2014-10-28(Tue)

整備新幹線 開業前倒し 議論本格化だが・・

「財政負担を追加してまで建設を急ぐ必要があるのか、疑問である」

政府・与党は、建設中の整備新幹線3区間の開業前倒しの検討を進めている。

与党は、2035年度に開業予定の北海道新幹線(新函館北斗―札幌間)を5年、
25年度の北陸新幹線(金沢―敦賀間)を3年の前倒しを求めた。
 
22年度の九州新幹線(武雄温泉―長崎間)も、できるだけ早期の完成を目指す。

前倒しは、工期短縮の影響で毎年の費用が増え、新たに5400億円の財源確保が必要となる。
その財源について、与党は、機構が金融機関から2000億円の融資を受ける案を示している。

また、16年度までにJR九州を株式上場し、その売却益で不足分を穴埋めする案も出ている。
しかし、いずれも国民に付けが回される可能性がある。

しかも、残りの部分の公費負担も免れない。

「厳しい財政事情を踏まえれば、今後の整備は既存の財源の範囲内で、無理なく進めるのが現実的だろう。
政府・与党は、老朽化した交通インフラの維持・更新など、喫緊の課題を優先すべきだ。」(読売)

<社説>
読売新聞)整備新幹線 前倒しで公費負担を増やすな(10/26)
朝日新聞)整備新幹線―前倒しより財政規律を(9/26)




以下引用

読売新聞 2014年10月26日 01時12分
社説:整備新幹線 前倒しで公費負担を増やすな
 財政負担を追加してまで建設を急ぐ必要があるのか、疑問である。
 政府・与党の作業部会が、建設中の整備新幹線3区間について、開業前倒しの検討を進めている。
 与党は、2035年度に開業予定の北海道新幹線(新函館北斗―札幌間)で5年、25年度の北陸新幹線(金沢―敦賀間)は3年の前倒しを求めた。
 22年度の九州新幹線(武雄温泉―長崎間)も、できるだけ早期の完成を目指すという。
 沿線自治体や関係議員は、開業を早めれば、その分、観光や企業誘致といった地域活性化の効果も早く表れると主張している。
 地元の期待は分かるが、重要なのは巨額の費用をきちんと手当てできるかどうかである。
 整備新幹線は、独立行政法人の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が建設している。費用の3割は、JR各社が機構に払う既存の新幹線の線路使用料などで賄い、残りは国と地方が負担する。
 与党の要望通り前倒しすると、工期短縮の影響で毎年の費用が増えるため、新たに5400億円の財源を確保する必要がある。
 与党は、JRが将来払う使用料を担保に、機構が金融機関から2000億円の融資を受ける財源案を示した。機構による自主財源の「前借り」であり、国や地方に新たな負担は生じないという。
 ただ、2000億円による前倒し効果は1~2年にとどまる。
 このため与党は、使用料の増額を検討しているが、負担の膨らむJR側の反発は必至である。
 16年度までにJR九州株の上場を実現し、それで得られる政府保有株式の売却益などで不足分を穴埋めする案も浮上している。
 JR九州株をいつ上場できるかや売却益の規模は不透明だ。「皮算用」に過ぎない財源を頼りに、前倒しを強行するのは危うい。
 そもそも、JR九州株の売却益は、法律で旧国鉄の年金財源に充てることになっている。安易な流用は避けねばならない。
 与党内に、国の負担増もやむを得ないとする声があるのは、看過できない。「地方創生」に便乗したバラマキにならないか。
 開業50年を迎えた新幹線は、主要都市を短時間で結び、経済成長を支えてきた。とはいえ、厳しい財政事情を踏まえれば、今後の整備は既存の財源の範囲内で、無理なく進めるのが現実的だろう。
 政府・与党は、老朽化した交通インフラの維持・更新など、喫緊の課題を優先すべきだ。


朝日新聞 2014年9月26日(金)付
社説:整備新幹線―前倒しより財政規律を
 建設工事が進む整備新幹線の3線区について、政府・与党が完成時期の前倒しを検討し始めた。
 2035年度に開業予定の北海道新幹線(新函館北斗~札幌、211キロ)は5年前倒しを、25年度完成予定の北陸新幹線(金沢~敦賀、113キロ)は3年前倒しを目指す。22年度開通予定の九州新幹線(武雄温泉~長崎、66キロ)も、できるだけ早めるという。
 事業費の総額が3兆3千億円に達する3線区の建設を政府が認可したのは2年余り前。「造ることになったのだから、早く開通させた方がよい。地元も望んでいる」というのが理由だ。
 もっともな主張ではあろう。ただ、深刻な財政難と人口減少の中で、整備新幹線の新規着工自体に根強い疑問や反対があったことを忘れないでほしい。
 現在の完成時期は、財政の厳しさにも配慮しつつ決めた、ギリギリの計画ではなかったのか。財源の具体的な検討はこれからだが、建設前倒しは税金など公費の増額につながる恐れが多分にある。
 整備新幹線は独立行政法人が施設を建設・保有し、運行を担うJR各社に貸し出す。政府・与党は、完成後に入る使用料収入を担保に独法が銀行から借金したり、上場を目指しているJR九州の株式売却益を充てたりすることを検討するという。
 しかし、使用料の活用で短縮できる工期はせいぜい1~2年だ。JR九州の上場はまだ目標の段階にすぎない。
 整備新幹線への税金投入は、国と自治体が2対1の割合で負担してきた。今年度の拠出額は合わせて1千億円余の予定だ。
 使用料をフルに活用したうえで不足分に税金を充てても、1年あたりの増額は200億円余りで済む。そんな計算もある。
 ただ、政府・与党内では、他の分野でも歳出増を求める声があちこちから上がっている。不足する社会保障財源をまかなうための消費増税が呼び水となり、安倍政権が主要課題に掲げた「地方創生」が拍車をかける構図だ。来春に統一地方選を控え、財政再建という課題を忘れたかのような様相だ。
 消費増税を重ねても社会保障費はまかなえず、高齢化で増えていく。東日本大震災に伴う復興財源も、さらに手当てを迫られそうだ。
 問題なのは、整備新幹線の前倒し建設で増える公費の多寡ではない。財政規律をゆるめる「アリの一穴」にならないか。私たちが心配するのは、そのことである。

----------------------------------------

NHK 10月21日 22時53分
整備新幹線 財源巡って議論
整備新幹線の開業時期の前倒しを議論する政府・与党のワーキンググループ会合で、前倒しに必要な建設費用の財源について話し合われ、今後、前倒しによる経済効果など、さらに議論を深めていくことになりました。
2回目となる政府・与党のワーキンググループの会合では、平成37年度をめどに予定されている北陸新幹線の金沢から敦賀までの延伸を3年、また、平成47年度をめどに予定されている北海道新幹線の新函館北斗から札幌までの延伸を5年、それぞれ前倒しするために必要な建設費用について、国土交通省の担当者がおよそ5400億円に上ると説明しました。
そのうえで、財源について、建設主体の鉄道・運輸機構が将来、JRから支払われる使用料収入を担保に金融機関から資金を借りることでおよそ2000億円の調達が可能としています。
また、残りのおよそ3400億円は、上場を目指しているJR九州の株式の売却収入を充てる方法などを含めさらに検討が必要と説明し、与党の出席者の間から財源をしっかり検討するよう求める意見が出されました。
次回の会合は来月中旬に開かれ、国土交通省が前倒しによる経済効果などを示して、さらに議論を深めていくことになりました。

読売新聞 2014年10月22日 14時19分
整備新幹線、JR側の負担増で開業前倒し
 建設中の整備新幹線の開業前倒しを検討する政府・与党の作業部会が21日、首相官邸で開かれた。
 必要となる財源の確保に向け、JR各社が新幹線の施設を使用する料金として支払っている「貸付料」の増額や、支払期間の延長など、JR側に負担増を求める案を検討することを決めた。
 貸付料はJR各社が、線路などを持っている独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に原則として、開業から30年間支払うことになっている。
 政府・与党はJRから将来入ってくる貸付料を担保に機構が金融機関からお金を借りることで、現状でも追加の負担なく2000億円を確保できるとしている。政府・与党は、貸付料の増額などにより追加の資金を確保し、
さらに前倒しを図りたい考えだが、負担が増すJR側の反発は必至だ。


