2015-05-06(Wed)

パイロット不足 安全第一を徹底せよ

パイロット養成に奨学金制度新設へ…来年度にも

パイロット足りない LCC急増、私大の養成頼みに 「最短コース」課題は質
定年引き上げ/自衛隊からの転職支援 操縦士確保へ国交省


-----格安航空会社LCC)の定着・拡大で航空機の乗客が増えるにつれて、国際的な操縦士不足が大きな問題になっている。
 日本でも、40歳代に偏る操縦士が15~20年後に一斉に定年退職する「2030年問題」への懸念に加え、昨年には操縦士不足からLCCで欠航が相次ぐ事態となった。危機感を強めた国土交通省は、昨年夏の審議会提言を受けて、対策を検討中だ。(朝日新聞社説)

-----航空需要の拡大によるパイロット不足に備えるため、国土交通省と航空業界は、2016年度にも私立大学のパイロット養成コースなどの学生向けに奨学金制度を新設する方針を固めた。
無利子で1000万円まで貸し出す。(読売新聞)

-----航空会社のパイロットが足りない。格安航空会社LCC)の急増などで、15年後には日本で2千人以上が不足しそうだ。国は私立大学での養成強化や定年延長でてこ入れするが、桜美林大学の養成コースでずさんな管理が発覚。質の確保も急務となっている。(朝日新聞)

-----国交省は当面の対策として、今月下旬からパイロットの定年を現在の64歳から67歳に引き上げる。LCCには自社養成がなく、65~67歳のパイロットに今後5年間で60人程度の求人が見こまれている。加齢で健康リスクが高まるため、65歳で脳波検査や心臓のCT検査を義務づけ、異常があれば乗務を認めない。また、自衛隊パイロットの民間への転職を国があっせんする制度も昨年再開。防衛省によると、2人が転職した。(朝日新聞)




以下引用

読売新聞 2015年05月02日 20時50分
パイロット養成に奨学金制度新設へ…来年度にも
 航空需要の拡大によるパイロット不足に備えるため、国土交通省と航空業界は、2016年度にも私立大学のパイロット養成コースなどの学生向けに奨学金制度を新設する方針を固めた。
 無利子で1000万円まで貸し出す。
 パイロットの養成はこれまで、航空大学校や航空会社が主に担ってきた。東海大や法政大など私大の養成コースもあるが、授業料や訓練費などで4年間で1000万~2000万円程度の学費が必要なため、定員割れの学校も多い。
 そこで、航空各社や航空機メーカーが出資する約50億円規模の基金を設立し、年50人以上を対象に奨学金を貸与して学費負担を軽減する。
 現在の国内のパイロット数は約6000人。国交省は、格安航空会社LCC)の路線拡大などで、22年には最大約7300人のパイロットが必要になると予測している。一方で、30年ごろには多くのパイロットが定年を迎える。
 自衛隊出身者や外国人を除くと、国内航空業界では毎年150~200人程度がパイロットとして新規採用されてきたが、22年ごろには年約200~300人、30年ごろには年400人規模に新規採用を増やさなければ不足分を補えず、「パイロットの2030年問題」と呼ばれている。


朝日新聞2015年4月8日05時00分
(社説)パイロット不足 安全第一を徹底せよ
 格安航空会社LCC)の定着・拡大で航空機の乗客が増えるにつれて、国際的な操縦士不足が大きな問題になっている。
 日本でも、40歳代に偏る操縦士が15~20年後に一斉に定年退職する「2030年問題」への懸念に加え、昨年には操縦士不足からLCCで欠航が相次ぐ事態となった。危機感を強めた国土交通省は、昨年夏の審議会提言を受けて、対策を検討中だ。
 短期策としては、外国人の積極活用、操縦士の年齢上限の引き上げ、使用可能な医薬品の拡大、通常は機長昇格まで7~8年という副操縦士の期間の短縮などを掲げた。今月下旬に年齢の上限を「65歳未満」から「68歳未満」とするなど、順に実施に踏み切っている。
 LCCを含む空のネットワークを充実させることは、国内の旅行客や訪日客を伸ばし、経済活性化につなげるためにも欠かせない。
 しかし、乗客の安全・安心を揺るがしてはならないことは論をまたない。その最大の責任者であり、緊急時に最後の頼みの綱ともなるのが操縦士である。
 ドイツのLCCの墜落事故は、そんな当たり前のことを改めて考える機会となった。
 原因を軽々に特定することは控えるべきだが、副操縦士が病を抱えていたこと、操縦室で1人になった際に意図的に機体を降下させたことは、どうやら事実のようだ。なぜ副操縦士の乗務を事前に止められなかったのか。全世界の航空会社が突きつけられた問いである。
 わが国の審議会の報告書には、航空会社の健康管理部門への指導の強化や、乗務員の疲労リスク管理システムの導入検討が盛り込まれた。ただ、これらは「健康管理を強化しつつ、もっと働いてもらう」という狙いがある。ドイツ機の事故を受け、まずは健康管理に的を絞るべきではないか。
 操縦士不足の中・長期的な対策の柱が、私立大学など民間養成機関の拡充だ。国の指定を受け、技能審査まで行うことで国の試験を省略できる。産官学の協議会は奨学金の創設など学生の負担軽減策を急いでいる。
 ところが、そんな大学の一つである桜美林大(東京)で手続きの不備が見つかり、同大学が指定を返上する事態となった。資格を取った学生の技量を国が確かめたところ問題はなかったというが、見過ごすわけにはいかない。
 不足の穴埋めより、操縦士の質の維持・向上である。事故が起きてからでは遅いことを、国交省は肝に銘じてほしい。

パイロット足りない LCC急増、私大の養成頼みに 「最短コース」課題は質
 航空会社のパイロットが足りない。格安航空会社(LCC)の急増などで、15年後には日本で2千人以上が不足しそうだ。国は私立大学での養成強化や定年延長でてこ入れするが、桜美林大学の養成コースでずさんな管理が発覚。質の確保も急務となっている。
■定年引き上げ/自衛隊からの転職支援 操縦士確保へ国交省

朝日新聞 2015年4月3日05時00分
パイロット足りない LCC急増、私大の養成頼みに 「最短コース」課題は質
教官(右)の指導を受けながら、フライトシミュレーターを操縦する東海大の学生たち=神奈川県平塚市、小玉重隆撮影

 航空会社のパイロットが足りない。格安航空会社(LCC)の急増などで、15年後には日本で2千人以上が不足しそうだ。国は私立大学での養成強化や定年延長でてこ入れするが、桜美林大学の養成コースでずさんな管理が発覚。質の確保も急務となっている。
 神奈川県平塚市の東海大学湘南キャンパス。3月上旬、小型プロペラ機のフライトシミュレーター(模擬飛行装置)で、学生7人が訓練に臨んでいた。7人は約1年半の米国留学で日本のパイロットのライセンスを取得。この日は、函館空港を想定した訓練だ。
 「函館タワー、東海001(ゼロゼロワン)、レディー」。機長席の田子(たご)真也さん(23)が管制塔に離陸許可を求める。許可を得て田子さんが操縦桿(かん)を引くと、画面上の滑走路が雲の下へ消えていった。
 東海大は2006年、工学部に国内の私大で初めて、パイロット養成コースの「航空操縦学専攻」を開設した。卒業生218人のうち、8割の174人が全日空などに採用された。
 最大の利点は、航空会社のパイロットになるのに必要な国のライセンスを、2、3学年次の留学で取得できる点だ。国土交通省が教育内容や指導態勢を審査して「航空従事者養成施設」に指定し、国交省の試験官に代わって大学の教官が技能審査する。利根川豊教授は「ここはパイロットへの最短コース。航空会社に入って一から訓練するより4、5年早く飛べる」と話す。パイロットの平均年収は最高水準の全日空が約1900万円、日本航空が1538万円。乗務の早さと生涯収入は直結する。
 国交省の審議会は昨年7月、私大の養成コースを「拡充の余地が大きく、将来的にパイロット供給のより多くの部分を担う」と養成の柱に位置づけた。養成コースは同じく航空従事者養成施設に指定された法政大(東京都)と桜美林大(同)に加え、千葉科学大(千葉県)、崇城(そうじょう)大(熊本県)、第一工業大(鹿児島県)などにもある。多くは燃料費や機体の維持費が安い米国などで訓練。年間80人程度が航空会社に進む。
 だが桜美林大で、ニュージーランドの養成施設に委託していた実機訓練の管理のずさんさが判明。国交省から指摘され、大学は先月、養成施設の指定を返上した。今後拠点を米国に移し、再発防止を図って再指定をめざす。国交省によると東海大、法政大には問題はなかった。ただ、この3大学を「養成の核と期待していた」(国交省幹部)だけに、今後、私立大の教育のあり方を見直す必要も出てきた。
 高額の学費も課題だ。東海大では留学費用も含め卒業までに約1500万円が必要で、他大学でも1600万~2600万円かかる。国交省と航空各社は16年度から、私立大などの養成コースの学生に、4年間で最大1千万円を無利子で貸す奨学金の創設を決定。学年ごとに年間50人以上に貸与する。日本航空も4年間で500万円を給付する独自の奨学金を設ける。
 ■定年引き上げ/自衛隊からの転職支援 操縦士確保へ国交省
 私大コース以外に、日本でパイロットになるには、国が費用の7~8割を負担する独立行政法人の航空大学校でライセンスを得てから航空会社に進むか、大手の全日空や日航などへ入社後に訓練を受けてライセンスを取る「自社養成」の道が主流だ。現在のパイロット約5700人の74%がどちらかを経ている。入試の倍率は航空大が6~7倍、全日空は採用が300~400倍と狭き門だ。
 LCCの急増などにより、国際民間航空機関(ICAO)の推計では、2030年に世界で現在の2倍以上の98万人に、日本でも1.4倍の8千人にパイロットを増やす必要がある。LCCのピーチ・アビエーションとバニラ・エアでは昨年、パイロット不足で計約2200便が欠航した。
 国交省は当面の対策として、今月下旬からパイロットの定年を現在の64歳から67歳に引き上げる。LCCには自社養成がなく、65~67歳のパイロットに今後5年間で60人程度の求人が見こまれている。加齢で健康リスクが高まるため、65歳で脳波検査や心臓のCT検査を義務づけ、異常があれば乗務を認めない。また、自衛隊パイロットの民間への転職を国があっせんする制度も昨年再開。防衛省によると、2人が転職した。
 独ジャーマンウィングス機の墜落事故では、副操縦士(27)が故意に墜落させた疑いが強まった。副操縦士はライセンス取得前に自殺願望で治療を受けるなど、適性に疑問が出ている。元日航機長で航空評論家の小林宏之さん(68)は「航空会社のパイロットは大勢の命を預かる仕事。その養成では、適性の見極めも求められる。日本では今後、私立大に頼らざるを得ないが、拙速に数を増やすのではなく、質の高い人材を育てるしくみが必要だ」と指摘する。
 (工藤隆治)


朝日新聞 2015年4月2日03時16分
桜美林大、パイロット養成指定を返上 管理ずさんと指摘
工藤隆治
私立大学での国のパイロットライセンス取得の流れ
 桜美林大学(本部・東京都)の航空パイロット養成コースが、訓練の管理のずさんさを国土交通省から指摘され、国の養成施設としての指定を3月末に返上していたことがわかった。大学による国のライセンスの技能審査に疑念が生じたため、国交省は、パイロットのライセンスを取得した学生の技量テストをやり直す異例の措置をとった。
 日本航空元機長で、養成コース長の宮崎邦夫教授は取材に、「就職対策に力を入れすぎ、組織運営や安全管理がおろそかだった。反省している」と話した。
 格安航空会社(LCC)の急増でパイロットは世界的に不足し、日本でも昨年、LCCで大量欠航が相次いだ。15年後には国内だけで2千人以上足りなくなるとの試算がある。国交省の審議会は昨年7月、私立大を日本のパイロット養成の柱の一つに位置づけた。安全運航と事故防止に向け、養成機関の質の確保が緊急の課題となりそうだ。
 問題とされたのは、桜美林大ビジネスマネジメント学群の「フライト・オペレーションコース」。国交省によると、大学は学生の実機訓練をニュージーランドの民間パイロット養成施設に委託し、教育規程を国交省に届け出た。だが昨年10月の立ち入り検査で、現地指導員を大学教官に任用する際、規程の手続きに従っていない実態が発覚した。
 大学によると、規程には指導員の「任用訓練をする」とあるが、大学は「学生を指導する様子を見ればよい」と解釈。国交省から「指導員本人の操縦で技量を確かめる必要がある」と指摘された。教官の年1回の定期審査も怠り、学生の訓練記録には教官の署名漏れや誤記、空欄が多数見つかった。
 桜美林大は2012年、航空法に基づく「航空従事者養成施設」に指定された。4学年次での国のライセンスの技能審査を、国交省の試験官に代わって大学の教官が実施できる。自動車免許の「指定自動車教習所」のようなしくみだ。
 指定には、実技・学科のカリキュラムや教官の態勢を定めた教育規程を国交省に届け出る必要がある。国交省は「大学が教育内容を管理できておらず、規程通り訓練が行われたか不明」とし、是正と再発防止を指導。桜美林大は3月24日付で指定を返上した。私立大では東海大、法政大も指定を受けているが、返上は初めて。3大学で年間計約50人がライセンスを取得し、独立行政法人の航空大学校(年間約50人)、航空会社の自社養成(同90人)と並ぶ、パイロットの供給源だ。
 今回、桜美林大の技能審査でライセンスを取った在学生10人には、国交省の試験官が再テストを実施。不適格とされた学生はおらず、同省は「技量に問題はなく、訓練自体はできていた」とみている。航空会社に就職した卒業生は、社内訓練で技量が担保できるとして、再テストはしない。
 これからライセンスを取る在学生は国交省の試験官が審査するが、国内での審査になれば訓練機の同型機が少ないため、ライセンス取得が遅れる恐れがある。
 08年のコース開設以降、卒業生52人がパイロット候補生として航空会社に就職。うち30人が大学の審査でライセンスを取得した。今後、訓練の拠点を米国に移し、指定の再取得をめざすという。(工藤隆治)


NHK 4月2日 15時04分
桜美林大 パイロット養成施設の指定返上

桜美林大学は、パイロット養成コースの訓練の管理に不備があるとして、国土交通省から指導されたのを受けて、国の養成施設としての指定を先月、自主的に返上しました。養成コースでの教育は引き続き行われ、大学では、改めて指定を受けるために必要な対応を講じたいとしています。
国土交通省などによりますと、桜美林大学は、3年前に国の「航空従事者養成施設」に指定され、パイロット養成コースの学生がライセンスを得るための技能審査を、国の代わりに大学が行っていました。
訓練や技能審査はニュージーランドの養成施設で行っていましたが、国土交通省は、去年、定期監査を行った結果、訓練の管理に不備があるとして、是正するよう指導したということです。
具体的には、現地の指導員を教官として任用する際、大学側が操縦の技量を確認していなかったほか、任用した教官に対する年に1回の定期審査が行われないなど大学が定めた規程が守られていなかったということです。
これを受けて、大学は先月24日、国の養成施設の指定を自主的に返上しました。
大学の技能審査でパイロットのライセンスを取った当時の学生10人については、国が改めて審査を行い、技量に問題はないと確認したということです。
パイロット養成コースでの教育は引き続き行われるということで、桜美林大学は、「関係者にご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。教官として任用する指導員は実績のあるパイロットで、これまでの方法で技量の確認などは十分と考えていた。改めて指定を受けるため、訓練の管理状況を改善するなど必要な対応を講じたい」と話しています。


読売新聞 2015年4月2日 12時44分
桜美林大、パイロット養成指定返上…管理に不備
 桜美林大学(本部・東京都)が、パイロット養成コースの訓練管理の不備を国土交通省から指摘され、ライセンス発行にあたって必要な国の技能審査を免除される「航空従事者養成施設」の指定を返上したことが、同省などへの取材で明らかになった。
 問題が指摘されたのは、4年間訓練を行い、国のライセンスを取得させる「フライト・オペレーションコース」で、2012年に養成施設としての指定を受けた。
 同大はニュージーランドにある民間の養成施設に実機訓練を委託していたが、同大が行うべき現地の指導教官の技能確認を怠っていたほか、学生の訓練飛行時間の管理があいまいだったなどの問題点が同省の監査で明らかになり、同省は是正を指導。同大は3月24日に指定を返上した。
 また国交省は、訓練を修了し、今春卒業した10人の技能審査をやり直した。審査の結果、技能不足と判定された学生はおらず、ライセンスの取り消しはなかった。しかし、今後、同大の教育態勢が是正され、再指定を受けるまでの間は、同省が学生の最終的な技能審査を行うという。この10人以外の卒業生については、航空会社などで技能が確認されているとして、再審査は行わない。

/////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : パイロット不足 安全第一 LCC 操縦士 格安航空会社 航空機 航空法 国交省

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン