2015-07-02(Thu)

自民報道圧力 (4) 言論封じは許されない 150627-30

言論統制復活への危険な兆候だ おごりの体質根っこに 異論封じる動きは危険だ

<各紙社説・論説>
神戸新聞)自民の報道批判/言論を統制するつもりか(6/27)
山陰中央新報)自民報道批判/異論封じる動きは危険だ(6/27)
山陽新聞)安保報道の批判 言論封じは看過できない(6/27)
愛媛新聞)自民党のマスコミ批判 言論統制復活への危険な兆候だ (6/28)
徳島新聞)自民党勉強会 言論封じは許されない (6/28)

高知新聞)【報道批判】自由民主の党名が泣く(6/27)
熊本日日新聞)報道批判の暴言 自民1強“驕り”の極みだ(6/27)
宮崎日日新聞)報道圧力問題 異論押さえ込む姿勢危険だ(6/30)
南日本新聞)[自民報道批判] おごりの体質根っこに(6/28)




以下引用



神戸新聞 2015/06/27
社説:自民の報道批判/言論を統制するつもりか


 安倍晋三首相に近い自民党若手議員の勉強会で、耳を疑うような発言が次々に飛び出した。
 安保関連法案を批判する報道に業を煮やしたのか、ある議員は「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」と言い放った。
 気に入らない報道番組があるのだろう。「悪影響を与えている番組を発表し、スポンサーを列挙すればいい」との発言もあったという。
 自民党内の問題発言は過去、たびたび物議を醸してきたが、今回はメディアを攻撃し、言論統制の意図さえ感じさせる内容だ。
 政権批判を認めない姿勢は、独善というしかない。「言論・報道の自由」を否定するような言動は民主主義の根底を揺るがす恐れがある。容認するわけにいかない。
 それだけではない。勉強会に招かれた作家の百田尚樹氏は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する地元2紙を非難する声に応え、「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」などと語った。これを制するような発言はなかった。
 百田氏の発言内容の危うさに、思いが至らなかったのだろう。参加した議員の意識も問われる。
 さすがに与党内でも問題視する声が上がった。石破茂地方創生担当相は「言論の弾圧と受け取られかねないよう心しなければならない」と述べた。政権与党として、謙虚な姿勢を保つのは当然だ。
 勉強会は、憲法改正推進を掲げる「文化芸術懇話会」の初会合で、1~2期目の議員を中心に約40人が出席した。途中退席したというが、加藤勝信官房副長官ら首相側近の姿もあった。
 きのうの衆院特別委員会理事会では、与党側が「該当の議員を厳重注意する」と述べた。会合では、米軍基地の負担にあえぐ沖縄への無理解な発言もあったとされる。自民党は発言者や発言内容など事実関係を明らかにすべきだ。
 残念なのは、この問題を取り上げた民主党の辻元清美氏らの質問に対する首相の対応だ。「発言内容を自ら調べる時間はなかった」などと繰り返し、具体的な言及は避けた。
 若手議員らの発言の背景には、安保法案に批判が高まる現状へのあせりもあるのだろう。だが、首相が質問をはぐらかす姿勢を取り続けるようでは、国民の理解は得られない。
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山陰中央新報 ('15/06/27 )
論説 : 自民報道批判/異論封じる動きは危険だ


 安倍晋三首相に近い自民党の若手議員たちが勉強会を発足させた。「文化芸術懇話会」という看板を掲げ、文化人や芸術家と意見交換する場としているが、党本部で開いた初会合では、安全保障関連法案への理解が広がらないとして、報道機関に対する批判が噴出した。
 漏れ伝わってきた会合の様子では、出席議員から「マスコミを懲らしめるには広告料収入をなくせばいい」などと、メディア規制とも取れる発言があったようだ。さらに講師として招かれた作家の百田尚樹氏は講演終了後、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり沖縄県の地元2紙が批判的だとの意見が出たのを受け「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と発言したという。
 会合には首相側近の加藤勝信官房副長官や萩生田光一・党総裁特別補佐も出席していた。野党は一斉に反発した。自民党内からも「報道の自由を脅かすようなことは適当でない」「冷静に発言してほしい」と声が上がり、首相は衆院平和安全法制特別委員会で「事実とすれば大変遺憾」とした。
 しかし、特定秘密保護法の成立から、安保関連法案に絡む国会会期の大幅延長や普天間問題に至る、政府や自民党の強引な姿勢には批判が高まっている。この時期にあまりにも軽率な言動ともいえ、猛省を求めたい。
 集団的自衛権の行使を可能にする安保関連法案などについて共同通信が先に実施した全国電話世論調査で、法案が「憲法に違反していると思う」との回答は56・7%で「違反しているとは思わない」の29・2%を大きく上回った。法案反対も58・7%。安倍内閣の支持率は47・4%と、前回より2・5ポイント下がった。
 衆院憲法審査会で参考人の憲法学者全員が「違憲」と主張したことで、与野党の見解は鋭く対立。首相は「法案の正当性、合法性には完全に確信を持っている」と反論し、自民党内からは「学者の言う通りにしていたら、日本の平和と安全が保たれたか極めて疑わしい」との声も上がったが、多くの国民は疑問を拭えないでいる。
 一方、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐっては、沖縄県内の反発は沈静化していない。世論の共感も広がりを見せており、反対派の地元経済人や有識者らがつくった「辺野古基金」の共同代表にアニメ監督の宮崎駿氏らが就任。沖縄以外からも幅広い寄付が集まっているという。
 百田氏に名指しされた地元2紙は県知事選や衆院選で示された移設反対の民意を理解して報道を続けている。それに対して勉強会に参加した議員たちからは、疑問が投げかけられたようだが、具体的に何が論点となるか、はっきりと示した上で意見表明するべきだった。
 秘密保護法をめぐり自民党が「新聞報道への反論」を文書にして党所属の国会議員全員に配布したことがあったが、このままでは勉強会もその延長線上にあるとみられかねない。
 一連の問題発言はあまりに乱暴だった。民主主義のルールに従って議論や説明を尽くすのは当然であり、危険な異論を封じようとする動きであってはならないだろう。
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山陽新聞 (2015年06月27日 08時07分 更新)
社説:安保報道の批判 言論封じは看過できない


 安全保障関連法案に対する理解が広がらない現状をめぐって、自民党の若手議員の勉強会で報道機関への批判が相次いだことについて、きのう与野党に余波が広がった。
 勉強会では、集団的自衛権の行使を可能にする安保法案を批判する報道について、出席議員が「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」と発言した。講師として招かれた作家の百田尚樹氏は、沖縄県にある地元紙が政府に批判的だとの意見が出たことに対して「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と述べた。
 報道や言論を圧力で脅かし、批判を封じ込めるかのような発言である。菅義偉官房長官も「事実だとすれば、どう考えても非常識だ」と話した。百田氏は「冗談として言った」としているが、極めて遺憾と言わざるを得ない。
 勉強会は25日、安倍晋三首相に近い若手議員ら約40人が参加し初めて開いた。「文化芸術懇話会」との名称で、木原稔青年局長が代表を務めている。
 出席者によると、百田氏は集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明した上で、政府の対応について「国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ」と指摘した。沖縄県の2地元紙に関しては「つぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。
 発言に対し、沖縄2紙が強く反発したのは当然だろう。
 琉球新報社の潮平芳和編集局長は「『つぶさないといけない』という発言は沖縄2紙のみならず、国内のマスメディア全体の報道・表現の自由に対する重大な挑戦、挑発である」とし、沖縄タイムスの崎浜秀光編集局次長は「70年前の沖縄戦で、沖縄は本土の『捨て石』にされた。『中国に取られれば目を覚ますはずだ』との発言は、再び沖縄を捨て石にしようとする発想で、断じて許すことができない」とした。
 安保法案をめぐっては、今月4日の衆院憲法審査会で、参考人として招かれた憲法学者全員が「違憲」と明言して以降、「違憲論」が拡大し、法案審議では野党が攻勢を強めている。共同通信社の先日の全国電話世論調査でも、安保法案が「憲法に違反していると思う」との回答が6割近くに上り、「違反しているとは思わない」の倍近くになった。法案に対する国民の疑問が拭えていない状況だ。
 勉強会の発言の背景には、安保法案に反対する世論が広がっていることへのいらだちや焦りがあるとみられる。
 だが、理解が得られないからといって、意に沿わない報道や言論を圧力で押し込める考え方は看過できない。国民の疑問や不安を払拭(ふっしょく)し理解を求めようとするのなら、丁寧に説明を重ね、議論を尽くすべきである。
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愛媛新聞 2015年06月28日(日)
社説:自民党のマスコミ批判 言論統制復活への危険な兆候だ


