2015-07-09(Thu)

戦争法案 (13)沖縄の不安 やはり廃案にすべきだ 150707-08

沖縄・参考人質疑 衆院通過への口実にはできない 沖縄と安保 押しつけでなく対話を 国会は誠実に向き合え
 
<各紙社説>
朝日新聞)沖縄と安保 押しつけでなく対話を(7/7)
毎日新聞)安保転換を問う 沖縄の不安 国会は誠実に向き合え(7/8)
神戸新聞)安保法案の採決/国民の理解は得られない(7/8)
愛媛新聞)安保法案参考人質疑 衆院通過への口実にはできない (7/8)
沖縄タイムス)[沖縄・参考人質疑]賛成派も慎重さ求める(7/7)
琉球新報)安保法制参考人会 やはり廃案にすべきだ(7/7)



以下引用



朝日新聞 2015年7月7日05時00分
(社説)沖縄と安保 押しつけでなく対話を


 新たな安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会の参考人質疑が、那覇市で開かれた。
 米軍基地が集中する沖縄の人々は、この問題に、とりわけ複雑な視線を向けている。
 安倍政権のもとで、沖縄はいま、二重、三重の押しつけを受けているからだ。
 多くの沖縄県民の反対に耳を傾けようとしない名護市辺野古への新たな米軍基地建設、一内閣の強引な解釈改憲に基づく新たな安保法制、そして自民党の議員らによる沖縄県民や地元紙に対する侮辱的な発言……。
 これらは結局、同じ根をもつ問題ではないか――。野党推薦の稲嶺進・名護市長の指摘を、政府も、国会議員たちも重く受け止めるべきである。
 「法案が成立し、戦争に巻き込まれれば、米軍基地が集中する沖縄が『いの一番』に狙われる」「沖縄県民は70年前の戦争で、一番よく知っている。当時の日本軍部は本土防衛の防波堤、いわゆる『捨て石』として徹底抗戦を命じた」「もし有事となれば沖縄が真っ先に狙われ、70年前の二の舞いになる」
 野党推薦の大田昌秀・元沖縄県知事は「沖縄ほど憲法と縁のないところは全国どこにもない」と語った。
 沖縄は1952年に日本から切り離され、米軍の軍政下に引き続き置かれた。憲法が適用されたのは72年に日本に返還されてから。平和憲法にあこがれ、大切にしたい思いが強かったのに、いざ本土復帰したら「平和憲法ではなく、日米安保条約のもとに返されてしまった」。
 自民党議員らの侮辱発言について大田氏は「あまりにも沖縄を知らない」と嘆く。
 沖縄への無理解に対するいらだちに似た思いは、与党推薦の参考人も共通する。
 法案に賛成の立場の古謝景春(こじゃけいしゅん)・南城市長は「本土の方も、しっかり沖縄の基地問題を考えてほしい」と語る。
 いまや沖縄の経済は米軍基地に依存していない。中国をはじめ近隣国からの観光や物流の拠点として発展しつつある。
 古謝氏が「憲法9条は平和国家日本として守っていかねばならない」「平和外交の努力をもっとしっかりやってほしい」と求めたのは、多くの県民の思いと重なるはずだ。
 今回、与野党の国会議員たちが沖縄を訪ね、率直に意見を交わしたことは意味があった。
 参考人質疑は法案の衆院通過のための「儀式」ではない。沖縄の歴史と民意に思いを致し、議論を深めるための契機としなければならない。
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毎日新聞 2015年07月08日 東京朝刊
社説:安保転換を問う 沖縄の不安 国会は誠実に向き合え


