2016-02-22(Mon)

日米航空交渉合意 羽田空港 昼間時間帯に米国路線が就航

羽田の国際化、高まる存在感 成田は地盤沈下を懸念

----日米航空交渉が18日に決着、都心に近い羽田空港からニューヨークなど米東海岸の大都市への直行便就航の道が開けた。
ビジネスマンや観光客の利便性は大幅に高まる。

国土交通省は2020年の東京五輪までに1日約50便(1往復で1便)の発着枠拡大をめざしており、大半を国際線に振り分ける方針だ。

羽田の存在感は高まる一方だが、もう一つの日本の「空の玄関」である成田空港は地盤沈下を避けられない見通しだ。


----今回の日米航空交渉合意で羽田の昼間便が開設される最大の利点は、ニューヨークやワシントンDCなどの大都市を抱える米東海岸にも直行便が就航しやすいことだ。

昼間の出発で現地の昼間に到着するため、ビジネスマンや観光客の需要を取り込みやすい。
JTBは日米航空交渉合意を受け、「顧客の選択肢が広がる。今後、新しくできる便を活用した商品をつくりたい」と歓迎する意向を示した。

----一方、今回の日米航空交渉合意で懸念されるのが成田空港の地盤沈下だ。
同空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は18日、
「(羽田増枠が決まれば)重複する路線は一時的に減便や運休などの影響を受ける可能性がある」と懸念を示した。

14年に羽田空港の国際線が増枠された際には、欧州などの一部路線で廃止・減便が相次いだ。
地元では「成田の国際的なハブ空港としての地位が、相対的に低下したという危機感が強い」(千葉県空港地域振興課)という。
(日本経済新聞)




以下引用

日本・米国航空当局間協議の結果について
平成28年2月18日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku03_hh_000244.html
        ~ 羽田空港昼間時間帯米国路線就航します ~
日本と米国との航空当局間協議が、2月16日(火)から18日(木)の間、東京において開催され、
羽田空港の発着枠について以下のとおり合意しました。
2016年冬期(2016年10月末)からの運航開始を目指し、
昼間時間帯に双方1日5便ずつ、深夜早朝時間帯に双方1日1便ずつの運航を可能とします。
昼間時間帯5便のうち、4便分は現在の深夜早朝時間帯からの移行分となります。
※ 具体的な路線や運航会社については、日米それぞれの国内手続きを経て決定されます。
※ 今回の合意は、2014年3月からの羽田空港国際線二次増枠分についての合意となります。

航空当局間協議の出席者
日本側代表 :平垣内 久隆 大臣官房審議官 ほか
米国側代表 :トーマス・エングル 国務次官補代理 ほか

添付資料
日米航空交渉合意内容(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001119806.pdf
日本・米国航空関係(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001119807.pdf
日本・米国航空関係(旅客便一覧)(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001119805.pdf

国土交通省航空局 航空交渉室 金山、峯村
TEL:03-5253-8111 (内線49180、49181) 直通 03-5253-8702 FAX:03-5253-1658

