2014-11-26(Wed)

12・14衆院選 自民党公約 不都合は封印

雇用をつくり、地方へ人の流れを

<各紙社説>
日本経済新聞)雇用をつくり、地方へ人の流れを (11/25)
東京新聞)社会保障 再分配機能を強化せよ(11/25)
信濃毎日新聞)12・14衆院選 自民党公約 不都合は封印するのか(11/27)





以下引用

日本経済新聞 2014/11/25付
社説:雇用をつくり、地方へ人の流れを
 安倍政権は衆院選に向けて「地方創生」を看板政策に掲げている。人口減が続く地方では経済規模が縮小し、それがさらなる人口減少を招く悪循環に陥っている。これを断ち切るためにも地域の雇用を創出し、人の流れを変えたい。
 先の国会で地方創生関連2法案が成立した。この点は評価するが、2つの法律は理念や手続きを定めているだけだ。地域経済を立て直す具体案を自民や公明など各党は公約で示してほしい。
企業の潜在力引き出せ
 地方を活性化するカギは地域の中小企業の潜在力を引き出すことにかかっている。産学官と金融機関が連携し、技術開発や販路の拡大を支援すべきだろう。公設の研究機関の研究成果を地元企業にもっと還元する仕組みも要る。
 経済産業省は今年3月、特定の製品や技術に強みをもち、世界市場で高いシェアと利益を確保している「グローバルニッチトップ企業」を選定した。そこには金沢市の津田駒工業や岡山市の内山工業など地方に拠点を置く企業が多数、名を連ねている。
 グローバル企業になる条件に本社の立地場所など関係ない。強い地方企業が増えれば雇用の厚みが増す。経済の新陳代謝を進めるために起業を促し、ベンチャー企業を支援することも欠かせない。
 人口減で域内の消費は減るのだから、域外から需要を取り込めるかどうかが地方経済の行方を左右する。この点からみて大きな意味を持つのは観光だ。ビザの発給要件の緩和や特産品の開発を後押しして観光客をさらに増やしたい。
 農林水産業も地方の強みなはずだ。大規模化や6次産業化を進めればもっと雇用を生み出せる。
 職住近接が可能で、自然が豊かな地方の方が子育てをしやすい面がある。機会があれば地方での暮らしを望む都市住民は少なくない。UターンやIターンを後押しする仕組みが必要だ。
 自民党は地元出身者の採用を増やす地方企業の支援策を検討している。全国知事会は地方大学を卒業して地元で就職した人を対象に奨学金の返済を免除する制度の創設を提案している。どういう方法が地域の活力を高めるうえで望ましいのか、議論を深めてほしい。
 地方の活性化は急務だが、それでも地方の人口減少は続く。地域ごとに都市機能を再編して「賢く縮む」戦略が欠かせない。商業や医療・福祉などの施設を幾つかの区域に集約できれば、バスなどの公共交通網を維持しやすくなる。
 そこに住宅も誘導できれば人口は減っても地域社会の崩壊を防げる。まずは老朽化した公共施設の再配置から取り組むべきだろう。
 この点で、財政再建中の北海道夕張市の取り組みは参考になる。夕張では街の中心部に市営住宅を建て、周辺部の古い住宅で暮らす市民の住み替えを促している。
 この2年間の安倍政権を振り返ると気になる点がある。地方分権の優先度が低下したことだ。政府の地方分権改革有識者会議が10月下旬にまとめた案をみると、地方が権限の移譲や規制緩和を求めた935項目のうち、実現のめどが立ったのは4分の1にすぎない。
分権なしに創生なし
 保育所の設置基準の緩和などは少子化対策を進めるうえでも不可欠だ。農地転用のような土地利用の権限ももっと市町村に移した方がいい。地方創生は分権なしには進まない。
 政府は小規模な市町村を対象に「日本版シティマネジャー」と名付けて中央省庁の職員などを派遣する制度を設ける方針だ。シティマネジャーとは米国の州や自治体にいる実務経験が豊富な行政の専門家集団のことだ。
 職員不足に悩む市町村は多いから国が支援するのは構わないが、地方をやや見下した名称ではないだろうか。必要なのは専門知識が豊富で、自治体職員と一緒に汗を流せる人材だ。
 地方を再生するためには中央省庁の予算に地方が合わせるのではなく、地方のニーズに合わせた予算にすることが肝要だ。この点からみても、あらかじめ使途を決めた補助金を減らして、使い道が幅広い新たな交付金制度に変えるべきだろう。
 地方を活性化する特効薬はない。一時的な予算のばらまきではなく、人の流れを変える効果的な政策は何か、選挙戦を通じて各党が競い合ってほしい。


