2015-06-30(Tue)

東洋ゴム免震偽装 隠蔽体質を根絶せよ 顧客軽視が招いた

第三者委が再発防止策の素案「不十分」と批判

東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムの性能データ偽装問題で、
再発防止策を検討する国土交通省の有識者委員会は29日、同社に対し、
品質管理などに関する対策の外部公開のほか、
交換のスケジュールや方法の明示を求めることを決めた。
 
同日の会合後に記者会見した深尾精一委員長(首都大学東京名誉教授)は
同社がまとめた再発防止策について
「顧客への対応がほとんど示されていない。メーカーの姿勢に疑問を感じざるを得ない」と批判。
「担当者個人の問題ではなく組織全体の問題であり、誠に遺憾だ」とも述べた。
(日経)

<各紙社説>
読売新聞)免震ゴム不正 企業風土の刷新が欠かせない(6/25)
毎日新聞)免震ゴム不正 隠蔽体質を根絶せよ(6/26)
日本経済新聞)顧客軽視が招いた免震偽装 (6/25)
西日本新聞)免震ゴム不正 ためらいが傷口を広げた(6/26)




以下引用

日本経済新聞 2015/6/29 21:35
国交省有識者委、東洋ゴムを批判「顧客対応に疑問感じる」
 東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムの性能データ偽装問題で、再発防止策を検討する国土交通省の有識者委員会は29日、同社に対し、品質管理などに関する対策の外部公開のほか、交換のスケジュールや方法の明示を求めることを決めた。
 同日の会合後に記者会見した深尾精一委員長(首都大学東京名誉教授)は同社がまとめた再発防止策について「顧客への対応がほとんど示されていない。メーカーの姿勢に疑問を感じざるを得ない」と批判。「担当者個人の問題ではなく組織全体の問題であり、誠に遺憾だ」とも述べた。


毎日新聞 2015年06月29日 20時31分
東洋ゴム:第三者委が再発防止策の素案「不十分」と批判
 東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムのデータ改ざん問題で、再発防止策などを検討する国土交通省の有識者による第三者委員会(委員長=深尾精一首都大学東京名誉教授)は29日、同社の再発防止策の素案を「顧客や消費者への対応が不十分。不正な免震材料の交換・改修への対応方針が示されていない」と批判し、改善を求める見解を示した。
 東洋ゴムは今月、再発防止策を公表。7月中に全ての生産拠点・事業の検査工程で性能データ測定が適正かを緊急点検▽弁護士などを入れた「品質・コンプライアンス(法令順守)調査委員会」を新設して全生産工程を恒常的に監査−−するとした。
 これに対し、第三者委は不十分と指摘。交換・改修の方法、スケジュールを所有者らに示す▽交換・改修が完了するまでの所有者らの不安に対応するため、社内に常設の専用相談窓口を設置する−−ことを要求した。国交省は近く、第三者委の見解を東洋ゴムに伝える。【坂口雄亮】


レスポンス 2015年06月30日(火) 17時54分
東洋ゴム、免震ゴム対策統括本部を正式組織として設置
東洋ゴムは、「免震ゴム対策統括本部」を正式組織として設置するなどの組織改正を7月1日付けで実施すると発表した。
東洋ゴムは、免震ゴム問題の緊急組織として設置した「免震ゴム対策統括本部」を正式組織として採用。今秋での辞任を発表している山本卓司社長が本部長を努め、久世哲也常務、市原貞男常務が副本部長に就任する。
また、再発防止策として、法令順守を総括するコンプライアンスオフィサー制度を導入。チーフコンプライアンスオフィサーは、高木康史常務が務める。
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読売新聞 2015年06月25日 01時01分
社説:免震ゴム不正 企業風土の刷新が欠かせない