毎日新聞 2014年10月21日 21時19分(最終更新 10月22日 00時18分)
3整備新幹線:開業前倒し議論本格化 財源確保で難航も
 北海道、北陸、九州の3整備新幹線の開業前倒しの議論が本格化している。21日には政府と与党の2回目の作業部会が首相官邸で開かれた。部会では、どの程度の期間を前倒しできるかなどについて、年末の予算編成までに議論をまとめる方針だ。政府、与党は足並みをそろえているが、財源確保策の調整には難航も予想される。最大で5年の前倒しを目指しているものの、財源確保が難しければ期間の圧縮も予想される。
 21日の作業部会には政府側が官房副長官と総務、財務、国土交通各省の副大臣、与党側は整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)幹部が出席。財源上の課題などについて議論された。
 与党PTは、北海道新幹線の新函館北斗−札幌間の開業時期について、現在予定されている2035年度から5年、北陸新幹線の金沢−敦賀間を25年度から3年、九州新幹線(長崎ルート)の武雄温泉−長崎間を可能な限り、それぞれ前倒しを目指すように政府に求めている。
 政府も15年度予算で、国交省が開業前倒しに必要な具体額を明示しない「事項要求」として概算要求した。今後は、政府・与党の作業部会の結論を踏まえ、具体額を予算に反映させる構えだ。
 与党が求める北海道5年、北陸3年の前倒しを実現するには、約5400億円が必要になる。これをそのまま予算化するのは、14年度の国の整備新幹線の予算(720億円)が、9年ぶりに14億円増えたばかりということもあって、「現実的ではない」(国交省幹部)のが実情だ。
 そこで現在浮上しているのが、JR各社が将来支払う線路や駅の使用料を担保に、銀行から資金を借り入れる案。整備新幹線の線路や駅は、独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設し、JR各社が使用料を払って利用する仕組み。同機構が使用料を担保に借り入れる場合、約2000億円を確保できることになるが、この金額では北海道2年、北陸1年の前倒しにとどまる見通しだ。
 残りの3400億円を確保するため、与党PTからは財源候補として、同機構が全株式を保有し、16年度までの上場を目指す、JR九州の株式売却益を活用する案が浮上。さらにJR各社が線路や駅の使用料を払い続ける期間を現在定めている30年から延長する案も示している。
ただ、これらの案の実現には課題も多い。JR九州の株式が上場されれば、売却益として数千億円が見込まれるものの、売却益は旧国鉄職員の年金給付に充てるよう旧国鉄債務処理法で決められていて、実現には法改正が不可欠となる。また、同社が確実に16年度までに上場をすることができるかなど不確定要素も多い。国交省は売却益の一部をJR北海道などへの支援にも充てたい意向で、どれだけ整備新幹線に回せるかは未定だ。
 一方、使用料の支払期間の延長は、JR側の負担増につながるため、「到底受け入れられるものではない」(JR東日本の冨田哲郎社長)とJR各社が強く反発。年末までに結論が得られるかは微妙だ。次回の作業部会は11月中旬に開かれる予定だ。【永井大介】
 【ことば】整備新幹線
 全国新幹線鉄道整備法に基づき1973年に整備計画が決まった北海道、東北(盛岡−新青森)、北陸、九州(鹿児島、長崎の2ルート)の計4新幹線5路線を指す。東北と鹿児島ルートはすでに全線開業し、北陸も長野までは開業、長野−金沢間は2015年春、北海道の新青森−新函館北斗間は16年春に開業予定だ。建設は独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が行い、駅や線路などの施設を運行するJRに貸し付ける。建設費用のうち公共事業分は、国と沿線自治体が2対1の割合で負担するが、国も地方も財政が悪化しているため、たびたび財源問題にぶつかっている。


産経ニュース 2014.10.21 21:09
北海道、北陸新幹線の開業前倒し…財源巡り議論 政府・与党WG 
 北海道、北陸など整備新幹線の開業時期前倒しを検討する政府・与党のワーキンググループ(WG)は21日の会合で、開業前倒しに必要な財源上の課題などについて議論した。
 与党は北海道新幹線で現行予定から5年、北陸新幹線で3年、それぞれ開業時期を前倒しするよう要望している。だが、国土交通省の試算では、実現には5400億円が必要となる。
 会合では、新幹線を運行するJR各社が将来支払う施設使用料(貸付料)を担保に賄えるとみている2千億円について、財務省は「内容を精査する必要がある」と指摘。与党が提案しているJR九州の株式売却収入の活用をめぐっても、同省は「現状では上場時期や売却収入の見込みが不確定」とした。
 一方、太田昭宏国土交通相は21日の閣議後会見で、整備新幹線の開業時期について「少しでも前倒しはできないのか」と前向きな姿勢を示したが、前倒しの幅をめぐっては「数字を申し上げる段階にない」とした。


