2015-07-28(Tue)

戦争法案 (21)参院審議入り 法制を急ぐ必要はない

支持急落は国民の警鐘  国民の力で安倍政権打倒を 街頭のデモクラシー

<各紙社説・論説・主張>
毎日新聞)安保転換を問う 参院審議入り 憲法の枠内で再構築を(7/27)
河北新報)参院の存在意義/安保法案の審議で試される(7/27)
福島民報)【安保法案参院審議】憲法論議は根幹だ(7/27)
南日本新聞)[安保法案参院審議入り] 「60日ルール」慎みたい(7/27)
高知新聞)【安保法案】参院の責任は極めて重い(7/26)

朝日新聞)「違憲」法制 与党議員こそ街に出よ(7/24)
しんぶん赤旗)戦争法案と首相 批判に応える姿勢と正反対だ(7/24)
朝日新聞)防衛白書 法制を急ぐ必要はない(7/22)
毎日新聞)安保転換を問う 防衛白書(7/22)
東京新聞)安保法案と世論 支持急落は国民の警鐘(7/22)

朝日新聞)砂川判決 司法自ら歴史の検証を(7/21)
毎日新聞)視点 安保転換を問う 政策の持続性(7/21)
しんぶん赤旗)7・24首相官邸包囲 国民の力で安倍政権打倒を(7/21)
毎日新聞)視点 安保転換を問う 国会と教室(7/20)
毎日新聞)視点:安保転換を問う ドイツの教訓=大木俊治(7/19)

東京新聞)国会前デモ 街頭のデモクラシーよ(7/18)
沖縄タイムス)[安保法案参院へ]存在意義を懸けて臨め(7/18)




以下引用



毎日新聞 2015年07月27日 東京朝刊
社説:安保転換を問う 参院審議入り 憲法の枠内で再構築を


 安全保障関連法案の参院での審議がきょうから始まる。
 集団的自衛権の行使を認めた関連法案は憲法違反との国民の批判が広がっているのに、安倍政権はそうした声に耳を傾けようとせず、衆院で法案の採決を強行した。参院の審議では、衆院で不足していた議論を補い、国民の批判や不安に応えるわかりやすい議論を求める。
 各種世論調査で、国民の過半数が法案は違憲と考え、6割が今国会での成立に反対し、8割が説明不足と答えている。民意と国会の乖離(かいり)は深刻だ。首相に近い自民党議員らが、批判的な報道機関に圧力をかけるよう求める発言をしたこともあった。
 ◇違憲法案の成立認めぬ
 国民の声は、法案への反対にとどまらず、立憲主義や民主主義が危うくなりかねないという不安にまで拡大しているように見える。
 安倍政権が「憲法違反」という土台のうえに法整備をしようとすれば、法体系の安定性は損なわれるだろう。憲法への信頼が失われ、国民の間にまたいつ憲法解釈が変わるのかという不安まで生じかねない。
 国民的な合意がない中で、自衛隊がどういう場合に武力行使に踏み切るかという国の基本的な有りようが変われば、自衛隊の安定的な活動につながらなくなる可能性もある。
 集団的自衛権に関わる法案は、成立させるべきではない。
 ただ、11本もの関連法案の中には、国連平和維持活動(PKO)協力法の改正案のように、修正したうえで与野党の幅広い合意を得て成立を目指すべきものがある、と私たちは考える。
 先週、安倍晋三首相は、集団的自衛権の行使という戦闘行為につながる問題を、隣家の火事での消火活動に例えて説明した。わかりやすく工夫したつもりだろうが、単純化した比喩で説明できる問題ではない。
 国民は、定義を延々と読み上げる国会答弁でなく、首相から安全保障の現実を踏まえた誠実な言葉を聞きたい、と願っているのではないのか。参院審議では、改めて憲法との関係について丁寧な説明を求めたい。
 同時に、骨太な安全保障論議をすることによって、必要な安保法制を絞り込むような論戦を期待したい。法整備の必要性について「安全保障環境の変化」や「パワーバランス(力関係)が変わった」と言うだけでなく、具体的議論を深めてほしい。
 それには、安保環境の変化をどう見るか、日本はどう関わるべきかという根本から議論すべきだ。中国や米国との関係、中東、朝鮮半島情勢について、もっと論じてほしい。
 例えば、中東では過激派組織「イスラム国」(IS)など国際テロ組織の活動が活発化している。私たちは、この地域では非軍事支援を基本とした姿勢を維持すべきだと考える。ホルムズ海峡で停戦前の機雷掃海をするなど、集団的自衛権を行使することは認められない。
 重要影響事態法案のように、国連決議もないのに日本の安全に重要な影響を与えるという理由で、中東や南シナ海など日本周辺以外で、自衛隊が米軍などに後方支援できるようにすることにも、賛同できない。
 ◇PKO拡充は検討課題
 一方、朝鮮半島情勢は、中東や南シナ海と違って、日本の安全に直接の影響を及ぼす可能性が高い。
 現行の周辺事態法は、朝鮮半島有事を想定し、自衛隊による米軍への後方支援を可能にした法律だが、輸送を除いて医療や補給などの支援は、日本の領域で行うことになっている。法改正により、支援の内容によっては公海での活動を認めていいのではないか。ただし、日本周辺という地理的な制約は維持すべきだ。
 また安倍政権は、朝鮮半島有事を想定し、米艦船の防護などは集団的自衛権を行使しなければ対応できないと言うが、私たちは基本的に個別的自衛権の範囲内で対応できる、と考えている。
 関連法案の中には、日本の安全とは別に、国際社会への協力拡大を目指した法案も含まれている。
 このうちPKOは、法改正により拡充を検討すべきだ。ただ、政府の案には、巡回や検問など治安維持任務を追加する内容も含まれており、こうした活動には問題が多い。
 国連決議のもとで自衛隊による他国軍への後方支援を随時可能にする国際平和支援法案も、非戦闘地域で活動するという制約を維持し、弾薬の提供を禁止するなどの修正ができれば、検討に値するのではないか。
 沖縄県・尖閣諸島に武装した漁民が上陸した場合などを想定したグレーゾーン事態にどう対応するかについても、せっかく民主党と維新の党が共同で対案を提出したのだから、しっかり議論してほしい。
 安倍政権は、集団的自衛権ありきの考え方をやめるべきだ。憲法解釈を維持したうえで、その枠内で必要な安保法制を整備することが、国民の納得が得られる現実的な安全保障政策だと考える。
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河北新報 2015年07月27日月曜日
社説:参院の存在意義/安保法案の審議で試される


 延長国会最大の焦点、安全保障関連法案が27日に参院本会議で審議入りする。
 世論に背を向ける格好で、衆院で自民、公明の与党が強行可決、参院に送られた法案である。成立ありきの姿勢を慎み、議論を深める丁寧な審議を求めておく。
 参院は「良識の府」と言われる。政策判断の誤りなきを期す二院制の機能を発揮することなく、形式的な審議で追認したり、判断を見送って「60日ルール」に基づき衆院の再議決に委ねたりするようでは、参院はその役割を終えたも同然となろう。
 衆院通過直後の共同通信社の世論調査で、今国会成立に反対が68.2%で前回から5.1ポイント増え、賛成24.6%の3倍近い。採決強行に「よくなかった」とする回答が73.3%を占め、法案そのものへの反対も61.5%に上った。
 世論は法案の中身、手続きともに否定的。支持が広がるどころか、民意は反対から怒りへ態度を鮮明にし始めているのではないか。法案の本質が見えてきて、つまり理解が進んだが故の結果にも映る。
 参院は現状を正面から受け止めて、徹底審議で応える必要がある。衆院審議を経てなお熟考すべき論点は数多い。
 最高裁砂川事件判決は憲法解釈変更の根拠たり得るのか。実質的に米国の戦いに加担する安保法で日本の主体的判断は担保されるのか。中国との戦闘が念頭にない米国との軍事一体化で、もくろむ抑止力はいかほど高まるのか。
 自衛隊派遣の新3要件が曖昧な上、特定秘密保護法下で国会が歯止め役を担えるのか。自衛隊派遣を決める政府の「総合判断」がトップの資質でゆがむリスクを回避できるのか。挙げればきりがない。
 安倍晋三首相は、国民の理解が進んでいないことを認める。テレビ出演を繰り返し、新たな例え話で法案の必要性を説いているが、効果ははかばかしくないようだ。
 自民党が国民の理解取り付けのため設けた「平和安全法制理解促進行動委員会」も当面、街頭演説を見送るといい、逃げ腰の姿勢がのぞく。
 高村正彦副総裁は「やるべきことをやってきたのが自民党の歴史」と強調、「ポピュリズム政党と言われないゆえんだ」と言明した。もはや理解は無用と言わんばかりだ。
 容認し難い発言だ。日本の針路に関わり憲法違反の疑いさえある安保法案の是非を、人気取り政策と一緒くたに論じ、主権者の意思を軽んじることにもなるからだ。
 賛同を得られにくい政策ではあっても、説得を尽くすのが民主政治の基本。分かってもらうことを、はなから放棄するようでは、政治への信頼が決定的に揺らぐ。
 安保法案を審議する参院の特別委員会は、衆院と違って全会派の参加で折り合った。憲法との関係が審議の「1丁目1番地」。政府の判断で最高法規の解釈が改められ、国会があっさりそれを認めてしまうようでは、政権の独裁化に道を開くことにもなろう。
 解散がなく、6年の任期を保証された参院は「再考の府」とも言われる。政府と一体化した衆院とは異なった存在意義を今こそ示すべきだ。
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福島民報 2015年7月27日
論説:【安保法案参院審議】憲法論議は根幹だ(7月27日)


 集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法案はきょうから参院で審議が始まる。憲法学者や元内閣法制局長官が法案は憲法違反とし、多くの国民も世論調査で違憲と答えている。参院でも徹底的に憲法論議を行うべきだ。
 安倍晋三首相は法案をめぐる国会での議論が法律論、憲法論に偏りがちでなかなか安全保障政策論にはならず、一般の人に分かりにくくなっているという。法案に対する国民の理解が進まないのは、野党の質問の仕方に問題があると言わんばかりだ。憲法論議を置き去りにしたまま法案成立を急ごうとする首相の姿勢に対する疑問が、違憲の声となって噴き出していることを忘れないでほしい。
 密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた場合、自国が攻撃されていなくても自国への攻撃と見なして実力で阻止する集団的自衛権について、歴代内閣は憲法九条に基づき認めないとしてきた。安倍政権は昨年7月、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。憲法改正を国民に問う手続きを経ることなく進めた安全保障政策の大転換だった。法案審議の段階で合憲か、違憲かが焦点になるのは当然といえる。
 首相は最近、法案が説明不足で分かりにくいとの指摘を気にしてか、盛んに例え話を持ち出し始めている。自民党のインターネット番組ではこんな話を披露した。
 安倍は生意気だから今夜殴ってやるという不良がいる。友達のアソウさんが「俺はけんかが強いから一緒に帰って守ってやる」と言ってくれた。前を歩いているアソウさんに不良が3人出てきて殴りかかった。私をやっつけようとする不良がまずアソウさんを殴った。私もアソウさんを守る。これは今度の法制でできる-。
 テレビ番組に出演した際は米国の母屋と離れの建物、道路を挟んで建つ日本の家を配した模型を使い、火災が起きた場合を想定して集団的自衛権の行使について解説した。
 首相は何か勘違いをしているのではないか。例え話とはいえ、不良のけんか対応や火災の消火と武力行使では、あまりに質が違いすぎる。このような例え話を繰り返すと、理解を得るどころか武力行使に伴う危険性を覆い隠す意図があるのでは、との疑いさえ招きかねない。
 法案の憲法適合性、必要性など根幹部分に曖昧さを残したままでは、どんな説明も上滑りするだけだ。まずは違憲との批判に謙虚に向き合い、参院での議論を深めるよう求めたい。  (佐藤 研一)
( 2015/07/27 09:34 )
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南日本新聞 ( 2015/7/27 付 )
社説:[安保法案参院審議入り] 「60日ルール」慎みたい


 憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を可能とする、安全保障関連法案は参院で審議入りした。
 多くの憲法学者や内閣法制局長官経験者らが指摘する法案の違憲性を、政府が払拭(ふっしょく)できるかどうかが大きな焦点だ。
 集団的自衛権の行使は憲法9条の下で歴代政権が一貫して禁じてきた。その容認は抑制的だった安保政策の大転換である。
 これほどの重要法案に対して違憲との疑念はあまりに重い。憲法解釈変更による行使容認が違憲か合憲かについて、徹底して審議を尽くす必要がある。
 だが、安倍政権は参院が議決しない場合、衆院で再可決して成立させる「60日ルール」をにらむ。
 日程ありき、結論ありきがすぎないか。参院の権威や主体性を軽んじてもいよう。
 国策を根本から変える重要法案の可否を一院だけで決めていいはずもない。「60日ルール」の適用は慎むべきである。
 内閣法制局への信頼も揺らいでいる。
 法案は「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合を存立危機事態とし、集団的自衛権行使を可能とする。
 安倍晋三首相は衆院審議で、1959年の最高裁砂川事件判決を引用して「(判決が認めた)『必要な自衛の措置』の範囲内だ」と強調した。
 横畠裕介内閣法制局長官も、「武力行使の新3要件で認められる限定された集団的自衛権の行使は、砂川判決にいう自衛権に含まれると解することが可能だ」と述べた。
 一方で横畠長官は、「判決は集団的自衛権に言及していない。判決が(集団的自衛権の範囲を)どう考えているか分からない」とも答えている。
 「政府の憲法解釈の番人」とされ、法案の合憲性などを事前審査する責任者して心もとないと言わざるを得ない。
 そもそも、国会で審議中の法案が違憲と指摘された責任を、どう認識しているのか。
 参院では、こうした点も内閣法制局にただしてもらいたい。
 参院の審議入り前に礒崎陽輔首相補佐官が講演で、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認について「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要かどうかが基準」と主張した。
 本音だろうが乱暴な発言だ。国会で真意を説明してほしい。
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高知新聞 2015年07月26日08時13分
社説:【安保法案】参院の責任は極めて重い


 集団的自衛権の行使の解禁を柱とする安全保障関連法案の参院審議が始まる。
 安倍政権と与党は衆院で採決を強行したが、法案は違憲の疑いがあり、多くの国民が反対している。危機にひんした日本の立憲主義と民主主義を取り戻すことができるかどうか。参院の審議は極めて重要となる。
 衆院審議をめぐっては、質問が憲法との整合性などに集中し、長時間をかけた割には議論が深まらなかったとの見方がある。その通りだとしても、最高法規である憲法に合致しているか否かは根本的な問題だ。
 歴代政権が憲法9条に照らして認められないとしてきた集団的自衛権の行使を、安倍政権は憲法解釈を変更する閣議決定でひっくり返した。一内閣による恣意(しい)的な憲法解釈に対し、多くの憲法学者らが「憲法違反」と指摘し、国民の過半数も違憲と考えている。
 衆院審議では、中谷防衛相の「現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえて閣議決定を行った」という答弁もあった。批判を浴びて渋々撤回したが、安倍政権の憲法に対する姿勢を象徴するような発言だ。
 法律などが憲法に適合するか否かを最終的に判断する違憲立法審査権は最高裁が担う。ではあっても、違憲性が疑われる法案を数の力で押し切ってしまおうとするやり方は、国会そのものの存在意義に関わる。
 参院でも憲法との整合性について徹底的に議論する必要がある。安倍首相の「確信」や説得力に乏しい論拠を繰り返すだけでは、多くの国民の理解が得られるはずがない。合理的な説明ができないのであれば、法案は撤回するのが筋だ。
  時の政権次第
 合違憲問題に限らず、衆院審議を通じて多くの論点で曖昧さが残った。審議が進むにつれて、矛盾などが浮き彫りになり、疑問が膨らんでいったといってよいだろう。
 集団的自衛権の行使を解禁し、自衛隊による他国軍への後方支援を地球規模に拡大するという、「専守防衛」の国是を根本から変質させる法整備がなぜ必要なのか。軍事力への傾斜を強める安保政策の危うさについて、さらに論議を重ねるべきだ。
 集団的自衛権の行使要件となる「存立危機事態」の定義は、安倍首相らの答弁が揺れるなど曖昧なままで、首相は具体的な事例についても言葉を濁している。自衛隊活動の飛躍的な拡大に伴い、隊員のリスクが増すかどうかも議論は決着していない。
 安倍首相らの答弁の曖昧さが意味するのは、自衛隊の武力行使や海外派遣が時の政権の裁量権に大きく委ねられるということだろう。政権の意向次第であるなら、政府が歯止めと強調する「新3要件」も当てにはできない。
 国民が抱く多くの懸念は解消されていない。にもかかわらず、衆院で採決を強行したことによって、多くの国民の危機感はさらに高まった。若者や母親、幅広い分野の学者らをはじめ、法案に反対し、廃案を求める声はますます広がっている。
 参院はそうした声に正面から向き合わなければならない。衆院が十分に果たしたとはいえない、国権の最高機関としてのチェック機能を発揮することができるかどうか。立憲主義と民主主義が岐路に立っていることを自覚するよう、強く求める。
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朝日新聞 2015年7月24日05時00分
(社説)「違憲」法制 与党議員こそ街に出よ