 失墜した信頼の回復は容易ではあるまい。
 東洋ゴム工業が免震ゴムの性能を偽っていた問題で、弁護士による社外調査チームが最終報告書をまとめた。
 山本卓司社長ら経営陣は社内会議の資料により、昨年8月までに不正を把握していたはずだ。調査チームは、そう指摘した。
 だが、出荷停止の決定は先送りされ、今年2月に国土交通省に報告するまで不良製品の納入が続いた。山本社長は「データの解釈が難しかった」と釈明したが、事態の重大性を過小評価し、適切な対応を怠った責任は極めて重い。
 東洋ゴムは、山本社長ら取締役5人の辞任を発表した。社外取締役を除く取締役全員が退陣することになる。当然の対応である。
 問題のある免震ゴムが使われた建物は、30都府県の154棟に及ぶ。東洋ゴムは、データ改ざんについて、10年以上にわたって性能試験を1人で担当してきた社員の個人的不正と説明していた。
 ところが、今回、さらに3人が数値を改ざんしていた事実が判明した。性能試験担当者に改ざんを働きかけるなどした疑いのある社員も9人に上る。
 不正の動機として、報告書は、納期に間に合わせようとしたことなどを挙げた。メーカーとして最も重視すべき製品の安全性より、目先の都合を優先させる意識が社内に蔓延しているとみられても仕方がないだろう。
 報告書が、「不祥事の発生につながる風土が根付いている」と指弾したのは、もっともだ。
 改ざんに手を染めた1人が、品質保証部門の社員だった点も看過できない。
 東洋ゴムでは、2007年に防火用断熱材の性能偽装が発覚し、当時の社長が引責辞任した。自社製品のチェック役となる品質保証部門はその際、再発防止策の柱として新設された。
 それが全く機能しなかったばかりか、不正に加担する形となった。自浄能力の欠如は深刻である。
 報告書によると、社外取締役や社外監査役がデータ改ざんに関する説明を受けたのは、国交省への報告の直前だった。経営陣には、外部の目をガバナンス(企業統治)の強化に役立てるという発想がなかったということだ。
 東洋ゴムは、主力のタイヤ事業を含む全部門の工場で、弁護士らも交えて緊急監査を実施する。前回のような、おざなりな対策では再生はおぼつかない。企業風土の刷新が不可欠である。



毎日新聞 2015年06月26日 02時30分
社説:免震ゴム不正 隠蔽体質を根絶せよ


 「不祥事の発生につながる風土が根付いている」
 東洋ゴム工業が免震ゴムの性能データを改ざんしていた問題で、弁護士による社外調査チームは厳しい表現で、規範意識に欠ける企業体質の抜本的な改革を求めた。同社が山本卓司社長ら生え抜きの取締役5人全員の辞任を発表したのは当然であり、一から出直す覚悟で信頼回復に努めなければならない。
 同社は当初、子会社の開発技術部で性能試験を10年以上1人で担当した社員による個人的な不正と説明した。ところが社外調査の結果、担当者の後任ら3人も数値を改ざんしていたことがわかった。担当者らに改ざんを働きかけるなどした疑いのある社員も9人に上った。
 東洋ゴムは2007年に建材用断熱パネルの性能偽装が発覚し、社長が引責辞任している。その際、監査機能を強化したが、今回はその機能を担う部門までもが不正に加わっていた。過去の教訓は、生かされなかった。
 さらに問題なのは、子会社の社長が不正の報告を受けてから、今年2月に出荷停止を決めるまで1年も要したことだ。経営判断の甘さだけでなく、会社ぐるみの隠蔽(いんぺい)体質があったと言われても仕方がない。
 役員も出席した昨年10月の社内会議では膨大な費用がかかるリコール(回収・無償修理)は、せずに済ませたいという意見が出たり、内部告発に備えて会社に不満を持つ社員らのリスト作成が提案されたりした。いずれも却下されたものの、コンプライアンス(法令順守)意識の希薄さを強くうかがわせる。
 免震装置は地震の多い日本では国民の生命・財産を守る重要なシステムで、メーカーの製造責任は重い。ところが同社にはその自覚が欠如していたとしか思えない。専門知識を持つ上司を配置しないなどリスク管理はずさんだった。消費者を不安に陥れた社会的責任は重大である。
 東洋ゴムの売上高の約8割はタイヤ事業が占め、免震装置は1%に届かない。非主力分野だからという理由で、安全性をおろそかにした面がなかったか。さらに検証を進める必要がある。
 同社は再発防止策として、弁護士も加わって全生産工程を恒常的に監査する調査委員会の新設などを掲げる。形式的な取り組みではなく、意識の変革が伴わなければならない。
 基準に満たない免震ゴムが使われている建物は30都府県の154棟に広がった。震度6強〜7程度の地震で倒壊する恐れはないと調査で確認されたとはいえ、交換作業に2年以上かかるという。市民生活に不安を広げない丁寧な対応が求められる。



日本経済新聞 2015/6/25付
社説:顧客軽視が招いた免震偽装


 安全性への感度が鈍すぎないか。東洋ゴム工業が免震ゴムの性能データを改ざんしていた問題だ。社外の弁護士で構成する調査チームは最終報告書のなかで、経営陣が性能不足の疑いを把握しながら迅速に手を打たなかったことを強く批判した。
 これを受け同社は信木明会長と山本卓司社長らが辞任すると発表した。免震偽装問題の社会的な影響を考えれば経営責任の明確化は当然だろう。安全最優先の企業に変わるため抜本改革が必要だ。
 免震ゴムを製造する東洋ゴムの子会社でデータ改ざんの疑いが発覚したのは2013年夏だった。だが出荷を停止したのは今年2月で約1年半も後になった。不正は1990年代から続いており、免震ゴムの性能が不足または不明の建物は154棟に上っている。
 報告書は問題を知ってからの経営陣の判断の甘さを厳しく指摘した。すぐに十分な調査に動かず、公表や出荷停止を先送りして問題を広げたことだ。
 リコール(回収・無償修理)の場合は補償費用が膨大になるなどの意見が会議で出て、対応を先延ばしした様子も記している。製品の性能が人命にかかわるとの認識はどこまであったのだろうか。
 深刻なのは開発部門だけでなく品質保証部門の担当者もデータ改ざんにかかわっていたことだ。品質のチェック役が不正に関与していたことに驚く。
 コンプライアンス(法令順守)意識の希薄さや内部統制のずさんさが今回の不祥事につながったのは確かだろう。ただし根っこの問題は、顧客の利益を第一に考える姿勢が欠けていたことではないか。東洋ゴムは07年にも断熱パネルの性能偽装問題を起こしている。顧客を向いた経営に変わらなければ、不祥事の根は断てまい。
 同社は法令違反に関する問題を議論する委員会も置いていたが、形骸化していた。いくら組織をつくっても、動かす人の意識が伴わなければ十分に機能しない。ほかの企業にとっても戒めになる。



=2015/06/26付 西日本新聞朝刊=
社説:免震ゴム不正 ためらいが傷口を広げた


 早期発見・早期治療は病気だけでなく、企業の不祥事にも有効だ。どうしようかと迷い、ためらううちに傷口が広がってしまう。
 東洋ゴム工業(大阪市)がまさにそうだった。何回か問題を公表するきっかけがあったが、つじつま合わせで乗り切ろうとして、にっちもさっちもいかなくなった。
 同社の子会社が国の性能基準を満たさない免震装置ゴムを製造・販売していた。不正があったと同社が発表したのは今年3月だ。
 データ改ざんの可能性を認識した同社がどう対応したか。外部の弁護士による調査報告書がある。
 それによると、前任者から業務を引き継いだ従業員が疑問を抱き、2013年夏に上司に報告した。だが事態は放置され、再び持ち出されたのが14年2月だった。
 動きが出てきたのが同5月で、経営陣も認識するに至って会議場所も現場事業所から本社に移る。
 会議は重ねられたが、報告書を見る限り、問題の全容を把握しようとの強い姿勢はうかがえない。
 9月に転機があった。トップが出席した会議で、問題製品の出荷停止が検討され、国土交通省への報告なども準備された。しかし国の基準に適合させる方法があるとの提案があり、先送りされた。
 10月になると、問題をごまかせないことは明らかとなってきた。だが、会社の信用失墜や膨大な費用の発生などの影響を懸念し、またしても先送りしてしまった。
 関係者はさらに追い詰められていく。報告書は、その1人が12月に発信した「議論するほど八方ふさがりとなり、苦慮しております」との電子メールを紹介する。
 最終的に不正を認め、国交省に報告したのは今年2月だった。
 そもそも10年以上も1人の従業員が検査業務を担当するなど管理体制に問題があった。その背景として、報告書は免震積層ゴム事業が傍流だったことを挙げる。
 総売上高3千億円を超えるグループの中で同事業の売上高は7億円程度で約0・2%にとどまる。だから甘くなったとの言い訳は通用しない。高い授業料になった。

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