2015-06-24(Wed)

東洋ゴム免震偽装 社長ら5人引責辞任 

「会社に不祥事の風土」 調査チームが指弾 上司ら9人関与指摘

<報道記事>
産経新聞)【東洋ゴム免震不正】過去にも不祥事で社長が辞任していた東洋ゴム(6/24 10:44)
朝日新聞)東洋ゴム、社長ら5人辞任 免震偽装で引責 会見で発表(6/24 5:00)
日本経済新聞)東洋ゴム免震偽装関与の社員告訴検討(6/24 1:13)
毎日新聞)免震データ改ざん:東洋ゴム会長ら5人辞任 社長は年内(6/23 23:38)
ケンプラッツ)「免震ゴム事業は続ける」、東洋ゴム社長ら引責辞任へ(6/24)
NHK)東洋ゴム工業 社長ら引責辞任へ(6/23 16:25)
ケンプラッツ)「断熱パネル問題の教訓生かせず」、免震偽装で最終報告(6/23)
朝日新聞)免震偽装、13人関与か 東洋ゴム社外調査「不祥事の風土」(6/23 5:00)
毎日新聞)東洋ゴム免震不正:上司ら9人関与指摘 「企業風土」批判(6/23 7:58)
日本経済新聞)東洋ゴム、会長・社長ら引責辞任へ 信頼回復急務 (6/23 2:00)
日本経済新聞)東洋ゴム偽装「会社に不祥事の風土」 調査チームが指弾(6/23 1:40)
日本経済新聞)大臣認定「チェック強化を」 国交省有識者委、東洋ゴム問題で (6/23 1:42)
日本経済新聞)経営陣が公表遅らせる 東洋ゴム偽装で最終報告(6/22 20:48)




以下引用

2015.06.23
当社および当社子会社製建築用免震ゴム問題における原因究明・再発防止策・経営責任の明確化について
http://www.toyo-rubber.co.jp/uploads/2015/06/150623.pdf
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1260973
2015.06.23
【総括】当社製免震ゴム問題について (1,157KB)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1260980
2015.06.23
代表取締役の異動に関するお知らせ (78KB)
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1260981
***********************************

産経新聞 2015.6.24 10:44
東洋ゴム免震不正】過去にも不祥事で社長が辞任していた東洋ゴム
記者会見で謝罪する東洋ゴム工業の山本卓司社長(手前から2人目)と久世哲也専務執行役員(同3人目)ら=6月23日午後、大阪市
 免震装置ゴムのデータ改竄(かいざん)問題で山本卓司社長ら経営首脳の引責辞任まで発展した東洋ゴム工業は、平成19年にも学校などの壁や天井に使われる防火用断熱パネルで性能偽装を行い、当時の片岡善雄社長が引責辞任した。経営陣は当時も再発防止を誓ったが、不祥事の歴史は繰り返された。
 断熱パネルの不正は、4年から始まり約15年間、部長クラスの担当者間で引き継がれていた。東洋ゴムは社内体質を改めようと、品質監査部門による全製品の検査の徹底や、技術者への再度の倫理教育といった対策を打ち出した。ただこうした取り組みにもかかわらず、免震装置ゴムの改竄を防ぐことはできなかった。
 今年3月の株主総会で伊藤和行取締役常務執行役員は「(主力のタイヤ事業などと異なり)免震ゴム事業は独立的な品質検査体制が欠けていた」と釈明。チェック体制が機能しなかった事実を認め、株主に謝罪した。
 外部の弁護士がまとめた調査の最終報告書でも「再発防止策が講じられたが、形式的なものが多く不十分な内容だった」と指摘。経営幹部を含めた同社の認識の甘さを厳しく批判した。


朝日新聞 2015年6月24日05時00分
東洋ゴム、社長ら5人辞任 免震偽装で引責 会見で発表
 東洋ゴム工業(大阪市)は23日、山本卓司社長(58)や信木明会長(60)ら常勤取締役5人全員が免震ゴムの性能を偽装した責任をとって辞任すると発表した。山本社長は大阪市内で会見し、「判断に甘さがあった。真摯(しんし)に反省している」とおわびした。再発を防ぐため、年内をめどにタイヤも含めた全事業の製品の品質を点検する。
 取締役は、生え抜きの常勤5人と弁護士ら社外の3人の計8人いたが、偽装発覚後の5月末に社外の1人が辞めた。残る7人のうち5人も退く事態となる。
 性能を偽装した当時の社長だった信木会長ら3人は、7月1日付で辞める。山本社長は後任のめどをつけ、今秋にも別の1人とともに辞任する。経営陣は最大で役員報酬の50%を返上する。信木会長の後任は外部から招くことを考え、山本社長の後任は内部から選ぶ方針だ。
 (新宅あゆみ)
 ■全事業で品質点検
 「判断が甘かった」。山本卓司社長は、23日に大阪市内で開いた記者会見で何度も反省の言葉を口にした。弁護士らの社外調査チームが前日公表した報告書で、「不祥事の発生につながる風土が根付いている」と指摘されていた。
 免震ゴムの性能データの偽装は、従業員4人が直接関わり、上司ら9人が指示したり、黙認したりした疑いがある。問題が大きくなったのは、経営陣の対応が後手に回り続けたためだ。
 調査チームは、山本社長が専務だった昨年8月には性能偽装の疑いを知っていた、と指摘した。ただ、山本社長は会見で「はっきりとわかったのは1月30日」とこれまでの説明を繰り返した。
 出荷停止を決めたのは、今年2月にずれこんだ。それまでに停止を考えた場面もあったが、山本社長は「(免震ゴムは)データの解釈が難しかった。私どもに専門知識がなかった」と弁解に終始した。その時点では仕方なかったという思いをにじませ、辞任の理由も「結果責任」と説明した。
 同社は07年に断熱パネルの性能を偽装したことが発覚し、当時の社長が辞任した。品質管理の徹底などを打ち出したが、すでに起きていた免震ゴムの不正を見抜けなかった。山本社長は「新しく生まれかわる覚悟で、信頼確保につとめる。深く心よりおわび申し上げます」と陳謝した。
 東洋ゴムがまず取り組むのは、再発防止策の実行と、不良品を納入した全国154棟の免震ゴムを取り換える作業だ。
 再発防止のため、すでに緊急の品質監査を始めた。07年の断熱パネルの性能偽装を受けて実施した監査が「形式的だった」との反省から、「品質・コンプライアンス調査委員会」を新たに設ける。外部の弁護士らも交えた調査チームが、掘り下げた点検を進める。年内をめどにタイヤも含めた全事業の製品の品質をチェックする方針だ。
 (山村哲史)
 ■「大臣認定」見直しへ 現場でチェック強化 国交省
 東洋ゴム工業の免震ゴムの性能偽装問題で、国土交通省は不正を見抜けなかった「大臣認定制度」を見直す。書類だけの審査を改め、立ち入り検査など生産現場でのチェックを強化する。早ければ9月ごろから新たな運用を始める。
 建築基準法では、免震ゴムや断熱材など新開発の建築材料を設置するには、大臣認定が必要と定められている。東洋ゴムは、国が指定する性能評価機関に免震ゴムのデータを提供したが、評価機関はうその申請を見抜けず、同省は認定を出していた。今後は免震材料について、評価機関による工場での検査や出荷時のサンプル調査をするほか、過去に不正があった企業にはこれらの回数を増やす。大臣認定は年に約5千件あるが、工場検査の対象は安全に直結する材料などに絞る。
 (峯俊一平)
 ◆キーワード
 <免震ゴムの性能偽装> 東洋ゴム工業は、ビルなどで使われる免震用ゴムを、国土交通省の認定基準を満たさないのに出荷していた。1996年から生産し、性能を偽った品が30都府県の154棟に納入された。3月に公表され、複数の部署が根拠のない数値を使ったり、検査のデータを偽ったりしたことがわかった。


日本経済新聞 2015/6/24 1:13
東洋ゴム、免震偽装関与の社員告訴検討
 免震ゴム性能の偽装問題で、引責辞任を決めた東洋ゴム工業の山本卓司社長らが23日、大阪市内で記者会見を開き、不正に直接関与した社員の刑事告訴を検討することを明らかにした。
 同社は不正に関わった社員の刑事告訴については「(社内の)懲罰委員会で具体的な内容を確認して議論したい」と述べた。


日本経済新聞 2015/6/24 0:40 (2015/6/24 1:17更新)
東洋ゴム、社長・会長退任 偽装問題 非中核事業にスキ
 東洋ゴム工業は23日、山本卓司社長ら代表取締役3人を含む生え抜きの取締役5人全員が引責辞任すると発表した。免震ゴムの性能偽装問題の責任をとる。連結売上高比率わずか0.2%の非中核事業で生じた経営の隙に会社全体が足をすくわれた。今後、会長などのポストに社外の人物を招くことも検討するなど企業統治を見直し、経営の立て直しを急ぐ。
 山本社長は23日午後、大阪市内で記者会見を開いた。山本社長は「(免震ゴムの性能が)適合か不適合かの確証が持てず対応が遅れた」と陳謝し「結果責任を取る」と辞任する考えを示した。
 7月1日付で信木明会長、今秋の臨時株主総会で山本社長がそれぞれ辞任する。免震ゴムなど非タイヤ担当や管理部門統括の役員も取締役を辞任し、降格や役員報酬の一部返上などの処分を受ける。取締役全7人のうち社外取締役の2人を除く5人が取締役を辞める。
 山本社長は後継社長について「社内から選ぶ」との考えを示した。会長や特別顧問を外部から招くことも検討するという。
 同社は7月1日付で発足させる免震ゴム問題対策本部の本部長に山本社長が就任する人事も決めた。今回降格などの処分を受ける役員2人も副本部長に就く。いずれも今回の偽装問題で責任が重いだけに批判を浴びる可能性もある。


 東洋ゴムの連結売上高は年4千億円。このうち免震ゴム事業はわずか年7億円にすぎない。主力は自動車用タイヤ事業で営業利益の6割を北米で稼ぎ出す。免震ゴムはすべて国内の公共施設や大型マンション向けだ。主力のタイヤとは顧客も販路も全く違う。
 社長含む経営陣の視線はおのずとタイヤ事業にそそがれていた。非中核事業に対する技術面の知識は不足気味となり的確な判断が遅れた。出荷停止に踏み切れなかったことの遠因と言える。
 同社は2007年にも学校などで使う断熱パネルで品質偽装問題を起こした。その後、外部の取締役や監査役の機能を強化し発言権を高めてきた。今回、首脳陣の経営責任を迫り辞任させたことで同社のガバナンスはある程度機能したといえる。経営の自浄作用をどう機能させるか。企業に改めて問われてくる課題だ。


毎日新聞 2015年06月23日 21時40分(最終更新 06月23日 23時38分)
免震データ改ざん:東洋ゴム会長ら5人辞任 社長は年内
 東洋ゴム工業(大阪市)は23日、免震ゴムのデータ改ざん問題に関連し、信木明会長(60)と山本卓司社長(58)、久世哲也専務執行役員(57)の代表権者3人を含む取締役5人が引責辞任すると発表した。信木会長は7月1日付で退任、久世専務は同日付で常務執行役員に降格され、取締役を外れる。山本社長も後任の人選が決まり次第、遅くとも年内には退任する。ガバナンス(企業統治)強化を目的に会長か特別顧問を社外から起用する方針も示した。東洋ゴムは性能データを改ざんし国の認定基準を満たさない免震ゴムなどを全国の官公庁など計154棟に納入。全てを交換する方針だが、工事完了のメドは立っていない。
 山本社長は23日夕に大阪市内で開いた記者会見で、自らも含む代表取締役が総退陣する理由について「判断の甘さや対応の遅れで多大な影響を及ぼした結果責任を踏まえた」と説明した。2007年にも建材用断熱パネルの性能偽装問題を起こした点に触れて「過去の反省が生かせなかった」と謝罪。一方で、データ改ざんの意図的な隠蔽(いんぺい)は否定した。
 東洋ゴムは役員報酬削減も発表。山本社長は後継が決まるまでの社長残留期間、報酬を50%カットする。社外も含む他の取締役も3〜6カ月間、報酬を20〜30%削減する。7月1日付で退任する信木会長には昨年7月からの役員報酬の50%を自主返納するように求める。
 再発防止策では、7月中に全ての生産拠点・事業の検査工程で性能データの測定が適正に行われているかを緊急点検する。また、弁護士などを入れた「品質・コンプライアンス(法令順守)調査委員会」を新設し、全ての生産工程を恒常的に監査する。山本社長は「一から生まれ変わる決意で企業風土改革や再発防止策を遂行する」と強調した。一連の改ざん問題をめぐっては、弁護士による外部調査チームが22日、最終報告書を公表。改ざんの原因について法令順守を徹底しない企業風土を厳しく批判した。
 東洋ゴムは今後、社内で懲罰委員会を開いた上で、改ざんに関わった社員らを刑事告訴するかどうかを検討する考えも示した。【宮崎泰宏】


日本経済新聞 2015/6/23 21:06
東洋ゴムの山本社長「再発防止策、不徹底だった」
東洋ゴム工業は23日、免震ゴム性能の偽装問題で信木明会長、山本卓司社長ら社内の取締役5人全員が辞任すると発表した。信木会長は7月1日付で退き、山本社長は次期経営陣のメドが付いた後の今秋にも開く臨時株主総会で辞任する。山本社長は「2007年に起きた断熱パネルのデータ改ざん問題での再発防止策が不徹底だった」と説明。緊急の品質検査を実施するとともに、再発防止に向けた品質保証の専門組織も立ち上げる。
 ──社長(当時専務)が不正を認識したとされる2014年8月13日に出荷停止に踏み切らなかった。
記者の質問に答える東洋ゴム工業の山本卓司社長ら(23日午後、大阪市北区)
 山本社長「具体的な報告がなく、説明は比較的漠然としていた。何が正しいのか確認するように指示した」
 ──同年10月23日に性能不足の物件が26件あることを現場から詳しく報告されている。すぐ出荷を停止しなかったのは組織的隠蔽ではないのか。
 山本社長「隠蔽したということはない。それぞれの報告の段階で(免震装置の)データが適合か不適合か正確な判断ができず、不明な点を明らかにする調査を継続した。結果として対応が遅れてしまい、ちょっと判断の甘さがあった」
 ――問題の背景に何があると考えるか。
 山本社長「上司に不正があると報告しても反応が薄く、周囲に伝わりにくいなどという会社の風土の問題があった。ムラ社会的な文化が問題の端緒になっているのではないか。今後はコミュニケーションをもっと良くしていくなど、企業風土の改革を強力に推し進める組織体制を構築したい。前回の断熱パネル問題では継続できなかったので今回はきちっとやっていきたい」
 ――会長、社長以下5人全員の取締役(社外を除く)が経営責任を明確にするため退任する。
 山本社長「多大なご迷惑をおかけした結果として責任をとる。社外の取締役や監査役に諮問してもらい、今回の処分を決めた。後任は内部からと考えている」
 ──事実確認に時間がかかったというが、疑わしい製品の出荷を続けていたのか。
 久世哲也専務執行役員「メーカーには一般的にそういう傾向があると言われる。東洋ゴム工業も事実確認や技術検証に固執して不適合な製品を出し続けてしまった。今後は疑わしい場合は出荷を止めるようにする」
 ──今後の会社への経営面での影響は。
 山本社長「先日の引当金以上の額が算出されれば、その時点で引き当てる。免震装置の対策に注力していくので他の事業を残った社員でやってもらうという苦しさはあるが、本年についてはこのまま進めたい。現時点ではタイヤなど他の事業には影響ない」
 ──主力のタイヤ事業ではこのような問題は起こらないのか。
 山本社長「タイヤ事業本部は組織として複層化されている。組織的に判断ができるシステムになっている。免震ゴム事業はシステムとして弱いところがあった」
 ──まずリコールするなり国交省への報告をすべきではないのか。
 山本社長「意図的に報告を止めたということはない。それぞれの段階でデータが適合しているかしていないか、確認などに時間がかかってしまった」
 久世専務執行役員「一部の経営幹部にコンプライアンス意識が欠落していたと言える」
(大淵将一)


ケンプラッツ 2015/06/24
免震偽装事件 「免震ゴム事業は続ける」、東洋ゴム社長ら引責辞任へ

 「経営判断に甘さがあり、結果として対応が遅れたことは真摯に反省したい」。免震偽装問題に関する社外調査チームによる最終報告を受け、東洋ゴム工業は6月23日、緊急品質監査の実施など今後の再発防止策を発表。山本卓司社長は改めて陳謝したうえで、経営責任を明確にするため、信木明会長とともに辞任することを表明した。


会見の冒頭、謝罪する山本卓司社長(右から3人目)ら東洋ゴム工業の幹部(写真:日経アーキテクチュア)
 信木会長は7月1日付で辞任。山本社長は免震偽装問題への対応などにめどが立ち次第、遅くとも年内に臨時株主総会を開き、辞任する。さらに、役員報酬の一部を返上するほか、会長か特別顧問として社外の人材を起用する方針だ。不正に関わった従業員については今後、社内の懲罰委員会を開き、処分を決定。刑事告訴するかどうかも含めて検討する。
品質保証部門の権限を強化
 再発防止策では、緊急対策として、全ての生産拠点・全事業の検査工程について品質監査を実施するほか、外部の弁護士も参加する「品質・コンプライアンス(法令順守)調査委員会」を設置する。
 このほか、継続対策として、品質保証部を「品質保証本部」に格上げし、権限を強化。大臣認定などの外部認証申請を審査・管理する専門組織を、品質保証本部内に新設する対策を打ち出した。また、免震ゴム事業を取り扱うダイバーテック事業部門を再編。現行のビジネスユニット別の組織を営業、技術、生産といった機能別の部門に改め、組織間の相互チェック体制の強化、人事ローテーションの活性化を図るとした。
 社外弁護士による調査チームが6月22日に公表した最終報告書では、不正が起こった主な原因として、「規範順守意識を鈍磨させる企業風土」と「断熱パネル問題の形式的な対応」の2点を指摘し、同社に抜本的な改革を求めていた。
「正確な判断ができなかった」と繰り返し釈明
「正確な判断ができなかった」と繰り返し釈明


再発防止策について説明する東洋ゴム工業の山本卓司社長(写真:日経アーキテクチュア)
 大阪市内で6月23日午後4時に始まった会見は、およそ2時間半に及んだ。山本社長は冒頭、免震偽装問題の原因と再発防止策について説明。不正行為が発生した原因として事業評価の不全、規範順守意識の欠如、組織の機能不全、判断・対処が遅れた原因として経営陣の意識と判断の甘さ、危機マネジメントの欠如があったと総括した。断熱パネル問題発生時の再発防止策が不徹底だったとも言及した。
 報道陣からは、経営陣の不正認識の時期や、出荷停止の対応の遅れについて、質問が集中。山本社長は歯切れの悪い回答に終始した。社外調査チームの最終報告では、同社の経営陣が不正を把握した時期に関して、信木会長(当時は社長)は14年7月17日、山本社長(同専務)は14年8月13日と指摘していた。
 8月13日時点の報告について、山本社長は「適合なのか、不適合なのか、正確な判断ができない報告だった。専門知識がなかったこともあり、調査を継続した。今になれば当時の判断に甘さがあった」「データに複数の解釈があった」「事実としては確定的でなかった」などと繰り返し釈明。不正を認識したのは15年1月だったとしたうえで、意図的な隠ぺいについては「絶対にない」と否定した。
 疑わしい時点で出荷を止めるという判断はなかったのかという問いに対しては、「データが正確なのかという議論に陥ってしまったことは大きく反省すべきだと考えている」などと述べた。
 社外調査チームの最終報告では再発防止策として、リスクの高い非主力事業の抜本的見直しという項目を掲げた。採算面などの理由でリスクに備える体制が十分にできないのであれば、廃止または撤退を決断すべきだと提言していた。免震ゴム事業の撤退について問われた山本社長は「改修作業を私ども自身でやっていくので、これに関しては継続する予定だ」と語った。
 東洋ゴム工業は、不正があった免震部材の交換に向けた準備を急ぐが、作業に着手するめどは立っていない。市原貞男取締役常務執行役員は、「工事中の物件の対応を優先している。残りについては、部材の供給の関係もあるので優先順位を特に決めていない」と述べたうえで、工事の検討に入っているのは現時点で十数物件程度あることを明らかにした。大臣認定の再取得のめどについては、「品質保証体制を確立するのが先。これから、指定性能評価機関や国土交通省と相談させてもらう」と述べるにとどめた。
 会長と社長がそろって引責辞任する事態に発展した免震偽装問題。山本社長は「同じ轍を二度と踏まないことが、当社存続の大前提となる。一から生まれ変わるという強い意志の下、企業風土改革や再発防止策の徹底、継続を遂行していく」と語ったが、失った信頼回復への道は険しい。
佐々木 大輔 [日経アーキテクチュア]


NHK 6月23日 16時25分
東洋ゴム工業 社長ら引責辞任へ

東洋ゴム工業は、国の認定を不正に取得した免震装置を製造販売していた問題の経営責任を明確にするため、信木明会長と山本卓司社長が辞任すると発表しました。
東洋ゴム工業の山本社長は23日夕方、大阪市で記者会見し、免震装置の問題について改めて陳謝したうえで、経営責任を明確にするため信木会長とともに辞任することを明らかにしました。信木会長は来月1日付けで辞任するほか、山本社長は免震装置の問題への対応などにめどが立ちしだい、遅くとも年内に臨時株主総会を開き、辞任するとしています。また、役員の報酬の一部を返上するほか、会長か特別顧問として社外の人材を起用するとしています。
この問題では、全国のマンションや病院など154棟で国に認定された性能を満たしていない免震装置や性能が不明な装置が使われていたことが明らかになりました。
これについて会社側は、新しい免震装置に交換するとともに、主力のタイヤ事業も含めてすべての工場の製品を対象に緊急点検を行うほか、外部の弁護士も入る委員会を設置し、コンプライアンス体制を強化するとしています。
山本社長は「経営判断に甘さがあり、結果として対応が遅れたことは真摯(しんし)に反省したい。全社一体となって企業風土の抜本的な改革に取り組みたい」と述べました。
役員の進退と降格
進退降格は以下の通りです。
▽信木明代表取締役会長は来月1日付で辞任▽山本卓司代表取締役社長は、免震対応、次期経営陣のめどを付けたうえで、この秋か遅くとも年内に臨時株主総会で辞任するとしています。
このほか来月1日付で、▽久世哲也代表取締役・専務執行役員は代表取締役を辞任し専務から常務に降格。▽中倉健二相談役は辞任。▽伊藤和行取締役・常務執行役員は辞任して顧問に。▽新庄治宏顧問と岡崎俊明執行役員、青木源太郎常勤顧問は退任します。


ケンプラッツ 2015/06/23
免震偽装事件
「断熱パネル問題の教訓生かせず」、免震偽装で最終報告

 「調査ではにわかには信じがたい事実がいくつも判明した」。東洋ゴム工業による免震偽装問題で、弁護士で構成する社外調査チームは6月22日、最終調査報告書を発表した。チーム代表を務める小林英明弁護士(長島・大野・常松法律事務所)は記者会見で、「企業風土を変革しない限り、今後、同様の不祥事を起こす可能性が低いということはできない」と厳しく指弾した。


6月22日、大阪市内で会見に臨む小林英明弁護士(写真:日経アーキテクチュア)
 調査報告書はおよそ300ページに及ぶ。「にわかには信じがたい事実」とは例えば、免震材料の開発・製造・販売について十分なリスク管理がなされないままにずさんな体制でなされていたこと、国土交通省への一報までに長期間を要していたこと、重大な不祥事であった断熱パネル問題の際の緊急品質監査が形式的なものであったこと――を指している。小林弁護士は会見で、問題発生の主な原因として、「規範順守意識を鈍磨させる企業風土」と「断熱パネル問題の形式的な対応」の2点を指摘した。
不合格品を再検査で出荷
 調査チームが4月にまとめた中間調査報告の後の調査では、断熱パネル問題(いわゆる防耐火関連の大臣認定偽装問題)の際の緊急品質監査に問題があったことが新たに判明した。
 断熱パネル問題を受け、2007年末に東洋ゴム工業は全生産拠点、全分野の製品を対象に緊急品質監査を実施。この際、せん断弾性係数G0.39N/mm2 の製品材料として用いているゴムの硬さを定める社内規格が、大臣認定の取得に際して申請していた性能評価に関する規格よりも緩和されていたことが発覚した。だが、緊急品質監査の結果として公表されることはなかった。報告書では、「適切に調査していたなら、今回の問題行為を発見することや新たな問題行為を未然に防止できていた可能性が高い」と指摘している。
 さらに08年4月ごろ、出荷時の性能検査で一度不合格とされたG0.39の製品が、再検査を経て出荷されたものがあることも分かった。報告書では、「初回の性能検査で不合格となった製品について再度の性能調査を行うことは想定されておらず、大臣認定の性能評価基準に適合しないと評価される可能性がある」と指摘している。
立ち合い前の検査成績書も改ざん
立ち合い前の検査成績書も改ざん


免震積層ゴムの認定不適合に関する東洋ゴム工業の社外調査チームによる会見の様子(写真:日経アーキテクチュア)
 調査では、不正への関与の範囲や、経営陣の認識時期などが焦点となった。小林弁護士は不正の動機について、「性能が出ないというのが根本的な問題。従業員の個人的利益を目的としたものではなかった」と語り、組織的な関与の可能性を示唆した。
 調査ではこれまで判明した大臣認定を取得する際の問題行為、出荷時の性能検査における問題行為のほか、検査成績書作成における問題行為が新たに分かった。品質保証部の担当者が、顧客に対して交付する免震積層ゴムの性能試験の結果を記載した検査成績書を作成する際、開発技術部から受領したデータをそのまま転記せず、技術的根拠のない恣意的な数値に書き換えていた。
 報告書によると、品質保証部の担当者は、「顧客からのクレームを避ける目的で数値を書き換えることがあった」と供述。「開発技術部から測定結果を受領する時期が顧客の立ち合い検査の数日前ということもあり、時間的な余裕がなかった」などと述べ、事前に用意した資料に合うようにデータを書き換えていた。数値の書き換えについて「上司に相談したと思うが、記憶は定かではない」と証言しているという。
 一方、同社の経営陣が不正を把握した時期に関しては、信木明会長(当時は社長)は14年7月17日、山本卓司社長(同専務)は14年8月13日と指摘した。出荷停止の判断の遅れについて、社外調査チームは会見で「意図的な隠ぺいというよりも、企業風土に根付いたずさんな対応だった」との見方を示した。
非主力事業の廃止・撤退も提言
非主力事業の廃止・撤退も提言
 報告書では再発防止策として、コンプライアンス(法令順守)体制の総点検や、社外専門家による全事業を対象とした不正調査の実施などを挙げた。リスクの高い非主力事業の抜本的見直しという項目では、採算面などの理由でリスクに備える体制が十分にできないのであれば、廃止または撤退を決断すべきだとした。
 調査では会議資料やメールなどの資料分析、関係者へのヒアリング、試験機などの現場検証を実施した。調査期間は2月8日から6月18日までで、ヒアリングの対象者は計68人、延べ155回に及んだ。小林弁護士は調査に時間を要した理由について、「技術的に困難な点があった。ヒアリングが必要だが、その対象者が建物の安全性確保への対応にも従事しなければならなかった。関係者の供述の食い違いもあった」と語った。
 社外調査チームの報告を受け、東洋ゴム工業は6月23日午後に大阪市内で記者会見を開く。小林弁護士は、「今回を機に会社が生まれ変わることが必要だ。断熱パネル問題の際に反省していれば、今回の問題は大きく広がらずに終わった可能性がある。改革に失敗すると会社の将来はないのではないかと心配している。報告書を読んで社員全員が考えてほしい」と強調した。
佐々木 大輔 [日経アーキテクチュア]


朝日新聞 2015年6月23日05時00分
免震偽装、13人関与か 東洋ゴム社外調査「不祥事の風土」
 東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムの性能偽装問題で、計13人が不正にかかわった疑いがあるとわかった。これまで4人とみられていたが、弁護士らの社外調査チームが22日、最終報告書で示した。調査チームは「不祥事発生につながる風土が根付いている」などとして、タイヤも含めた全製品で不正の有無を外部調査すべきだと求めた。▼経済面=認識の甘さ指摘
 信木明会長(60)と山本卓司社長(58)は23日に大阪市内で会見を開き、引責辞任を発表する見通しだ。
 報告書によると、性能偽装は開発部門だけでなく、データをチェックする品質保証部の担当者もかかわった。計13人は品質保証部の担当者やその上司、製造部門の担当者らも含め、幅広い部署や役職に及ぶ。4人は不正に直接かかわり、9人は不正を働きかけるなどしたとみられている。開発担当者は製造部門から納期へのプレッシャーを受けていると感じ、品質保証部も性能を偽装した検査報告書を顧客に出した。
 経営陣らの対応の遅さも指摘された。2014年5月に東洋ゴムの担当役員が問題を知り、当時の社長や会長も同7~8月に不正の疑いを認識した。昨年10月の会議でこの問題が説明された際は、「膨大な対応費用がかかる」などとしてリコールは不要だと担当者らが主張した。経営陣は出荷を止める判断を見送った。
 こうした不適切な対応が続いたことを、調査チームは「問題が発覚してから国土交通省への一報までに長期間を要した」と指摘した。生命にかかわる免震ゴムの品質管理がずさんだったことも「にわかに信じがたい事実」と認定した。
 調査チームは東洋ゴムが07年にも断熱パネルの性能を偽ったことを問題視し、「三度目の不祥事を起こしたら、会社の存続は危うい」と警告した。企業風土を改めるため、売上高の8割を占めるタイヤを含め、全製品の品質の外部調査を求めた。同社は実施する考えだ。(新宅あゆみ)
 ■進まぬ交換「早く計画を」
 国の基準を満たさない免震ゴムが使われた30都府県の154棟では、交換の工事が遅れている。
 長野市の「新第一庁舎及び長野市芸術館」。1300人収容のホールなど地上8階地下2階の建物を建設中だが、免震ゴム90基が基準以下だった。市はブリヂストン社の製品に取り換える方針を決め、新製品の納入を待っている。
 来年5月のオープニング公演で芸術監督に音楽家の久石譲さんを迎える。市で担当する増尾昭彦・事務局長は「作業員不足で工期を一度延ばしており再度の延期は許されない」と話す。
 京都府舞鶴市の国立病院機構舞鶴医療センターでは、建設中の7階建て新病棟に免震ゴム42基が使われていた。7月中旬予定だったオープンは、全ての交換が終わる来夏に延期する。
 センターの松谷智仁企画課長は「地域に『病院自体も悪い』とのイメージが広がり、約170人いた入院患者が20人減った」と話す。「早く公表していれば、東洋ゴムの製品を使わずに済んだかもしれない。憤りを感じる」
 福島市のマンションに住む男性は「交換がいつ始まるか、早く計画を示してほしい」と言う。東洋ゴムが5月に開いた説明会では交換時期は示されなかった。一時的な引っ越しを望む住民には「(賃貸物件を)確保する」と答えたというが、東日本大震災後、地元では空きが少ない。男性は「本当に確保できるのか」と話す。(峯俊一平、伊沢健司)
 ■手作業で交換、1日数基限度
 業界団体の日本免震構造協会や国土交通省などによると、免震構造ビルは1983年、千葉県内に第1号が建設された。地面と建物の間に免震ゴムを設置し、建物へ伝わる揺れを減らす仕組みだ。
 95年の阪神大震災後に急増し、現在は全国に約3300棟ある。大地震でも機能を保つ必要がある大型病院は免震構造が一般的になり、役所や消防署、警察署、マンションにも広がった。
 免震ゴムの交換は周囲を油圧ジャッキで支え、建物を持ち上げて入れ替える。1基で3トンを超える免震ゴムもあるが、強度のあるバンドを免震ゴムに巻き付け、ローラー付きの板の上を滑らせて、最後は作業員の手作業で着脱する。
 1棟あたりに通常使われる十数基の免震ゴムを製造するには半年ほどかかる。その後、交換には慎重な作業が必要で、1日あたり数基が限度という。不良品が使われた154棟の交換終了について、東洋ゴムの山本卓司社長は「2年以内」との見通しを示している。(峯俊一平)
 ■調査報告書の骨子
 ◆技術的な根拠のない数字を使って性能を偽るなど、規範を守る意識が鈍い企業風土だった
 ◆経営陣は事態を楽観的にみて、約1年間も適切な対応をとらなかった
 ◆免震ゴムの知識を持って適正に管理や監査をする人がおらず、リスク管理態勢に不備があった
 ◆2007年にも別の製品の品質で問題が発覚していたが、その再発防止策を生かせなかった
 ◆タイヤなどを含めた全事業の全商品で、製品の品質の問題の有無を外部調査すべきだ
http://digital.asahi.com/articles/photo/AS20150623000363.html


毎日新聞 2015年06月23日 07時58分
東洋ゴム免震不正:上司ら9人関与指摘 「企業風土」批判
 ◇弁護士10人による社外調査チーム 最終調査報告書を発表
 東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムのデータ改ざん問題で、弁護士10人による社外調査チームが22日、最終調査報告書を発表した。4月の中間報告時点で改ざん行為を認定した同社子会社の開発技術部の担当者3人に加え、品質保証部の担当者1人の改ざんを新たに認定し、さらに担当者の上司ら9人が関与した疑いを指摘。不正は開発部門の担当者にとどまらず、品質を点検する部門などに広がっており、調査チームは同社の企業風土を厳しく批判した。
 調査報告書は、2000年11月〜15年2月の間、国土交通相の認定取得時などにデータの改ざんを続けたと認定。東洋ゴム子会社の品質保証部の担当者が01年1月〜13年3月、性能検査結果の書類作成時に、開発技術部から受け取った性能測定データを記載せず、根拠のない数値に改ざんしていたことも新たに明らかにした。
 さらに、改ざん行為を認定した4人以外にも、担当者の上司を含む計9人が改ざんを指示するなどした疑いがあるとした。9人は関与を否定したが、調査チームは記者会見で上司1人に「強い疑い」、他の8人にも「相当の疑い」があるとした。改ざんへの関与を認定したか、疑いがあるのは計14人(死亡した担当者1人を含む)となった。
 また、14年10月の会議で担当者が、国の認定基準に適合しない物件が26件あることを報告した上で、これらを製品交換が不要な「社内特例」として非公表にするよう、事実上の隠蔽(いんぺい)を提案した事実も明らかにした。後日、経営陣は提案を却下した。
 調査報告書は、経営陣の判断の甘さや社内監査体制の不備についても指摘し、「規範順守意識を鈍らせる企業風土がある」と批判。社長直轄の「内部監査部」の新設や、社外の専門家による全事業を対象とする不正調査などを提案した。
 大阪市内で記者会見した調査チーム代表の小林英明弁護士は、07年に発覚した建材用断熱パネルの性能試験結果の改ざんに触れ、「教訓が生かされておらず、不祥事につながる風土が根付いている」として抜本的な社内改革の必要性を強調した。
 調査報告書を受けて、同社は23日、信木明会長や山本卓司社長らの辞任方針や再発防止策を発表する。【古屋敷尚子、吉永康朗】


日本経済新聞 電子版2015/6/23 2:00
東洋ゴム、会長・社長ら引責辞任へ 信頼回復急務
 東洋ゴム工業は23日に開く臨時取締役会で信木明会長や山本卓司社長ら首脳陣の引責辞任を決める。社会的な信頼回復だけでなく、激戦のタイヤ市場で生き残っていくにも経営陣を刷新して成長戦略を加速できる体制を整える必要がある。
 同社は2015年12月期に連結業績で売上高、営業利益とも過去最高を更新する見通し。ただ、偽装ゴムの代替生産費用などとして140億円の特別損失を計上しており、さらに膨らむ可能性がある。
 稼ぎ頭の北米事業が好調だが、新興国企業の参入で競争が激化。今後も高い収益を維持できる保証はない。国内では信頼の失墜で今後タイヤの販売に影響が出る可能性もあり、先行きに収益の悪化懸念がある。同社の世界シェアは1~2%にすぎず、単独で生き残れるかどうかは不透明だ。
 東洋ゴムでは経営が混乱しかねない状況だ。22日の会議でも偽装問題の関係者の処分すら決まらなかった。
 山本氏は取締役相談役などとして残留することに意欲を示している。このため23日の臨時取締役会が紛糾する可能性がある。山本氏に対して社長退任を迫った外部の取締役や監査役が、山本氏の取締役としての留任に強く反対する見通しだ。
 同社にとって重要なのは経営の空白を作らないことだ。後継社長には若手執行役員らが候補にあがっているほか、外部起用の案もある。できるだけ早く新しい経営陣を選び、再出発できるかが再生への試金石となる。


日本経済新聞 2015/6/23 1:40
東洋ゴム偽装「会社に不祥事の風土」 調査チームが指弾
 「信じがたい事実が次々に判明した」。免震装置の性能データ偽装問題で、東洋ゴム工業の社外調査チームが22日、最終報告書を発表した。記者会見した調査チームのメンバーからは、同社の企業体質などについて厳しい指摘があがった。
 調査を担当した小林英明弁護士らは同日午後、大阪市中央区で記者会見に臨んだ。本文だけで290ページに上る調査報告書を手にした小林弁護士は、一連の問題の原因について「(改ざんに関与した)個人の資質ではなく、企業風土に求めざるを得ない」と厳しい言葉で指摘した。
 東洋ゴム工業の体質について「同様の不祥事につながる風土が根付いている」と批判。過去に同社が起こした断熱パネルのデータ改ざん問題にも言及し、「これで改革に失敗したら会社の未来はない」とクギを刺した。
 記者会見は約1時間に及んだ。質問は組織的な不祥事隠しの有無にも及んだが、弁護士らは否定した。


日本経済新聞 2015/6/23 1:42
大臣認定「チェック強化を」 国交省有識者委、東洋ゴム問題で
 東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムの性能データ偽装問題で、国土交通省は22日、原因究明と再発防止策を検討する有識者委員会を開いた。不正を見抜けなかった「大臣認定制度」を見直し、審査段階で立ち入り検査を導入する案などがあがった。7月末に提言をまとめる。
 委員会で示された案では、大臣認定を取得した後の出荷段階でも、専門家がサンプル調査を行い、品質に疑念がある場合は国が直接検査をすることとした。免震材料以外でも大臣認定の対象となる製品については(1)安全に直結する(2)民間による性能検証が困難(3)過去に不正を行った企業――の条件にあてはまる場合、チェックを強化する。
 免震ゴムなど新技術の建築材料を建物に設置するためには大臣認定を取得する必要がある。企業は、国が指定する性能評価機関の審査を受けて国交省に申請するが審査は書類だけでよかった。
 同委員会の深尾精一委員長(首都大学東京名誉教授)は最終報告書が品質保証部門も不正に関与していたことを指摘したことに関連し、「生命に関わる製品をつくる企業として困る」と批判した。
 一方、問題の装置が使われた自治体からは不満やいらだちの声が上がった。神奈川県は県立神奈川芸術劇場が入る横浜市の複合施設で問題の装置が使われており、県文化課の担当者は報告書について「われわれにとって一番大事な装置の交換には触れていない」と不満を漏らす。


日本経済新聞 2015/6/22 20:48
経営陣が公表遅らせる 東洋ゴム偽装で最終報告
 免震ゴム性能の偽装問題で東洋ゴム工業は22日、弁護士らで構成する社外調査チームの最終報告書を公表した。経営陣が2014年夏以降に何度も性能不足の報告を受けながら、公表や出荷停止を遅らせていた経緯が明らかになった。不正を防ぐはずの品質保証部門もデータを改ざんしていた。調査チームの小林英明弁護士は経営陣の不適切な対応や企業風土を強く批判した。
 最終報告書では、偽装に関係した人数は4月の中間報告書の段階から増えて合計4人になった。開発部門だけでなく品質保証の担当者1人も含まれていた。顧客からのクレームを避けるため、製品ごとの性能の違いを小さくするよう数値を書き換えていた。このほかに9人が関わった疑いがあるとしている。


 経営陣が不正を認識するまでの経緯も報告書で明かされた。
 免震ゴムの性能不足は昨年夏から経営陣に報告されていて、昨年9月16日午前の会議では信木明会長(当時は社長)らが出荷停止や国土交通省への報告を決めた。しかし、午後には性能評価のやり方を見直せば認定基準に達し性能不足にならないとして、これを撤回していた。
 10月23日に開かれた会議では、山本卓司社長(当時は専務)らは大臣認定の基準に達しない製品が26あるなど免震ゴムの性能不足の詳しい報告を受けた。その際、他の取締役を含めて不適合の製品を10件未満にする方向で検討することや、すぐに国交省への報告や出荷停止をしないことなどを申し合わせていた。
 直前の10月17日には、伊藤和行取締役常務執行役員が免震ゴムを扱う事業本部長に対し「担当者の処分を含めて大きな問題が表面化する。もう逃げられないと覚悟している」とのメールを送付。技術統括の伊藤取締役が免震偽装の問題の深刻さを強く認識していたことになる。
 東洋ゴムはこれまで、山本社長が正確に事態を把握したのは1月末だと説明し、2月に製品を出荷停止にした。問題の免震ゴムは全国の病院や商業施設など計154棟で使われている。代替製品の生産も遅れ、顧客の批判も強まっている。
 小林弁護士は「企業風土の変革には激烈な痛みを伴うが、抜本的な変革をする覚悟が求められている」と結論づけた。


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