Business Journal 2014.10.13
整備新幹線、開業前倒しは財源難航も 15年度予算へ詰めの協議
 与党や沿線自治体が求めている北海道、北陸など整備新幹線3区間の開業時期前倒しに向け、政府と与党が検討作業を本格化させている。与党の提案を受けて設置された政府・与党のワーキンググループ(WG)が9月下旬に始動。2015年度予算編成に向け、年末までに結論をまとめる。前倒しによる経済効果への期待が地元を中心に高まるものの、最大の課題となる財源確保策をめぐる調整は難航が避けられず、財源が不足すれば前倒し期間は圧縮を余儀なくされる。国、地方とも財政事情は苦しいこともあり、落としどころはまだ見えていない。
 「整備新幹線の前倒し開業は地方への経済効果が大きい。ぜひお願いしたい」。9月24日に開かれた政府・与党WGの初会合で、与党の国会議員は異口同音にこう主張した。与党は7月、北海道新幹線の新函館北斗-札幌間を現在予定されている2035年度から5年、北陸新幹線の金沢-敦賀間を25年度から3年、九州新幹線(長崎ルート)の武雄温泉-長崎間を可能な限り、それぞれ開業時期の前倒しを目指すように政府に申し入れた。
 国土交通省は15年度予算の概算要求で、開業前倒しについて、具体額を明示しない「事項要求」とし、前倒しの実現に取り組む方針を示した。政府・与党WGの結論を踏まえ、具体額を予算に反映させる構えだ。
 大和総研の中里幸聖主任研究員は「人口減が進む中、地方の一定規模の都市に人口を集約した上で各都市を高速ネットワークでつなぐ政策を進めるとき、新幹線は有力手段となる。整備新幹線が早くできるのに越したことはない」と開業前倒しの意義を指摘する。
 沿線自治体には経済効果がいち早く表れることへの期待が大きく、北海道庁は新函館北斗-札幌間の開業時期が現在の予定から5年前倒しとなれば、開業後5年間の経済効果は約5100億円に上り、前倒ししない場合の約4700億円よりも約400億円増えると試算している。
 もっとも整備新幹線の建設費は巨額にのぼり3区間の事業費は現行計画でも合計で3兆円を超える。整備新幹線は、独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が線路などの施設を建設・保有して、新幹線を運行するJR各社に貸し付けJR各社は施設使用料(貸付料)を鉄道・運輸機構に支払うという「上下分離」方式を採用している。
 前倒しの実現には財源確保が最大の課題となる。国交省によると北海道5年、北陸3年の前倒しには5400億円の追加費用が必要だ。このうち2000億円は、新幹線を運行するJR各社が鉄道・運輸機構に将来支払う貸付料を担保に、銀行から資金を借り入れることで賄う案が有力だ。この金額だと北海道2年、北陸1年の前倒しが可能になる。
 残る3400億円の捻出方法はまだ有力案が固まっていない。与党は財源候補として、鉄道・運輸機構が全株式を保有し、16年度までの上場を目指すJR九州の株式売却益を活用する案のほか、JR各社が貸付料を払い続ける期間を現在定めている30年から延長する案を示した。政府・与党WGでの財源の議論も与党案を土台に進むとみられる。
 もっとも、政府・与党のWGで着地点を見いだす作業は容易ではなさそうだ。JR九州の株式売却益は現状では旧国鉄職員の年金の支払いに充てるよう決められており、整備新幹線の開業前倒しに充てるには法改正が必要になる上、「国民の理解を得られるかなど詰めるべき点は多い」(国交省幹部)。株式売却益から実際にどれだけの金額を整備新幹線に回せるかも不透明だ。
 鉄道・運輸機構に対する貸付料の支払期間延長案には、負担増を強いられるJR各社が「到底受け入れられない」(JR東日本の冨田哲郎社長)と拒んでおり、年末までに同意を得られるめどは立っていない。
 合意難航も見据え、与党は国や地方の負担を増やす案も視野に入れる。整備新幹線の建設に充てる財源は、貸付料を除くと国が3分の2、地方が3分の1を負担している。14年度の国費は720億円と9年ぶりの増額となったが、国、地方とも財政事情は苦しく、すんなり負担増をのめる状況にない。
 前倒し開業を求める与党や沿線自治体の動きからは、政権交代後の公共投資の期待もうかがえる。大和総研の中里氏は「他にも重要な事業が控えており、開業前倒しがどれだけ優先度の高い項目として支持を得られるかが鍵になる」との見方を示す。与党は北海道5年、北陸3年の「満額回答」にこだわる構えで、政治判断での決着の可能性もある中、政界や自治体など関係者の駆け引きが年末に向けて激しくなりそうだ。(森田晶宏)


朝日新聞デジタル 2014年9月25日05時00分
整備新幹線、前倒しへ4案 焦点の財源、議論 政府・与党
 北海道、北陸、九州の3整備新幹線の建設前倒しについて、24日に政府と与党の協議が始まった。前倒しの方向では一致しており、財源として四つの案が検討されることになった。ただ、与党が求める北海道5年、北陸3年の前倒しには合わせて約5400億円が必要になるため、財源とのバランスを考えて前倒しの幅を決めることになる。
 「前倒しは地方への経済効果が高い」。24日の政府・与党の作業部会の初会合には、自民党の町村信孝元官房長官ら与党議員と、財務省、国土交通省などの副大臣らが参加し、10人の与党議員全員が前倒しを主張した。
 与党は、2035年度に開業予定の北海道(新函館北斗―札幌)、25年度に開業予定の北陸(金沢―敦賀)の2路線について、開業時期をそれぞれ5年と3年前倒しするよう求めている。22年度に開業予定の九州(武雄温泉―長崎)は前倒し期間を示していない。
 政府も、国交省が15年度予算案の概算要求で「開業時期の前倒し」を求めた。ただ、前倒し期間や必要な金額は示していない。そこで政府・与党は予算案が決まる12月までに、2路線の前倒し期間や財源を決めることにしている。
 焦点は財源だ。作業部会では主に四つの案が議論される見通しになっている。
 このうち実現が確実とみられる第一の案が、JR各社が将来支払う線路や駅の「使用料」を見込んで銀行から約2千億円を借りる案だ。これで北海道を2年、北陸を1年前倒しできる。
 整備新幹線の線路や駅は独立行政法人の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が建設して保有し、JR各社に30年間貸し出す。国交省幹部は「(建設のために機構が)借りてもいずれ戻ってくるお金なので、実現しやすい」とみている。
 ただ、第一の案だけでは与党が求める北海道5年、北陸3年の前倒しには約3400億円が足りない。
 第二の案は、政府が事実上すべてを持つJR九州の株を売り、政府がその売却益を財源に出す案だ。JR九州が16年度にめざす株式上場が前提だが、与党には「1千億円超を見込める」との声がある。法律では売却益を旧国鉄職員の年金にあてるとされているが、国交省幹部は「与党の賛成で法改正できる」とみる。
 ■予算増の案「理解得られぬ」
 残りの二つの案は実現へのハードルが高い。
 第三の案は第一の案の拡大版だ。JR各社への線路や駅などの貸付期間を30年より延ばし、機構が銀行から借りる金額を増やす。
 ただ、整備新幹線で最初に開業した長野新幹線(高崎―長野)もまだ17年しかたっていない。30年を過ぎた後の使用料をどうするかは、政府とJR各社で話し合うことになっていた。
 JR各社は使用料が下がると期待していたため、強く反発している。JR東日本の冨田哲郎社長は7月の会見で「整備新幹線の仕組みを根底から覆すもので、到底受け入れられない」と述べ、国交省幹部も「その議論を始めたら年末までにまとまらない」という。
 最後の案は整備新幹線に出す予算を増やすことだ。約3400億円を出すなら、30年度まで国が年140億円、地方が年70億円の予算を増やす必要がある。
 今年度の国の整備新幹線の予算は720億円で、9年ぶりに14億円増えたばかり。国交省幹部は「国民の理解を得られないだろう」とみる。(土居新平)
 ■整備新幹線の建設前倒しに向けた四つの財源案
 (1)施設の使用料を担保に銀行から借りる
 〈金額〉 2000億円
 〈課題〉 実現する方向
 〈前倒しできる期間〉 北海道2年、北陸1年
 (2)政府が持つJR九州株を売却
 〈金額〉 1000億円超?
 〈課題〉 上場実現が前提
 〈前倒しできる期間〉 実現すれば北海道5年、北陸3年?
 (3)施設をJRに貸す期間を延長
 〈金額〉 約1000億円?
 〈課題〉 JRが強く反発
 〈前倒しできる期間〉 実現すれば北海道5年、北陸3年?
 (4)建設に使う予算を増額
 〈金額〉 1000億~3400億
 〈課題〉 国民の理解
 〈前倒しできる期間〉 実現すれば北海道5年、北陸3年?

////////////////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 整備新幹線 開業前倒し

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン