2014-12-07(Sun)

リニア大阪延伸「前倒し難しい」 JR東海社長

官邸一転「名古屋と同時に」の肩入れ 財政出動に脅える財務省、沈黙のJR東海の“三つ巴”

リニア中央新幹線の大阪延伸をめぐり、政府・自民党がJR東海との神経戦を繰り広げている。
東京(品川)-名古屋間の開業予定は平成39年、大阪まで結ばれるのはその18年後の57年だ。
自民党からは「そんなに遅いのか」との声が日増しに強まっている。
安倍晋三首相も前倒し開業を促すため、莫大(ばくだい)な建設費を政府が用意する「ウルトラC」を模索しており、
JR東海に揺さぶりをかけている。(産経ニュース)




以下引用

毎日新聞 2014年12月17日 東京朝刊
始動リニア:/上 自前で資金調達、政治介入回避 9兆円工費、綱渡り
JR東海の債務残高の推移
 「今は民間企業。国に金を出していただけるのはありがたいが、口も出されてはね」
 JR東海リニア中央新幹線の環境影響評価(アセスメント)書を国土交通省に提出する準備を進めていた昨春、国費を投入し大阪まで同時開業を求める声が高まったことについて、JR東海の幹部はこう反発した。
 恐れたのは、ルート決定の主導権を握られることだった。
 JR東海は品川−名古屋のルート決定の際、コストを抑えるため、最終的な決定権を持つ国に、直線ルートを強く要望した。これに対し、長野県は地元製造業が集積する南アルプスの北側へと弧状に迂回(うかい)する「伊那谷(いなだに)ルート」を主張した。JR東海が直線ルートで押し切れたのは、工費を自己資金で賄うからだった。
 2007年にJR東海が自己資金での建設を決めた背景には、東海道新幹線の輸送力が限界に近付いたことや、南海トラフ地震に備えて新たな輸送手段の確保が急務なことがある。「公的資金をあてにすれば、他の整備新幹線の後に回されかねない」(JR東海幹部)と恐れたのだ。
 27年に東京−名古屋間が先行開業することに危機感を募らせているのが関西圏だ。関西経済連合会と大阪府などは今年7月、「リニア中央新幹線全線同時開業推進協議会」を設立し、政府への働きかけを強めている。
 工費は総額9兆円に達する。JR東海は長期債務を最大で5兆円に収める計画を立てた。そのためには品川−名古屋と名古屋−大阪で工期を分ける必要があった。
 JR東海の13年度末の長期債務は2兆4000億円。リニア建設で債務は増え、27年の開業時に4兆9000億円になる見込みだ。リニアと東海道新幹線の収入で残高は減っていくが、大阪までの延伸工事で再び増え、45年には4兆7000億円となる。国鉄が分割民営化の際に抱えた債務は37兆円強に達し、JR東海も5兆5000億円の借金を背負った。国鉄の債務が膨らんだのは「利子が利子を呼んだ」ためだった。当時を知るJR東海幹部は「利子は恐ろしい」と話す。
 ただ、債務を5兆円以内に収める計画も、金利急騰や想定外の需要減などが起これば破綻し経営を圧迫しかねない。柘植(つげ)康英社長は「一番の課題は総工費の削減。金利や物価、景気など環境変化に耐えうる体力が大事」と強調した上で、「どうにもならない場合は開業時期を調整する」と、リスクを抱えていることを認めている。
     ◇
 JR東海は17日、リニア中央新幹線の建設に着手する。今世紀最大とされるビッグプロジェクトの内実を探る。
==============
 ◇整備新幹線とリニアの違い
 北陸などで開業準備が進む整備新幹線は、基本的に公共工事の位置付けで、建設費は国が3分の2、地方自治体が3分の1を負担する。JRは施設を借りる立場で、運行収入から経費を差し引いた金額を「貸付料」名目で独立行政法人の鉄道・運輸機構に払う。JR側に大きなもうけが出ない仕組みだ。一方、リニア中央新幹線は建設工事に国土交通相の認可が必要だが、建設主体のJR東海が費用をすべて調達し、施設や用地などは全て自前。もうけも損もすべてJR東海のものとなる。


