源(自動車関係諸税)は廃止しろ。というのも理屈に合っている。
そういう当たり前の理屈があるものだから、
斎藤環境相が「道路財源の暫定税率を環境税とする案は年内に決着させたい」と提案した。
暫定税率の根拠を環境税にするば、税収は維持できるからだ。
ところが、自民党は「税目を変更するのは困難」と判断、3年間は、暫定税率を維持することを決めた。
財政への影響や環境への配慮を名目にするらしい。
3年間維持というのも、消費税を3年後にあげるという麻生総理の方針で、消費税増税で減収分を賄えるということのようだ。
ここで透けて見えるのは、暫定税率維持は、一般財源化で根拠がなくなるという常識はごまかせない、ということだ。
苦しいごまかしなどやめて、根拠がなくなる暫定税率はすぐ廃止するしかない。
筋から言えば、そのうえで、本則税率も含め税徴収の根拠を明確にして、税率を決めたらいいのだ。
道路特定財源を細かく見ると、ガソリンや石油ガス税、軽油引取税などの燃料と、自動車重量税や自動車取得税など自動車に係る税がある。
ガソリンには揮発油税のほか地方道路税というのもかかっている。
石油ガス税以外に暫定税率が上乗せされている。
自動車に係る税では道路特定財源ではない自動車税・軽自動車税がある。
さらに、消費税も二重課税でかけられている。
説明するのも面倒なくらい複雑だ。まず、一般財源化の前提として、税の簡素化が必要だ。
例えば、燃料税と自動車に係る税に分ける。
燃料税は、CO2排出量の応じて炭素税などの税目で税率をかける。
(重油や灯油などには新たな税率がかかることになるが用途におおじて軽減したらいい)
自動車に係る税は、自動車税・軽自動車税(地方税)を中心に統廃合すればいい。
自動車重量税や自動車取得税は道路整備目的につくった税だから、なくすのが筋かも知れない。
いずれにしても、政府・与党は、消費税を上げるまで暫定税率維持するという、税を取る側の論理だけだ。
国民の生活を少しも考えていない。
政府・与党では、迷走・混迷は深まるばかりで、国民負担だけが結論になる危険性は大きい。
日経新聞 2008年11月25日
道路・郵政・公務員改革… 与党内紛、潜む火種
政府・与党は12月の来年度予算編成や税制改正を見据えた政策の具体化作業を本格化する。道路や郵政、公務員制度改革など山積する政策課題には火種がくすぶっており、決着の中身次第で政権運営に大きな影響を与える可能性もある。
「来年、民主党は道路特定財源の暫定税率引き下げ法案を出す。それを否決して選挙に勝てるのか。『道路に使わず税率も維持』では理解されない」。20日の自民党税制調査会の幹部会合。尾身幸次元財務相は声を張り上げ「民主党の方が筋が通っている」とまで主張した。(10:06)
税率の調整難航
麻生太郎首相は既に「道路財源の一兆三千億円以上を地方に」と表明していた。道路整備を目的に徴収する税の一部を地方に回して道路以外にも使ううえ、税率まで下げれば道路予算が大幅に減りかねない。党側の理解を得る落としどころは「一般財源化するか、税率は維持」しかなかった。党政調・税調の幹部は暫定税率を含めた自動車関係諸税の税率を三年程度維持する方針を固めた。
与党内では公明党も自動車重量税の引き下げを求めている。「首相指示の『一兆三千億円以上』とはいくらか」が焦点になる裏で、自動車関係諸税の調整は難航しそうだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○道路財源から地方に回す 「1.3兆円以上」の首相発言を巡る対立
地方「多く」⇔道路族「少なく」
○ 道路関係諸説の扱い
党政調・税調幹部「税率維持」 ⇔ 党内「税率下げ必要」・公明党「自動車重量税引き下げ」
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(2008年11月21日03時10分 読売新聞)
道路特定財源の暫定税率、3年維持の方針…自民税調
自民党は20日、国会内で政調、税制調査会の幹部による会合を開き、2009年度から道路特定財源を一般財源化するにあたり、暫定税率を3年程度維持する方針を固めた。
暫定税率見直しの条件だった消費税を含む税制抜本改革について、麻生首相が今後3年間は「景気回復」期間にあて、事実上先送りする方針を示したことを踏まえた措置だ。
政府は福田政権時の今年5月に閣議決定した「道路特定財源等に関する基本方針」で、暫定税率の扱いについて、「国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討する」と明記した。
しかし、麻生首相は金融危機の影響で国内経済が悪化していることを踏まえ、消費税率引き上げの時期は経済情勢好転を条件に「3年後」と表明。今年12月の税制改正作業では、抜本改革の全体像を示すにとどめる方向となった。このため、自民党は「消費税率を上げるための抜本改革に着手できない以上、暫定税率も維持すべきだ」と判断した。景気が減速する中、暫定税率廃止や引き下げで、税収減が一層深刻になることへの懸念も作用した。
ただ、公明党は、自動車重量税の暫定税率を廃止するよう求めており、与党内の調整が課題となる。
毎日新聞 2008年11月21日 東京朝刊
暫定税率:3年維持、自民検討 「道路予算」を確保
自民党は20日、道路特定財源を一般財源化する際に焦点となる揮発油(ガソリン)税などの暫定税率について、3年程度維持する方向で検討に入った。消費税率引き上げを含む税制抜本改革を先送りしたのに伴い、暫定税率だけを見直すべきでないと判断した。麻生太郎首相が打ち出した地方への1兆円配分や、一般財源化後の道路予算への充当をにらみ、税収を確保する狙いがある。
ただ、道路整備にあてられる暫定税率は自動車業界やユーザーの受益者負担の意味合いがあり、維持したまま一般財源化すれば反発を招くのは必至。公明党も自動車重量税などの税率引き下げを主張している。1兆円の地方交付税化という首相方針との政策的な整合性も問われ、調整は難航しそうだ。
一般財源化を検討している自民党プロジェクトチームの幹部と保利耕輔政調会長らが20日、国会内で協議。メンバーの一人は会合後「暫定税率の見直しは消費税率の引き上げ時に先送りする」と語った。首相は消費税率引き上げのめどを「3年後」と表明している。
政府は今年5月、道路特定財源を09年度から一般財源化し、暫定税率の扱いは年末の税制抜本改革時に検討することなどを閣議決定。しかし景気の悪化を受け閣議決定は有名無実化している。【三沢耕平】
2008/11/21 12:17 【共同通信】
自民方針、道路暫定税率3年維持 環境税は先送り
自民党は21日、ガソリンにかかる揮発油税など道路特定財源を2009年度から一般財源化する際、本来の税率に上乗せしている暫定税率を3年程度維持する方針を固めた。通常国会で成立した法律が定める10年から期間を短縮するが、環境税の本格導入など抜本見直しは先送りする。
現在は道路整備費を確保するため暫定税率をかけているが、使途を限定しない一般財源にした後も税率上乗せを続ける根拠や、税収の使途をめぐり調整は難航しそうだ。
揮発油税の衣替えを含む環境税の導入構想も出ているが「税目を変更するのは困難」(同党幹部)と判断。当面は財政への影響や環境への配慮を名目に暫定税率を維持し、消費税を含む税制の抜本改革の中であらためて検討する。
暫定税率維持の期間を大幅短縮することで納税者の理解を得たい考えだが、自動車、石油業界などは暫定税率の撤廃を強く要求。公明党は自動車重量税の大幅な軽減を主張しており、決着まで曲折がありそうだ。
政府は5月、暫定税率の扱いは「今年の税制抜本改革時に検討する」と決定したが、税制改革は先送りされた。
レスポンス 2008年11月19日
自動車税制改革フォーラム、一般財源化なら自動車関係諸税を廃止すべき
自動車関係諸税の見直しを求める総決起集会が18日、都内ホテルで開催された。何十年も続く高率な暫定税率を残したままなし崩し的に一般財源化されようとしている自動車関係諸税の廃止を求めるのが目的だ。
