2015-01-20(Tue)

2015年度予算案 暮らし切り捨て未来壊す 各紙社説等(4)

低所得層切り捨てを危惧する 「借金体質」は変わらない 財政への危機感見えぬ 二兎を追うことの難しさ 

<各紙社説・論説等>
中国新聞)政府予算案 財政への危機感見えぬ(1/15)
徳島新聞)新年度予算案 財政再建に危機感を持て (1/15)
愛媛新聞)新年度予算案 低所得層切り捨てを危惧する(1/16)
高知新聞)【15年度予算案】「借金体質」は変わらない(1/15)
西日本新聞)政府予算案 二兎を追うことの難しさ(1/15)
熊本日日新聞)15年度予算案 財政への危機感が乏しい(1/15)
南日本新聞)[来年度予算案] 社会保障改革は急務だ(1/15)




以下引用



中国新聞 2015/1/15
社説:政府予算案 財政への危機感見えぬ


 これで間違いなく、経済再生と財政健全化の二兎(にと)を追うことができる。果たして、そう言い切れるだろうか。
 きのう2015年度政府予算案が閣議決定された。一般会計は96兆3420億円と過去最大に膨らんだ。
 確かに歳入をみると、借金である新規の国債発行額は6年ぶりに30兆円台に抑えた。法人税や所得税が伸び、税収が1990年代前半以来の高い水準となる見込みだからだ。
 一見、アベノミクスによる景気回復で歳入を増やし、財政を改善するという安倍政権の狙い通りに映る。しかし税収を詳しくみれば、昨年4月に消費税を8%へ増税した効果が大きい。
 政府は15年度の財政健全化の目標を達成するめどが付いたとアピールするが、いわば家計の負担があったからではないか。
 安倍晋三首相は「(二兎を)同時に達成するのに資する予算」と胸を張った。しかし、早計に過ぎよう。
 国債の発行額を多少減らしたといっても、借入金などを合わせた「国の借金」は既に1千兆円を超えた。一方で消費税10%への再増税は先送りする。
 しかも今後、リーマン・ショックのような思わぬ外的要因による景気の落ち込みが起こらないとは限らない。国債の信用度が下がれば、長期金利の急上昇につながりかねない。
 20年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標達成は心もとないといえよう。借金しないと予算すら組めない財政構造のままでは、重荷を将来世代に先送りする状況は何ら変わらない。
 そう考えると、歳出の膨張ぶりには首をかしげるばかりだ。政府が15年度予算案に先立ってまとめた3兆円超の14年度補正予算案にしても、統一地方選を意識したのか、ばらまき色が濃い地域商品券などの施策が盛り込まれた。二つの予算案は合わせて100兆円に上る。
 第2次安倍政権の発足から3年連続で、この規模を維持している。アベノミクスの「第2の矢」である財政出動を優先した面はあろうが、借金漬けを思えば、税収がいい時こそ長期を見越した判断が肝心であろう。その危機感が見えない。
 今回の予算編成では「歳出を聖域なく見直す」との基本方針を掲げたものの、それも掛け声倒れではなかろうか。
 公共事業費は増え、6兆円近くに達する。防災、減災のハード対策といった必要な事業もあろう。だが整備新幹線の開業前倒しは今後も予算が膨らむだけに慎重な議論が要る。防衛費も3年続けて過去最大を計上している。国民の理解を得ながらバランスの取れた配分を心掛けたとは考えにくい。
 政府予算は右肩上がりで伸びてきた。リーマン・ショック前は一般会計で80兆円を超える水準だったことを思えば、民主党政権の期間も含め、経済対策に伴う多額の出費が常態化し、歳出抑制のたがが外れたようにみえる。高齢化に伴う社会保障費の伸びが最大の要因であるにしても、めりはりをつけた編成が欠かせまい。
 超高齢社会を迎えた中山間地域を追うように、都市部でも人口減少が現実のものとなってきた。高止まりの予算規模をこの先も続けるようでは、財政再建はさらに遠のく。



徳島新聞 2015年1月15日付
社説: 新年度予算案 財政再建に危機感を持て


 政府は、一般会計総額が過去最大の96兆3400億円となる新年度予算案を閣議決定した。
 地方創生や子育て支援、安全保障などを重点分野として、安倍晋三首相は「経済再生と財政健全化を同時に達成するのに資する予算だ」と強調した。
 果たして、そうだろうか。
 確かに、基礎的財政収支の赤字幅は本年度当初予算から4兆円以上、圧縮した。
 しかし、赤字幅が改善したといっても、予算の38%を借金に頼っていることを忘れてはならない。
 欧米の主要国と比べると飛び抜けて高い割合であり、1千兆円を超えた国の借金残高が膨らみ続ける状況に何ら変わりはない。
 税収の伸びはマイナス成長からの回復を前提にしたもので、景気次第では想定通りにならない恐れもある。
 高齢化に伴って社会保障費は毎年1兆円規模で増えている。しかし、それを賄う安定財源のめどは立っていない。
 財源が厳しいにもかかわらず、過去最大に膨らんだ歳出総額が、財政再建を後回しにしている安倍政権の姿勢を如実に物語っているといえる。
 消費税再増税を延期したことを受けて、米格付け会社が日本国債の格付けを引き下げた。こうした動きが一部にとどまっている間に、政府は借金を着実に減らしていく道筋を内外に示す必要がある。
 政府は夏までに新たな財政再建計画をつくるが、強い危機感を持って社会保障の効率化など歳出削減に取り組まなければならない。
 地方創生を前面に打ち出しているのも大きな特徴だ。
 歳出に「まち・ひと・しごと創生事業費」を新たに設けて1兆円を計上したほか、自治体が自由に使える一般財源総額も過去最高とし、自治体の取り組みを後押しする姿勢をアピールしている。
 昨年末、地方の人口減少に歯止めをかけ、東京の一極集中を是正するための「総合戦略」が閣議決定されたばかりで、新年度はいわば「地方創生元年」である。
 地方への予算配分を手厚くするのは当然だろう。地方は、知恵を絞って予算を有効に使いたい。
 ただ、財政難の国が地方に対して重点的な予算配分をいつまで続けるかは不透明だ。
 手厚い支援があるうちに、地域を元気にする施策を軌道に乗せたい。徳島県や市町村はスピード感を持って取り組んでほしい。
 厳しい制約の中、3年連続の増額が認められ、過去最 大の5兆円に迫った防衛費の厚遇ぶりも目を引いている。首相の意向が強く反映されており、安倍政権のカラーが鮮明になったといえる。
 一方で、生活に直結する経費は、細かく切り詰められている。
 5歳児の「幼児教育無償化」は財源不足で断念した。生活保護費のうち住宅扶助と冬季加算の支給カットも決まった。年金額が少ない人に月最大5千円を支給する措置も、消費税再増税の延期により見送られた。
 低所得者への目配りを欠いていると言わざるを得ない。
 安倍政権は経済政策・アベノミクスや税制改正でも、富裕層など「勝ち組」を優遇してきた。
 格差拡大をこれ以上助長することは許されない。



愛媛新聞 2015年01月16日(金)
社説:新年度予算案 低所得層切り捨てを危惧する


 過去最大の総額96兆3420億円に上る2015年度予算案を政府が閣議決定した。規模が大きい割に暮らしへの恩恵、中でも低所得層への目配りが感じにくく、配分の偏りを強く危惧する。
 安全保障を重視する安倍晋三首相の意向を反映し、防衛費は3年連続の増額で5兆円に迫る勢いだ。地方活性化の目玉と位置付ける創生枠には1兆円、公共事業も老朽化インフラの整備や防災を理由に6兆円近くを確保した。
 一方、年金額が少ない人への月5000円の給付や、年金受け取りに必要な加入期間を短縮する措置は、消費税率10%への引き上げ先送りに伴い延期された。生活保護費も減額される。格差是正の取り組みを軽んじてはなるまい。
 首相は企業業績回復の実績として、法人税と所得税収入増加を強調する。昨春の消費税増税が税収を1兆7000億円押し上げ、家計への重い負担が財政を支えていることを忘れてはならない。大企業・富裕層と中小企業・中低所得層の格差を解消してこそ、地域経済底上げにつながるのだ。
 経済成長との両立を達成したと首相が胸を張る財政健全化にも、課題を残したと言わざるを得ない。税収が増えた結果、新規国債の発行額は4兆円余り減り、15年度に国と地方の基礎的財政収支の赤字を半減させる当面の目標は達成されそうだ。が、20年度に黒字化するという次の目標を達成するめどは立たない。
 原因は歳出への切り込み不足にある。首相は「聖域なく見直す」と強調していた。消費税再増税の延期に伴って見送る方針を固めていたのに急きょ復活したものや、整備新幹線開業時期の前倒しなど必要性や効果に疑問が残るものもある。前年度から微増した公共事業を含め、統一地方選目当ての「ばらまき」はないか、目を凝らしたい。
 財務省の予想を上回ったとされる税収増加は、財政規律を引き締め健全化をアピールする好機だった。逆に緩んだとすれば政治の役割放棄にも等しい。歳入の4割を借金に頼る現状を真摯しんしに受け止めて歳出削減を徹底し、財政を圧迫する社会保障費の抑制に向き合わねばなるまい。
 税と社会保障の一体改革が叫ばれて久しい。安倍政権下では給付減や負担増など「痛み」ばかりが目につく。少子高齢化が進む中で制度を維持するには避けて通れない面はあるが、低所得層や若い世代に負担を押しつけず、全ての国民が安心して生活できる制度の再設計が前提と、あらためて指摘しておきたい。
 政府は今夏までに新たな財政再建計画を策定する。新年度予算で踏み込めなかった予算の効率化と社会保障改革に道筋をつけ、内外に本気度を示さなければならない。



高知新聞 2015年01月15日08時13分
社説:【15年度予算案】「借金体質」は変わらない


 政府が2015年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は96・3兆円と過去最大を更新した。
 14年度補正予算案との合計は99・4兆円。第2次安倍政権の発足以降、3年連続で100兆円規模となる。
 財政健全化への道筋が不透明な中で、膨らみ続ける予算には懸念を禁じ得ない。
 過去最大となった要因は、歳出面では高齢化で増大する社会保障費や、安倍首相の意向で3年連続の増額となる防衛費が大きい。公共事業費は14年度当初とほぼ同水準だが、民主党政権時代と比べると増えている。
 歳入面では経済政策アベノミクスによる法人税収の伸びや、昨年4月からの消費税率8%に伴う増収などが挙げられよう。これにより借金である国債発行額は6年ぶりに30兆円台に抑えることができた。
 それでもなお、予算の4割近くを国債に頼らざるを得ない台所事情に変わりはない。「借金体質」から脱却するためには成長戦略の実行などでさらに税収増を図るとともに、消費税率10%への再引き上げという重い課題にも向き合っていかねばならない。
 同時に求められるのが、遅れている歳出の削減だ。
 例えば公共事業費。南海トラフ巨大地震などを想定し防災面で必要な事業は多々あろう。一方で地元住民さえ疑問を抱く堤防工事などが指摘されている。整備新幹線など大規模プロジェクトも盛り込まれているが、老朽化したインフラの整備だけでも巨額の予算が要る時代だ。精査が求められる事業が紛れ込んでいはしないか。
 防衛費の増額に関しては北朝鮮や中国などの動向をにらめば仕方がない、との意見はあろう。半面、いたずらに近隣国との緊張を高めたり、軍拡競争に陥ったりする恐れはないか。
 財政が厳しい折だけに本当に不可欠な歳出なのかどうか、国会で厳密な検証が求められる。税収が増えたからといってその分、歳出を拡大させてしまっては、いつまでたっても財政再建など達成できない。
弱者にしわ寄せ
 安倍政権の場合、歳出削減の仕方にも不安がある。
 31兆円を超え最大となった社会保障費では、介護サービス提供事業者に支払われる介護報酬を引き下げる。事業者の利益率が高く内部留保があるとされるからだが、全事業者がそうだとは言えまい。打撃を受けるケースも想定されよう。
 報酬引き下げで介護職員の待遇が悪化しないよう、賃金を上げる予算は付いている。それが本当に賃上げにつながるのか監視する必要もある。
 生活保護費では家賃に当たる「住宅扶助」と、冬場の光熱費に充てる「冬季加算」が減額される。低所得世帯には痛手だ。
 アベノミクスは大企業や富裕層を優遇しており、一般の家計への恩恵は少ないと言われる。中でも生活弱者へのしわ寄せが顕著になっているとすれば問題だ。
 地方創生枠で1兆円の予算が付いているのは、地方にとっては朗報かもしれない。しかし、これとて「無駄遣い」にならないよう厳しいチェックが求められるのは言うまでもない。
 社会保障の充実など真に必要なところに予算を回し、余れば借金を着実に減らしていく。当たり前のことがやれるかどうかが問われている。



=2015/01/15付 西日本新聞朝刊=
社説:政府予算案 二兎を追うことの難しさ


 政府は2015年度予算案を閣議決定した。予算案の編成に当たって安倍晋三首相が求めたのは、経済成長と同時に財政再建に資するという二兎(にと)を追う予算だった。
 だが、言うは易(やす)く行うは難(かた)しだ。景気下支えのためには歳出を増やしたいところだが、財政再建をする気があるのかと疑われる。
 逆に歳出を絞り込むと景気に冷や水を浴びせると批判される。
 結局、経済成長と財政再建の双方の「顔」を立てて、財政健全化目標などに合致した予算案を作って帳尻を合わせることになる。
 ▼絞るのが難しいぜい肉
 一般会計の歳出総額は96兆3420億円となった。当初予算額としては過去最大である。
 経済再生の目玉は、景気回復の流れを全国に広げる地方創生関連である。あれこれ合わせ3兆円超を確保したと財務省は説明する。
 一方、聖域なき歳出削減の象徴は介護報酬の引き下げといえる。増え続ける社会保障費も聖域とせずに切り込む姿勢を見せた。
 景気に配慮しつつ財政再建の手も緩めないとのポーズを示した。
 予算が注目を浴びるのは国民生活に大きな影響を及ぼすからだ。
 だが、財政再建が進んだかどうかを判定するのは予算段階ではない。決算で結果が明らかになる。
 過去に歳出総額が最終的に100兆円を超えた年度が3回ある。09年、11年、13年度である。
 08年秋、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻を契機に世界金融危機が一気に深刻化した。景気下支えのため補正予算を組んだ結果、08年度約85兆円だった歳出規模が09年度に急拡大した。
 身に付いたぜい肉を落とすのが難しいように、一度膨らんだ予算規模はなかなか絞れない。
 それでも、予算編成の際に立てた経済見通しが外れなければまだいい。だが、現状では国内外とも先行きの不透明感が拭えない。
 景気が悪化し、経済成長に軸足を置く安倍首相が追加対策を指示するような事態になれば変わる。
 政府には一般会計のほかに18の特別会計がある。年金特別会計やエネルギー対策特別会計などだ。
 一般会計や特別会計にはやりとりがある。それを利用して一般会計の体裁を整えることができる。
 特別会計の歳出総額は14年度予算で約411兆円だった。このうち国債の借り換え分や会計間のやりとりを除いて整理し、一般会計と特別会計の歳出額純計をはじくと14年度は約237兆円だった。
 複雑な会計間の操作ができ、国民には予算の正確な実態が見えにくくなっているとの批判がある。
 財政再建に必要とされるのは通常、歳出削減と増税の適切な組み合わせである。どちらも国民には歓迎されるものとは言い難い。
 ただ、消費税率を10%に引き上げ、安倍政権が掲げる名目3%、実質2%の成長を22年度まで続けたとしても、財政再建はおぼつかないとの内閣府の試算もある。
 結局、政府は手元の資料を国民の前にさらし、十分に説明をした上で、どう痛みを分かち合うのが公正公平かについて国民的な議論を始めるしかないのではないか。
 ▼監視強化は長年の課題
 財政再建は日米欧の主要国に共通する課題である。成功する国もあれば、日本のようにうまくいかない国もある。日本の財政はなぜ1千兆円超の借金を抱えることになったかを分析した本も多い。
 昨年12月に出版された「タックス・イーター-消えていく税金」(志賀櫻著、岩波新書)も、その一つで、解説は歯切れがいい。
 志賀氏は財務省OBで現在弁護士を務める。氏は著書の「はじめに」で、国民の税金を食い荒らすタックス・イーターの悪行を明るみに出すと宣言している。実際、官僚としての経験に裏打ちされた話にはなかなか説得力がある。
 その上で整理された課題は、国会や会計検査院の監視機能の強化など言われ続けてきたものだ。
 予算には注目が集まるが、決算への関心は薄い。決算審査に力を入れるべきだとして国会の強化が図られたこともあった。だが、その熱も今は冷めたように見える。
 経済成長が全てを解決し、誰も痛みを受けなくて済むのならば一番いい。だが、景気回復、経済成長に望みをかけて、問題を先送りにしてきたのが実態だ。その結果として社会的な弱者にしわ寄せが及んでいることが問題なのだ。



熊本日日新聞 2015年01月15日
社説:15年度予算案 財政への危機感が乏しい


 政府は14日、2015年度予算案を決定した。一般会計総額は96兆3420億円。社会保障費などの政策経費が膨らみ、前年度から5千億円近く増え、過去最大となった。一方で税収は54兆5250億円と24年ぶりの高水準を見込み、国債の新規発行額は6年ぶりの30兆円台に抑えられた。政府は26日召集の通常国会に予算案を提出し、4月の統一地方選をにらんで3月末までの成立を目指す。
 安倍晋三首相は閣議後、「経済再生と財政健全化を同時に達成する予算になった」と述べた。しかし額面通りには受け取れない。特に財政の厳しさへの危機感があるのかを疑わせる内容だ。国会での徹底した審議を求めたい。
 政府は財政健全化に向け、政策に必要な経費を税収などでどの程度を賄えているか示す「基礎的財政収支」の赤字を、国内総生産(GDP)比で15年度は10年度の半分にし、20年度までに黒字化することを掲げる。そして、今回の予算編成でそのめどがついたとアピールする。
 しかし実態はどうか。税収拡大は円安などで企業の収益が増えたこともあるが、それよりも昨年4月に消費税が8%に増税されたことが大きい。政府は15年度の実質経済成長率を1・5%程度と見込み、14年度のマイナス成長から回復することを前提にしている。それも国内外の景気動向次第では想定通りにいかない恐れがある。成長頼みの危うさは否定できない。
 より問題なのは歳出だ。安倍政権はデフレ脱却に向けたアベノミクスの「第2の矢」として積極的な財政出動を続けてきた。当初予算編成に先だって経済対策のために補正予算を組むことが続いており、両予算の合計は3年連続で100兆円規模に上る。
 15年度予算案では、政策経費は72兆8912億円で14年度当初予算より2800億円も多い。特に社会保障費は1兆円増え、初めて31兆円台に乗った。介護報酬の引き下げなどを行ったが、その他の見直しは限定的だ。統一地方選をにらんだ与党の要望を受け、子育てなどの充実策が盛り込まれたことも影響した。
 このほかにも、安倍首相が力を入れる分野に手厚くなっている。防衛費は2%も伸び、4兆9801億円と3年連続増で過去最大。「地方創生」では、1兆円の「まち・ひと・しごと創生事業費」を新たに設けた。
 地方自治体にとっては、地方創生関連や、公共事業費の確保は期待する分野だ。今回の予算には整備新幹線の開業前倒し分が盛り込まれており、今後、国土強靱化[きょうじんか]などの分野でも歳出拡大への期待は強まることが予想される。
 しかし、国の財政悪化は地方財政も直撃する。国と地方の借金残高は15年度末には1035兆円に膨らむ見込み。財政健全化は待ったなしだろう。消費税再増税の延期を踏まえ、政府は夏までに新たな財政再建計画を策定するが、社会保障を中心に、歳出拡大にどう歯止めをかけるかが課題になる。



南日本新聞 ( 2015/ 1/15 付 )
社説:[来年度予算案] 社会保障改革は急務だ


 政府は2015年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は社会保障費の増大で過去最大の96兆3420億円に膨らんだ。
 税収は消費税増税や景気回復による所得税や法人税の伸びで24年ぶりの高水準が予想され、14年度当初予算比9.0%増の54兆5250億円を見込んだ。
 借金に当たる新規国債発行額は4兆円以上圧縮して36兆8630億円とした。当初ベースの30兆円台は6年ぶりで、財政健全化へ一定の前進を見せた。だが、成長頼みの予算編成は当てが外れれば行き詰まる懸念がある。
 政府は夏までに新たな財政再建計画を作るとしているが、社会保障改革など遅れている歳出削減策にどこまで踏み込めるかが課題となろう。
 借金返済を除いた政策経費は72兆8912億円で、14年度当初予算より2800億円増えた。
 このうち社会保障費は1兆円増え、初めて31兆円台に乗せた。子育て支援を拡充する一方、消費税再増税の延期に伴って低年金者対策を見送り、介護報酬や生活保護も一部切り下げたが、高齢化に伴う膨張は止められなかった。
 首相が力を入れる防衛費は、沿岸監視強化などで2%伸び、5兆円に迫る水準になった。
 目玉となる地方創生関連の施策は、人口減少の克服や地域経済の活性化を目指し、雇用創出や移住促進に重点を置いた。
 春の統一地方選を見すえ、安倍政権として地方重視の姿勢を強調する狙いだが、景気下支えの経済対策を盛り込んだ3兆円規模の14年度補正予算案を今月9日に決定したばかりだ。似た内容の施策を積み上げる手法は、選挙を意識したばらまきの印象が否めない。
 財務省の試算では、15年度末の国債発行残高は807兆円、国と地方の長期債務残高は1035兆円に膨らむ。
 政府は財政健全化の目標として15年度の赤字割合を10年度比で半減させるとしており、安倍首相は達成できる見込みと表明した。だが、借金に比べれば微々たる額でしかない。
 歳入の増加にしても、政府が宣伝するようにアベノミクスによる税収増だけが理由ではない。昨年4月の消費税増税も1兆7000億円程度税収を押し上げており、家計の負担が財政を支えている事実も見逃せない。
 高齢化に伴う社会保障費の増加で他の政策経費がしわ寄せを受ける構図は今後も続く。これを変えるには給付の抑制か国民の負担増しかない。政府はこの問題にそろそろ本気で取り組むべきだ。

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