2014-10-17(Fri)

リニア新幹線の工事認可 JR東海に—国交省

「着工すべきではない」=リニア工事認可で-静岡市長

国土交通省が17日、JR東海が申請していたリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。
太田国交大臣は、「技術基準への適合、環境への配慮、工事費や完了予定時期の観点から審査し、妥当と判断した」という。

「一方で、トンネルの掘削に伴う建設発生土が多いことや、その運搬に伴って地域住民の生活環境や自然環境への影響、事業に伴う水環境や生態系への影響等、多岐にわたる分野での影響が懸念をされ」
「南アルプストンネル等、難易度の高い工事が想定されている」

このため、JR東海に対し、事業の実施にあたって、特に3つの事項の確実な実施を求めた。
「地元住民等への丁寧な説明を通じた地域の理解と協力を得ること」
「国土交通大臣意見を踏まえた環境の保全」
「南アルプストンネル等における安全かつ確実な施工」

国交省が、工事実施計画を審査し、「妥当」とした判断理由については、詳細が分からない。
一方で、環境破壊、難工事の懸念し、3つの事項をJR東海に求めている。

しかし、地域の理解と協力、大臣意見を踏まえた環境保全、南アルプスの安全工事のどれをとっても、
JR東海が、これまで示さず、やってこなかったこと、あるいは、出来ない事だった。

「自然環境と生活環境についての懸念が払拭(ふっしょく)されない限り、このまま工事に着工するべきではない」 
田辺信宏静岡市長のコメントのとおりだ。




以下引用

中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その1)の認可について
平成26年10月17日
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo09_hh_000049.html
平成26年8月26日付けで東海旅客鉄道株式会社より認可申請のありました中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画(その1)につきまして、本日認可いたしましたので、お知らせします。
添付資料
認可のお知らせ(中央新幹線)(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001057992.pdf
(別紙)工事実施計画の概要(中央新幹線)(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001057993.pdf

国土交通省鉄道局施設課専門官 水野
TEL:03-5253-8111 (内線40892) 直通 03-5253-8553
国土交通省鉄道局施設課専門官 佐々木
TEL:03-5253-8111 (内線40892) 直通 03-5253-8553

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太田大臣会見要旨 2014年10月17日(金) 9:40 ~ 10:05
国土交通省会見室 太田昭宏 大臣
http://www.mlit.go.jp/page/daijin141017.html
閣議・閣僚懇
 本日の閣議案件で、特に私の方から御報告するものがございません。
 次に、私から一点報告があります。
中央新幹線品川・名古屋間の工事実施計画(その1)については、本日認可することといたしました。
この後、11時に、私からJR東海柘植社長に認可書を手交いたします。
この工事実施計画につきましては、本年8月26日にJR東海から申請があり、その後、「技術基準等への適合」、「環境への配慮」、「工事費や完了予定時期」の主に3つの観点から審査を行ってきました。
その結果、工事実施計画として妥当と判断し、認可することとしたものであります。
リニア中央新幹線は、最速で東京・名古屋間を40分程度、東京・大阪間を1時間強で結ぶことにより、三大都市圏間の人の流れを大きく変え、国民生活や経済活動にも強い影響を与える重要な事業です。
一方で、トンネルの掘削に伴う建設発生土が多いことや、その運搬に伴って地域住民の生活環境や自然環境への影響、事業に伴う水環境や生態系への影響等、多岐にわたる分野での影響が懸念をされています。
また、南アルプストンネル等、難易度の高い工事が想定されているところです。
このため、JR東海に対しては、今後事業の実施にあたって、特に3つの事項の確実な実施を求めたいと思います。
一つ目は、地元住民等への丁寧な説明を通じた地域の理解と協力を得ることです。
二つ目は、国土交通大臣意見を踏まえた環境の保全です。
三つ目は、南アルプストンネル等における安全かつ確実な施工です。
国土交通省としては、事業の安全かつ円滑な実施が図られるよう、引き続き、JR東海を指導・監督してまいります。
なお、具体的な審査の内容については、この後に事務方より説明させます。
私からは以上です。
質疑応答
 質疑・応答につきましては、後日掲載いたします。

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時事通信(2014/10/17-12:36)
「着工すべきではない」=リニア工事認可で-静岡市長
 田辺信宏静岡市長は17日、国土交通省がJR東海に対しリニア中央新幹線(東京-名古屋)の工事実施計画を認可したことについて、「自然環境と生活環境についての懸念が払拭(ふっしょく)されない限り、このまま工事に着工するべきではない」とするコメントを発表した。
 コメントは「関係者および住民が納得する説明を十全に行うよう求めてまいりたい」と付け加えた。


NHK 10月17日 18時55分
リニア中央新幹線 今月中にも住民説明会
17日に建設工事の計画が認可された東京と名古屋の間を結ぶリニア中央新幹線について、JR東海の柘植康英社長は記者会見で、「13年後の開業に向けて余裕があるわけではない」と述べ、早ければ今月中にも沿線の住民向けの説明会を開く考えを示しました。
この中でJR東海の柘植社長は「東海道新幹線と並んで大動脈を二重化するプロジェクトだ。地域との連携や環境保全、それに工事の安全を重視して取り組んでいきたい」と述べました。
 そして、今後の工事について、柘植社長は「私鉄などが乗り入れている名古屋駅や品川駅、それに南アルプスのトンネル工事があり、13年後の2027年の開業まで余裕があるわけではない」と述べました。
 そのうえで、柘植社長は、今月20日付けで用地の取得や沿線の工事の管理などを行う部署や現地事務所を設置し、早ければ今月中にも沿線の住民を対象に環境保全策も含めた今後の工事の進め方について説明会を実施する考えを示しました。

ロイター 2014年 10月 17日 10:36 JST
リニア着工、国交相が認可
 太田昭宏国土交通相は17日、JR東海が2027年に東京・品川―名古屋の開業を目指すリニア中央新幹線の着工を認可した。大阪までの全線開業は45年の予定。国の基本計画決定から41年を経て、東京―大阪を1時間余りで結ぶ総工費9兆円のプロジェクトが動きだす。日本独自の超電導リニア技術を高速鉄道に導入するのは世界初となる見込み。巨大都市圏形成に伴う経済活性化への期待と、採算性や工事による環境影響への懸念が交錯する中での事業着手となる。
 JR東海は8月26日に名古屋までの工事実施計画の認可を申請した。計画によると、名古屋までの工費は5兆5235億円。

[時事通信社]2014 年 10 月 17 日 12:29 JST 更新
リニア新幹線の工事認可=JR東海に—国交省
 国土交通省は17日、東京(品川)と名古屋を結ぶリニア中央新幹線について、JR東海が申請していた工事実施計画を認可した。太田昭宏国交相は同日の閣議後記者会見で、「技術基準への適合、環境への配慮、工事費や完了予定時期の観点から審査し、妥当と判断した」と述べた。
 太田国交相から認可書を受け取った柘植康英社長は、「計画段階から建設段階に移る大きな節目」と強調。着工に向け、沿線住民への説明会や用地買収などを進める考えを示した。総工事費は5兆5235億円。 

NHK 10月17日 12時06分
リニア中央新幹線 建設工事の計画認可
東京と名古屋の間を結ぶリニア中央新幹線について、国土交通省はJR東海の建設工事の計画を認可しました。
 これを受けて、リニア中央新幹線は、13年後の開業に向けて本格的に動き出すことになります。
17日は、太田国土交通大臣がJR東海の柘植康英社長にリニア中央新幹線の建設工事計画の認可書を手渡しました。
 リニア中央新幹線を巡っては、JR東海がことし8月に東京・品川と名古屋を結ぶ区間の建設工事の計画を国土交通省に申請していました。
 そして、国土交通省が、技術基準を満たしているのかや、周辺の環境に配慮されているか、それに、工事費や工事の期間が適切かどうかなど、計画の内容を審査した結果、妥当だとして17日に認可しました。
 リニア中央新幹線に対しては、工事に伴う環境への影響などを懸念する声も出ていて、JR東海は今後、沿線の住民への説明会を開くなどしたうえで、用地の取得といった工事に向けた作業に入ることにしています。
 リニア中央新幹線の東京と名古屋のルートは286キロで、総工事費の5兆5235億円はすべてJR東海が負担します。
 世界の最先端の技術を活用し最高時速500キロで東京と名古屋を最速40分で結ぶリニア中央新幹線は、17日の認可で、13年後の2027年の開業に向け本格的に動き出すことになります。
太田国土交通相「住民への丁寧な説明を」
これについて、太田国土交通大臣は17日の閣議のあとの記者会見で、「リニア中央新幹線が開業すれば、人の流れを大きく変え、国民生活や経済活動にも強い影響を与える。アクセス、利便性が向上することで、地域の振興に寄与することも期待される」と述べました。
 そのうえで、太田大臣は「JR東海に対しては、地元住民への丁寧な説明を通じた理解と協力を得ることや、環境の保全、それに、安全かつ確実な工事を求めていくとともに、国土交通省としても、事業の安全かつ円滑な実施が図られるよう、JR東海を引き続き監督していきたい」と述べました。
JR東海社長「地元との連携に十分配慮」
東京と名古屋の間を結ぶリニア中央新幹線の建設工事の計画が認可されたことについて、JR東海の柘植康英社長は「いよいよ計画の段階から建設の段階に移るという大きな節目であり、大変身の引き締まる思いです」と述べました。
 そのうえで、今後の工事について、柘植社長は「特に地域や地元との連携に十分配慮をしながら確実に早期に進めていきたい」と述べました。


日本経済新聞 2014/10/17 11:30
リニア新幹線、国交相が着工認可 27年開業目指す
 太田昭宏国土交通相は17日、東海旅客鉄道(JR東海)が申請していた東京(品川)―名古屋間のリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。超電導リニア技術を高速鉄道に導入するのは世界で初めてで、2027年の開業を目指す。総事業費5兆円にのぼる巨大プロジェクトが国の基本計画決定から41年を経て動き出す。
 認可を受け、JR東海は沿線住民への説明会や用地買収に着手する。来年春にも本格的な工事を開始する。今回の認可対象は路盤、トンネル、高架橋など早期に対応が必要な土木構造部分で、事業費は4兆158億円に上る。駅舎や車両など設備分も今後追加申請するので、総事業費は5兆5235億円に増える。すべての事業費をJR東海が負担する。
 閣議後の記者会見で太田国交相は「三大都市圏の人の流れが劇的に変わり、国民生活や経済活動に大きなインパクトをもたらす重要なプロジェクトだ」とリニア新幹線の意義を強調した。
 JR東海は全国新幹線鉄道整備法に基づき、8月26日に品川―名古屋間の工事実施計画の認可を申請した。国交省は技術基準への適合や環境への配慮、工事予算の妥当性を審査した結果、計画を適当と判断した。
 工事で発生する残土の処理方法や河川流量の減少をめぐり、沿線の自治体や住民の懸念は残る。太田国交相は「工事の実施状況を注視し、必要な措置が講じられるよう指導していく」と、地元への不安払拭に努めるよう求める考えを示した。
 リニア新幹線の最高時速は505キロメートルで、品川―名古屋間の所要時間は現在の約1時間30分から40分程度に短縮される。料金は東海道新幹線「のぞみ」の指定席料金に700円程度を上乗せした水準となる見通しだ。
 286キロメートルに及ぶ営業区間のうち86%はトンネルで、深さ40メートル以上で地権者への事前補償が原則要らない大深度地下を通る。神奈川(相模原市)、山梨(甲府市)、長野(飯田市)、岐阜(中津川市)の4つの県に中間駅を設ける。
 品川―名古屋間が開業する27年から18年後の45年に大阪まで延伸開業する計画で、東名阪の全線開通するのにかかる総事業費は約9兆円に上る見込みだ。
 中央新幹線の基本計画を政府が決定したのは1973年で、JR東海は旧国鉄時代から地質調査などを続けてきた。国交相は11年5月に営業・建設主体にJR東海を指名し、建設を指示。JR東海は今年4月に環境影響評価書(アセスメント)を提出するなど、着工に向けた準備を進めてきた。


