2016-01-17(Sun)

スキーバス事故 (4)安全運行を脅かす体制の事業者が存続

教訓は生かされていたか 国土交通省の監督の甘さ 規制緩和による業界の激しい価格競争の弊害

----2012年、群馬県藤岡市の関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突し、7人が死亡した事故を思い起こした人も多いはずだ。
 
過労による居眠り運転が直接原因とされたが、安全を犠牲にした労働環境や運行会社の法令違反が問題となった。
規制緩和による業界の激しい価格競争の弊害や、国土交通省の監督の甘さも指摘され、さまざまな制度改正が行われた。
 
しかし今回、さらに多くの犠牲者が出る事態となった。関越道事故の教訓は生かされていたのだろうか。今後の大きな焦点である。

-----重大事故には直接原因のほかに、それを誘発した背景や事故を拡大させた要因が存在する。運行会社のずさんな管理体制と事故との因果関係の解明も求められる。
 
ただし、今回は事故原因との関連はともかく、安全運行を脅かす体制の事業者が存続している実態が明らかになった。新たな事故を招きかねず、看過できない。
 
関越道事故後、多くの事業者は法令順守、労務環境の改善を図っているとしても、そうでない事業者もいることを示している。
(高知新聞)

高知新聞)【長野バス事故】教訓は生かされていたか(1/17)
熊本日日新聞)スキーバス事故 許されない安全置き去り(1/17)
琉球新報)バス転落事故 より実効性ある対策必要(1/17)




以下引用



高知新聞 2016年01月17日08時06分
社説:【長野バス事故】教訓は生かされていたか


 長野県軽井沢町で東京からのスキー客を乗せた大型バスが転落し、乗員を含む14人が死亡した。
 突然帰らぬ人となった乗客12人は全員、前途ある大学生だ。週末、白銀のゲレンデを満喫するはずだった若者たちを襲った悲劇に胸が締め付けられる。犠牲者の冥福と負傷した26人の早期回復を祈りたい。
 2012年、群馬県藤岡市の関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突し、7人が死亡した事故を思い起こした人も多いはずだ。
 過労による居眠り運転が直接原因とされたが、安全を犠牲にした労働環境や運行会社の法令違反が問題となった。規制緩和による業界の激しい価格競争の弊害や、国土交通省の監督の甘さも指摘され、さまざまな制度改正が行われた。
 しかし今回、さらに多くの犠牲者が出る事態となった。関越道事故の教訓は生かされていたのだろうか。今後の大きな焦点である。
 今回の事故原因はまだ特定されておらず予断を許さないが、多くの疑問点が浮上している。
 現場近くの道路にはタイヤ痕が1本しかなく、片輪走行で転落した可能性がある。極めて異常な運転状態だったといえる。
 運行ルートも理解に苦しむ。ツアー行程表では、上信越自動車道を走る予定だったが、実際にはカーブが多い国道18号のバイパスを走行し、事故を起こした。しかも、運行会社が運転手に対して作成する「運行指示書」にはルートが記載されておらず、法令違反状態だった。
 国交省によると、運行会社は、運転手の業務実態を把握する書類にも虚偽記載や記載漏れがあり、運転手の労働時間が基準を超えているケースもあった。また、運転手に健康診断を受けさせていなかったなどとして、行政処分を受けたばかりだったという。
 原因究明へ、警察とは別に、関越道事故後に新設された事業用自動車事故調査委員会も調査に入った。背後要因まで迫り、再発防止につなげる組織だ。
 重大事故には直接原因のほかに、それを誘発した背景や事故を拡大させた要因が存在する。運行会社のずさんな管理体制と事故との因果関係の解明も求められる。
 ただし、今回は事故原因との関連はともかく、安全運行を脅かす体制の事業者が存続している実態が明らかになった。新たな事故を招きかねず、看過できない。
 関越道事故後、多くの事業者は法令順守、労務環境の改善を図っているとしても、そうでない事業者もいることを示している。
 負傷者の話では、車内ではシートベルトの着用が徹底されていなかったとみられる。業界には大型バス運転手の人材不足や高齢化を不安視する声もある。多くの問題が内在している。
 国交省や業界は事故と現状を重く受け止め、早急に実態把握や適正化を進める必要がある。
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熊本日日新聞 2016年01月17日
社説:スキーバス事故 許されない安全置き去り


 目を覆いたくなる今回のようなバス事故の惨事をもう繰り返してはならない。事故の原因や背景を徹底的にあぶり出し、実効性のある再発防止策につなげてほしい。
 長野県軽井沢町の国道で15日未明、大型バスが転落、雪山を楽しもうと胸躍らせていたスキー客ら14人が死亡した。最近のバス事故としては最悪の惨事だ。
 事故が起きたのは東京都内の旅行業者が企画したスキーツアーで、バスは都内の貸し切りバス業者が運行していた。都内を夜に出発し、翌朝、長野県内のスキー場に到着予定だったが、出発から約3時間後、事前に旅行業者が示した行程表とは異なるルート上にある峠越えの山道で事故は起きた。
 原因は特定されていないが、本来、この区間は高速道を使う予定だった。なぜ変更されたのか。
 道路運送法に基づき、悪天候などでルートを変える場合、運転手は運行管理者に確認する必要がある。果たして法に基づく対応はなされていたのか。運転手が亡くなった以上、旅行業者と運行会社の聞き取りを通じて実態を解明するしかない。ルート変更について、運行会社は「一般論として時間調整のため行程表と違うこともある」と説明したが、法令違反が常態化していた疑いが残る。
 事故後始まった国土交通省の特別監査では、運行会社が運転手向けに作成した「運行指示書」に出発場所と到着場所しか記されておらず、ルートの記載がなかったことが判明。書類の虚偽記載といった法令違反の疑いがある事例も見つかった。
 運行管理のずさんさとともに、運転手の健康管理も不十分だった可能性がある。国交省の昨年2月の定期監査で運転手の健康診断未受診や業務前後の点呼記録の不備などが発覚。事故発生の直前に行政処分を受けたばかりだった。
 複数の乗客によると、死傷者の多くがシートベルトを着用せず、着用を指示するアナウンスもなかったという。被害を拡大させた可能性が捨て切れない。
 貸し切りバスの事故が後を絶たない。警察庁によると、最近の事故件数は年間500件程度で推移。2012年4月、群馬県の関越自動車道でツアーバスが防音壁に衝突し、乗客7人が死亡した事故は記憶に新しい。
 バス事故の背景として運転手の過労がたびたび指摘され、国交省は運転手1人の夜間走行距離を400キロまでに制限するといった対策を打ち出してきた。しかし、規制緩和による競争激化、運転手の高齢化やなり手不足など、バス業界が抱える課題は変わらぬままだ。訪日外国人の増加で貸し切りバスの需要が高まる中、かえって運転手1人当たりの走行距離が延びているとの指摘もある。
 安全を置き去りにし、コスト優先に走り過ぎるのは公共交通機関として許せないことだ。国はチェック体制を強化するとともに、運転手の労務改善につながる施策に力を注ぎ、悲惨な事故の芽を摘んでもらいたい。
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琉球新報 2016年1月17日 06:01
<社説>バス転落事故 より実効性ある対策必要


 なぜこんな大事故が起きてしまったのだろうか。14人もの尊い命が失われた責任は重大だ。再発防止のためにも、警察や国に事故原因の徹底究明を求めたい。
 長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、スキー客39人を乗せ満員状態の大型バスがガードレールを突き破り道路脇の斜面に転落、大破した。
 運転手2人を含む14人が死亡、26人が重軽傷を負った。犠牲者には県出身の女子大生1人が含まれている。県内大学に通う女子学生1人も重傷だ。
 国交省の調べで、バス運行会社が運転手に対して作成する「運行指示書」にルートを記載していないことや、いつ誰が乗務したかを示す乗務記録、免許証情報の乗務員台帳への記載漏れも次々と発覚している。労働時間が基準を超えていたケースもあったという。
 また、同社は今回の事故直前に、運転手に健康診断を受けさせていなかったなどとして行政処分を受けていたことも判明している。
 道路運送法で義務付けられた書類の不備など、法令違反が常態化していた可能性さえある。あまりにずさんで、ひどすぎる。公共輸送を担う会社とは到底思えない。
 法律に基づいた適正な運行・労務管理ができていれば、事故が起きなかった可能性は捨てきれない。バス運行会社の不適切な運営実態を十分に指導、改善できなかった行政側の責任も大きい。
 事故原因はまだ不明だが、バス業界の実態などから、連続勤務や深夜勤務などを原因とした「過労」による居眠り運転の可能性を指摘する関係者は多い。
 国は2012年に群馬県の関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突、乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負った事故などを受け、過労運転防止に乗りだした。運転手の夜間運行1回当たりの上限距離を670キロから400キロに変更するなど規制を強化した。
 一定の改善が図られたとされているが、業界では運転手の人手不足もあり、なかなか徹底されないともいわれる。とりわけ労働時間の規制は今も極めて不十分だという。
 長時間労働が恒常化していると批判される運転手の働かせ方を見直さない限り、また同じことが起こりかねない。国交省には、あらためて業界全体の調査を行い、労働実態を明らかにし、より踏み込んだ実効性のある対策を求めたい。
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