2016-01-19(Tue)

スキーバス事故 各紙社説等(5)なぜ違反は放置された

生かされなかった教訓 価格競争で安全を損なうな 安全最優先の教訓どこへ 許せない ずさんな管理

<各紙社説・論説>
朝日新聞)夜行バス事故 生かされなかった教訓(1/19)
福島民報)【軽井沢バス事故】再発防止の徹底を(1月19日)(1/19)
信濃毎日新聞)バス転落事故 なぜ違反は放置された(1/19)
福井新聞)スキーバス事故 安全最優先の教訓どこへ(1/19)
山陽新聞)スキーバス事故 看過できない安全の軽視(1/19)

佐賀新聞)スキーバス事故 業界挙げ点検と出直しを(1/19)
宮崎日日新聞)スキーバス事故  価格競争で安全を損なうな(1/19)
沖縄タイムス)[スキーバス事故] 許せない ずさんな管理(1/18)





以下引用



朝日新聞 2016年1月19日(火)付
社説:夜行バス事故 生かされなかった教訓


 ここまで法令違反が積み重なっていたことにあぜんとする。
 15人が亡くなった長野県での夜行バス事故である。バス会社の運行管理のずさんさが次々と明らかになってきた。
 過去の事故の教訓はなぜ生かされなかったのか。人命第一という当然の大原則を、業界全体が肝に銘じるべきだ。
 事故は険しい峠道の下り坂で起きた。激安をうたうツアー会社が客を集め、業者を介してバスを確保する仕組みだった。
 運転手2人は死亡しており、事故の直接の原因は分かっていない。だが、国土交通省の特別監査などで判明したバス会社の違法ぶりには驚かされる。
 運転手の体調を出発前に確認しない▽にもかかわらず、書類に体調管理の済み印を押した▽運転手に健康診断を受けさせない▽休憩のタイミングなどを運行指示書に記さない――。
 こんな違反がなかば常態化していた。命を預かっているという自覚が欠けているというほかない。国交省や警察は、厳しく対応すべきだ。
 バス会社だけではない。ツアー会社は「今年は雪不足で客が少ない」として、国の定めた限度額を下回る運賃で提案し、バス会社も応じていた。この会社は、昨シーズンは基準の半額で引き受けていたという。
 4年前に起きた関越道での夜行バスによる46人死傷事故を機に、国交省はバス会社が満たすべき安全基準を厳しくした。
 同時に、安値を求める消費者心理に一定のブレーキをかけるために運賃の下限額も定めた。安全のためには相応のカネがかかるという前提だった。
 しかし今回の事故は、この仕組みが「ザル化」している実態を浮き彫りにした。
 規制緩和で、貸し切りバス事業者はこの十数年で1・5倍の約4500社に増えた。下請けのような立場である零細バス会社にとって、舞い込んできた依頼は断りにくい。運賃が下限割れしていても、バスを遊ばせているよりはましといった感覚もあるという。
 そうした問題を防ぐはずの国交省の監査は、手が回りきっていない。予算や人員規模に限界があるとしても、チェック機能がゆるい問題は明らかだ。
 たとえば、ツアーで使われるバス会社名やその処分歴などについて、もっと公開し、消費者の目を監視役にする。悪質な業者を退場させるには、そんな工夫もあっていい。
 ずさんなバス運行を野放しにしない。官民、ユーザーをあげた真剣な方策が必要である。
ページのトップへ戻る



福島民報 ( 2016/01/19 08:51 )
論説:【軽井沢バス事故】再発防止の徹底を(1月19日)


 長野県軽井沢町で起きたバス転落事故で死亡した14人は、運転手2人を除く12人が大学生だった。可能性にあふれた若者の将来を奪った事故はあまりに痛ましい。運行会社のさまざまな違反行為が明らかになっている。責任を厳しく追及するのは言うまでもない。国も管理・監督体制に問題はなかったのかを詳細に検証するべきだ。
 運行会社は基準よりも低い料金で運行を受注したり、運行指示書に走行経路を記載していなかったりと、違反行為が常態化していた疑いがある。同社の社長は運転手の出発前の点呼を遅刻したため行わず、健康状態の確認を怠っていたと自ら明かした。乗客の安全を確保する最も基本的な意識が欠落していたと言わざるを得ない。遺族の怒りや無念さは察するに余りある。
 ツアー料金をめぐっては、企画した旅行会社が基準の下限を下回る額を提示したほか、仲介した業者も基準割れを認識しながら運行会社にバスを手配したという。一部の行為であったとしても、事実ならば業界全体の問題として改善に取り組む必要がある。
 最近のバス事故では、平成17年4月に猪苗代町の磐越自動車道で高速バスが横転し乗客3人が死亡、20人が重軽傷を負った。24年4月には群馬県藤岡市の関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突、大破して乗客7人が犠牲になり、38人が負傷した。群馬県の事故では、運行指示書とは違う経路を走行していたほか、無理な運行計画も問題になった。
 重大事故が起きるたびに国や業界は再発防止に力を入れてきたはずだ。なのに、なぜ惨事は繰り返されたのか。
 貸し切りバス業界では法令違反が後を絶たず、行政処分は全国で年間数百件に上る。貸し切りバス事業が免許制から許可制になったことで新規参入が容易になり、民間事業者数はここ十数年で倍増している。国が全ての事業者を毎年監査するのは不可能な状況という。
 規制緩和により、事業者は一層高い安全意識を持たなければならない。参入の間口を広げた側の国が負うべき監督責任も重いはずだ。
 東北運輸局福島運輸支局は県内の貸し切りバス事業者に対し、安全確保の原点に立ち返った対応を取るよう通知した。各事業者は運転手の健康管理や車両点検などを徹底するとしている。もう二度とこのような惨事が起きないよう、国は当事者意識を持ち、規制の在り方を含めた安全対策の見直し、再構築を急ぐよう求めたい。(五十嵐 稔)
ページのトップへ戻る



信濃毎日新聞 (2016年1月19日)
社説:バス転落事故 なぜ違反放置された


 大学生ら14人が死亡した北佐久郡軽井沢町のバス転落事故で、バス会社が法令に違反して運行していた疑いが次々に明らかになっている。利益を優先し、安全面が軽視されていた可能性がある。事故原因と関係があるのか徹底的に解明する必要がある。
 2012年に群馬県の関越自動車道で7人が死亡したツアーバスの事故以降、国土交通省は安全確保策を強化していた。違反が放置されていた事実を重く受け止め、これまでの監査で判明しなかった理由も明らかにするべきだ。
 法令違反は多岐にわたる。
 大きな問題は、バス会社が国の基準に基づいて算出した適正料金の下限を大幅に下回る金額で、今回のツアーを請け負っていたことだ。今回の場合、約26万4千円の下限に対し約19万円だった。
 雪不足でスキー客が少ないことを理由に旅行会社が提示した。国交省の事故後の特別監査では、基準割れ料金で受注したケースは今回のツアー以外に少なくとも2件あった。バス会社社長は「昨季は13、14万円もあった」と話しており、基準割れ料金が常態化していた可能性がある。
 バス会社のずさんな管理実態も明らかになっている。
 運転手に渡された運行指示書には、走行経路が明記されておらず法定要件を満たしていなかった。運転手は健康診断も受けておらず、出発前の運行確認も実施されなかった。今回のツアー以外では、乗務記録や運行記録の記載漏れも見つかっている。
 書類作成はバスの運行ごとに必要になる。安全な行程を組むための下見も必要になり、健康診断も含め経費がかかる。低料金での受注と安全コスト削減が関係しているのかも焦点になる。
 疑問なのは、これほどの法令違反の多くを、事故発生まで見抜けなかったことだ。国交省は運転手に健康診断を受けさせなかったことを主な理由に、13日にバス会社を行政処分した。監査は15年2月に実施されている。この際、安全管理面をどうチェックしたのか検証するべきだ。
 国交省では、全国に365人(14年度)いる監査官が、約4500社ある貸し切りバス事業者や、約12万社あるタクシー、トラック事業者を監査している。1年に監査できるのは貸し切りバス事業者の5分の1程度しかない。ほかのバス会社でも、法令違反が横行している可能性は否定できない。監査官の増員など監査体制の抜本的見直しを求める。
ページのトップへ戻る



福井新聞 (2016年1月19日午前7時30分)
論説:スキーバス事故 安全最優先の教訓どこへ


 スキー客を乗せたツアーバスが道路脇に転落し、大学生ら10〜20代の若者と乗務員を合わせ14人が死亡、27人が重軽傷を負う惨事となった。現場は長野県軽井沢町の国道で、急カーブが続く峠を越えた後の緩やかな下り坂。大型バスは反対側のガードレールを突き破り横転、乗客はバスから車外に投げ出された。
 当時は真夜中だったが、降雪や路面の凍結はなかった。警察は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑でバス運行会社などを家宅捜索。国土交通省も原因解明を進めている。
 その中で運行会社は運転手の健康状態などを記録する「乗務員台帳」を作成しておらず、適切な運行指示書がないままバスを走らせるなどずさんな運行管理が明らかになってきた。
 現に同社は事故2日前、運転手に健康診断を受けさせていなかったとして行政処分を受けていた。また道路運送法に基づく本来の指示書は発着地やルート、休憩時間などを明記して運転手に渡すべきものだが、今回は発着地だけ記した行程表があっただけ。
 今季は暖冬でツアー客が少なかった影響もあった。旅行企画会社からの要請もあり、国が定めた基準を下回る運賃で受注していたともいわれる。
 事故原因の徹底的な究明と関係者の厳正な処分とともに、安全確保に落ち度がないか業界全体を対象に、より踏み込んだ再発防止の対策も不可欠だろう。
 いま「格安バスツアー」という言葉があふれているように、各事業者は過当競争や人手不足に直面している。事故の多くに「過労運転」の疑いが付きまとうのも、安全対策が強化されても順守されない業界事情が見え隠れする。
 2002年に乗り合いバス事業が規制緩和され、事業者や車両の数が大幅に増加、実勢価格の低下を招いたという。こうした中で長距離や深夜バスの事故が目に付くようになった。
 12年4月の大型連休、群馬県の関越自動車道で高速ツアーバスが鋼板製の防音壁に激突。7人が亡くなり38人が重軽傷を負った。無理な運行を強いられた運転手の居眠りが原因だった。
 これを契機に国は過労運転防止策として、夜行貸し切りバスの運転手の上限距離を1日670キロから原則400キロに引き下げ。運転時間の制限や交代者の配置基準も改めたほか、運行会社の健康管理や車両整備にも目を光らせた。
 しかしバス同士に限らず鉄道や飛行機との競争も激しく、事業者は生き残りにしのぎを削る。いきおい安全最優先の教訓は後回しにされがちだという。あまりに痛ましい事故が起きてしまったが、今こそ公共交通の使命を認識すべきだ。
ページのトップへ戻る



山陽新聞 (2016年01月19日 07時57分 更新)
社説:スキーバス事故 看過できない安全の軽視


 バス運行会社のずさんな運行管理の実態が次々に明らかになっている。15人が死亡し26人が負傷した長野県軽井沢町のバス転落事故である。
 ツアーは東京都内の旅行会社が企画し、都内のバス運行会社が運行していた。運行会社に対する国土交通省の特別監査では、道路運送法で義務付けられた書類の不備などが相次いで見つかっている。事故原因は明らかではないが、安全をないがしろにする管理体制は看過できない。
 運行管理に関しては、会社側が運転手に対して作成しなければならない「運行指示書」が実態的には存在しないままだった。本来、指示書は発着地やルート、休憩時間、注意する場所などを記し運転手に渡さなければならない。だが、運行会社が指示書とする書類には発着地しか記されていなかった。
 他にも、事故車両が定期点検整備を済ませたことを示す書面が見つからないことや、事故当時の運転手について、免許情報や健康状態などを記す「乗務員台帳」を作成していないことなども発覚した。技量不足の運転手を起用したとの指摘もある。こうした管理の実態が安全運行に支障を来したのではないか。事故につながる要因を詳細に調べなければならない。
 貸し切りバス事業をめぐっては、構造的な問題も指摘されている。以前は免許制だったが、規制緩和で2000年からは条件を満たせば営業できる許可制となり、新規参入が容易になった。13年度の民間事業者は4486社と、1999年度から倍増した。
 事業者急増に伴い、値下げ競争も激化した。ツアーを企画し優位な立場の旅行会社がバス会社に安値運行を強いることや、長時間運転するドライバーの過労などが問題となっている。法令違反を理由とする行政処分も大幅に増えている。
 群馬県の関越自動車道でバス乗客7人が死亡した12年の事故では、運転手が睡眠不足のまま運転していた。国交省は、運転手1人が夜間に走れる距離に上限を設けるなどの規制を打ち出したが、その後も夜行バスの死傷事故は起きている。規制が十分に機能しているとは言い難い。
 運転手の高齢化や人手不足も深刻な問題だ。もう一度、安全管理の仕組みを見直す必要があろう。
 今回の事故では死傷者の多くがシートベルトを着用していなかった可能性がある。08年施行の改正道交法は一般道のみを走る路線バスなどを除き、乗客にベルトを着用させるようバス運転手に義務付けた。だが今回、着用指示のアナウンスはなかったという。
 警察庁の14年の統計によると、自動車の後部座席でベルトを着用せずに事故に遭い死亡したのは107人で、着用していて死亡した人(36人)の約3倍に上る。自らの安全を守るため、バスの乗客もベルト着用を徹底したい。
ページのトップへ戻る



佐賀新聞 2016年01月19日 05時00分
論説:スキーバス事故 業界挙げ点検と出直しを


 長野県軽井沢町で14人が死亡し27人が負傷したスキーツアーバス転落事故は、バス会社のずさんな運行管理が次々と判明している。こうした安全軽視の風潮が業界に広がっていないか-事故原因の究明とともに、実態の解明と出直しが必要だ。
 旅行会社が募集し、バス会社に運行を任せるツアーバスは、格安料金で人気になっている。国土交通省価格競争で安全軽視にならないように基準料金を設けているが、事故を起こしたバス会社は基準を下回る金額で受注していた。
 暖冬で雪が不足して客が集まらないため、旅行会社の方から「当面は低い値段で始める」と持ちかけていたという。ツアーに関わった会社が違反を承知していたとすれば、安全への配慮義務をないがしろにした行為である。
 また、バス会社は出発前の点呼を実施せず、目的地までのルートや休憩時間などを書いた「運行指示書」も不十分な内容だった。事故時の運転手(65)の免許情報や健康状態などを記す「乗務員台帳」も作成していなかった。
 国交省は高速バスの運転手が急病になったケースを教訓に、2014年4月から健康管理や点呼時のチェックを義務づけている。体調急変による事案の急増と、その対策の重要性は広く業界に認識されていたはずだが、まったく無視されていたのだろうか。
 死傷者の多くはシートベルトを着用していなかったとみられている。出発前に運転手から乗客に指示はなかったという。08年に施行された法律では一般道だけを走る路線バスなどを除き、乗客に着用させるようバス運転手に義務づけている。
 なぜシートベルトの着用を呼び掛けなかったのかは、運転手2人が死亡したため知る手段はないものの、乗客全員が着用していれば助かった大学生もいたのではないか、と思われて残念でならない。
 事故当時の運転手は、大型バスや深夜の運転に慣れていなかったという指摘も出ている。昨年まで約5年間働いた都内の観光会社では小型バスだけを担当。その前に10年ほど勤務した別の観光会社でも大型、深夜運転ともほぼ経験がなかったという。
 現場の峠道はカーブが多く、ドライバーにとって「難所」とされている。大型バスは重心が高く、一度大きく揺れると制御が難しくなるという。手前にはガードレールにぶつかった痕跡があり、下り坂で制御不能状態に陥っていた可能性が出ている。
 スキー場に向かう走行ルートも予定とは異なっており、運転手の取った行動が事故原因と密接に関わっているのは確実だろう。バス会社は運転手の技量をどう判断して仕事を任せたのか、その是非を含めて企業責任が問われる。
 12年4月に関越自動車道で起きた高速バス事故後、1人の運転手が担当する時間に制限が設けられた。今回のバスには交代要員も乗っていたが、バス会社は何のためにルールを守るのかという基本を忘れていたのではないだろうか。
 大型バスは衝突被害軽減ブレーキの導入などハード対策も進んでいるが、運行側に安全軽視の体質がまん延しているとすれば業界として襟を正さなければならない。一つの不幸な事故ではなく、全体の実態解明がいる。(宇都宮忠)
ページのトップへ戻る



宮崎日日新聞 2016年1月19日
社説:スキーバス事故 ◆価格競争で安全を損なうな◆


 長野県軽井沢町で14人が死亡し、27人が負傷したバス事故。死亡した乗客は10~20代の若者で、痛ましい限りだ。
 バスの運行会社は、法で義務付けられた書類の不備など違反が常態化していたことが分かった。運転手の健康状態の確認も怠っており、ずさんな運行管理が明らかになっている。遺族の悔しさはいかばかりか。悲惨な事故が二度と起きないよう、原因究明と実効性のある対策が求められる。
背景に運転手不足か
 死者10人以上の交通事故は、詳しい統計が残る1990年以降では96年に兵庫県でワンボックスカーと大型トラックが絡んだ衝突事故で11人が死亡して以来。
 ツアーは東京・原宿を出発し、同県の北志賀高原のスキー場を目指していた。緩やかな下り坂で、バスはガードレールを突き破り、道路脇の斜面に転落した。
 現場は見通しは良く、路面凍結もなかった。なぜ事故は起きたのか。スピードが出ていたと指摘する乗客もいる。警察は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で捜査。国土交通省も事故対策本部を設置して調査している。
 格安のバスツアーにつきものの「過労運転」の疑いを指摘する専門家もいる。
 2000年の規制緩和を機に、貸し切りバス業界は民間事業者数が倍近くに増加。運転手の人手不足や高齢化が進む一方、国交省による監査が行き届きにくくなっている現状もあるという。
 過剰な価格競争の中で安全面がおろそかになっていないか、運転手らにとって働きやすい環境となっているか、また国民が安心できる監査体制が構築されているのか再点検したい。
徹底すべき運行管理
 2012年4月に関越自動車道で、高速ツアーバスが防音壁に激突して大破した事故は、無理な運行を強いられた運転手の居眠りが原因だった。
 国は過労運転防止に乗り出し、夜行の貸し切りバスを対象に1日670キロだった運転手1人の上限距離を原則400キロに制限。
 また旅行会社には乗り合いバスの事業認可を取得させ、バスの運行会社が運転手の健康状態を確認する点呼や車両整備を適切に実施しているか、少なくとも年1回調査する責任を持たせた。
 14年3月に北陸自動車道のサービスエリアで夜行バスがトラックに衝突した事故では、運転手が意識を失っていた可能性が指摘され、持病がある場合の健康管理の徹底も呼び掛けた。
 それでも今回、事故は起きた。旅行会社の社長は運行管理上の問題はなかったと釈明したが、バスの運行会社は今月、運転手に健康診断を受けさせていなかったなどとして行政処分を受けていた。
 事故との関連はまだ分からないものの、安全をどう確保し、再発防止を図るか考えるためには業界の実態解明も必要になるだろう。
ページのトップへ戻る



沖縄タイムス 2016年1月18日 05:30
社説[スキーバス事故]許せない ずさんな管理


 長野県軽井沢町の国道18号で15日未明、スキー客39人を乗せた大型バスがガードレールを突き破り転落。大学生男女12人と運転手2人の計14人が死亡、27人が重軽傷を負う大惨事となった。
 スキーツアーは東京都内の旅行会社が企画し、バスは都内の別の会社が運行していた。東京・原宿を出発し、長野県北部のスキー場に向かっている途中で事故は起きた。
 国土交通省が実施している特別監査で、バス運行会社のずさんな管理の実態が次々に明るみに出ている。
 「運行指示書」には発着地だけが書き込まれ、ルートは記されていなかった。別の複数のツアーでも同様だった。
 事故があった日は目的地に到着していないにもかかわらず、業務が終了したことを示す印が事前に押されていた。当日の点呼も社長が遅刻して運転手2人の出発前の健康状態が確認できなかった。だが、書類には点呼をしたと、押印していた。
 昨年2月、運転手13人中10人に健康診断を受けさせていなかったことなどが分かり、事故の2日前に行政処分を受けたばかりである。
 運転手の労働時間が基準を超えていたケースもあり、恒常的に法令違反をしていた疑いが濃厚である。
 一方、ツアーを企画した旅行会社が国の基準の下限(約27万円)を下回る約19万円を提示し、バス運行会社が受注していたことがわかった。道路運送法違反に当たる。低料金設定の結果、安全管理を置き去りにすることになったのでは、との疑念が消えない。
■    ■
 スキーツアー客の中には沖縄県出身で広島県の大学で学ぶ女子学生(19)もおり、死亡した。友人で県内の大学に通う女子学生(19)も重傷を負った。
 死亡した女子学生は、臨床工学技士を目指していた。指導していた男性講師の話では「大きな病院に勤め、いろいろなことに対応でき、人を助ける技士になりたい」と夢を描いていたという。まだ10代の若さである。本人や遺族の無念さを思うと胸が詰まる。
 事故が起きたのは午前2時前で、ほとんどの乗客は眠っていたようだ。運転手からはシートベルトの着用を呼び掛けるアナウンスもなかったという。乗客は何の身構えもできないまま、事故が発生したとみられる。
 旅行会社の事前の行程表には事故現場のルートは入っておらず、なぜ変更したのか。タイヤ痕は片側1本だけで、車体の片側が浮いた状態で走行したのではないかとの見方が出ている。路面の凍結もなかったといい、何が起きたのか。解明すべき点は多い。
■    ■
 群馬県藤岡市の関越自動車道で2012年、ツアーバスが防音壁に衝突。男女7人が死亡した事故が思い出される。運転手は過労で眠気を催しながら運転していた。
 この事故を契機に国交省は運転手1人の夜間走行距離を400キロに引き下げるなど規制強化したが、また事故が繰り返された。
 警察と国交省は原因究明を徹底し、バス業界に横たわる問題をあぶり出し再発防止策につなげなければならない。
ページのトップへ戻る

/////////////////////////////////////////////

関連記事

テーマ : 政治・時事問題
ジャンル : 政治・経済

tag : スキーバス事故 違反 放置 価格競争 安全最優先 国土交通省

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

コメント

プロフィール

ajimu-ra

Author:ajimu-ra

カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
最近の記事
リンク
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ(タブ)
RSSフィード
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
カテゴリー
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
FC2ブログランキング
↓↓クリックお願いします↓↓

FC2Blog Ranking

ブログ内検索
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

フリーエリア
blogram投票ボタン