毎日新聞 2014年12月19日 東京朝刊
始動リニア:/下 新幹線より2年前、1962年から開発 壁越え、技術を世界へ
リニア中央新幹線開発の歴史
拡大写真
 時速581キロ。山梨県のリニア中央新幹線の実験線で2003年12月、実験車両が打ち立てた世界最速記録だ。拍手が湧く車内で山梨実験センターの白国紀行所長(61)は胸をなで下ろした。営業運転として設定する時速500キロを1割以上超えた。いまは専務執行役員リニア開発本部長を務める白国氏は「営業に支障がないレベルを実証できて良かった」と振り返る。
 リニア開発は、東海道新幹線開業より2年さかのぼる1962年に始まった。開業時の新幹線の最高時速210キロは世界最速だったが、当時の欧米各国は時速500キロ程度の超高速鉄道開発を競っており、当時の国鉄も参戦したのだ。当初から開発に携わるJR東海の中島洋顧問(71)は「まだ若く、とにかくやってやるという気持ちだった」と話す。66年に米物理学者が発表した「超電導磁石による浮上の原理」に注目。旧国鉄は72年、研究所構内でテスト車両による有人浮上走行に成功した。
 「日本列島改造論」を掲げる田中角栄首相時代の73年、政府はリニア中央新幹線の基本計画を決定。政府の後押しを得たが、北陸などの整備新幹線が優先される今の構図と変わらなかった。
 大きな壁も現れた。実用化に向け超電導磁石を小型・軽量化すると、磁力がなくなる「クエンチ」と呼ばれるトラブルが頻発した。開発陣は「実用化は難しい」との空気に包まれた。
 クエンチをクリアしたのは、国鉄の分割民営化(87年)から数年たったころだった。開発を引き継いだJR東海が、メーカーを巻き込んで強力な体制を組んだ。東海道新幹線開発時と同様、「納品する重電メーカーと話し合って改善する」スタイルを徹底。白国氏は「新幹線のノウハウがリニア開発に発揮された」と語る。振動でコイルがずれて熱を持つことが原因と突き止め、振動に強い構造を作り上げた。当時社長だった須田寛相談役は「クエンチ解明なしに実用化の自信を持てなかった」と話す。
 60年代にリニア開発を始めたドイツは、03年開業の中国・上海の路線にリニア車両を輸出したが、06年にドイツで起きたテスト走行中の事故で23人が死亡。08年、国内での計画中止に追い込まれた。ほかにも多くの国がリニア開発から離れていった。
 リニアを海外に普及させたいと考えるJR東海は既に、米国に技術の無償提供を提案している。日本で培った技術が世界を駆ける期待がかかる。
     ◇
 この連載は米川直己、森有正、和田憲二が担当しました。


朝日新聞 2014年12月4日07時16分
リニア大阪延伸「前倒し難しい」 JR東海社長
 JR東海の柘植康英社長は3日、2027年に東京―名古屋間で開業する予定のリニア中央新幹線に対し、国費を投入して大阪までの延伸時期を早める案について「政府から提示があれば検討するが、相当しっかりした(支援の)枠組みが必要で、現実として難しい」と、改めて懐疑的な見方を示した。
 この日、大阪市内で記者会見した柘植社長は、リニア建設の前提が、自社の健全な経営と安定した株主への配当を続けられることだと説明。関西経済界などが延伸の前倒しを求めていることに対して「健全経営が堅持できる具体案があるわけではなく、コメントしづらい」と述べ、予定通り45年の開業を目指すと強調した。


産経ニュース 2014.12.3 19:36
リニア大阪延伸前倒しに改めて意欲 JR東海社長
 JR東海の柘植(つげ)康英社長は12月3日、大阪市内で記者会見し、リニア中央新幹線の大阪延伸について「経営体力を強くしていけば、少しでも繰り上げることができる。それに向けて努力していく」と強調。平成57年に予定する東京(品川)-大阪間の全線開業の前倒しに改めて意欲を示した。
 柘植社長は、工事費のコストダウンなどを通じた経営体力強化に努める考えを示したが「前倒しの当てがあるわけではない」とも指摘。具体的な全線開業の時期などは語らず、慎重姿勢を崩さなかった。
 自民党などが検討する大阪までの全線同時開業への支援策についても、柘植社長は「政府から具体的な提案があれば検討させていただくが(全線同時開業は)現実問題として難しいだろう」と述べた。JR東海は39年に品川-名古屋間を先行開業し、57年に大阪まで延伸する計画。


