2016-01-29(Fri)

甘利大臣 辞任 (1)幕引きにはできぬ 

説得力を欠いた釈明 辞任は当然だ 議員辞職すべき

<各紙社説・主張>
朝日新聞)甘利氏の辞任 幕引きにはできぬ(1/29)
読売新聞)甘利経財相辞任 秘書の監督責任は免れない(1/29)
毎日新聞)甘利氏辞任 説得力を欠いた釈明だ(1/29)
日本経済新聞)疑惑晴らせぬ経財相の辞任は当然だ (1/29)
産経新聞)甘利氏辞任 金銭授受の異常さに驚く(1/29)




以下引用



朝日新聞 2016年1月29日(金)付
社説:甘利氏の辞任 幕引きにはできぬ


大臣室での現金授受疑惑が報じられた甘利経済再生相が、辞任した。
 甘利氏はきのうの記者会見で、大臣室と地元事務所で50万円ずつ2回、計100万円を受け取ったことは認めたが、政治資金として適切に処理したと説明した。
 一方で、地元秘書が寄付として受け取った500万円のうち、300万円を個人で使い込んでいたことを明らかにし、「国会議員としての監督責任や閣僚としての責務」などに鑑み、辞任を決意したという。
 安倍首相が続投させる考えを繰り返す中での突然の、そして釈然としない辞任劇である。
 疑惑の発端は、千葉県の建設会社の総務担当者が、独立行政法人都市再生機構(UR)との補償交渉にからむ「口利き」を甘利事務所に依頼、見返りとして現金や接待で1200万円を渡したとする証言を、週刊文春が掲載したことである。
 甘利氏や秘書に「口利き」の意図がなかったのかどうか、実際にURにどんな働きかけをしたのかなど、きのうの甘利氏の説明では、多くの部分がなお未解明のままだ。
 告発者の言い分との食い違いは、なお大きい。甘利氏にはさらに調査を進め、結果を速やかに公表する責任がある。
 国会の役割も大きい。
 甘利氏側と告発者の双方を招致して、それぞれの言い分を精査すべきだ。URや、URを所管する国土交通省とのかかわりも調べる必要がある。
 疑惑のさなかに、自民党の中から気になる声が聞こえた。
 党幹部から「わなを仕掛けられた感がある」といった発言が続いたのだ。現金を受け取った甘利氏の側が、あたかも被害者であるかの言い分である。
 趣旨のはっきりしない多額のカネが、いとも簡単に政治家に提供される。そして、政治家の側はよく知らない相手からでも当然のように受け取る――。
 党幹部の発言は、一部の政治家の間では、こうした現金のやりとりが日常的に行われている実態をうかがわせたとも言えるのではないか。
 甘利氏には、難航を重ねた環太平洋経済連携協定(TPP)を、粘り強い交渉で合意に導いた功績があるのは間違いない。安倍内閣にとっても、大きな痛手であろう。
 だからといって、閣僚を辞することで疑惑に幕を引くことは許されない。真相解明とともに、「政治とカネ」の問題にどう襟を正していくか、国会にも安倍首相にも問われている。
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読売新聞 2016年01月29日 03時03分
社説:甘利経財相辞任 秘書の監督責任は免れない


 ◆政権とアベノミクスを立て直せ
 安倍政権にとって、大きな打撃である。国会審議や環太平洋経済連携協定(TPP)の署名を控える中、早急に態勢を立て直さねばならない。
 経済政策「アベノミクス」の司令塔役を務める甘利明経済再生・財政相が、違法献金疑惑の責任を取り、辞任した。
 秘書による政治献金の不適切な取り扱いなどに関する監督責任を認めたものだ。
 甘利氏は、「秘書に責任転嫁はできない。いささかも国政に遅滞があってはならない。政治家は結果責任だ」と説明した。
 ◆予算審議への影響考慮
 野党は、夏の参院選をにらんで、甘利氏の疑惑を厳しく追及していた。既に、2016年度予算案の衆院審議が予定より遅れるなど、様々な影響が出ている。
 予算案の審議をはじめ、国政への悪影響を最小限に抑えるために閣僚を辞任する、という甘利氏の判断はやむを得まい。
 甘利氏は記者会見で、13年11月と14年2月の2回、千葉県白井市の建設会社から計100万円の現金を自らが受け取ったことを認めた。
 そのうえで、その資金は、自分が支部長を務める自民党支部への献金として適正に会計処理したと説明した。
 現金入り封筒を自分の背広の内ポケットに入れたとする週刊誌報道については、「そんなことはするはずがない」と否定した。
 一方で、秘書が受領した500万円のうち、200万円は党支部や甘利氏に近い神奈川県議への献金として処理したが、300万円は秘書が私的に使ったという。
 秘書は、道路工事を巡る建設会社と都市再生機構(UR)の補償交渉に関与し、会社から多数の接待も受けていたとされる。
 建設会社が、主要閣僚である甘利氏の政治力に期待し、接近してきたことは否めない。口利きの見返りに献金を受け取っていたのであれば、あっせん利得処罰法などに違反する恐れがある。
 ◆最後まで疑惑の解明を
 甘利氏が秘書の辞表を受理したのは当然である。
 「政治とカネ」の問題に対する国民の視線は厳しい。閣僚を辞任しても、疑惑に関する説明責任が果たされたことにはならない。
 甘利氏は、きちんと調査を完了し、甘利事務所と建設会社の関係や現金授受の全体像を明らかにすることが欠かせない。
 甘利氏は12年12月の第2次安倍内閣の発足と同時に、経済再生相に就任し、3年余にわたり、菅官房長官らとともに、政権の屋台骨を支えてきた。金融緩和、財政出動、成長戦略の3本の矢によるアベノミクスの推進役だった。
 日米など12か国によるTPP交渉の責任者も務めた。農業の市場開放などでフロマン米通商代表部(USTR)代表と渡り合い、昨年10月の大筋合意に貢献した。
 それだけに、甘利氏の辞任は安倍政権の重大な危機と言える。第2次内閣以降、小渕優子経済産業相ら3閣僚が「政治とカネ」の問題で辞任しているが、今回の影響は格段に大きい。
 安倍首相は、「任命責任は私にある。国民に深くおわびしたい」と記者団に対して語った。
 来週には、16年度予算案に関する衆院予算委員会の本格的な質疑が始まる。2月4日には、ニュージーランドでTPPの署名式も予定されている。
 首相は、甘利氏の後任に、自民党の石原伸晃・元幹事長を起用した。石原氏が、党政調会長や税制調査会幹部などを歴任し、経済政策全般に精通していることを考慮したのだろう。
 石原氏は第2次安倍内閣で環境相を務めた際、福島県の原発事故に伴う汚染土の中間貯蔵施設の建設を巡り、「最後は金目でしょ」と語り、物議を醸したことがある。緊張感を持って、経済再生相の職務を果たしてもらいたい。
 ◆「成長重視」は堅持せよ
 甘利氏は、金融緩和による成長を優先する「リフレ派」で、安倍首相とも一致していた。
 「財政再建派」と目される石原氏への交代に伴い、アベノミクスに変化が生じるかどうかが、政策面の一つの焦点とみられる。
 日本経済は、緩やかに回復を続け、長年のデフレからの脱却に向けて、重要な局面を迎えている。経済を最優先し、成長を重視する安倍政権の基本政策は堅持することが大切である。
 民主党など野党は、国会審議で、甘利氏の疑惑の追及を続ける構えを崩していない。疑惑解明も重要だが、内政、外交両面で建設的な論戦を挑むことが求められる。
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毎日新聞2016年1月29日 東京朝刊
社説:甘利氏辞任 説得力を欠いた釈明だ


 「政治とカネ」がまた、内閣を直撃した。甘利明経済再生担当相が口利きの見返りなどで自身や秘書が現金を受領したとされる疑惑をめぐり、辞任を表明した。アベノミクスの経済政策や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の司令塔だった政権の要を失った影響は大きい。
 甘利氏は記者会見で自らの2度にわたる現金授受や秘書による300万円のヤミ献金受領を認めており、辞任は当然だ。だが、説明にはなお多くの疑問があり、説得力を欠く。国会は事態の解明を急ぐべきだ。
 「閣僚としてのポストは重いが、自分を律することはもっと重い」。甘利氏は記者会見でこう述べ、「けじめ」と引き際を強調した。だが、本当にそうだろうか。
 疑惑は千葉県白井市の建設会社側が「都市再生機構」(UR)とのトラブル解決の口利き依頼や見返りとして、甘利氏や秘書に合計約1200万円を提供したというものだ。建設会社の総務担当者の告発に基づき「週刊文春」が報じた。
 甘利氏は2013年11月に大臣室で50万円、14年2月にも地元事務所で50万円を受け取ったとの指摘に最初は「記憶があいまいだ」と語っていた。
 記者会見で甘利氏は2度の授受を認め、政治資金として適正処理を指示したと説明した。「紙袋に入ったのし袋」「菓子折りの入った紙袋と封筒」など、甘利氏が認めたのは旧態依然とした不明朗な金銭の授受だ。甘利氏は2度目の現金授受の際、総務担当者と産廃をめぐるトラブルが話題になったことも認めた。時期の違う政治献金を一括して処理したとする説明は不自然で、違法の疑いもある。
 事務所や秘書の関与に至っては、あきれるような実態である。甘利氏は総務担当者から秘書が500万円を受領していたことを認め、300万円は秘書が使い込んでいたと説明した。秘書が総務担当者から飲食などの接待を受けていたことも認めた。自ら進んでけじめをつけたと言うよりは、辞任に追い込まれたというのが実態だろう。
 URからは建設会社に多額の補償金が支払われている。政治家や秘書が口利きで報酬を得ることを禁じる「あっせん利得処罰法」に違反する疑いも指摘されている。秘書はUR側に係争の状況を確認したことは認めたものの、働きかけは否定したとされるが、徹底した究明が必要だ。
 「政治とカネ」をめぐる閣僚辞任は第2次安倍内閣発足から4人目だ。安倍晋三首相は甘利氏の続投を容認するような答弁をしていたが、これでは事態の認識が問われる。首相の責任は重大である。
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日本経済新聞 2016/1/29付
社説:疑惑晴らせぬ経財相の辞任は当然だ


 甘利明経済財政・再生相が辞任した。政治とカネを巡る疑惑が完全に払拭されない以上、辞めるのは当然である。閣僚辞任は安倍晋三首相が2012年に政権復帰して以降、4人目だが、政権の中核だった甘利氏の辞任の打撃はこれまでの比ではない。
 世界経済の先行きが不透明なさなか、アベノミクスの司令塔である経財相の役割は極めて大きい。後任の石原伸晃氏はよほどの覚悟で臨まねばならない。閣僚交代が日本経済のブレーキにならないようにしてもらいたい。
 記者会見した甘利氏は週刊文春が報じた建設会社からの資金提供などを大筋で認めた。ただ、あくまでも政治資金として受け取り、口利き依頼があったことは知らなかったと強調した。
 自身の現金授受に関して「スーツの内ポケットにしまった」との週刊文春の記述を「人間として品格が疑われる行為。するはずがない」と否定する場面もあった。
 重要なのは内ポケットかどうかではない。口利き依頼を本当に知らなかったのか。資金提供の狙いは何か。それらが知りたい。
 甘利氏は衆院議員としての政治活動は続行する意向だ。とすれば閣僚辞任で一件落着ではない。さらなる調査を急ぎ、全容を明らかにしなければ政治家として説明責任を果たしたことにならない。
 会見で追加調査の公表は「しかるべきとき」にすると述べた。うやむやにしてはならない。その期限を明確にすべきだ。
 辞任の理由は「国会審議に支障を来しかねない」と説明した。閣僚辞任時によく聞くセリフだが、自分は悪くない、とのニュアンスが感じられる。政治資金収支報告書に記載がなかった300万円は秘書が使い込んだという。監督責任だけでもじゅうぶん重い。
 甘利氏によれば、安倍首相はぎりぎりまで慰留したそうだ。記者団には甘利氏の会見を「丁寧に詳細に説明していた」と語った。政治とカネの問題を甘く見すぎていないか。首相は自身の任命責任をよく認識すべきだ。
 政治とカネの問題は近年、政治資金で私物を購入するなど不適切な使途に焦点が移っていた。政治資金規正法の強化で露骨な現金授受が姿を消していたからだ。古典的な不祥事はなぜ起きたのか。「安倍1強」のもとで古い自民党が復活してきていないか。政界全体で襟を正す必要がある。
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産経新聞 2016.1.29 05:03
【主張】甘利氏辞任 金銭授受の異常さに驚く


 甘利明経済再生担当相が辞任した。週刊文春が報じた自身と秘書の金銭授受を認めたものだ。
 甘利氏は大臣室と地元事務所で2回にわたり、千葉県の建設会社側から現金100万円を受け取っていた。
 政治資金として処理するよう秘書に指示し、収支報告書に記載があったことを強調したが、特定業者と菓子折りの紙袋に入った多額の現金をやりとりするような行為自体、異常である。
 秘書は建設会社から500万円を受け取ったが、収支報告書には200万円の記載しかなかった。300万円は秘書が使ってしまったのだという。これは政治資金規正法の虚偽記載に当たる。
 業務上横領に問われる可能性もあり、甘利氏は秘書を告発すべき事案だ。まさに甘利氏が自らいうように「恥ずかしい事実」である。辞任の決断は当然だ。
 甘利氏は安倍晋三内閣における経済再生の責任者であり、大筋合意した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉を一手に担ってきた。首相の盟友であり、最重要閣僚の一人だった。
 今国会でも来年度予算案の審議や、TPP発効に向けた国民への説明役として、多くの重責を抱えていた。疑惑や事件の渦中の政治家として、これを全うすることは不可能だったろう。
 閣僚を辞任しても、説明責任は果たされていない。自身、「調査は途上だ」とも述べている。道路工事をめぐる建設会社と都市再生機構(UR)などへの口利きの有無や、現金の授受や過剰な接待の趣旨についても明らかにしなくてはならない。
 国会議員や秘書が権限に基づく影響力を行使した口利きの見返りに報酬を得ていたとすれば、あっせん利得処罰法に抵触する。
 甘利氏を閣僚として続投させる考えを示していた安倍首相は、辞任を受けて「大変残念だが、甘利氏の意思を尊重する。任命責任は私にある。国民に深くおわび申し上げる」と述べた。
 第2次安倍内閣以降での閣僚の辞任は甘利氏で4人目だ。多すぎる。第1次内閣が相次ぐ閣僚のスキャンダルで次第に崩壊した過去を忘れたわけではあるまい。
 国内外に、喫緊の重要課題は山積している。安倍首相には気を引き締めて、政権運営にあたってもらいたい。
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