2016-02-14(Sun)

軽井沢スキーバス事故 1カ月 規制緩和が生んだひずみ

人を運ぶ仕事を市場原理に委ねたら安全はどうなるか。今回の事故が問い掛ける重い教訓だ。

-----犠牲者の早大生阿部真理絵さんの父が通夜で語った言葉が問題を言い当てているのではないか。「事故は過度な利益追求や安全の軽視など社会のひずみによって発生したように思える」
 
「ひずみ」が生まれた過程をたどると、2000年の自自公政権下での規制緩和に行き当たる。
   
<安値競争の果てに>
 
バス事業は、需給状態を考慮した上で参入を認める免許制から、一定の要件を満たせばいい許可制に、運賃も認可制から届け出制に変わった。中小の事業者が新規参入しやすくなり、緩和前に比べ事業者数は倍増した。
 
競争が激しくなり、料金は下がった。利用者にとっては歓迎すべきことだが、その裏で負の連鎖が起きていた。
 
少しでも安くするため事業者はコスト削減に走る。運転手の賃金は下げられ、年間所得は全産業平均を80万円下回る。なり手不足を招き、運転手の年間労働時間は全産業平均より300時間余長く、高齢化も進んだ。60歳以上が2割近くを占める。
 
事故を起こしたバスのハンドルを握っていたのも65歳。大型の運転は苦手と話していたという。
 
バス事業の規制緩和を答申した運輸政策審議会の報告書は前文でこううたっていた。
 
〈交通事業全般に共通して、市場原理を通じた経済社会の活性化を図る〉
〈競争制限的な規制のあり方を見直すことが重要な課題〉
 
人を運ぶ仕事を市場原理に委ねたら安全はどうなるか。今回の事故が問い掛ける重い教訓だ。
(信濃毎日新聞)

<各紙社説>
信濃毎日新聞)バス事故1カ月 規制緩和が生んだひずみ(2/14)
西日本新聞)バス事故の教訓 今度こそ再発防止徹底を(2/14)
北海道新聞)相次ぐバス火災 安全意識高める対策を(2/14)




以下引用



信濃毎日新聞(2016年2月14日)
社説:バス事故1カ月 規制緩和が生んだひずみ


 何が多くの若い命を奪ったのか―。遺族のためにも、社会のためにも究明を急ぎたい。
 軽井沢町でスキーツアーの夜行バスが崖下に転落した事故はあす15日で1カ月になる。乗客の大学生13人、運転手2人が亡くなり、26人が重軽傷を負った。
 遺族の一部は被害者の会をつくった。「バス転落事件」と呼ぶ。偶発的な「事故」ではなく、人為的な「事件」との思いからだ。
 大事故が起きるたびに国は規制の一部を強化してきたが、惨事は繰り返された。もはや小手先の対策では済まされない。16年前の規制緩和にまでさかのぼっての検証が欠かせない。
   <連携して原因究明を>
 バスの異常な走行ぶりに驚いた人も多かっただろう。国土交通省が公開した道路の監視カメラの映像だ。
 事故現場は国道18号碓氷バイパスの下り坂。その約250メートル手前を捉えた映像は、左カーブでバスが車体を右に傾け、半分近く対向車線にはみ出して下っていた。
 この時の速度は、制限速度の時速50キロを大きく上回る75キロ前後とみられる。事故直前には96キロにも達していたことが分かった。
 県警の検証の結果、変速ギアはニュートラルに入っていた。ギアがかみ合っていない状態だ。これではエンジンブレーキも、その利きを強める排気ブレーキも効果がない。バスは制御が難しくなり、左側のガードレールに衝突した後、右側のガードレールを突き破って転落したようだ。
 なぜニュートラルだったのか。操作ミスか車両の不具合か。今後の捜査の焦点だ。
 この事故は、国土交通省の委託を受けた事業用自動車事故調査委員会(自動車事故調)も調べている。2012年に群馬県で7人が死亡した関越道バス事故をきっかけに発足した専門家組織だ。処罰のための警察捜査と違い、再発防止を目的にする。
 同種事故を防ぐためには、一日も早く原因を特定する必要がある。県警と連携して調査を進め、背景を含めて説明してほしい。
 事故後、国交省がバスの運行会社の特別監査をすると、実に33件もの違反が見つかった。バス事業の許可を取り消す方針だ。
 運転手に健康診断を受けさせておらず、正しい運行指示書を作成していなかった。日ごろの管理でもバスの運行記録計に用紙が入っていない、点呼をしていないなどずさんさが浮き彫りになった。
 今回のツアーでは、安全運行のために算出された運賃基準を大幅に下回って請け負っていた。
   <届かない監視の目>
 法令順守意識があまりに低かった。それを守らせる側の監視の目も十分届いていなかった。
 事故を起こした運行会社は昨年2月に国交省の定期監査を受けている。この時、既に運転手の健康診断未受診などの違反が見つかったのに、行政処分案を会社に通知するのに約8カ月かかっていた。
 全国にいる監査官は365人。監査対象は、バス事業者約4500社にタクシー、トラック事業者を含め約12万社に上る。1年に監査できるのはバス事業者の5分の1程度しかない。監査も処分も追いついていないのが実情だ。
 その処分も甘い。通常の違反であれば、重くてもバス1台の運行停止30日。貸し切りバスの平均稼働率は5割ほどなので1台運行を止められても痛みはあまりない。
 犠牲者の早大生阿部真理絵さんの父が通夜で語った言葉が問題を言い当てているのではないか。「事故は過度な利益追求や安全の軽視など社会のひずみによって発生したように思える」
 「ひずみ」が生まれた過程をたどると、2000年の自自公政権下での規制緩和に行き当たる。
   <安値競争の果てに>
 バス事業は、需給状態を考慮した上で参入を認める免許制から、一定の要件を満たせばいい許可制に、運賃も認可制から届け出制に変わった。中小の事業者が新規参入しやすくなり、緩和前に比べ事業者数は倍増した。
 競争が激しくなり、料金は下がった。利用者にとっては歓迎すべきことだが、その裏で負の連鎖が起きていた。
 少しでも安くするため事業者はコスト削減に走る。運転手の賃金は下げられ、年間所得は全産業平均を80万円下回る。なり手不足を招き、運転手の年間労働時間は全産業平均より300時間余長く、高齢化も進んだ。60歳以上が2割近くを占める。
 事故を起こしたバスのハンドルを握っていたのも65歳。大型の運転は苦手と話していたという。
 バス事業の規制緩和を答申した運輸政策審議会の報告書は前文でこううたっていた。
 〈交通事業全般に共通して、市場原理を通じた経済社会の活性化を図る〉〈競争制限的な規制のあり方を見直すことが重要な課題〉
 人を運ぶ仕事を市場原理に委ねたら安全はどうなるか。今回の事故が問い掛ける重い教訓だ。
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=2016/02/14付 西日本新聞朝刊=
社説:バス事故の教訓 今度こそ再発防止徹底を


 長野県軽井沢町で15人が亡くなったスキーツアーバス転落事故からあすで1カ月となる。過去の貴重な教訓が十分に生かされていない現実が浮き彫りになってきた。
 事故の詳細な原因については捜査中だが、国土交通省は有識者委員会を設けて再発防止に向けた検討を本格化している。できる対策から順次実施してほしい。
 あらためて驚くのは、このバス会社のずさんな管理実態である。運転手に健康診断を受けさせず、正しい運行指示書も作っていない。運行記録計には用紙が入っていなかった。事故2日前、1年近く前の違反に基づく行政処分を受けたが、問題は放置されていた。
 とくに看過できないのは、国の運賃基準を大きく下回る額で今回の運行を請け負っていた点だ。格安が売りのツアーを企画した旅行会社側の求めに応じた。貸し切りバス業界は規制緩和による業者数増加で競争が激しく、こうした受注が横行している疑いがある。
 国の運賃基準は2012年に関越自動車道で7人が死亡したツアーバス事故を教訓に見直された。安全コストを運賃に反映するための措置だ。それが形骸化しているとすれば、国交省など行政当局は深刻に受け止めねばならない。
 貸し切りバスの安全対策については総務省が10年に行った行政評価・監視でも問題点が指摘され、監査・指導の改善が求められていた。にもかかわらず、利益優先、安全軽視としか思えない法令違反がいまだになくならない。
 今回の事故後、福岡市など全国12カ所で実施した抜き打ち監査でバス88台中、半数近い42台に違反が見つかった。運行指示書の記載不備などいずれも軽微というが、その率の高さにはあぜんとする。
 行政当局には今度こそ、実効ある再発防止策が求められる。速度制御装置や原因解明のためのドライブレコーダーの設置義務化なども検討に値するのではないか。
 利用者の側も注意が必要だ。格安だけで選ぶことは避けるとともに、シートベルト着用など身を守るルールの順守も徹底したい。
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北海道新聞 2016/02/14 08:50
社説:相次ぐバス火災 安全意識高める対策を


