2015-03-17(Tue)

東洋ゴム 免震装置改ざん  庁舎・病院など15棟公表

免震への信頼揺るがす問題だ 安全またも軽んじられた 安心への期待を裏切った

■国交省が施設名を公表した15棟
庁舎】(12棟)
茨城県 日立市消防拠点施設(日立市)
長野県 長野市第1庁舎(長野市)
静岡県 御前崎市消防庁舎(御前崎市)
岐阜県 多治見砂防国道事務所庁舎(多治見市)
三重県 鳥羽警察署庁舎棟(鳥羽市)、伊勢庁舎本館(伊勢市)
大阪府 枚方寝屋川消防組合新消防本部庁舎(枚方市)
愛媛県 県庁第1別館(松山市)
高知県 県本庁舎(高知市)、安芸総合庁舎(安芸市)、高知東警察署庁舎(高知市)、南国警察署庁舎(南国市)
病院】(2棟)
三重県 県立志摩病院外来診療棟(志摩市)
京都府 舞鶴医療センター(舞鶴市)
*ほかに4棟の民間病院。所有者の同意が得られた後に発表予定。
【複合施設】(1棟)
神奈川県 横浜山下町地区B1街区施設建築物(横浜市中区)

東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料の大臣認定不適合に係る建築物(庁舎、病院、複合施設)
報道発表資料(PDF形式:205KB)
http://www.mlit.go.jp/common/001083008.pdf



<各紙社説>
日本経済新聞)免震への信頼揺るがす問題だ (03/17)
新潟日報)免震性能改ざん 安全またも軽んじられた(03/17)
愛媛新聞)基準満たさない免震材 県の防災拠点に早急な対策を(03/16)
高知新聞)【免震装置の偽装】安心への期待を裏切った(03/15)

<各紙報道>
NHK)免震装置 今月中の緊急調査を指示(3/17)
日本経済新聞)性能不足の免震ゴム使用、庁舎・病院など15棟公表  
国交省、東洋ゴムに55棟の調査指示(3/17)

朝日新聞)不良免震ゴム、問題認識後も12棟納入 東洋ゴム工業(3/17)
NHK)免震装置問題 各地で影響や懸念広がる (3/16)




以下引用 

東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料の大臣認定不適合に係る建築物(庁舎病院、複合施設)について
平成27年3月17日
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000540.html
3月13日に公表いたしました「東洋ゴム工業(株)が製造した免震材料の大臣認定不適合等について」の対象となる建築物のうち、庁舎病院、複合施設について、下記のとおり公表いたします。
添付資料
報道発表資料(PDF形式:205KB)
http://www.mlit.go.jp/common/001083008.pdf

国土交通省住宅局建築指導課企画専門官 村田 英樹
TEL:(03)5253-8111 (内線39564)
国土交通省住宅局建築指導課企画専門官 高木 直人
TEL:(03)5253-8111 (内線39532)

*****************************************



日本経済新聞 2015/3/17付
社説:免震への信頼揺るがす問題だ


 地震の揺れを特殊なゴムで抑える免震装置をめぐり、大阪市のタイヤメーカー、東洋ゴム工業の子会社の製品の一部が国の基準に適合していないことが分かり、国土交通省は認定を取り消した。子会社の担当者が認定試験のデータを改ざんした疑いがあるという。
 問題の装置は、18都府県で55棟のマンションや庁舎などに使われている。国交省によれば、地震が起きたときの安全性は不明で、改修が必要になれば居住者が一時退去を迫られる恐れがある。住人の不安がこれ以上広がらないよう、まず東洋ゴムと国交省が必要な情報を開示すべきだ。
 免震装置は4年前の東日本大震災でも効果が認められ、マンションなどで急速に普及している。通常の建物に比べて建築費は割高だが、地震が多い日本ではより安全で安心な建物を求める消費者が増え、市場が急拡大した。
 消費者の信頼を裏切るデータの偽装は許されない。東洋ゴムによれば、製品を発売した2003年以降、評価試験を社員一人で担当していた。組織としてチェック機能はなかったのか。同社の法令順守のあり方が問われる。
 東洋ゴムの製品だけでなく、免震装置全体への消費者の信頼も揺らぎかねない。国交省は責任をもって原因究明にあたり、同じ問題を繰り返してはならない。
 建物の耐震性をめぐっては05年、元建築士がホテルなどの耐震強度を偽装した事件が起きた。この事件で国や自治体による建築確認の甘さが問われ、国は建築基準法を改正して審査を厳しくした。
 免震装置でも建物ごとに公的機関が耐震性を審査し、国交相が認定する仕組みになっている。だがメーカーが試験データを偽れば審査で見抜くのは難しく、審査を厳格化しても解決策にはならない。
 メーカー側が消費者本位の原点に立ち返り、自社で得たデータは第三者の評価を受けるなど透明性を高めることが欠かせない。耐震技術を手掛ける他の企業も、今回の問題を他山の石とすべきだ。



新潟日報 2015/03/17
社説:免震性能改ざん 安全またも軽んじられた


 またも安全が軽んじられたと言わざるを得ない。
 東洋ゴム工業(大阪市)の子会社が製造・販売した免震装置のゴム材料の一部が、建物の揺れを抑える性能の基準を満たしていないことが明らかになった。
 国土交通省は、不正な申請書を提出し販売していたとして、2003年から続いていた国の認定を取り消した。
 東日本大震災や中越地震など、大きな被害をもたらした地震が相次ぎ、建物の安全性があらためて問われている。認定取り消しは当然といえる。
 なぜ、そうした事態が起きたのか。原因を徹底的に究明し、再発防止に万全を期してもらいたい。
 基準を満たしていない免震ゴムが使われていたのは、本県の1棟を含む18都府県のマンションや病院庁舎など55棟に上る。
 製品開発担当の課長代理が、基準に適合するように試験データを改ざんしていた可能性が高いとみられている。
 東洋ゴムは、予定通り製品を納入したいという気持ちがあったのではないかと説明している。
 ただ、わずか1人の担当者が10年以上も携わっていた。上司は商品の詳細を把握していなかった。
 社が不正に気づいたのは担当者が交代してからだ。ずさんな管理態勢と言うほかない。売り上げに占める割合が小さいのが背景にあったとしたら言語道断だ。
 驚くのはそればかりではない。昨年2月に不正の可能性があることを知りながら、その後も免震ゴムの納入を続けていたのである。
 国交省によると、55棟のうち東日本大震災で震度6強~6弱だった仙台市の物件3棟について、損傷は確認されていない。
 しかし、性能のばらつきは基準値の10%以内にしなければならないのに、基準を満たしていなかった製品は最大で50%も低かった。
 大きな地震が発生した場合、50%の性能低下だと、10%に比べてゴムの変形が約1・3倍になるとの試算がある。そうなれば、揺れを抑えられなくなるという。
 安全への認識と危機管理はどうなっていたのか。社の姿勢があらためて問われよう。
 建築物の安全性をめぐっては、耐震強度が不足しているマンションやホテルが相次ぎ、大きな社会問題となった。耐火性能でも不正が明るみに出た。
 国交省は、性能評価に用いるデータが書き換えられていても見抜くのは難しいとしている。
 だが、いわば企業側の「良心」に頼っている現状のままでいいはずがない。重大な事態が起きてからでは遅い。不正を見過ごさないよう抜本的な対応策を検討するとともに、似たような事例が他にないか調べる必要がある。
 南海トラフや首都直下といった巨大地震がいずれ発生すると予想されている。活断層が至る所にある日本はマグニチュード7クラスの地震が、いつどこで発生してもおかしくないとされる。
 安全・安心に求められるのは何か。企業、行政ともそのことを肝に銘じるべきだ。



