2009-01-06(Tue)

坂本総務政務官 発言撤回したが、野党は辞任要求 

年越し派遣村 今度こそ政治の出番だ(毎日社説)
坂本政務官が派遣村発言を撤回した。

「(集まったのが)500、600人の大人数だったので、それだけ雇用状態が深刻だとは思うが、そうではない人たちがいるのではないかと頭をよぎった。実態をよく把握しないまま発言した」
と説明したそうだ。

ということは、本音の発言だったということではないか。
ここに、政府の本音が見える。
定額給付金を補正予算から切り離さず、
雇用対策と抱き合わせに固執しているところに、本気で雇用対策などやる気がないと思える。

野党が辞任要求しているが、当然だ。

毎日の社説は同感だ。




毎日新聞 2009年1月6日 20時17分
坂本総務政務官:「派遣村」発言を野党が非難、辞任要求
 坂本哲志総務政務官が東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に関し、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まってきているのか」と発言した問題で、野党各党は6日、「失業者にあまりに無礼だ」(鳩山由紀夫民主党幹事長)などと非難し、罷免や辞任を求めた。
 坂本氏は6日記者会見し、「多くの皆さんにご迷惑をおかけした」と発言を撤回、謝罪した。だが民主、社民、国民新の3党国対委員長は、坂本氏の辞任要求などで7日に対応を協議することにしており、国会論戦への影響は拡大しそうだ。
 鳩山氏は衆院本会議代表質問で「撤回して済む話ではない。満身の怒りをもって即刻、解任を求める」と述べた。5日夜の国民新党幹部との会合で問題視する発言が相次いだことを受け、急きょ代表質問に盛り込んだ。
 共産党の市田忠義書記局長は「職業と住居を失ったのは企業の都合と労働法制の規制緩和が原因だ。反省もなくよく言えたものだ。罷免が当然」と断言した。社民党の福島瑞穂党首は「津波を起こした張本人が『自己責任だ』ということ自体が許せない。辞任を強く要求する」と語った。国民新党の亀井久興幹事長は「地方自治を扱う立場の人の発言として極めて残念。自らお辞めになるべきだ」と指摘した。
 麻生太郎首相は6日夜、首相官邸で記者団に「本人も発言を撤回し、陳謝しているので、それ以上追及して解任というようなことを、今の段階でするつもりはありません」と述べた。【佐藤丈一】


朝日新聞 2009年1月6日13時19分
派遣村発言、坂本政務官が撤回「実態把握してなかった」
 東京・日比谷公園の「年越し派遣村」について、「本当にまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかという気もした」と述べた自民党の坂本哲志・総務政務官(58)=衆院熊本3区=が6日、釈明会見を開き、発言を撤回、謝罪した。ただ、「地方を活性化させるために職責を全うしたい」と語り、辞任の考えはないことを強調した。
 この問題で河村官房長官は6日の記者会見で、鳩山総務相に注意したことを明らかにしたうえで、「思いを新たに精励して頂きたい」と辞任の必要はないとの考えを示した。これに対し、野党は「撤回したが、(発言は)本音で、政務官としてふさわしくない。解任を要求していく」(民主党の山岡賢次国会対策委員長)、「現実を全く知らない、本質をねじ曲げる発言だ。こんな侮辱は許せない。辞任要求をしていく」(社民党の福島党首)と反発。麻生首相の任命責任も含め、追及する構えだ。
 会見で坂本氏は「関係している多くの方々に不快な思いや迷惑をかけた。発言を撤回して深くおわびしたい」と頭を下げた。その上で「(集まったのが)500、600人の大人数だったので、それだけ雇用状態が深刻だとは思うが、そうではない人たちがいるのではないかと頭をよぎった。実態をよく把握しないまま発言した」と説明した。
 また、学生運動を引き合いに、「『学内を開放しろ』『学長出てこい』、そういう戦略のようなものが垣間見える気がした」と発言したことについては「学生運動の時の手法と似ているという気もしたが、思い過ごしだった」と釈明した。





毎日新聞 2009年1月6日 東京朝刊
社説:年越し派遣村 今度こそ政治の出番だ

 東京・日比谷公園の「年越し派遣村」に男性(55)がたどり着いたのは年明けの2日。それまでの3日間、上野公園で野宿したが、新聞で村のことを知った。群馬県の自動車部品工場の期間従業員だったが、昨年10月に景気悪化を理由に突然契約を切られ、職を探しに上京した。

 「テントで寝ることができ、1日3食。本当にありがたい。人間の温かさを感じました」。男性は5日、村の撤収とともに次の宿泊場所となる東京都の施設に移動した。そこで新たな仕事探しを始める。「地方にもこうした動きが広がってほしい」と男性は願う。

 派遣村は、仕事と住まいを失った派遣社員や期間従業員らを支援しようと、NPO法人や労働団体などでつくる実行委員会が開設した。12月31日〜1月5日の期間中、村に入った労働者は約500人と、実行委の予想をはるかに上回った。茨城から歩いて来た人、自殺しようとしたばかりの人もいた。昨年秋以降急増する「非正規切り」の深刻さを改めて痛感する。

 実行委の要請に応じ、厚生労働省は講堂を宿泊場所に提供する異例の展開も見せた。使用期限が切れる5日以降が心配されたが、都や区の計4施設で当面の宿泊が認められ、食事も用意されることになった。ひとまず、ほっとする思いだ。

 集まった労働者の多さだけでなく、1700人近くがボランティア登録し、支援活動に当たったことも大規模被災地救援を除けば前例のないことだ。「何か自分にできることはないか」と高校生や高齢者も参加した。多くの労働者たちが人の善意をかみしめた。派遣村の体験を今後、各地の支援につなげたい。

 派遣村は、路頭に迷う人々に率先して救いの手を差しのべようとはしない政府や自治体の姿も浮き彫りにした。厚労省も都も、公園のテントでの寝泊まりを認識しながら実行委が働きかけるまで、宿泊施設を用意するような動きはなかった。行政は支援を民間に任せて後手に回ってきたことを率直に反省してほしい。

 行政が早急に支援しなければならないのは、もちろんこの500人だけではない。各地で、仕事探しに加え、住居確保、生活保護の手続きなど、きめ細かな支援を速やかに行うべきだ。

 抜本的な雇用・住宅対策を講じるのは、政治の役目だ。何よりも、企業による非正規切りの横行を許さない制度づくりが急務だ。舛添要一厚労相は「個人的には」と断りながら、派遣を製造業にまで解禁した現行制度に疑問を呈し、見直しの検討に言及した。言葉だけでなく、実行に移してもらいたい。

 それにしても、派遣村の人々について坂本哲志総務政務官は「本当にまじめに働こうとしているのか」と述べた。深刻さを理解しない発言が政府内から出ることにあきれるばかりだ。

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