 重大事故につながる深刻な事態と受け止めねばならない。
 乗り合いや貸し切りなど事業用バスでの火災が、全国で相次いでいる。道内でも今年に入り、札幌や三笠に続き、上川管内占冠村の道東道などでも発生した。
 事業用バスは定期点検のほか、運行前点検も義務化されている。
 部品などが不具合を起こすリスクを軽減するには、その徹底的な順守が必要だが、それでも防ぎ切れていないのが実情と言えよう。
 バスの老朽化が背景との指摘もあるが、原因は一様ではない。バス会社は考え得る防止対策を早急に進めなければならない。
 国土交通省の調べでは、事業用バスの火災は過去10年で159件と増加傾向で、2015年は23件と11年ぶりに20件を超えた。
 道内では15年は1件で、最近は年間1~3件で推移していた。
 ところが、今年は1カ月あまりですでに3件。死傷者はいないが、大惨事になる可能性もあった。ほかに煙が出たケースもある。
 気になるのは電気系統などの経年劣化だ。国交省による07~10年のバス火災61件の分析では、新車登録からの使用期間(車齢)が16年以上のバスが約半数を占めた。この傾向は変わらないという。
 運行前にエンジン回りを目視し、タイヤをたたくなどして、異常がないか点検しているが、細部にまでは目が届きにくい。
 3カ月ごとの定期点検や1年ごとの車検における丁寧なチェックが欠かせない。
 老朽化対応で最も有効なのは、当然ながら車両自体の更新だ。
 ただ、観光バス事業への参入条件緩和や海外からの観光客数増でバスの引き合いが強くなり、手頃な価格の車両が不足している。
 国は参入要件の見直しや更新を促す施策に知恵を絞るべきだ。
 運転技術の向上も重要になる。
 札幌と三笠での火災は、後輪の補助ブレーキがかかった状態で走行し、ブレーキドラムの熱がタイヤに伝わったのが原因との見方が強まっているという。
 1月には長野県軽井沢町で悲惨なバス事故も発生した。
 技能講習会の開催などを通じ、運転手の指導を強化してほしい。
 日本バス協会は、安全確保に取り組むバス会社を認定する制度を実施している。
 だが、バス会社からの任意の申請を評価するため、すべてが対象ではない。業界全体が安全意識を高めるには、申請の義務化を検討するのも有効だろう。
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毎日新聞2016年2月14日 地方版
軽井沢のスキーバス転落
あす1カ月 「未来奪われ残念」 献花台に絶えぬ人 /長野

現場付近に設置された献花台で手を合わせる地元住民=軽井沢町で
 乗客・乗員15人が死亡した軽井沢町のスキーツアーバス事故は15日、発生から1カ月を迎える。事故現場の国道18号碓氷バイパス脇に設けられた献花台には、犠牲者を悼む人の姿が絶えない。国土交通省が法令違反のあった事業者の取り締まり強化を検討するなど、事故は貸し切りバス業界の変革に波紋を投げかけている。【川辺和将、稲垣衆史、武田博仁】
 漫画や菓子が供えられた献花台には13日、花を手向ける多くの人が訪れた。
 亡くなった乗客13人と同じ大学生の長女を持つ塩尻市の男性(55)は「若者が好きなものを」と、菓子を供えた。「人ごととは思えず、ここに来た。長女も卒業旅行でスキーに行くので、移動中の事故に気をつけるよう諭したい」と話した。安曇野市の坂井勇気さん(33)は「若い人たちの未来への希望が奪われたのは残念。言葉もない」とうつむいた。
 以前から、街灯が少ない現場の峠道を夜間は通らないようにしているという埼玉県入間市の内山隆さん(65)は「死亡した土屋広運転手は同い年。視力が衰え始めるこの年齢で、年金生活の苦しさから夜間の過酷な仕事に就いていたとすれば、彼も可哀そうに思える」と声を落とした。
参入、国が厳格化へ 再発防止、悪質業者排除も
 1月15日午前1時55分ごろ、碓氷バイパス入山峠からの下り道で、スキーツアーバスが反対車線のガードレールを突き破って約3メートル下に転落し、山林内の立ち木に激突した。乗客・乗員計41人のうち、15人が頭や首などを強く打つなどして死亡。26人が重軽傷を負った。犠牲になった乗客は、早稲田大や法政大などのいずれも大学生(男性8人、女性5人)で、東京を14日夜に出発し、斑尾高原(飯山市)などでスキーやスノーボードを楽しむ予定だった。
 事故を受け、国土交通省はバス運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)に特別監査を実施。運行管理者が運転手に対して示す「運行指示書」に経路が記されていなかったことが判明した。ツアーを企画した旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)が作成した行程表では、バスは現場の国道を通らず、高速道路を利用する予定だったが、運転手から運行会社に経路変更の報告はなかった。また、イ社は道路運送法で定められた運転手2人の健康診断も実施せず、貸し切りバスの基準運賃を下回る運行代金でキ社から業務を受注していた。
 国交省は事故後、バス事業への参入審査を厳格化し、法令違反を繰り返す悪質な業者に対して、事業許可を取り消すなどの再発防止策の検討を始めた。バス事業は2000年に免許制から許可制に規制が緩和され、参入事業者が増え、競争が激化。今回の事故ではイ社に道路運送法上の違反行為が多数確認されたことから「ずさんな運行管理を是正するには、規制自体の見直しが必要」と判断した。
 一方、亡くなった乗客の遺族は7日、遺族会を結成した。国交省に対し、事故対策の有識者委員会へのヒアリング参加を申し入れるほか、法令違反のあった旅行・運行業者への制裁強化などを申し入れる。補償交渉でも協力する。代表の田原義則さん(50)=大阪府吹田市=は10日の記者会見で、「悲惨な事故を二度と起こしたくない。遺族が連携して行政などに投げかけたい」と語った。



産経ニュース 2016.2.14 07:49
【軽井沢スキーバス転落】イーエスピー運行管理者に資格返納命令
報道陣の取材を受けるバス運行会社「イーエスピー」の担当者=15日午前11時9分、東京都羽村市
 長野県軽井沢町で15人が死亡したスキーバス転落事故で、国土交通省が道路運送法に基づき、事故を起こしたバス運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)の運行管理者の男性(47)に資格者証の返納命令案を通知していたことが13日、分かった。運行管理者としての多数の責務を果たしていなかったためで、同社の事業許可取り消し処分案と同じ2日付。同社と男性は異議を申し立てない意向を国交省に伝えており、聴聞が予定される19日中にも処分が確定する見通し。
 国交省によると、同社は事故後に行われた特別監査で33項目の法令違反が発覚。運行指示書の記載漏れや点呼の未実施など運行管理者に関する違反も見つかった。同法は違反者に運行管理者資格者証の返納を命ずることができると定めており、運行管理者に関する違反点数は返納命令に必要な12点を上回っていた。
 国交省は同社に貸し切りバス事業の許可を取り消す処分案も通知しており、2年間は許可や資格を取得できなくなる。

信濃毎日新聞(2016年2月14日)
軽井沢のバス転落事故、捜査本部が走行実験検討
スキーツアーの大型バスが転落した現場を訪れ、献花台の前で手を合わせる男性=13日午後5時25分、軽井沢町
 北佐久郡軽井沢町で乗客、乗員計15人が死亡した大型バスの転落事故で、軽井沢署の捜査本部が、現場の国道18号碓氷バイパスで夜間に同型のバスを使った走行実験を検討していることが13日、捜査関係者への取材で分かった。現場の約250メートル手前にある国土交通省の監視カメラの映像と走行実験の様子を比較。事故当時のブレーキの使用状況などを明らかにし、15日に発生から1カ月となる事故の原因解明を急ぐ。【連載「悲劇二度と」35面に】
 捜査本部が運行記録計(タコグラフ)を解析した結果、バスは制限速度(時速50キロ)の2倍近い時速96キロでガードレールに突っ込んだことが判明。ギアはニュートラルでエンジンブレーキが利かない状態にあった一方、フットブレーキに異常はなく、運転ミスの可能性を含めなぜ速度を制御できなくなったか、解明には至っていない。
 国交省の監視カメラには、バスが対向車線にはみ出し、車体を右に傾けて左カーブを抜ける様子が写っていた。捜査本部は走行実験と映像のブレーキランプの見え方を比べ、死亡した運転手がフットブレーキをどう使ったかなどを調べるとみられる。
 事故現場にはこの日、花束などを手にした人たちが慰霊に訪れた。献花台前でじっと手を合わせた上田市の男性(24)は「亡くなった方々に年齢も近い。冥福を祈り、こうした事故が起きないよう願いを込めた」と話していた。

信濃毎日新聞(2016年2月13日)
転落直前、バス時速96キロ 軽井沢 運行記録紙で判明
 北佐久郡軽井沢町のバス転落事故を調べている軽井沢署の捜査本部は12日、事故車両に搭載された運行記録計(タコグラフ)の記録紙を鑑定した結果、バスは時速96キロで道路右側のガードレールに突っ込んだことが分かったと発表した。現場の国道18号碓氷バイパスの法定速度は時速50キロで、バスはほぼ倍の速度で走っていたことになる。
 捜査本部によると、事故を起こしたバスのタコグラフはアナログ式で、走行距離や速度がグラフで記録される。記録紙は県警科学捜査研究所(長野市)で鑑定した。
 バスには乗客39人、乗員2人が乗車。車両の検証で、ギアはエンジンブレーキが利かないニュートラル状態だったことや、フットブレーキには目立つ異常がないことが判明。一方、国土交通省の監視カメラ映像で、バスは転落現場の約250メートル手前にある「軽井沢橋」を時速75キロ前後で走った可能性や、一時、時速80〜100キロに達していた可能性が浮上していた。
 ただ、なぜバスの速度が上がり、運転手が制御できなくなったかは不明で、捜査本部は記録紙の鑑定結果と走行ルートを照合するなどし、事故前のバスの走行状況を調べている。
 一方、県は12日、事故を受けて国交省や県警などとつくる県交通安全運動推進本部に再発防止策を議論するプロジェクトチームを設け、17日に現地診断をすると発表した。診断後に軽井沢町で検討会を開く。



東京新聞 2016年2月14日
【核心】軽井沢のバス事故 あす1カ月 小手先の対策 繰り返す惨事
 十五人が死亡、二十六人が負傷した長野県軽井沢町のスキーバス事故は十五日、発生から一カ月を迎える。バスが転落した国道18号碓氷バイパスの現場には十三日も大勢の人が訪れ、犠牲者を悼んでいた。 

日テレ24 2016年2月14日 13:49
軽井沢バス事故 現場で続く犠牲者追悼
 先月15日に長野県軽井沢町でスキーのツアーバスが転落し、15人が死亡した事故から15日で1か月となる。事故現場では14日も多くの人たちが訪れ、犠牲者の冥福を祈っていた。
 先月15日に軽井沢町で起きたスキーバスの転落事故では大学生の乗客13人と乗員2人の計15人が死亡した。15日で事故から1か月を迎えるが、14日は雨が降る中、献花台に多くの人が訪れ、手を合わせていた。
 訪れた人「これから楽しいこともあると思っている若い人が亡くなっているので、ご冥福をということできょう来た」
 これまでの警察の調べでバスは時速96キロのスピードで転落したことがわかっていて、警察は運転手がブレーキを冷静に操作できなかったとみて調べている。


読売新聞 2016年02月14日 14時49分
時速96キロのバス「ベテランでも制御難しい」
 15人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故の発生から、15日で1か月。
 長野県警の捜査で、バスは時速96キロで道路右側のガードレールに衝突し、崖に転落したことが明らかになった。現場の国道18号碓氷バイパスの制限速度は時速50キロ。制限速度の2倍近いスピードに至った経緯について、県警は捜査を続ける。
 県警は、事故を起こしたバスの検証を1月に実施し、押収した運行記録計(タコグラフ)の記録紙を解析していた。捜査関係者によると、バスは時速96キロを示した直後、一気に速度がゼロ近くにまで下降しており、下り坂に入って以降、最も速度が上がった状態でガードレールに衝突し、崖に転落した可能性が高いという。
 一方、バスが衝突した右側ガードレールや、その約100メートル手前で接触した左側ガードレール付近に、運転手がブレーキをかけたとみられるタイヤ痕も新たに見つかった。運転手は何度かブレーキをかけてバスを停止しようと試みたとみられるが、碓氷バイパスを何度も走行したことがあるという60歳代の元大型バス運転手の男性は、取材に「下り坂で100キロ近い速度の出たバスはベテラン運転手でも制御が難しい」と話した。

産経ニュース 2016.2.14 06:56
【軽井沢スキーバス転落1カ月】
減速なぜできなかったのか? 運転手死亡…原因究明に高い壁
事故直前のバスの動き
 長野県軽井沢町のスキーバス転落事故はあす15日で発生から1カ月を迎える。これまでの県警の捜査で、速度が一時96キロに達するなど事故直前のバスの異常な挙動が明らかになった。最大の謎は「なぜスピードを制御できなかったか」という点だ。ギアがニュートラルに入ってエンジンブレーキが利かない状況だったことが分かっており、県警は運転ミスが原因との見方を強めるが、運転手が死亡していることなどが原因究明のハードルとして立ちはだかっている。
250メートル手前での異変
 「うつらうつらしていたが、ガタンという揺れで目が覚めた」。生存者の女子大学生(19)は事故前の様子をこう振り返る。
 現場となった国道18号碓氷バイパスは、群馬県から長野県側に入ると現場までの約1キロを下り続ける。県境付近の監視カメラが写したバスには異常はうかがえなかった。
 ところが、現場の約250メートル手前の「軽井沢橋カメラ」では状態が一変。バスが右側に傾いて対向車線にはみ出し、かなりの速度で走行する様子が記録されていた。「カーブでスピードが出ていた。友人と『運転が荒いね』と目配せし合った」(女子大生)
 捜査関係者によると、この段階で時速80キロに達していたもようだ。カメラの画像ではバス後部のブレーキランプは点灯していたようにも見えるが、十分に減速してはいなかった。
転落直前速度96キロ
 バスはスピードを維持したまま、左側のガードレールに接触。その後、センターラインをはみ出して対向車線に進入した。「先の方に右車線側のガードレールが見えて、『おかしい』と気付いた」(男子大学生)
 バスは右側に傾いた状態でガードレールを突き破り、右側を下にして3メートル下の立木に突っ込んだ。就寝中だった乗客は受け身を取ることもできず、多くが即死状態だったとみられる。11人はその場で死亡が確認された。多くの乗客はシートベルトをしておらず、死者や負傷者はバスの右側に折り重なるように倒れていた。回収された事故車両の運行記録計(タコグラフ)によると、転落直前のスピードは96キロ。制限速度の50キロを大幅に上回っていた。
つかめぬ事故状況
 なぜ減速できなかったのか。一般的に事故車両と同型の大型バスを減速させる際は、ギアを低速に切り替えてエンジンブレーキと補助ブレーキを作動させ、最後にフットブレーキで速度を落としきる。しかし、ギアがニュートラルだとエンジンブレーキと補助ブレーキが作動しない。
 フットブレーキを多用すると部品が過熱して利きが悪くなる「フェード現象」が起きるが、こうした現象が起きた痕跡はなかった。
 このバスはエンジンが壊れるのを防ぐため、ギアを低速に無理に変えようとすると、自動的にニュートラルになるように制御されていた。死亡した土屋広運転手=当時(65)=は大型バス運転の経験が乏しく、「パニックになってしまった可能性がある」と捜査関係者は指摘する。
 日本交通事故調査機構代表の佐々木尋貴さん(51)は「ブレーキペダルの裏に缶やペットボトルなどの異物が挟まり、踏み込めなかったなどの可能性も考えないといけない」と話す。
 県警は現在、タコグラフのデータの詳しい分析を行っているが、原因解明には時間がかかることも予想されている。捜査関係者は「運転手は死亡し、多くの乗客は就寝中。事故状況を詳細に語れる人が乏しい。捜査のハードルは高い」としている。
◇ 
【軽井沢スキーバス転落事故】 1月15日午前1時55分ごろ、長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパスで、東京都から長野県に向かうスキーツアーの大型バスが下り坂の緩やかな左カーブで対向車線にはみ出し、ガードレールをなぎ倒して道路脇の斜面に転落した。乗っていた41人のうち乗客の大学生13人と土屋広運転手ら乗員2人が死亡。26人が重軽傷を負った。行程表では上信越自動車道を通ることになっていたが、現場の一般道にルートを変更していた。


中日新聞 2016年2月14日 朝刊
軽井沢バス転落事故から15日で1カ月 運転ミスの見方強まる
 スキーツアーの大学生ら十五人が死亡、二十六人が負傷した長野県軽井沢町のバス事故は十五日、発生から一カ月を迎える。県警の捜査では、大型バスの運転に不慣れだった運転手の操作ミスが原因との見方が強まっている。バスが転落した国道18号碓氷バイパスの現場には十三日も大勢の人が訪れ、犠牲者の冥福を祈った。
 県警は十二日、運行記録計(タコグラフ)の鑑定結果から、転落時のバスの速度が時速九十六キロだったと発表。車体の検証の結果、バスの変速機(ギア)は転落時、補助ブレーキが使えないニュートラルだった。車両に故障は見つかっていない。県警は、死亡した土屋広運転手=当時(65)=が運転操作を誤り、下り坂で速度を制御できなくなった可能性があるとみている。
 事故は一月十五日未明に発生。死亡した運転手二人以外の犠牲者は全員、大学生で、二月七日に遺族が被害者遺族の会を発足させた。バスを運行していた「イーエスピー」(東京都羽村市)と、ツアーを企画した「キースツアー」(東京都渋谷区)に対して刑事、民事の両面で責任を問う方針。
 現場に設けられた献花台には十三日も十人以上が訪れた。群馬県安中市の四十代の夫婦は「犠牲になった方と娘が同年代。娘には卒業旅行でバスを使わないよう説得しました」と話した。
 同県下仁田町の女性(25)は、旅行会社とバス会社を仲介する会社に勤務。「事故後、旅行会社から『安全評価の高いバス会社を手配して』との依頼が増えた。事故を教訓に社会が変わり始めているのでは」と話した。


中国新聞 2016/2/14
運転ミスの見方強まる 長野バス転落あす1カ月
 スキーツアーの客ら15人が死亡した長野県軽井沢町の大型バス転落事故は15日で発生から1カ月を迎える。捜査関係者によると、13日までの捜査で車体や部品には事故に結び付く異常が見つかっておらず、長野県警はバスが下り坂で加速し車体を制御できなくなったのは、運転ミスだったとの見方を強めている。
 原因解明に向け、運行記録計(タコグラフ)の記録紙の解析結果や乗客の証言から、バスが転落に至った経緯を精査。運行会社「イーエスピー」(東京)の同僚からも事情を聴き、大型バスに不慣れだったとみられる運転手の技術の程度や同社の研修の実態を調べている。
 これまでの調べによると、バスは現場までの約1キロの下り坂を、制限速度の時速50キロを大きく上回る速度で走行。現場の手前約250メートルで対向車線にはみ出して同約100メートルではガードレールに接触し、時速96キロで左カーブの右側ガードレールをなぎ倒して転落した。
 捜査関係者によると、フットブレーキには使いすぎで部品が過熱し、利きが悪くなる現象が発生した痕跡はなかった。
 また、フットブレーキに必要な空気圧は事故後の検証時、ゼロだったが、県警は事故の衝撃でエアタンクや配管が破損したためとみている。空気圧低下を知らせる警報音を聞いた乗客の証言も出ておらず、フットブレーキは正常だったとみられる。
 ギアを動かすシフトレバー周辺にも異常はなかった。ギアは高速から低速に無理に変えようとするとニュートラルになるよう電子制御されており、運転手が操作ミスをした可能性がある。

毎日新聞2016年2月13日 地方版
イチゴいちえ
バス転落事故に思う /栃木
 大学生だった昨年まで、頻繁に夜行バスを利用していた。目的地に到着するのは早朝で、1日中遊び回ることができた。熟睡はできないが、あり余る体力がごまかしてくれた。何より、新幹線の片道分の料金で往復できる安さが魅力だった。なぜそんなに安いのか、深く考えたことはなかった。
 1月15日、長野県軽井沢町でスキーツアーバスが転落する事故が起き、宇都宮から現場に向かった。15人が亡くなり、運転手2人以外の13人が大学生。自分と年齢はほとんど変わらない。もしかしたら昨年の自分だったかもしれない。人ごととは思えず、胸が締め付けられた。
 バス運行の実態を尋ねようと、深夜に埼玉県の高坂サービスエリアを取材した。休憩中の夜行バス運転手に現状を聞く。多くの運転手は、労働環境悪化の原因が「2000年の規制緩和」と口をそろえた。
 緩和以降、バス会社は急増し、価格競争は激化した。参入したばかりの小さな会社にはなかなか仕事が来ない。その足元を見たツアー会社が法定基準の下限を下回る価格を提示する。会社が回らなくなるため、バス会社は受注し、人件費が削られる。すると、チェック体制に人員を割けず、運転手の給料も減る。そして、若い世代が就職を避ける。悪循環の中で格安ツアーが誕生し、バス会社間での格差が広がったという。
 男性運転手(54)は、事故のあった国道18号(碓氷バイパス)が東京から長野のスキー場に向かう際の定番の経路だと教えてくれた。「最初から最後まで高速を使うと早く着きすぎる。途中でバスを停車させ乗客が降りた場合の所在確認まで運転手の負担になっており、大変なので、途中から一般道を使い時間を稼ぐ」
 亡くなった阿部真理絵さん(当時22歳)の父が通夜で語った言葉がある。「今の日本が抱える労働力の不足や過度の利益追求、安全の軽視など、社会のゆがみによって(事故が)発生したように思えてなりません」。自分にも深く突き刺さった。【野田樹】


日本経済新聞 2016/2/13 1:36
軽井沢事故、時速96キロで衝突 バス運行記録解析
 スキーツアー客の大学生ら15人が死亡した長野県軽井沢町の大型バス転落事故で、県警は12日、事故車両の運行記録計(タコグラフ)の記録紙を解析した結果、転落現場でガードレールに衝突した際の速度は時速96キロだったと明らかにした。
 バスが制限速度の時速50キロを大きく上回る高速で走っていたことがあらためて裏付けられた。事故は15日で発生から1カ月。県警は加速した原因の究明を進める。
 長野県警によると、事故車両のタコグラフはアナログ式で、記録紙に速度がグラフのように記されていき、細かい変化が分かる。
 記録紙を詳細に分析した結果、時速96キロから急激に速度が低下している部分があり、ほかの部分と比較した上で衝突時の記録と断定した。衝突時以外の速度は確認中として明らかにしなかった。
 これまでの調べでは、バスは現場の手前約1キロから始まる下り坂を相当の速度で走行。県警は、ギアが何らかの原因でニュートラルの状態になってエンジンブレーキが利かなくなり、車体を制御できないまま転落した可能性があるとみて調べている。
 運行会社「イーエスピー」によると、死亡した土屋広運転手(65)は昨年12月の採用時、「大型は慣れていない」という趣旨の話をしていたとされる。〔共同〕

朝日新聞デジタル2016年2月12日19時01分
転落直前は時速96キロ 軽井沢のバス事故
 長野県軽井沢町で先月15日、スキーツアーの大型バスが道路脇に転落し、乗客・乗員15人が死亡した事故で、転落直前の速度が時速96キロだったことがわかった。長野県警が12日、車載の運行記録計の鑑定結果を発表した。現場の制限速度は50キロで、2倍近い速度が出ていたことになる。
 県警は1月20日までに事故車両の検証を終え、車内から走行速度を記録する円盤状の用紙など計4点を押収し、鑑定を進めていた。
 速度を示す折れ線グラフは、時速96キロを示したあとに急降下し、0キロで止まっていた。このため、県警は転落直前時の速度と判断した。
 県警は、現場の下り坂で加速し過ぎたバスが速度超過の状態のまま減速できず、そのまま反対車線側のガードレールに衝突、道路脇に転落した可能性があるとみている。

NHK 2月12日 17時14分
バス事故 直前に時速96キロ 運転操作誤り加速か

15人が死亡した長野県軽井沢町のバス事故で、バスの速度が事故の直前に制限速度のおよそ2倍の時速96キロに達していたことが、警察への取材で分かりました。警察は、バスの運転手がギヤを低速にするなどの運転操作を誤ったために下り坂で加速し、ブレーキも間に合わずに減速できないまま事故を起こしたとみて調べています。
先月15日、長野県軽井沢町の碓氷バイパスで、大学生らを乗せたスキーツアーのバスがセンターラインを越えて道路下に転落し、乗客乗員合わせて15人が死亡しました。
この事故で、警察はバスの運行記録計や記録紙などを押収し、県警の専門機関で分析を進めていました。その結果、警察はこれまで、バスの速度は現場の900メートル手前から始まる直線の下り坂で、時速100キロ前後に達していたとみていましたが、運行記録計などをさらに分析したところ、バスは転落の直前に時速96キロに達していたことが分かったということです。
現場の道路の制限速度は時速50キロで、およそ2倍の速度が出ていたことになります。
警察は、運転手がギヤを低速にするなどの運転操作を誤ったために下り坂で加速し、ブレーキも間に合わずに減速できないまま事故を起こしたとみて、運転の状況をさらに詳しく調べています。

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