2014-12-18(Thu)

JR東海 リニア新幹線 工事安全祈願式  

品川、名古屋駅で 自社用地から実施。資材の仮置き場など整備

JR東海が、リニア新幹線の「安全祈願式」を品川、名古屋両駅で実施した。
事実上の工事着工と位置づけるが、周辺自治体や住民の不安や疑問は消えていない。

沿線自治体で行われた説明会などで、おざなりの説明を繰り返すJR東海への住民の不信は高まるばかり。
異論を無視して、既成事実を積み重ね、建設に突き進むことは、将来に重大な禍根を残す。(しんぶん赤旗)

安全祈願式に出席したのは、JR東海の関係者のほか、地元の自治体や住民などおよそ20人。
着工と言っても、工事は、両駅のJR東海の自社用地から実施し、資材の仮置き場などを整備する程度。
地下40メートルにホームを設置するための本格的な掘削作業は来年からになる。

自社用地以外を進めるには、約5千人に上る沿線7都県の地権者らとの用地取得交渉が必要だが、これからだ。

<各紙報道>
しんぶん赤旗)主張:リニア工事着手 疑問にこたえず突き進むのか(12/18)
東京新聞)リニア着工 消えぬ不安 大量残土受け入れ、地下水問題…(12/18)
中日新聞)リニア着工、経済波及効果に期待 騒音、環境に不安も(12/18)
朝日新聞)南アルプス貫通、待ち受ける難工事 リニア着工(12/18)




以下引用

しんぶん赤旗 2014年12月18日(木)
主張:リニア工事着手 疑問にこたえず突き進むのか
 JR東海が、リニア中央新幹線(東京・品川―名古屋)建設のための「安全祈願式」を品川、名古屋両駅で実施しました。同社は事実上の着工と位置づけますが、リニア建設への周辺自治体や住民の不安や疑問は消えていません。沿線自治体で行われた説明会などで、おざなりの説明を繰り返すJR東海への住民の不信は高まるばかりです。異論を無視して、既成事実を積み重ね、建設に突き進むことは、将来に重大な禍根を残します。
自然も生活も破壊する
 JR東海は、リニア中央新幹線を品川―名古屋間で2027年に開業させ、45年に大阪まで延伸させる計画です。品川―名古屋の8割以上を地下トンネルで結ぶなど日本の大型開発史上で例のない超巨大プロジェクトです。
 自然環境や住民生活への深刻な影響、地震への備えなどに不安と懸念が広がっているのは当然です。過大な利用者数見積もりなど採算面の問題も多く、JR東海が負担する総事業費9兆円(品川―大阪)が、国民にツケ回しされかねない危険も明らかになっています。
 これほど危険で無謀なリニア計画を、安倍晋三政権は「成長戦略」の一つと位置づけ、国土交通省は10月、着工を認可しました。問題だらけの計画にお墨付きを与えたやり方は、住民の願いに背を向けたものです。リニア建設沿線の7都県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)の住民約5000人が国交省に「着工認可取り消し」を求める行政審査の異議申し立てを行ったことは、リニア計画が住民の支持をえていないことを浮き彫りにしています。
 国交省は認可に際して「地域住民等に対し丁寧に説明」することなどをJR東海に求めましたが、「建設先にありき」の同社の姿勢はあらたまりません。
 国交省着工認可後、JR東海は7都県の47市区町村で事業説明会を行いましたが、参加した住民からトンネル掘削で膨大に発生する残土の処理方法や、工事による水枯れの影響、住環境が壊されることへの懸念が相次いだにもかかわらず、JR東海の説明内容は従来とほとんど変わりませんでした。
 今月初め、静岡県知事が南アルプスでの地下トンネルなどをめぐり「世界水準の自然環境の保全」を強く求めたり、長野県南木曽町の町長(リニア対策協議会会長)が、環境保全、工事方法、観光など多岐にわたる質問をぶつけたりしているのも、周辺自治体でさえJR東海に不信を募らせ、計画に理解できる段階でないことを示すものです。「見切り発車」は絶対にやめるべきです。
計画止め国民的議論を
 今回の「祈願式」は着工とはいっても、JR用地内での資材置き場整備などにとどまり、計画予定地の数千人にのぼる地権者との交渉などはこれからです。計画を中止させることは可能です。
 一度破壊されれば貴重な自然環境を取り戻せません。完成してから「見通しが甘かった」と失敗を悔やんでも、つぎ込まれた膨大な費用は返ってきません。
 リニアは国民が願って計画されたものではありません。膨大な電力を消費するリニアは省エネルギー社会にも逆行する「お荷物」でもあります。リニア建設は中止し、国会を含め国民的な議論を行うことが求められます。


東京新聞 2014年12月18日 朝刊
リニア着工 消えぬ不安 大量残土受け入れ、地下水問題…
 JR東海は17日、2027年に東京・品川-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線の「工事安全祈願式」を品川、名古屋両駅で開き、建設工事に着手した。国の基本計画決定から約40年をへて、鉄道の概念を大きく変える巨大プロジェクトが本格始動する。交通利便性向上への期待が大きい一方で、環境面などへの悪影響を問題視する意見も沿線に根強く、JR東海には住民の声に配慮した工事実施が求められている。
 工事は両駅構内の自社用地へ資材置き場を設置することから始める。品川駅は東海道新幹線品川駅ホーム直下の地下に設けられ、来年度から基礎や掘削工事を進める。今後は沿線で地元自治体の協力を得ながら、約五千人の地権者から用地買収も実施する。
 品川-名古屋間の総延長は二八五・六キロで、うち86%の二四六・六キロがトンネル。総工費は五兆五千二百三十五億円で、JR東海が全額を自己負担する。最速列車は同区間を四十分で結び、名古屋-大阪間の開業は四五年を目指す。トンネル区間が長いため地下水脈への影響回避や、東京ドーム四十六個分、五千六百八十万立方メートルに及ぶ大量の建設残土処理が大きな課題となる。
 全区間(一九・四キロ)がトンネルとなる都内は全体の一割強に当たる約六百万立方メートルの残土発生が見込まれるが、受け入れ候補地が見つかっていない。
 十月に国土交通省から着工認可が出た後、JR東海が沿線自治体で事業説明会を開いた際も、品川区や町田市など都内の会場では出席者から残土の処理方針をただす質問が相次いだ。
 リニア建設に反対する市民団体でつくる「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」の天野捷一共同代表(川崎市)は「質問希望者が残っているのに、一方的に打ち切るなど不十分だった」と批判する。十六日にはネットワークのメンバーや、呼び掛けに賛同した沿線七都県の住民を中心に五千四十八人が着工認可の取り消しを求め、行政不服審査法に基づく異議申し立てをした。
 品川駅での式典に出席した同社の山田佳臣会長は「安全をきちんと守りながら周囲の環境保全に留意し、地域と密に連携して進めたい」と、沿線地域に配慮した工事を進める考えを示した。


中日新聞 2014年12月18日
岐阜:リニア着工、経済波及効果に期待 騒音、環境に不安も
 開業予定の二〇二七年に向けて東京・品川と名古屋で十七日に着工した、JR東海のリニア中央新幹線。県内で工事が始まるのは二~三年後の予定だ。県によると、中津川市に建設される車両基地と中間駅は二二年までに基本的な部分が完成するという。
 「県内で工事が始まれば、地元経済に波及効果がある。開業までに車両基地と地元観光地を組み合わせた観光ルートもつくりたい」。リニア計画の本格始動に、中津川商工会議所の鷹見直基事務局長は意気込む。
 県内でリニアが通るのは、多治見市や可児市など六市町の五五・一キロ区間。うち九割近くがトンネルだ。
 JR東海は現在、県内各地で事業説明会を開いており、今後、用地買収や測量に入る。県リニア推進室によると、JR東海の担当者は県側に「中間駅は開業の五年前までに、内装を除いた部分をつくる。車両基地はそれ以前につくる」との見通しを示している。
 古田肇知事は、環境への影響や工事の安全性でJR東海に配慮を求めつつ「地元自治体と連携して、県のリニア活用戦略を着実に進める」との談話を発表。リニア開業を観光誘客や企業誘致の促進につなげる考えだ。
 ただ、建築物による景観の変化やリニア車両による騒音への不安もある。
 中津川市の「リニアを考える坂本住民の会」の林茂実事務局長は「JR東海は事業説明会で、住民の不安を解消していないのに、着工へと見切り発車した」と批判。県が計画するリニア駅への接続道路に対しても、市民団体「中津川市坂本の湧水湿地を守る会」の前田敬生会長(60)は、建設予定地に希少種のオオタカなどが生息しているとして「自然の姿を変えてまで作るものなのか」と計画変更を求めている。
 (大島康介、平野誠也)

朝日新聞 2014年12月17日20時56分
南アルプス貫通、待ち受ける難工事 リニア着工
斎藤健一郎、井上亮
 13年後の開業を目指して、リニア中央新幹線の工事が始まった。東京・品川―名古屋286キロの86%をトンネルで結ぶルート建設には、難関が待ち受ける。懸案の一つ、名古屋駅周辺の用地買収計画では、JR東海は18日、愛知県、名古屋市と協力協定を結ぶ。官民一体となった大プロジェクトが始動する。
 「10年を超える工事で困難もあると思うが、地域との連携をしっかり取って進めたい」。17日の工事の安全祈願式で、柘植康英社長はこうあいさつした。
 この日、着工したのは自社用地。今後は権利が複雑に入り組んだ駅周辺の地権者と用地交渉を進め、工事にこぎつけなくてはならない。
 名古屋市のリニア新駅は、現在の駅と直角に交わるように地下30メートルに建設される。長さは東西約1キロ。地上から掘って地下駅を造るため、周辺の土地買収は必須だ。駅周辺で移転が必要な建物は約70棟、登記簿上の地権者は約120人。これまでJR東海は住民向け説明会で「責任は我々が負う」としながらも、「リニア計画は国家プロジェクト」とし、用地買収に関わる住民への説明や交渉を地元自治体に委託する姿勢を明確にしてきた。沿線7都県で補償が必要な地権者は約5千人に及ぶ。
 用地取得について、JR東海は11月に山梨県と協定を締結。今後、愛知県と名古屋市を始め、地権者が1人の静岡県を除く6都県と協定を結び、買収を加速させる構えだ。
 品川―名古屋を結ぶルート286キロのうち、247キロはトンネルとなる。掘削工事で大量に出る廃棄物も懸案の一つ。汚泥やコンクリートなども含めると東京ドーム51杯分の6379万立方メートルに及び、残土は2割の埋め立て先が未定だ。
 環境への影響が懸念される南アルプスを貫くトンネルは長さ約20キロ。地表から約1400メートル下を通すという過去に例を見ない大工事となる。柘植社長は「環境面については丁寧に説明を重ね、(環境に対する影響を)回避できるところは回避する」と話す。(斎藤健一郎、井上亮)
■名古屋市長、協力姿勢アピール
 JR東海による名駅周辺の土地買収について、河村たかし名古屋市長は17日、「この土地はいくら、補償はいくら、と日本中が注目している。鉄道はみんなのもの。市としては、一肌も二肌も三肌も脱いでリードする気持ちでやる」と述べ、地権者との交渉などで積極的に協力する姿勢を見せた。朝日新聞のインタビューに答えた。


共同通信 2014年12月17日 14時34分 (2014年12月17日 18時24分 更新)
JR東海、リニア新幹線を着工 品川、名古屋駅で
 JR東海は17日、2027年に東京・品川―名古屋の開業を目指しているリニア中央新幹線の「工事安全祈願式」を開き、地下にターミナル駅をつくる両駅で建設工事に着手した。
 国の基本計画決定から約40年を経て、総工費9兆円に上る巨大プロジェクトが動きだした。
 工事は、両駅のJR東海の自社用地から実施。資材の仮置き場などを整備する。
 今後、自社用地以外でも本格的な工事に入る。計約5千人に上る沿線7都県の地権者らとの用地取得交渉も進めていく方針だ。
 JR東海は10月、国土交通省から着工認可を受け、12月には沿線7都県の47市区町村で住民向け事業説明会を終えた。


NHK 12月17日 17時36分
リニア中央新幹線 工事の安全祈願式
13年後に東京と名古屋の間で開業を予定しているリニア中央新幹線の工事が17日から始まり、東京・品川駅の近くでJR東海の関係者らが工事の安全を祈願しました。
17日は、品川駅近くの敷地で、JR東海の関係者のほか、地元の自治体や住民などおよそ20人が出席し、リニア中央新幹線の工事の安全を祈願しました。
 17日から始まった工事では、品川駅近くに資材置き場を整備する予定で、地下40メートルにホームを設置するため、来年度から本格的な掘削作業を始めることにしています。
 総工事費は5兆5000億円余りに上り、13年後の東京・名古屋間の開業に向けて、巨大な事業が動き出すことになります。
しかし、およそ286キロの区間のうち、246キロは都市部の地下や山間地のトンネルとなっていて、掘削に伴う土砂の処理や環境への影響などを懸念する声が出ています。
 出席したJR東海の山田佳臣会長は、「これから長い間、難しい工事の連続になる。工事の安全を守りながら環境の保全に留意し、地域と連携を密にして取り組んでいきたい」と話していました。

産経新聞 2014年12月17日(水)17:27
リニア新幹線着工 品川、名古屋で工事安全祈願式
 JR東海は17日、2027(平成39)年に東京(品川)-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線の工事安全祈願式を品川駅近くと名古屋駅近くで行い、地下にターミナル駅をつくる両駅で工事に着手した。本格的な土木工事は来年になる見通し。同社は品川-名古屋間で先行開業した後、45(平成57)年に大阪まで全線開業させる「2段階方式」で建設する計画だ。
 品川駅近くでは山田佳臣会長ら同社幹部、地元関係者ら約20人が参加し、神事が執り行われた。山田会長は「ようやくここまで来た。本当に息の長いプロジェクトだが、世代を超えて円滑、無事に引き継いで初めて成就する大事業だ。きちんとした仕事で前に進めたい」とあいさつした。
 リニア中央新幹線は最高時速約500キロで走行。品川-名古屋間の最短時間は現行の東海道新幹線の1時間28分から40分に大きく短縮する。品川-名古屋間の工事費は5兆5235億円で、同社が全額を自己負担する方針。大阪まで延伸した場合の総工事費は9兆円超に達する。


日本経済新聞 2014/12/17 16:19
JR東海がリニア新幹線着工 15年度から土木工事本格化
 東海旅客鉄道(JR東海)は17日、2027年に品川―名古屋間で開業を目指す「リニア中央新幹線」の建設工事に着手した。同日午後、品川駅と名古屋駅で安全祈願式を開いた。
 名古屋市の式典にはJR東海の関係者のほか、地元のまちづくり関係者らが出席した。JR東海の柘植康英社長は「歴史的一歩を踏み出した。一歩ずつ着実に進めていきたい」と述べた。
 JR東海は今後、資材置き場の確保など準備工事に着手し、2015年度から掘削などの土木工事を本格化させる見通し。


読売新聞 2014年12月17日 23時45分
JR東海、リニア新幹線着工…27年開業目指す
 JR東海は17日、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の建設工事を開始し、最高時速500キロ・メートルで東京(品川)―名古屋間286キロ・メートルを結ぶ巨大事業が本格的に動き出した。
 地下ターミナルを設置する品川と名古屋の両駅で安全祈願式が開かれた。所要時間は最短40分と、現在の東海道新幹線(88分)の半分以下になる。ルートの86%はトンネルで、大量の残土の排出や南アルプスの難工事など課題も多い。
 品川駅の式典で、山田(やまだ)佳臣(よしおみ)会長は「長い時間がかかり、周囲に不便をかけると思うが、丁寧に工事するので支援してほしい」と決意を述べた。
 年明けから用地取得を沿線自治体に委託し、地権者約5000人と本格交渉に入る。住民説明会は10月の工事実施計画の認可後、120回以上開いたが、河川の水量低下や大量の残土など環境への懸念が相次いだ。残土の8割は埋め立て用地などに使われる予定だが、2割は未定のままで、地権者や住民らに丁寧に説明する必要がある。


日本経済新聞 電子版 2014/10/18 2:00
42年越し、リニア始動 27年開業へ着工認可
 太田昭宏国土交通相が17日、リニア中央新幹線の着工を認可し、東海旅客鉄道(JR東海)は来年春にも建設工事に着手する。2027年に東京(品川)―名古屋間が開業すれば所要40分程度と、観光やビジネスで結びつきが一層強まる。リニア技術の海外展開にも弾みとなりそうだ。基本計画策定から42年越しの大事業で、難工事も予想される。5兆円超の事業費はJR東海が全額負担するなど、採算面の不安も残る。
 「日本が誇る技術の実現に向け、いよいよ夢が動き出した」。17日に記者会見したJR東海の柘植康英社長は意気込みを語った。国が中央新幹線の基本計画を決めたのは1973年。JR東海は27年の開業をめざし、月内にも地元説明会を始める予定。本格工事は来年春以降となる見通しだ。
■沿線歓迎ムード
 「リニア中央新幹線の開業効果を県内全域に波及させることが将来の発展につながる」(愛知県の大村秀章知事)などと沿線自治体は歓迎ムードだ。リニアがもたらす経済効果に期待するためだ。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、沿線6都県の生産額を年間で約2900億円、消費額は1800億円押し上げるという。10年以上に及ぶ建設期間中は車両や線路など資材発注などで「10兆円程度の生産誘発効果も期待できる」(加藤義人主席研究員)という。
 神奈川県でリニアの新駅が建設される相模原市は1万人の雇用創出効果を見込む。同じ新駅予定地の長野県飯田市では、ホテル運営会社が市内に12億円を投じて7階建ての新棟を15年春までに建設する。
 45年に大阪まで全線開業すれば、東京と名古屋、大阪の三大都市が1時間程度の通勤・通学圏となり「経済や社会のあり方を大きく変える可能性がある」(市川宏雄・明治大学教授)との声もある。
■海外展開に弾み
 今回の認可はリニア技術の海外展開に弾みとなる。世界では新興国を中心に高速鉄道の導入計画が相次いでいる。とりわけ次世代型の高速鉄道であるリニアモーターカーは、JR東海だけでなくドイツのシーメンス系企業など世界の大手企業が参入機会をうかがう。
 JR東海が開業を目指すのは超電導リニアと呼ばれる方式だ。路上より10センチメートルも高く浮くため摩擦がほとんどなく、より高速運行が可能だ。JR東海は時速500キロメートルでの運行を目指しており、長距離を移動する大陸の高速鉄道などで一定のニーズがあるとみている。大地震が発生しても路面との接触事故などが起きにくいのも特徴だ。
 シーメンス系などの方式は「常電導」と呼ばれ、省電力で運営できるのが強みだが、最高速度は時速400キロメートル程度と超電導より劣る。既に中国・上海で導入済みで、今後は世界市場でJR東海の超電導方式との競争が激化しそうだ。
 JR東海が開業を目指す超電導リニアは高速鉄道への導入が世界で初めてで、「認可はJR東海の技術へのお墨付き」(国交省幹部)となる。まず狙うのは米国で構想があるワシントン―ボストン(約730キロメートル)の高速鉄道で、政府と一体となって受注活動を進める。
 海外で同じシステムの高速鉄道を事業化できれば「車両や部品などを大量に生産できるようになり、市場拡大で全体のコスト低下が期待できる」(柘植社長)。それには難工事が予想される国内事業で安全を徹底し、早期開業に道筋を付ける必要がありそうだ。


日本経済新聞 朝刊 2014/12/18付
リニア、低料金に深謀遠慮 JR東海が着工式 「のぞみ」プラス700円見通し 航空への優位性、是非論に配慮
 東海旅客鉄道(JR東海)は17日、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の建設に着手した。柘植康英社長は開業時に西の起点となる名古屋駅で開いた安全祈願式典で「(工事を)一歩ずつ着実に進めていきたい」と述べた。既存の新幹線に700円上乗せすれば乗れるリニアが完成すれば、ビジネスや生活はどう変わるのか。
 始発で名古屋を出た営業マンが朝8時に東京で会議に出席。午後は名古屋に戻って事務作業をこなし、夜は再び東京でクライアントを接待、11時台の終電で名古屋に戻る――。品川―名古屋を40分(現在は最速1時間28分)で結ぶリニアはそんな働き方を可能にする。
 所要時間40分はJR中央線の東京―立川間とほぼ同じ。名古屋ではリニアを降りた後の在来線での各地へのアクセスを念頭に、乗り換えや2次交通を充実させる動きが活発化している。
 「なぜリニアの料金を東海道新幹線の2倍にしないのですか?」。海外を訪れるJR東海首脳に、海外の投資家は決まって同じ疑問を投げかける。
 「最終的に料金を決めるのはもう少し直前になってから」(同社幹部)だが、JR東海は名古屋までが東海道新幹線「のぞみ」に700円、45年開業予定の大阪までは1000円を上乗せする料金を想定している。
 建設費5兆5235億円、大阪までなら9兆円余りをJR東海が全額自己負担する。世界初の超電導リニアを世界最速の時速500キロメートルで走らせ、所要時間は大幅に短縮する。その対価としてみると、同社が想定するリニアの料金は外国人の目には奇異にすら映る。
 同社は「抵抗感なく利用してもらえる水準」(山田佳臣会長)と説明するが、背景には深謀遠慮も見え隠れする。高額料金を設定すれば航空便への優位が薄まるうえ、建設決定前はリニア自体の是非論に発展することを警戒していたからだ。
 同社の運輸収入の9割を占める東海道新幹線は、東京―名古屋に限れば目立った競争相手がいないドル箱路線だ。景気回復で7割を占めるビジネス利用が上向き、新幹線の利用者もうなぎ登り。単月の輸送量は3年前から40カ月にわたって前年同月比プラス(横ばい含む)と絶好調が続く。
 当然わき上がるのは、「大もうけの東海道新幹線があるのに、なぜリニアが必要なのか。お金があるなら新幹線を値下げするのが一番のサービス」(ある私鉄幹部)という考え方だ。これに対してJR東海は「東京―大阪間の大動脈を二重系化する」として、災害やアクシデント対応を強調して理解を得てきた経緯がある。
 全額自己負担での建設を表明して7年。柘植社長は「これから13年。重い責任を背負った」と述べ、うれしさ半分、重圧半分の表情を見せた。

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