2015-09-01(Tue)

戦争法案  (26) 国会周辺12万人 8・30反対集会 全国数十万  

戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」
広がる反対運動 首相は民意受け止めよ  大規模集会 抗議の声に向き合え 若者が巻き起こす抗議の渦


<各紙社説・主張・論説>
東京新聞)新安保法制 広がる反対運動 首相は民意受け止めよ(9/1)
しんぶん赤旗)戦争反対、9条守れ 列島揺るがす、この声を聞け(8/31)
茨城新聞)安保法案 「民意」と大きなずれ(9/1)
信濃毎日新聞)安保をただす 大規模集会 抗議の声に向き合え(9/1)
福井新聞)安保法制反対のうねり 政権に希薄な「国民主権」(9/1)

京都新聞)安保抗議行動  民主主義の「質」を問う(8/31)
神戸新聞)安保法案と市民/国会包囲が示した危機感(9/1)
高知新聞)【安保法案集会】誤解者扱いは筋違いだ(9/1)
熊本日日新聞)安保法案反対集会 若者が巻き起こす抗議の渦(9/1)
宮崎日日新聞)「反安保」集会 ◆政権は民意とのずれ認識を◆(9/1)

南日本新聞) [新安保政策・参院審議ヤマ場] 民意と真摯に向き合え(9/1)
琉球新報)安保法制反対集会 草の根の声聞き成立断念を(8/31)
沖縄タイムス)[安保法案と辺野古]連動する反対のうねり(8/31)
沖縄タイムス)[安保法制 きょう全国行動]民主主義を更新しよう(8/30)




以下引用



東京新聞 2015/09/01 08:55
社説:新安保法制 広がる反対運動 首相は民意受け止めよ


 安倍晋三首相の耳に、その声は届いただろうか。
 安全保障関連法案に反対する人々が8月30日、全国で一斉に声を上げた。
 国会周辺では、主催者発表で約12万人が参加した。関連法案反対のデモとしては、これまでで最大規模である。
 主催者によると、デモなどが行われたのは全国200カ所以上に上る。道内でも札幌や旭川、函館、帯広など30カ所以上で署名活動や抗議行動が行われた。
 関連法案反対の民意は地域や世代を超えて大きく広がっている。
 政府・与党は法案が「誤解されている」とし、あくまで9月中旬の成立を目指す構えだ。
 だが反対運動の広がりは、法案への誤解や無理解ではなく、むしろその危険な本質への理解が進んできたためだろう。
 各種世論調査でも反対が賛成を大きく上回っている。首相は民意を謙虚に受け止め、法案成立を断念すべきだ。
 国会周辺の集会は、雨にもかかわらず身動きが取れないほどの人で埋め尽くされ、「戦争させない」「今すぐ廃案」の声が響いた。
 組織による動員が中心の従来のデモと違うのは、若者から高齢者まで、幅広い世代が自発的に集まっていることだ。
 親子連れや夫婦で参加する姿も目立った。法案に対する反対運動の裾野は着実に広がっていると言えよう。
 菅義偉官房長官はきのうの記者会見で、「一部野党やマスコミから戦争法案とか徴兵制の復活という宣伝がなされ、大きな誤解が生じていることは極めて残念だ」と述べた。
 だがこれまでの国会審議で明らかになったのは、集団的自衛権行使に道を開く法案の強い違憲性や、自衛隊の海外活動が際限なく広がりかねない危険性である。
 それらが国民に広く理解されてきたことに加え、衆院で強行採決するなど首相のごり押しのような政権運営への不満が、反対運動拡大の背景にあるのではないか。
 大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー、奥田愛基(あき)さんは集会で「憲法は国民一人一人の権利で、それを無視するのは国民をないがしろにすることだ」とし、「憲法を無視しないでほしい」と訴えた。
 デモは憲法で認められた重要な表現形態である。首相や与党議員は、その声に誠実に耳を傾けなければならない。
ページのトップへ戻る



しんぶん赤旗 2015年8月31日(月)
主張:戦争反対、9条守れ 列島揺るがす、この声を聞け


 「戦争法案、絶対廃案!」「安倍政権はただちに退陣!」―。地鳴りのようなコールが何度も繰り返され、色鮮やかなプラカードが揺れます。国会議事堂の正門前は、身動きできぬほどの人波で埋まり、雨天を吹き飛ばす勢いの熱気で満ちあふれました。国会周辺で12万人が参加、全国1000カ所以上で繰り広げられた「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」。戦後史に刻まれる、文字通り空前の規模となりました。日本列島に響きわたる「戦争法案廃案」の声を聞き、安倍晋三首相は戦争法案強行をきっぱり断念すべきです。
「黙ってはいられない」
 国会前は何時間も前から多くの人たちが続々と駆けつけ、行動開始前には車道も参加者で埋まりました。「未来へ平和のバトンをわたそう」と書かれたTシャツを着た女性、「だれの子どももころさせない」と訴えるプラカード。父親に手を引かれた男の子が「戦争行きたくない」のプラカードを持ちます。一人ひとりの思いが切々と伝わります。参加者の多くが共通して口にするのは「安倍首相のむちゃくちゃなやり方に黙っていられない」気持ちです。
 安倍政権が戦争法案の衆院可決を数の力で強行し、参院で審議が始まって1カ月、審議がすすめばすすむほど、自衛隊をアメリカの戦争に参戦させる法案の危険性が鮮明になり、「国民の命を守る」という安倍首相の口実がまったく成り立たないことがいよいよ浮き彫りなってきています。国会論戦で、安倍首相や閣僚は、法案についてきちんと答弁できず、法案を審議する特別委員会での審議中断は77回を数える異常事態となっています。政府自体がまともに説明できないボロボロの法案は廃案にすべきなのに、安倍政権は、参院での早期採決、衆院での再議決まで狙う、国民世論に完全に逆行する姿勢をあらわにしています。
 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が呼びかけた30日の行動は、安倍政権の国民無視の暴走を絶対に許さない、全国規模での巨大な意思表示です。東京では、多くの参加者が国会を包囲しただけでなく、官庁街の霞が関や日比谷まであふれました。全国的には大阪市の扇町公園2万5000人をはじめ大小あわせた多彩な行動が1000カ所を超えました。全国いっせいに「強行採決絶対反対!」などのコールが続いた光景は、まさに圧巻です。
 国会前で、日本共産党の志位和夫委員長が「ここが正念場です。絶対に止めようではありませんか」と力強く呼びかけ、民主、社民、生活の党首と手をつなぐと、「頑張って!」と大きな声援が飛び、激励の拍手がどっとわきました。戦争法案を廃案に追い込むために、国会の中と外で力を合わせてたたかいぬくことが、いよいよ重要です。
未来をかけ廃案必ず
 平和と憲法の危機に全国津々浦々で、世代を超えてこれほどの規模で立ち上がったことは、戦後70年、日本の民主主義が社会に深く根を張り成長していることの証明です。国民の声を無視して戦争法案をあくまで強行することは独裁政治にほかなりません。安倍政権をさらに追い込むたたかいを、大いに広げ、戦争法案を必ず廃案にしようではありませんか。
ページのトップへ戻る



茨城新聞 2015年9月1日(火)
【論説】安保法案 「民意」と大きなずれ


日曜日、参院で審議中の安全保障関連法案に反対する人波が東京・永田町の国会議事堂前に押し寄せ、あっという間に辺りの歩道を埋め、車道にあふれ出した。霞が関の官庁街や日比谷公園にも繰り出し、一帯に「戦争させない」「いますぐ廃案」のシュプレヒコールが延々と響いた。これに合わせ、全国各地でも集会やデモが相次いだ。
 インターネットなどを通じて「全国100万人大行動」を呼びかけた主催者によると、国会周辺には約12万人(警察の集計は約3万人)が集まり、安保法案をめぐる反対行動としては最大規模となった。加えて釧路、仙台、名古屋、大阪、広島、長崎、那覇など200カ所以上で一斉に抗議活動が繰り広げられた。
 総参加者は数えようもないが、それよりも注目すべきは世代も職業も超えた、その裾野の広がりだろう。「誰の子どもも殺させない」と訴える母親や、ラップ調の「憲法守れ」「戦争反対」を叫ぶ若者、「教え子を戦争に行かせたくない」という教員。さらに中高年のサラリーマン、学者、法律家…とありとあらゆる人たちが詰め掛けた。
 動員ではなく、皆が自発的に動いた。世論調査でも、安保法案への慎重論が大勢を占める。そんな中、政府と与党はあくまで9月中旬の採決を目指す構えだ。しかし「民意」との間に生じた大きなずれを放置したまま突き進むようなら、この国の民主主義は危うい。
 なぜ、反安保法案の波はここまで大きくなったのか。安倍晋三首相は何度も「丁寧に説明し、国民の理解を得ていく」と強調したが、政府と与党にその姿勢はかけらもない。1カ月が過ぎた参院審議は出だしから「法的安定性は関係ない」との礒崎陽輔首相補佐官の発言で紛糾。その後も野党の質問と政府答弁がかみ合わず度々中断した。
 首相のやじ問題もあり、審議時間だけが積み上がる中で多くの疑問が置き去りにされてきた。その最たるものが、集団的自衛権の行使を可能にする安保法案につきまとう「違憲」の疑いだ。憲法学者の指摘に、首相は「合憲と確信している」と反論。最高裁が「必要な自衛の措置」を認めた1959年の砂川事件判決を引き合いに出した。
 だが日曜日の大行動を前に都内で開かれた憲法学者や内閣法制局長官経験者らの共同記者会見では、あらためて「違憲」と断じる発言が続き、浜田邦夫元最高裁判事は砂川判決について聞かれ、合憲の根拠になりようもないとの考えを示した。
いつ、どのようなとき集団的自衛権を行使できるかについても、政府の説明は定まらない。昨年7月に母子の姿を描いたパネルを前に首相は、朝鮮半島有事が起きたとき、退避する邦人を乗せた米艦を守れなくていいのかと訴えた。しかし中谷元・防衛相は参院特別委員会で行使要件の「存立危機事態」の認定に関して「邦人が乗っているかいないかは絶対的なものではない」と述べた。
さらに岸田文雄外相は「国際法上、集団安全保障を理由に武力行使を正当化する場合はあり得る」と答弁。「この法案は集団安全保障も規定しているのか」と野党の非難を浴びた。自衛隊員のリスク増をめぐる議論も決着していない。多くの人が不安を募らせ、それが大行動につながったことを政府と与党はもっと重く受け止めるべきだ。
ページのトップへ戻る