日本自動車連盟(田中節夫会長)、全国石油商業組合連合会(天野洋一会長)、全国石油連盟(天坊昭彦会長)ほか自動車関係諸税のあり方を提言する「自動車税制フォーラム」所属の合計23団体が主催し、一般参加者500人を集めた。また、与党自民党・公明党の国会議員140人も出席した。
自動車関係諸税を主な財源とする「道路特定財源」は、先の福田内閣で一般財源化することが閣議決定している。しかし、これらの税金は、所得税のように広く国民がうけるサービスのために使われるわけではなく、道路整備のために使い道を限定することで自動車ユーザーにだけ負担を求める税金だった。
「政府のいう一般財源化とは、自動車感関係諸税を社会保障や国の借金返済にもあてられるようにするもの。最近では何にでも使える財源として(自動車関係諸税から)1兆円を地方に移譲するというが、本来国民全体で負担すべきものを、なぜ自動車ユーザーだけが負担しなければならないのか」と、自動車工業会・青木哲会長は訴えた。
「一般財源化するなら、(自動車ユーザーだけが負担しなければならないという)課税の根拠を失う自動車関係諸税を、直ちに廃止すべきだ」(青木氏)の意見は、壇上に立ったすべての主催団体代表者が訴えた。
その後、参加者は会場となった港区の赤坂見附から千代田区霞が関まで約1時間の請願行進を行った。
《中島みなみ》
産経新聞 2008.11.14 12:30
斉藤環境相、環境税21年度から導入方針
斉藤鉄夫環境相は14日の閣議後会見で、道路特定財源のガソリン税などの暫定税率の課税根拠を現行の「道路整備」から「環境保全」に変更すべき、との考えを表明し、二酸化炭素(CO2)排出に課税する環境税を、平成21年度にも段階的に導入するよう政府与党に求める意向を明らかにした。温室効果ガスの削減度合いに応じた課税分を、省エネ減税の財源とするなど「グリーン税制」構築を目指す。
斎藤環境相は「道路財源の暫定税率を環境税とする案は年内に決着させたい」と説明。課税と減税を組み合わせ「ネット(正味)で増税にはならないよう考えている。来年度からの実施も国民の理解は得られるのではないか」と述べ、税収が中立する形で、段階的に導入を目指す考えを示した。
同省では平成21年度税制改正で、石油や石炭などに含まれる炭素1トン当たりの税率を2400円とするほか、すべての化石燃料を課税対象とする環境税案を提案する方針。税収は年間3600億円を見込む。
環境省では、14日夜開催される中央環境審議会の専門委員会で提示される環境税についての考え方を受け、環境税の省案を策定。与党の税制調査会に提案する方針だ。
朝日新聞 2008年11月19日11時19分
ガソリン税など燃料税、CO2排出量を考慮 環境省提案
環境省は19日、ガソリン税や石油石炭税など化石燃料にかかっている既存の税を、燃やした場合に出る二酸化炭素(CO2)の量に応じたものに改めていく新提案をまとめた。将来的に実質的な炭素税を実現する狙いだ。
19日午前の自民党環境部会で示した。ただ、景気への懸念を考え、09年度の税制改正要望に盛り込むことは見送り、将来の課題とした。
環境省は地球温暖化対策のため、化石燃料に含まれる炭素1トン当たりに2400円を課税する炭素税を新たに導入することを求めてきた。今年も引き続き09年度の炭素税導入を求める。しかし、新税導入には産業界を中心に反対が根強いため、既存税制の改正でCO2削減を目指す方が現実的と判断、炭素税とともに既存税制の改正を提案した。
現行のガソリン税や石油石炭税は、関連法に基づき重さや量に応じて課税。CO2排出量1トン当たりで課税額を見ると、石炭291円、軽油1万3034円、ガソリン2万4052円など、大きくばらついている。これをCO2排出量も考慮したものにし、それぞれの税率を厳しくすることが検討されている。
道路特定財源の暫定税率について地球温暖化対策の推進を明確にして維持すること、省エネ家電や省エネ住宅、低公害車の普及に向けた減税も提案した。
道路財源一般化をめぐり、暫定税率をどうするか、についても与党内で混迷している。
「『道路に使わず税率も維持』では理解されない」と尾身幸次元財務相が発言したそうだ。
暫定税率は、本則税率に上乗せしてかけられた税金だが、そもそも、道路整備財源を確保するため増やしたものだ。
道路整備だけに使わない一般財源にするなら、この暫定税率を徴収する根拠はなくなる。
誰が考えても分かる理由だ。暫定税率は廃止するのが筋。
日本自動車連盟や石油業界などでつくる「自動車税制フォーラム」が、
一般財源化するというなら、道路に使うという財源(自動車関係諸税)は廃止しろ。というのも理屈に合っている。
そういう当たり前の理屈があるものだから、
斎藤環境相が「道路財源の暫定税率を環境税とする案は年内に決着させたい」と提案した。
暫定税率の根拠を環境税にするば、税収は維持できるからだ。
ところが、自民党は「税目を変更するのは困難」と判断、3年間は、暫定税率を維持することを決めた。
財政への影響や環境への配慮を名目にするらしい。
3年間維持というのも、消費税を3年後にあげるという麻生総理の方針で、消費税増税で減収分を賄えるということのようだ。
ここで透けて見えるのは、暫定税率維持は、一般財源化で根拠がなくなるという常識はごまかせない、ということだ。
苦しいごまかしなどやめて、根拠がなくなる暫定税率はすぐ廃止するしかない。
筋から言えば、そのうえで、本則税率も含め税徴収の根拠を明確にして、税率を決めたらいいのだ。
道路特定財源を細かく見ると、ガソリンや石油ガス税、軽油引取税などの燃料と、自動車重量税や自動車取得税など自動車に係る税がある。
ガソリンには揮発油税のほか地方道路税というのもかかっている。
石油ガス税以外に暫定税率が上乗せされている。
自動車に係る税では道路特定財源ではない自動車税・軽自動車税がある。
さらに、消費税も二重課税でかけられている。
説明するのも面倒なくらい複雑だ。まず、一般財源化の前提として、税の簡素化が必要だ。
例えば、燃料税と自動車に係る税に分ける。
燃料税は、CO2排出量の応じて炭素税などの税目で税率をかける。
(重油や灯油などには新たな税率がかかることになるが用途におおじて軽減したらいい)
自動車に係る税は、自動車税・軽自動車税(地方税)を中心に統廃合すればいい。
自動車重量税や自動車取得税は道路整備目的につくった税だから、なくすのが筋かも知れない。
いずれにしても、政府・与党は、消費税を上げるまで暫定税率維持するという、税を取る側の論理だけだ。
国民の生活を少しも考えていない。
政府・与党では、迷走・混迷は深まるばかりで、国民負担だけが結論になる危険性は大きい。
日経新聞 2008年11月25日
道路・郵政・公務員改革… 与党内紛、潜む火種
政府・与党は12月の来年度予算編成や税制改正を見据えた政策の具体化作業を本格化する。道路や郵政、公務員制度改革など山積する政策課題には火種がくすぶっており、決着の中身次第で政権運営に大きな影響を与える可能性もある。
「来年、民主党は道路特定財源の暫定税率引き下げ法案を出す。それを否決して選挙に勝てるのか。『道路に使わず税率も維持』では理解されない」。20日の自民党税制調査会の幹部会合。尾身幸次元財務相は声を張り上げ「民主党の方が筋が通っている」とまで主張した。(10:06)
税率の調整難航
麻生太郎首相は既に「道路財源の一兆三千億円以上を地方に」と表明していた。道路整備を目的に徴収する税の一部を地方に回して道路以外にも使ううえ、税率まで下げれば道路予算が大幅に減りかねない。党側の理解を得る落としどころは「一般財源化するか、税率は維持」しかなかった。党政調・税調の幹部は暫定税率を含めた自動車関係諸税の税率を三年程度維持する方針を固めた。
与党内では公明党も自動車重量税の引き下げを求めている。「首相指示の『一兆三千億円以上』とはいくらか」が焦点になる裏で、自動車関係諸税の調整は難航しそうだ。
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○道路財源から地方に回す 「1.3兆円以上」の首相発言を巡る対立
地方「多く」⇔道路族「少なく」
○ 道路関係諸説の扱い
党政調・税調幹部「税率維持」 ⇔ 党内「税率下げ必要」・公明党「自動車重量税引き下げ」
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(2008年11月21日03時10分 読売新聞)
道路特定財源の暫定税率、3年維持の方針…自民税調
自民党は20日、国会内で政調、税制調査会の幹部による会合を開き、2009年度から道路特定財源を一般財源化するにあたり、暫定税率を3年程度維持する方針を固めた。
暫定税率見直しの条件だった消費税を含む税制抜本改革について、麻生首相が今後3年間は「景気回復」期間にあて、事実上先送りする方針を示したことを踏まえた措置だ。
政府は福田政権時の今年5月に閣議決定した「道路特定財源等に関する基本方針」で、暫定税率の扱いについて、「国・地方の厳しい財政状況等を踏まえて、今年の税制抜本改革時に検討する」と明記した。
しかし、麻生首相は金融危機の影響で国内経済が悪化していることを踏まえ、消費税率引き上げの時期は経済情勢好転を条件に「3年後」と表明。今年12月の税制改正作業では、抜本改革の全体像を示すにとどめる方向となった。このため、自民党は「消費税率を上げるための抜本改革に着手できない以上、暫定税率も維持すべきだ」と判断した。景気が減速する中、暫定税率廃止や引き下げで、税収減が一層深刻になることへの懸念も作用した。
ただ、公明党は、自動車重量税の暫定税率を廃止するよう求めており、与党内の調整が課題となる。
毎日新聞 2008年11月21日 東京朝刊
暫定税率:3年維持、自民検討 「道路予算」を確保
自民党は20日、道路特定財源を一般財源化する際に焦点となる揮発油(ガソリン)税などの暫定税率について、3年程度維持する方向で検討に入った。消費税率引き上げを含む税制抜本改革を先送りしたのに伴い、暫定税率だけを見直すべきでないと判断した。麻生太郎首相が打ち出した地方への1兆円配分や、一般財源化後の道路予算への充当をにらみ、税収を確保する狙いがある。
ただ、道路整備にあてられる暫定税率は自動車業界やユーザーの受益者負担の意味合いがあり、維持したまま一般財源化すれば反発を招くのは必至。公明党も自動車重量税などの税率引き下げを主張している。1兆円の地方交付税化という首相方針との政策的な整合性も問われ、調整は難航しそうだ。
一般財源化を検討している自民党プロジェクトチームの幹部と保利耕輔政調会長らが20日、国会内で協議。メンバーの一人は会合後「暫定税率の見直しは消費税率の引き上げ時に先送りする」と語った。首相は消費税率引き上げのめどを「3年後」と表明している。
政府は今年5月、道路特定財源を09年度から一般財源化し、暫定税率の扱いは年末の税制抜本改革時に検討することなどを閣議決定。しかし景気の悪化を受け閣議決定は有名無実化している。【三沢耕平】
2008/11/21 12:17 【共同通信】
自民方針、道路暫定税率3年維持 環境税は先送り
自民党は21日、ガソリンにかかる揮発油税など道路特定財源を2009年度から一般財源化する際、本来の税率に上乗せしている暫定税率を3年程度維持する方針を固めた。通常国会で成立した法律が定める10年から期間を短縮するが、環境税の本格導入など抜本見直しは先送りする。
現在は道路整備費を確保するため暫定税率をかけているが、使途を限定しない一般財源にした後も税率上乗せを続ける根拠や、税収の使途をめぐり調整は難航しそうだ。
揮発油税の衣替えを含む環境税の導入構想も出ているが「税目を変更するのは困難」(同党幹部)と判断。当面は財政への影響や環境への配慮を名目に暫定税率を維持し、消費税を含む税制の抜本改革の中であらためて検討する。
暫定税率維持の期間を大幅短縮することで納税者の理解を得たい考えだが、自動車、石油業界などは暫定税率の撤廃を強く要求。公明党は自動車重量税の大幅な軽減を主張しており、決着まで曲折がありそうだ。
政府は5月、暫定税率の扱いは「今年の税制抜本改革時に検討する」と決定したが、税制改革は先送りされた。
レスポンス 2008年11月19日
自動車税制改革フォーラム、一般財源化なら自動車関係諸税を廃止すべき
自動車関係諸税の見直しを求める総決起集会が18日、都内ホテルで開催された。何十年も続く高率な暫定税率を残したままなし崩し的に一般財源化されようとしている自動車関係諸税の廃止を求めるのが目的だ。
日本自動車連盟(田中節夫会長)、全国石油商業組合連合会(天野洋一会長)、全国石油連盟(天坊昭彦会長)ほか自動車関係諸税のあり方を提言する「自動車税制フォーラム」所属の合計23団体が主催し、一般参加者500人を集めた。また、与党自民党・公明党の国会議員140人も出席した。
自動車関係諸税を主な財源とする「道路特定財源」は、先の福田内閣で一般財源化することが閣議決定している。しかし、これらの税金は、所得税のように広く国民がうけるサービスのために使われるわけではなく、道路整備のために使い道を限定することで自動車ユーザーにだけ負担を求める税金だった。
「政府のいう一般財源化とは、自動車感関係諸税を社会保障や国の借金返済にもあてられるようにするもの。最近では何にでも使える財源として(自動車関係諸税から)1兆円を地方に移譲するというが、本来国民全体で負担すべきものを、なぜ自動車ユーザーだけが負担しなければならないのか」と、自動車工業会・青木哲会長は訴えた。
「一般財源化するなら、(自動車ユーザーだけが負担しなければならないという)課税の根拠を失う自動車関係諸税を、直ちに廃止すべきだ」(青木氏)の意見は、壇上に立ったすべての主催団体代表者が訴えた。
その後、参加者は会場となった港区の赤坂見附から千代田区霞が関まで約1時間の請願行進を行った。
《中島みなみ》
産経新聞 2008.11.14 12:30
斉藤環境相、環境税21年度から導入方針
斉藤鉄夫環境相は14日の閣議後会見で、道路特定財源のガソリン税などの暫定税率の課税根拠を現行の「道路整備」から「環境保全」に変更すべき、との考えを表明し、二酸化炭素(CO2)排出に課税する環境税を、平成21年度にも段階的に導入するよう政府与党に求める意向を明らかにした。温室効果ガスの削減度合いに応じた課税分を、省エネ減税の財源とするなど「グリーン税制」構築を目指す。
斎藤環境相は「道路財源の暫定税率を環境税とする案は年内に決着させたい」と説明。課税と減税を組み合わせ「ネット(正味)で増税にはならないよう考えている。来年度からの実施も国民の理解は得られるのではないか」と述べ、税収が中立する形で、段階的に導入を目指す考えを示した。
同省では平成21年度税制改正で、石油や石炭などに含まれる炭素1トン当たりの税率を2400円とするほか、すべての化石燃料を課税対象とする環境税案を提案する方針。税収は年間3600億円を見込む。
環境省では、14日夜開催される中央環境審議会の専門委員会で提示される環境税についての考え方を受け、環境税の省案を策定。与党の税制調査会に提案する方針だ。
朝日新聞 2008年11月19日11時19分
ガソリン税など燃料税、CO2排出量を考慮 環境省提案
環境省は19日、ガソリン税や石油石炭税など化石燃料にかかっている既存の税を、燃やした場合に出る二酸化炭素(CO2)の量に応じたものに改めていく新提案をまとめた。将来的に実質的な炭素税を実現する狙いだ。
19日午前の自民党環境部会で示した。ただ、景気への懸念を考え、09年度の税制改正要望に盛り込むことは見送り、将来の課題とした。
環境省は地球温暖化対策のため、化石燃料に含まれる炭素1トン当たりに2400円を課税する炭素税を新たに導入することを求めてきた。今年も引き続き09年度の炭素税導入を求める。しかし、新税導入には産業界を中心に反対が根強いため、既存税制の改正でCO2削減を目指す方が現実的と判断、炭素税とともに既存税制の改正を提案した。
現行のガソリン税や石油石炭税は、関連法に基づき重さや量に応じて課税。CO2排出量1トン当たりで課税額を見ると、石炭291円、軽油1万3034円、ガソリン2万4052円など、大きくばらついている。これをCO2排出量も考慮したものにし、それぞれの税率を厳しくすることが検討されている。
道路特定財源の暫定税率について地球温暖化対策の推進を明確にして維持すること、省エネ家電や省エネ住宅、低公害車の普及に向けた減税も提案した。




