2015-09-02(Wed)

防災の日 「人災」にしない備えを怠らず 150901

平時の備えで「減災」を 「大地動乱」に備えたい 「想定外」を繰り返さない

<各紙社説等>
読売新聞)防災の日 万一に備える対策の再点検を(9/1)
毎日新聞)防災の日 平時の備えで「減災」を(9/1)
東京新聞)防災とハザードマップ 仏作って魂入れよう(9/1)
しんぶん赤旗)「防災の日」 「人災」にしない備えを怠らず(9/1)
岩手日報)防災の日 「大地動乱」に備えたい(9/1)
河北新報)防災・減災 消防団員減少/災害対応重点に再構築を(9/1)
神戸新聞)防災の日/「想定外」を繰り返さない(9/1)
山陽新聞)防災の日 豪雨に備えて行動計画を(9/1)
徳島新聞)防災の日 心構えを新たにしたい(9/1)




以下引用



読売新聞 2015年09月01日 03時06分
社説:防災の日 万一に備える対策の再点検を


 いつ起こるか分からない自然災害への備えを再点検したい。
 防災の日の1日、大地震を想定した防災訓練が全国各地で行われる。
 政府は、首都直下地震を想定した総合防災訓練を東京都内などで実施する。負傷者を北海道や福岡県など全国7か所に自衛隊機で搬送する訓練を初めて行う。
 首都直下地震では、最大で死者2万3000人、けが人は約12万人に上ると予想される。首都圏の医療機関だけでは、負傷者を収容し切れない恐れがある。
 今回のような広域の医療活動訓練を通じ、救助・救援の協力体制を築くことは意義があろう。
 被害の拡大を防ぐ上で、重要なのは火災の抑止だ。電気ストーブやヒーターなどが火元になりやすい。20年前の阪神大震災では、原因が分かった火災の6割が電気関係によるものだった。
 火災防止には、揺れを感知し、電源を切る「感震ブレーカー」が有効とされるが、内閣府の調査では、設置率は1%に満たない。
 低価格の製品なら、3000円程度で購入できる。横浜市は、高性能タイプの感震ブレーカーを配電盤に設置する市民への補助制度を導入している。7月に今年度分を募集したところ、既に予定の300件に達したという。
 こうした例を参考に、他の自治体も普及に努めたい。
 震源域が静岡県沖から九州沖に及ぶ南海トラフ巨大地震の対策も怠れない。高さ30メートル以上の津波の襲来が想定される地域がある。
 減災のためには、迅速な避難が何より大切だ。沿岸住民は、日ごろの訓練を重ね、避難ルートを認識しておく必要がある。
 日本は災害列島である。地震だけでなく、このところ頻発している火山噴火への対応にも万全を期さねばならない。
 長野・岐阜県境の御嶽山で昨年9月に発生した噴火は、戦後最悪の火山災害となった。
 鹿児島県の口永良部島・新岳の噴火では、警戒レベルが最高の5に引き上げられ、住民の島外避難が続く。桜島の活動も予断を許さず、住民が一時避難した。
 気象庁が常時観測の対象としている47火山の周辺自治体のうち、8割以上が住民の避難計画を策定していない。
 御嶽山噴火をきっかけに、活動火山対策特別措置法(活火山法)が改正され、自治体や観光施設が住民、観光客を対象にした避難計画を整備するよう義務付けた。速やかな対応が求められる。
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毎日新聞 2015年09月01日 02時34分
社説:防災の日 平時の備えで「減災」を


 海と山に恵まれた日本は、他方で多くの災害に見舞われてきた。地震や津波、水害などで1000人以上の死者・行方不明者が出た巨大災害は1945年以降、12回を数える。
 きょうは防災の日だ。10万人強の死者・行方不明者を出した関東大震災から92年。国民一人一人が防災への意識を高め、備えを強めたい。
 火山災害で戦後最悪となる63人の死者・行方不明者を出した昨年9月の御嶽山(おんたけさん)の噴火は記憶に新しい。
 火山活動は今年も全国で続く。口永良部島(くちのえらぶじま)・新岳(しんだけ)が噴火し、箱根山や桜島でも火山活動が活発化している。火山国日本は、大規模噴火の危険と向き合わざるを得ない。日ごろの備えが問われる。
 御嶽山の教訓を踏まえ、今国会で改正活火山法が成立した。活火山の周辺自治体や観光施設に、避難計画の策定が義務づけられた。
 また、昨年8月に起きた広島市の土砂災害を受けて、政府の中央防災会議は7月、火山対策と併せ、大規模な土砂災害についても防災基本計画を修正した。「避難準備情報」を活用し、住民に早めに注意喚起するよう自治体に求めた。
 政府や自治体が、国民の生命や財産を守る防災対策を進めることは当然だ。ただし、防災の専門家は、被害から教訓を得て、その後に対策を取る被害先行型ではなく、対策先行型の対応が必要だと説く。それが、被害を減らす「減災」につながる。住民が災害への危機感を行政と共有できるかがカギだ。
 きょう全国各地で防災訓練が行われる。長崎県の雲仙・普賢岳(ふげんだけ)周辺では、火砕流ではなく噴火災害に対応した訓練を初めて実施する。
 また、徳島県では、台風被害を受けた直後に南海トラフの巨大地震が発生し、山間部に孤立集落が発生したとの前提で訓練を行うという。
 災害は時を選ばない。それは歴史が示す。複合災害への備えは防災にとって欠かせない視点だろう。
 地理的条件など地域に応じた防災対応が全国で必要だ。その中でも首都圏の対策は喫緊の課題である。
 近い将来、首都直下地震や南海トラフ巨大地震の発生が予想される。地球温暖化による集中豪雨で大規模水害の発生を懸念する声も強い。
 東京五輪・パラリンピックを前に、防災対策の総点検が必要だ。地震については、減災目標が掲げられたが、住宅の耐震化や火災対策の取り組みはまだ進んでいない。
 東京一極集中が、帰宅困難者など首都圏での災害の危険要因を増やしている。一方、過疎化が進む地方は疲弊している。国力を分散するバランスの取れた国づくりが、防災の観点からも求められる。
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東京新聞 2015年9月1日
【社説】防災とハザードマップ 仏作って魂入れよう



伊勢湾台風翌月の中日サンデー版

 きょうは防災の日。自分や家族の命を守るために何ができるか考える日としたい。有効で大事な手段の一つが、自治体から配られるハザードマップだ。
 防災の日は、関東大震災が起きた日が選ばれた。九月はまた、阪神大震災が起きるまで戦後最悪の自然災害だった伊勢湾台風が襲来した月でもある。
 関東大震災は一九二三年に起き、死者・行方不明者は約十万人。火災に伴う死傷者が多く「火の始末」という教訓を残した。
◆予測と一致した被害
 伊勢湾台風は五九年九月二十六日、名古屋市のすぐ西を通った。高潮が各地の海岸堤防を破り、広い地域が浸水。死者・行方不明者は五千人を超えた。教訓は堤防の強化だけではない。ハザードマップが被害を小さくする可能性も教えてくれた。
 台風襲来の翌月十一日。中部日本新聞(現在の中日新聞)サンデー版は「地図は悪夢を知っていた」という大きな記事を載せた。カラーの地図とともに「ピッタリ一致した災害予測」と伝えた。
 この地図は「木曽川流域濃尾平野水害地形分類図」という。当時の総理府が、伊勢湾台風の三年前に完成させた。記事は「『(台風の時)あっという間に水につかった』地域はすべて、分類図で『水はけが悪く、いつも冠水する最も危険地帯』だった」と指摘する。
 被災地の空撮写真を見ると、湖のように広がった水面の中に、小さな島のような場所に古い民家が二、三軒立っている。周囲よりも少し高いのだろう。昔の人の知恵を感じさせる。
 東日本大震災ではどうか。
 名古屋大減災連携研究センターの鈴木康弘教授は「岩手県はほぼ想定通り。宮城県は津波の想定を低く見積もっていた。貞観地震で大津波に遭っていたのだから、それをハザードマップに入れておくべきだった」と話す。
◆メッシュは不正確だ
 今年は火山噴火が注目されている。噴火警戒レベルが上がった火山がいくつもある。住民や観光業者は避難を強いられたり、営業に影響が出たりしている。噴火の際、噴出物が飛ぶ可能性がある範囲を示す地図を目にする機会が増えた。これもハザードマップだ。
 最近、多くの自治体が住民にハザードマップを配っている。受け取ったら、自宅は大丈夫かどうかを見て、終わりにしてはいないだろうか。
 ハザードマップはしばしば、危険度を碁盤目のようなメッシュで示している。実際の地形は直線ではないので、メッシュの線の内側か外側かで危険度を判断するのは誤りだ。伊勢湾台風で見たように、わずかな高低差でも、浸水するかどうかが変わる。
 実は、ハザードマップには出来の良いのもあれば、悪いのもあるという。うまく使いこなし、家族や自らの命を守るには、どうすれば良いのか。
 鈴木教授は「ハザードマップと自分自身が日ごろ、目にする風景(のイメージ)を重ねたとき、危ない場所が分かるかどうかで、有効性が判断できる」と言う。
◆悔いを残さないために
 次世代技術「リアルタイムハザードマップ」の開発も始まっている。災害発生と同時にスマートフォンなどを通じ、所有者のいる場所に合わせて、危険な場所や避難すべき場所が分かるように通知する。それでも、瞬時の判断は自分でしなければならない。そのためにも、地理などの基本的な知識は身に付けておくべきだ。
 冒頭に紹介した新聞記事には「洪水が起こった場合、自分たちの家が非常に危ない位置にあるとの自覚を持つほどには役立てたかった」と悔やむ研究者の談話が載っている。仏作って魂入れず、にならぬよう。
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しんぶん赤旗 2015年9月1日(火)
主張:「防災の日」 「人災」にしない備えを怠らず


 きょうは「防災の日」です。10万人以上が犠牲になった1923年の関東大震災にちなみ、災害の教訓に学び、日頃の備えを点検・強化する取り組みが各地で行われます。8月末に相次ぎ襲来した台風は、鹿児島県の離島などで住宅倒壊など爪痕を残しました。近年、火山活動が活発な地域では住民生活や産業に影を落としています。「災害大国」日本にとって災害への警戒・避難体制を整え、被災者支援などを拡充することは重要な課題です。あらゆる事態を想定し自然災害を「人災」として広げない政治の役割が求められます。
火山防災の拡充を急ぎ
 各地で相次ぐ火山活動の活発化は、日本が世界有数の火山国である現実を突きつけています。
 5月末に爆発的な火山噴火が起きた鹿児島県の口永良部(くちのえらぶ)島では島民137人全員が島を離れ、近くの屋久島などで避難生活を強いられています。3カ月たったいまも居住地域に重大な被害を及ぼすことを意味する「噴火警戒レベル5」が続くなか、住民への支援を強めることが必要となっています。
 鹿児島県の桜島も火山性地震が増え、住民に避難準備を求める「噴火警戒レベル4」にして警戒が続いています。神奈川県箱根町の大涌谷(おおわくだに)では火山性地震が断続的に続き、5月初め、登山禁止・入山規制の「噴火警戒レベル3」に引き上げられました。地域経済を支える観光に打撃を与えており、地元へのきめ細かい支援策を拡充することが急務となっています。
 昨年9月、火山災害としては戦後最悪の63人もの犠牲を出した御嶽山(おんたけさん)(長野・岐阜県境)の噴火は、火山災害のすさまじさを改めて浮き彫りにしました。同時に、活火山が110もあるのに火山研究者が少ないなど日本の火山の観測・監視体制の国際的な立ち遅れが大きな問題となりました。
 御嶽山噴火を受け、政府は観測・監視体制の拡充へ踏み出しましたが、一つ一つの火山の特徴をつかみ、適切な噴火予測や警報を発令できる十分な体制にはなっていません。長期的な研究が必要な火山の研究者の育成、大学など研究機関の財政支援の強化など抜本的な対策がいよいよ不可欠です。
 日本には、世界の陸地面積の0・25%しかないのに世界の活火山の7%が集まっています。東日本大震災以降、日本の火山は「活動期」に入ったと指摘する専門家もいます。今年の国連世界防災白書は、日本で潜在的に起こる噴火による火山灰被害などで年間平均約112億ドル(約1兆3600億円)の経済損失が出るという推計値を公表しました。地震・津波への備えとともに火山防災を「災害に強い国」をつくる柱の一つにするべきです。
 周辺に火山が集中する九州電力川内(せんだい)原発を再稼働させたことは、危険な暴走です。国民の安全を保障するため、再稼働中止・「原発ゼロ」に踏み出すことが必要です。
被災者支援を強めてこそ
 発生から4年半となる東日本大震災の被災地復興と被災者支援へ政治が力を緩めることがあってはなりません。安倍晋三政権は「集中復興期間」を延長せず、求められる支援を縮小・廃止しようとしていますが、被災者に苦難を強いることは許されません。支援が必要な被災者に心を寄せ続ける施策を行うことは、災害大国日本の政治の最低限の責任のはずです。
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岩手日報(2015.9.1)
論説:防災の日 「大地動乱」に備えたい


 阪神、東日本と2度の大震災が起きた平成は、巨大災害の時期として語り継がれるだろう。岩手は東日本大震災の傷跡がなお深い。
 「大地動乱の時代」。火山噴火予知連絡会長の藤井敏嗣東京大名誉教授は、6月の東京での土砂災害シンポジウムで現代をこう表現した。
 地震活動が9世紀に酷似しているからだ。この時は、東日本大震災の規模に例えられる869年の貞観地震の18年後に東海・東南海、その9年後には今なら首都直下に当たる地震が起きている。
 当時、活発だった火山活動も再び強まっている。「30年に1回活動していたのに、300年休んでいる富士山の噴火も想定すべきだ」と藤井氏は強く警告する。
 現代は災害を誘発する別の要素もある。日本の平均気温は過去100年で1・1度、今後100年で3度前後上がり、短時間の豪雨が頻発すると予測される。
 ますます激甚化、巨大化していく災害にどう備えるか。きょうの「防災の日」にあらためて考えたい。
 国は新しい防災・減災の在り方を打ち出した。「少なくとも命を守り、社会経済に壊滅的な被害が発生しない」ことを目標としている。その上で状況情報を提供し、主体的な避難を促す。
 行政が全ての人を素早く支援するのは難しいと「公助の限界」もはっきり示した。それに議論はあろうが、自分の命は自分で守る基本は国に言われるまでもない。
 身を守るには、まず自分が住む地域の成り立ちと、過去にどんな災害が起きたか知ることが大切だ。行政などが提供する情報をしっかり読み取ることも重要になる。
 震災で千葉県我孫子市では、沼を埋め立てた一部の宅地だけに液状化が起きた。広島市の昨年の土砂災害は、もろい地質上での宅地開発が被害を拡大させた。
 本県も土砂災害の危険箇所は1万4千を超える。国土地理院や県のホームページに地盤の強弱、土砂災害危険箇所などの情報があり、ハザードマップと併せて住む場所の特性を頭に入れたい。
 広島の災害では、避難勧告の遅れも問題となった。政府の中央防災会議は、住民に危機感を伝えるため区域を絞った勧告発令を提言する。
 世論調査では、2年前に始まった「特別警報」の発令を知らなかったという住民も多い。夜間の豪雨を予想し、昼のうちに避難情報を出すことも検討してほしい。
 行政が適切、迅速に情報を提供し、住民は地域の状況を知った上で身を守る行動を取る。災害弱者は地域と行政が連携して守る。その徹底により「大地動乱」に備えたい。
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河北新報 2015年09月01日火曜日
社説:防災・減災 消防団員減少/災害対応重点に再構築を


 地域の安全を支える消防団員の減少が続いている。
 総務省消防庁のまとめによると、全国の消防団員数はことし4月時点で85万9945人となり、前年より約0.5%、4402人減った。戦後200万人を超えていた時代からずっと右肩下がりの状況で、過去最少を更新した。
 東北は約13万8346人で1374人減少した。ペースは全国を上回り減少率は倍の約1%。宮城1.95%など東日本大震災の被害が大きかった地域の減少が目立つ。
 震災では水門閉鎖などに当たった団員254人が犠牲になり、被災地は復興途上で担い手となる人たちの居住自体が戻りきっていない。
 震災の特別な事情に加え、全国の傾向と同様に、高齢化による退団の増加や新規入団者の減少などに歯止めがかかっていないのが実情だ。
 名簿登録だけの団員の存在も考えれば、現場にすぐに駆けつけられる団員の実数はさらに少なくなるだろう。
 火災や災害など有事の際に被害拡大を防ぐ消防団は、身近な人々の命に関わる重要な存在だ。コミュニティーの行方など地方の根本課題とも密接に関わっているだけに、広く地域を挙げて団員減少の実態を直視し、再構築に向けて知恵を絞る必要がある。
 「常備消防」と呼ばれる自治体の消防本部や消防署の体制が未整備だった時代は、特に火災対応の分野で消防団の位置付けは重かった。
 消防組織法に位置付けられた公的な消防機関として、報酬を伴う特別職公務員の身分を団員に与えているのもそのためだが、常備消防の整備率が100%に近づいた今では、その役割が限定的になっているのも事実だろう。
 活動分野を絞った再編は必須であり、団員確保策の一つとして2005年に制度化された「機能別団員」の仕組みをさらに定着、発展させることは一つの方向性になる。
 機能別団員はあらかじめ活動地域や役目を限定してある団員で、全国で約1万4千人いる。地域の実情に応じた設定ができ、出動範囲を学校区単位にしたり、活動を予防広報や連絡・避難誘導に限定したりする例がある。
 火災には出動せず、災害のみに対応する団員の確保は特に注目されている。女性や学生など新しい担い手が開拓でき、職場単位の参加も促せる利点があり、団員増を果たした自治体の多くは災害団員の確保で成果を挙げている。
 安全確保策や必要な訓練の徹底などが条件にはなるが、災害対応を重点に消防団機能を分別することは、災害多発時代の要請とも言える。
 町内会や職域で結成が進む「自主防災組織」と活動内容が重なることから、相互の交流や連携は大前提になる。
 災害対策基本法に基づく任意組織の自主防災組織と公的機関の消防団の位置付けをゼロから整理し直せば、地域防災の要を担う統合的な組織の必要性も浮かんでこよう。
 単に団員数の維持、確保策にとどまることなく、根拠法や所管官庁の違いを越え、大きな視野に立って消防団の役割を検証し、再構築を進めていくことが求められている。
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神戸新聞 2015/09/01
社説:防災の日/「想定外」を繰り返さない


 きょうは防災の日。この1年を振り返っても多くの災害が発生したとあらためて感じる。
 昨年夏には広島市の土砂災害や丹波豪雨、その後も戦後最悪の火山災害となった御嶽山噴火、最大震度6弱を記録した長野県北部地震が起きた。今年も鹿児島県・口永良部(くちのえらぶ)島で爆発的噴火があり、台風の襲来が相次いだ。災害列島日本ではいつ大災害が起きてもおかしくない。
 地震や津波、豪雨などへの備え、とりわけ30年以内の発生確率が70%とされる南海トラフ巨大地震への対策を急がねばならない。
 九州沖から東海沖に延びる南海トラフ付近で起きる地震について、政府が最悪33万人以上が死亡するとの衝撃的な被害想定を発表して丸3年になる。その半年後、政府は津波対策を進め、10年間で死者数を8割減らすことを目標とする基本計画を決めた。十分な備えがあれば、被害は大幅に減少できるということだ。
 兵庫県が昨年6月に公表した被害想定は、県内の死者数を最悪2万9100人とする一方、津波対策や耐震化対策などを講じれば死者は約400人まで減らせると試算した。被害想定と減災目標との差は、国のケース以上に大きい。これを絵に描いた餅にしてはならない。
 県は被害を最小限にするため、2023年度までに取り組む具体的な数値目標を設定した「南海トラフ地震・津波対策アクションプログラム」を今年6月に発表した。
 津波対策、地域・家庭の防災力向上など、ソフトとハード両面の対策について101項目の指標を示した。県立学校は18年度までに、警察署は22年度までに耐震化率を100%にする▽障害者や高齢者など災害時要援護者の避難訓練は18年度までに全41市町で実施-などの内容だ。
 しかし、肝心な部分が達成困難だ。15年度末で97%とする住宅の耐震化率は、13年時点で85・4%にとどまる。県の検討会は8月、15年度の目標を25年にまで延ばしたが、それでも従来の2倍のペースで耐震化を進めねばならない。古い住宅の安全性を高めることは急務だ。
 何より命を守ることを最優先に考える-。阪神・淡路、東日本大震災の教訓である。それには行政任せにせず、地域や住民の防災意識も高める必要がある。「想定外」が起こることを繰り返さないと誓いたい。
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山陽新聞(2015年09月01日 08時04分 更新)
社説:防災の日 豪雨に備えて行動計画を


 きょうは「防災の日」。日本列島では地震やゲリラ豪雨、火山の噴火による甚大な被害が相次ぎ、自然の脅威をまざまざと見せつけている。身を守るため、足元の備えをあらためて見詰め直したい。
 自治体は、地震や洪水などの危険度を示すハザードマップを公表している。まず、自身が暮らす地域や自宅がどんな環境にあるかを知るとともに、具体的な危険個所や避難経路などを確認しておくことが大切である。
 近年、ゲリラ豪雨など異常な雨の降り方が観測され、今年も台風などの動きが活発である。災害が少ないと言われる岡山県も油断はできない。浸水被害や土砂災害は特に懸念される。
 豪雨による浸水被害には、川の水が堤防を越える洪水と、排水しきれない雨水が市街地などにあふれる内水氾濫がある。国や都道府県は洪水の恐れがある河川の周りに「浸水想定区域」を定めて周知を図ってきたが、内水氾濫は対象にしていなかった。
 近年は洪水だけでなく、内水氾濫や高潮でも想定を超える浸水被害が多発している。このため5月に水防法を一部改正し、「想定し得る最大規模」の降雨などを前提にして制度を刷新した。洪水での浸水想定区域を拡充するとともに、内水氾濫や高潮についても浸水想定区域を設定し、市街地対策などを強化した。
 今後は主に市町村が内水氾濫の浸水想定区域を定め、水害予報の伝え方や避難場所などを周知する。気象変化に応じて注意の対象を広げ、避難体制の充実・強化を図ることは必要だろう。ただ、新たな区域の設定は混乱を招く要因にもなりかねない。丁寧な説明と協議が求められる。
 災害発生の際、自治体の対応が後手に回るケースは多い。その点で注目されるのが、関係機関や住民が取るべき行動を前もって時系列で決めておく防災行動計画「タイムライン」だ。2012年に米国を大型ハリケーンが襲った際、ニュージャージー州が実施して効果があったことで、日本でも関心が高まった。
 岡山県は今年6月の台風に備えた図上防災訓練で初めて取り入れ、事前に作成した「避難所開設」や「避難勧告発令」を盛り込んだタイムラインに沿って、住民避難などを検討していった。
 国土交通省は20年度までに、洪水の浸水想定区域がある730市町村すべてでタイムラインを策定する方針だ。しかし、策定済みは216(28日現在)にとどまっている。国交省岡山河川事務所によると、中国地方整備局管内のモデルケースとして、旭川水系を対象に行政やライフライン関係など幅広い部門の連携を目指すという。普及の一助になるよう期待したい。
 状況に応じて新たな手だてを重ねていくことが、防災・減災に道を開く。もちろん、地域の実情をよく知る住民の目線も生かしていきたい。
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徳島新聞 2015年9月1日付
社説:防災の日 心構えを新たにしたい


 きょう9月1日は「防災の日」である。
 1923年のこの日、関東大震災が起きて10万人以上が犠牲となった。その災禍を風化させず、教訓として生かすために制定された。
 防災の日を機に、災害対策を再確認し、心構えを新たにしたい。
 徳島県で最も懸念されているのが、南海トラフ巨大地震である。
 関東大震災を上回るマグニチュード(M)8級以上の地震が30年以内に起きる確率は、70%程度とされている。最悪の場合は全国で30万人以上が死亡し、経済的な被害は220兆円に上るとの試算がある。
 徳島県の被害も甚大だ。県は、最悪で3万1300人が犠牲になり、建物は11万6400棟が全壊・焼失すると想定している。
 被害を少なくするには、日頃からの備えが欠かせない。津波から素早く逃げるには、避難場所やルートを確認しておくことが大切だ。揺れに対しては、住宅の耐震化や家具の固定などで身を守りたい。
 政府は今春、南海トラフ巨大地震に備え、人命救助に向けた応援部隊派遣や救援物資輸送の方針を定めた応急対策活動計画をまとめた。
 発生から3日以内に、全国から自衛官や消防士ら最大14万2600人を、甚大な被害が想定される徳島など10県を中心に派遣する。
 しかし、道路の寸断などで、支援が届くまで時間がかかることも考えられる。住民は1週間分程度の食料や水を備蓄するなど、自助努力が必要だ。
 これから本格的な襲来時期を迎える台風や、大雪への警戒も怠ってはならない。
 先月、台風11号が徳島県に猛烈な暴風雨をもたらした。上勝町では1時間に約120ミリの雨が降り、避難指示が出された住民は県南部と西部などで約3万人に及ぶ。県西部では、強風による倒木で1万8千戸以上が停電した。
 昨冬には県西部が大雪に見舞われた。積雪による倒木などで道路が通れなくなり、孤立した住民は3市町で1500人を超す。
 市町村は、倒れそうな木をあらかじめ調査し、必要な対策をとってもらいたい。
 住民それぞれも、気象情報のチェックを欠かさずに、早めの避難を心掛けたい。
 きょう、美馬、三好両市にまたがる西部健康防災公園の予定地で実施される県総合防災訓練は、台風の襲来後に南海トラフ巨大地震が発生するといった複合災害を想定している。
 昨年の台風や大雪時に、孤立集落への対応が遅れ、関係機関の連携も悪かったことを踏まえたものだ。電気などライフラインの代替手段の確保や倒木処理などに、約千人が取り組む。
 防災力を高める上で訓練は有効である。実践的な訓練を各地域で積み重ね、減災に努めたい。
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