信濃毎日新聞 2015年09月01日(火)
社説:安保をただす 大規模集会 抗議の声に向き合え


 安全保障関連法案に反対する人たちが国会前の道路を埋め尽くしている。廃案を求める声の広がりを実感させる光景だ。
 日曜日に市民団体が国会周辺で開いた大規模な集会である。雨の中、世代を超えて多くの人が集まった。
 一斉行動の呼び掛けに応じ、長野県内を含め全国各地でもデモや集会が行われている。
 「高校生の孫に『なぜ反対しなかったの』と言われないよう反対の意思を示すため参加した」「毎日でも訴え続けたい」「憲法9条のおかげで戦争を避けてこられたが、なし崩しにされようとしている」。参加者の言葉には、やむにやまれぬ思いがにじむ。
 法案への反対運動は若者たちが引っ張る形で広がった。毎週金曜日に国会前で抗議行動を続けてきた大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」は、各地で同様の組織ができている。
 高齢層による「OLDs(オールズ)」、中年層の「MIDDLEs(ミドルズ)」なども結成された。母親たちは「安保関連法案に反対するママの会」をつくっている。こうした動きの延長線上に今回の大規模集会がある。
 幅広い抗議の声に対し、自民党の幹部は「国会で論点は出尽くしつつある。集会で影響が出ることはない」と発言している。9月中旬の採決を目指して参院での審議を進める構えだ。
 反対論に対し、政府与党は「法案の内容が誤解されている」と主張する。国民がどう誤解しているというのか。
 集団的自衛権の行使容認は大多数の憲法学者が「違憲」と指摘している。後方支援の拡大は自衛隊が海外で戦闘に関わる危険を高める。合憲性、必要性について納得のいく説明は聞かれない。多くの人が反対するのは疑問だらけ、不安だらけの法案だからだ。
 「国民の理解を得られるよう努力する」と言いながら、反対意見を顧みることなく、衆院で採決を強行した。衆院で再可決して成立させることも視野に入れ、会期を大幅に延長した。民主主義をないがしろにする強引な進め方にも国民は抗議している。
 安倍晋三首相は法案を「国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠なものだ」としている。民意に向き合おうとしないまま、「国民のため」と繰り返しても説得力はない。
ページのトップへ戻る



福井新聞(2015年9月1日午前7時05分)
論説:安保法制反対のうねり 政権に希薄な「国民主権」


 「法案内容が誤解されている」「国会で論点は出尽くしつつある。集会で影響が出ることはない」
 与党側からは安全保障関連法案の正当性を主張する声が相次ぐ。つまり、法案の内容を正確に理解せず、不当に非難するのは国民や野党側だと。こんな論理がまかり通る安倍政治に「民意」が反旗を翻している。
 30日の日曜日。参院で審議中の安保関連法案に反対する市民らの人波が国会議事堂を取り囲み、車道にまであふれた。主催者発表で約12万人。デモや集会は全国300カ所以上に広がり福井県内でも4市内で反対活動が繰り広げられた。
 「戦争反対」「9条壊すな」「今すぐ廃案」などと叫ぶ若者らの声に「誰の子どもも殺させない」と訴える母親の叫び声が響く。学者や文化人、法律家なども多い。多種多様な人たちが結集したのは、それだけ法案に対する危機意識が共有されているからだろう。
 安保法制反対のうねりが広がるのは、法案そのものが「憲法違反」で、戦争に加担し「戦争のできる国」への危うさが付きまとう異常な法案であるからだ。
 政府説明が二転三転し、首相と防衛相らの答弁が食い違うのも当然だ。十分練り上げられた法案ではない上、集団的自衛権の行使には常に危険が伴い、想定外の事態が起き得るためである。もし「隊員の安全は確保され、リスクは下がる」とする首相の説明通りであるならば、自衛隊はとても国民の生命や平和な暮らしは守れないだろう。
 多数の憲法学者が「違憲」と断じるのに対し首相は「合憲と確信している」と反論。自民党幹部は「国の安全を守るのは憲法学者ではなく、政治家だ」とまで言い放ち、果ては「法的安定性は関係ない」とうそぶく首相補佐官までいる。冷静さと客観性をもって国民に説明できる根拠があればこんな発言はしない。
 最高裁が「必要な自衛の措置」を認めた1959年の砂川事件判決は、米軍の駐留を問われたもので、今回の集団的自衛権の問題とは全く関わりがなく、合憲の根拠になり得ないとする元最高裁判事らの見解もある。国民の不信感は法案の根幹に向けられている。
 共同通信世論調査でも過半数が「憲法違反」、公明党支持者でさえ55・4%が今国会成立に反対だ。
 大規模デモに関し「一部の野党やマスコミから戦争法案だとか徴兵制の復活などの宣伝もされ、大きな誤解が生じていることは極めて残念だ」。菅義偉官房長官は会見でそう述べた。「誤解を解く努力をしっかり行っていきたい」と言うなら、先を急がずじっくり時間を掛けるべきではないか。
 今後、参院の議決がなくても衆院の再可決で法案成立が可能となる「60日ルール」の分岐点である9月14日を軸に、与野党の駆け引きが活発化するだろう。「国民のために」と言いながら国民からかけ離れていくのはなぜか。政府、与党は立憲主義、国民主権、議会制民主主義の意味を立ち止まって考えてほしい。
ページのトップへ戻る



