2015-04-14(Tue)

JR山手線 電化柱倒壊:「重大インシデント」と認定…国交相

「倒壊例なし」「後で確かめれば」 先延ばし甘い判断

JR山手線の支柱倒壊で、太田昭宏国土交通相が、事故につながりかねない「重大インシデント」と認定したと発表した。
運輸安全委は同日、鉄道事故調査官2人をJR東日本東京支社に派遣し、調査を開始した。
 
国交省は当初、負傷者がいなかったことなどから重大インシデントと判断せず、運輸安全委への通報もしなかった。
しかし、「詳細な調査の結果、列車の安全運行に支障を及ぼす状況だった」と報告がJR東からあったため、
運輸安全委に通報したという。
 
「(電化柱の)異常を2日前に察知しながら対応が取られておらず、大きな問題があった」(太田国交相

通常は負傷者がいないため重大インシデントには該当しない事案。
しかし、社会的影響の大きさや、異常を認知しながら必要な措置を講じる前に安全運行に支障を来す結果になった経緯を踏まえた判断だという。
 
JR東は、運輸安全委の調査開始について、
「重く受け止め、原因究明に向けて調査を進めるとともに、再発防止策の検討を進める」とコメントている。



以下引用

東京新聞 2015年4月14日 夕刊
柱倒壊を一転調査 運輸安全委「重大事態」 山手線事故
 国の運輸安全委員会は十四日、JR山手線神田-秋葉原間で起きた架線の支柱倒壊について、事故につながりかねないトラブルの「重大インシデント(事態)」と認定し、鉄道事故調査官二人をJR東日本東京支社(東京都北区)に派遣して調査を始めた。太田昭宏国土交通相が、同日の閣議後会見で明らかにした。
 調査は監督官庁である国土交通省鉄道局からの通報が前提で、事故発生当初、同局は「電車の運行が長時間止まった輸送障害で、重大インシデントには該当しない」との見解を示していた。しかし、JR東日本からの詳細な報告を受けて十三日深夜、重大インシデントと判断して通報。運輸安全委が、十四日早朝に調査開始を決めたという。
 会見で太田氏は「通例は重大インシデントに位置付けないが、JR東日本が異常を事前に認知しながら、直ちに安全対策をできなかったことが最大の問題だと思っている。厳しく指導していく」と述べた。
 運輸安全委事務局は重大インシデントとして、列車の信号無視や安全に支障がある車両、設備故障など九類型と、これらに準じる事態の計十類型を例示している。今回の支柱倒壊事故は、倒れた支柱が脱線を招く可能性もあったことや、JR東日本の対応が不十分だった点などを考慮して「準じる事態」とした。
 JR東日本広報部は十四日、本紙の取材に「結果として支柱が倒壊に至ったことを考えると、(傾きを見つけてからの)判断が甘かったという反省点はある。調査開始を非常に重く受け止めている」と答えた。


毎日新聞 2015年04月14日 11時40分(最終更新 04月14日 12時58分)
山手線柱倒壊:「重大事態」と認定国交相

JR山手線秋葉原−神田間で倒れた架線の支柱=東京都千代田区で2015年4月12日午前8時58分、本社ヘリから小川昌宏撮影
 東京都千代田区のJR山手線神田−秋葉原間の線路内で12日、電化柱が倒れて長時間運転を見合わせた問題について、太田昭宏国土交通相は14日の閣議後の記者会見で、事故につながりかねない「重大インシデント」と認定したと発表した。運輸安全委は同日、鉄道事故調査官2人をJR東日本東京支社に派遣し、調査を開始した。
 国交省は当初、負傷者がいなかったことなどから重大インシデントと判断せず、運輸安全委への通報もしなかった。しかし、13日夜になってJR東から国交省に「詳細な調査の結果、列車の安全運行に支障を及ぼす状況だった」と報告があったことから、運輸安全委に通報したという。
 会見で太田国交相は「(電化柱の)異常を2日前に察知しながら対応が取られておらず、大きな問題があった」とJR東を厳しく批判。負傷者はおらず通常は重大インシデントに該当しない事案だが、社会的影響の大きさや、異常を認知しながら必要な措置を講じる前に安全運行に支障を来す結果になった経緯を踏まえ、重大インシデントとして調査する判断をしたという。
 運輸安全委が調査を始めたことについて、JR東は「重く受け止め、原因究明に向けて調査を進めるとともに、再発防止策の検討を進める」とのコメントを発表した。【佐藤賢二郎】


2015/04/14 21:16 【共同通信】
山手線柱倒壊で安全委立ち入り 梁撤去の妥当性調査
 JR山手線の架線支柱倒壊で、運輸安全委員会の鉄道事故調査官は14日、JR東日本東京支社を立ち入り調査した。菅原孝男調査官は同日夕、東京支社前で報道陣の取材に応じ、倒れた一因とみられる支柱の梁撤去工事の妥当性について調べる考えを明らかにした。
 JR東によると、倒れた支柱は線路をまたぐ形で反対側の支柱と梁で固定されていたが、架線設備更新のため3月に梁が撤去されており、強度が低下していた可能性がある。
 菅原調査官は「梁撤去をどのような過程で行ったか聞いている。その状況で進められたことが正しいことだったのか分析したい」と述べた。


[時事通信社]2015 年 4 月 14 日 19:01 JST 更新
工事計画など聞き取り=JR東の支柱倒壊—運輸安全委
 東京都千代田区のJR線神田—秋葉原間で支柱が倒壊し、山手線の線路に接触した問題で、運輸安全委員会の菅原孝男鉄道事故調査官は14日、報道陣の取材に応じ、「どのように計画して工事をしたか、JR東日本の事務所に入って確認した」と明らかにした。
 この日は東京支社の担当者や本社で電気工事を計画する部門の担当者を調査。「運転士や輸送指令などかなりの人数がいて、聞き取りに時間がかかる」といい、調査報告書の完成に半年から1年程度必要との見方を示した。 


TBSニュース 2015/04/14
山手線の支柱倒壊、「重大インシデント」と国交省認定
 12日、JR秋葉原駅近くで線路脇の支柱が倒れ山手線などが運転を見合わせたトラブルで、国の運輸安全委員会が調査に乗り出しました。
 12日のトラブルについて、国土交通省は当初「けが人はおらず、直ちに調査する必要は無い」としていましたが、13日の夜にJR東日本から詳細な報告を受けた結果、事故につながりかねない「重大インシデント」と認定しました。
 国の運輸安全委員会は14日、調査官2人をJR東日本に派遣しました。
 「電柱がどうして倒れたのか、なぜ、倒れたものについて必要な措置をとらず、列車が線路を通ったかについても(調査したい)」(運輸安全委員会の調査官)
 JR東日本は「調査が入ったことを重く受け止めています」とコメントしています。(14日16:48)


朝日新聞 2015年4月14日11時52分
山手線の支柱倒壊「重大インシデント」 運輸安全委認定
 東京都千代田区のJR山手線で架線の支柱が倒壊した事故について、国の運輸安全委員会は14日、転覆や脱線につながりかねない「重大インシデント」と認定し、JR東日本東京支社に鉄道事故調査官2人を派遣した。12日の事故発生以降、国土交通省は「(危険性の低い)輸送障害で、事故ではない」と判断。運輸安全委もこれに従っていた。転覆や脱線、衝突以前の段階での派遣は異例だ。
 太田昭宏国交相は14日の会見で「JR東が事前に支柱の傾きを察知しながら、措置を取る前に倒れた。対応に大きな問題がある」と話した。


毎日新聞 2015年04月13日 21時21分(最終更新 04月13日 22時16分)
山手線トラブル:情報共有ミス重なる 現場と総合指令室

電化柱が倒れた経緯
 東京都千代田区のJR山手線神田−秋葉原駅間の線路内で12日、電化柱が倒れて長時間運転を見合わせた問題で、倒れた電化柱が傾いていることを最初に確認した工事担当部署の情報が、列車の運行を管理するJR東日本東京支社の東京総合指令室に伝わっていなかったことが13日、JR東への取材で分かった。情報共有の遅れがトラブルの原因となった可能性が出ている。
 JR東によると、工事の担当部署は10日夜、現場付近の工事の際に、電化柱2基が傾いていることを確認した。しかし「すぐには倒れない」と判断し、総合指令室を含む他の関係部署に情報を伝えず、13日に改修工事を行うことにしていた。
 また11日午後8時半ごろには、勤務を終えた山手線の乗務員から同様の情報が総合指令室の輸送の担当者に伝えられたが、付近を通過する電車の運転士らに現場の状況を確認させるなどの指示は出なかった。さらに、電力系統の担当者に情報が伝わったのは約5時間半後の翌日午前2時ごろで、電化柱が倒れたとみられる時刻の約4時間前だった。
 情報が共有され、電気系統などの担当者が早期に現場を確認していれば、補修などの対処が早くできた可能性がある。JR東日本東京支社は「情報がすぐに一元化される体制になっていなかった」としている。今回、電化柱が倒れているのが見つかったのは12日午前6時10分。その1〜2分前には山手線内回りの電車が通過していた。
 また、今回のトラブルで倒壊せず傾いた方の電化柱に付いていた架線は、神田方面に向かって5トン近い力で引っ張られていた。倒れた電化柱は傾いた電化柱を支える役割があり、2基は支線でつながっていた。
 3月25日に、倒れた電化柱と線路をまたいで反対側の柱を結ぶはり状の構造物が撤去された。JR東日本はこの工事により、強度が落ちたことが影響した可能性があるとみて原因を調べている。はり状の構造物の撤去による電化柱の倒壊は過去に例がないという。
 同社は5月の連休前に同様の電化柱を緊急点検し、同月末までに管内の電化柱約25万本の状態も確認する。【一條優太】
 ◇電化柱が倒れるまでの主な経過
3月25日       倒れた電化柱につながっていたはり状の構造物を撤去
4月10日夜      JR東の社員らが電化柱2基が傾いているのを確認。13日の改修工事を計画
11日午後8時半ごろ  山手線の乗務員が勤務後、「電化柱が傾いている」と報告
12日午前2時ごろ   「傾いている」との情報が電力関連を統括する「電力指令」に伝えられる
  午前4時50分ごろ 山手線始発電車に乗ったJR東社員が状況を目視で確認
  午前6時8分ごろ 山手線内回りの電車が通過
  午前6時10分   並行する京浜東北線の運転士が、電化柱が倒れているのを発見。異常を知らせ、山手線と京浜東北線が運転を見合わせ
  午前10時22分   復旧作業に着手
  午後3時半    復旧作業が終了し、京浜東北線の運転再開
  午後3時48分   山手線が運転再開

東京新聞 2015年4月14日 朝刊
「倒壊例なし」「後で確かめれば」 先延ばし甘い判断

復旧工事が終わったJR山手線神田-秋葉原間の線路=13日午前6時12分、東京都千代田区で

 一歩間違えれば、惨事につながりかねなかったJR山手線の支柱倒壊事故。現場では、異変を察知していた。だが、情報は、JR東日本の工事、輸送、保守の各部門の間で十分共有されず、「緊急性がない」とすぐに対応しない判断ミスも重なった。事態の深刻さに気付いたのは、実際に支柱が倒れた後だった。 (皆川剛)
 「地震などの災害以外で柱が倒壊した例がなかった」。十二日夜、東京都渋谷区の本社で記者会見した福田泰司常務は、すぐに支柱の補修に動かなかった理由を説明した。
 ただ、異常を伝える情報は現場から発せられていた。最初は十日夜。工事を担当する同社と関連会社の従業員が柱が傾いているのを見つけた。上司と相談したが、「すぐには倒れない」と判断。十三日夜に改修すると決め、輸送部門や電気設備の保守部門には伝えなかった。支柱の傾きを測定するマニュアルや報告の社内基準はなく、あくまで現場での判断だった。
 判断ミスは続く。事故前日の十一日。この時は、運行中の山手線の運転士が異変に気付いた。業務を終えた同日午後八時半ごろに、「神田-秋葉原間で、どうも柱が曲がっているようだ」と上司に報告した。
 だが、この上司から相談を受けた指令室の輸送担当者は「後ほど確かめればよい」と判断。JRによると、「走行中に『あれっ』と気付いた程度」で、場所が明確でなく、他の運転士からは同様の報告がなかったためという。
 この輸送担当者が、同じ指令室にいた保守部門の当直に、運転士の報告内容を伝えたのは、終電後の十二日午前二時すぎだった。
 保守部門の当直は、電車から目視で現場を確認するため十二日の始発電車に、保守担当者を乗せた。
 この時点で担当者は、輸送部門からのあいまいな情報しか把握していなかった。JRの説明では、電車が通過するわずかの時間に支柱を見て、「安全性に問題はない」と判断した。だが、始発電車が現場を通過して約一時間二十分後、支柱は倒れた。

東京新聞 2015年4月14日 朝刊
始発で目視「安全」と判断 JR東 2日間 情報伝わらず


 JR山手線で線路脇の架線の支柱が十二日に倒れた事故で、事故前日と二日前にJR東日本の工事担当者や運転士が支柱の傾きを察知しながら、設備の維持管理をする保守部門には事故の約四時間前まで情報が伝わっていなかったことが分かった。事故直前に始発電車に同乗した保守担当者は支柱を目視したが、安全と判断し、報告していた。 
 JR東によると、支柱の傾きが最初に確認されたのは十日夜。工事中の作業員が気付いたが、報告を受けた所属部署の工事部門では緊急性がないと判断。十三日夜まで補修の先送りを決め運行などを担う輸送部門には情報を伝えなかった。
 十一日夜には、支柱の傾きに気付いた山手線の運転士が、上司を通じて東京総合指令室に情報を伝えた。同指令室は輸送、保守などの部門で構成されるが、情報の共有は輸送部門内だけにとどまった。他に支柱に関する情報がないことから終電まで運行は続いた。
 指令室の保守部門に情報が伝わったのは十二日午前二時ごろ。現場確認のため保守担当員が同五時前の始発電車に同乗し、電車が通過するわずかの間に「安全性に問題ない」と判断し、報告した。支柱は同六時すぎに倒れた。
 東京支社の梅原康義支社長は十三日の記者会見で「工事や組織内の連絡体制など幾つかの問題があったと思う」と述べた。
 JR東の判断や対応について鉄道技術ライターの川辺謙一さんは「山手線は過密路線で工事ができる時間帯は極めて短い。ある程度計画的に行わざるを得ないが、傾きを把握した時点で応急措置はできなかったのだろうか」と疑問を投げかけた。


信濃毎日新聞 2015年04月14日(火)
長野の信越線で緊急点検 JR東 架線支柱倒壊

支柱を引っ張るワイヤにたわみがないか点検する作業員=14日午前10時7分、長野市安茂里
 JR山手線の架線支柱の倒壊を受け、JR東日本長野支社(長野市)は14日、同支社管内で13日に始めた支柱の緊急点検の様子を公開した。同支社は4月下旬までに完了させる予定としている。
 14日は長野市の長野駅から川中島駅までの信越線5・0キロ間などで実施。公開した同市安茂里の信越線では、作業員2人が支柱に傾きがないかを目視や水準器などの器具を使って確認し、地面から支柱を引っ張るワイヤにたわみがないかなども調べていた。
 JR東日本はトラブルの現場と同様の構造の約5万カ所の点検を優先するとしており、同支社管内では、在来線の約3千カ所、北陸新幹線(長野経由)は上越妙高駅(新潟県上越市)付近までを含めた約700カ所について約50人の態勢で点検を進めるという。

(共同通信)2015/04/14 10:26
【JR山手線支柱倒壊】 補修先送り、あわや大惨事 「前例ない」と甘い判断
 JR山手線の支柱倒壊は、一歩間違えれば多数の客を乗せた電車の脱線など大惨事につながりかねないトラブルだった。事前に異変を察知しながら「今まで問題はない」とすぐに補修しなかったJR東日本の対応に、識者からは「リスク評価の見直しが必要だ」との厳しい声が上がっている。
 「過去に地震以外で支柱が倒れたケースはなかった」。JR東の 福田泰司 (ふくだ・やすし) 常務は12日夜、東京都渋谷区の本社で記者会見し、苦渋の表情で釈明した。3月下旬に支柱の 梁 (はり) を取り去った工事で強度が落ちた可能性もあるが、同様の工事で過去に倒れた例はなかったとして、危険の予測が難しかったと強調した。
 ただ、異変は何度も察知されていた。JR東によると、支柱の傾きが最初に確認されたのは10日夜。工事中の作業員が気付いて報告したが、社員らは目視しただけで「すぐに倒れることはない」と判断。週明けの13日夜まで補修を先延ばしすると決めた。ただ、支柱がどれだけ傾けば補修するかの基準はなく、あくまで現場での判断だった。
 11日夜には現場を走行した電車の運転士から、上司を通じてJR東・東京支社の東京総合指令室に「傾いている」と報告があった。傾きが増していた可能性もあるが、そもそも10日夜の作業員からの情報は指令室には伝わっていなかった。
 また同じ指令室に詰め、架線を扱う電力担当に情報が伝わったのは12日午前2時ごろと遅れた結果、午前4時50分ごろの始発電車に社員を乗せての目視確認ができただけだった。
 さまざまな情報は十分に生かされずに共有も遅れ、見通しが甘いまま放置された。その結果、支柱は12日午前6時10分ごろに倒壊した。
 山手線は東京、品川、新宿といったターミナル駅をつなぐ都心の大動脈で、1日の利用者数は100万人超。平日の通勤ラッシュ時には2~3分に1本の電車が走る。
 関西大の 安部誠治 (あべ・せいじ) 教授(公益事業論)は、支柱が電車と衝突すれば大事故につながりかねず、現場での判断が甘かった可能性があると指摘。「今回のような支柱倒壊は地震の被害を除けば異例とされるが、大事故は過去に例のない原因で起きることが多い。異常を認めたら速やかに手を打つべきだ」と話している。

日本経済新聞 2015/4/14 2:05
支柱異変の情報共有せず 山手線事故、工事・運行部門で
 山手線の線路脇で架線の支柱が倒れた事故で、最初に支柱の傾きを見つけたJR東日本の工事の担当部署と、列車の運行や工事情報などを集約する指令部門との間で情報が共有されていなかったことが13日、分かった。速やかに共有されていれば、早く対応できていた可能性がある。JR東幹部は「組織として問題があった」として、今後、情報共有のあり方の検討を進める。
 JR東日本によると、最初に支柱の異常を見つけたのは、架線設備の更新などを所管する工事の担当部署。4月10日夜に現場で工事をしていた際に支柱の傾きを見つけ、部署内で対応を協議したが、「すぐに倒れるものではない」として改修工事を13日に設定し、指令部門には連絡していなかった。
 一方で、指令部門が傾きを把握したのは11日。同日午後8時すぎ、山手線の運転士が「支柱が傾いていたようだ」と東京支社の同部門に連絡した。具体的な場所や傾きの程度などがはっきりしなかったことから、同部門の保守担当者に情報が伝わったのは終電後の翌12日午前2時ごろとなった。
 指令部門ではその後、12日の山手線内回りと外回りの始発電車に保守担当者が同乗し、支柱の傾きの有無などを目視で確認したが、運転に支障は無いと判断したという。この時点で保守担当者には、13日の改修工事の情報が伝わっておらず、結果として事案の危険性を十分に検討することができなかった可能性がある。
 JR東では通常、線路や架線などの工事について、担当部署が工事前日までに、指令部門に工法や期間などを連絡する手続きになっている。今回の支柱の改修工事は12日中に連絡すれば良いことになっていた。
 13日に記者会見したJR東の梅原康義東京支社長は「初動を早くするという観点から、組織の中の連絡体制にいくつか問題があると思っている。万全なものにして二度と引き起こさないようにしたい」と話した。

日本経済新聞 2015/4/14 2:06
支柱同士つなぐ「はり」撤去、強度弱まり倒壊か 山手線事故
 山手線の架線の支柱が倒れた事故は、線路をまたぐ形で反対側の支柱とつないでいた「はり」を撤去したことで支柱の強度が弱まり、倒れる一因となった可能性があることが13日、JR東日本への取材で分かった。
 JR東によると、はりは鉄製で架線をつるすために設置され、下に引っ張る力に対し強度を持っている。同社は3月25日に支柱を撤去するための工事を開始。はりには既に架線がつるされていなかったことから、支柱を残して、はりを先行して撤去した。
 この支柱は、隣接している別の支柱とワイヤで結ばれていた。別の支柱には架線がかかっており、たるまないように5トンの力で引っ張っていた。
 JR東は、はりの撤去で支柱の強度が弱まったため、ワイヤの引っ張る力に抗しきれず、倒れた可能性があるとみている。担当者は「強度を計算して、手順を踏んでやっているが、撤去も少なからず影響があった」とみている。


朝日新聞 2015年4月13日21時08分
山手線支柱倒壊「連絡態勢に問題」 JR東京支社長
東郷隆
 東京都千代田区のJR山手線で起きた架線の支柱の倒壊事故で、JR東日本の梅原康義東京支社長は13日、「連絡態勢に問題があった。情報が一部にとどまらないよう検討したい」と定例会見で述べた。支柱の傾きを事前に把握しながら、情報を社内で共有できなかった点を問題視した。
 事故は12日早朝、山手線の神田―秋葉原駅間で発生。JR東によると、10日に架線の設備工事をした工事部門の社員が支柱の傾きを確認し、上司に報告していた。上司は「倒れない」と判断し、修復工事を13日にすると決定。緊急の場合などに通報する東京総合指令室には伝えなかった。
 指令室は首都圏の路線を走る列車の運行を管理する。通報する危険度の基準はなく、社員本人の認識に委ねられている。同社は今後、小さな異常でも指令室に情報を上げ、共有する仕組みを検討する。(東郷隆)


NHK 4月13日 18時42分
支柱傾きの情報が JR東日本内で共有されず

12日に東京のJR山手線で線路脇の架線の支柱が倒れ、レールに接触した問題で、トラブルの2日前に支柱が傾いているという情報が、工事担当の部署では共有されたものの、列車の運行に関わる情報を集約する指令の部門には伝わっていなかったことが分かり、JR東日本では、異常の情報を集約する仕組みの見直しを含め検討することにしています。
12日、東京・千代田区のJR山手線で、神田・秋葉原間の線路脇にある、金属製の架線の支柱が倒れて先端がレールに接触するなどし、山手線と京浜東北線は、運転を見合わせてダイヤが大幅に乱れました。
倒れた支柱は、トラブルの2日前の今月10日の夜に現場付近の工事を担当していたJRの社員らが傾いていることに気付き、所属する工事担当の部署に報告して、3日後に改修することを決めていました。
JR東日本のその後の調べで、工事担当の部署で支柱が傾いているという情報が緊急の情報として扱われず、列車の運行に関わる情報を集約して緊急時の対応をする指令の部門には伝わっていなかったことが分かりました。
JR東日本では、情報が広く共有されていれば支柱の改修などの対応を早めることができた可能性があるとして、異常の情報を集約する仕組みの見直しを含め検討することにしています。
専門家 危険除去の態勢とるべき
鉄道事故に詳しい金沢工業大学の永瀬和彦客員教授は「山手線の終電車は午前1時すぎで、始発は4時台には出るので、作業の時間や段取りを考えると簡単には工事ができない。危険か所を判断できる人材を育てると同時に、作業の時間を含め、危険を除去する態勢をきちんととるべきだ」と指摘しています。
そのうえで、「私鉄や地下鉄でも夜の極めて短い時間にそうとう無理をして工事をしているのが実情で、この問題は抜本的に考えないと同じような事故が再び起きる可能性がある」と指摘しています。

読売新聞 2015年04月13日 21時13分
山手線の支柱傾き、運行管理する指令室に伝えず
 JR山手線で架線の支柱が倒れ、ダイヤが大幅に乱れた問題で、トラブルが発生する2日前にJR東日本の工事担当者らが支柱の傾きを確認したものの、電車の運行を管理する東京総合指令室に伝えず、情報が共有されていなかったことが13日わかった。同社は「組織として機能していなかった。情報共有のあり方を検討したい」としている。
 同社によると、トラブル発生2日前の10日深夜に工事担当者らが支柱の傾きに気付いたが、週末を挟んでいたため、3日後に工事をすることにした。運行に支障が出るような異常があった場合、通常は指令室に報告しているが、今回は工事担当者らが「柱が倒れるほどではない」と判断し、報告を怠ったという。
 同社の梅原康義・東京支社長は「組織内の連絡体制については反省する必要がある。トラブルへの初動を早めるうえで問題があった」と話している。

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