2015-06-07(Sun)

那覇空港離着陸トラブル 軍民共用の危険浮き彫り

防衛相空自ヘリが原因」認める 全部隊に管制指示の厳守など指示

6月5日、中谷元防衛相が、閣議後の記者会見で、
「民間機に対する管制官からの離陸許可を誤認識して離陸したため発生した」
と、空自ヘリがトラブルの原因だったと認めた。

そのうえで、中谷氏は
「このような事案が発生したことは大変遺憾。航空機を保有する全部隊に管制指示の厳守など指示をした」
と述べた。

<報道記事>
しんぶん赤旗)那覇空港 横切った誤認空自ヘリ 軍民共用の危険浮き彫り(6/6)
<各紙社説・論説>
朝日新聞)離着陸トラブル 課題をすべて洗い出せ(6/6)
読売新聞)那覇離着陸ミス 管制官との交信解析がカギだ(6/5)
北海道新聞)離着陸トラブル 安全ルール徹底したか(6/6)
神戸新聞)離着陸トラブル/自衛隊との共用でよいか(6/5)
西日本新聞)離着陸トラブル 徹底的に原因を究明せよ(6/5)
佐賀新聞)那覇空港離着陸トラブル(6/6)
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<関連社説>
北海道新聞)新千歳発着枠増 安全に目を向けてこそ(6/4)




以下引用



しんぶん赤旗 2015年6月6日(土)
那覇空港 横切った誤認空自ヘリ 軍民共用の危険浮き彫り


 航空自衛隊のヘリコプターが沖縄県の那覇空港で3日に引き起こした無許可離陸、民間機が離陸中の滑走路上空の横切りという、一歩間違えれば衝突という大惨事につながりかねないトラブルでした。今回のトラブルから見えてくるのは過密化した民間との「軍民共用」空港での自衛隊機の運用拡大に潜む危険性です。
 トラブルは3日午後1時すぎ、那覇空港で離陸するために滑走していた全日空機新千歳行き1694便ボーイング737(乗客乗員83人)の前方を、航空自衛隊那覇ヘリコプター輸送隊所属のCH47Jが管制官の指示を受けずに上空を横切って飛行、全日空機が急停止して離陸を中止しました。
 直後に、着陸のために同滑走路に進入中だった新石垣空港発の日本トランスオーシャン航空(JTA)610便ボーイング737(同44人)に管制官が着陸やり直しを指示。しかしJTA機はそのまま着陸。停止中の全日空機との距離は400~500メートルで、あわや衝突という危険性がありました。
 国土交通省は運輸安全委員会調査官を派遣、原因究明にあたっています。
 国交省によると自衛隊ヘリは管制官からの離陸許可を受けていませんでした。空港敷地内の飛行は、どこからどういう方角をどう飛行するのかなどを事前に管制官に通知、許可を得る必要があります。
 特に滑走路をまたぐ形で飛行する場合には離陸して右か左などの細かい方向について協議。管制官は離着陸の混み具合などを判断して「待て」「反対方向に飛行せよ」などと指示します。
 ヘリのパイロットが離陸許可を受けたと勘違いして復唱した無線通信が管制官に届きませんでした。しかし全日空機の離陸前、管制官が空自ヘリに対して行った誘導路上での待機指示に、パイロットからは復唱があったといいます。
 今回、自衛隊と管制官がどんなやりとりをしたのかについては「運輸安全委員会の調査事項であり、われわれは言及できない」(国交省航空局管制課)としています。
 自衛隊機の事故をめぐっては、操縦士と副操縦士の階級差から十分な意思疎通が図られないなかで「安全確認がおろそかになり、事故につながるケースがある」との指摘があります。
 沖縄の米軍や自衛隊に詳しい県内メディア関係者は「過密化する那覇空港で、本来ならばいっそう安全飛行しなければならない自衛隊が、管制官とのやりとりを復唱するというルールをしっかりやらずに、緊張感を欠いた操縦をしたのではないかと疑われてもやむをえない」と指摘しました。
 那覇空港は民間航空機と自衛隊機との「軍民共用」空港です。観光客の増加による民間機の増便、格安航空(LCC)やアジアからの国際便の参入で過密化。一方、自衛隊は尖閣問題などを理由に日米統合実動演習(2014年11月)などでは全国の陸海空自衛隊基地から戦闘機や空中給油機、早期警戒管制機などを那覇空港に集中させています。
 さらに新防衛大綱(11年3月)で那覇基地にF15戦闘機を現在の1個飛行隊(20機)から2個飛行隊に増強する計画をすすめています。
 那覇空港では、「軍民共用」による事故が後を絶ちません。13年3月にF15戦闘機のタイヤがパンク。滑走路が約1時間閉鎖され、約2200人に影響が出ました。05年5月には滑走路上に自衛隊機がとどまったため、着陸しようと降下した全日空機が直前に上昇し、着陸をやり直しました。
 自衛隊による管制官の離陸許可の誤認など、トラブルの原因と責任糾明が求められています。 (山本眞直)
軍民機、特性が違う
 日本乗員組合連絡会議(日乗連)の現役パイロット(安全担当)の話 私自身は、これまで管制の指示が的確で、怖い目にあった経験はない。このような事故が頻繁に起きているわけじゃない。那覇空港は、軍民共用で飛行機の特性が違うものが混在している。ジェット旅客機が飛ぶこともあればヘリコプターも飛ぶし、戦闘機も飛ぶ。パフォーマンス(性能)が違う種類の航空機が混在することは、管制がやりにくいはず。
空自ヘリが原因」防衛相認める
 中谷元防衛相は5日、閣議後の記者会見で、那覇空港で航空自衛隊ヘリが離陸滑走中だった旅客機前を横切ったトラブルについて、「民間機に対する管制官からの離陸許可を誤認識して離陸したため発生した」と述べ、空自ヘリがトラブルの原因だったと説明しました。中谷氏は「このような事案が発生したことは大変遺憾。航空機を保有する全部隊に管制指示の厳守など指示をした」と述べました。
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朝日新聞 2015年6月6日05時00分
(社説)離着陸トラブル 課題をすべて洗い出せ


 あってはならないトラブルが起きた。
 那覇空港で、自衛隊のヘリコプターと全日本空輸(ANA)、日本トランスオーシャン航空(JTA)の民間航空機2機がからんだ一件である。
 管制官は、滑走路脇の誘導路にいた自衛隊機に待機を指示しつつ、ANA機に離陸を許可した。ANA機は滑走路で離陸走行を始めたが、自衛隊機が飛び立ってANA機前方の滑走路上空を横切ったため、離陸を中止。これを受けて管制官はJTA機に着陸やり直しを指示したが、JTA機はANA機の後方で着陸した。
 これが、おおよその経緯だ。
 ANA機への離陸許可を自衛隊機が自らへの許可だと誤ったのが発端だという。管制官とのやり取りは復唱で確認するルールの下で、なぜトラブルが生じ、連鎖したのか。
 一歩間違えれば大惨事になっていた。国の運輸安全委員会は交信記録などデータの分析を進め、関係者からの聞き取りと合わせて事実と原因を明らかにしてほしい。
 そのうえで、改めて思い起こすべきことがある。航空機の運航は、管制に使う機器や滑走路などの空港施設という「モノ」と、管制官や機長らのやりとりや判断という「人」の両方に支えられていることだ。
 機器や施設に不備があればそれだけで危険が生じる。時々の気象など状況は刻々と変わるため、最後は人が頼りだ。両者は不可分に結び付いており、一方の問題は他方に影響・拡大し、事故につながりかねない。課題を徹底的に洗い出し、必要な対策を講じていく必要がある。
 那覇のように発着便数が多い空港ほど、管制官には高度な熟練と集中力が求められ、勤務に伴うストレスは増す。神業にも映る管制業務がしばしば話題になるが、そうした状況が限界に達していないか。
 民間機だけでなく自衛隊機も発着する共用空港では、戦闘機やヘリコプターなど速度や性能が異なる機体をまじえた管制となり、難度が高まるという。那覇空港では、ヘリコプターが誘導路から滑走路上空を横切ることも珍しくないようだが、そうした運用や空港の構造に問題はないのか。
 管制がからんだ離着陸トラブルは、今年4月の徳島空港、昨年4月の那覇空港など、しばしば生じている。状況や原因はさまざまだが、根本的な検証と対応を求めたい。
 トラブルから事故を防ぐ教訓を引き出さねばならない。



読売新聞 2015年06月05日 01時17分
社説:那覇離着陸ミス 管制官との交信解析がカギだ


 大惨事につながりかねないミスが重なった。原因の徹底究明を急がねばならない。
 那覇空港で、離陸滑走していた全日空機の前方を、航空自衛隊の輸送ヘリコプターが離陸して横切り、全日空機が急停止した。
 この直後、日本トランスオーシャン航空(JTA)機が着陸し、全日空機の後方で停止した。約400メートルまで接近したという。
 全日空機に83人、JTA機に44人、空自ヘリには7人がそれぞれ搭乗していた。どちらのトラブルも、一歩間違えば衝突の危険があった。運輸安全委員会が重大インシデントと認定し、現地で調査を開始したのは当然である。
 空自は、ヘリの操縦士が、全日空機への離陸許可を自機への許可と勘違いしたと説明している。中谷防衛相は「調査に全面的に協力する」と述べた。
 那覇空港は、自衛隊と民間の共用空港で、管制は国土交通省が担当している。
 操縦士は管制官からの指示内容を復唱し、それを管制官が確認するのがルールだ。
 どんなやり取りがあったのか。調査に対し、管制官は、操縦士からの復唱は聞こえなかったと話している。運輸安全委は、双方からの聞き取りを進めるとともに、ボイスレコーダーに残された交信内容の解析を急いでもらいたい。
 一方、JTA機については、管制官が着陸のやり直しを指示していた。しかし、機長は着陸後に指示されたと説明している。管制のタイミングが適切だったのかどうかが、調査の焦点となろう。
 当時、空港周辺の視界は良好だった。JTA機の機長は、全日空機を視認していたが、離陸態勢に入っているので、問題はないと判断したという。着陸を続行したことの是非も調査のポイントだ。
 航空事故は、離陸時の3分間と着陸時の8分間に起きやすいとされる。管制官と操縦士の意思疎通が特に重要な時間帯である。
 滑走路が1本の那覇空港は、離着陸が頻繁な過密空港だ。民間旅客機と不定期に飛ぶ自衛隊機が混在して利用するため、パイロットの間では「他の空港に比べて、神経を使う」との声が多い。過去にもニアミスが起きている。
 政府は、空港の沖合を埋め立てて、第2滑走路を建設し、過密状態を緩和する計画だ。2020年の供用開始を目指している。それまでは今の状態が続く。安全確保に万全を期すため、管制のルールや手順などの再点検が必要だ。



北海道新聞 2015/06/06 08:50
社説:離着陸トラブル 安全ルール徹底したか


 沖縄県の那覇空港で、航空自衛隊のヘリコプターが管制官の許可なく滑走路を横切り、離陸しようとしていた新千歳行きの全日空機が中止を余儀なくされた。
 その直後、日本トランスオーシャン航空(JTA)機が同じ滑走路に着陸し、全日空機の後方で停止した。
 最悪の場合、二重衝突の大惨事を招きかねない深刻なトラブルである。運輸安全委員会は、事故につながる恐れのある重大インシデントとして調査を開始した。
 空自も調査に全面協力して、早急に原因を究明し、再発防止策を講じなければならない。
 発端は、空自ヘリの操縦士が全日空機への離陸許可を自機への許可と誤認したことだ。中谷元・防衛相も誤認が原因と認めた。
 しかし、こうした「勘違い」を防ぐために、パイロットは管制官からの指示を復唱し、互いに確認する決まりになっている。
 このルールが守られていれば、管制官は空自ヘリの誤認に気づいたはずだ。
 空自ヘリ側が復唱を怠ったとすれば、信じられないミスだが、複数の無線交信が重なり、管制官が復唱を聞きとれなかった可能性も指摘されている。
 一方、全日空機から離陸中止の連絡を受けた管制官は、着陸体勢に入っていたJTA機に対して着陸のやり直しを指示した。
 これに対し、JTA側は、滑走路に接地した後に指示を受けたと主張しているという。いずれのケースでも、交信や飛行の記録を徹底的に分析する必要がある。
 トラブルの背景に、民間機と自衛隊機が共用する那覇空港の過密状態があることも見逃せない。
 2013年度の発着回数は約15万回で、滑走路が1本の空港としては福岡空港に次ぐ。
 この状況で、自衛隊機のパンクなどによる滑走路閉鎖が起き、緊急発進で民間機が待たされることもある。那覇市議会は民間専用化を求める意見書を可決した。
 道内でも、札幌・丘珠空港で民間機と自衛隊機が1本の滑走路を使っている。
 こうした共用空港の関係者は、意思疎通と安全ルールをあらためて徹底させなければならないが、那覇空港の混雑ぶりは突出しているのではないか。
 第2滑走路が建設中とはいえ、供用開始予定は20年だ。沖縄県民や訪れる観光客の不安を拭うため、政府は、安全性と利便性を向上させる具体策を示すべきだ。



神戸新聞 2015/06/05
社説:離着陸トラブル/自衛隊との共用でよいか


 滑走路上に出た旅客機がエンジン音を高め、加速し始める。ゴーという音と小刻みな振動が伝わる。離陸直前の胸騒ぎを覚える一瞬だ。
 空港を飛び立とうとした全日空機はまさにその時、前方に航空自衛隊ヘリを発見し、離陸をやめる。前につんのめるような急ブレーキに、乗客はさぞや肝を冷やしただろう。
 那覇空港で起きた、空自機と旅客機のあわやのトラブル。
 これには続きがある。滑走路上に停止した全日空機の後方に、ほぼ同時刻に着陸した日本トランスオーシャン(JTA)機が迫った。
 二重の衝突事故になっていたかもしれず、惨状を思うとゾッとする。ミスが重なった可能性があり、運輸安全委員会の解明が必要だ。
 那覇空港は民間機と自衛隊機が共同利用し、国土交通省の管制官が担当する。最初のトラブルの原因は空自機側にあるとみられる。
 ヘリは当初、滑走路脇に止まっており、管制官は待機を指示した。ところが、全日空機への離陸許可をヘリへの許可だと誤認し、滑走路を横切るようにして飛び立った。
 ヘリの操縦士と副操縦士は何を聞いていたのか。指示に従わなかった管制指示違反の疑いもある。
 滑走路上に旅客機が止まっているのにJTA機が着陸したことも、常識では考えられない。
 管制官は滑走路上の全日空機を目視で確認し、JTA機に着陸やり直しを指示した。だが、JTA機は既に着陸し、停止寸前だった。
 管制官の指示の出し方に問題があったのか、機長の発見が遅れたためなのか、やはり究明が不可欠だ。
 管制官の指示の聞き間違えは、どの空港でも離着陸時のトラブルの要因になっている。管制官は指示を明瞭に出す。聞く方は操縦士と副操縦士が確認し合う。この基本をあらためて徹底したい。
 那覇空港特有の問題にも目を向けておきたい。滑走路は3千メートル1本だが、陸海空自衛隊と航空各社が利用する過密空港である。近年、自衛隊機のスクランブル(緊急発進)の回数が多くなり、民間機の離着陸調整も増えている。離着陸に神経を使うような空港でよいはずはない。
 滑走路を自衛隊機と民間機が共用すること自体に無理はないか。原因究明とともに、空港のあるべき姿を安全第一に考えなくてはならない。



=2015/06/05付 西日本新聞朝刊=
社説:離着陸トラブル 徹底的に原因を究明せよ


 空へ飛び立つため滑走路で加速し始めた全日空機の前方上空を、航空自衛隊のヘリコプターが管制官の指示を受けずに横切った。
 全日空機は離陸を中止して緊急停止する。直後に日本トランスオーシャン航空(JTA)機が同じ滑走路に着陸した。両機は400~500メートルまで接近していた。
 一歩間違えば、衝突の大惨事を招きかねない事態だ。このようなトラブルが、なぜ起きたのか。
 空自那覇基地(那覇市)によると、ヘリの操縦士は管制官から全日空機へ出された離陸許可を、ヘリへの許可と誤認したという。
 JTA機の着陸について、国土交通省は、全日空機が滑走路で止まったため、管制官がやり直しを指示した-としている。
 一方、JTAのパイロットは同社の聞き取りに対し「指示は着陸後に受信した」と話している。危機一髪で事故を免れたとはいえ、管制指示をめぐるミスが重なってトラブルが起きた可能性が高い。
 運輸安全委員会は、事故につながる恐れがある重大インシデントと判断して調査官を現地に派遣した。管制官とパイロット間の意思疎通が十分だったのかも含め、徹底的な原因究明を求めたい。
 今回のような離着陸に関する事故やトラブルは、他の空港でも相次いで発生している。
 最近では、4月5日に徳島空港で起きた重大トラブルが記憶に新しい。着陸しようとした日航機が、滑走路上の作業車を直前で発見して再上昇した。1人で勤務していた海上自衛隊の管制官が作業車への退避指示を忘れていたことが原因とみられている。
 那覇空港は民間機と自衛隊機が1本の滑走路を共用している。さまざまな種類の航空機が利用しており、発着回数も多い。管制官にとっては過酷な空港とも指摘されているという。滑走路1本の空港では発着回数が全国最多の福岡空港も同じような状況だ。
 言うまでもなく航空機事故は甚大な被害を招く。トラブルを含めて人為的なミスをカバーするバックアップ体制の充実も図りたい。



佐賀新聞 2015年06月06日 06時06分
論説:那覇空港離着陸トラブル


◆ミス防止へ基本の徹底を
 那覇空港で航空自衛隊のヘリコプターと民間航空機2機がからむ重大なトラブルが起きた。国土交通省などの調査で基本手順をおろそかにしたため、多くの乗客を危険にさらす事態を招いたことが明らかになってきた。
 トラブルが発生したのは3日午後1時25分ごろ。空自ヘリと全日空機は同じ時間帯に離陸許可を待っていたが、管制官は全日空機の離陸を優先し、ヘリに待機するように指示していた。
 しかし、ヘリが全日空機の先を横切るように離陸したため、全日空機は滑走路上で急停止する事態になった。直後には日本トランスオーシャン航空機が同じ滑走路に着陸。全日空機と約400~500メートルまで接近した。
 滑走路は3000メートルの長さだが、あわやという状況だ。ヘリの操縦士は管制官が全日空機に出した離陸許可を、ヘリに対するものだと誤認して飛び立ったことが分かっている。ヘリが離陸する際は通常、管制官の指示を機長と副操縦士の2人で聞くという。
 なぜ、ありえない誤認が起きたのか、ヘリからの復唱の有無を含めて当時のやりとりを詳しく調べる必要がある。中谷元・防衛相はヘリ側の誤認を原因として、航空機を持つ全部隊に管制指示の厳守と基本手順の徹底を図るように指示した。
 もう一方の日本トランスオーシャン機の判断も焦点だ。滑走路上に全日空機を見つけて着陸をやり直さず、滑走路に降りた。管制官の指示が間に合わなかった可能性も指摘されているが、一歩間違えば大惨事である。
 1本の滑走路上で複数の事態が重なったなか、衝突や接触が起きず、死傷者も出なかったのは奇跡的ともいえる。離陸の3分と着陸の8分は「危険な11分」と呼ばれ、航空機事故の約8割がこの時間帯に集中しているという。
 離着陸に関する事故やトラブルは、ほかの空港でも相次いでいる。2012年10月には鹿児島県の屋久島空港で、着陸した日本エアコミューターの旅客機が滑走路から離れる前に、別の航空会社のヘリが滑走路に進入して離陸する事態が起きた。
 ヘリの機長が滑走路上に航空機はいないと思いこんだため、周囲の安全確認をしないままだったことが原因だった。不慣れな機体のために装備機器の確認に気を取られ、管制交信や監視などがおろそかになったケースという。
 今年4月5日には、徳島空港で着陸しようとした日航機が滑走路上の作業車を発見し、再上昇する事態になった。1人で勤務していた管制官が、作業車への退避指示を忘れた管制ミスが原因とみられている。
 今回の那覇空港は、1年間に約15万回も航空機が離着陸する過密空港である。運輸安全委員会の記録によると、佐賀空港に関連した重大インシデントは、最近5年間で民間の小型機やヘリの6件。旅客定期便の重大事故は開港以来起きていない。
 単純に比較はできないものの、那覇空港の過密が基本的な手順を怠る背景の一つになっているとすれば、再発の恐れもある。パイロットや管制官のミスが起こり得るという前提で、勤務体制を含めて事故防止に万全を期してほしい。(宇都宮忠)
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北海道新聞 2015/06/04 08:55
社説:新千歳発着枠増 安全に目を向けてこそ


 国土交通省と防衛省が新千歳空港の機能強化に向けて、日中(午前7時~午後10時)の発着枠拡大へ具体的に動きだした。
 まずは今年の夏に期間を限定して試験的に回数を増やし、今後、期間も枠もさらに広げる考えだ。
 年々増加する道内への外国人観光客などに対応するのが狙いだ。
 新千歳の過密状態を改善し、航空会社からの乗り入れ希望に応じることができる環境の整備は、厳しい北海道経済の活性化には欠かせまい。道内他空港への波及効果も生まれよう。
 両省の取り組みは歓迎したいが、安全性や周辺住民への影響という視点は忘れてならない。
 発着枠拡大を試行するのは7月25日と8月8~16日で、現在の日中1時間当たり32回を最大37回にする。年末年始も実施の方向だ。枠は今後、42回を目指すという。
 新千歳空港は国交省が管理するが、航空自衛隊機が離着陸する千歳飛行場が隣にあり、両方の管制業務は防衛省が担当している。それゆえ管制の処理能力などの理由で発着枠が制限されている。
 これによって機能は他空港より見劣りする。1時間当たりの枠を見れば、新千歳と同じく滑走路が2本の関西が最大45回で、1本しかない福岡でさえ35回もある。
 これでは格安(LCC)を含めた国内外の航空会社が新千歳への乗り入れを希望しても、実現しない場合が出る。実際、中国系の航空会社などが就航を諦める事態も見られる。対応は急務だろう。
 滑走路を増やさずに枠を広げるには効率的に使用するしかない。
 すでに両省は民間機と自衛隊機が離着陸時に交互に空港に進入する現方式を、同時進入にできないか協議しているという。滑走路の使用時間に余裕ができるからだ。
 さまざまな角度から可能性を模索することは大事だ。しかし効率性の過度な追求は、安全面をおろそかにしないか。周辺への騒音も気になる。その点を留意しなければならない。
 空港機能の底上げに必要なのは、枠拡大だけではあるまい。
 航空機の誘導や荷物の仕分けなどの地上業務、税関・出入国審査・検疫(CIQ)機能も強化しなければ、便数の増加や新たな就航にはつながらない。
 防衛上の理由から旧共産圏の中国、ロシアの航空機は新千歳への乗り入れが月曜と木曜は終日できないなど規制されていることも、空港の混雑を招いている。制限の見直しも視野に入れたい。


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