高速道路建設 圧縮できるか 交通需要予測、費用便益の見直し

下方修正どこ吹く風の自民道路族 巻き返し強まる

国交省の社会資本整備審議会道路分科会で、交通需要推計や費用便益の算出法の見直しを決めた。
交通需要は下方修正し、便益は厳格に算出するという。
これをもとにすれば、高速道路建設も少しは圧縮されるかも知れない。

しかし、道路族などの巻き返しも始まっている。安心はできない。

報道はされていないが、この他にも、高速道路の手続きについても見直しがされる。
高速道路のうち、道路局長の決裁で事業のGOサインが出ていたやり方を、審議会に諮ることなど手続きを改める。
最終的に、新たな中期計画に反映されるらしいので、注意してみておこう。




社会資本整備審議会道路分科会第26回基本政策部会 2008年11月26日
 将来交通需要推計・道路事業の評価手法の見直し 等
 http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26th.html
 http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/siryo26.html

1、将来交通需要推計
2、道路事業の評価手法の見直し
3、新たな中期計画の作成に向けて
4、高規格幹線道路等の事業実施に向けた手続きのあり方

(配布資料)
資料1−1 道路の将来交通需要推計に関する検討会報告書(464KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1.pdf
 ・別添1 交通需要推計の前提となるシナリオ http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b1.pdf
 ・別添2 将来交通需要推計モデル(人の移動)http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b2.pdf
 ・別添3 将来交通需要推計モデル(物の移動)http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b3.pdf
 ・別添4 意見・提案と考え方http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_b4.pdf
 ・参考1 現状の交通動向等の分析http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_s1.pdf
 ・参考2 諸外国との比較 http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-1_s2.pdf

資料1−2 新たな将来交通需要推計(2.2MB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/1-2.pdf

資料2−1 道路事業の評価手法の見直しについて(186KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/2-1.pdf
        ・別添(費用便益分析マニュアル)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/2-1_b.pdf
資料2−2 道路事業の評価手法の見直しについて(説明資料)(494KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/2-2.pdf

資料3−1 新たな中期計画の作成に向けて 骨子(336KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-1.pdf
資料3−2 新たな中期計画の作成に向けて 参考資料(335KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-2.pdf
資料3−3 今後の道路行政についての意見・提案について(結果概要)(195KB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/3-3.pdf

資料4 事業実施に向けた手続きの見直しに関する議論のポイントと見直しの方向(1.3MB)
        http://www.mlit.go.jp/road/ir/kihon/26/4.pdf



毎日新聞 2008年11月27日 東京朝刊
道路見直し:整備、より厳しく 特定財源の一般化議論に影響も
 自動車交通量(道路交通需要)の新しい推計など、国土交通省が行っている道路に関する一連の見直しは、今後の道路整備の条件を大幅に厳しくした。道路への要望が強い地方自治体などから不満の声が出る一方、無駄の排除がこれで十分かといった指摘も予想される。見直しに対する評価は、道路特定財源の一般財源化の議論で重要な論点の一つになりそうだ。
 見直しの柱は、26日に公表した交通量の推計のほか、費用対効果の計算方法の厳格化(25日)▽期間を5年に短縮した新しい道路整備中期計画の策定(12月上旬予定)など。国会審議などで「交通量の推計が古いデータに基づいている」「道路の便益(効果)の算定は過大」などの批判が出たのがきっかけだった。
 新しい交通量の推計は、従来に比べ、便益が低く出る計算方法に変わるため、費用対効果の数字は「2〜3割小さくなるだろう」(道路局)という。中期計画には「効果が小さいと判断されれば、現道の活用など抜本的な見直しを行う」など「選択と集中」の考え方を明記する。
 こうした見直しに対し、東国原英夫宮崎県知事は26日の会見で「費用対効果だけでいいのか。(災害、医療への対応も含んだ)新しい算定方式が必要だ」と述べた。【位川一郎】



毎日新聞 2008年11月26日 東京朝刊
国交省:道路建設、「便益」低めに 算出法見直し決定
 国土交通省は25日、道路事業の費用対効果の計算方法を見直すことを正式に決めた。道路整備による「便益」が従来より低く算出されるため、建設が認められないケースも出そうだ。
 同日の検討委員会で了承した。道路の便益は「走行時間短縮」「走行経費減少」「交通事故減少」の3要素で算出し、費用(事業費と維持管理費)を上回る便益があれば建設できるのが原則。
 時間短縮の便益は、業務目的の場合は道路整備で浮く賃金の額などが基準だが、今回はもともとの賃金が相対的に低い小規模事業所も対象にすることで、道路整備の便益が小さくなるようになった。
 レジャーなど業務目的以外の場合、短縮時間を仕事に充てると仮定し賃金が増える額が便益になるが、運転者の手取りにならない税金分を差し引くことにした。
 今後は新しい計算方法で個別路線ごとに費用対効果が計算されるが、国交省道路局は「従来より便益が1〜2割減る事業が多いだろう」とみている。【位川一郎】



(2008年11月26日23時01分 読売新聞)
道路建設の圧縮必至、2030年需要予測を13%下方修正
 国土交通省は26日、将来の車の交通量を予測した交通需要推計を正式に発表した。
 2020年、30年の見通しをいずれも前回予測(02年)から約13%下方修正した。今後5年間の道路整備中期計画の骨子には、コスト削減と地域の実情に合わせた道路整備を盛り込んだが、需要予測の大幅な見直しで、道路建設の圧縮が迫られるのは必至だ。
 需要予測は全国の車の総台数に走行距離をかけた「台キロ」で表す。前回は20年代まで増え続けると推計したが、今回はおおむね横ばいで推移する前提で、30年の交通量を7490億台キロに引き下げた。人口減などで、07年度に初めて全国の自動車保有台数が減少に陥ったことが要因だ。
 需要推計の算出方法についても、実態とかけ離れているとの批判が集まった。このため、今回は、高齢者の免許返上や走行距離が短い軽自動車の普及などの社会環境の変化を反映させた。
 推計結果をもとに中期計画の骨子では、1万4000キロの高速道路網など基幹道路の整備方針は堅持した。だが、コスト管理をより厳しく評価するため、地方では「採算割れ」と判断される道路も多く出そうだ。
 09年度から道路特定財源が一般財源化されることに伴い、中期計画には総事業費は盛り込まれず、道路整備は年度ごとの予算編成に任される。需要予測の下方修正を根拠に、これまで10年間で59兆円を充てるとした総事業費の削減を求める圧力が高まるのは確実だ。
 26日の自民党の道路調査会は、地元から道路建設の要望を受けている議員からは、道路建設の推進を求める発言が相次いだ。山本有二会長は「建設縮小というよりコスト削減を徹底的にやることだ」と、計画圧縮の流れにくぎを刺した。
 国交省は、高速道路の4車線計画を縮小したり、既存道路を積極活用したりする方針だ。さらに、地方への配慮として、年内に正式に決まる中期計画には、地域ごとの実情に見合った「地方版」の整備計画も初めて策定する予定だ。(香取直武)



TBS 2008年11月26日
国交省、将来交通量予測を下方修正
 道路整備計画のもとになる将来の交通量の予測について、国土交通省は、2030年には2005年と比べて減少すると下方修正しました。
 国土交通省が公表した新たな交通需要の推計によりますと、6年前の予測では2020年頃まで増え続けるとしていた全国の交通量の予測を、2030年には2005年と比べて2.6%減少すると下方修正しました。
 少子高齢化の加速や自動車の保有台数の減少などが原因で、これまでの見通しが甘かったことから修正したものです。交通量の予測は、高速道路などの建設を進める際のデータとして使われるため、道路整備計画の見直しにつながる可能性が出てきました。(26日10:57)
「交通量は将来減る」、早くも警戒感
 道路整備計画の基になる将来の交通量について、国土交通省がこれまでの予測より少なくなると修正しました。道路事業への影響を恐れる地方や自民党内から、さっそく警戒する声が上がりました。
 国土交通省が26日、今後の全国の道路整備に大きな影響を与えそうなある数字を公表しました。これまでの予測では、今より増えるとしていた将来の車の交通量について減少すると下方修正したのです。それによると、2030年は2005年より2.6%の減少となります。
 少子高齢化の加速や自動車の保有台数の減少などが原因としていますが、これまでの見通しの甘さが浮き彫りになった形です。道路整備計画の見直しにつながる動きに東国原知事が動きました。
 「(Q.地方の道路が後回しになる懸念は?)その懸念を抱いているので、いち早くといいますか、地方からの要求の声を大きくするためこの時期を選んだ」(宮崎県 東国原英夫 知事)
 東国原知事らは、地方は贅沢な道路を必要としているのではないとして、道路整備のための基準を変えるべきだという考えを強調しました。
 一方、自民党のいわゆる道路族の議員らも警戒感を隠せません。
 「数字の数合わせはちょっと横において、本当に必要なものは造るべきであるしね。当然。特に地方の自立を求めていこうというならなおさら」(自民党 野田 毅 衆院議員)
 「下方修正があったからといって、地方の道路整備ができないということにはなりません。プライオリティーの高い道路を着々と整備するというわけですから」(自民党 衛藤征士郎 衆院議員)
 道路整備をめぐっては、特定財源の一般財源化で地方に回す1兆円を地方が自由に使える交付税にするかどうかで道路族の反発を浴びたばかりの麻生総理。党内の新たな火種となる可能性があります。(26日17:43)



産経新聞 2008.11.26 20:44
交通量予測 下方修正どこ吹く風の自民道路族
 国土交通省が全国交通量の見通しについて26日、下方修正する将来推計を提示したが、自民党内の「道路族」議員はこうしたデータもどこ吹く風と道路建設を求める声が相次いだ。
 交通量の下方修正は、道路整備事業の抑制につながりかねない。だが、同日の自民党道路調査会(山本有二会長)の総会では、「費用対効果が先にありきという姿勢はどうか。地方にはまだまだ必要な道路整備はある」「貸し渋り対策でカネが回っても、仕事がなければ仕方がない。国は公共事業を行って責任を果たすべきだ」との声が出た。
 「中国はすごい勢いで道路建設をしている。地方道路整備臨時交付金は地方が道路を造る財源ということでお願いしたい」
 高知県選出の中谷元・元防衛庁長官は、一般財源化が予定される7000億円の臨時交付金について、道路整備に使途を限定するよう要請した。


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