2015-10-17(Sat)

データ偽装 東洋ゴム不正 傾きマンション

不安解消へ検査を急げ/信頼揺るがす不正だ  安全安心への信頼を壊す  

<各紙社説・主張>
朝日新聞)データ偽装 信頼揺るがす不正だ(10/16)
読売新聞)性能データ偽装 日本のものづくりは大丈夫か(10/17)
毎日新聞)東洋ゴム改ざん 3度目の不正に驚く(10/16)
日本経済新聞)信頼回復の道遠い東洋ゴム (10/17)
産経新聞)基礎データ不正 安全安心への信頼を壊す(10/16)

北海道新聞)データ不正 安全意識を欠いた偽装(10/17)
京都新聞)東洋ゴム不正  信頼回復はるかに遠く(10/16)
神戸新聞)東洋ゴム不正/信頼回復への道は険しい(10/16)
西日本新聞)データ改ざん 「現場の力」に衰えないか(10/16)
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毎日新聞)傾きマンション 不安解消へ検査を急げ(10/17)




以下引用



朝日新聞 2015年10月16日(金)付
社説:データ偽装 信頼揺るがす不正だ


 企業の信頼を揺るがす性能偽装が相次いで発覚した。
 タイヤメーカー大手の東洋ゴム工業は、船や電車の振動を抑える「防振ゴム」の性能試験結果を改ざんしていた。横浜市のマンションでは、旭化成建材が請け負った杭工事の施工記録を偽装していた。
 乗り物と住居という、暮らしに密接な製品だ。顧客を裏切る行為と言わざるを得ない。
 両社は製品交換や補償に真摯(しんし)にあたるべきだ。同時に安全性に関する情報を開示し、不正の原因を徹底調査してほしい。
 東洋ゴム工業の場合、18社に納めた189種類、8万7804個の部品が不正なデータに基づいて出荷されていた。3月に免震ゴムで性能偽装が発覚したのを受け、同社は主要製品の緊急品質監査をした。8月10日に「安全宣言」を出したが、その10日後に内部通報があり、防振ゴムの材料試験結果の改ざんが明らかになったという。
 監査が不十分だったことは明らかだ。しかも出荷を止めたのは内部通報の2週間後。事実を知ってから約1年間、明らかにしなかった免震ゴム不正の教訓はどこへ行ったのか。
 同社では07年にも断熱パネルの試験データ偽装が発覚し、社長が辞任している。「3度目の不祥事を起こしたら会社の存続が危うい」。免震ゴム問題を調査した社外チームはそう指摘した。なぜ相次ぐのか、性能試験に対する認識や情報開示、即応体制の構築など、社の体質を根本的に改める必要があろう。
 一方、基礎杭のデータが偽装されていた横浜市のマンションでは、旭化成建材が固い地盤に達していない恐れのある38本のデータを別データと差し替え、基準を満たしているように見せかけていた。その結果、築10年足らずで建物は傾いた。
 販売・施工会社を信頼してマイホームを手に入れた住民への背信行為だ。旭化成建材は、データの記録に失敗したために差し替えた可能性が高いと説明するが、データでっち上げの言い訳にはならない。
 旭化成建材は、過去に杭工事をした全国の約3千棟について調査する。すみやかに進め、住民の不安にこたえるべきだ。
 二つの事例に共通するのは、試験や施工といった製造過程でデータが偽装された点だ。
 利用者には見えない部分で、手を抜いた側面はなかったか。専門的で特殊な作業ほど、情報はメーカーが握る。品質保証とは、顧客との信頼関係で成り立っていることを、メーカーは肝に銘じるべきだ。
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読売新聞 2015年10月17日 03時02分
社説:性能データ偽装 日本のものづくりは大丈夫か


 マンション建設と鉄道用防振ゴム製造を巡り、悪質なデータの偽装が相次いで明るみに出た。
 日本の企業が長年かけて築いた「ものづくり」への信頼を揺るがしかねない深刻な事態と言えよう。
 三井不動産グループが分譲した横浜市のマンションでは、建物を支える一部の杭が固い地盤に届いていなかった。
 明らかな工事ミスで、横浜市は建築基準法違反の疑いで調査している。施工報告書には、多数の虚偽データが記入されていた。
 杭打ちに代表される基礎工事は住民の安全に直結する。実際に傾きが生じている棟もある。この工事を請け負った旭化成建材の責任は、極めて重大だ。杭打ちのミスとデータ改ざんの両面で、原因究明を進めなければならない。
 旭化成建材が過去10年に杭打ち工事を手がけた建物は、商業ビルなども含めると全国で約3000棟に上る。同様の傾きや改ざんがなかったか、確認が急務だ。
 三井側の対応にも疑問が残る。マンションの管理組合によると、昨年11月に住民側が手すりの高低のずれを指摘したが、当初は、東日本大震災の影響と推測されるなどと説明されたという。
 最終的に工事ミスが公表されるまでに1年近くを要した。日本を代表する不動産グループとして、危機管理の姿勢が問われよう。
 大手タイヤメーカーの東洋ゴム工業は、船舶や鉄道の振動を抑える防振ゴムの製造工程で、性能試験のデータを改ざんしていた。
 同社の性能偽装の発覚は、2007年の防火用建材と今年3月の免震ゴムに続き、3度目である。防振ゴムの偽装は8月に内部通報があるまで続いていた。
 過去の失敗を生かせない企業体質にあきれるばかりだ。
 マンション建設の現場担当者は基礎工事の重要性を認識していたに違いない。防振ゴムの製造現場でも、性能試験の大切さは十分に理解していたはずだ。
 それなのに、いずれの担当者も安易なデータ改ざんに手を染めていた。我が国のものづくりの現場で、技術力に裏打ちされた職業意識の劣化が進んでいるのではないか、と懸念せざるを得ない。
 製品の安全性や品質について、企業側から示されたデータの真偽を利用者が自ら検証するのは、まず不可能だろう。利用者の信頼を裏切った罪はあまりに重い。
 一度崩れた信頼の回復には膨大な費用と時間と労力を要する。全ての企業が教訓とすべきだ。
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毎日新聞 2015年10月16日 02時35分
社説:東洋ゴム改ざん 3度目の不正に驚く


 大手タイヤメーカー、東洋ゴム工業が船舶のエンジンや鉄道車両の振動を抑える防振ゴム製品の品質試験データを改ざんしていたことが明らかになった。2007年の断熱パネル、今年3月の免震ゴムに続く重大な不正の発覚だ。
 免震ゴムの偽装問題を調べた外部調査チームは「3度目の不祥事を起こしたら、会社の存続は危うい」と指摘していた。実際に不正が3度発生したことの異常さを強く自覚すべきである。
 防振ゴムは振動を抑えるためにエンジンの周りや窓枠などに使われるもので、国土交通省は「直ちに安全に影響はない」としている。しかし、納入先は鉄道会社を中心に国内18社、計8万7804個に及ぶ。公共交通機関にも多数使用されているとみられ、利用者の不安はぬぐえない。点検を徹底して安全確認を急ぐ必要がある。
 同社は免震ゴム不正の発覚を受けて全製品を対象に緊急監査し、8月10日に事実上の安全宣言を出していた。ところが、防振ゴムの不正はその後も続いており、結果的に見抜けなかった。明るみに出たのは従業員の内部通報があったからだ。
 防振ゴムの不正は少なくとも10年前からあり、その大半は検査を担当する部署が人員削減された08年以降に起きている。改ざんの動機を解明するとともに、人員削減による負担増など構造的な問題があったかどうかや不正が見過ごされてきた原因について調べを尽くすべきだ。
 不正が絶えないのは、担当者らの倫理意識の乏しさだけでなく不正に甘い企業体質がある。外部調査チームは報告書で、問題があっても後任者がそのまま引き継いだり、上司が適切な対応を取らなかったりするなど「社員の規範意識を鈍らせてしまう企業風土がある」と指摘した。
 チームの提言を受けて同社は、弁護士を入れたコンプライアンス(法令順守)調査委員会を新設し全生産工程を恒常的に監査することを再発防止策とした。しかし、不正再発はこうした対応が機能していないことを示している。再発防止策を見直し、社員の意識改革を徹底する必要がある。
 同社の売上高の約8割はタイヤ事業で、防振ゴムは免震ゴムと同じく1%に届かない。主力でない分野だからという理由で安全性がおろそかにされてきたとすれば深刻だ。この点も検証しなければならない。
 同社は、会長職を外部登用するなど経営陣を刷新し、企業風土の変革を進める方針を示しているが、生半可な取り組みでは信頼回復はおぼつかない。企業体質を根本から改める覚悟が必要だ。
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日本経済新聞 2015/10/17付
社説:信頼回復の道遠い東洋ゴム


 不正行為の広がりは目を覆うばかりだ。免震ゴムの性能データを改ざんしていた東洋ゴム工業が、鉄道車両や船舶などの揺れを抑える防振ゴムでも試験結果を偽っていたことが明らかになった。
 関与していた社員や組織の倫理観の欠如に慄然とする。コンプライアンス(法令順守)への感度の鈍さや安全意識の薄さは深刻だ。免震ゴムの不正を受けて始めた教育研修の見直しなど再発防止策も、不備がないか点検してもらいたい。企業風土を抜本的に改革することが急務だ。
 東洋ゴムでは2007年に断熱パネルの耐火性能の偽装が発覚。今年3月には免震ゴムでの不正を公表した。性能偽装は今回の防振ゴムで3度目になる。
 特に問題なのは防振ゴムでも免震ゴムの場合と同様に、品質保証の担当組織の社員がデータ改ざんなどにかかわっていたことだ。
 品質管理に最も目を光らせなければならない部署で品質偽装が起きるという例は、まず聞かない。社員の意識を変えていかない限り不祥事の根は断てないだろう。
 免震ゴム問題では公表が大幅に遅れ、その学習効果に疑問符もつく。今回の防振ゴムの不正は8月後半に発覚したが、国土交通省や経済産業省への報告は9月末、公表は10月半ばになってからだった。迅速に情報開示する姿勢がなくては社会の信頼はなかなか取り戻せまい。
 防振ゴムの不正は免震ゴム問題を受け、ほかの製品に性能偽装がないかをチェックした「緊急品質監査」の完了後に発覚しており、その検査の甘さを露呈する形にもなった。東洋ゴムは改めて品質の点検をやり直す必要があろう。
 東洋ゴムは出荷した防振ゴムの安全性を納入先の企業の協力を得て入念に調査する責任がある。事故が起きれば人命にもかかわる。
 規律が緩み、不正を生んだり見逃したりする企業風土ができてしまうと、元に戻すには相当の労力が要る。相次ぐ不祥事に揺れる東洋ゴムは他企業の反面教師だ。
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産経新聞 2015.10.16 05:03
【主張】基礎データ不正 安全安心への信頼を壊す


 安心、安全を保証する技術力こそ、日本が世界に誇れるものではなかったのか。
 その基礎となるデータに虚偽や改竄(かいざん)を加える行為などは、もってのほかである。モノづくりに従事するプライドはないのか。信用を失えば国も企業も立ちゆかない。
 東洋ゴム工業は電車や船舶などに使われる防振ゴム製品で、性能データを改竄するなどの不正があったと発表した。
 同社は今年、免震装置ゴムのデータ改竄が発覚し、6月に社長らの引責辞任を発表したばかりだった。平成19年にも防火用断熱パネルの性能偽装があり、当時の社長が辞任している。
 これが3度目の不正である。防振ゴムの不正を受けた会見で同社幹部は「改めて再発防止に取り組む」と述べた。反省の弁は、ただただ空々しく響く。
 免震ゴムの不正発覚後、同社は全社に緊急品質監査を実施し、8月10日、「新たな不正行為はなかった」と結果を公表し、問題を調査した外部の弁護士は「3回目の不祥事を起こしたら会社の存続は危うい」と総括していた。
 防振ゴムの不正に関する内部告発があったのは、そのわずか10日後だ。告発後の調査、公表もあまりに遅く、あきれるばかりだ。
 三井不動産グループが販売した横浜市内の大型マンションでは、基礎工事のくい打ちを担当した旭化成建材が地盤調査の一部で虚偽データを使い、複数のくいが強固な地盤である「支持層」に届いていないことが明らかになった。
 マンションは傾いている。住民は当然、不安である。旭化成建材などは当面の措置として建物の補強、改修を行う方針というが、資産価値の目減りなどは防ぐことができないだろう。
 昨年来、マンション建設をめぐる施工ミスで販売停止や契約解除、または建て直しに至る例が相次いでいる。いずれも住民の生命にかかわる問題だ。頻発すること自体が理解し難い。
 旭化成建材は同社がくい打ちを施工した全国のマンションや商業施設などについて、同様の不正がなかったか調べる。調査対象は約3千棟に上るという。
 信用、信頼は一瞬にして失われるが、これを取り戻すには膨大なエネルギーと長い年月を要する。まず調査の徹底と迅速な公表から始めるしか道はない。
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北海道新聞 2015/10/17 08:55
社説:データ不正 安全意識を欠いた偽装


 日本の企業が誇る安全なものづくりの信頼が揺らぎかねない。虚偽データを用いた相次ぐ不正だ。
 東洋ゴム工業(大阪)は、電車や船舶向けの振動を抑える防振ゴムで、性能データを改ざんした。
 横浜市の大型マンションが傾いた問題では、旭化成子会社の旭化成建材(東京)がくい打ち工事で一部に別のデータを使い、くいが強固な地盤に達していなかった。
 両社は、顧客に十分な説明と誠意ある対応を尽くす責務がある。全容を解明したうえで、不正を許す企業風土を子会社を含めて根本から改めるべきだ。
 問題の防振ゴムは、子会社の東洋ゴム化工品明石工場(兵庫県)で製造され、過去10年で18社に8万7804個が納入された。JR西日本、東海の各社が納入先に含まれる。
 材料試験をしていないのに、過去のデータを記した書類を納入先に渡すなど不正な行為をした。
 国土交通省は安全上の問題にはただちにつながらないとみるが、東洋ゴム工業には部品交換など万全な対応が求められる。
 同社の不正発覚は2007年の防火用断熱パネル、今春の建物の免震装置ゴムに次いで3度目となる。安全意識を欠いていると言わざるを得ない。
 深刻なのは、2度の不正行為への反省が生きなかったことだ。
 免震ゴム不正後の6月には、社長らの引責辞任と年内の新体制発足、社外取締役を含む品質・コンプライアンス(法令順守)調査委員会の設立などを発表した。
 8月には全社的な緊急品質監査を実施し「安全宣言」を行ったが、直後に防振ゴム不正が表面化した。安全宣言は偽りだったのか。
 過去の再発防止策は見直し、主力のタイヤを含む全製品の安全性を監査する体制を築くべきだ。
 旭化成建材の虚偽データ使用は、三井不動産グループが販売したマンションで行われた。
 建物を支えるのに重要なのが、くい打ち工事だ。1本ずつドリルに加わる抵抗値を計測する必要がある。ところが、一部のくいでデータ取得に失敗し別のくいの数値を使い回したりしていたという。
 三井不動産グループはマンションの建て替えを検討し、旭化成建材は全国のマンション、商業施設など最大約3千棟を調査する。
 傾いたマンションは建築基準法違反の疑いがある。国土交通省には徹底解明を求めたい。
 企業が住民生活を危険にさらすような行為は許されない。
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[京都新聞 2015年10月16日掲載]
社説:東洋ゴム不正  信頼回復はるかに遠く


 今年3月、地震などの際に建物の揺れを抑える免震装置ゴムの性能データを改ざんする不正が明らかになった東洋ゴム工業で、今度は電車や船舶などに使われる防振ゴムでもデータ改ざんが行われていたことが発覚した。
 同社では、2007年にも住宅などに用いる防火用断熱パネルの性能偽装が発覚しており、これで3回目の不祥事となる。開いた口がふさがらない。
 過去2回の不正は国民の暮らしの安全・安心を脅かす重大な問題であり、いずれも当時の社長が引責辞任したが、過去の教訓がまったく生かされていないのが深刻だ。発覚後の顧客への対応や公表の遅さも改善されていない。これでは信頼回復など望むべくもない。不正を省みない企業体質の改善に真剣に取り組む必要がある。
 防振ゴムは船舶のエンジンや電車のモーターの振動、騒音を抑えるために使われる。同社の発表では、過去10年間に18社へ納入した約8万7千個で不正を確認した。材料の性能試験で基準値を満たさなかったのに数値を改ざんしていたほか試験自体を行っていなかったケースもあった。過去にさかのぼって調査すれば、さらに不正製品が増える可能性もある。
 そのうえ、不正が社内で判明したのは、再発防止策として国内外の生産拠点で製品の緊急品質監査を行い「正規品が出荷されていることを確認」と発表した8月10日のわずか10日後だったという。いったい何を点検していたのか。
 断熱パネルや免震装置ゴム問題では、問題の把握から公表までに1年近くかかったことが強く批判されたが、今回も1カ月半以上かかっている。不正が判明する直前までデータ改ざんは続いていたといい、社内で実施してきたコンプライアンス(法令順守)研修などは企業風土の改善に生かされていなかったと言わざるをえない。
 免震ゴム問題を調査した外部の弁護士は報告書で「3回目の不祥事を起こしたら、会社の存続は危うい」と総括したという。危機感を持って改革を実現できるのか、東洋ゴムの姿勢が問われている。
 最近、自動車大手フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れ問題や、旭化成子会社がマンションの基礎のくい打ちに虚偽データを使っていた問題など、不正な手段を隠して利益を得ようとしていた企業が相次いで発覚している。市民の信頼を失っては、利益追求どころではない。企業倫理のありようを見直してほしい。
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神戸新聞 2015/10/16
社説:東洋ゴム不正/信頼回復への道は険しい


 免震装置ゴムのデータ改ざん問題で揺れた東洋ゴム工業(大阪市)で、新たな不正が発覚した。
 電車や船舶などに使われる防振ゴム製品で、性能データを改ざんするなどの不正が行われていた。
 防振ゴムはエンジンやモーターなどの機械の運転に伴う振動を軽減する装置だ。過去10年間で18社に納入した計8万7804個で不正が見つかった。
 2007年に防火用断熱パネルの性能偽装が発覚してから8年間で3度目の不祥事である。
 鉄道などの安全に影響しないのか。あまりにもずさんな管理体制で、会社全体に危機意識が欠けていると言わざるを得ない。
 9月末に新社長と会長に外部人材を登用するトップ人事を公表したばかりだった。その直後だけに、信頼回復の道のりは険しい。
 防振ゴムを製造していたのは、免震装置ゴムと同じ子会社の明石工場(兵庫県稲美町)だった。8月10日に免震ゴム問題の安全を宣言した直後に、社内から防振ゴムの不正に関する指摘があったという。
 この内部通報から公表まで2カ月近くかかった。免震ゴムで問題視された社内外への報告や公表の遅れが、今回も繰り返された。
 会見した常務執行役員は「コンプライアンス(法令順守)の浸透がまだ発展途上だ」と述べた。不正を繰り返す企業風土をどう改革するか。社員一人一人が意識を変えない限り組織は変わらない。
 東洋ゴムはタイヤ事業が主力で売上高の8割を占める。防振ゴム事業は全体の1%に満たず、免震ゴムと同様に傍流事業だった。免震ゴム問題を調査した外部の調査チームは、原因のひとつに製品の品質向上や人材の育成、確保が進まなかったことを挙げた。
 社会的な信用失墜は主力事業にも影響を及ぼす恐れがあり、経営の根幹を揺るがしかねない。傍流事業に人材や資金が回らないのは他の企業でもみられることだ。他山の石としなければならない。
 調査チームは「3度目の不祥事を起こしたら、会社の存続は危ういという意識を全ての役員及び従業員は持ち続けなければならない」とも指摘していた。その後も不正を続けていたのは悪質と言うしかない。今度こそ再発防止を徹底すべきだ。
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=2015/10/17付 西日本新聞朝刊=
社説:データ改ざん 「現場の力」に衰えないか


2015年10月17日10時44分 (更新 10月17日 10時47分)
 「職人気質(かたぎ)」を辞書で引くと、自分の技術に自信をもち、安易に妥協したり、金銭のために節を曲げたりしないで、納得できる仕事だけをするような傾向とある。
 より良いものを作ろうとするこだわりが品質を高め、高い評価、信用につながる。日本の産業の競争力を支えてきたのは、こうした現場での努力の積み重ねである。
 そんな日本の強さが失われてしまったのではないか。そう思わせるような無責任としか言えぬ仕事が相次いで明るみに出てきた。
 一つは旭化成の子会社の旭化成建材が下請けに入って建設された横浜市の分譲マンションである。
 三井不動産グループが販売した同マンションが傾いたのは、旭化成建材の施工不良が原因だった。
 基礎のくいが強固な地盤に届かなかったり、打つ深さが不足したりしていたのに施工主に虚偽のデータを報告し、ごまかしていた。
 マンションは2007年に完成し、昨年11月には建物のずれに気づいた住民が三井側に指摘していたという。三井側は今年9月、施工不良を横浜市に報告した。
 問題のマンションは、傾いている1棟を含む全4棟(計705戸)の建て替えを協議するようだ。
 だが、問題はここにとどまらない。旭化成建材の過去の工事はどうだったのか。念のために調査して確認する必要がある。親会社の旭化成によると対象は最大で約3千棟に上る可能性があるという。
 もう一つは東洋ゴム工業だ。電車や船舶などで使われる防振ゴム製品で性能データを改ざんするなどの不正があったと発表した。
 きちんと検査していないのに、したかのように装って一部製品が出荷されていた。今春明るみに出た免震装置ゴムのデータ改ざん問題を受け、同社が再発防止に取り組む中で新たな不正が発覚した。
 企業の不祥事は今に始まったものではない。気になるのはこの2社があくまで例外なのか否か、ということだ。企業のあり方は変わり、非正規雇用も増えた。日本経済の強みだった「現場の力」が衰えているとすれば話は深刻だ。
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毎日新聞 2015年10月17日 02時40分
社説:傾きマンション 不安解消へ検査を急げ


 横浜市の大型マンションの施工不良は、住まいへの信頼を根底から揺るがせている。事業主、請け負った施工者それぞれが対応に乗り出しているが、原因の究明と再発防止の対策が早急に必要だ。
 問題になっているのは、三井不動産レジデンシャルが事業主のマンションだ。孫請けとして、旭化成建材が建物を支えるくいを打ちこむ工事を請け負った。だが、くいの一部が固い地盤まで届いていなかった。
 そのためマンションが傾いた。同社は、くい打ちの際に作成する地盤調査のデータ偽装を認めた。
 同社の親会社である旭化成は、旭化成建材が手がけた全国のマンションや商業ビル3000棟について、安全性を確認する。また、社内に調査委員会を設け原因を調べる。
 一部の担当者による行為なのか、恒常的に不正が行われていて今後広がりを見せるのか。徹底的な解明を求めたい。調査対象の建物には、大勢の利用者や住民がいる。不安解消のため検査は速やかに進めるべきだ。結果の説明など透明性も必要だ。
 事業主の三井側の責任は大きい。
 住民説明会では、傾いた1棟だけでなく、全4棟の建て替えを基本線に住民と協議する意向を示した。住民の考え方はさまざまだろう。経緯をしっかり説明し、話し合いを尽くして解決策を模索するしかない。
 仮に建て替えるとすれば、マンション入居者の年単位の転居を伴う。人生設計の変更が必要な人も出るだろう。横浜市など行政の協力も得て、住民支援に当たってほしい。
 マンション建設を全国で展開する伝統のブランドは大きく傷ついた。今回の問題では、渡り廊下の結合部のずれについて当初、東日本大震災の影響を示唆して住民の不信感を募らせた。信頼回復のためにも、今後の誠意ある対応が不可欠だ。
 一方、横浜市は、建築基準法違反を視野に調査する。同市では別の大型マンションが傾いたことが判明し、市は昨年是正勧告した。今回も、問題の所在を行政の立場から点検し、再発防止に役立ててもらいたい。
 2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、建設業界は繁忙を極める。建設現場の作業員不足などが原因でマンションなどの完工予定には遅れが出ている。一方、資材の高騰で、施工者に対してコストの削減圧力が高まっているという。
 工期やコストなど現場にとって厳しい条件下、手抜き工事や突貫工事を心配する声があるのは事実だ。
 今回のマンション自体の完工は07年だが、不正を生んでしまうような土壌が今あるとすれば見過ごせない。まずは事業主が目を光らせ、施工の監理を強化してほしい。
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