 自民、公明の与党が採決を強行し、安全保障関連法案が衆院を通過してから1週間。
 「国民は忘れる」。安倍政権周辺の目算はどうやらはずれ、全国各地でデモが活発化したり、学者有志らが声明を出したりするなど、異議申し立てのうねりは確実に広がっている。
 しかし政府・与党は空うそぶく。自民党の谷垣禎一幹事長は「かつての安保にせよ、PKOのときも、自分の時間をつかって抗議する方はもっとたくさんいた」。
 主権者から突きつけられている「NO」に耳を貸さず、数の多寡の話にして矮小(わいしょう)化する。そのくせ自民党は、ヤジや批判を恐れて、街頭演説は当面行わないというのだから、実に情けない内弁慶ぶりである。
 安倍首相は「支持率のために政治をやっているのではない。やるべきことはやっていきたい」と言う。政治家として、まっとうな矜持(きょうじ)だ。
 ただし今回の法案は、「やるべきこと」か「やるべきでないこと」かの選択にとどまる問題ではない。安倍政権は、違憲立法という「やってはならないこと」をやろうとしているのではないかという疑念が深まり、このままでは国や社会のあり方そのものが壊されてしまうという危機感が、ひとびとを街頭に押し出しているのだ。
 憲法は権力を縛るもの。民主的に選ばれた政権であっても、多数を使って憲法違反の法律をつくることは許されない――この大原則を軽視してはばからない首相らの言動の背景には、選挙で勝ったら「期限付き独裁」、勝った側の決定に従うのが議会制民主主義だ、という発想があるのだろう。
 だが主権者は、選挙で選ばれた代表に白紙委任しているわけではない。代表が、主権者の意思を代表せずに重大な決定をしたら、「おかしい」と声を上げるのは当然であり、主権者の責務であるとも言える。
 そもそも国会議員の仕事は、国民の声を広く聞いて国政に反映させることのはずだ。ところが昨今、政府・与党の決定を国民に「下ろす」のが仕事だという思い違いが広がっている。毎週金曜日の夜、国会前に響く「民主主義ってなんだ」「勝手に決めるな」というコールに込められているのは、そんな政治の現状に対する怒りだ。
 政治とは、意見を同じくする「身内」で「いいね!」と言い合うことではない。与党議員こそ街頭に出て主権者の声を聞き、社会の空気を体で感じ、自らの言葉で語るべきだ。
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しんぶん赤旗 2015年7月24日(金)
主張:戦争法案と首相 批判に応える姿勢と正反対だ


 憲法も民主主義も破壊する戦争法案を衆院で強行採決した安倍晋三政権が、国民の厳しい批判にさらされ、マスメディアの世論調査でも内閣支持率を軒並み低下させています。こうしたなか、安倍首相が相次いでテレビのインタビューなどに出席しましたが、その中身は「支持率にかかわらず(戦争法案は)やらねばならない」といいはるなど、国民の批判に応える姿勢とは正反対の居直りです。現実離れしたたとえを持ち出して戦争法案の合理化をはかるのも、反省どころか、戦争法案を押し通す本心を見せ付けるものです。
たとえ話で成立狙う
 安倍首相が相次いでテレビなどのインタビューに出演したのは、戦争法案を衆院で強行採決したあと、新聞やテレビなどの世論調査で内閣支持率が軒並み急落してからです。内閣支持率が10ポイント近く下落した共同通信の調査(19日付各紙)で、支持37・7%、不支持51・6%と支持と不支持が逆転したのをはじめ、どの新聞、テレビの調査でも、不支持が支持を上回りました。戦争法案への「反対」が「賛成」を圧倒するとともに、衆院での強行採決に対し「問題だ」が68%(「毎日」同日付)、「よくなかった」が69%(「朝日」20日付)など、民主主義を破壊する法案審議の進め方そのものに批判が集まっています。
 安倍政権は、国民の評判が悪かった新国立競技場建設については「白紙」に戻し見直すことにしました。ところが戦争法案については、国民の理解が進んでいない状況であることは認めながら、その理由を政権側の「説明不足」に求め、「支持率にかかわりなく、やらなければならない」と、あくまでも成立に突き進む構えです。首相が相次いでテレビのインタビューに出席したのも、先頭に立って国民を“説得”するためです。
 新聞やテレビのどの世論調査でも、国民の8割前後が戦争法案について安倍政権は「説明不足」だと答えています。しかしそれは戦争法案がなぜ必要なのか、戦争法案でなぜ安全が守られるのか、国民が納得していないからで、首相が先頭に立って一方的に説明さえすれば納得が得られるようにいうのはまったくの筋違いです。憲法違反の戦争法案の成立を前提に、国民を抑え込もうとすること自体、批判に耳を傾ける姿勢ではありません。
 だいたい首相には、国民にまともに説明する態度がありません。番組では首相が模型まで持ち出して、隣の「アメリカ」家の母屋が放火されても「日本」は消火に参加しない、「アメリカ」家の離れが燃え、「日本」家に燃え移ろうとしたときだけ、両家の間の道路で消火に参加する―などと説明しました。荒唐無稽なだけでなく、戦争と火事を比較するたとえ自体間違っています。消火と違い戦争に参加すれば、戦闘を広げ殺し殺されることになります。批判をかわせばいいという本心は明らかです。
独裁政治追い込む好機
 安倍政権への批判は、衆院での強行採決とともに一気に高まっています。批判に耳を貸さない独裁政治は、国民に通用しません。
 参院での審議が始まりますが、安倍首相が戦争法案成立のため居直れば居直るほど、批判は高まる一方です。安倍・独裁政治を追い詰めてこそ、戦争法案を廃案に追い込むチャンスが広がります。
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朝日新聞 2015年7月22日05時00分
(社説)防衛白書 法制を急ぐ必要はない


 国民の納得がえられないままで、安全保障関連法案の採決を強行する切迫性があったのか。きのう閣議報告された15年版の防衛白書を読むと、改めてそんな疑問を禁じえない。
 防衛白書は、日本の防衛政策の方向性を内外に示す役割がある。多くのページを割いたのはやはり中国との関係だ。
 尖閣諸島周辺の中国公船の活動について、白書は「ルーチン(日常業務)化の傾向が見られる。運用要領などの基準が定まった可能性も考えられる」「公船は大型化が図られている」と分析した。
 防衛省によると、中国公船が日本領海に侵入する回数は毎月3回で、上旬、中旬、下旬に1回ずつ。2、3隻が午前中に入って約2時間で出ていくパターンになっているという。
 だとすれば、中国当局の一定のコントロール下にあるとの見方もできる。
 中国公船への対応は海上保安庁が担っている。公船の大型化に対しても、海上保安庁への予算の重点配分など軍事だけでない議論が必要だ。
 海保と自衛隊との役割分担を明確にする点では、野党提出の領域警備法案の議論も大事だが、なお生煮えのままだ。
 最も重要なのは、偶発的な軍事衝突を回避する危機管理策であり、「日中海空連絡メカニズム」の運用開始に向けて協議が進んでいることは評価できる。さらに首脳同士が率直に語り合える環境をつくることこそ、地域の平和と安定につながる。
 中国の軍事力の拡大や強引な海洋進出は見過ごせないが、脅威をあおるだけで解決はできない。緊張を下げる外交努力を急がねばならない。
 もうひとつ、安全保障上の大きな課題は、過激派組織「イスラム国」(IS)をはじめとする国際テロへの対応だ。白書では「わが国も無縁とは決して言えない状況が起きている」と警戒感を示した。
 ただ、非国家の国際テロに対しては軍事力の限界を指摘する声が一般的である。軍事に偏った安保法案は「周回遅れ」の印象がぬぐえない。
 貧困対策や感染症対策、教育支援などテロの根を断つ非軍事の貢献こそ日本にふさわしい。戦後70年かけて培ってきた「平和国家日本」のブランドをどう生かしていくか、現実的な議論をもっと深める必要がある。
 防衛白書は中国をはじめ近隣諸国も注目している。白書の記述を通じて、各国と信頼醸成をはかる。そんな建設的な発信ができないものか。
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毎日新聞 2015年07月22日 02時30分
社説:安保転換を問う 防衛白書


 ◇冷静に「現実」の議論を
 今年の防衛白書は、中国の海洋進出、北朝鮮情勢、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭など、安全保障環境の悪化に例年にも増して強い警戒感を示すものとなった。安全保障関連法案の必要性を強調する安倍政権の狙いが込められているとみられる。だが、安保環境が変化している時だからこそ、さまざまな要素に配慮した慎重な議論が必要だ。
 白書は、中国の海洋進出を「高圧的」と批判。中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入について「ルーティン(日常業務)化の傾向が見られる」と分析した。
 東シナ海でのガス田開発では、中国が新たな海洋プラットフォームの建設など一方的な開発を進めていると書き込んだ。南シナ海では、中国による岩礁埋め立てに国際社会から懸念が示されていると指摘した。
 北朝鮮については、任意の地点やタイミングで複数の弾道ミサイルを発射して奇襲攻撃能力を高めていることや、日本が射程内に入る核弾頭搭載弾道ミサイルが配備されるリスクの増大を指摘した。
 中谷元防衛相は記者会見で「急速に変化している安保環境に対応するため法律の整備が必要」と語った。
 安保環境が厳しくなっていることは、私たちも否定しない。だが、安保環境の変化と安倍政権が進める安保関連法案は直結しない。環境変化の程度と対処方針には、さまざまな議論があるはずだ。非軍事的手段で対応したほうがいい場合もある。
 安倍政権は、安保環境の変化に対し「切れ目のない対応」を可能にするという旗印のもと、そういう多様な議論をする姿勢に欠ける。
 衆院審議の終盤になって、安倍晋三首相は、日本周辺で弾道ミサイルを警戒中の米艦船の防護が、集団的自衛権を行使する「存立危機事態」に当たり得ると認め、少し具体的な議論に触れるようになった。それでも踏み込んだ質問をされると「国民を守るための手の内をさらすことになる」と言って、説明を避けた。
 20日のフジテレビの番組では、首相は模型を使いながら、米国という隣家が火事になった場合の消火活動に例えて、集団的自衛権を行使する必要性を強調した。だが、ご近所の消火活動と、集団的自衛権という武力の行使は、全く次元の違う話だ。
 消火活動に殺傷能力はないが、武力の行使は軍事力を行使することだ。殺し殺される可能性がある。こんな例え話は見当外れだ。
 安保環境が悪化しているというなら、その「現実」に対応するため、危機感をあおることなく冷静な議論をすべきだ。
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東京新聞 2015年7月22日
【社説】安保法案と世論 支持急落は国民の警鐘
 安倍内閣の支持率が急落している。安全保障法制関連法案の衆院通過を強行させたことに対する、国民の危機感の表れだ。政権は謙虚に受け止め、法案の撤回や廃案を今こそ、決断すべきだ。
 「憲法違反」と指摘される安保法案の成立を強行しようとする態度が、政権運営や政策実現の基盤となる国民の支持を確実に蝕(むしば)んでいることは否定できない。
 共同通信社が十七、十八両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、内閣支持率は37・7%で前回六月の47・4%から9・7ポイント急落、二〇一二年十二月の第二次安倍内閣発足後、最低となった。不支持率も51・6%(前回43・0%)と半数を超え、支持と不支持が初めて逆転した。
 支持率急落の原因が安保法案にあることは間違いないだろう。
 不支持理由で最も多かったのが「安倍晋三首相が信頼できない」(27・9%)で、安保法案の衆院採決強行を「よくなかった」と答えた人は73・3%に上る。安保法案が「違憲」との答えは56・6%、法案「反対」は61・5%、今国会成立「反対」は68・2%だ。
 報道各社の調査でも、政権へのスタンスに関係なく同様の結果が出ており、安保法案に対する国民の視線は厳しさを増している。
 首相は「支持率だけを大切にするなら、こういう法案を通そうとは思わない。支持率だけで政治をやっていない」と述べた。
 本当に必要な政策なら、支持率の動向に関係なく、国民を説き伏せてでも実現すべきであることは理解する。
 しかし、国民の反対を押し切ってまで、なぜ今、安保法案を成立させる必要があるのか、国民を納得させる明確な説明はない。
 憲法解釈を変え、海外での武力の行使に道を開く安保法案の成立を、安倍内閣が強行しようとすることは、憲法が権力を律する立憲主義を揺るがす問題でもある。
 本紙のアンケートでは、回答した憲法学者二百四人のうち、約九割に当たる百八十四人が法案を違憲と断じた。
 ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英・京大名誉教授ら「安全保障関連法案に反対する学者の会」の約百五十人も二十日に記者会見して廃案を訴えた。賛同する学者、研究者は一万一千人を超えるという。
 安保法案をめぐる支持率急落や学究の徒の指摘は政権への警鐘でもある。政権がこれを無視し、参院での法案審議や採決を強引に進めることがあってはならない。
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朝日新聞 2015年7月21日05時00分
(社説)砂川判決 司法自ら歴史の検証を


 最高裁は、憲法の番人と呼ばれる。行政から、立法から、そして言うまでもなく外国政府から独立した存在であることが、司法の公正さの礎である。
 ところが半世紀前、その原則を揺るがす出来事があった疑いが今も未解明のままだ。「砂川判決」の背後にある米政府と最高裁長官との関係についてで、当時の被告が裁判のやり直しを求めた審理が終盤を迎えた。
 司法は自ら史実を検証し、国民の疑念にこたえるべきだ。
 1957年、米軍基地の拡張に反対するデモの学生らが、刑事特別法違反に問われた。
 2年後、日米安保条約の改定を前に世論が盛り上がるなか、東京地裁は「米軍駐留は憲法9条違反」として無罪を言い渡した。だが9カ月後、最高裁は破棄し、差し戻した。
 日米安保条約のような高度に政治的な問題について司法は判断しない。いわゆる「統治行為論」を最高裁判決は打ち出し、今も重い影響力をもっている。
 この判決をめぐる疑義が明るみに出たのは2008年以降。裁判当時の田中耕太郎最高裁長官が駐日米大使らと判決前に会い、裁判の情報を伝えていたとの米政府の公電が公開された。
 条約改定を進めたい日米両政府にとって「米軍駐留は違憲」との一審判決がいかに不都合だったかは、想像にあまりある。
 米大使館の公電によると、大使に対し長官は一審判決は誤っていたとし、最高裁では全員一致で判決して「世論を乱す少数意見」は避けたい、との望みを語った。
 政府高官も無関係ではない。一審判決の翌朝、外相に会った大使が判決を「正す」重要さを強調したとの文書もある。
 「公平な裁判を受けられなかった」と被告や遺族が昨年、再審を請求したのは当然だろう。
 公電は外交担当者の見方によるものとはいえ、複数の公電が伝える長官と高官らのふるまいは、司法の独立だけでなく、国家の主権すら忘れ去られていた疑念を抱かせる。
 それは敗戦の影が色濃く残る往時の出来事とは決して片付けられない現代の問題である。米軍基地問題の訴訟をめぐり、統治行為論は、住民被害の救済を阻む壁であり続けている。
 さらに安倍政権は、今国会での成立をねらう安保関連法案の合憲性の根拠として、砂川判決を挙げた。その歴史的検証はいよいよ不可欠である。
 憲法をめぐる議論は活発になっている。国民の信頼を得るには、最高裁はこの歴史の暗部から目を背けてはならない。
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毎日新聞 2015年07月21日 02時37分
社説:視点 安保転換を問う 政策の持続性


 ◇支える金も人も足りぬ
 海上自衛隊の掃海部隊が東日本大震災の救援で活躍したことはあまり知られていない。津波で流された人の捜索、漂流物や水没した車の処理、遺体の収容・安置、孤立集落への食料や入浴の支援などに動いた。
 小回りのきく掃海艇は小さな湾にも入れ、水中作業を専門とする隊員もいる。1993年の北海道南西沖地震で奥尻島の救援に大きな役割を果たし、いつかくる南海トラフ地震などでも頼りになる存在だ。
 掃海部隊は横須賀(神奈川県)、呉(広島県)、下関(山口県)などに30隻近くを保有する。ホルムズ海峡への派遣ばかり話題になるが、日本近海で太平洋戦争中に米軍が投下した機雷の処理や、海難事故で沈んだ船の捜索にあたることもある。
 南シナ海での運用が想定される対潜哨戒機P3Cも、日本周辺の警戒が本来の役目だ。集団的自衛権の発動で南シナ海に飛ばせば、尖閣諸島をはじめ足元は手薄になるだろう。
 「積極的平和主義」の名のもと、日本から遠く離れて自衛隊を動かせば動かすほど、日本周辺での不測の事態にも、大災害にも備えがおろそかになる。
 活動範囲を広げるには、掃海艦艇やP3Cをはじめ、自衛隊の装備と隊員の増強しかない。現在5兆円近い防衛予算の大幅な増額が必要だ。だが国の借金が1000兆円を超える財政に、そんな余裕があるだろうか。若年人口が減少する時代を迎え、一段と危険になる自衛官のなり手が増えるだろうか。
 こんな客観状況の中で、強引に進められる政策に「社会保障切り下げ」「徴兵制導入」の影を見てとるのは考えすぎでなく、まっとうな懸念である。
 目先の安全保障環境の変化は見ていても、厳しい財政事情や人口減少という、やがてくるこの国の大きな構造変化をふまえていないのが安保法制なのだ。安倍晋三首相の「50年先、100年先をも見据えた」は言葉だけでしかない。
 思えば安倍政権の政策の多くは、未来を見通し熟慮した形跡がない。アベノミクスや原発回帰のエネルギー政策、新国立競技場建設。持続できない政策、次の世代にしわ寄せを及ぼす政策が目につく。一方、成果の見えにくい教育や貧困対策など「人への投資」には冷たい。
 国会前などに集まる大学生らは、安保法制に限らず自らに直接かかわる問題で、彼らの存在が考慮されない状況に憤っているのではないか。この国の変化をふまえず、地に足のついていない安保法制は未来に引き継げない政策である。(論説委員・中村秀明)
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しんぶん赤旗 2015年7月21日(火)
主張:7・24首相官邸包囲 国民の力で安倍政権打倒を


 安倍晋三政権による戦争法案の衆院強行採決に「憲法9条を壊し、国民主権をじゅうりんする暴挙は許せない」と大きな怒りが全国からわきおこっています。こうしたなか、24日に「民主主義を取り戻せ!戦争させるな! 安倍政権NO!首相官邸包囲」(7・24行動)が行われます。SEALDs(シールズ=自由と民主主義のための学生緊急行動)や首都圏反原発連合などの青年・学生、市民のグループと、全労連などの労働組合と民主団体が「安倍政権打倒」を一致点とする共同行動です。
独裁政治を許さない
 戦争法案の強行採決をはさんで、国会周辺では抗議行動が連日大規模に行われました。行動に取り組んだSEALDsのメンバーは「独裁を許すのか、民主主義を守るのかは、私たちのたたかいにかかっている」「戦後70年間、国民が守り続けてきた平和と民主主義は、いっときの政権によってひっくり返させてはならない」と訴え、大きな共感を呼びました。
 安倍政権の強権的なやり方に各分野で国民の批判が強まり、たたかいがすすんでいます。衆院を通過し、参院で審議が始まった労働者派遣法改悪案にたいして、「生涯ハケン・正社員ゼロ社会を許すな」と、全労連や連合をはじめナショナルセンターの違いを超えた運動が広がっています。圧倒的多数の沖縄県民が米軍新基地建設強行に反対し、「オール沖縄」の共同が発展しています。原発事故被害の賠償打ち切りなど「福島切り捨て」と一体で原発再稼働・永久化策動を強め、8月にも川内(せんだい)原発再稼働を狙う政府に、全国各地で再稼働反対・原発ゼロを求める粘り強いたたかいが続いています。
 安倍政権は環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意にむけて前のめりですが、農業と地域経済を破壊し、国民の命と暮らしを脅かすとして反対が広がっています。消費税増税路線の中止、社会保障の切り捨てを許さず充実させる運動、ヘイトスピーチ規制を求める声の強まりなど、各分野の取り組みは前進しています。
 国民の声を無視し、立憲主義を否定し、憲法の平和主義、民主主義、国民主権をことごとく踏みにじる安倍政権の独裁政治を許すなの声は広がるばかりです。マスメディアの世論調査も、安倍内閣の支持が急落し不支持が上回ってきています。
 7・24行動の実行委員会は、安倍政権について「世論を無視し、国の形を変え、独裁的に戦争できる国へと突き進む様は、民主主義に対する挑戦であり、法の支配を破るクーデター」と批判し、「今こそ平和な暮らしと自由を望む主権者たる人々が集まり、政権を揺るがし、民主主義を取り戻しましょう」と呼びかけています。各分野のたたかいを総結集して、なんとしても安倍政権の暴走政治をストップさせようではありませんか。
たたかいの総結集を
 空前の規模で発展している運動と国民世論によって包囲され、追い詰められているのは、安倍政権です。日本共産党は、戦争法案を必ず廃案に追い込むために、国民とスクラムを組み、国会内外のたたかいに全力をあげます。
 安倍政権による民主主義破壊の独裁政治、専制政治を一日も早く終わらせるたたかいの結節点として、7・24官邸包囲行動を大きく成功させましょう。
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毎日新聞 2015年07月20日 02時30分
社説:視点 安保転換を問う 国会と教室


 ◇若者の不安に向き合え
 東京都内の中学を定年退職して間もない元教師は、卒業生と久しぶりに会うクラス会だったのに気持ちが沈んだという。
 自衛隊員の20代の教え子から、危険を伴う海外任務に就くことを打ち明けられた。「先生、おれ仕事がんばってるよ。本当は行きたかねえよ。でも今の仕事でいつか死ななきゃならないなら、仕方ないんだ」
 中学ではやんちゃで、ずいぶん手がかかった。その生徒が大人になり、真顔で「死」を口にする。自衛隊の活動がさらに広がれば……。「もしや自分の生徒が」という不安が初めて現実味を帯びて迫ってきた。
 安全保障政策の転換は若い世代の将来に関わるテーマだ。教育現場ではどう教えているのか。中学の複数の教師に尋ねると、ほとんど話をしないという。政治の話題は「中立性」を気にして避けているようだ。
 山口県の高校では今年6月、安保関連法案に関して生徒たちが意見を述べ合い、どの意見に説得力があるかを問う模擬投票の授業があった。教育長は、やはり中立性の観点から問題視した。選挙の投票年齢も引き下げられたのに、これでは議論が深まらない。
 一人のベテラン中学教師の話が印象に残る。
 過激派組織「イスラム国」(IS)がジャーナリストの後藤健二さんを殺害したというニュースが流れた時のことだ。多くの生徒はインターネットで映像を見ていた。「自衛隊がテロと戦うしかないのかな」。怒りとともに、強い不安を感じていることを知った。
 生徒の間でこんなやりとりもあった。
 「集団的自衛権の行使って、日本が戦争すること?」
 「違うよ。日本はずっと戦争しない国なんだよ」
 「いや。時代はもう変わったんだ」
 そして教師に投げかけてきた。「先生はいいよな、年だから。おれたちが大人になった時に、世の中どうなってるかわかんないよ」
 生徒は今、教師が想像している以上に、自分たちの将来と重ねて国の行く末を考えているのだ。教師はそう感じ、それぞれの意見をプリントにして全員に配った。教室で一緒に議論を始めた。
 これまでの国会の議論はどうか。日本はどんな国を目指しているのか、若い世代の不安や疑問に応えているとは思えない。
 自衛隊員として「リスク」を負うのも、長くテロと向き合うのも、アジアの国々とつき合っていくのも彼らだ。(論説委員・花谷寿人)
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毎日新聞 2015年07月19日 02時30分
社説:視点:安保転換を問う ドイツの教訓=大木俊治


 ◇「戦死者」を出した苦悩
 第二次世界大戦で敗れた日本とドイツは戦後、ともに不戦の誓いをたて、国外派兵に慎重な姿勢をとってきた。憲法解釈を変更してこの「特別の道」から脱却したドイツは、多大な犠牲と苦悩を経験した。日本はその教訓をくみ取り、安保法制の議論にも生かすべきではないか。
 ドイツは憲法にあたる基本法で国防軍の役割を明記し、集団安全保障への参加も認めているが、加盟する北大西洋条約機構(NATO)域外への派兵はできないというのが従来の基本法の解釈だった。これを1992年にコール政権が変更し、域外派兵に踏み切った。憲法裁判所も「連邦議会の過半数の同意」を条件に「合憲」のお墨付きを与え、ドイツは旧ユーゴスラビアやアフガニスタンで軍事作戦や治安維持活動に参加した。
 アフガンでは想定外の事態が続いた。紛争の泥沼化で増派を迫られ、派遣規模は当初の4倍近い最大4500人に増えた。戦闘行為には参加しない前提だったが、自爆テロなどで55人の「戦死者」を出し、多くの兵士が心身に傷を負って帰国した。
 またドイツ軍大佐の誤った通報による米軍の爆撃で住民百数十人が死亡し、戦後初めて「加害者」となる苦悩を経験した。それにもかかわらず、危険地帯への部隊展開を拒否したことで他の同盟国からは批判された。
 こうした現実にドイツ国内では国外派兵を疑問視する声が強まり、2011年のリビア攻撃への不参加決定には派兵に反対する世論が大きく影響した。しかし、いったん出動したアフガンから撤退することはできなかった。他国との合同作戦に穴を開け、国際的な信用を大きく損なうことになるからだ。
 日本が海外派兵に道を開けばドイツの経験はひとごとではなくなる。安倍晋三首相は衆院の審議でドイツの例をどう考えるか質問された際に、「アフガンのような治安状況は一般に想定されない」とはぐらかし、「想定外」の可能性を語ろうとしなかった。早稲田大法学学術院の水島朝穂教授は「ドイツの失敗例を直視すべきだ」と訴える。
 ドイツは05年制定の「議会関与法」で、国外派兵する場合は原則として政府が詳細な計画を議会に提案し、承認を得るよう義務づけた。08年には憲法裁が議会同意なくトルコでNATOの監視活動に参加したケースを「違憲」と判断した。議会の決定権を重視する流れが強まっているとも言える。
 日本でも国会の役割をもっと重視すべきだ。架空のたとえ話ではなく、現実を踏まえた議論をもっと重ねてほしい。(論説委員)
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東京新聞 2015年7月18日
【社説】国会前デモ 街頭のデモクラシーよ


 安保法制に反対する若者たちが国会前に集まっている。憲法に違反し、「戦争できる国」へと暴走する政治に黙ってはいられない。同じ思いで集うデモは民主主義の表現手段である。耳を傾けよう。
 「憲法守れ! 勝手に決めるな! 国民なめんな!」
 マイクを握った若者に合わせ、激しいコールが響き渡る。プラカードを掲げ、声をからし、深夜まで沿道に人波があふれる。
 国会前のデモは、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」などがツイッターやフェイスブックなどで呼びかけ、法案審議が始まった五月から行動してきた。
 二十代が多いが、年上の世代とも連携する。参加者は毎回増え、衆院の特別委員会で強行可決された十五日の夜には、主催者発表で十万人にまで膨れ上がった。
 同じような思いを共有した人が国会前だけでなく、全国各地で行動を起こしている。
 四年前の福島原発事故の後、デモに参加することは市民にとって当たり前の行動となってきた。
 今、各地で行動を起こしている若者はまさに、おかしいことにはおかしいと言う、異議申し立ての手段だという感覚を持ちあわせている人が少なくない。それが行動につながる。
 原発再稼働も、特定秘密保護法も、反対する世論をまるで無視するように強行されている。
 貧困と格差が広がる中で、若者の暮らしは追い詰められている。
 ブラック企業やブラックバイトに象徴されるように、違法、脱法、長時間、低賃金の労働がはびこる。安保法案ができて、日本が他国の戦争に加担する国になったとき、だれが自衛隊に入るのか。だれが戦地に向かうのか。
 奨学金の返還に苦しむ学生の中では「自衛隊で何年か働けば、学費免除になるような制度ができるのではないか」という不安が、現実味を帯びて語られてもいる。そういう不安を考えてほしい、というのだ。
 たくさんの異論があってこそ、民主主義は成り立つし、よりよい答えを導くはずだ。
 法案の審議は参院に移る。
 日本の将来を率いる若者の叫びにじっくり耳を傾けてはどうか。
 「民意は国会の中でなく、外にある」と若者は力強く言った。
 国会前にこれだけ多くの若者が集まるのは、聞く耳を持たない政権への危機感の表れである。
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沖縄タイムス 2015年7月18日 05:30
社説[安保法案参院へ]存在意義を懸けて臨め


 集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法案が衆院を通過した。自民、公明など与党による採決強行は、衆院特別委員会に続く暴挙だ。
 特別委の審議で露呈したのは、安倍晋三首相らが質問に正面から向き合うことを避け、説明を尽くそうとする姿勢から程遠いことだった。
 どういう状況になれば自衛隊が武力行使するのか。安保法案の核心を突く質問に、安倍首相は「総合的に判断する」などと、あいまいで具体性に欠ける答弁を繰り返した。
 中谷元・防衛相は集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に触れ、「現在の憲法をいかにこの法案に適応させていけばいいのか」などと答弁した。国の最高法規は憲法である。中谷氏の発言は主客転倒している。
 大臣や国会議員には憲法を尊重し擁護する義務がある。にもかかわらず、安倍政権はあからさまに憲法を軽んじている。
 安倍首相は当初、憲法改正手続きを定める96条の要件を緩和することを考えていたが、難しいと見るや、解釈改憲にかじを切った。
 憲法解釈について安倍首相は「最高の責任者は私だ。選挙で審判を受けるのは内閣法制局長官ではない」と答弁したこともある。
 歴代内閣、国会が積み上げてきた憲法解釈を時の政権の判断によって変更が可能となれば、憲法に求められる安定性が損なわれ、権力者が恣意(しい)的に変えることができるようになる。国民主権の下で国家権力を縛る「立憲主義」の否定というほかない。
    ■    ■
 安倍首相は異論を認めない。象徴的なのは、民主党議員が質問している最中に「早く質問しろよ」と答弁席からやじを飛ばしたことだ。
 政府をチェックするのは議員として当然の務めである。それを封じ込めるようなやじは、国政に有権者の意思を反映させる代議制民主主義と国会を否定するものだ。
 その空気は自民党内に蔓延(まんえん)しているようだ。意に沿わぬ放送をしたテレビ局などの幹部を呼び事情を聴く。総務相は電波を止める命令を出すことができる。圧力と受け止められるのは間違いない。
 自民党内では安倍首相に近い議員らの勉強会で報道に圧力をかけるような発言が何のためらいもなく語られるようになっている。
 「安倍1強」体制は、党内での異論も許さない。異論を包む懐の深さがかつての自民党にはあったはずだが、それが失われた。
    ■    ■
 審議の舞台は参院に移る。違憲の疑いが濃厚な法案であることは参院に送付されても何ら解消されない。
 安保法案に反対する動きが全国各地で広がっているのは、法案そのものと、聞く耳を持たぬ横暴な「安倍政治」に対する危機感からである。特に子どもを持つ女性と若者らに顕著だ。
 参院はしばしば「盲腸」などと揶揄(やゆ)されるが、本来「良識の府」「再考の府」である。与野党を問わず、存在意義を懸けて審議に臨まなければ、自らの役割を放棄することになる。肝に銘じてほしい。
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