2016-02-29(Mon)

高浜原発再稼働 後始末をどうするのか

使用済みMOX燃料 六ケ所の工場で再処理できない 難題先送りの再稼働急ぐな

-----原発を動かせば使用済み核燃料が増える。再稼働を機にこの後始末の問題を直視すべきだ。
 
関電の高浜、美浜、大飯原発では使用済み燃料を入れるプールがほぼ7割埋まっている。
全9基の原子炉を再稼働すれば7~8年で満杯になる計算だ。
 
国の方針の核燃料サイクルに沿えば、使用済み燃料は青森県六ケ所村の工場で再処理され、燃料としてよみがえるはずだった。
だが工場は完成延期が続き、実現のめどは立たない。
 
しかも、プルサーマルで生じる使用済みMOX燃料は六ケ所の工場で再処理できない。
国は方針を決めておらず、当面は原発内で保管するしかない。
 
これらの問題を先送りしてきたツケが、噴き出している。
(朝日新聞)

<各紙社説>
朝日新聞)高浜再稼働 後始末をどうするのか(2/27)
しんぶん赤旗)高浜原発再稼働 国民の不安まだ踏みにじるか(2/25)
河北新報)使用済みMOX燃料/難題先送りの再稼働急ぐな(2/24)





以下引用



朝日新聞 2016年2月27日05時00分
(社説)高浜再稼働 後始末をどうするのか


 福井県の関西電力高浜原発4号機が再稼働した。
 東日本大震災後、新しい規制基準のもとでは九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、高浜3号機に続き4基目だ。
 高浜4号機は3号機と同様、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電が実施される。
 事故時に住民がスムーズに避難できるかという課題は積み残されたままだ。東京電力福島第一原発事故の教訓を踏まえた再稼働とはとうてい言えない。
 4号機では、稼働準備中に微量の放射性物質を含む水漏れが起きた。配管の弁のボルトが緩んでいたという。福島原発事故後、安全性への国民の視線は格段に厳しくなった。関電は他の弁の点検もしたというが、動かす以上、重い責任を負うことにいま一度自覚を求めたい。
 原発を動かせば使用済み核燃料が増える。再稼働を機にこの後始末の問題を直視すべきだ。
 関電の高浜、美浜、大飯原発では使用済み燃料を入れるプールがほぼ7割埋まっている。全9基の原子炉を再稼働すれば7~8年で満杯になる計算だ。
 国の方針の核燃料サイクルに沿えば、使用済み燃料は青森県六ケ所村の工場で再処理され、燃料としてよみがえるはずだった。だが工場は完成延期が続き、実現のめどは立たない。
 しかも、プルサーマルで生じる使用済みMOX燃料は六ケ所の工場で再処理できない。国は方針を決めておらず、当面は原発内で保管するしかない。
 これらの問題を先送りしてきたツケが、噴き出している。
 原発に頼ってきた消費者側も、国や電力会社に責任を押しつけて済む話ではない。自分たちの問題として、社会全体で今後の方向性を議論していく必要がある。関西と福井とでその先鞭(せんべん)をつけられないか。
 使用済み燃料の増加を懸念した福井県は、中間貯蔵施設を県外につくるよう関電と国に要求している。関電は昨年11月、「20年ごろに場所を決め、30年ごろに操業する」と約束した。
 関電は「消費地の関西に」というが、受け入れに前向きな自治体はない。だが消費地が向き合わなければならない問題だ。関電から関西の知事、政令指定市長が加わる関西広域連合に協議を申し入れてはどうか。
 この場に福井県も加われば、福島事故後に対立が深まった消費地と立地地域との関係を結び直す一歩にもなろう。
 むろんすぐに答えは出まい。だが、議論からもはや逃げられない。
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しんぶん赤旗 2016年2月25日(木)
主張:高浜原発再稼働 国民の不安まだ踏みにじるか


 福井県高浜町にある高浜原発について、関西電力が1月の3号機に続いて4号機も26日に再稼働させようとしています。それに加え、原子力規制委員会が運転開始から40年を経過した1、2号機についても再稼働の前提となる審査書案をまとめました。老朽炉では初めてです。原発事故に不安を募らせ、再稼働に反対している住民の気持ちを逆なでする危険な暴走です。東日本大震災から5年になる東京電力福島第1原発の重大事故はいまだに収束せず、住民の避難生活も続いています。「原発ゼロ」を切望する国民多数の意向を無視した再稼働の強行は許されません。
「スケジュール第一」で
 高浜原発は、敦賀、美浜、大飯などの原発が集中する福井県と京都府との府県境に位置し、いったん事故が起きれば京都府や滋賀県にも被害を及ぼす危険な原発です。活断層などによる地震の対策や津波対策も不十分で、いくつもの原発が同時に事故を起こす集中立地による危険性は検討対象にさえなっていません。安倍晋三政権や関西電力、3、4号機の再稼働に同意した福井県や高浜町は原子力規制委の審査に合格したことを根拠にしていますが、規制委の審査が安全性を保証するものでないことは、当の規制委自体が繰り返し表明していることです。
 実際、3、4号機については、福井地裁が昨年4月、規制委の「基準は緩やかにすぎ(る)」と再稼働を差し止めたため、規制委が審査に適格すると決めた後も再稼働できず、関西電力が異議を申し立て、昨年末仮処分を撤回させてようやく再稼働に持ち込めたものです。3号機は1月末再稼働させましたが、4号機は再稼働直前になって準備中に冷却水漏れが発覚、弁を修理しただけで、予定通り再稼働させることになりました。林幹雄経済産業相でさえ、「スケジュールありきではなく安全第一で」といわざるを得ない状態です。
 東京電力福島原発の事故後、長期にわたって全国の原発が停止していても電力不足は起きていません。にもかかわらず、もともと原発への依存度が高かった関西電力は、原発停止中の火力発電所などの燃料費負担などを免れるため、再稼働を急いでいます。高浜原発再稼働は、文字通り、関西電力のスケジュールに合わせたものです。
 全国の原発では九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)がすでに再稼働していますが、高浜原発3、4号機は使用済み核燃料を再処理して取り出す猛毒のプルトニウムをウランと混ぜて燃やす「プルサーマル」炉での最初の再稼働です。プルサーマルは制御が難しいといわれます。政府や電力会社がプルサーマルに熱心なのは使用済み核燃料がたまりすぎ、再処理で取り出すプルトニウムの処分を迫られているからです。高浜原発の再稼働に道理がないのは、この点からも明らかです。
老朽炉の再稼働は断念を
 安倍政権や関西電力が、老朽化した高浜原発1、2号機まで再稼働させようとしているのはまさに言語道断というほかありません。実際に再稼働させるには老朽化対策などの審査が残っていますが、原子炉等規制法で「原則40年」となっている運転期間を超えて稼働させれば、事故の危険が格段に高まります。老朽炉まで再稼働させる策動はただちに断念すべきです。
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河北新報 2016年02月24日水曜日
社説:使用済みMOX燃料/難題先送りの再稼働急ぐな


 通常の原発より始末の悪い「核のごみ」を排出する。新規制基準に基づく原子力規制委員会の審査でも、その宿命的な欠点は問われていない。 関西電力高浜原発(福井県高浜町)の4号機が近く再稼働し、先月下旬に運転を再開した3号機と同様に「プルサーマル発電」を開始する。完全に行き詰まった核燃料サイクルの一翼を担わされての再稼働であることに、より注意を向けるべきだろう。
 使用するのは一般的なウラン燃料ではなく、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料。通常の原発から排出される使用済みウラン燃料を再処理し、プルトニウムと燃え残ったウランを取り出して作る。
 MOX燃料は、ウラン燃料に比べ、毒性の高いネプツニウムやアメリシウムといった放射性物質を約5倍も発生させる。使用後も極めて高い放射線を放ち、比較的長く発熱量が減少しないといった管理上の難点もある。
 通常の使用済みウラン燃料は、とりあえず青森県六ケ所村に運ばれ、再処理することになっている。しかし、使用済みMOX燃料六ケ所村の再処理工場では取り扱うことができず、処分方法は何一つ決まっていない。原発内で長期間、保管せざるを得ないのが現状だ。
 3号機に加え、4号機が稼働すれば、高浜原発は国内の商用炉で最多となる約18.5トンの使用済みMOX燃料を抱えることになるという。同原発の貯蔵プールは今後7~8年で満杯になる見通し。保管期間の見通しもつかない使用済みMOX燃料は安全上、深刻な懸念材料となる。
 使用済み核燃料の全量リサイクルを掲げる国は、使用済みMOX燃料向けに「第2再処理工場」を建設する方針だった。2005年策定の原子力政策大綱には「10年ごろから検討を開始」すると明記。その後「45年ごろの操業開始」(06年策定の原子力立国計画)を目指すとしていたが、東京電力福島第1原発事故で議論はストップしたままだ。
 六ケ所村の再処理工場でさえ、試運転中の事故、トラブルで完工の延期が繰り返され、着工から20年以上がたった今も「未完成」となっている状況を踏まえれば、第2再処理工場が果たして実現可能なのか、大いに疑問だ。
 プルサーマル発電は、MOX燃料の主な活用先と想定された高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」の相次ぐトラブルで利用が進まず、だぶついていたプルトニウムの消費策として便宜的に始まった。軍事転用可能な余剰プルトニウムの保有は、核不拡散の観点から国際的な批判を招くからだ。
 プルサーマル発電をめぐっては、核反応を調節する制御棒の利きが悪いなど、MOX燃料の取り扱いの難しさが指摘されてきた。ウラン燃料しか想定していない軽水炉での利用には慎重であるべきだとする専門家も少なくない。
 福島第1原発事故の後もなお、核燃料サイクルにしがみつき、難題の「核のごみ」対応を先送りしようとしている。高浜原発の再稼働からは、そうした国と電力会社の姿が透けて見える。
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