日本経済新聞 2014/10/17 12:32
JR東海社長「大きな節目」 リニア新幹線着工認可
 東海旅客鉄道(JR東海)の柘植康英社長は工事実施計画の認可を受け、「日本の大動脈輸送を二重化するプロジェクトが計画から建設の段階に移る大きな節目だ」と話した。今後は「まずは(沿線の各地域で)事業説明会をできるだけ早く始めたい」と述べた。


読売新聞 2014年10月17日 11時58分
リニア認可で国交相「国民生活に大きな影響」
 太田国土交通相は17日、JR東海が東京(品川)―名古屋間で2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。
 JR東海は認可を受け、沿線の関係者への説明会など建設工事の手続きに着手する。リニア新幹線が開業すると、東京―名古屋間は約40分で結ばれる。大阪延伸は45年になる見通しだ。
 太田国交相は同日の閣議後の記者会見で、「技術基準や環境面への配慮、工事費、工期などを入念に審査し、妥当と判断した。国民生活や経済活動に大きな影響をもたらす重要な事業だ」と述べ、リニア新幹線の意義を強調した。
 JR東海は東京―名古屋間の総工費を約5兆5000億円と見込む。柘植康英(つげこうえい)社長は同日、太田国交相から認可書を手渡された後、「環境の保全や地域との連携を重視し、実現へ全力で取り組む」と抱負を述べた。
 JR東海は近く各地に建設事務所を設置するほか、計画の地元関係者への説明や土地取得などを始める。準備には一定の時間がかかるため、重機を入れた本格的な工事は年明けになる見通しだ。
 計画区間286キロ・メートルのうち、トンネル部分が約9割を占める。品川、名古屋の両ターミナルは地下駅の難工事が予想されるほか、南アルプスのトンネル工事は10年以上の工期が予想される。沿線では地価や労務費の高騰が続いており、総工費が当初想定よりかさむ恐れもある。
 JR東海は全国新幹線鉄道整備法に基づき、8月26日に国交省に工事実施計画を申請した。国交省は工事に伴う環境影響評価などをもとに、沿線7都県や環境省の意見が計画に反映されているかや、工事方法が適切かどうかを審査していた。


読売新聞 2014年10月17日
山梨:リニア用地買収 市町に協力要請…県が決定
 リニア中央新幹線の建設を巡る用地買収について、県は、沿線市町に対し、業務の一部を担ってもらうよう協力要請することを決めた。県は地権者との用地交渉をJR東海から受託する考えだが、円滑な交渉・買収には土地の形態などに詳しい沿線市町の協力が不可欠と判断。17日、各市町のリニア担当課長を集めた連絡会議を開催し、協力要請するとともに用地取得のスケジュールや業務概要を説明する。
 2027年に開業する東京―名古屋間のルート全長約286キロのうち、県内分は83・4キロ。用地取得が必要な地上部は27・1キロと、沿線7都県で最も長い。このため、県は予定通りの開業には「スムーズな用地取得が最大の鍵」とみている。
 国土交通省は、JR東海が8月に申請した同新幹線の整備計画について、まもなく認可する見通し。県は地権者との用地交渉について、「地元の実情に精通していなければできない」としており、国交省による認可が出れば、交渉業務を受託する協定を同社と結ぶ方針だ。
 県は今年度、担当職員を昨年度より6人増やして9人にし、用地買収の計画を作成するための準備などを進めているが、「ルート沿線のどこに誰が住んでいるかは、沿線市町でないと把握できない」としている。
 このため、地権者との直接的な交渉は県が担う方針だが、その他の業務は沿線市町と役割分担しながら進めたい考え。沿線市町には、用地の形態などに関わる詳しい情報収集や自治会との連絡、住民説明会のセッティングといった業務を任せるとみられる。
 JR東海は、国交省による整備計画の認可後、事業説明会の開催や用地の測量を実施する。手続きが順調に進めば、認可・着工から約1年後には地権者に用地を提供してもらう予定という。


朝日新聞 2014年10月17日11時40分
リニア新幹線、国交相が着工認可 環境対策「問題なし」
工藤隆治
リニア中央新幹線の着工認可を発表する太田昭宏国土交通相=17日、東京都千代田区
 JR東海が品川(東京都)―名古屋間で2027年開業をめざすリニア中央新幹線について、太田昭宏国土交通相は17日、JR東海の着工計画を認可した。大量の残土の処分などの環境対策や安全性、資金面などで計画に問題はないと判断した。JR東海は直ちに用地交渉に入り、年明けにも工事を始める方針。総工費約9兆円の巨大事業は、国の基本計画決定から40年余を経て建設段階に入る。
 太田国交相はこの日の閣議後会見で、南アルプスを貫く長大トンネル工事や温室効果ガス増大などの環境影響について、「国交相意見で求めた環境への措置について、JR東海がすべて(対策を)行うと言っていることを確認した」と述べ、影響は抑えられるとの認識を示した。さらに品川から名古屋まで40分、大阪まで1時間強で結ぶことを挙げ、「3大都市圏の人の流れが劇的に変わり、大きなインパクトをもたらす重大な事業。アクセス向上で地域の利便性に寄与する」と計画の意義を強調した。
 太田国交相から認可書を手渡された柘植(つげ)康英(こうえい)社長は「日本の大動脈輸送が計画から建設に移る節目で、身の引き締まる思い。地域との連携に十分配慮し、確実に早期に進めたい」と述べた。今後、まず各地での事業説明会や測量、設計、用地買収に入るという。
 太田国交相は認可に際し、特に配慮が必要な事項として、地域の理解と協力▽国交相意見を踏まえた環境の保全▽難工事が予想されるトンネル工事などでの安全確保――の3点をJR東海に求めた。
 JR東海は品川―大阪間の総工費約9兆円を全額自社で負担するとして、07年に計画を発表。環境アセスメントを実施し、今年8月末、太田国交相に着工のための工事実施計画を提出した。品川―名古屋間の総工費は5兆5235億円で、当初見通しより935億円多くなったが、JR東海は「健全経営の大前提に収まっている数字」(金子慎副社長)と強調していた。(工藤隆治)


毎日新聞 2014年10月17日 11時19分(最終更新 10月17日 12時48分)
リニア新幹線:着工認可、27年に品川−名古屋間40分
 太田昭宏国土交通相は17日、JR東海が2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の工事実施計画を認可した。東京・品川−名古屋間を約40分で結ぶルートで、総工費は約5兆5000億円。JR東海は工事の着手に向け、沿線住民への説明会や用地取得などを開始する。
 JR東海が4月に環境影響評価書を提出してから半年でのスピード認可となった。同社は45年に大阪までの全線開業を目指しており、名古屋−大阪間を含めた総工費は約9兆円に上る。超電導リニアの高速鉄道への本格導入は世界初の事業で、同社は工事費を自己負担し、国の資金援助を求めないと表明している。
 リニア新幹線は、車両に超電導磁石を搭載。磁力によって約10センチ浮上する車両が最高時速約500キロで走行する。品川−名古屋間の所要時間は現在の東海道新幹線の1時間28分から約50分短縮される。大阪まで開通すると、2時間18分から1時間7分になる。
 品川−名古屋間の路線の全長は286キロ。うち86%は南アルプスなどの山岳地帯や都市部の大深度地下を掘削するトンネルが占め、難工事も予想される。環境への悪影響が懸念される大量の残土の処分なども課題だ。太田国交相は同日の記者会見で「JR東海には環境の保全や安全施工について、地域の協力を得ながら最大限努力していただく」と述べた。
 認可を受けJR東海は、地域ごとに行う沿線住民への説明会や用地取得などを始める。これらに一定期間を要するため工事の着手は数カ月後になる模様だ。柘植康英社長は先月、報道陣に対し「年内の土木工事への着手は難しい」との見通しを示している。
 国は1973年に中央新幹線の基本計画線を決定。2011年、JR東海を営業主体とする超電導リニア方式の新幹線整備計画を策定した。JR東海は同年から環境影響評価の手続きを開始。今年8月、国土交通省に対し、最終版の環境影響評価書を提出するとともに工事実施計画の認可を申請していた。【佐藤賢二郎】
 ◇リニア中央新幹線
 超電導磁石を搭載し、磁力によって10センチ浮上する車両が最高時速約500キロで走行する。2027年の開業を目指す東京・品川−名古屋間の所要時間は、現在の東海道新幹線の1時間28分から40分に短縮される。大阪まで開通すると、品川からの時間は2時間18分から1時間7分になる。


毎日新聞 2014年10月17日 12時20分(最終更新 10月17日 12時39分)
リニア新幹線:着工認可 膨らむ期待、消えぬ不安
 JR東海が2027年の開業を目指すリニア中央新幹線について、国土交通相の着工認可を受け、リニア中央新幹線は東京・品川−名古屋間の建設に向けた動きが本格的に始動する。中間駅の設置が予定される地域では、建設事業や観光客の流入がもたらす経済効果への期待が膨らむ。一方で、山岳地での大規模なトンネル工事が環境に与える深刻な影響を懸念する声は根強い。
 長野県飯田市の飯田商工会議所の柴田忠昭会頭(72)は「いよいよという感じ。リニア開業は地域発展の大きな足がかりになる。多くの人に飯田を訪れてもらうために、観光資源の開発に取り組みたい」と期待を寄せる。
 岐阜県中津川市の中津川商工会議所は「リニアの見える丘公園構想」を掲げるなど意欲をみせる。鷹見直基事務局長(67)は、「ゼネコンを中心に地元業者の仕事が増える。工事関係者が多数やってくるので、地元への経済効果は計り知れない」と話す。
 中津川観光協会「観光センターにぎわい特産館」の鈴木とも子店長(65)も「くりきんとんなど和菓子の町をアピールするチャンス。日帰り観光のスポットとして脚光を浴びるはず」と大歓迎だ。
 一方、飯田市の住民団体「飯田リニアを考える会」代表の片桐晴夫さん(75)はリニア新幹線の建設を疑問視する。「この地域で一番誇れるものは自然だが、リニアはそれを壊す。今後も人口減少が見込まれる中、本当に建設する必要があるのか」
 工事が始まると多数の工事車両が通行する長野県大鹿村の「大鹿の100年先を育む会」代表、前島久美さん(32)は、車両の一部が通学路を通ることを危惧するという。「生活道路をたくさんの工事車両が走るというのは衝撃。安全や環境面で不安は大きい」と話す。車両通行の時間制限や道幅の拡張を要望しているが、明確な回答はないという。
 リニアの線路建設予定地から50メートル以内に自宅がある山梨県富士川町の60代男性は「目の前に『コンクリートの壁』ができることになる可能性があるが、町内でも景観や環境への悪影響に対する切迫感には温度差がある」と話す。同町内には中間駅の建設予定はなく「直接的な経済波及効果もない上、一つの地域が線路で分断されるなどマイナス面が多い」と話す。
 市民団体「リニア新幹線を考える静岡県民ネットワーク」の林克(はやしかつし)代表委員(59)は「工事や残土で豊かな自然が破壊される。河川の流量減は生活に大きく影響する恐れがあるのに、JRから十分な説明もない。国は何を根拠に認めたのか」と批判した。【一條優太、小林哲夫、片平知宏、平塚雄太】

毎日新聞 2014年10月17日 12時23分
リニア新幹線:着工認可 JR東海「残された時間少ない」
 東京・品川−名古屋間を約40分で結ぶリニア中央新幹線の工事実施計画が認可されたことについて、JR東海は「早期に認可が出てよかった」(幹部)と受け止めている。開業予定は13年後とはいえ、難工事も予想されることから「用地買収も含めて残された時間はむしろ少ないというのが率直な印象」(別の幹部)だからだ。
 リニア中央新幹線は旧国鉄時代からの悲願でもある。東海道新幹線開業の2年前の1962年に開発に着手。車輪とレールが摩擦する走行では速度に限界があるとして、磁力を活用して浮上させる技術を追求した。87年の国鉄分割民営化以降はJR東海が開発を引き継ぎ、2003年の実験で世界最高の時速581キロを達成。現在は営業車両を予定する「L0系」の試験走行を行っている。柘植康英社長は「当社に大きな意味を持ち、日本経済にとっても大きなプロジェクト」と強調している。【森有正】


毎日新聞 2014年10月17日 12時41分(最終更新 10月17日 13時17分)
リニア新幹線:「経済活性化の起爆剤」期待は膨らむが…
 JR東海は、リニア中央新幹線の早期建設を目指す一方、米国を中心に超電導リニア技術の海外への売り込みにも力を入れる。量産化によるコストの引き下げが狙いの一つだ。安倍政権も同技術の海外輸出を成長戦略の一つに掲げる。安倍晋三首相は今年4月、ケネディ駐日大使とともに山梨リニア実験線に試乗。JR東海の葛西敬之名誉会長が説明役として同乗した。
 リニアを経済活性化の起爆剤にしたいという政府の思惑は、着工認可までの政府のスムーズな対応からもうかがえる。建設工事は沿線地域の環境への影響が懸念されているが、国土交通省は同社の計画に抜本的な見直しを求めることはなかった。こうした姿勢が「はじめに認可ありき」との印象を与えていることは否定できない。
 リニア中央新幹線は、国が公共事業として関与してきた従来の新幹線と異なり、JR東海がプロジェクトの全額を自己負担する。そのことを理由に挙げ、「政府は法律に従って審査するだけ。あとは(JR東海に)しっかりやってもらうしかない」(国交省幹部)と企業まかせの姿勢を示すような声も聞かれる。
 東西を結ぶ高速鉄道のスピード化は、歓迎する人々も多い一方、「東京一極集中」に拍車をかけ、地方の活力をそぐ可能性があるともいわれている。人口減少が進む中、将来的に需要を維持できるのかという疑問も根強い。リニア中央新幹線は、国民生活に深く関わる問題として今後も官民の幅広い議論が必要だ。【佐藤賢二郎】


毎日新聞 2014年10月17日 12時37分(最終更新 10月17日 12時49分)
リニア新幹線:課題山積 建設廃棄物は東京ドーム50杯分
 ◇生活環境にも影響大きく
 リニア中央新幹線は、全長286キロの86%がトンネルだ。南アルプスだけでも約25キロに及ぶ。掘削工事で生じる残土は推定で東京ドーム46杯分の約5680万立方メートル。汚泥やコンクリートも合わせた建設廃棄物は、ドーム50杯分の6380万立方メートルに達する。これだけの残土や廃棄物を適切に処分できるのかが建設プロジェクトの大きな課題だ。
 JR東海はこれまでも搬送先や有効利用の方法を模索してきたが、全量を処分する見通しは立っていない。今年8月末には「処分対象の残土の8割は搬入先の候補地のめどがついた」と公表したが、処分先で環境への影響を新たに引き起こす懸念は拭えない。
 水資源への影響も無視できない。トンネル工事で発生する湧き水が原因で地下水位の低下や河川流量の減少が起きる。静岡県の大井川上流は最大で毎秒2トンの流量の減少が予想されている。
 工事用車両の通行や重機の稼働による大気汚染、騒音、振動は沿線住民の生活や景観に響く。工事計画によると、長野県大鹿村では残土の運搬のため村内唯一の幹線道路を1日最大1700台もの車両が通行する。路線の周辺に営巣するクマタカやオオタカなど希少な猛禽類(もうきんるい)への影響も心配される。
 環境省は今年6月、JR東海が提出した環境影響評価書に対する意見書に「本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがない」との厳しい文言を盛り込んだ。JR東海は8月に公表した最終版の評価書で「生活環境、自然環境などに対する影響をできる限り小さくする」と前向きな姿勢を示したが、その方策は明確には見えてこない。今後、沿線住民らへの説明会で、より具体的な対策を打ち出せるかが、工事の進捗(しんちょく)を左右しそうだ。【阿部周一】


毎日新聞 2014年10月17日 12時28分
リニア新幹線:西の起点・名古屋「まちづくりの好機」
 ◇「再び騒音などの問題」の声も
 2027年にリニアの西の起点となり、東京・品川まで40分となる名古屋からも、歓迎の声があがる。17日、JR東海が2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の工事実施計画が認可されたのを受けて、名古屋駅太閤通口まちづくり協議会の河村満事務局長(58)は「100年に1度のチャンスを生かしたい」と喜ぶ。「名古屋市やJR東海などに提言する街づくり構想がこれから具体的になっていく」とも語り、リニア駅を核とした新しい街の出現を期待する。
 一方、名古屋新幹線公害訴訟原告団の村田勝彦団長(75)は「東海道新幹線の二の舞いになりはしないか」と危惧する。2年前のリニア新幹線の説明会で原告団が騒音を質問したところ、JR東海の回答は「山梨実験線の測定結果を基にすれば70デシベルで基準を満たす」。村田さんは「本当だろうか。徹底的に環境問題をクリアしないと、再び騒音などの問題が起きるのではないか」と話す。【黒尾透】


毎日新聞 2014年10月17日 12時47分
リニア新幹線:「おいてけぼり」あせる関西
 ◇名古屋−大阪間の開業は45年を予定
 17日に着工が認可されたリニア中央新幹線は、東京−大阪間を67分で結ぶ「夢の超特急」だが、今回の認可は2027年開業予定の東京・品川−名古屋間だけだ。名古屋−大阪間の開業について事業主体のJR東海は45年を予定し、関西の自治体や財界が求める同時開業は一層遠のいたが、なお働きを続ける。
 大阪府と大阪市、関西財界は今年7月、「リニア中央新幹線全線同時開業推進協議会」を発足させ、国やJR東海に同時開業を働きかけている。関西経済同友会の村尾和俊代表幹事は「あきらめずに訴えていく」と話し、大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭も「国家プロジェクトとして早期完成を目指してほしい」と認可は歓迎しつつ、「地方創生という新たな視点が加わった今こそ、西日本の拠点・大阪への同時開業が望まれる」と強調する。
 府は同時開業の経済波及効果を、東京−名古屋間の先行開業より全国で年間2150億円増えて約1・4倍になると試算し、利点を示して働きかける。さらに、JR東海が短期間での多額の建設費負担を懸念しているため、府・市は建設費の利子の一部を負担する考えも示している。松井一郎府知事は17日、「(大阪への開業が)一日でも早い方が、JR東海にも多大な利益になる」と話した。
 新大阪駅から東京に出張に向かっていた会社員、山本健司さん(34)=大阪市西区=は「月に2、3回新幹線を使って出張するが、1時間も短縮されると朝に余裕ができる。ゆっくりとコーヒーも飲めそう。開通は待ち遠しいけど、その頃はきっと退職してるんでしょう」と笑っていた。
 一方、名古屋以西の路線は、京都と奈良が綱引きを演じている。
 1973年の国の基本計画で新駅は「奈良市付近」とされ、2011年5月の国の整備計画で踏襲された。京都府と京都市、府内の経済団体などは「経済効果が高く関西国際空港へのアクセスもよい」と、京都駅ルートをアピールする。山田啓二知事は「関空も無く経済状況も全く異なる40年以上前の計画について、『決まったこと』として議論もしないなら政治家としての責任放棄だ」と言う。
 一方、奈良県内の新駅については奈良、生駒、大和郡山の3市が名乗りを上げている。しかし京都の誘致活動を受け、県内39市町村のうち33市町村長が昨年12月、大和郡山市に候補地を一本化するよう求める提言書を、荒井正吾知事に提出した。大和郡山市の上田清市長は「日本の大動脈の二重化が必要だ」と、東海道新幹線とは別ルートの整備を訴えている。【吉永康朗、熊谷豪、藤田文亮、宮本翔平】

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