2015-07-19(Sun)

辺野古埋め立て 翁長知事、承認取り消しへ 150716

辺野古検証報告書 法的に4つの瑕疵 第三者委が報告
「法的瑕疵」の指摘は重い 承認は取り消すしかない 新基地は直ちに中止が当然だ


<報道記事>
沖縄タイムス)翁長知事、承認取り消しへ 辺野古埋め立て 法的に4つの瑕疵(7/17)
琉球新報)辺野古承認に「瑕疵」、第三者委が報告(7/17)

<各紙社説・主張>
朝日新聞)辺野古移設―政権は沖縄の声を聞け(7/17)
毎日新聞)辺野古埋め立て 作業中止し話し合いを(7/19)
しんぶん赤旗)辺野古検証委報告 新基地は直ちに中止が当然だ(7/19)
京都新聞)「辺野古」の検証  「瑕疵」との指摘は重い(7/18)
神戸新聞)辺野古報告書/「法的瑕疵」の指摘は重い(7/18)
山陰中央新報)普天間移設/立ち止まり真摯な対話を(7/19)
中国新聞)辺野古検証報告書 沖縄の民意に向き合え(7/18)
南日本新聞) [辺野古埋め立て] 瑕疵認めた指摘は重い(7/18)
琉球新報)辺野古検証委報告 承認は取り消すしかない(7/17)
沖縄タイムス)[第三者委「瑕疵」報告]新基地阻止 次の段階へ(7/17)

普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認手続に関する第三者委員会
2015年7月16日 委員会検証報告書概要版(PDF:83KB)
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/somu/gyokaku/documents/houkokusho_gaiyou.pdf






以下引用

ホーム > 基地 > 普天間問題 > 告知・啓発事項 >
更新日:2015年7月16日
普天間飛行場代替施設建設事業に係る公有水面埋立承認手続に関する第三者委員会
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/somu/gyokaku/daisanshaiinkai.html
委員会検証報告書
本委員会における検証報告書の概要版を公表します。報告書の全体版及び関係資料等については、今後公表する予定です。
検証報告書概要版(PDF:83KB)
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/somu/gyokaku/documents/houkokusho_gaiyou.pdf
委員会開催状況

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沖縄タイムス 2015年7月17日 05:15
翁長知事承認取り消し辺野古埋め立て 法的に4つの瑕疵


辺野古第三者委は承認手続きに4つの法的瑕疵があると報告
翁長知事は8月中にも承認を取り消す公算が大きくなった
• 報告では、県の審査に欠落があり審査が不十分とも指摘した

第三者委員会の報告について記者の質問に答える翁長雄志知事=16日午前10時29分、県庁

 名護市辺野古の新基地建設に関する埋め立て承認をめぐり、手続きに瑕疵(かし)があるかどうか検証してきた第三者委員会の大城浩委員長は16日、県庁で翁長雄志知事に報告書を手渡した。埋め立て申請は法の要件を満たさず、これを承認した手続きに四つの法的瑕疵があると結論づけた。早ければ8月中にも知事が承認の取り消しに踏み切る公算が大きくなっており、県は沖縄防衛局への聴聞手続きに入る見通しだ。
 報告書を受け取った翁長知事は会見で「顧問弁護士らの意見を聞き、内容を精査した上で承認取り消しを含めて対応を考える。最大限(報告書を)尊重することに変わりはない」と述べた。
 報告書は全部で600ページ以上の構成だが、A4の要約版2枚だけが記者に配布された。知事は「精査が終わり次第、関係資料、議事録を含めて公開する」と説明するにとどめ、公開時期は明示しなかった。
 報告書は(1)埋め立ての必要性に合理的な疑いがある(2)埋め立てで生じる利益と不利益を比べると合理的ではない(3)環境保全措置が適正と言い難い(4)法律に基づく既存の環境保全計画に違反している可能性が高い-などと指摘。公有水面埋立法上の瑕疵を認定した。
 普天間飛行場を移設する必要性があることを根拠に、ただちに辺野古埋め立ての必要性があると判断した県の審査に欠落があり、審査が不十分である点も指摘した。
 同委員会は知事がことし1月に設置。弁護士や環境の専門家6人で構成され、埋め立て承認の審査に関わった県職員からの聞き取り調査など、6月末までに非公開で12回開かれた。
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琉球新報 2015年7月17日 6:57
辺野古承認に「瑕疵」、第三者委が報告


