2014-12-09(Tue)

GDP、予想外の下方修正 年1・9%減 

アベノミクスの行き詰まりを裏付け

7~9月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、年率換算で前期比1.9%減と速報値(1.6%減)から下方修正され、ほとんどが上方修正を見込んでいた民間エコノミストの予測をまたも裏切った。4~6月期(6.7%減)に続く2四半期連続のマイナス成長は、4月の消費税増税後、個人消費や設備投資の低迷が続く景気の弱さを改めて示した。(時事通信)

今年7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値が年率換算で1・9%減となり速報値の1・6%減を下方修正した。設備投資や公共事業が予想したほど伸びなかったためだ。
景気のもたつきが深刻であることを、はっきりと示した数字である。
アベノミクスが争点となる衆院選で、与党は企業経営や雇用の改善などを例示して「この道しかない」と訴えている。
だが結果がこの数字では、実績も説得力を欠く。政策効果に誤算があるなら、現実を検証し、改善すべき点を明確にすべきだ。(産経主張)

円安による輸出増や、大型公共事業で景気回復を目指すアベノミクスの行き詰まりを裏付けている。(東京新聞)





以下引用

読売新聞 2014年12月08日 13時37分
GDP悪化、年1・9%減…上方修正予想覆す
 内閣府は8日、7~9月期の国内総生産(GDP)の改定値を発表した。
 物価の変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は前期比0・5%減で、このペースが1年間続くと仮定した場合の年率換算は1・9%減だった。11月に発表した速報値(年率1・6%減)から0・3ポイントの下方修正となった。民間調査機関の大半が上方修正を見込む中での予想外の結果となり、消費税率引き上げ後の景気低迷が改めて鮮明になった。
 2四半期連続のマイナス成長だった点は変わらない。改定値のマイナス幅が拡大したのは、設備投資が速報値の0・2%減から0・4%減に下方修正されたことが大きい。不動産や電気工事などで投資が減った。
 1日発表の7~9月期の法人企業統計は、金融業・保険業を除く全産業の設備投資が、前年同期比5・5%増だった。GDPもプラスに転じるとの見方さえ出たが、この統計に含まれない小規模事業者などもGDPの計算では対象になる。その結果、全体の設備投資はマイナスとなった。
 GDPは1年前との比較ではなく、前期(4~6月期)と比較する点も異なる。

時事通信 12月8日(月)20時1分配信
GDP予想外下方修正=設備投資落ち込み、読めず
 7~9月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、年率換算で前期比1.9%減と速報値(1.6%減)から下方修正され、ほとんどが上方修正を見込んでいた民間エコノミストの予測をまたも裏切った。4~6月期(6.7%減)に続く2四半期連続のマイナス成長は、4月の消費税増税後、個人消費や設備投資の低迷が続く景気の弱さを改めて示した。
 「エコノミスト予想への信頼性をさらに損ねる結果となった。検証し、今後の予測に役立てたい」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)。事前予測の平均が年率0.5%減への上方修正だったエコノミストの間からは8日、反省の弁が相次いだ。プラス予想から「想定外」のマイナス成長になった速報値の苦い経験が繰り返された。
 読み切れなかったのは、前期比0.2%減から同0.4%減に下方修正された設備投資の動向だ。1日公表の法人企業統計で設備投資額が伸びたことを受け、民間エコノミストは平均で0.7%増とプラス転換を見込んだ。しかし、法人企業統計の調査対象外である資本金1000万円未満の個人事業主の投資減が響いた。
 さらに、天候など季節的な要素を取り除くための季節調整値の変動もかく乱要因となった。前年度のGDPが確報値になり季節調整値に反映される7~9月期のGDP改定値の予測は、一年で最も難しいとされる。今回も「季節パターンが変わり、設備投資の予測を難しくした」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)という。 


東京新聞 2014年12月9日 朝刊
中小・零細の設備投資不振 GDP悪化、なぜ見通せず
 改定値で下方修正された七~九月期の国内総生産(GDP)成長率。そもそも何の統計で、なぜ予想とずれるのか。 (吉田通夫、大森準)
 Q GDPって何。
 A 一定の期間に国の中で生み出したモノやサービスの合計額だ。生産されたものはだれかが買っているわけだから、個人が買い物でお金を払う「個人消費」や、企業が工場の建て替えなどにお金を使う「設備投資」の数字から国内で生まれたモノやサービスの額を測る。内閣府が四半期ごとに、前期から増えた額を成長率として推計する。
 Q 速報値と改定値があって数字も変わる訳は。
 A 以前は期末から七十日後に公表していた。「遅い」と批判され、一九九九年一~三月期から四十五日後に「速報値」の公表も始めた。設備投資の額を測る「法人企業統計」などは速報値には間に合わず、七十日後の改定値で反映され、成長率の数字が変わる。
 Q 今回、民間エコノミストは上方修正を予想していた。
 A 法人企業統計で設備投資が前期より増えていたからだ。でも、内閣府は速報段階で、それよりもっと高い設備投資を予測し数字に織り込んでいた。だから、改定値で下方修正されたんだ。しかも、法人企業統計は資本金一千万円以上の企業だけが対象。改定値で追加反映された「個人企業経済調査」統計で、資本金一千万円未満の企業の設備投資が減少していたことも響いた。政府やエコノミストは中小や零細企業に景気回復が波及していないことを予測できなかった。
 Q 公共事業も下方修正された。
 A 速報値は国の発注実績から推計していたが、改定値では実際の工事の進み具合が反映された。人手不足などで実際は工事がこなせていない状況が予測できなかった。設備投資や公共事業が増えてないのは、アベノミクスが十分機能していないといえる。
 Q 株価は上がり、八日の終値は年初来高値を更新した。
 A 前週末に米国の十一月の雇用統計が良く、米国の利上げが近いとの観測からドル高円安が進み製造業などの株が上がった。
 Q GDP下方修正は心配ではないの。
 A 大企業は海外生産を増強し、海外での売り上げの方が国内より多い企業が増えている。国内生産や販売が不振でも、米国などでの生産が増加したり、円安で円換算での海外のもうけが膨らめば利益は増える体制だ。だから国内経済活動の活発さを測るGDP成長率が低くても企業の収益や株価は上がる可能性がある。実際、トヨタや日立製作所などの株価はこの日、年初来高値を更新した。国民の景気実感と株式市場の動きが連動しなくなっているといえる。



産経新聞 2014.12.9 05:03
【主張】GDP下方修正 「誤算」の処方箋約束せよ
 今年7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値が年率換算で1・9%減となり速報値の1・6%減を下方修正した。設備投資や公共事業が予想したほど伸びなかったためだ。
 景気のもたつきが深刻であることを、はっきりと示した数字である。
 アベノミクスが争点となる衆院選で、与党は企業経営や雇用の改善などを例示して「この道しかない」と訴えている。
 だが結果がこの数字では、実績も説得力を欠く。政策効果に誤算があるなら、現実を検証し、改善すべき点を明確にすべきだ。
 その上で地方や個人に経済再生の恩恵が及ぶ具体的な処方箋を約束するよう、与野党で論戦を尽くしてほしい。
 折しも麻生太郎副総理兼財務相は遊説で、「企業は大量の利益を出している。出していないのは、よほど運が悪いか、経営者に能力がないかだ」などと語り、野党の批判を招いた。与党に求められるのは、批判に応える真摯(しんし)な姿勢であり、効果的な対処の方策だ。
 それにしても予想外の悪さである。民間の多くは改善を予測していたが、結果はマイナス幅の拡大だ。11月の速報値公表時に誰もが予想しないマイナス成長が明らかになったばかりである。「またか」という印象は拭えない。
 想定が外れたのは設備投資の影響が大きい。大企業などの法人企業統計は好調だったが、統計に含まれない小規模事業者や個人経営の投資意欲の弱さがGDP改定値を押し下げる要因になった。
 経済再生に確信が持てない企業の不安心理が表れたものと受け止めるべきだ。アベノミクスには、大企業や富裕層が景気回復を牽引(けんいん)し、経済全体に効果を波及させるという狙いがある。これが十分に機能していない。
 公共投資が伸び悩んだことも見逃せない。財政出動は、「第2の矢」である。人手不足や資材高騰で思うように進まないなら、どのように費用対効果を高めるのか、丁寧に説明すべきだ。
 政府は円安対策を含む経済対策を予定している。輸入原材料の価格高騰に苦しむ中小企業などへの目配りは当然だが、肝要なのは円安の恩恵を受けた企業が設備投資や賃上げを着実に行い、経済全体の底上げを図ることである。
 政権に求められるのは、このための環境整備に他ならない。



東京新聞 2014年12月9日
【核心】GDP下方修正 けん引役企業動かず
 八日発表の七~九月期実質国内総生産(GDP)の改定値は、速報値に比べマイナス幅が拡大した。設備投資や公共事業も「想定外」の下方修正となり、個人消費ばかりでなく、安倍政権が景気のけん引役として期待した企業にも政策の効果は波及していない形だ。円安による輸出増や、大型公共事業で景気回復を目指すアベノミクスの行き詰まりを裏付けている。 (GDP取材班)

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