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NHK 2月18日 20時29分
羽田空港のアメリカ路線 昼間にも発着枠
 羽田空港のアメリカ路線について、16日から行われていた日本とアメリカの政府間の航空交渉は、これまでゼロだった昼間を含む時間帯に10往復の発着枠を設けることで合意しました。
 これは石井国土交通大臣が記者団に対して明らかにしました。それによりますと、16日から国土交通省で行われていた日米両政府の航空交渉は、深夜・早朝の時間帯に限られている羽田空港のアメリカ路線について、昼間を含む時間帯にも発着枠を開設することで合意しました。
 具体的には、これまでゼロだった午前6時から午後11時までの昼間を含む時間帯に1日で合わせて10往復のアメリカ路線を設け、日本とアメリカの航空会社に5往復ずつ割り当てます。一方で、深夜・早朝の時間帯については、現在の8往復の発着枠を2往復に減らし、日本とアメリカの航空会社に1往復ずつ割り当てます。
 今回の合意によって、羽田空港とアメリカを結ぶ路線の発着枠は、今よりも4往復多い12往復となります。また、昼間を含む時間帯に発着枠が設けられたことで、羽田空港を出発してニューヨークやワシントンなどアメリカ東海岸の都市に現地時間の日中に到着する直行便が可能になり、ことしの秋ごろから就航する見通しです。
全日空・日本航空の反応
 日米の航空交渉の合意を受けて、全日空は「羽田空港で昼間の時間帯にアメリカ路線を運航できるようになれば、国内線との乗り継ぎも便利になる。航空会社への発着枠の配分を踏まえて、アメリカ東海岸に直行便を就航することも含め今後、路線を検討していく」と話しています。
 また日本航空は、「交渉の合意を歓迎する。今回の合意内容を踏まえて羽田空港と成田空港の望ましい路線の組み合わせを考えながら今後の対応を検討したい」と話しています。
国交相「日米需要に対応 日本の存在感増すことに期待」
 石井国土交通大臣は航空交渉の合意を受けて記者団に対して、「日米路線は日本にとって最も重要な航空ネットワークの一つで、合意に至ったことを喜ばしく思う。これにより、首都圏だけでなく国内線への乗り継ぎを含めた日米両国間のビジネスや観光の需要に的確に対応することができ、日本の存在感が増すことが期待される」と述べました。また、石井大臣は「成田空港については、アジアと北米間の乗り継ぎのハブ空港としての機能を拡充し、羽田と成田がそれぞれの強みや特徴を生かしてビジネスや観光面の交流を一層促進していくことが期待できる」と述べました。
羽田空港 アメリカ路線の現状と昼間発着枠のメリット
 羽田からアメリカには、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルルの3都市に合わせて1日8往復16便が就航していますが、昼間の便はなくいずれも深夜・早朝の時間帯に限られています。
 ビジネス需要が見込まれるニューヨークやワシントンなどのアメリカ東海岸の都市への便については、深夜に羽田空港を出発すると現地に到着するのも深夜となることから、日米の航空会社は利用が見込めないとして就航していません。
 しかし、今回昼間を含む時間帯に発着枠が設けられたことで航空各社がアメリカ東海岸の都市に直行便を就航させることになれば、羽田空港を日中に出発しアメリカ東海岸に日中に到着することが可能になります。利用者が到着後、すぐにビジネスや観光ができるほか、日本の地方空港から羽田空港で乗り継いでアメリカ東海岸の都市に向かうことができるようになることから利便性の向上が期待されます。
利用者から歓迎の声
 羽田空港からアメリカに、深夜・早朝便だけでなく、新たに昼間の便が就航する見通しとなったことについて、羽田空港の利用者からは歓迎する声が聞かれました。
 旅行でアメリカのロサンゼルスを経由し、ラスベガスに向かうという神奈川県の60代の女性は「これまでは1日損をした感じでした。今は現地に着くのが夜ですが、それが変わってくるので便利になると思います」と話していました。また、アメリカに出張するため羽田を利用したことがあるという40代の会社員の男性は「昼間の便であれば現地での時間が有効に使えるだけでなく、羽田発であれば、成田発の便より日本での時間も有効に使えるので便利です」と話していました。
旅行会社 ツアーの幅が広がると期待
羽田空港からアメリカに、深夜・早朝便だけでなく新たに昼間の便が就航する見通しとなったことについて、旅行会社も期待を寄せています。
 JTBによりますと、例えば5日間から7日間の日程でアメリカ西海岸のロサンゼルスを旅行する場合、成田発のツアーは現地到着が昼前になりますが、羽田発のツアーは夕方以降になるなど、今の羽田発は成田発に比べ現地での初日の行動に制約があるということです。また、アメリカ本土へのツアーの数も、今の羽田発は成田発の3分の1程度にとどまっているということです。
 JTBでアメリカ方面のツアーを担当する岩瀬昌子チームマネージャーは「昼間の時間帯に出発すると、現地に到着したあと余裕をもって滞在でき、帰国の際もその日のうちに自宅に帰ることができる人が増え、メリットは大きいと思う。同じ時間帯に成田か羽田か選ぶこともでき、選択肢が増えツアーの幅が広がる」と話しています。一方で、「羽田を昼間に出る便はビジネス需要が高くなるので、これまでどおりの価格を維持できるかという面では懸念がある」と話しています。
交渉難航の理由はデルタ航空に
 羽田空港の発着枠を巡る交渉が難航してきた最大の理由は、アメリカの大手航空会社、デルタ航空が反発してきたからです。
デルタ航空は、経営統合する前のかつてのノースウエスト航空の時代から長い間、成田空港をアジア太平洋地域の拠点の空港として活用し、多くの投資を行ってきました。簡単に羽田空港に重点を移すわけにはいかない事情があるのです。
 また、航空会社のマイレージに関する国際的な提携も大きく影響しています。デルタ航空が加盟しているのは「スカイチーム」。日本の航空会社で加盟している会社はありません。一方、ライバルとなるユナイテッド航空は全日空が加盟する「スターアライアンス」に、アメリカン航空は日本航空が加盟する「ワンワールド」に、それぞれ参加しています。
 ユナイテッド航空、アメリカン航空は、日本の航空会社との提携によって国内の各都市から羽田に乗客を集め、そこからアメリカ行きの路線を利用してもらうことが可能ですが、デルタ航空には提携する日本の会社がないため、不利な状況です。このため反発していたのです。
成田空港「重複路線の減便など影響を懸念」
 成田空港では現在、グアムやサイパンを含めたアメリカ路線を8つの航空会社が週に368往復736便運航していて、成田空港会社は「アメリカとを結ぶ就航便数の多さは成田空港の大きな強みだ」としています。
 このうち、成田とアメリカを結ぶ便数が最も多いのがアメリカの航空最大手、デルタ航空で、合わせて10路線で週に85往復170便を運航し、成田には専用の整備拠点も設けています。
 これまで羽田空港で国際線が増加した際には、成田空港の一部の路線で運休や減便が行われたことがあり、成田空港会社の夏目誠社長は18日の記者会見で「羽田空港で昼間の時間帯のアメリカ路線の運航が始まれば、重複する路線の減便や運休といった一時的な影響を受けるのではないか」と懸念を示しました。そのうえで、夏目社長は「アジアと北米間の旺盛な乗り継ぎ需要を取り込むべく乗り継ぎ利便性の向上を図っていくとともに、航空会社と連携して路線の維持・拡大に努めていきたい」と述べました。
 成田空港では新たな路線の就航を進めようと去年から新規路線を開設する航空会社を対象に着陸料の割り引きを行う取り組みを始めたほか、LCC=格安航空会社の誘致にも力を入れています。また、成田空港の発着枠の拡大に向けても、去年、国や周辺自治体などで作る協議会で3本目となる新たな滑走路の建設を含む具体的な検討が始まっていて、今後の議論の行方が注目されています。
成田市長「成田空港のネットワーク損なわれぬよう配慮を」
 千葉県や成田空港周辺の9つの市と町は、日本とアメリカの政府間の航空交渉が始まる前の今月8日、国土交通省に対し、「日米路線の協議においては、成田空港の国際線ネットワークが毀損されることのないよう特段の配慮を願いたい」などとする申し入れを行っていました。
 18日、羽田空港のアメリカ路線で昼間を含む時間帯に10往復の発着枠を設けることで合意したことについて、成田空港を抱える千葉県成田市の小泉一成市長は「アメリカとの路線は成田空港開港以来の最重要路線であり、今回の協議の結果が成田空港の国際線ネットワークに与える影響を強く懸念している。国には成田空港の国際線のネットワークが損なわれないよう、将来にわたり特段の配慮を願いたい」とするコメントを出しました。


朝日新聞デジタル2016年2月19日05時05分
昼間の羽田―NY便など実現へ 成田は減便の可能性も
 日米両政府は18日、羽田空港からの米国便を増やすことで合意した。これまでなかった昼間(午前6時~午後11時)の発着便が認められ、今年秋には米東部のニューヨーク便などが実現する見通しだ。ビジネス客らの利便性は上がるが、競合する成田空港には、重い課題が突きつけられる。
 これまで深夜・早朝(原則午後11時~翌午前6時)に発着する8便だけだったのが、10月下旬にも、昼間10便、深夜・早朝2便となる。日本と米国の航空会社に半分ずつ配分する。
 国土交通省は5月をめどに、日本に配分された発着枠を航空会社に割り振る方針だ。公的支援で再建した日本航空との競争条件を考え、全日本空輸に4便分を割り振る方向で調整する。
 昼間の発着便では、ニューヨークやシカゴなどの路線が実現しそうだ。都心に近いため、ビジネス客の人気を集めそうだ。国内線が多いため、地方の人にも便利になる。石井啓一国交相は、「首都圏のみならず、国内線の乗り継ぎを含めたビジネス、観光需要に対応できる」と話した。
 一時期は「原則として国内専用」だった羽田は、2010年秋に国際定期便が復活した。就航先もアジアから欧州などにも拡大。今では国際線が1日最大100便を超え、日本では成田、関西に次ぐ「国際空港」になった。さらに国交省は2020年までに、飛行ルートの見直しなどでさらに50便ほど羽田の国際線を増やす方針だ。
 ただ、都心に近いのが「売り」なのに、ビジネス客の利用が多い米東海岸便が無かった。深夜に出発すると到着も深夜になるため、利用者が少ないとみて、運航する航空会社が無かったからだ。
 国交省は昼間の米国便を実現するため、米政府と4年ほど前から非公式の交渉を重ねた。米国側でも、ユナイテッド航空やアメリカン航空は、深夜便より利益が期待できる昼間便の就航を希望。成田に多くの路線を持つデルタ航空の反対を米政府が抑え込み、ようやく合意にこぎ着けた。
■成田空港「ハブ機能を拡充」
 デルタが交渉の最終盤で求めたのは、東南アジアと北米をつなぐ拠点として、成田の機能を高めることだった。同社は現在、成田から米国10都市、アジア7都市に就航し、乗り継ぎ客を多く運んでいる。
 日本側は、成田に第3滑走路を建設する方針や乗り継ぎ客向けのサービス向上に取り組むことを説明。合意にも「ハブ(拠点)空港としての機能拡充に取り組む」と盛り込んだ。
 ただ、現実には都心に近い羽田に利用者が流れる心配はぬぐえない。成田空港会社の夏目誠社長は18日、「重複する路線の減便や運休という影響は受けると考えている」と話した。
 国交省は、東南アジアから北米に向かう客や格安航空会社(LCC)の取り込みで、羽田との役割分担を進める絵を描く。ただ、こうした戦略はアジア各国の拠点空港とも重なり、厳しい競争にさらされることになる。(大平要、下山祐治)


日本経済新聞 電子版 2016/2/19 0:54
羽田の国際化、高まる存在感 成田は地盤沈下を懸念
日米航空交渉合意
 日米航空交渉が18日に決着、都心に近い羽田空港からニューヨークなど米東海岸の大都市への直行便就航の道が開けた。ビジネスマンや観光客の利便性は大幅に高まる。国土交通省は2020年の東京五輪までに1日約50便(1往復で1便)の発着枠拡大をめざしており、大半を国際線に振り分ける方針だ。羽田の存在感は高まる一方だが、もう一つの日本の「空の玄関」である成田空港は地盤沈下を避けられない見通しだ。
 今回の日米航空交渉の合意で羽田の昼間便が開設される最大の利点は、ニューヨークやワシントンDCなどの大都市を抱える米東海岸にも直行便が就航しやすいことだ。昼間の出発で現地の昼間に到着するため、ビジネスマンや観光客の需要を取り込みやすい。JTBは日米航空交渉の合意を受け、「顧客の選択肢が広がる。今後、新しくできる便を活用した商品をつくりたい」と歓迎する意向を示した。
 現在の羽田の米国路線は深夜早朝の8便のみ。米東海岸に到着する時間が現地の深夜早朝になるため需要が少ないとみており、現在開設しているのは米西海岸とハワイ路線に限られる。
 実際に米東海岸路線を就航するかを決めるのは発着枠の配分を受けた航空会社だが、日本と米国の最大都市を直接結ぶ羽田―ニューヨーク線は「ドル箱路線」。日米双方の航空会社が路線開設を希望するとみられる。「日本にとって日米両国関係は最重要。羽田―ニューヨーク線が飛んでいない異常な状態を解消できそうだ」(国交省幹部)という期待の声がある。
 国交省は20年の東京夏季五輪までに羽田について飛行ルートの見直しなどで発着枠を1日あたり50便程度拡大する計画を持っており、大半を国際線に割り当てる方針だ。今後、羽田の国際化は一段と進む見通しだ。
 一方、今回の日米航空交渉の合意で懸念されるのが成田空港の地盤沈下だ。同空港を運営する成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長は18日、「(羽田増枠が決まれば)重複する路線は一時的に減便や運休などの影響を受ける可能性がある」と懸念を示した。
 14年に羽田空港の国際線が増枠された際には、欧州などの一部路線で廃止・減便が相次いだ。地元では「成田の国際的なハブ空港としての地位が、相対的に低下したという危機感が強い」(千葉県空港地域振興課)という。
 国交省はあくまで羽田と成田の両方を首都圏空港と位置づけ、両空港の機能強化により急増する訪日外国人客の受け入れ体制を強化していく考えだ。羽田とともに成田の発着枠拡大策も進めていく方針だが、成田への一段のてこ入れが必要となりそうだ。


日本経済新聞 2016/2/19 0:55 (2016/2/19 1:27更新)
全日空4便・日航2便が有力 羽田発着枠拡大の国内分
 日米航空当局の合意を踏まえ、今後は航空会社への発着枠の配分が焦点となる。今回設定した12枠のうち、国内航空会社に割り振られるのは6便(1往復=1便)。2014年の羽田国際線拡張の際には公的支援で再生を果たした日本航空が公正な競争環境を阻害することがないよう全日本空輸により多くの発着枠を傾斜配分した。今回も全日空に4便、日航に2便を割り振る案が有力だ。
 石井啓一国土交通相は18日、発着枠の配分について「各航空会社の要望や、日航の企業再生への対応について取りまとめた(文書の)『8.10ペーパー』の趣旨などを踏まえて適切に判断していきたい」と語った。
 今秋からの新路線就航をにらみ、国交省は5月の大型連休前に配分を決める考え。日本側の発着枠6便(昼間5便、深夜早朝1便)のうち、関係者の間では「全日空4便・日航2便」を軸に調整するとの見方が多い。
 全日空を傘下に持つANAホールディングスの片野坂真哉社長は合意を受け「国内線との乗り継ぎも便利になり、ニーズが非常に高い」と指摘。日航は「羽田―米国間だけでなく成田をアジア―北米間のハブと位置づけ今後の対応を検討する」とのコメントを出した。
 全日空と提携関係にあるユナイテッド航空は「世界の顧客に新たなビジネスとレジャーの機会を提供できる」と歓迎。日航と提携している米アメリカン航空のスコット・カービー社長も「航空を巡る日米の連携をより強化する合意だ」とした。
 一方、成田空港を日本の拠点とするデルタ航空は「深く失望した」とのコメントを発表した。


毎日新聞2016年2月18日 23時03分
日米航空交渉 羽田米路線、昼10便新設へ 深夜早朝は減
 羽田空港と米国を結ぶ定期便を巡る日米の航空交渉は18日午後、決着した。羽田発着の路線は現在、深夜・早朝時間帯に1日当たり8便(往復)あるが、昼間時間帯(午前6時〜午後11時)に10便を新設し、深夜・早朝便は2便に減らす。計4便増える枠を、日米の航空会社が折半して活用する。米東海岸へ昼間に出発する便が新たに開設されそうで、利便性が向上しそうだ。
 日本の提案を米国が受け入れた。10月末までに航空会社に発着枠を割り当て、運航が始まる見通しだ。
 現在、定期便は8便あり、全日本空輸と日本航空が各2便、米国の航空4社が1便ずつ運航。出発時刻はすべて午後10時以降の深夜早朝帯になっている。目的地はハワイと米西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコのみ。ニューヨークなど東海岸は、深夜に羽田を出発すると、到着が現地の深夜になり、乗り継ぎなどの利便性が低いため開設されなかった。
 今回の合意で昼間に羽田を出発する便が新設されると、米東海岸にも夕方に到着できるため、ビジネス客や旅行者の利便性が高まる。計4便増える枠は、日米が2便ずつ分け合う。日本は2便とも全日空に割り当てる方向だ。日航は、2010年の経営破綻時に政府の支援を受けているため、羽田の国際線増枠では全日空を優遇する。米国側は、米国内でどの航空会社に割り当てるか調整する。
 羽田は10年に第4滑走路の利用が始まり、増えた発着枠を使って国際化を本格化した。当初は国際線の枠が限られたため、米欧路線は深夜・早朝便に限られた。政府は14年に国際線ターミナルを拡張したのに伴い、新たに40便の枠を設定。これにより余裕が生じる昼間の発着枠を日米路線に割り当てる方向で、昨年12月に日米政府間の公式交渉に着手したが、配分などを巡って交渉が難航していた。【山口知】
航空交渉の合意内容
      現状 合意
昼  間  無し 10便
深夜・早朝 8便  2便
※発着枠はそれぞれ日米の航空会社が折半


毎日新聞2016年2月18日 21時37分
日米航空交渉合意 羽田の利便性向上 成田の地盤沈下警戒
 羽田空港の米国路線を巡る日米航空交渉が合意に達し、利用者の利便性向上が期待される。ただ、成田空港の地盤沈下を警戒する米航空会社の思惑が絡み、交渉は難航した。
 石井啓一国土交通相は18日の記者会見で「国内線への乗り継ぎを含めたビジネス、観光需要に的確に対応できる」と述べ、合意を歓迎した。羽田は都心に近いのが強みだ。国内線利用者は成田空港の約10倍で、地方の利用者も乗り継ぎをしやすい。ただ、米国路線は深夜・早朝便だけで、空港へのアクセスが限られるなど利便性に限界があった。
 今回の合意で開設される昼間便は10便で、日米が5便ずつ活用する。昼間便が開設されると、米東海岸にも行きやすくなる。全日本空輸は現在、成田を午前11時と午後4時40分に出発するニューヨーク便を運航。それぞれ現地の午前10時前後と午後4時前後に到着しており、羽田便も同じような時間帯が想定される。
 ただ、昨年12月に始まった交渉はいったん延期されるなど難航した。羽田便を持つアメリカン、デルタ、ユナイテッドの米航空大手のうち、成田の地盤沈下を警戒するデルタが“羽田シフト”に難色を示したためだ。デルタは、機材の共同利用などで協力する国際航空連合「スカイチーム」に所属するが、これには日本の航空会社が入っていない。アメリカンは「ワンワールド」で日本航空、ユナイテッドは「スターアライアンス」で全日空と提携し、国内便やアジア便と羽田で乗り継ぎできる。羽田の拡大が成田の地盤沈下につながれば、デルタへのしわ寄せも予想される。
 羽田の国際線利用者は2005年度の130万人から、14年度には1156万人に急増。一方の成田は3018万人から2666万人に減少しており、デルタにとってこれ以上の成田の低迷は容認しがたい。デルタは、米国内で成田便がある都市の政治家などに働きかけ、米政府に対し羽田拡充を認めないよう訴えてきた。米政府もデルタの意向を無視できず、日本の提案より多くの枠を配分するよう主張。ただ、羽田の昼間便早期開設へのアメリカン、ユナイテッドの期待は大きく、デルタには「羽田の国際線がさらに拡充する余地は小さい」などと説いて妥結に導いた模様だ。
 今後は日本側の配分が焦点になるが、増枠分は全日空に配分される可能性が高い。国交省が、経営破綻後に政府の支援を受けた日航の新規路線開設を16年度末まで認めない方針を示しているためだ。全日空の親会社、ANAホールディングスの片野坂真哉社長は2日の記者会見で「国交省のこれまでの方針通り、適切に配分してほしい」と要望。日航の植木義晴社長はこの日の記者会見で「国交省の方針を理解はしているが、(配分について改めて)話し合っていく」と述べた。
 羽田は10年に第4滑走路の利用が始まり、国際化を本格化。当初は国際線の枠自体が限られ、米欧路線は深夜・早朝便しかなかった。政府は14年の国際線ターミナル拡張に伴い、国際線を増強。欧州便は早々と昼間便が開設されたが、米国便はデルタの反対もあって公式交渉が昨年12月にずれ込んでいた。【山口知】

産経ニュース 2016.2.19 09:01
羽田、昼間に米路線 10月以降、東海岸へ直行便も 日米航空協議が合意
 政府は18日、羽田空港の昼時間帯(午前6時~午後11時)の発着枠をめぐる米国との航空協議が同日合意したと発表した。日米の航空会社が昼時間帯の発着枠で1日5便ずつ、深夜早朝枠で1便ずつ運航する計12便で、従来の深夜早朝枠のみの計8便から大幅に増加した。
 合意内容は今年10月以降の冬ダイヤでの実現を目指す。昼時間帯の増枠で、羽田とニューヨークなど米東海岸の主要都市を結ぶ新規路線が開設される可能性が高まった。
 石井啓一国土交通相は記者団に「日米路線はわが国にとって最も重要な航空ネットワークで合意は喜ばしい。羽田と成田(空港)が一体となったネットワーク形成に期待する」と述べた。日本側に配分された計6便の割り振りについては「5月の大型連休ごろまでに決めたい」と語った。
 羽田空港の発着枠をめぐっては、平成26年に昼時間帯の国際線発着枠が1日40便分拡大され、これまでにアジアや欧州各国への就航が始まっていたが、米国とは成田空港を拠点とするデルタ航空の反対などで交渉がまとまらず、昨年12月に行われた協議も物別れとなっていた。


産経新聞 2016.2.20 05:02
【主張】羽田の米路線 昼間発着で競争力高めよ
 羽田空港の米国路線をめぐる日米航空交渉が決着し、昼間の発着便が初めて認められた。今秋にも、これまでより利用しやすい時間帯に東京と米東海岸を直接結ぶ路線が開設される。
 都心に近い羽田は、2年前に国際線ターミナルを拡張し、国際空港としての機能強化を進めている。今回の日米合意もその一環として歓迎できるものだ。
 2020年の東京五輪に向け、羽田の発着能力は一段の増強を迫られている。安全性を確保しつつ、交通アクセスを含めた利便性を高め、拠点空港としての国際競争力向上につなげてほしい。
 昼間に羽田から米東海岸に飛ぶ直行便がなかったのは、米最大手のデルタ航空が反対していたからだ。成田空港を拠点に日米路線を運営する同社は、羽田が使いやすくなることによる成田の利用客減少を懸念していたという。
 現在、羽田から米国に飛ぶ路線は午後10時以降の深夜と早朝帯に限られている。昼間に羽田を出発する路線があれば、米東海岸に夕方に到着でき、ビジネス客や旅行者の利便性が大きく向上することが期待されていた。
 羽田の国際化は政府の成長戦略にも盛り込まれた。その発着枠は公共財として有効に使わなければならない。多くの需要が見込まれる東京とニューヨーク、ワシントンなどを昼間に結ぶ直行便の開設は当然である。
 発着枠の具体的な配分はこれから決まるが、枠が与えられる日米の航空会社は、料金やサービスなどでも競い合ってほしい。
 羽田の発着能力は年間45万回程度だが、外国人観光客の急増を背景に新規路線の開設を求める声が強い。このため、政府は都心上空ルートの活用などで1割ほど増やす計画だ。
 周辺住民の理解を得るため、自治体と連携しながら丁寧な説明を重ねることが不可欠だ。
 一方で成田の機能強化も忘れてはならない。首都圏に位置する空港として、成田が果たすべき役割の重さに変わりはないからだ。
 成田では昨年、格安航空会社(LCC)向け専用ターミナルを建設し、羽田との機能分担を目指している。
 政府としても今後、成田と地方空港の連携を支援するなど、訪日客の地方分散を促す取り組みを広げていく必要がある。


東京新聞 2016年2月19日 朝刊
羽田、昼に米国線 日米合意で今秋にもNY直行便
 日米両政府は十八日、東京都内で開催した航空協議で、羽田空港を昼間に発着して米国と行き来できる路線を設けることで合意した。羽田からの米国路線は現在、深夜早朝の西海岸やハワイ便に限られているが、昼間に出発するニューヨーク便など米東海岸行きの直行便が今秋にも実現する見通しで、羽田の国際化は一層進む。羽田は国内路線網が充実しているため、地方空港からの乗り継ぎが便利になる。 
 羽田を発着する米国路線を、現在の一日八往復から十二往復に増やし、このうち十往復はこれまでゼロだった昼間の時間帯(原則として午前六時~午後十一時)とする。政府は二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向け、米国便も含む羽田、成田の国際線をさらに充実させる考えだ。
 石井啓一国土交通相は記者会見で「日米両国間のビジネス、観光需要に的確に対応できるようになる」と述べた。
 国交省によると、十二往復は日本と米国の航空会社に対し六往復ずつ配分される。国内航空会社に対する割り当ては、今年の大型連休までに配分する方針だ。
<羽田の再国際化> 成田空港は国際線、羽田空港は国内線というすみ分けが長く続いたが、2010年に4本目の滑走路ができた際に国際線の定期便が本格的に復活した。年間発着枠は、当初の6万回から14年春に9万回に拡大。昼間便は中国や韓国が中心だったが、欧州や東南アジア路線も実現した。15年の国際線利用客数(速報値)は1275万人。政府は20年の東京五輪までに、東京都心上空の飛行制限緩和で、さらに最大3万9千回増やしたい考えだ。



千葉日報 2016年02月19日 11:51
「厳しい」成田に不安 周辺経済へ影響懸念 日米航空協議合意
 羽田空港の北米便をめぐり日米航空協議が合意したことを受け、成田空港の地元関係者らからは「アジアの空港と競争をする上で厳しくなる」と不安の声が聞かれた。一方、空港利用者は「交通費が節約できる」と期待した。
 芝山町の戸井康雄・同町商工会会長は、羽田に北米便が移ることで「成田の着陸料などの収入が減り、空港周辺への経済波及効果に影響する」と懸念を示した。
 成田市の担当者からも「成田空港の国際線ネットワークの一角が崩れることにつながる。アジアでの激しい空港間競争を考えると厳しい」との声が漏れた。
 一方、ある航空会社の関係者は「羽田は国際線の乗り継ぎが難しいが、成田は乗り継ぎ客でいっぱいだ。羽田の発着枠が大幅に増えない限り、大きな変化はない」と話し、影響は限定的だとの見方を示した。
 成田空港で米国便を利用する客からは、利便性が上がると期待が寄せられた。友人とニューヨークを観光するため、成田空港を訪れた東京都練馬区の専門学校生、真壁萌香さん(21)は「羽田のほうが自宅から近く、空港に行くまでの費用が節約できる」。
 ワシントンに向かう福岡市の男子大学生(21)は「福岡からだと成田と羽田の距離の差はそれほど感じない。値段で決める」と話した。

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