大城浩委員長(左)から報告書を受け取る翁長雄志知事=16日午前10時すぎ、県庁 第三者委員会の報告書骨子
 米軍普天間飛行場の移設計画に伴う前知事の名護市辺野古の埋め立て承認を検証してきた第三者委員会の大城浩委員長は16日、「承認には法律的瑕疵(かし)が認められる」と結論付けた報告書を翁長雄志知事に提出した。翁長知事は第三者委の報告を「最大限尊重して、私の判断を出していく」としていて、8月下旬にも取り消しの方向性を固め、手続き上必要な沖縄防衛局への聴聞を経て、9月中に取り消しに踏み切る公算が大きい。
 報告書を受け取った翁長知事は記者団に「顧問弁護士の意見を聞くなど内容を精査し、埋め立て承認の取り消しも含めどのように対応することが効果的なのか慎重に検討したい」と述べた。判断の時期については「工事が次の段階に入ろうとすることなどを横目でにらみながらだ。相手があることなので言えない」とした。
 報告書は(1)「普天間飛行場移設の必要性」からすぐに辺野古埋め立ての「必要性」があるとした点に審査の欠落がある(2)埋め立てによる利益と不利益を比較すると合理的と言えない(3)知事意見などに十分に対応していないことなどから環境保全措置が十分とは認めがたい(4)生態系保全を掲げて県が策定した「生物多様性おきなわ戦略」などに違反している可能性が高い―などと指摘し、公有水面埋立法に照らして承認には法的な欠陥があったと結論付けた。
 関係者によると、報告書本文では森本敏元防衛相が在任中に「軍事的には沖縄でなくてもよいが、政治的に考えると沖縄が最適の地域だ」と言及したことに触れ「埋め立ての必要性」が満たされていないと指摘している。
 また2003年に県が制定した琉球諸島沿岸海岸保全基本計画は県が設定する地域の海岸に構造物を造ってはいけないと定めており、埋め立て予定地の中に同計画の設定地域があることから、辺野古埋め立ては同計画に違反すると指摘している。
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朝日新聞 2015年7月17日(金)付
社説:辺野古移設―政権は沖縄の声を聞け


 米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設に伴う新基地計画をめぐり、県の第三者委員会が、前知事の埋め立て承認手続きに「法的瑕疵(かし)」があったとする報告書をまとめた。
 報告を受けて、翁長雄志知事は「内容をしっかり精査し、承認取り消しを含めて慎重に検討していきたい」と語った。
 法的な根拠の怪しい事業を強行し続ければ、県民の怒りはますます膨らむ。安倍政権はまずボーリング調査を中止し、知事と話し合うべきだ。
 2013年12月の仲井真弘多前知事の埋め立て承認には、これまでも県民から正当性に疑問の声があった。前月の11月には「不明な点があり、懸念が払拭(ふっしょく)できない」(県環境生活部)としていた県の見解が、翌12月に突然、「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置が講じられており適合」(県土木建築部)と一変したからだ。
 第三者委員会は、公有水面埋立法の審査基準に照らして、辺野古埋め立ての必要性に「合理的な疑いがある」「生態系の評価が不十分」「生物多様性に関する国や県の計画に違反している可能性が高い」などと厳しく指摘。「法の要件を満たしておらず、承認手続きには法律的瑕疵が認められる」と断じた。
 県民の懸念を、委員会が改めて問題視したと言える。
 委員会は弁護士3人、環境専門家3人の計6人。以前から辺野古新基地に反対を表明していたのは1人だけだ。
 沖縄県議会では今週、県内に持ち込まれる埋め立て用の土砂を規制する条例が成立した。特定外来生物が混入していないか調査を義務づけることで、辺野古埋め立てにブレーキをかけようとする翁長知事与党が主導したものだ。
 沖縄で相次ぐ動きは、政権への異議申し立てにほかならない。しかし、政権の動きは鈍い。菅官房長官は「(埋め立て承認の)行政の判断は示されている」と言う。
 政権は、知事が承認取り消しをすれば、地方自治法に基づく是正指示や、行政不服審査法に基づく不服審査請求などの対抗措置を講じるとみられる。最後は司法の場で判断の是非を争う展開も予想される。
 これ以上、政権と沖縄の対立を高めてはならない。
 「辺野古新基地建設NO」の民意は、戦後70年、米軍基地に囲まれた暮らしを余儀なくされてきた沖縄県民が、度重なる選挙で示した明確な意思である。
 政権は、県民の選択の重みを改めて考え直す必要がある。
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毎日新聞 2015年07月19日 02時35分
社説:辺野古埋め立て 作業中止し話し合いを


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、県の第三者委員会が、前知事による辺野古埋め立て承認の手続きに「法律的瑕疵(かし)」があったとする報告書をまとめた。
 翁長雄志(おなが・たけし)知事は承認取り消しの検討に入った。国と県の対立は、重要な局面を迎えている。安倍政権は、早急に県と話し合うべきだ。
 前知事が一昨年末に埋め立てを承認したのを受けて、国は工事の準備作業となる海底ボーリング調査を進めている。8月中にも本体工事に着手する構えだ。報告書は、有識者の立場から、国の作業の法的根拠に疑義を呈したことになる。
 報告書が、まず重視したのは「埋め立ての必要性」だ。検証の結果、報告書は、辺野古埋め立ての必要性には「合理的な疑い」があると指摘した。普天間を移設するからといって、それを直ちに、辺野古埋め立ての必要性に結びつけたことについて「審査の欠落」があると断じた。
 環境保全措置についても「生態系の評価が不十分」「措置が適正と言い難い」と批判した。
 翁長知事は約1カ月かけて報告書を精査し、8月にも対応を判断する見通しだ。「承認取り消しを含めて慎重に検討したい」と話している。
 知事が承認を取り消せば、国は埋め立て作業の法的根拠を失う。
 このため防衛省は、行政不服審査法に基づき、取り消しの無効を求めて国土交通相に審査請求をするなど対抗措置を講じることが予想される。今年3月、翁長知事が海底作業の停止を防衛省に指示したとき、国がとった対抗策と同じ手法だ。
 菅義偉官房長官は「我が国は法治国家だ。行政の継続性からも、既になされた承認に基づいて埋め立て工事を進めたい」と語っている。
 このままでは、国と県が互いに法的な対抗措置を繰り出し、県民の反発がさらに強まる中で、辺野古埋め立ての本格的工事が始まる事態になりかねない。そうなれば、両者の溝は決定的なものになるだろう。
 国は工事を強行してはならない。辺野古移設計画を見直すべきだが、まずは現在のボーリング調査を中止し、報告書で指摘された問題点について、政府の取り組みや考え方を県側に丁寧に説明すべきだ。
 とりわけ「埋め立ての必要性」に関して、普天間の移設先がなぜ辺野古なのか、沖縄はいつまで過重な基地負担を引き受け続けなければならないのかは、県民が抱く根本的な疑問だ。
 「抑止力の維持、危険性除去を考えたときに辺野古移設は唯一の解決策」と繰り返すだけでは、沖縄の疑問に答えたことにならない。
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しんぶん赤旗 2015年7月19日(日)
主張:辺野古検証委報告 新基地は直ちに中止が当然だ


 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古への新基地建設問題で、県の第三者委員会が、前知事の埋め立て承認に「法律的瑕疵(かし)が認められる」とした報告書を翁長雄志知事に提出しました。翁長知事は報告書を「最大限尊重する」としており、前知事の承認を取り消せば、政府は新基地建設の法的根拠を失うことになります。政府は埋め立て工事を強行する姿勢を改めるべきです。
どの要件も「法的に瑕疵」
 第三者委は、昨年11月の知事選で「あらゆる手法を駆使して新基地は造らせない」との公約を掲げ当選した翁長知事の下で設置されました。仲井真弘多前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認(2013年12月)手続きについて法律的な瑕疵がなかったかどうかを検証するためです。
 仲井真前知事が行った埋め立て承認は、公有水面埋立法に基づくものです。報告書がまず同法の前提要件として問題にしたのは「埋め立ての必要性」についてです。
 政府は、辺野古への新基地建設が普天間基地問題の「唯一の解決策」と繰り返しています。これに対し報告書は、「埋め立ての必要性」に「合理的な疑い」があるとし、なぜ辺野古の新基地が必要なのかという政府の説明は合理性に欠けるとしました。また、普天間基地「移設」の「必要性」から直ちに辺野古での埋め立ての「必要性」があるとした点に「審査の欠落がある」とし、前県政の審査は不十分だとしました。
 普天間基地は、米海兵隊の航空基地です。最近も、アマコスト元駐日米大使が「(太平洋における米戦略にとって)沖縄に駐留する海兵隊が死活的に重要なものだとは私には思えません」(「朝日」6月23日付)と述べたように、米国内では沖縄の海兵隊不要論は少なくありません。政府が固執する海兵隊の「抑止力」論は全く説得力を持ちません。報告書が「埋め立ての必要性」について「要件を充足していると判断することはできず、法的に瑕疵がある」と結論付けたのは当然です。
 公有水面埋立法は、埋め立て承認に必要な要件として▽埋め立てが環境保全に十分配慮されている▽環境保全に関する地方公共団体の法律に基づく計画に違反していない―ことなどを挙げています。
 報告書はいずれの要件も「法的に瑕疵がある」と結論付けました。とりわけ、豊かな生物多様性を持つ辺野古の海についての現況や埋め立てによる影響を的確に把握したとは言い難く、保全措置が適正に講じられているとも言い難いと断じました。環境保全に関する県の計画に違反するかどうかも十分な審査がされなかった可能性を指摘しました。
建設ありきは許されない
 仲井真前知事の埋め立て承認が、政府の不当な圧力の下、新基地建設ありきで行われたことは明らかです。政府は「わが国は法治国家であり、行政の継続という観点からも、既になされた承認に基づいて埋め立て工事は進めさせてもらう」(菅義偉官房長官)などとしていますが、絶対に許されません。
 そもそも県民の圧倒的多数が反対する新基地建設に道理はありません。翁長知事が承認を取り消せば法的根拠もなくなります。建設作業の速やかな中止こそ、「法治国家」として取るべき行為です。
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[京都新聞 2015年07月18日掲載]
社説:「辺野古」の検証  「瑕疵」との指摘は重い


 「法律的な瑕疵(かし)が認められる」と断じた沖縄県の有識者委員会の報告書を重く受け止めたい。
 翁長雄志知事が設置した有識者委は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先とされる名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認手続きをめぐり、前知事の判断の是非を検証してきた。その結果、埋め立ての必要性に「合理的な疑いがある」などとして公有水面埋立法の要件を満たしていないと結論づけ、承認手続きの欠陥を指摘した。
 報告書を受け取った翁長知事は「最大限尊重し判断を下したい」と語り、来月にも承認取り消しに踏み切るとみられる。そうなれば政府も法的対抗措置を講じ、双方の応酬で亀裂は決定的になろう。
 政府は沖縄の民意を無視した計画を押し付けるのではなく、いったん立ち止まって当事者である地元の声に耳を傾けるべきだ。
 政府は2013年3月、県に辺野古沿岸部の埋め立てを申請し、同12月に前知事が「基準に適合している」と承認した。しかし、沖縄振興の多額の予算措置などと引き換えに辺野古移設を受け入れたとして、多くの県民から強い反発を招いた。
 このため、昨年11月の知事選で辺野古移設阻止を掲げた翁長県政が発足後、有識者委が設置され、前知事による承認手続きの問題点を洗い出していた。
 法廷闘争をも視野に入れた翁長知事の強い姿勢の背景には、知事選などで示された「移設反対」の民意と向き合おうとしない政府への不信がある。それでも政府は知事の停止指示を一顧だにせずに辺野古での海底ボーリング調査を続行し、今夏に埋め立て工事に着手する方針を堅持している。
 県議会も今月13日、辺野古の埋め立てに使う土砂の県外からの搬入を規制する条例を可決した。土砂搬入を無条件で禁じる効力はないものの、移設作業に遅れが出る可能性はある。
 政府は辺野古移設推進で歩調をそろえる米国への配慮もあって「予定通り埋め立てに着手する」とかたくなな姿勢を崩さない。だが地元の理解が得られぬまま作業を進めても、反基地感情が高まるだけだ。決して安全保障にプラスに働くとは考えられない。
 政府が優先すべきは強引な移設計画推進ではなく、沖縄との関係修復だろう。「辺野古が唯一の解決策」と言うが、県民が納得できる説明も怠ってきた。一方的に計画を押し付けるだけでは解決は遠のくばかりだ。
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神戸新聞 2015/07/18
社説:辺野古報告書/「法的瑕疵」の指摘は重い


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認手続きに「法的な瑕疵(かし)がある」とする報告書が、翁長雄志(おながたけし)知事に提出された。
 大学教授や弁護士からなる県の有識者委員会が、埋め立てを承認した仲井真弘多(ひろかず)前知事の判断の是非について検証を重ねた結果である。
 報告書は、辺野古埋め立ての必要性自体に「合理的な疑いがある」とした。普天間移設の必要性から埋め立ての必要性を導いた点には「審査の欠落がある」という。
 さらに環境保全や災害防止への配慮、措置も十分に講じられていない-など、国、県それぞれの不備を指摘している。
 移設計画の根拠を揺るがす厳しい内容だ。とりわけ政府は指摘を重く受け止めるべきである。
 翁長知事は「(報告書を)最大限尊重し、判断を下していきたい」と述べる。海底ボーリング調査を続ける政府が夏ごろの本体工事着手を目指しているため、8月中にも承認の取り消しを表明する意向という。
 ただ、「どのように対応するのが効果的なのか、慎重に検討したい」と含みも持たせる。
 県が承認取り消しに踏み切った場合、政府は行政不服審査法に基づく処分取り消しの審査請求や、地方自治法に基づく処分是正の指示などで対抗することが想定される。法廷闘争となる公算も大きい。
 応酬が続けば、事態は混迷の一途をたどる。解決が遠のくことだけは避けなければならない。
 菅義偉官房長官は「既に行政の判断は示されている」と移設計画に変更はないとの姿勢だ。
 しかし、法的瑕疵が指摘されている以上、ボーリング調査をいったん中断し、立ち止まって沖縄県との接点を探るべきではないか。
 沖縄は政府に対して繰り返しメッセージを送ってきた。先月23日に営まれた沖縄全戦没者追悼式では、翁長知事が安倍晋三首相らを前に、平和宣言で「選挙で反対の民意が示されており、新基地建設は困難」「政府は固定観念に縛られず、移設作業の中止を決断することを強く求める」などと訴えた。
 基地負担に苦しむ沖縄の我慢は限界を超えている。政府は県民の声に真摯(しんし)に耳を傾け、対話による解決の道を探らなければならない。
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山陰中央新報 ('15/07/19)
論説 : 普天間移設/立ち止まり真摯な対話を


 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場移設のために名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認した前知事の判断を検証していた同県の有識者委員会が報告書を翁長雄志(おながたけし)知事に提出した。埋め立て承認手続きには「法的な瑕疵(かし)(欠陥)」があると指摘しており、これを踏まえ翁長知事は8月中にも承認取り消しに踏み切る公算が大きくなった。
 政府は「既に行政の判断は示されている」とし、移設計画に変更はないことを強調。取り消しとなった場合には、沖縄防衛局が国土交通相に知事による処分の審査や効力停止を申し立て、それが認められると、今度は県が国を相手に提訴し処分の正当性を訴える展開が予想される。
 また、沖縄県議会で先に、埋め立てに使う土砂の県外からの搬入を規制する条例が成立。特定外来生物が混入している恐れがある場合は立ち入り調査し、混入があれば搬入中止を勧告できるようになった。政府と県の対立は今後、深まっていくことになろう。
 しかし「辺野古移設阻止」に向け、翁長氏が知事権限を行使し続け、政府は対抗措置を繰り出すという応酬の先には、さらなる対立しかない。政府は一度立ち止まり、ここまで沖縄を追い詰めたのは誰かをよくよく考えた上で、県との対話に真摯(しんし)に取り組むべきだ。
 翁長氏の私的諮問機関で、環境問題に詳しい大学教授や弁護士の6人でつくる有識者委は、仲井真弘多(なかいまひろかず)前知事による埋め立て承認(2013年12月)について(1)埋め立ての必要性に合理的な疑いがあり、審査に欠落がある(2)国土利用上、適正かつ合理的とはいえない(3)環境保全措置が不十分―とした上で、法的な瑕疵があると結論付けた。
 翁長氏は「最大限尊重し、判断する」としており、承認取り消しになるだろう。その場合、防衛局は行政不服審査法に基づき公有水面埋立法を所管する国交相に取り消し処分の効力停止などを申し立てるとみられる。今年3月、翁長氏が海底ボーリング調査に絡むサンゴ礁の損傷を理由に作業停止を指示した際には農水相に同じ申し立てを行い、認められている。
 ただ政府側の申し立てを政府側が審査する仕組みには批判もあり、国交相が地方自治法に基づいて取り消し処分を是正するよう県に指示することも考えられる。いずれにしても、法廷闘争にもつれ込む可能性が高い。
 争った末に県側に有利な判断が出る保証はない。国から莫大(ばくだい)な損害賠償を請求される恐れもある。それでも翁長氏は後に引けない。知事選や名護市長選、衆院選の沖縄4小選挙区全てで示された移設反対の民意があるからだ。世論の共感も広がりつつある。反対運動を支援する「辺野古基金」の共同代表を務めるアニメ映画監督の宮崎駿氏は、海外記者に「永続的にあらゆることをしていく」と語った。
 政府はこうした状況を全く顧みようとはせず、今夏の埋め立て本体工事着手に突き進む。安倍晋三首相や菅義偉官房長官は「地元の理解」や「丁寧な説明」を強調しながらも、政府の立場を繰り返すだけで、結果的に沖縄を追い詰めている。仕切り直しが必要で、きちんとした話し合いをするためには、移設作業の中断も考えるべきだ。
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中国新聞 2015/7/18
社説:辺野古検証報告書 沖縄の民意に向き合え


 前知事による手続きは適法だったのか―。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設に向けた名護市辺野古沖の埋め立て承認について、第三者の立場で検証してきた県の有識者委員会が法的な「瑕疵(かし)」、つまり抜かりがあるとの報告書を出した。
 県内移設の阻止を公約に掲げる翁長(おなが)雄志(たけし)知事にとっては、好都合だろう。報告書の扱いについて「最大限、尊重する」と繰り返してきており、8月中にも承認取り消しに踏み切る公算が大きくなっている。
 ただ残念ながら、今回公表された報告書は2ページほどの概要版にすぎない。結論だけ、それも抜き書きである。これをもって行政手続きをひっくり返す根拠になり得るかは、必ずしも定かでない。それほど問題は重く、慎重な判断が迫られる。
 まして報告書の結論は国の埋め立て申請自体が必要性や環境保全などの点で法の要件を満たしていないと断じている。果たして国と対峙(たいじ)できる「切り札」になり得るのかどうか。論拠を見定めるためにも、計686ページに上るという報告書を一日も早く公表してもらいたい。
 検証のための会合はハイペースで進み、約5カ月間で計12回に上った。政府の動きを横目でにらんでいたからだろう。既に調査・設計の作業は着々と進んでおり、中谷元・防衛相は埋め立ての本体工事の着手について「夏ごろ」と発言している。
 仮に翁長知事が承認取り消しに動けば、移設スケジュールは揺らぐ。政府は取り消された場合には無効を求めて即時、行政不服審査法に基づく請求をするとみられる。今年3月、知事が移設作業の停止を防衛省に指示した際も、すぐさま同様の対抗措置を取っている。
 片や知事側は6月に担当課を新設し、法廷闘争も辞さない構えを見せる。とはいえ争った末に沖縄に有利な判断が出る保証はない。逆に、国から巨額の損害賠償を県が求められるリスクさえ抱えかねない。
 国との亀裂が深まる要因は、ほかにもある。県議会も今月、外来生物の混入を防ぐ目的で、埋め立てに使う土砂について島外からの搬入を規制する条例を成立させた。むろん狙いは辺野古沖埋め立ての阻止である。
 政府はこれ以上、沖縄を追い込んではなるまい。ここはいったん作業を止め、県との協議を仕切り直すテーブルに着くべきではないか。対話を通じ、合意点を見いだすのが政治本来の役割のはずだ。法廷に持ち込む前に手を尽くしたい。
 そこで何より忘れてはならないことは、地元沖縄の民意を最大限に尊重する姿勢である。
 思い起こしたいのは前知事がおととし12月、県外移設の公約を覆して埋め立て申請を承認した経緯である。環境保全についても「懸念は払拭(ふっしょく)できない」と直前まで説明していた。
 民意を裏切った前県政と移設計画に固執する安倍政権に県民の怒りが渦巻いた。前知事が大差で落選した知事選をはじめ、沖縄のさまざまな選挙で示された移設反対の声こそが、翁長知事の後ろ盾にほかならない。
 募る一方の県民の怒りを全く無視したまま、政府の立場を押し付けるだけでは仕切り直しも難しくなる。対話のタイミングを逃した先には泥沼が待っているだけである。
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南日本新聞 (2015/ 7/18 付 )
社説: [辺野古埋め立て] 瑕疵認めた指摘は重い


 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐり、前知事による辺野古埋め立て承認の手続きを有識者委員会が「法律的な瑕疵(かし)が認められる」とする報告書をまとめ、翁長雄志知事に提出した。
 翁長氏は「報告書を最大限尊重し、判断を下していきたい」と語り、8月中にも承認取り消しに踏み切る公算が大きくなった。
 前知事の承認は辺野古移設の転換点となった。法的に問題があるとする指摘は重い。政府はいったん立ち止まり、県との対話に真摯(しんし)に取り組むべきだ。
 仲井真弘多前知事は2013年12月、政府の埋め立て申請を「現段階で取り得ると考えられる環境保全措置が講じられ、基準に適合している」と承認した。
 有識者委は翁長氏が1月に設置し、弁護士と大学教授らが申請を審査した県職員から聞き取り、半年間検証してきた。
 報告書は「普天間移設の必要性から、辺野古埋め立ての必要性があるとした点に審査の欠陥がある」と強調。埋め立てによる利益と不利益を比べ、適正で合理的な国土利用を求める公有水面埋立法の要件を満たさないと断じた。
 環境保全措置についても「(政府計画では)適正に講じられているとも言い難い」と厳しく指摘した。
 だが、菅義偉官房長官は「既に行政の判断は示されている」と会見で述べ、移設計画に変更はないと強調した。今夏中に本体工事に着手する方針だ。
 承認取り消しとなった場合、沖縄防衛局が国土交通相に知事による処分の審査や効力停止を申し立て、それが認められると、今度は県が国を相手に提訴し処分の正当性を訴えるといった展開が予想される。
 法廷闘争になれば事態は混迷するだけで、基地問題の解決にはつながらないのは明らかだ。
 翁長氏は「沖縄の民意」を米政府当局者に伝えるなど、あらゆる手だてで移設阻止を訴えている。
 沖縄県議会では今月、埋め立てに使う土砂の県外からの搬入を規制する条例が成立した。知事を側面支援する狙いがある。
 移設反対の共感の輪は全国に広がる。5月に東京で開いた集会には1万5000人が参加。市民運動を支える「辺野古基金」も創設3カ月で3億8500万円を集めた。政府は「沖縄の声」に誠実に耳を傾けなければならない。
 辺野古移設が普天間問題の「唯一の解決策」とする方針を繰り返すだけでは事態打開は図れない。県ときちんと対話するためにもボーリング作業を停止すべきだ。
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琉球新報 2015年7月17日 6:02
<社説>辺野古検証委報告 承認は取り消すしかない


 辺野古埋め立てに対する前知事の承認について検証した第三者委員会が「法律的な瑕疵(かし)が認められる」と報告した。新基地建設はついに重大な局面を迎えた。
 委員は弁護士や環境の専門家だ。
その有識者が1月の委員会発足以来、6カ月もかけて慎重かつ多角的に検証した結果である。翁長雄志知事が言葉通り、報告を「最大限尊重」すれば、やはり承認は取り消すしかない。
 在沖米軍が「環境保全策」をほごにした例は枚挙にいとまがない。普天間基地の飛行経路は逸脱が常態化している。オスプレイは日米合意に反して市街地をヘリモードで飛び、高度も守っていないことは自治体の調査で証明済みだ。嘉手納と普天間の両基地は日米合意で夜間・未明は飛行しないはずだが、未明に100デシベル以上の殺人的爆音が響くのもたびたびだ。
 公有水面埋立法は環境保全に「十分配慮」することを要件とする。新基地の環境保全措置は、日本政府が示すものの、実際に守るかどうかは米軍次第である。第三者委がこの点を踏まえ、「保全策が適正に講じられたとは言い難く、十分とも認め難い」と指摘したのは納得がいく。
 実はこの点は、基地をめぐる最も本質的な指摘である。米軍の姿勢は、ひとえに日米地位協定3条で排他的管理権を米側に認めたことに起因する。日本側が基地の使い方に一切口出しできないという規定だ。ドイツでもイタリアでも米軍は現地の国の法律に従う。日米地位協定は、他国ではあり得ない植民地的規定なのである。
 これがある以上、どんな対策もほごになりうる。「適正に講じる」ことは不可能なのだ。
 そもそも埋立法は「埋め立ての必要性」が前提だ。ジョセフ・ナイ元米国防次官補ら多数の米側専門家は、海兵隊が豪州や本国に撤退しても問題ないと述べている。第三者委が言うように「必要性」に「合理的な疑いがある」のは明らかだ。
 菅義偉官房長官は早速、「法治国家であり、工事を進める」と述べた。笑止千万だ。知事が承認を取り消せば移設作業は法的根拠を失う。「法治国家」なら、直ちに作業を中止するしかないはずだ。
 知事が取り消せば、防衛省は知事の処分取り消しを国交省に申し立てると聞く。政府が政府に申し立てる茶番は、この国が「人治国家」であることを示している。
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沖縄タイムス 2015年7月17日 05:30
社説[第三者委「瑕疵」報告]新基地阻止 次の段階へ


 名護市辺野古で進む新基地建設の根拠となっている公有水面埋め立て承認手続きを検証していた第三者委員会が、「手続きには法的に瑕疵(かし)があった」とする報告書を、翁長雄志知事に提出した。
 国の埋め立て申請に不備があり、それを審査した県の対応も不十分と断じる内容だ。
 弁護士や大学教授ら6人の有識者が、政治的な要素は抜きに、法律的な側面から理を尽くして報告書をまとめた意味は大きい。誤りが裏付けられたことで新基地建設阻止に向けた県の取り組みは新たな段階に入る。
 委員会が、そもそもの問題として挙げたのは辺野古の「埋め立ては必要か」という点だ。
 防衛省は米軍普天間飛行場の移設先として辺野古沿岸の公有水面埋め立て承認申請書を県に提出した当時から、「普天間の危険性除去は喫緊の課題、固定化は絶対に避けなければならない」と言い続けてきた。
 しかし「なぜ辺野古なのか」「なぜ県外ではないのか」の詳しい説明はない。県の頭越しに現行案を決め「唯一の選択肢」と繰り返すだけ。そこに委員会が言う「合理的な疑い」が生じている。
 海兵隊の「抑止力論」が色あせてしまった今、辺野古への移設を見直すことが、むしろ普天間の危険性除去の近道と考える県民は多い。
 埋め立ての根拠を問うのは、米側と本気になって交渉し沖縄の負担軽減を図ろうとしない政府の姿勢を問うことにもつながっている。
    ■    ■
 報告書は公有水面埋立法で埋め立ての免許基準とされる「環境保全への十分な配慮」「埋め立てが国や地方公共団体の計画に違背していない」についても、法的瑕疵を指摘している。
 委員会が重く見たのは、生物多様性の豊かさと独自の生態系が守られるのかといった環境面の課題である。
 ジュゴンの保護策一つをとっても、国の環境影響評価書では「辺野古地先を利用する可能性は小さい」となっていたが、実際は環境団体が多数の食(は)み跡を確認するなど、国の予測や保全策の不備は明らかだ。にもかかわらず、前県政は「ジュゴン保全に関する科学的知見が少なく現時点で取り得る対策は講じている」という曖昧な理由で埋め立てを承認した。
 辺野古ありきの国の姿勢とその政治的圧力に、県の承認判断がゆがめられた可能性がある。
    ■    ■
 翁長知事は、8月中にも埋め立て承認取り消しを表明する。
 3月に知事が出した新基地建設作業の停止指示を、沖縄防衛局が行政不服審査法による手続きで「無効」にした時と同様、承認取り消しも「無効」とされる恐れがある。地方自治法に基づき国が取り消しの是正を求める対応も想定される。いずれにしても法廷闘争となる公算が大きい。
 県に求めたいのは承認取り消し後、国が工事を強行した時の具体的な対抗策だ。「法治国家」を強調する国には、示された「法的瑕疵」に真摯(しんし)に向き合ってもらいたい。
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