[京都新聞 2015年08月31日掲載]
社説:安保抗議行動  民主主義の「質」を問う


 参院特別委員会で審議中の安全保障関連法案に異を唱える抗議行動がきのう、京都、滋賀など全国200カ所以上で一斉に展開された。国会周辺では、主催者発表で約12万人が参加したという。
 与党は衆院の「60日ルール」が適用可能となる9月14日よりも前の採決時期を探っている。だが、共同通信が衆院通過直後に行った世論調査では、法案に反対が6割を超え、3割弱にとどまる賛成を大きく上回ったほか、戦後70年の安倍談話発表後の世論調査でも、6割以上が今国会での成立に反対している。
 憲法が禁じる集団的自衛権の行使容認に踏み込み、多くの憲法学者が「違憲」と指摘する法案である。抗議行動の高まりは、世論を無視し、数の力で押し切ろうとする強引な政治への危機感の表れでもあろう。政府・与党には、民意を重く受け止め、廃案にして出直すようあらためて求めたい。
 安倍晋三首相は、今回の法案が成立すれば抑止力が高まり、日本の安全保障がより強化されると説明する。だが自衛隊と米軍との一体化が進み、活動範囲が地球規模に広がることで米国の戦争に巻き込まれ、テロを誘発する危険も高まるのではないかという国民の懸念は何ら解消されていない。
 集団的自衛権を使う際の前提条件「存立危機事態」の判断についても、首相は「総合的に」と繰り返し、時の政権によって恣意的(しいてき)に解釈できる危うさが浮き彫りになった。政府の説明は曖昧な点があまりにも多く、誰が見ても明らかな自衛隊のリスク増大さえ認めようとしない。これでは国民は納得できない。
 国民に広がっているのは、憲法9条が政府の解釈変更で骨抜きにされ、悲惨な戦争への反省から出発した戦後日本の平和主義が変質していくことへの不安である。
 自民党の高村正彦副総裁は、衆院通過後にNHKの番組で、1960年の日米安保条約改定などについて触れ、反対する「刹那的な世論」に頼っていたらできなかったと強調した。だが、米軍の日本防衛義務を明記した60年の改定と、海外での武力行使に道を開く今回の法案とでは次元が違う。平和国家の基軸を変えかねない内容だ。
 政府・与党は学生を中心に始まった自由なデモを「刹那的な世論」と軽く見てはならない。世代を超えて広がりをみせる抗議行動は、この国の民主主義の質そのものを問いかけている。
ページのトップへ戻る



神戸新聞 2015/09/01
社説:安保法案と市民/国会包囲が示した危機感


 安全保障関連法案に反対する市民団体が国会近くで開いた集会に、主催者発表で12万人が参加した。
 議事堂周辺は人で埋め尽くされ、車道にまであふれ出した。メーンステージが置かれた正門周辺は身動きが取れない状況だったという。
 「戦争させるな」「今すぐ廃案」の声が響き渡る。10万を超す市民が国会を取り囲んだ光景は、約33万人が結集したとされる1960年の安保闘争をほうふつさせる。
 ただ、当時と違って参加者は若者から高齢者まで幅広い世代にわたる。若い女性の姿も少なくない。労組などの組織動員だけでなく、一般市民らの自主的な参加が約半世紀ぶりの「国会包囲」につながった。
 政府、与党は今国会での法案採決を目指すが、これだけの人が「反対」の意思表示を行った事実は重い。背後にはさらに多くの批判の声があり、採決を強行すべきではない。
 共同通信社の世論調査では、今国会での法案成立に6割超が反対している。法案への反対も約6割に上る。安倍政権は今回の大集会を民意の表れと受け止めるべきである。
 参加者の中で目を引いたのは若い世代の姿だ。ドラムのリズムに合わせてラップ調でメッセージを語り掛けるなど、従来のデモのイメージとは異なる。そのスタイルが共感を呼び、全国に広がった。
 中心団体は大学生らでつくる「SEALDs(シールズ)」だ。特定秘密保護法反対の運動を経験した有志らがこの春に結成した。無料通信アプリで連絡し合い、毎週金曜日に国会前で抗議行動を続けてきた。
 「無党派」を掲げ、既成政党とは一線を画す。首都圏だけでなく、神戸や大阪、京都でも地元学生らの「シールズ関西」が活動する。
 「法案は僕たちの安全を保障しない。立憲主義の破壊だ」とメンバーの神戸大大学院生は本紙の取材に対して話している。将来を担う世代の危機感が伝わってくる。
 若者らに触発され、高齢者や中年層のグループも生まれた。子育て中の女性らも「安保関連法案に反対するママの会」を結成した。そうした動きは、東日本大震災後の「脱原発」とも連なる「サイレント・マジョリティー」(声なき多数派)の意思表示とみるべきだろう。
 政府、与党は市民の声を受け止め、誠実に対応する責任がある。
ページのトップへ戻る



高知新聞 2015年09月01日08時03分
社説:【安保法案集会】誤解者扱いは筋違いだ


 国会の会期が1カ月を切り、安全保障関連法案に反対するデモや集会が全国で勢いを増している。8月30日には主催者発表で12万人もが国会前を埋め尽くし、廃案を求めた。
 学校の夏休み最後の日曜日にもかかわらず、多くの子育て世代や若者が参加した。その強い思いを、永田町の政府与党関係者はどれだけ理解しているだろうか。
 この日の大規模集会について記者会見で問われた菅官房長官は「一部の野党やマスコミから、戦争法案だとか徴兵制復活などが宣伝され、大きな誤解が生じている」と発言した。
 法案の根幹となっている集団的自衛権の行使については、多くの憲法学者や元内閣法制局長官らが明確に違憲としている。国会論戦でも、法案の問題点が次々に露呈しているが、政府は同じ説明を繰り返し、いら立つ安倍首相が何度もやじを飛ばす始末だ。
 こうした政府の説明不足や対応を棚に上げ、国民を誤解者扱いするのは筋違いである。
 もちろん、集団的自衛権の行使を支持する声もある。時代に合わせ、安保法制の在り方を議論していく必要性もあるだろう。
 だからといって、時の政権が解釈を変更したり、関連法案をわずか数カ月の国会審議で決着させたりする手法は許されない。
 国民の生命にかかわる問題ならばなおさら国民に信を問い、時間をかけるべきだろう。憲法改正の論議もできるはずだ。それなしに安倍流「改憲」は認められない。
 30日は全国200カ所以上でデモや集会が行われ、高知市でも安保法案反対の集会としては最多の約1500人(主催者発表)が参加した。法案への疑問が広がっている証しだ。
 県内では、幼い子どもを持つ母親らが法案に反対するグループを立ち上げたり、学習会に参加したりする例も増えている。子の将来への不安は募るばかりだ。
 菅官房長官は会見で「誤解を解く努力をしっかり行う」「国民の声に耳を傾ける」とも述べたが、政府与党は9月中旬の参院採決を目指している。難航しても、「60日ルール」で衆院で再可決・成立させることが可能だ。
 半月で理解が進むとは思えない。信じがたい状態でカウントダウンが始まろうとしている。
ページのトップへ戻る



熊本日日新聞 2015年09月01日
社説:安保法案反対集会 若者が巻き起こす抗議の渦


「子どもたちを戦場に送りたくない」「米国の言いなりで戦争に巻き込まれ、日本が使い捨てにされるのでは」-全国から上がる不安や懸念の声に、安倍晋三政権はどう応えるのか。
 安全保障関連法案に反対する市民団体が8月30日、国会近くで集会を開き、同法案への抗議行動としては最大規模の人数が参加した。一斉行動も呼び掛けられ、県内を含む全国200カ所以上でデモや集会が行われた。
 抗議行動は若者たちがけん引役となっているのが特徴だ。無料通信アプリLINE(ライン)でつながり、ツイッターで発信する。今春結成された大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」が代表格で、ラップ調のコールや音楽で集会を盛り上げる。
 従来の労働組合や政党による集会とは違い、若者が安保法案を自らの問題として捉え、感じた違和感を現代のツール(道具)を駆使して素直に表現する。斬新なスタイルが共感を呼び、参加へのハードルを下げた結果、高齢者や中年層、母親たちにも広がった。
 こうした活動の背景にあるのは、法案を強引に推し進める安倍政権への不安だろう。首相は、歴代政権が憲法違反で認められないとしてきた集団的自衛権行使を、憲法改正の手続きを経ずに、閣議決定だけで認めた。
 集団的自衛権行使が可能と判断する「存立危機事態」について、政府は「国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」など、「武力行使の新3要件」を満たす場合に限られるとする。だが、新3要件は極めて曖昧だ。
 国会審議では、その曖昧さが際立つ。朝鮮半島有事の際の米艦防護をめぐって、中谷元・防衛相は「邦人が乗っているかいないかは絶対的なものではない」と述べた。邦人が乗っていなくても米艦は防護対象になるとの見解で、集団的自衛権の行使要件が際限なく広がる恐れがある。
 問題はほかにもある。他国軍への後方支援をめぐって、中谷防衛相は「核兵器の運搬も法文上は排除していない」と述べた。後方支援の対象地域と任務を広げ、これまでできなかった弾薬提供や、発進準備中の戦闘機への給油もできるようになる。これは他国の武力行使との一体化ではないのか。
 菅義偉官房長官は反対集会について、「戦争法案や徴兵制復活といった大きな誤解が生じていることは極めて残念。誤解を解く努力をしたい」と述べた。だが、政権が真剣に「誤解」を解こうとしているようには見えない。むしろ曖昧な部分を残したまま、できるだけフリーハンドを確保したいという思惑ではないのか。
 安全保障の問題が重要なのは論をまたない。だからこそ、政権は若者や母親たちが上げる声に正面から向き合う必要があろう。参院審議は大詰めを迎えているが、議論が煮詰まったとはとても言えまい。単に審議時間が積み重なったというだけで、採決を急いではならない。
ページのトップへ戻る



