2014-11-28(Fri)

長野北部地震 被害減らした助け合い

助け合いの精神生きた 「共助」が犠牲者ゼロの要因だ

<各紙社説>
読売新聞)長野北部地震 「共助」が犠牲者ゼロの要因だ(11/27)
毎日新聞)長野北部地震 助け合いの精神生きた(11/26)
東京新聞)長野北部地震 被害減らした助け合い(11/26)
信濃毎日新聞)被災者の支援 栄村の教訓を生かして(11/26)
信濃毎日新聞)県北部の地震 活断層を知り備えよう(11/24)




以下引用

読売新聞 2014年11月27日 01時12分
社説:長野北部地震 「共助」が犠牲者ゼロの要因だ
 震度6弱を記録した大きな地震だったが、一人の死者も出なかった。
 災害が起きた際、住民同士の助け合いがいかに大切か。そのことを実感させられた。
 長野県北部を襲った地震では、40人以上が負傷し、全半壊を含め住宅約500棟が損傷した。22日夜の発生以来、多数の住民が避難を余儀なくされている。
 豪雪地域である。本格的な冬を前に、政府や長野県などは、被災者の仮住まいの確保など支援活動を加速すべきだ。
 震源は、本州を南北に横切る国内最大級の「糸魚川―静岡構造線断層帯」北部だった。地震のエネルギーが集まる「新潟―神戸ひずみ集中帯」の一部でもある。周辺地域での地震を誘発する可能性も指摘されている。
 政府や関係自治体には、十分な警戒が求められる。
 今回、被害が大きかったのが白馬村だ。高齢者や幼児らが倒壊家屋の下敷きになった。夜にもかかわらず、近所の住民たちが、すぐさま現場に駆けつけ、ジャッキなどでがれきを持ち上げて、被災者を救い出した。
 地域の人たちが各戸の家族構成を把握していなければ、がれきの下に取り残される人が出たかもしれない。古くからの住民が多く、「顔の見える」付き合いが浸透していたことが、犠牲者がゼロだった大きな要因と言えよう。
 大規模災害時には、行政機関の機能が麻痺(まひ)するケースがある。道路が寸断され、救援隊の到着が遅れることも少なくない。今回の地震を契機に、地域での「共助」の重要性を再認識したい。
 内閣府の調査によると、地震や津波で孤立する恐れがある集落は、全国で1万9160か所に上る。その多くが、高齢の住民が多い過疎集落だ。
 人口減が加速する中、災害弱者を地域で守る共助の仕組みを築くことが急務である。
 災害対策基本法は昨年の改正で、介護が必要な高齢者や障害者など、自力での避難が難しい「避難行動要支援者」について、氏名や住所、必要な支援を記した名簿の作成を市町村に義務づけた。
 万一の際の備えとして、名簿情報を活用し、誰がどの要支援者に対応するのか、地域ごとのきめ細かな避難支援計画などを作成しておくことが大切だ。
 首都直下地震や南海トラフ巨大地震も想定される。近所付き合いが希薄な都市部の住民同士の協力体制作りは、大きな課題だ。


毎日新聞 2014年11月26日 02時30分
社説:長野北部地震 助け合いの精神生きた
 最大震度6弱の地震が22日夜、長野県北部を襲った。白馬村などで多数の住宅がつぶれ、40人を超える重軽傷者が出たが幸いにも死者や行方不明者はいなかった。
 同村内の一部地域は、突き上げられるような激しい揺れがあった。人的犠牲を免れたのは、住民が団結しての救出が繰り広げられたからだ。
 深夜だったが、重機やチェーンソーなどを使い周辺住民が声を掛け合って建物の下敷きになった人たちの救出に当たり、高齢者や幼児が助け出された。救出が遅れれば、命に直結した可能性もあるだろう。
 災害時、警察や消防などの公助は重要だが、すぐ到着するとは限らない。地域による共助は減災の大きなかぎだ。住民は今回、その大切さをまさに行動で示したといえる。
 共助が機能したのは、日ごろの備えがあったからだ。中越地震をきっかけに、長野県は独自事業として災害時住民支え合いマップ(地図)の作製を市町村に働きかけてきた。
 災害時の避難に手助けが必要な高齢者ら要援護者の住まいなどの情報を地図上に書き込み、それを地域住民で共有し、誰が支援するかを含めて事前に準備する試みだ。
 今年3月現在、県内77市町村のうち66市町村で取り組みが進み、白馬村でも29地区のうち16地区で作製が終わっていた。県の担当者によると、マップ作製の過程で要援護者の情報を把握でき、今回の地震の対応にも結びついたという。
 災害弱者を地域全体でどう助けるのかは、地域防災の重要課題だ。政府は2006年に定めたガイドラインで要援護者の名簿作成を市町村に求めたが、個人情報保護への配慮などが壁となり、地域によって取り組みに差が出た。
 東日本大震災でその課題が一層、浮き彫りになった反省から災害対策基本法が昨年改正された。
 要援護者名簿の作成を市町村に義務づけ、本人同意は作成時に必要としないものだ。4月に施行された。名簿を作るだけでなく、減災にどう生かしていくのかが問われる。
 近隣住民によるきめ細かい支援計画や日常的な訓練により、いざという時に、今回の長野のように迅速な救出が行われることを目指したい。
 今回の地震は現在進行形だ。発生1週間前後は震度5強の余震が起きる可能性がある。25日は雨が降り、地盤が緩んでいる場所では、土砂崩れの発生に警戒が必要だ。政府や県は万全の態勢で対応に当たり、2次災害を防がなければならない。
 最大の被害が出た白馬村などで避難所生活を余儀なくされている住民もいる。寒さ対策をはじめとして住民の健康にも目配りしてほしい。


東京新聞 2014年11月26日
【社説】長野北部地震 被害減らした助け合い
 幸いにも死者はなかった。震度6弱の激しい揺れでも被害が比較的少なかったのは、住民の共助の心があればこそだろう。地震国に住むからには、わたしたちは、減災、防災の工夫を重ねたい。
 政府の地震調査委員会は、マグニチュード(M)6・7の今回の地震は「神城(かみしろ)断層」の一部が動いた可能性が高いとしている。
 神城断層は、建物の倒壊が集中した長野県白馬村神城地区の下を走っている。全長は約三十キロで、本州を南北に横切る国内最大級の活断層「糸魚川-静岡構造線(糸静線)断層帯」の最も北側の部分に当たっている。
 この一帯では約千二百年前、糸静線断層帯の白馬から小淵沢(山梨県北杜市)付近を震源としたM8規模の地震が起きた可能性が高いという。地震調査委は、同程度の地震が発生する確率を三十年以内に14%としていた。
 また、今回の震源は、新潟県から兵庫県にかけて広がる「ひずみ集中帯」にも重なっている。東西方向から押されるような力がかかり、地殻にひずみが蓄積しやすい地域である。衛星利用測位システム(GPS)を利用した近年の観測で存在が確認された。
 ひずみ集中帯では、一九九五年に阪神大震災、二〇〇四年に新潟県中越地震、〇七年に同中越沖地震が発生。一一年三月には、東日本大震災の直後に長野県栄村を中心に被害が出たM6・7の地震が起きている。
 要警戒地域で起きた今回の地震は“想定内”といえる。同時に、列島の至る所に活断層が走っていることを考えれば、日本のどこであっても常に地震を想定しておく必要がある。3・11のような海溝型地震もある。繰り返し言われてきたように、地震は必ず起こるのである。
 震度6弱という激しい揺れに襲われ、八十七棟の建物が全半壊した。そのような状況の中、住民が助け合って下敷きになった人を救助するなどし、死者を出すことなく危機を切り抜けたことは特筆に値しよう。
 被災地では余震が続き、寒さの中での避難生活も続いている。二次災害も心配だ。一日も早く、日常生活が戻るよう応援したい。
 被害を最小限に食い止められたのは、隣近所の住民同士が顔見知りで強い絆で結ばれていたからだろう。都会の震災に当てはめることは簡単ではないが、住民の共助がいかに大きな力になるか、をしっかり記憶にとどめたい。


信濃毎日新聞 2014年11月26日(水)
社説:被災者の支援 栄村の教訓を生かして
 体験したことのない激しい揺れや自宅損壊のショック。続く余震の恐怖。避難所生活でのストレス。今後の生活再建への不安…。
 県北部で22日夜、最大震度6弱を観測した地震の被災者には重い負担がかかっている。
 地震で亡くなった人はいない。だが、ストレスに弱い高齢者や持病のある人には今後も細心の注意が必要だ。ソフト、ハード両面で被災者の負担を減らす努力をしてほしい。
 2011年3月の東日本大震災の翌日未明、下水内郡栄村を中心に最大震度6強の県北部地震が起きた。今回の地震と状況や規模が似ている。支援には栄村の教訓を生かしたい。
 この時も多くの負傷者と建物被害が発生したが、家屋の下敷きになるなどで亡くなった人はいなかった。問題はその後だった。「災害関連死」と認定された村民が3人出た。
 いずれも70代以上の高齢者だ。避難生活でのストレスや過労が原因で体調を崩し、亡くなったと医師らが判断した。
 体育館のように広いスペースで多くの家族が寝泊まりする避難所は、熟睡できない、プライバシーが保てない、周囲に気を使うなどでストレスがたまりやすい。栄村では人目を気にして自分で行うインスリン注射をしない糖尿病患者もいた。今回も避難者から仕切りの設置や寒さ対策を求める声が上がっている。
 今回の地震で被害の大きかった北安曇郡白馬村や小谷村は村内の宿泊施設を借り上げ、避難所にする検討を始めた。被災者の心身の健康のために、なるべく早く実現してほしい。
 その際に考慮しなければならないのは地域のつながりだ。近所同士でお茶を飲みながら語らう習慣が昔から続いてきた栄村では、仮設住宅暮らしになって習慣が途絶え、寂しがる高齢者がいた。
 白馬や小谷の被災地も近所の結び付きが強い地区だ。各地で協力し合って倒壊した家屋から住人を助け出した。新たな避難所でもその絆を生かせるようにしたい。
 支援する人に対しても気を配りたい。栄村では被災者の相談に乗り続けていた村保健師自身が心の不調を感じたり、消防団員が任務と自宅の被災対応で過労になったりという例があった。
 被災者の今後の不安を和らげるには何より、国や自治体が早く生活再建の支援策を示すことだ。広く義援金を集めることも安心感につながる。


信濃毎日新聞 2014年11月24日(月)
社説:県北部の地震 活断層を知り備えよう
 長野県北部を震源とする震度6弱の大きな地震があった。家屋の倒壊などによって多くの負傷者が出ている。突然襲ってくる地震の怖さをあらためて実感させられる。
 その後も余震が続いている。気象庁によれば、1週間ほどは最大で震度5強程度の地震が起きる恐れがある。損傷した建物が倒れたり、地盤の緩んだ斜面が崩れたりすることも考えられる。警戒を怠らないようにしたい。
 震源に近い白馬村神城地区の被害がとりわけ大きい。多くの家屋が倒壊し、下敷きになって救助された人もいる。局地的に強く揺れた可能性がある。
 土砂崩れや路面の陥没などで道路の通行止めも各地で起きている。JR大糸線は線路に土砂が流入し、運転再開のめどが立っていない。被災した住民の支援と、早期の復旧に全力を挙げたい。
 震源の深さは5キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・7とされる。内陸型地震としては大きい。揺れは関東、東北、関西の広い範囲に及んだ。
 県内を縦断する断層帯「糸魚川―静岡構造線」の一部の活断層が震源とみられる。東日本大震災後の2011年6月に松本市で起きた震度5強の地震も、この断層帯の活断層が原因とされる。
 糸静活断層帯ではM8級の巨大地震が起こる可能性があり、その確率は30年以内に14%と推計されている。活断層による地震の発生確率としては高い。内陸直下で巨大地震が起きれば、甚大な被害が出る恐れが大きい。備えをおろそかにはできない。
 長野県は糸静線をはじめ活断層が集中する。信濃川断層帯が走る県北部では、大震災翌日の未明に震度6強の地震で栄村が大きな被害を受けた。県南部には、伊那谷断層帯や阿寺断層系がある。
 大震災の影響で、内陸部の断層帯で地震の発生確率が高まった可能性が指摘されている。今回被害がなかったところも含め、市町村は防災計画を再点検し、住民への周知も徹底してほしい。
 住民の側も、地域に活断層があるかを知り、備えを再確認したい。家具が倒れないように固定する、防災用品をいつでも持ち出せるようにしておくといった基本的なことが、いざというときの安全、安心につながる。
 今回、停電が長く続いている地域もある。寒い時期に暖が取れないのは何よりも困る。電気がなくても使える暖房器具を用意しておくことも大切な備えだ。

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