 非常に危ない兆候だ。
 安倍晋三首相に近い自民党の若手議員による勉強会「文化芸術懇話会」で、安全保障関連法案に批判的な報道機関に対し、議員から「マスコミを懲らしめる」との発言が出た。講師として招かれた作家の百田尚樹氏も沖縄県の地元2紙を「つぶさないといけない」などと述べた。
 憲法で保障されている報道の自由、表現の自由を脅かす「暴言」と言わざるを得ない。名指しされた2紙だけの問題ではない。権力を批判するマスコミをなくすことは、国民の目と耳を奪うに等しい。戦前の言論統制の復活につながりかねない発言が、与党議員らから公然と出ることに強い危機感を覚える。
 安倍首相や菅義偉官房長官は「大変遺憾だ」「非常識だ」としたものの「事実とすれば」と注釈を付け、党執行部としての明確な陳謝もない。谷垣禎一幹事長も「主張の仕方には品位が必要だ」と、発言そのものをとがめようとはしなかった。
 当初、首相は関係者の処分にも否定的だったが、昨日になって代表を務める木原稔青年局長の更迭と発言者の厳重注意処分を決めた。騒ぎが大きくなったので、世論の反発をかわそうとする意図は明らかだ。
 勉強会はもともと、5月に発足したハト派と目されるグループ「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」に対抗して結成された。安倍首相の応援団を自任している。
 自民党は昨年、テレビ各局に選挙報道の中立を求める文書を送付。今年4月にもテレビ朝日とNHKの幹部を呼ぶなど、マスコミへの「口出し」を強めている。安倍首相もかつて、自ら報道番組を批判したことを「言論の自由だ」と強弁した。
 同じ言葉でも、権力者の側から出ると「脅し」になることを自覚していない。党執行部の本音が、こうした若手議員の奔放な発言につながっていると考えざるを得ない。
 一方で、ハト派グループの勉強会は、執行部の圧力で中止となった。幹部会議では、安保法案を批判するOB議員を「黙らせるべきだ」という意見まで出た。執行部が党内での異論封じ込めに躍起になっている。
 法案への国民の理解が広がらず、憲法学者からも「違憲」と批判されることへの焦りがうかがえる。本はといえば法案そのものが大きな誤りであり、説明の筋も通っていないことが最大の原因だ。異論を封じ込めようとしても、まったく意味がないことを自覚するべきだ。
 百田氏にも強く抗議しておきたい。沖縄の地元2紙に対する発言を「冗談だった」と説明しているが、そんな釈明が通るわけがない。
 「沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」という主張も、沖縄県民が被った痛みをまったく理解していない。再び沖縄を「捨て石」にしようとする発想は許し難い。発言を撤回するべきだ。
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徳島新聞 2015年6月28日付
社説:自民党勉強会 言論封じは許されない



 「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」。憲法第21条はそう定めている。
 自民党の中には、憲法の条文を十分に理解せず、言論や報道について論じる議員がいるようなので、あらためて読み直し肝に銘じてほしい。
 安倍晋三首相に近い自民党若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」で、安全保障関連法案に関して、出席者から報道機関に圧力をかけ、言論を封じようとする動きが出た。
 不見識極まりないことであり、看過できない。
 勉強会は作家の百田尚樹氏を講師に招いて開かれた。
 出席議員からは「マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなることが一番だ」として「文化人、民間人が経団連に働き掛けてほしい」などと、マスコミへの圧力を求める意見が出た。
 「沖縄の特殊なメディア構造を作ってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている」との発言もあった。
 見当違いだろう。沖縄の2紙は民意を背景に、良識に基づいて言論を展開していると言うべきだ。長年の懸案である米軍基地問題で県外移設を強く求めるのは当然である。
 もう一つ、見過ごせないのは、百田氏が「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と述べたことだ。
 百田氏の発言をめぐり、沖縄タイムス、琉球新報が出した共同抗議声明は「発言は、政権の意に沿わない報道は許さないという”言論弾圧“の発想そのもの」と指摘。「いずれ全国のマスコミに向けられる恐れのある危険きわまりないもの」として、言論、表現の自由を弾圧する動きに断固反対する決意を示した。
 私たち共通の問題と受け止め、2紙の声明を支持する。
 安保法案を審議する衆院平和安全法制特別委員会では、報道機関への圧力との指摘に対し、安倍首相が「報道の自由は民主主義の根幹だ。尊重されなければならないというのが安倍政権、自民党の立場だ」と述べた。
 野党は民主党の岡田克也代表が「自民党のメディアに対する締め付けがだんだんあらわになってきた」と非難するなど、追及する構えだ。
 このところ、報道機関への圧力とも取れる動きがあるのは問題である。
 自民党は安保法案審議への影響を懸念して、勉強会代表の議員を処分したが、それで済むものではない。
 今の自民党に、衆院選の圧勝で、勉強会のように何を言っても大丈夫だとの意識はないのか。傲慢さを反省し、改めてもらいたい。良識ある議員こそ声を大にすべきだ。
 過去2回の政権交代が示すように、国民不在の政権運営を続け、有権者の信を失えばその末路は哀れである。
 延長国会では、政府・与党が数の力で安保法案を成立させる気配も見え始めた。
 自由な言論と報道で、政府を厳しくチェックしたい。
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高知新聞 2015年06月27日08時13分
社説:【報道批判】自由民主の党名が泣く


 「自民党は自由と民主主義を大切にする政党だ」。安倍首相が国会答弁で強調する言葉がむなしく響く。
 党若手議員の勉強会。沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、講師を務めた作家の百田尚樹氏が「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と主張した。
 「私は君の意見には反対だ。だが君がそれを主張する権利は、命を懸けて守る」
 フランスの思想家、ボルテールのこの精神こそ民主主義の根本だ。これに反して、意見を異にする新聞社はつぶせばいい―。そんな言論弾圧の言葉がペンによって立つ作家で、NHK経営委員も務めた百田氏の口から出たことにあきれる。同じ報道機関として断じて見過ごすことはできない。
 出席議員から百田氏をたしなめる声は上がらなかったのか。報じられているのは逆に、「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との意見である。
 異様な会合と言うほかない。首相が「大変遺憾だ」と述べたのは当然だ。しかし言葉とは裏腹に、自民党には言論・報道の自由を軽視する体質があるのではないか。
 報道番組で「やらせ」などが指摘されたNHKと、出演者が官邸を批判したテレビ朝日の関係者を同党が呼び、事情聴取したのは記憶に新しい。放送事業者が自主的に解決すべき問題への政治的圧力、介入と受け取られかねないやり方だった。
 今回の勉強会に対して、首相は「党の正式な会合ではない」とも述べている。「自民党は意見が自由に言える政党だ。自由な議論は制限しない」と「擁護」する閣僚もいる。
 内々の秘密会なら何を言っても良いというものではない。普遍の価値である民主主義の否定につながる意見はチェックし、排除していくのが政党としてのあるべき姿勢だろう。
 安倍首相との共著もある百田氏は、首相に近い人脈とされる。特定秘密保護法案に反対する市民デモを、テロ行為と同一視する発言をした党幹部もいた。若手議員らはこうした先輩の「背中」を見ていよう。
 党全体として報道・表現の自由をあらためて徹底しなければならない。そうでなければ自由民主党の名前が泣くというものだ。
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熊本日日新聞 2015年06月27日
社説:報道批判の暴言 自民1強“驕り”の極みだ