社説:「反安保」集会 ◆政権は民意とのずれ認識を◆


宮崎日日新聞 2015年9月1日
 安全保障関連法案が参院で審議入りして1カ月が過ぎた。抗議行動は熱を帯び、8月30日には国会議事堂を取り囲む最大規模の集会が開かれた。同日は全国200カ所以上でデモや集会があり、宮崎市でもデモ行進などがあった。
 菅義偉官房長官は会見で大規模集会に関して問われ「大きな誤解が生じていることは極めて残念だ」と話した。そうだろうか。参加者は「誤解」しているのでなく、それぞれの理解の下、行動しているのではないか。安倍政権は民意をまっすぐ受け止めるべきだ。
宮崎市でもデモ行進
 国会議事堂前には法案に反対する人波が押し寄せ、あっという間に辺りの歩道を埋め、車道にあふれ出した。霞が関の官庁街や日比谷公園にも繰り出し、一帯に「戦争させない」「いますぐ廃案」のシュプレヒコールが響いた。
 宮崎市でも「戦争法案に反対する宮崎連絡会」などによる集会があり、「若者を戦場に送るな」などと声を上げた。「安保関連法案に反対するママの会宮崎」の女性は「沈黙の中で『法案可決』とはしたくなかった」と話した。
 全国の総参加者数は数えようもないが、注目すべきは職業・肩書も世代も超えた人々が動いている点にある。大学生、サラリーマン、主婦、教諭、作家、音楽家、歌人、弁護士など実にさまざまだ。
 ベルリンでもドイツ在住日本人らが抗議集会を開き、廃案や安倍晋三首相の退陣を求めた。
 安倍政権は「国民に理解してもらうよう努力する」の一点張りだ。菅官房長官は「一部の野党やマスコミから戦争法案や徴兵制の復活という宣伝がされている」「誤解を解く努力をしたい」と語ったが、逆の努力が今必要なのではないか。国民の不安や考えを理解する努力だ。反対の声が強いのはなぜか、謙虚に考えるべきだろう。
違憲の指摘向き合え
 法案への反対行動を、法律の専門家たちが行っていることも重く受け止めるべきだ。元最高裁判事や元内閣法制局長官、日弁連会長、憲法学者は共同会見し「法案は憲法違反」と成立阻止を訴えた。
 安倍首相は集団的自衛権の行使を可能にする法案を「合憲と確信している」とし、最高裁が「必要な自衛の措置」を認めた1959年の砂川事件判決を引き合いに出しているが、浜田邦夫元最高裁判事は、砂川判決は合憲の根拠になりようもないとの考えを示した。
 違憲か合憲か。これは最も大切にすべき議論ではないか。首相は浜田元判事らの指摘を、真摯(しんし)に聞いてほしい。まっすぐ受け止めた上で、合憲の「確信」に変わりがないか明確な説明を求めたい。
 国会提出前に安倍首相が米議会で法案成立を約束したのは4月末。この間には報道圧力問題をはじめ民主主義を揺るがすような事態も起きた。世論調査では法案慎重論が大勢を占める。民意とのずれを放置したまま突き進むようなら、この国の民主主義は危うい。
ページのトップへ戻る



南日本新聞 ( 2015/9/1 付 )
社説: [新安保政策・参院審議ヤマ場] 民意と真摯に向き合え


 集団的自衛権の行使を盛り込んだ安全保障関連法案の参院審議は27日の国会会期末を控え、いよいよヤマ場を迎える。
 おとといは、関連法案に反対するデモや集会が鹿児島市など全国200カ所以上で開かれ、大勢の市民が街頭に繰り出した。
 東京の国会正門前では学生や著名人、野党党首らが抗議の声を上げた。主催者発表で約12万人、警察のまとめで3万人余と最大規模になった。
 安倍政権はこうした民意と真摯(しんし)に向き合うべきではないか。日程ありきで法案の成立を急いではならない。
 安保関連法案への国民の懸念は世論調査でも明らかだ。
 共同通信社が8月半ばに行った全国電話世論調査によると、法案の今国会成立に反対が62.4%に上った。賛成は29.2%にすぎないから倍以上である。法案そのものにも58.2%が反対で、賛成の31.1%を上回っている。
 国民の支持が広がらないのは、法案の柱となる集団的自衛権行使をめぐる政府答弁が定まらないのも一因だろう。
 朝鮮半島有事が発生し、退避する邦人を乗せた米艦を守らなくていいのか-。
 安倍晋三首相が昨年7月の記者会見で力説した米艦防護に関し、中谷元・防衛相は参院特別委員会で「邦人が乗っているかいないかは、絶対的なものではない」と異なる答弁をした。
 さらに自衛隊員の安全確保策も不十分なことが露呈した。
 首相は「自衛隊員の安全確保のための必要な措置を定める。全ての法案にこの原則を貫徹することができた」と衆院特別委で胸を張った。
 だが、参院特別委で中谷氏は、集団的自衛権を行使する存立危機事態での米軍の後方支援で、安全確保規定は「ない」と明言した。
 これでは法案への信頼が揺らぐばかりである。
 国民多数の不安をよそに、政府・与党はあくまで今月中旬の採決を目指す構えを崩さない。
 しかし、審議時間だけが積み上がる中で、多くの疑問は置き去りにされてきた。その最たるものが法案への「違憲」の疑いだ。
 首相が過去の最高裁判決を引き合いに、いくら「合憲と確信している」と反論しても納得する国民は多くはない。
 それが今回の大規模行動につながったことを、政府・与党はもっと真剣に受け止めるべきだ。
ページのトップへ戻る



琉球新報 2015年8月31日 6:02
<社説>安保法制反対集会 草の根の声聞き成立断念を


 平和国家、立憲主義が崩壊し、戦争をする国に変貌することを許さないという危機感が日本中に充満していることが鮮明に表れた。
 国会審議中の安全保障関連法案に反対する集会やデモが30日、沖縄を含む全国約200カ所超で開かれた。約12万人が国会を取り囲むなど、数十万人に達する最大規模の結集となった。
 那覇市であった「沖縄大行動」には約2500人(主催者発表)が参加し、名護市辺野古への新基地建設断念も強く求めた。「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」の軽快な掛け声に幅広い層の参加者が応じ、成立阻止へ気勢を上げた。
 安保関連法が成立すれば、米軍基地が集中する沖縄は日米の軍事一体化の拠点となり、有事の際の標的にされ、日本が加わる戦争に加担する役回りを負わされかねない。基地の島の生活実感があるからこそ、沖縄社会は安保関連法と新基地建設に危機感を抱くのだ。
 集会で「安保関連法に反対するママの会@沖縄」の高良沙哉さんが「すくすく育つ子どもたち、これから生まれる命が平和に暮らせる社会をつくるため、戦争法案は絶対に止める」と訴えた。集会アピールは「殺さない。殺させない。子どものために。家族のために」とうたった。子や孫を守り、被害者にも加害者にもなることを拒む決意が凝縮されている。
 全国で、多様な価値観を持つ草の根の市民が主義主張の枠を超え、この国を危うい方向に導いている安倍政権にあらがい、成立阻止の意思を行動で示した意義は大きい。
 元内閣法制局長官や「憲法の番人」だった元最高裁判所判事らも安保関連法案を違憲と明言している。安倍政権は国民の声に耳を傾けて成立を断念すべきだ。憲政史上に残る汚点を刻んではならない。
 県内集会の会場の与儀公園は歴史の節目を照らしてきた。米軍に基地自由使用を認めた沖縄返還に対する抗議集会も1972年5月15日の日本復帰当日に開かれた。米軍のベトナム戦争への出撃拠点だった沖縄は「悪魔の島」とも称されていた。
 43年たっても基地の重圧は変わらない。県民12万2千人が犠牲になった沖縄戦と戦後の米統治、日本復帰、辺野古新基地、安保関連法は県民を危険にさらす地続きの問題である。歴史を踏まえて民主主義を守る主権者として、沖縄から抵抗の声を上げ続けたい。
ページのトップへ戻る