産経ニュース 2014.12.2 11:00
【経済インサイド】
リニア大阪延伸、官邸一転「名古屋と同時に」の肩入れ 財政出動に脅える財務省、沈黙のJR東海の“三つ巴”
リニア新幹線をめぐり、官邸、財務省、JR東海が三つ巴の神経戦を繰り広げている
 最高時速が500キロを超える夢の超特急、リニア中央新幹線の大阪延伸をめぐり、政府・自民党がJR東海との神経戦を繰り広げている。東京(品川)-名古屋間の開業予定は平成39年、大阪まで結ばれるのはその18年後の57年だ。自民党からは「そんなに遅いのか」との声が日増しに強まっている。安倍晋三首相も前倒し開業を促すため、莫大(ばくだい)な建設費を政府が用意する「ウルトラC」を模索しており、JR東海に揺さぶりをかけている。
東京五輪後の「夢」模索
 「リニア建設は国策として考えても良いのではないか…」
 6月に閣議決定した成長戦略の中に「リニア整備」を盛り込む際、安倍首相がポツリと漏らした言葉に、国土交通省幹部は耳を疑った。首相官邸サイドに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後、日本経済の牽引(けんいん)役となる「夢」が必要との考えが生まれ、それにリニアの早期開業が結びつけられていたのだ。
 その結果、練られた首相のプランは、この幹部が「異次元」と表すほど大胆なものだ。9兆円超に上るリニアの建設費は、JR東海が全額自己負担する計画になっている。しかし、首相は名古屋-大阪間の建設費3兆6000億円を政府が立て替えて工事を進めれば、前倒し開業が可能になるイメージを描いていたのだ。
 JR東海は、建設費調達による急激な財務体質の悪化を懸念しており、東京-名古屋開業後には建設を「一時休憩」する計画。同社は民間の株式会社として、利益をきちんと上げて株主や利用者に還元していくことが求められている。
 当然、東京-名古屋のリニアの利益などを大阪延伸のための建設費に充て、企業として健全経営を確保する「2段階方式」が必要とみているのだ。
 だが、政府にとっては、この方式が大阪延伸を遅らせる原因に映る。政府が建設費を立て替え、JR東海側の財務負担を大幅に軽減する形をとれば、名古屋-大阪も早期に着工する「同時方式」が理論上は可能になる。
信用できない政治家
 観光需要などリニアがもたらす経済効果は大きく、東京-名古屋間が39年に開業すれば、東京圏と中部圏の経済的結びつきは一気に強まる。半面、それから大阪延伸までの18年間は、関西圏に光が差さないことも懸念されている。
 焦る関西の自治体や経済界は大阪までの早期開業を政府に働きかけており、大阪市の橋下徹市長も「官民共同で資金を引っ張り、JR東海が運営すれば成り立つ」と意気込む。