 「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」。こともあろうに、自民党議員の会合で出た暴言である。「報道の自由」の否定であり、到底容認できない。自民党1強体制の驕[おご]りの極みを見た思いがする。
 安倍晋三首相に近い若手議員約40人が25日に開いた「文化芸術懇話会」の初会合で、安全保障関連法案への国民の理解が広がらない現状に報道機関への批判が噴出したのである。同懇話会は木原稔青年局長(衆院熊本1区)が代表を務める勉強会で、首相側近の加藤勝信官房副長官らも出席した。
 法案に対する理解が広がっていないことを、報道機関のせいにする姿勢に驚かされる。憲法学者などから違憲と指摘される内容そのものや、多くの疑問に正面から答えないまま、国会の大幅な会期延長までして何が何でも成立させようとする安倍政権の姿勢に原因がある。見当違いもはなはだしい。
 民主党など野党各党は、「政権の危なさを痛感する」「戦前の雰囲気に戻ったようだ」などと一斉に批判している。当然のことだ。与党の公明党も「政治に関わる者として言論・報道の自由を尊重すべきだ」と苦言を呈した。
 自民党は、26日の衆院平和安全法制特別委員会の理事会で与党筆頭理事の江渡聡徳前防衛相が「申し訳ない。該当の議員を厳重注意する」と述べ、陳謝した。
 安倍首相も同委員会で「事実とすれば大変遺憾だ」と表明。同時に「自民党は自由と民主主義を大切にする政党だ。報道の自由は民主主義の根幹だという中での議論だと思う」と釈明、「党の正式な会合ではない」とも述べた。その答弁ぶりは重大性をどれだけ認識しているのか疑問を抱かせる。
 沖縄県の米軍普天間飛行場の移設をめぐり、地元2紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、「つぶさないといけない」と発言したのは講師として招かれた作家の百田尚樹氏である。集団的自衛権の行使容認に賛成の立場を表明し、「沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」とも主張した。
 百田氏は安倍首相との親交で知られるが、NHKの経営委員時代も政治的問題発言を繰り返した。百田氏は共同通信の電話取材に対し、「オフレコに近い発言で、冗談として言った」と述べたが、それで済む問題ではない。
 安倍政権下では、自民党による報道機関への圧力と受け取られる例がこれまでにもあった。昨年の衆院解散の前日、選挙期間中の報道の公平性を確保し、内容にも配慮するよう求める文書を在京テレビ各局に渡していた。また、今年4月には放送内容をめぐり、NHKとテレビ朝日の関係者を呼んで事情聴取をしている。
 今回の「報道の自由」を否定する暴言は、自民1強のゆがみを如実に表すものだ。あまりに稚拙で乱暴としかいいようがない。安保法案に対する国民の不信感はますます高まるに違いない。
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宮崎日日新聞 2015年6月30日
社説:報道圧力問題 異論押さえ込む姿勢危険だ


 安倍晋三首相に近い自民党若手議員の勉強会で、安全保障関連法案をめぐり報道機関に圧力をかけ、言論を封じようとする動きが出たことに批判が高まっている。
 「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい」といった同党議員の発言はもちろん、衆院平和安全法制特別委員会で謝罪を拒んだ安倍首相の姿勢に疑問を持たざるを得ない。主張を通すためなら異論ある者を攻撃する危険な空気の中で、安保法案審議が続くことに強い危機感を覚える。
民主主義根幹揺らぐ
 勉強会では安保法案についての理解が国民に広がらない現状を踏まえ、報道機関への批判が噴出したという。出席議員から沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、講師を務めた作家が「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」などと主張した。
 同じ地方紙として大きな衝撃を受けた。発想に驚き、沖縄の人々をなぜ傷つけるのだろうと悲しみと憤りが湧いた。「表現の自由」を持つ作家が今後、自身の言葉にどう責任を持つのか注視したい。
 恐ろしさが漂うのは発言内容ばかりでない。勉強会を覆った空気だ。沖縄の現状への理解と配慮に欠ける発言を疑問に思う議員はいなかったのか。青年会議所の理事長時代にマスコミをたたいてみた、と経験談を披露する同党議員を諫(いさ)める議員はいなかったのか。
 同特別委員会のテレビ中継では、安倍首相の見解をただす野党の質問時間に、首をかしげたり冷笑したりする議員の姿も見られた。民主主義の根幹を揺るがす重大な問題だと認識できているならば、笑いなど起きるはずがない。
問われる首相の責任
 これは青年局長の更迭などで済む話ではない。
 安保法案は戦後最大幅での国会延長を決めた。安倍首相のやじ問題、憲法学者の「違憲」見解などにより野党の追及は激しくなり、共同通信世論調査では法案が「憲法に違反していると思う」が56・7%で「違反しているとは思わない」の29・2%を大きく上回る。
 つまり安倍政権には逆風だ。その最中、安倍首相に近い議員が言論封じの方法を話題にした。非常に危険な考え方で、何としても法案を成立させようと政権が力む中、勉強会のたとえ一部でも「言論封じの勉強会」が行われたのだとしたらそれは政治的事件である。
 出席議員がその場で何を聞きどう振る舞ったか検証し、それぞれ民主主義への考え方を示してほしい。このままでは信頼して法案審議を見守ることはできない。
 安倍首相は29日も今回の事態に「遺憾だ」という言葉を使った。真に憂い、責任を痛感するならば心からの言葉が出てくるのではないか。異論は力で封じる。その恐ろしい空気を国民がどう感じているか、想像力を働かせるべきだ。
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南日本新聞 ( 2015/6/28 付 )
社説:[自民報道批判] おごりの体質根っこに


 耳を疑う暴言である。安倍晋三首相に近い自民党の若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」で飛び出した。
 安全保障関連法案への理解が広がらないとして、出席議員から「マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなることが一番だ。文化人、民間人が経団連に働き掛けてほしい」という声が上がった。
 「広告料収入、テレビの提供スポンサーにならないことが一番こたえる」との意見も出た。
 報道機関に圧力をかけ、意に沿わぬ言論を封じようとする動きは到底容認できない。
 背景には、安保法案の審議が進まない焦りもあるのだろう。メディアを威圧すれば思い通りになると考えているなら、勘違いも甚だしい。
 党本部で開かれた勉強会には約40人が参加した。首相側近の加藤勝信官房副長官や萩生田光一・党総裁特別補佐らも出席していた。
 あきれるのは、講師を務めた作家の百田尚樹氏の発言である。「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」などと語った。
 米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、沖縄県の地元2紙が批判的という意見が出たのを受け、持論を展開した。百田氏は首相と親しい間柄で知られる。
 これが勉強会といえるのか。議員らの一連の発言は、稚拙で乱暴としかいいようがない。
 根っこにあるのは、特定秘密保護法の成立強行をはじめ、安保関連法案に絡む国会会期の大幅延長や普天間問題などで見せた「自民1強」のおごりの体質だ。
 批判や異論に謙虚に耳を傾けようという姿勢から程遠い。
 安倍首相は衆院平和安全法制特別委員会の質疑で、「事実とすれば大変遺憾だ」とした。
 しかし、遺憾の一言で片付けられるような問題ではない。「党の私的な勉強会だ」とも述べている。民主主義の根幹を揺るがしかねない重大事だという危機感は伝わってこない。
 自民では別の若手グループの会合が中止になった。安保法案に批判的な講師を招く予定だったが、党幹部が自粛を求めたという。批判に神経をとがらせ、自由な議論を妨げるような空気は危うい。
 自民はきのう、勉強会代表の青年局長を役職停止処分とした。安保法案審議への影響を懸念し、早期収拾を図る狙いが透ける。
 処分して済む話ではない。党として会合の詳細を調査し、事実関係を明らかにしてもらいたい。
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