東京新聞 2014年11月25日
【社説】社会保障 再分配機能を強化せよ
 富裕層が富めば、その滴がしたたり落ちるというトリクルダウン効果はなく、庶民の暮らしはより厳しくなるばかりだ。所得の再分配機能を強化すべきだ。
 実質賃金は十五カ月連続で、前年同月を下回っている。相対的な貧困率は上がり続け、一人親世帯になると先進国でも最悪の水準だ。生活保護を受給しているのは八月時点で百六十一万世帯と過去最多を更新した。一方で、高額商品の売れ行きは好調で、国民生活の格差は広がっている。
 安倍政権が誕生した二年前の総選挙で、自民党は社会保障について「『自助』・『自立』を第一に」と公約に掲げた。自分のことは自分や家族で面倒をみろ、ということだろう。
 その公約通り、社会保障の削減は進んだ。公的年金は昨年十月から三段階に分けて2・5%引き下げられつつある。国民年金の満額受給者で、すでに年間、約一万三千七百円減った。医療保険では、今年四月から七十~七十四歳の自己負担が順次、一割から二割に引き上げられている。介護保険については、一定以上の所得がある人の利用者負担を二割に上げるほか、特別養護老人ホームの新規入居を「要介護3」以上に限るなどの給付カットが、二〇一五年度から実施される。
 生活保護では、食費などの生活費に充てる生活扶助費が昨年八月から計6・5%引き下げられている。保護が必要な人が利用できなくなると懸念される改正生活保護法も今年七月に施行された。
 来年十月に予定されていた消費税の再増税が延期されたことにより、社会保障の充実策は先細りする見通しだ。政府は来年度一兆八千億円を充てる方針だったが、四千五百億円不足する。
 四月からスタートする待機児童解消に向けた「子ども・子育て支援新制度」は、保育施設の職員増加などが縮小される可能性がある。無年金者を減らすため、受給資格期間を二十五年から十年に短縮し、低所得の年金受給者に最大月五千円の給付金を支給する対策は、先送りの公算だ。人手不足が深刻な介護職員の待遇改善や、低所得高齢者の介護保険料軽減も難しくなっている。
 再増税延期で財源が不足するなら、各省の予算枠を組み替えてでも、年金、医療、介護などの社会保障は充実させるべきだ。所得再分配機能の強化は、最優先に取り組むべき課題だ。

信濃毎日新聞 11月27日(木)
社説:12・14衆院選 自民党公約 不都合は封印するのか
 公約というよりはスローガンのような印象を受ける。
 自民党が総選挙に向けて発表した政権公約だ。「景気回復、この道しかない」との表題が物語っている。
 第2次安倍晋三政権が発足して以降、雇用や企業倒産件数などの経済指標が好転したとする例を次々に列挙した。
 首相が一方的に総選挙の最大争点に設定した自身の経済政策「アベノミクス」が軌道に乗っていることをアピールする狙いなのだろう。成果が判断しにくいものをあえて争点化し、有権者の支持を取り付ける考えのようだ。
 自衛隊の任務を大きく変える集団的自衛権の行使容認や原発の再稼働など、国民の賛否が割れる問題は多い。戦後日本の針路に関わる問題なのに、安倍政権が積極的に進めてきたこれらの政策を公約は国民の目から遠ざけているようにも見える。
 首相が言うように、アベノミクスしか道はないのか。今春の消費税アップや急速な円安で実質賃金の減少など、暮らしは揺らいでいる。雇用が増えているとはいっても、非正規労働者が増えているのであって、格差は広がっているとの指摘がある。
 自民の公約は、こうした側面には触れていない。待ったなしで取り組まなくてはならない財政再建の見通しも不透明のままだ。具体策が乏しいにもかかわらず、財政再建の手を緩めず、景気回復を加速させると強調している。
 一方、保守色の濃い記述は影をひそめた。2年前の総選挙では国防軍保持など具体的な憲法改正草案を記していたが、今回は「国民の理解を得つつ憲法改正原案を国会に提出」するとした。
 行使容認を閣議決定した「集団的自衛権」の文言も盛ってはいない。「切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備する」との表現にとどめた。
 先に公約を発表した民主党は行使容認決定の「撤回」を掲げている。特定秘密保護法も含め、安倍政権が進める安全保障政策には国民の反対や懸念は根強い。
 不都合な部分を見えにくくし、選挙を乗り切ろうとの自民党の思惑が透ける。アベノミクスを訴えて衆院の過半数を制すれば、後は白紙委任で―。そんな展開は認められない。選挙戦では安倍政治の2年について丁寧に説明しなくてはならない。


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