 だが、JR東海側は「具体的な支援策が提示された段階で初めて(延伸時期の前倒しを)検討できる」(柘植康英社長)と慎重な姿勢を崩していない。企業として健全経営を確保していくためには、安易な計画変更には慎重にならざるを得ないのは当然といえる。
 そもそも公的な援助に頼らず、全額を自己負担することを決めたのは、税金を投入すれば「政治が口を出す」(自民党中堅)ことが目に見えているからだ。いまや全国を結ぶ新幹線網も予算獲得に絡んでルートや停車駅などをめぐり、政治家が横やりを入れてきた苦い経験があり、「夢の超特急」では超えてはいけない一線だ。
消費税に続き抵抗する財務省
 JR東海を翻意させるだけのメリットを政府・自民党が具体的に提示できるかどうか。その「回答」作りは、27年度予算編成に合わせて急速に進んでいる。
 最近、安倍首相は自ら温めてきた構想の一端を官邸に呼んだ財務省幹部に披露した。
 「国家のためには、無利子非課税国債で財源を調達して進めればいいんじゃないか」
 「そんな国債を発行すれば、相続税収が減ることになります。絶対に駄目です!」
 無利子非課税国債の発行はリーマン・ショックに伴う追加経済対策の財源として、21年の時も現在の安倍首相や菅義偉官房長官が活用を唱えたことがある。だが、この国債は年間約1兆5000億円の相続税収入の「先食い」ともいわれ、当然ながら財務省は反対だ。当時も「相続税を減免すれば金持ち優遇になる」と野党から猛反発を受け、断念した経緯がある。
 それから5年を経て、再び無利子非課税国債に注目しているのは、国の借金が1000兆円を超える財政状況では、国策として進めるための財源が見つからないためだ。円安対策を柱とする26年度補正予算案の財源としても、読売新聞の白石興二郎グループ本社社長らが活用を提唱しており、自民党税制調査会幹部は「首相が大号令を出して、財務省に『やれ』といえば財源調達は実現するのではないか」と話す。
 大阪延伸までの建設費は政府が調達して早期に工事を進め、JR東海側には無利子で貸し出して元本だけを返済してもらう-。こうしたプランが実現すれば、数百億~数千億円とされる利子の支払いがなくなるため、JR東海側にとってもメリットは大きい。
 消費税率10%への再引き上げを延期し、財務省を泣かせた安倍首相。リニア整備推進の財源捻出策をめぐっても、激しい攻防が繰り広げられるのは必至だ。首相に近いJR東海の葛西敬之名誉会長が今後、政府との距離をいかに保っていくのか注目されており、夢の超特急の建設「スピード」から目が離せなくなっている。(尾崎良樹)


