2016-01-16(Sat)

スキーバス事故 各紙社説等(3)惨事はなぜ繰り返すのか

安全策は十分だったか カーブで何が起きたのか  原因の徹底究明と再発防止策を

<各紙社説>
神戸新聞)スキーバス事故/カーブで何が起きたのか(1/16)
中国新聞)スキーバス惨事 再発許さない対策を(1/16)
愛媛新聞)スキーバス転落事故 原因の徹底究明と再発防止策を (1/16)
西日本新聞)スキーバス事故 惨事はなぜ繰り返すのか(1/16)
南日本新聞)[ツアーバス事故] 安全策は十分だったか(1/16)




以下引用



神戸新聞 2016/01/16
社説:スキーバス事故/カーブで何が起きたのか


 屋根部分が押しつぶされ、フロントガラスが大破した車体が、事故のすさまじさを物語っていた。
 スキー客を乗せたバスが15日未明、長野県軽井沢町の国道を走行中、道路脇の斜面に転落。運転手2人を含む計14人が亡くなり、他の乗客も負傷した。多くが10~20代の若者だ。楽しいはずのスキー旅行が一瞬にして暗転した。
 長距離バスをめぐっては、高速ツアーバスを廃止し、安全基準の厳しい高速乗り合いバスに一本化したり、交代要員の運転手の同乗を義務付けたりするなど安全対策が強化されてきた。きっかけは7人が死亡した2012年の関越自動車道のバス事故だったが、惨事を防げなかった。
 下りの緩やかな左カーブを曲がりきれず、対向車線へはみ出し、反対側のガードレールを突き破ったという。バスに何が起きたのか。原因の解明を急がねばならない。
 その鍵を握るのが乗客の証言だ。それによれば、バスは当時、かなりのスピードを出していたらしい。大きな揺れを感じたという大学生もいた。現場の映像などを見る限り、道路には目立ったブレーキ痕はなかった。運転手に何らかの異変が起きていた可能性を指摘する声もある。
 バスの運行会社は、運転手に健康診断を受けさせなかったなどとして、事故の2日前、国土交通省関東運輸局から行政処分を受けていた。労務管理上の問題はなかったのか。長野県警による捜査でも焦点の一つとなるだろう。
 現場の国道はあらかじめ用意された行程表とは別のルートだった。ホテルの到着など時間調整のため、高速道路ではなく一般道を使うこともあるというが、運行会社側は変更を把握していなかった。
 「激安」を掲げるツアーが、ルート選びなどで無理な運行をしていなかったのか。業界の実情にも踏み込んでほしい。
 10人以上の犠牲者を出した交通事故は、1996年9月に兵庫県村岡町(現香美町)で、ワンボックスカーと大型トラックが衝突し、11人が死亡して以来だ。
 バスの乗客は、車外に投げ出された人も多かった。シートベルトをしていなかったとみられる。装着さえしていれば被害はここまで拡大しなかったかもしれない。乗客の基本的な安全対策も徹底すべきだ。
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中国新聞 2016/1/16
社説:スキーバス惨事 再発許さない対策を


 横倒しになり、大きくひしゃげた大型バスの映像に息をのんだ。前途ある若者たちが乗っていたことを思うと胸がつぶれそうになる。長野県軽井沢町の国道で起きたバス事故は、スキー客ら14人の命を奪った。死者の数では30年来の大惨事である。
 安全が最優先のはずのバスツアーで、なぜ事故が繰り返されるのか。長野県警や国土交通省などは一斉に原因究明に乗り出した。まずは徹底的に問題点を洗い出してもらいたい。
 既に幾つもの疑問が浮かび上がっている。まずはバスのルートである。事故現場は蛇行の多い国道バイパスの峠道だった。ツアーの行程表では近くの高速道路を通る予定だった。なぜ、深夜にリスクの高い道をわざわざ選んだのか。
 ツアーを企画した旅行会社が手配通りの運行が前提と言う一方で、バスの運行会社は「時間調整のため行程表通りにいかないこともある」と説明した。
 しかし、何より安全が第一ではないか。この日はなかったとはいえ積雪や凍結の危険もある場所である。普通に考えれば、高速の利用が当然だろう。首をひねらざるを得ない。
 もう一つは運行会社の労務管理のずさんさである。運転手に健康診断を受けさせなかったとして事故の2日前に、関東運輸局から行政処分を受けたばかりだった。その直後に大事故が起きたことを会社も行政も重く受け止めるべきだ。処分が甘過ぎたと言われても仕方ない。
 さらに見過ごせないのは、乗客の多くがシートベルトを着用していなかった可能性があることだ。多くの死傷者が車外に放り出され、バスの下敷きになった。未着用が被害を大きくしたとも考えられる。運転手が着用するように促さなかったという証言も出ている。
 2008年から後部座席を含むシートベルトの着用が義務付けられ、ツアーバスも例外ではなくなった。そのことが軽んじられてはいなかったか。
 むろん、この事故に至るまでの背景も考える必要がある。00年からのツアーバスをめぐる規制緩和の流れである。
 当初は新規参入が相次ぎ、過当競争を招いた。コストを削るために運転手に過剰な労働を強いるケースも相次いだ。4年前に関越自動車道の夜行ツアーバスの事故で7人が亡くなったことは記憶に新しい。
 さすがに危機感を抱いたのだろう。国も運転手の過労を防ぐための規制を強めた。関越の事故を受け、長距離夜行バスには原則、運転手2人の乗車を要請した上、1人当たりの1日の走行距離を670キロまでから400キロまでに制限するなどした。
 しかし、それで安全が十分に確保できているかどうかは分からない。価格競争の傾向は変わらず、今なお現場にしわ寄せが及んでいるのではないか。加えて訪日外国人の急増でツアーバスのニーズが高まり、運転手の人手不足が深刻化している。高齢化も進み、今回の事故の運転手は65歳だった。働き盛り世代を基準にした過労対策でいいのかは疑問である。
 ツアーバスだけではなく、すべての交通事業者はすぐに安全の総点検をしてほしい。その上で関係機関は軽井沢の事故の多角的な検証を重ね、安全対策の練り直しを急ぐべきだ。
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愛媛新聞 2016年01月16日(土)
社説:スキーバス転落事故 原因の徹底究明と再発防止策を


 長距離バスによる悲惨な事故がまた起きてしまった。
 長野県軽井沢町でスキーツアー客を乗せた満員状態の大型バスが道路脇斜面に転落横転して大破、運転手2人を含む十数人が死亡した。長野県警や国土交通省は事故原因を徹底的に究明し、こうした事故が二度と起きないように対策を講じなければならない。
 ツアーは東京の旅行会社「キースツアー」が企画、貸し切りバス会社の「イーエスピー」が運行していた。14日夜に東京・原宿を出発し、長野県山ノ内町のスキー場に向かっていた。
 事故発生は翌15日の午前2時前。現場は緩やかに左に曲がる下り坂で、目立ったブレーキ痕はなかった。運転手に何らかの異常が起きた可能性がある。
 長距離ツアーバスの事故といえば、2012年4月に群馬県藤岡市の関越自動車道で防音壁に衝突し、乗客7人が死亡した事故が記憶に新しい。運転手の居眠りが原因とされ、鑑定で睡眠時無呼吸症候群の症状があると診断された。
 運転手の過労が指摘されたほか、旅行会社は客を募集するだけで、運行をバス会社に「丸投げ」していた実態も浮かび上がった。国交省は13年に、運転手1人の夜間走行距離を原則400キロまでとし、長距離路線では交代要員を置くことを義務付ける安全対策を打ち出した。
 イーエスピーがこうした法令を順守していたかどうかが捜査の焦点になろう。同社は事故の2日前、運転手13人中10人に健康診断を受けさせていなかったとして、国交省から行政処分を受けたばかりだった。乗務前後に点呼をした記録がなかったほか、新人ドライバーに必要な適性診断を受けさせていなかったことも判明している。
 また事故を起こしたバスは予定していた高速道路ではなく、国道を走っていた。なぜルートを変更したのか、それが事故の遠因となったのかなども解明しなければならない。
 「激安&格安」をうたって客を募集したキースツアーとの関係も詳しい調査が必要だ。バス会社に法令違反を強いるような料金体系ではなかったかどうかを精査する必要がある。
 こうした事故を防ぐために、14年11月から新型車の大型トラックや大型バスに自動ブレーキの搭載が義務化された。しかし今回のバスは対象ではなかったとみられる。17年9月以降は生産される全ての大型バスに適用される予定だが、前倒しも検討するべきだ。
 バス業界は深刻な人手不足に陥っている。不安定な雇用形態や低賃金が原因だ。残った運転手にしわ寄せが来ており、慢性的な過労運転が原因とみられる事故が多発している。
 今後、日本は外国人旅行客による観光バス需要の増加も見込まれる。安全性の確保が何よりも重要だ。国交省はあらためて関係法令の実効性を検証する必要がある。
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=2016/01/16付 西日本新聞朝刊=
社説 : スキーバス事故 惨事はなぜ繰り返すのか


 長距離バスによる惨事がまたもや繰り返されてしまった。
 長野県軽井沢町の国道バイパスで昨日未明、スキーツアー客を乗せた貸し切りバスが道路脇に転落し、運転手2人を含む14人が死亡、26人が負傷した。現場で大破したバスの姿から、事故で受けた衝撃の大きさが伝わってくる。
 現場は緩やかなカーブで目立ったブレーキ痕はなく、路面も凍結していなかったという。警察は事故原因の特定を急いでほしい。
 非常に気掛かりなのは、バスを運行した会社が事故2日前に関東運輸局から行政処分を受けていた事実だ。運転手たちに必要な健康診断を受けさせていなかった-などの規則違反が理由だという。
 バス運転手の過労防止や健康の管理は深刻な事故が起きるたびに規制が強化されてきた。安全に直結するからだ。今回の事故との関連は不明だが、行政当局が調査や特別監査をしている。問題があれば早急に実態を解明すべきだ。
 貸し切りバスの需要は訪日外国人観光客の増加に伴い高まっている。運転手の人手不足もあり、低価格を売り物にしたツアーでは過酷な勤務や運転を強いられることも想像に難くない。
 過労運転の危険性を高めてしまうような問題は生じていないか。バス事業者は今回の事故を踏まえて、運転手の勤務実態や健康管理を再点検してほしい。
 一方、バスの車両の安全性にも懸念が広がっている。
 国土交通省は昨年末、全国のバス事業者に点検や整備を徹底するよう指示した。12月に東京都と長崎県雲仙市で貸し切り観光バスが停車中に出火する事例が相次いだからだ。今月には札幌市で走行中の観光バスからも出火している。
 原因は調査中だが、バスの老朽化が背景にあるとの見方もある。競争が厳しく、小さな業者ほど車両の更新が難しいのだという。
 長距離バスは行楽地へのツアーから修学旅行まで手軽に利用される交通手段だ。何より安全第一の運行が鉄則である。関係者はあらためて肝に銘じてほしい。
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南日本新聞 ( 2016/1/16 付 )
社説:[ツアーバス事故] 安全策は十分だったか


 ツアーバスでまた大事故が起きた。
 長野県軽井沢町の国道碓氷バイパスで15日未明、スキーツアーの若者らで満員のバスが反対車線脇の斜面に転落した。15日午後6時現在、乗っていた41人のうち運転手2人を含む14人が死亡、27人が重軽傷を負った。
 現場に目立ったブレーキ痕はなく、道路も凍結していなかった。長野県警は、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の疑いで、バスの運行会社を家宅捜索した。
 2012年4月、群馬県の関越自動車道でツアーバスが防音壁に衝突し、7人が亡くなって以来の重大事故である。
 こうした事故を教訓に、国は対策を強化してきた。それでも惨事は起きてしまった。
 運行上の安全対策は十分だったのか。悲惨な事故の再発を防ぐため徹底した原因究明が必要だ。
 ツアーは東京都渋谷区の旅行会社が企画し、バスは都内の会社が運行していた。
 旅行会社は、運転手2人が乗車し、運行管理上の問題はなかったと釈明している。
 しかし、バスの運行会社は、運転手13人中10人に健康診断を受けさせていなかったなどとして、国土交通省からバス1台の運行停止処分を受けていた。
 事故につながる恐れはなかったか。国交省に検証を求めたい。
 高速バスは以前、旅行会社が乗客を募集し、貸し切りバス会社に運行を委託する高速ツアーバスと、自ら募集・運行する高速乗り合いバスがあった。
 国交省は、12年4月の事故を受け、翌年に高速ツアーバスを廃止して、旅行会社に乗り合いバスの事業認可を取得させた。運転手1人の夜間走行距離も400キロまでとする安全策を打ち出した。
 だが、その後も夜行バスの死傷事故が相次いだ。業界からは「人手不足による過労運転が続いている」との声が上がっていた。
 今回の事故で亡くなった運転手は57歳と65歳の男性で、2時間交代制だった。ツアーの行程表にあった高速道とは異なる国道のバイパスを通っていた。
 旅行会社は「激安」をうたい文句に、スキーやスノーボードの日帰りや1~2泊のバスツアーを販売していた。
 安さを強調するあまり、企画に無理はなかったのだろうか。これらについても精査してほしい。
 大勢の人の命を預かるバスは、乗客を安全に目的地まで送り届けるのが最大の使命である。
 バス会社はもちろん、旅行会社ももう一度肝に銘じたい。
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