愛媛新聞 2015年03月16日(月)
社説:基準満たさない免震材 県の防災拠点に早急な対策を


 東洋ゴム工業(大阪市)の子会社が、国の性能基準を満たしていない免震ゴムを18都府県の55棟に使用していたことが分かった。愛媛県内にも2棟あり、そのうちの1棟が今年1月に耐震化工事が終わったばかりの県庁第1別館だった。南海トラフ大地震などの大規模災害時に災害対策本部が設置される県の防災拠点でもある。県は東洋ゴム工業と協議し、一日も早い対策を取らなければならない。
 建物の揺れを抑える建築用の免震ゴムは、東日本大震災の影響もあり、需要が高まっている。地震への耐久性が特に求められる官公庁や企業のデータセンターなどへの引き合いが増えている。その最も肝心な免震材であるゴムに不具合の可能性があるという。人命に関わる重大な不正だと認識するべきだ。
 会社の説明によると、製品開発担当の課長代理が、基準に適合するように試験データを改ざんしていた可能性が高い。個人の責任はもちろんだが、不正を見抜けなかった会社の責任はそれにも増して大きい。基準を満たす製品を安定してつくる能力を欠きながら製造していたとしたら、さらに深刻な事態だ。
 東洋ゴム工業は2007年にも、建材用断熱パネルの不燃性能試験データの偽装が発覚し、当時の社長が引責辞任している。その反省がまったく生かされていない。猛省すべきだ。虚偽申告が起きた経緯や背景を検証して公表しなければならない。
 不正の可能性が判明してからの対応もひどすぎる。昨年2月に調査・検証に着手してから、公表までに1年以上かかった。その間も不良製品を納入し続けており、不誠実な態度は許容できない。
 「被害者」である愛媛県に対する報告も遅れた。県内のもう1棟も含めて、55棟の建物を公表しないのも問題だ。県立中央病院や西予市の県オフサイトセンターは該当しないとしているが、「ではどこなのか」と県民の疑心暗鬼を招きかねない。詳細を明らかにするべきだ。
 こうした不正を見抜けない国土交通省の体制もお粗末と言わざるを得ない。ゴムなどの材料に関して、国交省の担当者は性能評価機関が出してきた書類を審査するだけで、綿密なチェックはしない。その後の品質管理も業者に委ねられており、いったん認定されるとあらためて審査を受けることがないという。メーカーの「性善説」を前提にした審査体制を根本的に見直す必要がある。
 ゴムはもともと、上の建物を持ち上げて取り換えられるようになっているとはいえ、追加工事が必要になる。県庁第1別館もそうした対応が可能なのかを、早急に調べた上で対策を練ってほしい。



高知新聞 2015年03月15日08時13分
社説:【免震装置の偽装】安心への期待を裏切った


 官民を挙げた防災・減災の取り組みに、強烈な冷や水を浴びせられた格好だ。
 東洋ゴム工業(大阪市)の子会社が製造した免震装置のゴムが、建物の揺れを抑える性能基準を満たしていないことが分かった。担当者によるデータ偽装の可能性が強いとして、国土交通省は建築基準法上、施工に必要となる認定を取り消した。
 本県では全国最多の9棟に使われていた。県庁本庁舎や警察署など、災害時の拠点や避難場所となる施設に安全性への懸念が広がった形だ。防災に関わる企業として、責任はあまりに重いといえよう。
 免震ゴムは鋼板と重ね合わせて基礎部分に設置、地震の揺れを吸収して建物の損傷を防ぐ仕組みだ。
 揺れを和らげる機能は、使用された装置全体の平均で、国が定める基準値の上下10%以内を確保しなければならない。だが、全国18都府県の計55棟に使われた2千基余りは基準に達していなかった。
 同社によると、10年以上にわたり製品開発に携わっていた担当者が、データを改ざんして認定を受けていた可能性が高い。昨年2月に担当者が交代するまで、不正の可能性を見抜けなかったという。
 だが、国への報告や公表には1年以上を要した。データの確認に時間がかかったとするが、ことし2月まで製品を納入し続けていた。この対応には首をかしげざるを得ない。
 不正は個人が引き起こしたとしても、組織全体に安全より納入を優先する雰囲気はなかったのか。危機管理体制と問題の重大性に対する認識を疑われよう。
 消費者が多額の費用を追加して免震装置を導入するのは、地震時の被害軽減はもちろん、日常の安心を手に入れる目的もあろう。その期待を裏切ったことにほかならない。
 同社は今後1カ月で建物の安全性を確認し、問題があれば1年以内の改修を目指すとしている。だが、地震はいつ起こるか分からない。早期の対応は当然のことだろう。
 2007年にも建材用断熱パネルで性能の偽装が発覚しており、同社は再度の不正で自浄作用が十分に働かなかったことを露呈した。相当な覚悟で改修や再発防止に努めなければ、消費者の信頼回復は望めまい。

************************************



NHK 3月17日 12時01分
免震装置 今月中の緊急調査を指示



東洋ゴム工業が製造販売した建物の揺れを抑える免震装置に、国に認定された性能を満たしていない製品があった問題で、太田国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で、この装置が使われている全国55棟の建物の安全性を今月中に緊急調査して、その結果を報告するように指示したことを明らかにしました。
この中で太田国土交通大臣は「世界最高の水準を誇る日本の免震技術の信用を失わせることになり、極めて遺憾で許し難いことだ」と述べました。
そのうえで太田大臣は、「会社側から調査に1か月かかると聞いているが、不安が広がっていることもあり、今月中に緊急調査するように指示した。その結果を踏まえ、必要な対策が行われるように万全を期したい」と述べ、東洋ゴム工業に対し、問題の免震装置が使われている全国55棟の建物の安全性を今月中に緊急調査して、その結果を報告するように指示したことを明らかにしました。
 また、会社側が国の認定を不正に受けていたことについて、太田大臣は「提出されたデータに基づいて審査を行っているが、意図的に改ざんがある場合は難しい」という認識を示しました。



日本経済新聞 2015/3/17 10:30
性能不足の免震ゴム使用、庁舎病院など15棟公表
国交省、東洋ゴムに55棟の調査指示


 東洋ゴム工業(大阪市)子会社が製造・販売した免震装置のゴムが性能基準を満たしていない問題で、国土交通省は17日、不適合装置が使われている55棟のうち、自治体庁舎や病院など計15棟の名称と所在地を公表した。55棟すべてについて構造安全性に問題がないか、月内に調査するよう同社に指示した。
東洋ゴムは55棟の構造安全性調査を国交省から指示された(大阪市の本社)
 公表された自治体庁舎は8府県の計12棟で、長野市の市第一庁舎、多治見砂防国道事務所庁舎(岐阜県多治見市)、鳥羽警察署庁舎棟(三重県鳥羽市)、枚方寝屋川消防組合新消防本部庁舎(大阪府枚方市)など。
 病院は計6棟あり、このうち三重県立志摩病院外来診療棟(同県志摩市)と舞鶴医療センター(京都府舞鶴市)が公表された。民間病院4棟については、所有者の同意が得られ次第、速やかに公表するとしている。
 マンション、工場、倉庫、オフィスなどの残る36棟は、利用者が限られるため、検証の結果、危険性が確認された場合に公表するという。
 国交省は13日、東洋ゴム工業の免震装置が建築物の揺れを抑える性能の基準を満たしておらず、不正な申請書を提出して国の認定を受けていたとして、大臣認定を取り消した。納入した5種類の計2052基が基準を満たしていなかった。
 国交省は同社に対し、建築物の所有者への説明や免震材料の交換・改修など、必要な対応を取ったうえで、再発防止策の提出を求めている。
 太田昭宏国交相は17日の閣議後の記者会見で、「不正が発覚したことは極めて遺憾。日本の免震技術に対する信頼を失わせるもので、許しがたい」と指摘。「(利用者の)不安を取り除けるよう早急に取り組んでいく」と述べた。


朝日新聞デジタル 2015年3月17日11時37分
不良免震ゴム、使用の公的施設15棟公表 国交省が一転
小林誠一
 東洋ゴム工業(本社・大阪市)の免震ゴム性能偽装問題で、国土交通省は17日、不良品が使われた全国55棟のうち庁舎や病院などの公的施設計15棟を公表した。国交省は問題を発表した13日以降、「不安をあおる」などとして非公表としてきたが、工事中断などで納入先に動揺が広がっているため、方針を変えた。同社に対し、今月中に安全性の調査を終えるよう指示したことも明らかにした。
• 不良免震ゴム、問題認識後も12棟納入 東洋ゴム工業
 国交省は15棟について「不特定多数の出入りがある」「東洋ゴム工業が16日までに納入先への説明を終えた」と公表の基準を説明。民間の病院4棟も所有者の同意を得られれば、公表するとした。ただ、共同住宅など他の36棟は「財産価値が下がる」「不安をあおる」などとして、調査で危険と判断されなければ、公表しない方針だ。
 国交省はこれまで55棟の具体名は明かさず、東洋ゴム工業も「不良品を製造した立場なので、納入先の同意なしに公表できない」としていた。だが、静岡県御前崎市が9月完成予定の市消防庁舎で工事を中断するなど不安が拡大。東洋ゴム工業の電話窓口(0120・880・328)にも、17日午前9時までにマンション住民らから2404件の問い合わせが集まっている。(小林誠一)
     ◇
■国交省が施設名を公表した15棟
【庁舎】(12棟)
茨城県 日立市消防拠点施設(日立市)
長野県 長野市第1庁舎(長野市)
静岡県 御前崎市消防庁舎(御前崎市)
岐阜県 多治見砂防国道事務所庁舎(多治見市)
三重県 鳥羽警察署庁舎棟(鳥羽市)、伊勢庁舎本館(伊勢市)
大阪府 枚方寝屋川消防組合新消防本部庁舎(枚方市)
愛媛県 県庁第1別館(松山市)
高知県 県本庁舎(高知市)、安芸総合庁舎(安芸市)、高知東警察署庁舎(高知市)、南国警察署庁舎(南国市)
【病院】(2棟)
三重県 県立志摩病院外来診療棟(志摩市)
京都府 舞鶴医療センター(舞鶴市)
*ほかに4棟の民間病院。所有者の同意が得られた後に発表予定。
【複合施設】(1棟)
神奈川県 横浜山下町地区B1街区施設建築物(横浜市中区)


毎日新聞 2015年03月17日 10時35分(最終更新 03月17日 11時47分)
東洋ゴム免震改ざん:公共施設15棟、国交省が発表 
免震装置の不適合が判明した公共施設
 東洋ゴム工業(大阪市)の子会社が製造・販売した免震装置に国の性能基準を満たさないゴムを使った製品が含まれていた問題で、国土交通省は17日、不適合の装置が使われている10府県計15棟の公共施設などの名称を発表した。災害発生時の防災拠点となる自治体や消防、警察の庁舎や病院なども複数含まれ、各自治体は東洋ゴムに早急な対応を求めている。
 国交省によると、性能不足の免震ゴムが使われている全国計55棟のうち、建設中を含む県・市庁舎5棟、消防庁舎3棟、警察署3棟、病院2棟などで、性能基準に適合していない免震装置が使われていた。国交省は東洋ゴムに対し、建物の設計者などと協力して安全性を検証し、結果を報告するよう指示。同社は「1カ月を目標に報告したい」と回答しているが、同省建築指導課は「もっと急ぐよう指示している」という。
 複数の自治体担当者は「耐震性や安全性に問題があれば是正を指導する」とコメント。愛知県の担当者は「不特定多数が使う公共施設は優先順位をあげて対応してほしい」と求めた。静岡県の担当者は「免震装置は取り換え可能なので、建て替え騒ぎのようなことにはならないと思う」と話した。
 マンションなどの民間施設に関しては、国交省からの指導などを理由に、全ての自治体が非公表としている。【佐藤賢二郎】


【共同通信】2015年 03月 17日 11:26 JST
免震不適合の病院など15棟公表
 東洋ゴム工業(大阪市)の子会社が国の性能基準を満たさない免震装置を製造・販売した問題で、国土交通省は17日、この装置が使用された全国55棟のうち、病院や消防施設など公共性の高い10府県の15棟を公表した。太田国交相は記者会見で「不正発覚は極めて遺憾だ。日本の技術水準への信用を失わせる行為で許し難い」と述べた。
 15棟の内訳は、病院が2棟で、県立志摩病院外来診療棟(三重県)と舞鶴医療センター(京都府)。庁舎が12棟で、長野市の第1庁舎や日立市消防拠点施設(茨城県)、鳥羽警察署(三重県)など。このほか県立の神奈川芸術劇場が入る横浜市の複合施設1棟があった。



朝日新聞デジタル2015年3月17日08時02分
不良免震ゴム、問題認識後も12棟納入 東洋ゴム工業


小林誠一
 東洋ゴム工業(本社・大阪市)の免震ゴムの性能偽装問題で、不良品が使われた全国55棟のうち12棟は、製造した子会社で不良品の疑いがあると昨年2月に発覚した後に納入されたことが分かった。東洋ゴム工業は「性能不足だと確証が持てなかった」としているが、国土交通省は「免震を扱うメーカーとして言語道断だ」と批判している。
 国交省と東洋ゴム工業によると、子会社の東洋ゴム化工品(本社・東京都新宿区)で問題が発覚したのは昨年2月だった。兵庫県の工場で製品評価を10年以上担当した課長代理(当時)が交代し、後任者が性能不足の可能性に気づいた。
 子会社の調査を経て東洋ゴム工業に報告されたのは昨年夏だったが、その後も納入を継続。検証の結果、東洋ゴム工業が「偽装の可能性が高い」と判断し納入をやめたのは今年2月上旬だった。子会社での問題発覚から納入中止までの間、12棟に納められていた。
 納入を続けた理由について、東洋ゴム工業は「データで性能不足との確証が得られたのは今年2月下旬から3月上旬だったため」と釈明。ただ、「今となっては納入を続けたのは誤っていた」としている。
 これについて、国交省幹部は「免震は安全・安心に直結する分野。問題が分かった段階で納入をやめるべきで、対応が遅すぎる」と批判。国交省は東洋ゴム工業に対し、不良品が使われた建物については、他社製の免震ゴムを調達してでも、建築基準法上の規定を満たす安全性を確保するよう指示したという。
 国交省は、不良品が使われた個別の建物については非公表としてきたが、庁舎など不特定多数が出入りする建物は近く公表する方針だ。(小林誠一)



NHK 3月16日 19時23分
免震装置問題 各地で影響や懸念広がる


 東洋ゴム工業が製造販売した建物の揺れを抑える免震装置に国に認定された性能を満たしていない製品があった問題で、装置が使われていた建物では、建物の建設工事を一時中断するなど、影響や懸念が広がっています。
 会社ではすべての建物で安全性を確かめる調査を行い、装置の交換が必要な場合は1年以内に工事を行いたいとしています。
大阪市に本社がある東洋ゴム工業は今月13日、平成15年から23年にかけて国の認定を受けていた免震装置に求められる性能を満たしていない製品があると発表し、国土交通省は、一部の認定が不正に取得されていたとして認定を取り消しました。
 国土交通省によりますと、問題の免震装置は全国18の都府県にある55棟の建物で使われているということです。
 NHKがまとめたところ、高知と三重、愛媛、大阪、岐阜、長野、静岡、それに茨城の8つの府県では、国や自治体、消防、警察の合わせて12棟の庁舎に問題の装置が使われていたことが分かりました。
 このうち、茨城県日立市では8年前に完成した消防本部の庁舎に問題の免震装置が使われていました。
 日立市では4年前の3月11日の巨大地震で震度6強の激しい揺れを観測していましたが、この庁舎では大きな被害はなかったということです。
静岡県御前崎市では、ことし9月に完成する予定の市の消防庁舎の一部の棟にこの装置が使われていることが分かり、市は今後の対応が決まるまで、建設工事をいったん中断することにしています。
 また、三重県と京都府では2つの病院でこの装置が使われていたことが分かり、このうち京都府舞鶴市にある「国立病院機構・舞鶴医療センター」では、ことし6月に完成予定の新しい病棟に使用され、すべての装置を交換する場合、完成時期が遅れる可能性が高いということです。
 さらに、神奈川県の神奈川芸術劇場とNHK横浜放送局が入る横浜市中区の複合施設でも、この装置が使われていることが分かりました。
建物は地上10階、地下1階建てで、5年前に完成していました。
 各自治体などは会社側から事情を聞いたうえで今後の対応を検討することにしています。
 一方、民間の建物については詳しく分かっていませんが、高知と愛知、静岡、それに福岡の4つの県の合わせて少なくとも8棟はマンションとみられます。
 東洋ゴム工業は装置が使われていたすべての建物で来月中旬までに安全性を確かめる調査を始める方針で、装置の交換が必要な場合は1年以内に工事を行いたいとしています。
東洋ゴム工業が愛媛県に謝罪
東洋ゴム工業製の免震装置に国に認定された性能を満たしていない製品があった問題で、この装置が県庁の第一別館に使われていた愛媛県には、16日、東洋ゴム工業の担当者が訪れ、県の担当者に謝罪したうえで、耐震性能に問題がないかどうか早急に確認する意向を示しました。
 国土交通省によりますと、問題の免震装置は全国18の都府県のマンションや公共施設など、55棟の建物で使われているといることで、このうち、愛媛県では県庁第一別館など2棟の建物で使われていました。
 16日午後、東洋ゴム工業の執行役員ら3人が愛媛県庁を訪れて「大変ご迷惑をかけて誠に申し訳ありません」と謝罪し、これに対して水野良樹総務管理課長が、早急に耐震性能を確認し、対処が必要な場合はすべての責任を負って対処するよう伝えました。
このあと、東洋ゴム工業の岡崎俊明執行役員は報道各社に対し、「規格から外れた免震装置を設置したことは、大変重大な問題であると認識しているが、建物の耐震性能にどう影響するのかは今の段階では分からないので、設計会社を通じてできるだけ早く確認したい」と述べました。
 また、問題の免震装置が使われている愛媛県内のもう1棟の建物については、「現時点では答えられない」として、明らかにしませんでした。
専門家「直ちに安全性は損なわれず」
複数の建築の専門家は、免震の建物は耐震性に余裕を持って作られていることが多く、免震装置に問題があっても、直ちに建物の安全性が損なわれることは考えにくいと指摘しています。
 免震装置は建物の基礎部分などに設置され、地震で装置が損傷するなど、問題が生じた場合でも装置を交換すれば、建物を建て替えるような大がかりな工事は必要ないということです。
 ただ、免震装置が本来の性能を発揮しない場合、地震の際、建物の設計上の想定より揺れが強くなる可能性もあり、装置の状況や建物への影響を詳細に調査する必要があるということです。

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