産経westニュース2014.11.20 15:00
【ビジネスの裏側】
「大阪より東京」は決定的、北陸新幹線で加速する関西の埋没…リニアに興味ないJR西の苦悩とは
記者会見で北陸新幹線の運行計画の概要などを発表する真鍋精志JR西日本社長(左)ら=金沢市
 JR東海が平成39年に東京(品川)-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線が近く本格着工する。現計画では大阪までの全線開業が57年と、名古屋までの区間の18年後になることに対し関西では「地盤沈下につながる」と危機感が強い。しかしもう一つ、関西の孤立を招く高速鉄道の開業が迫っていることはあまり話題になっていない。来春に東京-金沢間が開業する北陸新幹線。東京と金沢の所要時間を4時間から最短2時間半にするインパクトは大きく、もともと関西に近い北陸が首都圏との結びつきを強めるのは確実だ。(橋本亮)
JR西は「リニアより北陸」
 リニアの工事実施計画が認可された10月17日。大阪市内の本社で定例会見に臨んでいたJR西日本の真鍋精志社長は、記者からリニア認可への見解を問われると、「特にどうということはない」と素っ気なく答える一方、「北陸新幹線をいかに早く大阪まで完成させるかの方が関心が高い」と強調した。
 リニアと北陸新幹線は、いずれも日本の大動脈である東海道新幹線のバイパスの位置付け。東京-大阪間で比較すると、リニアは東海道新幹線とほぼ並走し、1時間強で結ぶ。一方の北陸新幹線は、全線開業すると、北に大きく迂回するルートで4時間程度で結ばれるとみられる。
 リニアはJR東海が全額自己負担で建設、単独で運営する。31年後とはいえ、リニアが全線開業すれば関西を訪れる人が増え、JR西の在来線の利用が拡大する間接的な恩恵がもたらされる可能性がある。ただ、リニアの運行自体がJR西の収益に直接つながることはなく、真鍋社長の言葉からはJR東海への対抗心も垣間見える。つまりJR東日本とともに自社が運行する北陸新幹線の方が収益面で重要というわけだ。
JR西は板挟みの“苦悩”
 ただ、JR西にとって複雑なのは、その北陸新幹線が関西を孤立させる可能性を秘めていることだ。
 これまで4時間近くかかっている東京-金沢間は、北陸新幹線の開業で最短2時間半に縮まる。金沢-大阪間は特急サンダーバードで約2時間40分で、ほぼ同じ時間で金沢から東京に移動できるようになる。
 北陸-首都圏の行き来が盛んになる一方で、北陸-関西のヒトの流れが細る恐れもあり、これまで関西が優位を保っていた観光客や学生の進学に大きな影響が及ぶとみられている。
 これまで北陸の学生は交通アクセスの便利さもあって、大阪や京都の大学に進学することが多かったが、北陸新幹線の開業後は知名度が高く、就職にも有利なイメージが強い首都圏の大学に行くケースが増えていくことが予想される。
 立命館大の入試担当者は「すぐに風向きが変わるとは思わないが、徐々に北陸新幹線開業の影響が出るのは確実だ」と危機感を募らせる。
 首都圏の有名大学が北陸での知名度アップを図るなか、立命館大を含めた関西の各大学は「首都圏よりも生活費が安い」などとアピールするなど、早くも学生争奪戦が過熱しつつある。
ダブルの痛手
 これまで旅行先に関西を選んでいた北陸の観光客が首都圏にシフトすることもあり得る。JR東日本は昨年、金沢市に北陸営業センターを設置し、北陸発着の旅行商品を企画して首都圏への売り込みを強化している。逆に首都圏の観光客の旅行先が関西から新鮮味のある北陸に切り替われば、関西に落ちるカネが減る恐れもある。
 「ビジネス環境の整備が進めば(北陸への)移転が起きてくるのではないか」
 経団連の榊原定征会長は10月20日に金沢市で開いた記者会見で、北陸新幹線の開業により、首都圏企業を中心に、本社や工場を土地代や生活費の安い北陸に移す動きが強まることに期待感を表明。北陸経済連合会の永原功会長も「北陸新幹線は北陸地域の成長戦略の基盤だ」と訴えた。
 JR西も手をこまねいているわけではない。首都圏から北陸への観光客増加を見越して来年10月から金沢-和倉温泉間で豪華観光列車の運行を計画。開業効果に取り込みつつ、「北陸と関西とのつながりを活性化しないといけない」(真鍋社長)というジレンマを抱える。
 北陸新幹線は、金沢-敦賀(福井県)が37年に開業する計画だが、敦賀から大阪まではルートや開業時期が未定のまま。JR西は暫定的な措置として敦賀で新幹線と在来線との乗り換え解消を図るため、走行中に車輪間隔を変えることでレール幅の広い新幹線と、狭い在来線を直通運転できるフリーゲージトレイン(FGT)の導入を検討。北陸からの利用客をつなぎ止めることに躍起だ。
 関西の政財界にはリニアの東京-名古屋間が開業した後、大阪まで延伸するまでの“タイムラグ”で一段と地盤沈下が進むとの懸念は強いが、実は名古屋間までの区間が開業するのは10年以上も先の話だ。一方、北陸新幹線の開業による北陸の関西離れへの懸念は、進学、就職、観光などの分野へのより近い脅威として現実味を帯びており、関係者は戦々恐々としている。


読売新聞 2014年10月30日 07時16分
リニア「名-阪」開業、前倒しも…JR東海社長
 JR東海の柘植(つげ)康英(こうえい)社長は29日の決算記者会見で、リニア中央新幹線の名古屋―大阪間の開業時期について、「借金返済が進めば経営体力が増す。場合によっては早くできる」と述べ、計画の2045年から前倒しする可能性を示した。
 最近の好業績で、国鉄民営化の際に5兆円超あった長期債務の返済が、想定を上回るペースで進んでいるためだ。
 29日発表の14年9月中間連結決算は、売上高、税引き後利益がいずれも中間決算としては3期連続で最高を更新し、15年3月期の業績予想も上方修正した。今年度末の長期債務は想定より800億円減の2兆1517億円になる見通しだ。
 JR東海はリニアの総工費9兆円を全額自己負担する。全線を一気に建設すると、長期債務が「健全経営の指標」である5兆円を超えるため、27年に東京(品川)―名古屋間を開業した後、債務を返済しながら名古屋以西の工事に着手するとしている。


2014/10/27 19:49 【共同通信】
財務副大臣、リニア支援に否定的 大阪同時開業で
 記者会見する宮下一郎財務副大臣=27日、大阪市
 宮下一郎財務副大臣ら財務省幹部が27日、大阪市を訪れ、関西財界と、リニア中央新幹線の大阪までの同時開業や地域の経済情勢などに関して意見交換した。宮下氏は会合後の記者会見で「(国の)財政が厳しい。新たな歳出は難しい状況だ」と述べ、リニア同時開業に対する国の支援には否定的な考えを示した。
 一方で宮下氏は「社会保障を含め支出を見直す中で、改革ができれば道が開けていくのではないか」との認識も示した。
 関西財界側は会合の冒頭、「リニアは東京と大阪の直結により機能を発揮する。全線同時開業が経済成長に寄与する」と主張した。


産経ニュース 2014.10.28 08:23
「あまり脱線しちゃいけない」奈良県の荒井知事、京都のリニア誘致を牽制
 奈良県の荒井正吾知事は27日の定例記者会見で、リニア中央新幹線について、関西主要経済界が奈良ルート支持を打ち出したことについて「長年の国の計画で路線は決まるのが普通。こっちだあっちだと言うようにあまり“脱線”しちゃいけない」とし、依然誘致に向けたアピール活動を続ける京都側を牽(けん)制(せい)した。国の着工認可については、「次は(名古屋以西の)環境影響評価の調査に着手してほしい。工事は地元との共存が大切。地元の県として助けることがあれば協力したい」と述べ、名古屋以西の早期着工に期待感を示した。
 JR東海は平成39年の東京(品川)-名古屋の先行開業を目指しており、準備が整えば年明けにも本格工事に入る。荒井知事は「工事は用地買収や、大量に出る土砂の処理などが大変。西側(名古屋以西)に工事が回ってくるときは、技術面でも(JR東海側が)習熟しているのでは」とし、「工事で街が一変する可能性がある。自治体と話し合って頂けると思うが、これから工事に向けてのお付き合いが始まる」と今後の見通しを示した。
 また、県内3市が中間駅誘致に名乗りを上げる現状については「環境影響評価が始まると自ずから絞られてくる。政治的な思惑では決めないほうがよい」と従来の姿勢を改めて強調した。


読売新聞 2014年10月28日 15時51分
リニアは奈良ルート…京都側けん制する奈良知事
 リニア中央新幹線名古屋―大阪間のルートを巡り、奈良ルートに対抗して京都市などがJR京都駅を通るルートを主張していることについて、奈良県の荒井正吾知事は27日の定例記者会見で「こっちだあっちだと言って、脱線してはいけない」とけん制した。
 荒井知事は、「奈良市付近」とした奈良ルートに決定していると強調し、「長年の計画でルートが決められるのが普通だ」と話した。
 一方、国が17日に東京(品川)―名古屋間の工事実施計画を認可した点は、「同時開業は難しくなったかもしれない」との認識を示しつつ、「名古屋―大阪間は、できるだけ東京―名古屋間と開業時期が近い方が良い」と語った。


SankeiBiz-2014.10.25 17:06
リニア新幹線駅…また“内輪もめ”? 奈良3市で誘致合戦激化(1/5ページ)
 リニア中央新幹線の名古屋-大阪間の中間駅をめぐって、奈良県内で誘致合戦が激化している。7月にJR東海の柘植康英社長が「京都ルート」を改めて否定し、関西財界も「奈良ルート」推進で一致。中間駅設置は奈良が優勢となっている。その一方で県内の絞り込みは進んでおらず、名乗りを上げた奈良と生駒、大和郡山の3市がそれぞれに激しいアピールを展開している。荒井正吾・県知事は「まだ絞り込む段階ではない」とあくまでも静観の構え。3市の誘致活動は当面続きそうだ。(有川真理、山崎成葉)
 関西財界も認めた「奈良ルート」
 奈良県内で9月3日に行われた「第5回三重県・奈良県リニア中央新幹線建設促進会議」に、関西経済連合会リニア担当委員長の辻卓史氏が初めて参加した。
 同線をめぐって、JR東海は平成39年に東京-名古屋間を先行開業し、57年に大阪までの延伸を目指すとしている。東京-大阪間の同時開業を目指す辻氏は「(同時開業の)問題が山積し、時間にも追われている。これから関西一丸となって活動していきたい」と、オール関西で臨む考えを強調した。荒井知事も「大阪までの早期開業に向け、ともに頑張っていきたい」と力を込めた。
近畿で唯一、関西広域連合に加入していない奈良県は平成24年10月、三重県とともに同会議を設立した。大阪府市や関経連などが今年7月に推進協議会を設立したが、リニアの早期開業を求める活動は同会議を主体としてきた経緯がある。
 それだけに、関経連担当者が出席したことは、ようやく官民挙げて「オール関西」の態勢が整った第一歩ともいえる。奈良商工会議所連合会の植野康夫会長は、「7月の大阪の会議で奈良ルートで進めることが決まったので、これから一緒に活動していきたい」と意気込みを語る。ただ、大阪側と奈良側にあるリニア会議の今後の連携については「これから」としている。
 新駅誘致は悲願、強気の綱引き続く
 昨年末には、関西財界の一部で京都ルートを推す動きもあった。このとき、荒井知事は「国で決まったことを関西でひっくり返そうとするのはおかしい」と不快感をあらわにした。だが、今年7月末に主要関西財界が奈良ルートの支持を明確に打ち出したことで、「半年前とは状況が様変わりしている」と素直に歓迎した。
 空港も新幹線もない奈良県にとって、リニア中間駅を誘致するのは悲願ともいえる。いまだに“京都側の反発”という火種がくすぶっているとはいえ、JR東海や関西財界のバックアップを得て有利な立場にあることは確かだ。
 そんななか、中間駅誘致に名乗りを上げた奈良、生駒、大和郡山の3市はアピールに余念がない。
 奈良市は今年から本格的な誘致活動に乗りだした。JR東海や国土交通省に直接陳情し、窓口の職員はPRポロシャツを着用。8月にはシンポジウムも開催した。仲川げん市長は「多くの人が『降りたい』『乗りたい』駅であることが重要。県内最大の観光消費地である奈良市でないと成立しない」と強気だ。
 10月には市役所でリニア新駅を求める推進会議を開催。今後は国交省鉄道局など国の関係機関に対しても積極的なロビー活動を予定している。
 一方、生駒市の山下真市長は「駅の位置が決められるのはずっと後のこと。直接JR東海へ働きかけるのは政治的パフォーマンス」と指摘する。
 その一方で、中間駅誘致をアピールする名刺やパンフレット、ステッカーを作成し、横断幕を設置するなど着々と活動を進めている。山梨県のリニア実験線で試乗が行われる際は市民向けのイベントツアーも計画、550万円を予算計上した。
 知事の出身地も名乗り…統一選にらみ知事静観
 奈良、生駒両市などを除く県内33市町村と県議らは昨年12月、荒井知事の出身地でもある大和郡山市への一本化を求め「『奈良県にリニアを!』の会」を結成。世話人の植村家忠・高取町長は「均衡ある県土の発展や南部へのアクセスなどを考えても、交通の結節性が高い大和郡山市がベスト」と主張する。
 誘致機運を盛り上げようと大和郡山市は9月、市への建設促進期成同盟会を開催。市民ら約220人が参加した。3回目となる今回は姉妹都市の山梨県甲府市からリニア担当者を招き、講演も行うなどPRに力を入れる。
 だが、中間駅について県は、JR東海が環境影響評価を始めた段階でルートが絞られることから、3市への調整などは当面行わない方針。また、来春には統一地方選が控えており、政治的にも微妙な時期を迎えている。
 来年5月に任期満了を迎える荒井知事は3選に向けた立候補についてはまだ意向を明らかにしておらず、「調整について労を取らせてもらえれば」とするものの、「客観的にいろいろな要素をみなければ。政治的な思惑ではやってはいけない」と慎重な姿勢を崩していない。
 さまざまな思惑が複雑に絡み合った誘致合戦は、ますますヒートアップしそうだ。

///////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : リニア 大阪延伸 JR東海

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン