2015-10-10(Sat)

鬼怒川堤防決壊 豪雨水害1カ月 

復旧道半ば 今も避難所に500人
利根川水系流域の9市町 浸水の恐れ 自治体非常用電源、甘い配置

----大規模な水害をもたらした関東・東北豪雨から10日で1カ月となった。
鬼怒川の堤防が決壊し、約40平方キロにわたり浸水した茨城県常総市では、電気や水道はほぼ元通りになったが、住民は家財道具を失うなどして影響が深刻。
約440人が今も避難生活を続ける。栃木県でも約70人が避難所での生活を強いられており、復旧は道半ばだ。

総務省消防庁によると、茨城、栃木両県でそれぞれ3人、宮城県で2人が死亡し、1都10県で79人が重軽傷を負った。
常総市役所では午前9時、高杉徹市長と市職員らが黙とうした。(共同)

<社説>
高知新聞)【豪雨被害1カ月】指示は空振りを恐れるな(10/10)
西日本新聞)堤防決壊の教訓 的確な避難誘導の備えを(10/9)




以下引用



高知新聞 2015年10月10日08時00分
【豪雨被害1カ月】指示は空振りを恐れるな


 鬼怒川の堤防が決壊し茨城県常総市などで大きな被害が出た関東・東北豪雨から、10日で1カ月になる。
 崩れた土砂が家の中に流れ込み、濁流が住宅を押し流す。逃げ遅れ、必死で救助を求める人たちもいた。緊迫したテレビ映像を、かたずをのんで見守った方もおられよう。
 各地の現場では依然、復旧作業に追われている所もある。鬼怒川の大規模水害から学ぶ教訓は数多い。
 まず、気象の専門家も「初めての経験だ」という豪雨による災害が、どこでも起こりうる時代だという認識を、私たち県民も共有したい。
 栃木、茨城両県に降った猛烈な雨は、温帯低気圧に変わった台風18号と、太平洋を北上中の台風17号から、それぞれ湿った空気が流れ込んでできた雨雲によってもたらされた。雨の降る区域が帯状に広がる「線状降水帯」という現象だ。
 鬼怒川は過去に何度も水害を引き起こしているが、直近の大規模なものは約30年前にさかのぼる。住民の記憶も薄れかけ、市町村に水害や防災の真の専門家もほとんどいない。
 とはいえ振り返ってみると、反省すべき点も多々見受けられる。常総市の場合は堤防が決壊する前に、一部世帯の住民に対し「避難指示」や「避難勧告」などの避難に関する情報を出していなかったことが分かった。
 市の対応の遅れで、多くの人が取り残されるなど被害が拡大した可能性がある。堤防決壊の前に避難指示が出て、複数回にわたり防災行政無線で周知された地区もある以上、徹底できなかったことが悔やまれる。
 市は携帯電話を持った人に避難指示を出したことを知らせる「緊急速報メール」も送っていなかったという。一刻を争う災害対応では、情報伝達の遅れは致命的な事態を招きかねない。
 鬼怒川の決壊場所は堤防の弱さが心配され、下流部分から国が改修に乗り出した直後だった。しかし財政難もあり、工事の完了期間は見通せない。
 ハード面の対策には限界がある以上、やはり住民の防災意識の向上につながるソフト面での対策が早道だろう。国も今年5月、避難勧告や指示は「空振りを恐れず、早めに出す」よう自治体に通知した。
 住民もハザードマップなどで居住地の危険性を確認し、早期避難への備えを進めておく必要がある。
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=2015/10/09付 西日本新聞朝刊=
社説:堤防決壊の教訓 的確な避難誘導の備えを


2015年10月09日 10時37分
 大規模な水害をもたらした関東・東北豪雨で、特に甚大な洪水被害を出した茨城県常総市の鬼怒川堤防決壊から、あすで1カ月がたつ。私たちが学び取るべき教訓も次第に明らかになってきた。
 常総市では依然、約440人の住民が避難所生活を強いられているという。堤防決壊による破壊力のすさまじさをあらためて物語る。認識を新たにしたい。
 今回の洪水では浸水地域で孤立した住民が相次ぎ、その数は4千人を超えた。自宅2階などからヘリコプターやボートで救助された人も多く、時間帯や気象条件が悪ければ死者は2人にとどまらなかった可能性も指摘されている。
 原因として常総市による避難誘導の混乱が挙げられる。気象庁の大雨特別警報を受けて市は鬼怒川沿いの地区に避難指示を出したが、決壊地点に近い地区には出していなかった。市役所内の混乱と情報不足が背景にあるようだが、結果的に後手に回ってしまった。
 事態を重視した国土交通省は、鬼怒川と同じく国が管理する九州の20水系を含む109水系流域の自治体首長を対象に避難指示などを的確に判断する研修を行うという。避難誘導には「空振り」を恐れない積極性が欠かせない。首長はぜひ肝に銘じてほしい。
 自治体の大半は洪水のハザードマップ(危険予想地図)を作成している。常総市の浸水範囲は市役所の水没を含めてほぼ想定通りだった。にもかかわらず有効な避難を実現できなかった事実は重い。
 国交省は洪水ハザードマップの見直しも求めている。住民に具体的な危険を示し、どのように逃げるのかを周知する改定の手引もまとめた。ただ近年、大規模な洪水がなかったこともあり、改定の動きは十分に広がっていない。
 常総市は避難先を市域内に限定しようとするあまり、現実的には無理のある避難誘導をしてしまった。これも苦い教訓である。
 水害に限った問題ではない。災害時の広域避難について隣接する自治体同士で事前に協議を重ね、備えておくことが必要だ。
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東京新聞 2015年10月10日 07時25分
利根川水系流域の9市町 浸水の恐れ 自治体非常用電源、甘い配置
 利根川水系の主要河川流域にある一都五県(東京、千葉、埼玉、栃木、茨城、群馬)の七十八市区町のうち、九市町は大規模な水害が発生すると、庁舎が浸水し、非常用電源設備まで使用できなくなる可能性があることが東京新聞の取材で分かった。 
 関東・東北水害から十日で一カ月。鬼怒川の氾濫で大きな被害を受けた茨城県常総市では非常用電源設備が浸水し、災害対応に大きな支障が生じた。他の自治体も同様の危険を抱えていることが明らかになり、専門家は対策の必要性を指摘している。
 調査は、自治体が災害発生時の被害予測を示す「ハザードマップ」で浸水想定域に庁舎が含まれるかや、非常用電源設備の浸水の可能性などを聞いた。
 その結果、役所・役場が浸水予想域にあるのは三十七市区町で、二十七市区町は、非常用電源設備を浸水の影響を受けやすい庁舎一階や地下、屋外に設置していた。
 二十七市区町のうち、茨城県龍ケ崎市や千葉県銚子市など九市町は、三日間の総雨量が三〇〇ミリを超える二百年に一回程度の雨などが降れば、庁舎が〇・五~五メートル以上浸水し、設備も浸水する可能性があると回答した。
 同じく地下などに設備がある東京都足立区など十四市区町は、設備を予想水位より高い場所にかさ上げしたり、防水板を設置したりしているとして、浸水の可能性はないか、低いとの見方を示した。
 また、設備の発電能力は自治体によって大きく異なり、埼玉県八潮市が六十三時間連続で発電できるとする一方、同県深谷市のように二時間程度しか維持できないとする自治体も複数あった。
 常総市ではハザードマップで、市役所が一~二メートル未満浸水すると想定。しかし、屋外に設置した非常用電源設備は地上から三十センチしかかさ上げしておらず、非常用電源も水没した。
 防災システム研究所を主宰する防災・危機管理アドバイザーの山村武彦さんは「津波で地下の電源設備が浸水した福島第一原発事故から四年半が経過しているのに教訓が生かせていない。自分の自治体は大丈夫だという意識が対策の甘さにつながっているのではないか」と指摘。「役所は災害発生時の司令塔となる。外部の意見も聞き、電源を維持する手段を早急に確保すべきだ」と話している。
<調査方法> 利根川と同水系の鬼怒川、渡良瀬川、小貝川、江戸川、中川に接し、ハザードマップで浸水予想をしている東京、千葉、埼玉、栃木、茨城、群馬の1都5県の78市区町の庁舎管理や防災の担当者に、9月下旬~今月上旬に取材。常総市は除外した。市町村合併などで役所・役場施設が複数ある場合、本庁について聞いた。
(東京新聞)


NHK 10月10日 7時15分
豪雨1か月 今も約470人が避難所生活
 「関東・東北豪雨」で、鬼怒川の堤防が決壊してから10日で1か月になります。被害が大きかった茨城県では400人余りが、栃木県でもおよそ70人が今も避難所で生活を続けていて、被災者の生活再建に向けどう支援していくかが課題となっています。
先月の「関東・東北豪雨」で、茨城県の常総市で鬼怒川の堤防が決壊するなどして、茨城県内で3人が死亡し、住宅50棟が全壊したほか、7000棟以上が浸水しました。
 2人が犠牲になった常総市では、10日、災害対策本部の会議を開いて、犠牲者を追悼して職員らが黙とうをささげます。
常総市と周辺の自治体では、自宅が大きく壊れるなどして今も400人余りが避難所で生活を送っていて、県が確保した公営住宅への入居が今月初めから始まりました。
 ただ、新しい場所の生活になじめるのかどうか、そして公営住宅が無償で提供される2年間に自宅の再建ができるのか、被災者の間からは不安の声も聞かれます。
 また栃木県でも、土砂崩れなどで3人が死亡したほか、栃木市や小山市、それに日光市の3つの市で、今もおよそ70人が避難生活を続けています。
 茨城県や栃木県では、農業にも大きな被害が出ていて、被災者の生活再建に向けた支援とともに農業の復興に向けた支援も大きな課題となっています。


東京新聞 2015年10月10日 11時38分
豪雨水害1カ月、復旧道半ば 避難所に今も500人
 大規模な水害をもたらした関東・東北豪雨から10日で1カ月となった。鬼怒川の堤防が決壊し、約40平方キロにわたり浸水した茨城県常総市では、電気や水道はほぼ元通りになったが、住民は家財道具を失うなどして影響が深刻。約440人が今も避難生活を続ける。栃木県でも約70人が避難所での生活を強いられており、復旧は道半ばだ。
 総務省消防庁によると、茨城、栃木両県でそれぞれ3人、宮城県で2人が死亡し、1都10県で79人が重軽傷を負った。常総市役所では午前9時、高杉徹市長と市職員らが黙とうした。
(共同)

毎日新聞 2015年10月10日 13時51分
関東・東北豪雨1カ月:越境避難、具体策なし…利根川流域
 ◇本紙30市町調査
 関東・東北豪雨で大規模な浸水被害が出た茨城県常総市など利根川中流域の30市町で、国が求める「市町村を越えた避難所」を7市町が確保していたが、広域の具体的な避難計画の策定に至った自治体はないことが毎日新聞の調べで分かった。豪雨の際、常総市は市内での避難しか想定せず、決壊した川の方向へ住民を誘導し批判を浴びた。水害時の首都圏自治体の連携の希薄さが今後、問題になりそうだ。
 ◇他市町村と調整困難
 30市町は群馬、栃木、埼玉、千葉も含めた5県にまたがり、流域人口が多く甚大な洪水被害が予想される。群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)が今年1月に実施した水害アンケートをもとに、毎日新聞が豪雨後、広域避難対策などを調べた。
 7市町は埼玉県熊谷市、群馬県館林市などで主に「市外でも近い高台に逃げる方が現実的」との理由で、一部住民が他市町に避難する。避難所を確保しない自治体は「他市との調整が難しい」「全域が浸水するわけではない」とし、うち茨城県取手市など3市町は「豪雨をきっかけに見直しを始めたい」と答えた。
 政府の中央防災会議は2011年の東日本大震災の後、大規模水害対策の検討を本格化。首都圏では横断的対応が必要として「首都圏大規模水害対策大綱」をまとめ、円滑な避難を求めている。
 しかし30市町で、他市町との連絡の取り方、住民への伝達方法など詳細を定めた広域避難計画の策定に至った例はない。常総市は9月10日に鬼怒川の堤防が決壊した後、危険の迫った川の東側の住民に、市外となるさらに東側へは避難誘導せず、川に向かって西側に誘導するミスがあった。市は「隣接市も含めた避難は当初考えなかった」と釈明。広域避難の重要性が改めて指摘されている。
 また30市町の防災担当課は5〜17人体制だったが、交通や地域振興など別業務を兼務する場合が多く、防災専任の割合は平均30.8%。専任職員がいない自治体も7市町に上った。常総市は担当課15人中、専任は2人だけ。豪雨当日は携帯電話などへ避難指示や勧告を伝える「エリアメール」を「人手に余裕がなかった」と配信できず、緊急時の人員体制も課題になっている。
 全国的にも水害に関わる広域避難計画策定などの対応は進んでおらず、片田教授は「市外の避難所という選択肢が市民の安全性を高める。都道府県がリーダーシップを発揮して市町村間を仲介し、具体的な広域対応を事前に詰めておく必要がある」と指摘している。【玉腰美那子】


毎日新聞 2015年10月09日 20時31分(最終更新 10月10日 01時33分)
鬼怒川決壊1カ月:復旧遠く、450人なお避難生活…常総
 関東・東北豪雨で茨城県常総市の鬼怒川堤防が決壊し、10日で1カ月。牙をむいた濁流は穏やかな元の流れに戻り、工事車両や重機の数もめっきり減った。しかし、決壊地点付近は倒壊家屋やがれきが残り時間が止まったまま。多くの傷痕を抱えた街で、生活再建は緒に就いたばかりだ。【松本尚也】
 大量に流れ込んだ土砂が田畑を埋めて道路を遮断、水流でできたくぼ地は雨水が入り込み、池が点在する。家屋は基礎部分から崩れ、見渡す限り電柱はことごとく傾いたまま。同市三坂町の決壊地点付近は、堤防の応急工事で設置されたコンクリートブロックが真新しいだけで、廃虚のような光景が続く。
 「あの日から何も変わらない」。近くに住む金崎政治さん(45)はため息をつく。家は1階天井付近まで浸水し、両親とヘリコプターで救助された。今は市内の親戚宅から後片付けに通う。県や市は今月下旬から道路復旧や宅地、農地の整備に乗り出し、年内をめどに作業を終える予定だが、金崎さんの帰宅のめどは立っていない。
 県によると、市内外の16カ所で今も約450人が避難生活を送る。県や市は公的住宅や借り上げ民間住宅約500戸を確保したが、罹災(りさい)証明発行などの手続きが遅れ、入居が決まったのはわずか4世帯。避難所の一つで市研修施設の「水海道あすなろの里」には約170人が身を寄せ、7〜8人が一つの部屋で暮らす。プライバシーも十分確保できず、同市水海道淵頭町の相沢猛さん(73)は「いつまでここにやっかいになるのか……。落ち着かず血圧も高くなった」とこぼした。
 ただ、街も部分的には水害前の姿を取り戻しつつある。街中に散らばっていた浸水家具や流出物などの災害ごみも回収され、路上などで見かけることはほぼなくなった。同市地域交流センターなどにあった計11カ所の仮置き場も14日で全て閉鎖され、ごみは順次撤去する。
 市内の小中学校は9月末に全校で授業が再開した。うち大生(おおの)小は床上浸水の被害がひどく、別の小学校で授業を受けているが、浅岡国夫教頭は「6年生をはじめ何とか自分たちの校舎で思い出を作らせてあげたい」と、児童らの声が戻ってくることを心待ちにしていた。


日本経済新聞 電子版 2015/10/10 1:44
鬼怒川決壊1カ月 戻らぬ生活、募る不安
 関東・東北豪雨で茨城県常総市の鬼怒川の堤防が決壊して10日で1カ月。茨城県では今も約440人が避難所暮らしを余儀なくされ、心身の疲労がたまっている。決壊現場ではインフラなどの復旧工事が進むが、流された住宅や土砂に埋まった田畑をどう再建するのか、住民らは将来への不安を募らせている。
 常総市は今月15日までに市外の避難所を閉鎖し、市内に集約する。県は自宅が全半壊した世帯を対象に公営住宅の空き部屋など約500戸を確保して希望者に案内を始めている。
 つくば市内の体育館に避難する常総市の大工、助川信夫さん(67)は12日から守谷市内のアパートに移り住む。自宅は1メートル以上浸水した。「娘は『怖いからもう住みたくない』と言うし、家を修理しないといけないし、当面は戻れない」
 仕事道具を流され、収入はゼロに。「避難所ではよく眠れず疲れがたまったが、やっと家族だけで暮らすことができる。でも、どうやって生計を立てていけばいいのか」とこぼす。
 常総市内の体育館に避難する飲食店経営の昼間きよ子さん(68)は「7時間、濁流の中で救助を待った。今も流されそうになる夢を見る」。床上浸水した店舗兼自宅の清掃はまだ完全に終わっていない。「避難所を早く出たいが、食べ物を扱う仕事だけに再開は簡単ではない」
 「1カ月たったが、そのまんまだ」。決壊場所近くの秋葉政則さん(80)は復旧が進まない現状を嘆く。道路は寸断され、がれきや流された住宅、大破した乗用車などが残る。「避難所生活は1カ月になったが、いまさら別の場所に引っ越す気にはならない。静かな生活を取り戻せるまで頑張る」と話す。
 「こころのケアチーム」を組み、避難所を巡回する筑波大准教授(精神医学)の太刀川弘和さんは「片付けを終えて自宅に戻ると、緊張が和らぎ、周囲との生活格差が見えてくる。これまでは不眠や不安を訴える人が多かったが、今後は落ち込んだり、うつ状態になったりする人が増えることも想定される」と指摘している。
 水害は収穫期だったコメなどの農業に大きな被害をもたらした。常総市の農家の女性(86)はコメとイチゴが全滅した。収穫済みのコメも水につかって売り物にならない。長男(62)と荒れた田畑の一部を耕し直し、白菜や大根の苗を植えたという女性は「大変だけど、生きていくためにやっていくしかない」と力を込めた。
 水害で浸水した地域は鬼怒川と小貝川に挟まれて水の便が良く、豊かな田畑が広がる一帯だった。地元のJAには「農業はもうできないので、どう生活していけばいいのか」などの声も寄せられているという。担当者は「農業再開の具体的な相談はほとんどない。そういう状況にも至っていないのが現状だ」と話している。


NHK 10月10日 11時19分
鬼怒川の決壊から1か月 生活再建など課題に
 「関東・東北豪雨」で、鬼怒川の堤防が決壊してから10日で1か月です。茨城県では、被害が大きかった常総市を中心に今も400人余りが避難生活を余儀なくされていて、被災者の生活や農業の再建をどう進めるかが課題となっています。
先月の「関東・東北豪雨」で、茨城県の常総市で鬼怒川の堤防が決壊するなどして、茨城県内で3人が死亡し、住宅50棟が全壊したほか、7000棟以上が浸水しました。
 2人が犠牲になった常総市では、堤防の決壊から1か月となる10日に市の災害対策本部の会議が開かれ、冒頭で高杉徹市長や職員が犠牲者を追悼して黙とうを奉げました。
 会議のあと高杉市長は「避難している市民がいち早くもとの生活に戻れるよう健康面、精神面ともに全力でケアしていきたい。また、農業や商工業などの産業の復興に向けて国にも財政支援を求めながら取り組んでいきたい」と話していました。
 常総市と周辺の自治体では、自宅が大きく壊れるなどして、今も400人余りが避難所で生活を余儀なくされています。また、今回の豪雨では、常総市を中心に水や土砂が田畑に流れ込んだほか、収穫されたばかりのコメや農業機械も水につかりました。県では被害額はおよそ114億円にのぼると推計していて、住宅などが被害を受けた人たちの生活再建とともに、農業の復興に向けた支援が大きな課題となっています。
避難生活続く人たちは
茨城県常総市では、1か月がたった今も、住宅に大きな被害があった400人余りが体育館などでの避難生活を続けています。
家族で避難している73歳の男性は「1か月がたって落ち着いてきて、これから先のことを考えられるようになってきました。家を直したいですが、仕事もしておらずお金がないので頭が痛いです。年内は避難所生活が続くと思います」と話していました。
 また、農業を営む63歳の女性は「家も田んぼも被害を受けて片づけで無我夢中の1か月でした。今でも雨が降ると水害を思い出して怖いです。育ててきた稲が全滅してしまったので、地域の復興とともに、生活支援にも力を入れてほしいです」と話していました。
 仕事の都合で家族と別に避難生活をしている50歳の会社員の男性は「家族とばらばらの今の生活にゴールが見えず不安だらけなので、行政には元の生活を取り戻すための先が見通せるような施策を講じてほしい」と話していました。
 自宅の1階部分が水につかった73歳の女性は「家の1階にあったものはすべて無くなってしまいました。あれから1か月ですが、後ろを向いてもつらいことしかありません。早く家を直して元の生活を取り戻すために前を向いて頑張りたいです」と話していました。


毎日新聞 2015年10月09日 21時06分(最終更新 10月09日 21時13分)
関東・東北豪雨:農業被害、26県で401億円
 農林水産省は9日、関東・東北豪雨による農林水産分野の被害額が全国26県で401億円、冠水などの被害を受けた農地が約1万8500ヘクタールに上ると発表した。
 被害額は農業関連だけで271億円。内訳は▽用水路など農業用施設の損壊=127億円▽イネやイチゴなど農作物の被害=69億円▽土砂の流入などによる農地の被害=37億円−−など。土砂崩れによる林地の荒廃など林業関連で120億円、漁港施設の損壊など漁業関連で10億円の損害が出ている。
 都道府県別の農林水産業関連の被害状況は公表されていないが、各県の発表などによると、茨城県約114億円▽栃木県107億円▽宮城県107億円−−など。政府は関東・東北豪雨を激甚災害に指定しており、農地や水路などの復旧事業に対し国が最大約9割を補助する。【一條優太】


NHK  10月9日 16時46分
関東・東北豪雨あす1か月 生活や農業再建課題
 「関東・東北豪雨」で鬼怒川の堤防が決壊してから10日で1か月です。茨城県では、被害の大きかった常総市を中心に400人余りが今も避難所で生活を続けていて、被災者の生活や基幹産業の農業などの再建をどう進めるかが課題となっています。
 先月の「関東・東北豪雨」では、常総市で鬼怒川の堤防が決壊するなどして、茨城県内で3人が死亡し、住宅50棟が全壊したほか、7000棟以上が浸水しました。
 この1か月間で水は引き、浸水した住宅の片付けも進んでいますが、今も400人余りが避難所で生活しているほか、多くの人たちが親戚の家などに身を寄せているということです。
県や常総市では、常総市内や周辺の市や町に合わせて500戸余りの公営住宅や賃貸住宅を確保し、家が大きく壊れた世帯に優先して提供を始めました。今月3日から徐々に入居が始まりましたが、被災者からは、知らない地域での生活や、子どもの転校などを心配する声も聞かれます。
 また、今回の豪雨では、地域の基幹産業である農業や工場、それに商店にも大きな被害が出ました。農業は、収穫前の水田に水や土砂が流れ込んだほか、収穫後に貯蔵されていたコメや農業機械などにも被害が広がり、被害額はおよそ114億円に上ると推計されています。さらに、企業や商店では、工場が浸水して機械が壊れたり、業務用の車が水没するなどの被害が出ました。
 市の商工会によりますと、少なくとも市内のおよそ300社で被害があり、被害額は63億円近くに上っています。
栃木 復興に向けた動きも
 関東・東北豪雨で大きな被害が出た栃木県内では、いまだに70人余りの人が避難生活を続けている一方で、鉄道は一時運転できなくなったすべての区間で運転を再開するなど、復興に向けた動きも進んでいます。
 栃木県などのまとめによりますと、関東・東北豪雨で、栃木県内では、土砂崩れなどで3人が死亡、5人がけがをしたほか、6000棟近い建物が水につかる被害を受けました。このため、栃木市と小山市、それに日光市の3つの市で、住宅に被害を受けた人など72人が今も避難生活を続けています。
 避難している人の数は、栃木市が51人と最も多く、次いで、小山市で20人、日光市で1人となっています。
 農業では、各地で田んぼや畑に泥水が入り、稲やイチゴの苗が水につかったり、農業用ハウスが壊れたりする被害が出ました。農業と漁業の被害の総額は合わせて23億円余りに上る見通しで、栃木県は、農家などを支援するため、肥料や新たな苗、農薬の購入費を補助するなどの支援を行うことを決めています。
 一方、線路が設置された橋が土台ごと流され、一部の区間で運転できない状態が続いていた東武宇都宮線が7日に運転を再開し、県内のすべての鉄道路線で運転ができるようになるなど、復興に向けた動きも進んでいます。

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