 安全保障関連法案を審議している衆院の特別委員会の参考人質疑が、那覇市で開かれ、与野党推薦の5人の参考人が賛否それぞれの立場から意見を述べた。沖縄の歴史と日米同盟の最前線としての現状を踏まえた疑問や不安の声が多く出された。国会はこうした沖縄の声に応える議論をしているだろうか。
 野党推薦の参考人が強調したのは、新法制が整備されれば、自衛隊と米軍の一体化がさらに進み、米軍基地が集中する沖縄が狙われて戦争に巻き込まれ、再び戦場となることへの不安だった。
 稲嶺進・名護市長は、安倍政権が安保法制を進める「傲慢で独善的な手法」は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を強行する政府の本質を体現しており、自民党勉強会で出た沖縄県民への侮蔑発言や屈折した沖縄観とも通底していると語った。
 大田昌秀・元沖縄県知事は「沖縄ほど憲法と縁のないところは全国どこにもない」と話した。
 沖縄は、太平洋戦争末期に凄惨(せいさん)な地上戦を経験し、1952年に日本が独立した際も日本から切り離されて米軍統治下に置かれ、72年に本土復帰した後もなお今日まで過重な米軍基地負担を強いられている。
 大田氏は、米軍統治下の沖縄は憲法が適用されず、一つ一つ権利を自分たちの手で勝ち取ってきた、という。「それだけに今の憲法を非常に大切にしている。復帰運動の時も平和憲法のもとに返るのをスローガンにした。ところが、いざ返ってみたら、平和憲法でなく、日米安保条約のもとに返された」
 一方、与党推薦の参考人は、法案には賛成した。それでも古謝景春(こじゃけいしゅん)・南城市長は「政府が何をしようとしているのか、今なぜこの法改正が必要か、正確にわからない。国民にはまだまだ不安がある」と語り、中山義隆・石垣市長も「法案への理解が深まっているとはいえない」と慎重審議を求めざるを得なかった。
 新法制のもと、朝鮮半島やシーレーンで、自衛隊が米軍を後方支援したり集団的自衛権を行使したりする事態になれば、具体的に自衛隊と米軍はどう動き、沖縄をはじめ国内外でどんな影響が予測されるのか。国会ではほとんど議論されていない。
 沖縄の不安は、政権がいう「戦争法案というレッテル貼り」といった種類の話ではない。沖縄にとって、70年前の地上戦と戦後の歴史は脳裏に焼きついて離れない経験であり、基地は政治以前に暮らしの問題だ。国会はこの不安に誠実に応える審議をする責任がある。
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神戸新聞 2015/07/08
社説:安保法案の採決/国民の理解は得られない


 政府、与党は安全保障関連法案を今月中旬にも衆院通過させる方針を固め、審議日程の調整に入った。
 だが報道各社の世論調査は、反対が賛成を上回り、今国会での成立に慎重な意見が多い。憲法学者が法案の違憲性を指摘したのを機に、幅広い分野から撤回や廃案を求める声が相次いでいる。採決の環境が整ったとは到底いえない。
 安倍晋三首相が「国民の生命と平和な暮らしを守るためだ」と熱弁を振るっても、国民の不安が消えないのはなぜか。問題は法案の分かりにくさだけでなく、異論に耳を貸さず、数の力で持論を推し進めようとする安倍政権の「体質」にある。
 政府、与党はいったん立ち止まり、わが身を省みるべきだ。日程ありきで安保法案の今国会成立にこだわるべきではない。
 安倍首相は、自身に近い自民党議員らによる報道圧力発言について約1週間後にようやく謝罪し、「言論の自由を守るのが私たちの責任だ」と述べた。安倍政権は、これまでにも報道機関への介入と受け取られかねない言動を繰り返している。口先だけの反省でないことを、今後の国会審議で証明する必要がある。
 例えば、6日に那覇市の参考人質疑で出た厳しい意見にどう対応するのか。米軍基地が集中する沖縄は、安保法案への懸念がより切実だ。
 野党推薦の稲嶺進名護市長は「法案が成立すれば他国の紛争に巻き込まれ、沖縄が『いの一番』に標的にされる」と指摘した。大田昌秀元県知事は自民党議員らの沖縄県民への侮辱的な発言について「沖縄を知らなすぎる」と嘆いた。古謝景春(こじゃけいしゅん)南城市長ら与党推薦の2人は法案には賛成したが「国民にはまだまだ不安がある」として慎重審議を求めた。
 全員が言及したのが、多くの県民が犠牲になった70年前の沖縄戦だ。安保政策の転換を議論する時、誰もが沖縄の苦難の歴史から目を背けてはならない、との指摘である。重く受け止めねばならない。
 ところが、自民党内からは「国民の理解が深まるのを待っていたら、いつまでも採決できない」との声が聞こえる。最後は与党の多数で押し通せる、と考えているのだろう。
 意見を聴いた、と体裁を取り繕うようでは国民は納得しない。予定の審議時間が経過したからといって採決に突き進むべきではない。
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愛媛新聞 2015年07月08日(水)
社説:安保法案参考人質疑 衆院通過への口実にはできない


 安全保障関連法案の参考人質疑が、那覇市とさいたま市で行われた。国民の不安が全く解消されていないことを痛感する。
 安保関連法案が成立すれば、他国の紛争に巻き込まれ、米軍基地が集中する沖縄が「いの一番」に標的にされる可能性が高い―。稲嶺進・名護市長の切実な訴えに、政府は正面から向き合い、答えてほしい。
 県民の4人に1人が犠牲になった地上戦を経験し、本土復帰以降も在日米軍専用施設の74%を担わされて今に至る沖縄。軍事への依存がもたらす悲劇と苦悩は、県民が誰よりもよく知っている。その声に政府は真摯(しんし)に耳を傾けなければならない。
 安保法案の抱える危険性についてあらためて見つめることにもつながろう。他の多くの国民も答弁を待っている。説明さえしないなら論議は深まらない。
 那覇市では、与党推薦の古謝景春・南城市長が、法案に賛意を示す一方で「市民の多くは政府が何をしようとしているか、今なぜこの法改正が必要か、正確に分からない」と訴えた。中国船による尖閣諸島周辺への領海侵入など、脅威を身近に感じている中山義隆・石垣市長も、抑止力強化は心強いとしながら前提として慎重審議を求めた。
 これをもって賛同を得たとは言えまい。むしろ、現時点では賛成しかねるとの意思表明だと政府は重く受け止めなければならない。
 実際、なぜ法案を急ぐ必要があるのか、どんなときに武力行使を認めるかなどの根本的な問題についても、いまだ具体的に示していない。政府は曖昧な答弁に終始しており、到底納得できない。
 さいたま市では、野党推薦の弁護士3人がともに安保法案は「違憲」と指摘した。合憲との与党の論には、既に多くの憲法学者らが異議を申し立てているが、耳を貸そうともしない。
 共同通信が先月行った世論調査では、安保法案の今国会成立に63%が「反対」。84%が「説明不足」と答えている。安倍晋三首相には国会で一つ一つの疑問に答える責務がある。参考人質疑を、法案通過の手続きを済ませたとの口実に使うようなことは、あってはならない。
 政府、与党は、16日に衆院本会議で法案を可決する方針だ。自民党の高村正彦副総裁はテレビ番組で、過去の国連平和維持活動(PKO)協力法に触れ、「3国会を経たが、それで理解が進んだかというと、そうではない。あのときも憲法学者の8割が違憲だと言っていた」と指摘。国民の理解が十分得られなくても安保関連法案の採決に踏み切る考えを示唆した。
 過去の検証もせず、自らの判断は正しいと前のめりに走る。政権の強硬な姿勢は極めて危うい。時の政権の恣意しい的な判断で集団的自衛権を行使できる法案が通れば、いざというときに判断を誤る恐れがある。このまま採決を強行することは、断じて許されない。
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沖縄タイムス 2015年7月7日 05:30
社説:[沖縄・参考人質疑]賛成派も慎重さ求める


 安全保障関連法案を審議している衆院特別委員会は那覇市のホテルで参考人質疑を開いた。与野党推薦の5氏が賛否の意見を述べた。
 参考人は辺野古新基地や尖閣問題を抱える首長、沖縄戦体験者ら。実感の伴わない印象が強い国会論議と違い、それぞれ沖縄戦、現在直面する問題に基づく陳述となった。
 賛成、反対の立場にかかわらず、全員が沖縄戦に触れたのも特徴だ。反対を表明した参考人は「軍隊のいるところが戦場になる。沖縄が真っ先に狙われ、70年前の二の舞いになることは火を見るより明らか」と指摘した。沖縄戦から導かれた教訓である。
 参考人の5氏は、反対が稲嶺進名護市長、大田昌秀元知事、高嶺朝一前琉球新報社長、賛成が古謝景春南城市長、中山義隆石垣市長。
 注目されたのは、与党推薦で沖縄戦の激戦地となった南城市の古謝、尖閣問題を抱える中山両氏が安保法案に賛成しながらも「国民が理解できるよう丁寧な説明を」「平和外交の努力を」(古謝氏)、「あらゆる外交手段を用いて平和裏に」「国会で慎重に慎重を期した議論を」(中山氏)と求めたことだ。賛成する首長でさえ説明が足りず、慎重審議が必要と認識しているのである。
 古謝氏は安倍晋三首相の答弁を引き「専守防衛にとどまっている」、中山氏は中国公船が領海侵入を繰り返し、安保法案で「沖縄を含む日本全体の安全保障が担保される」と賛成の理由を挙げた。
    ■    ■
 一方、反対の稲嶺氏は辺野古新基地問題を取り上げ、「安保法案の進め方と辺野古移設作業は問題の根が共通している」と民意を無視した政府の姿勢を批判した。「県民の心に寄り添い、丁寧に説明し、理解をいただきたいというが、実際は言っていることとやっていることの整合がとれていない」のである。
 鉄血勤皇隊として沖縄戦に動員された大田氏は「辺野古新基地が造られ、戦争が起きたら攻撃の的になる。子や孫たちに同じ苦しみを体験させてはならない」と強調。委員らに「国会議員の中には戦争体験のない方々もたくさんいるが、沖縄が玉砕することを知っていながらあえて『捨て石』にして今日に至っている」と訴えた。
 高嶺氏は安保法案を先取りした動きがすでに沖縄で進んでいると分析する。米軍キャンプ・シュワブ、ハンセンで陸自と海兵隊の共同訓練が行われている。
 沖縄からは安保法案の危険性がよく見えるのである。
    ■    ■
 安倍首相は6日、15日ごろの採決を念頭に「国民の理解を得られるよう議論を尽くしていく」と述べた。だが、国民の理解が得られているとはとてもいえない。世論調査が示す通りだ。今回、賛成、反対を問わず、厳しい意見が出たことからもわかる。
 苛烈な地上戦が繰り広げられた沖縄の地で行われた参考人質疑を今後の審議に生かすことなく、採決へ向けた手続きとするなら、とても許せるものではない。
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琉球新報 2015年7月7日 6:02
<社説>安保法制参考人会 やはり廃案にすべきだ


 沖縄の歴史を鑑みても、現在の環境に照らしても、危険極まると言わざるを得ない。国会審議中の安全保障法制のことである。
 那覇市で開かれた衆院平和安全法制特別委参考人会で、5人の参考人のうち3人から反対や疑念が相次ぎ、賛成は2人にとどまった。
 政府・与党は今月中旬の衆院での強行採決を見込んでいるとされる。参考人会開催を「丁寧な審議をした」と装う材料にするつもりではないか。
 だが各種の全国世論調査を見ても、法案に反対か、少なくとも今国会での成立に慎重な意見が過半数を占める例が大半だ。参考人会でもそれがあらためて示された形である。強行採決の「環境」が整ったとは到底言えない。やはりこの法案は廃案にすべきだ。
 参考人会では、尖閣の中国公船領海侵入を挙げ「力による現状変更を許さないとしっかり示すことが大切だ」(中山義隆石垣市長)と法案に賛同する意見もあった。
 だが懸念の声も相次いだ。「(新たな法制で集団的自衛権が行使され)辺野古の新基地がグローバルに使われると、(今度は)世界中から沖縄が悪魔の島と呼ばれる」(稲嶺進名護市長)との意見も出た。「日米の軍事一体化が進むと沖縄の米軍基地は一層固定化する」との懸念も示された。それは沖縄にとって悪夢でしかない。
 興味深かったのは「トゥキディデスのわな」をめぐる議論だ。既存の大国は台頭する大国に脅威を感じる。そんな競合する二国の疑心は戦争を招くということを指す。
 グレアム・アリソン元米国防次官補の論文によると、過去500年にあったそうした事例15件のうち11件で実際に戦争が起きたという。アリソンは、台頭する中国を日本が恐れる結果、局地戦が起き、米国が巻き込まれれば世界大戦に発展しかねないと警鐘を鳴らす。
 米国は南シナ海での米軍と自衛隊の共同パトロールを望んでいる。参考人会で識者が指摘したように、戦後の日本はかつて米国の戦争に反対したことは一度もない。米国の要求に付き従うばかりだった過去を考えると、南シナ海での日中衝突のシナリオは現実味を帯びてくる。
 軍事力への傾斜は緊張を高め、戦争を招く。戦争となれば「軍隊は住民を守らない」というのが沖縄戦の教訓だ。軍事力への傾斜は抑止力どころか惨事をもたらすというのが歴史的事実なのである。
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