沖縄タイムス 2015年8月31日 05:30
社説[安保法案と辺野古]連動する反対のうねり


 安全保障関連法案に反対する集会が国会近くで開かれ、主催団体の発表で約12万人が集まった。雨の中、過去最大規模の人々が国会議事堂を取り囲んだ。
 市民らが共有する危機感の表れであろう。参加者は「今すぐ廃案にせよ」「9条を守れ」などと声を上げ、安倍政権の退陣を求めた。
 安保法案に反対するグループは、学生、法曹、学者、大学有志の会、ママの会など世代や立場を超え、広がった。
 廃案を目指す共通の目標を掲げながら活動していたが、一つにまとまった形だ。
 これだけの人が主権者としての意思を直接表明した意義は画期的だ。
 与党は9月11日にも参院での強行採決を目指していたが、流動的な要素が出てきた。集会は審議にも影響を与えずにはおかないであろう。
 安保法案は、日本を「専守防衛」から「戦争のできる国」へと大転換するものだ。だが、国会審議が進むにつれて明らかになってきたのは、政府答弁の目を覆わんばかりのほころびの数々である。
 それは今国会成立に反対する人は62・4%、賛成は29・2%という共同通信社の世論調査の結果が示している。
 この日は全国200カ所以上で、集会やデモが開かれた。県内でも夕方から那覇市・与儀公園で約2500人(主催者発表)が参加して集会が開かれた。
 結成されたばかりの「シールズ琉球」も加わった。集会の後、国際通りをデモ行進し、廃案を訴えた。
    ■    ■
 県内の特徴は集会の名称に表れているように、安保法案の「廃案」だけでなく、辺野古新基地建設の「断念」を盛り込んでいることだ。安保法案と辺野古新基地建設問題をセットとみているからだ。
 安保法案は米軍と自衛隊が一体化し、集団的自衛権の行使を可能にする。それを具体化するのが辺野古新基地と捉えているのである。
 一方、政府は、安保法案と辺野古新基地建設問題がつながり、反対運動のうねりが大きくなることを警戒しているに違いない。
 安保法案の審議中に、辺野古新基地建設に関連して翁長雄志知事の「承認取り消し」の判断が示されれば、安倍政権は二つの大きな問題に同時に直面することになり、対応することが困難になる。
 政府が1カ月間、辺野古新基地に関する作業を中断し、集中協議の期間に充てることを県に提案したのはこのためだ。ただ菅義偉官房長官に辺野古見直しの考えはない。
    ■    ■
 第4回集中協議で来県した菅氏は、米軍北部訓練場の過半の返還条件であるヘリパッドの移設問題を抱える東、国頭両村長と面談。返還後の北部訓練場の世界自然遺産登録などの要請を受け、翁長知事に対し移設の協力を求めた。
 名護市と那覇市を除き、先の知事選で前知事を支持した9市長でつくる「沖縄の振興を考える保守系市長の会」とも面談。普天間の危険性除去-などの要請を受けた。
 菅氏の行動からは翁長知事に揺さぶりをかけ、分断する狙いがあるとしかみえない。
ページのトップへ戻る



沖縄タイムス 2015年8月30日 05:30
社説[安保法制 きょう全国行動]民主主義を更新しよう


 参院で審議中の安全保障関連法案に反対する市民団体はきょう30日、国会周辺で大規模な集会を開くのをはじめ、沖縄など全国各地で一斉に抗議行動を展開する。これまでにない規模の取り組みになりそうだ。
 安保法案をめぐる反対運動に火を付けたのは、全国の大多数の憲法学者や元内閣法制局長官、元最高裁判事、弁護士ら法曹関係者と、さまざまな分野の研究者だった。
 普段、政治的発言を控えてきたこの道のプロまで、口をそろえて、「違憲立法」だと批判し始めた。立憲主義や平和国家の理念が音を立てて崩れていくことに対する専門家の危機感がいかに深いかを物語っている。
 この動きに呼応して独自の取り組みを始めたのが、大学生などの若者や、子どもを持つ母親たちである。
 国会前でラップ調のかけ声に合わせて抗議行動を続ける若者グループ「SEALDs(シールズ)」の取り組みは、またたく間に全国に広がり、県内でも「SEALDs RYUKYU(シールズ琉球)」が結成された。
 政治に興味がなかったり、政治的な行動から距離を置いていた学生や若い母親が、「人ごとではない」と、法案に危機感を持つようになり、街頭で「勝手に決めるな」と訴え始めたのである。
 安保法案に対する反対運動は「民主主義の地殻変動」ともいうべき、新たな質を備えた運動に発展しつつある。
    ■    ■
 地殻変動は、女性週刊誌の特集にも現れている。芸能ニュースや生活関連の話題が多い女性週刊誌が、硬派ネタの代表格ともいえる安保法案を積極的に特集し始めたのだ。
 安保法案だけでなく、憲法や戦後70年特集に対する読者の関心も高いという。福島原発事故の経験が、若い母親の意識を変えた、という指摘もある。
 声を上げ始めた母親たちの主張に共通するのは「戦争への不安」である。
 「国民の理解が深まっていない」と安倍晋三首相は国会で指摘したが、その見方はあまりにも皮相だ。審議を重ねれば重ねるほど、次々に問題点が明らかになり、欠陥法案に対する「国民の理解が深まった」が故に、反対運動が急速に広がった、とみるべきだろう。
 「勝手に決めるな」という若者たちの声は民主主義の質を問う核心的な主張であり、名護市辺野古への新基地建設問題にも通じる問いかけだ。
    ■    ■
 憲法の専門家から一般国民まで、これだけ広範な人々が法案成立に強く反対しているのは、政府の説明が説明になっていないからである。
 自民党議員による相次ぐ暴言、失言、放言といい、安倍首相自身の発言といい、政権のおごりが目立つ。
 「嫌な感じ」という言葉が普通の会話の中で飛び交うようになったのは、国民の不安の表れである。
 そのただ中から「新しい民主主義」を模索する動きが生まれている。
ページのトップへ戻る

//////////////////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : 国会 戦争法案 反対 集会 安倍政権退陣

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン