2016-03-19(Sat)

山陽道トンネル事故 2人死亡 67人けが

運送会社 監査で4つの法令違反を確認  事故のトンネル 非常用設備は

----事故を起こした運転手について少なくとも4つの法令違反が確認されたということです。
具体的には、会社ではこの運転手に入社時の健康診断や適性検査を受けさせていなかったことが分かりました。
また、この運転手が先月、福岡県に向けて乗務した際には法令で定められた時間よりも運転時間が長く、休憩時間が短いなど過労運転の状態になっていたことが確認されたということです。
そのほか、会社は定められた安全教育を行っておらず、少なくとも4つの法令違反が見つかりました。
(NHK)

---- 山陽自動車道の八本松トンネルは、片側2車線の全長およそ840メートルで、事故が起きたのは、広島市方面に向かう下り車線の入り口から600メートルほど進んだ場所だということです。西日本高速道路によりますと、トンネル内にスプリンクラーは設置されていなかったということです。警察はトラックの運転手から今後事情を聞いて、事故の原因や火が出た状況などを詳しく調べることにしています。

八本松トンネルは、国の基準で、消火栓や押しボタン式の通報装置の設置が原則として求められているものの、スプリンクラーや火災報知機、それに煙を外に出す設備は、必要に応じて設置することになっています。
 
道路のトンネルで事故などが起きた際の非常用設備は、昭和54年に静岡市の東名高速道路で起きた日本坂トンネルでの事故を受けて、国が設けた基準によって定められています。
 
トンネルは、長さと通行量に応じて、AA、A、B、C、Dの5つの等級に分類され、最も基準が厳しいAAは、霞が関トンネルや東京港トンネルなど首都高速道路のトンネルや、東名高速道路の都夫良野トンネル、中央自動車道の小仏トンネルなどが該当します。

一方、八本松トンネルは上から2番目のAに該当するということです。国の基準では、等級がAのトンネルには消火栓や給水栓、外部に異常を知らせる押しボタン式の通報装置のほか、避難ルートを知らせる誘導表示板などを、「原則として設置する」とされています。
 
一方で、スプリンクラーや火災報知機、それに監視カメラなどは、「必要に応じて設置する」とされていて、道路を管理する国や自治体、それに道路会社が判断することになっています。
 
また、事故などで発生した煙を外に出す設備か避難用通路のどちらかを、必要に応じて設置することになっています。このうち煙を取り除く設備や避難用通路については、西日本高速道路が、国の基準をもとに社内の基準を定めていて、八本松トンネルのような長さ750メートル以上のトンネルには、避難通路を設置することになっています。
 
一方、天井に取り付けた大型のファンなどで煙を外に出す設備は、社内の基準で1500メートル以上のトンネルが対象となっていて、それより短い八本松トンネルには設置されていません。
 
西日本高速道路は、「換気用のファンは、基準に達していないため、設置していなかった」と話しています。
(NHK)



以下引用

NHK 3月18日 20時39分
山陽道トンネル事故 監査で4つの法令違反を確認

山陽自動車道のトンネルで渋滞中の車の列にトラックが突っ込み、2人が死亡し67人がけがをした事故で、国土交通省は18日、トラックの運転手が勤務する埼玉県内の運送会社、「ゴーイチマルエキスライン」に緊急に監査を行ったところ、事故を起こした運転手について少なくとも4つの法令違反が確認されたということです。
具体的には、会社ではこの運転手に入社時の健康診断や適性検査を受けさせていなかったことが分かりました。
また、この運転手が先月、福岡県に向けて乗務した際には法令で定められた時間よりも運転時間が長く、休憩時間が短いなど過労運転の状態になっていたことが確認されたということです。
そのほか、会社は定められた安全教育を行っておらず、少なくとも4つの法令違反が見つかりました。

NHK 3月18日 18時38分
山陽道トンネル事故 トラック会社を緊急に監査

17日、広島県の山陽自動車道のトンネルで渋滞中の車の列にトラックが突っ込み、2人が死亡し67人がけがをした事故で、国土交通省は、トラックの運転手が勤務する埼玉県内の運送会社に緊急に監査に入りました。国土交通省は、安全管理に問題がなかったか調べることにしています。
緊急監査に入ったのは、埼玉県川口市に本社がある運送会社「ゴーイチマルエキスライン」です。
18日午後1時半ごろ、国土交通省関東運輸局の担当者が事務所に入りました。この事故は、17日、広島県東広島市にある山陽自動車道八本松トンネルの下り線で、渋滞中の車の列にトラックが突っ込み、2人が死亡し、煙を吸うなどして67人がけがをしたものです。
 国土交通省は、貨物自動車運送事業法に基づく今回の監査で、運転手の勤務状況や健康管理、それに、トラックの整備記録などを確認し、安全管理に問題がなかったか調べることにしています。
会社「大変申し訳ない」
運転手が勤務する埼玉県川口市の運送会社「ゴーイチマルエキスライン」では、18日夕方、社員が取材に応じ、会社としてのコメントを出しました。
 コメントでは「現時点では何も分かっていない状況で、詳細ついては分かったらお話ししたい。ご遺族や被害にあわれた方々には大変申し訳ないことをしたと考えています」としています。
「去年12月に入社」
埼玉県川口市の運送会社「ゴーイチマルエキスライン」の子会社の社長が報道陣の取材に応じ、「皆見容疑者は運送会社を数社にわたり勤務したあと、去年12月に『ゴーイチマルエキスライン』に入社した。3か月の試用期間の中で運転手の適性を判断したが、適性や健康状態に問題はなかった」と述べました。
 また、「今回、事故を起こしたトラックは去年8月に納車されたばかりで、車両の不具合も考えにくい」と話していました。


NHK 3月17日 19時09分
山陽道トンネル事故 2人死亡 67人けが

17日朝、広島県東広島市の山陽自動車道のトンネルで、渋滞中の車の列にトラックが突っ込み、乗用車など11台を巻き込んで車5台が炎上しました。この事故で2人が死亡したほか、67人がけがをし、警察はトラックの運転手から今後事情を聞いて、事故の原因などを詳しく調べることにしています。
17日午前7時半ころ、広島県東広島市にある山陽自動車道の八本松トンネルの下り線で、渋滞中の車の列に後ろから走ってきたトラックが突っ込みました。
 警察によりますと、トラックは乗用車に衝突するなど11台の車を巻き込み、トラックを含む5台の車が炎上しました。消火活動の結果、火はおよそ2時間後に消し止められましたが、この事故で、追突された乗用車に乗っていた1人が死亡したほか、軽乗用車を運転していた広島県竹原市の会社員、丸岡節枝さん(65)が頭を強く打って死亡しました。
 警察や消防によりますと、トンネルの中から避難する際に煙を吸うなどして、トラックの運転手を含め男女67人がけがをしたということです。
 山陽自動車道の八本松トンネルは、片側2車線の全長およそ840メートルで、事故が起きたのは、広島市方面に向かう下り車線の入り口から600メートルほど進んだ場所だということです。西日本高速道路によりますと、トンネル内にスプリンクラーは設置されていなかったということです。警察はトラックの運転手から今後事情を聞いて、事故の原因や火が出た状況などを詳しく調べることにしています。
事故のトンネル 非常用設備は
八本松トンネルは、国の基準で、消火栓や押しボタン式の通報装置の設置が原則として求められているものの、スプリンクラーや火災報知機、それに煙を外に出す設備は、必要に応じて設置することになっています。
 道路のトンネルで事故などが起きた際の非常用設備は、昭和54年に静岡市の東名高速道路で起きた日本坂トンネルでの事故を受けて、国が設けた基準によって定められています。
 トンネルは、長さと通行量に応じて、AA、A、B、C、Dの5つの等級に分類され、最も基準が厳しいAAは、霞が関トンネルや東京港トンネルなど首都高速道路のトンネルや、東名高速道路の都夫良野トンネル、中央自動車道の小仏トンネルなどが該当します。
一方、八本松トンネルは上から2番目のAに該当するということです。国の基準では、等級がAのトンネルには消火栓や給水栓、外部に異常を知らせる押しボタン式の通報装置のほか、避難ルートを知らせる誘導表示板などを、「原則として設置する」とされています。
 一方で、スプリンクラーや火災報知機、それに監視カメラなどは、「必要に応じて設置する」とされていて、道路を管理する国や自治体、それに道路会社が判断することになっています。
 また、事故などで発生した煙を外に出す設備か避難用通路のどちらかを、必要に応じて設置することになっています。このうち煙を取り除く設備や避難用通路については、西日本高速道路が、国の基準をもとに社内の基準を定めていて、八本松トンネルのような長さ750メートル以上のトンネルには、避難通路を設置することになっています。
 一方、天井に取り付けた大型のファンなどで煙を外に出す設備は、社内の基準で1500メートル以上のトンネルが対象となっていて、それより短い八本松トンネルには設置されていません。
 西日本高速道路は、「換気用のファンは、基準に達していないため、設置していなかった」と話しています。
事故の詳しい状況
警察によりますと、事故のおよそ3時間前の午前4時すぎ、事故現場のトンネルから広島方面に5キロほど先の場所で車どうしが衝突する別の事故が起きていました。
 この事故の影響などでトンネル付近まで渋滞が続いていました。警察は、この渋滞の列にトラックが突っ込んで今回の事故が起きたとみています。
 このトラックは渋滞していた数台の車にぶつかって車道の脇におしやったあと、さらに進んで前方の乗用車に衝突して止まっていたということです。
 この衝突で、乗用車は、さらに前方の別のトラックにぶつかって大きく壊れ、2台のトラックや乗用車など5台の車が炎上したということです。
 このうち、乗用車の運転席で、1人が死亡しているのが確認されました。
また、心肺停止で搬送され、病院で死亡が確認された丸岡節枝さんの車は、事故に巻き込まれてトラックの後ろに止まっていたとみられています。
 警察によりますとトラックに追突された車を運転した人は調べに対し、「渋滞に気付いて減速したところ、後ろからトラックが突っ込んでくるのに気づき右に避けようとしたが追突された」と話していたということです。
道路を管理する西日本高速道路によりますと、八本松トンネルの入り口には情報板と呼ばれる電光掲示板があり、「速度を落とせ、渋滞中」と表示するなどして渋滞に注意するよう呼びかけていました。
トラックの運転手は病院に搬送されて手当てを受けているということで警察は今後、事情を聞くなどして、詳しい状況を調べることにしています。
そのとき何が? どう逃げた?
事故に遭った人たちが、搬送先の病院などで取材に応じ、当時の詳しい状況やどのようにトンネルから逃げ出したのかなどを証言しています。
 1人で軽自動車を運転していて、渋滞のため、トンネル内でハザードランプを出して事故に巻き込まれたという30代の女性は「後ろからクラクションが聞こえ、バックミラーを見たらトラックが追突してくるのが見えた。『バーン』という衝撃がした。走行車線を走っていたが、気づいたら車がひっくり返り、追い越し車線に飛ばされていた」と証言しました。車の窓ガラスはすべて割れていたということで、女性は「とにかく逃げようとはって車外に出た。近くの人に『大丈夫ですか』と声をかけられ、『生きてるんだ』と思った。周りを見たらトラックと別の白い車がぶつかって火が出ていた」としています。女性はその後、周りの車に乗っていた人と一緒に避難したということで、「ほかの車の人と声をかけ合って、上り車線の連絡通路に逃げた。逃げているときにも2回ぐらい爆発音があって、みんな焦っている感じだった」と話していました。
 出勤途中に事故に遭ったという広島県東広島市の会社員、徳嵜新さん(21)は「右側の追い越し車線を走ってトンネルの中ほどまで行ったところで、前方で大型トラックが右側の壁にぶつかって、斜めになって止まっていた。その直後にトラックの前の部分から赤い炎が上がった。車から出て消火しようとしている人もいたが、あっという間に黒い煙が広がって視界が悪くなった。トンネルの電気も消えて数メートル先は見えない状況だったが、近くにあった非常用の出口から避難することができた。避難する途中にはドーンという爆発音が何回も聞こえて怖いと思いました」と話していました。
 仕事で広島市に向かう途中に事故に巻き込まれたという会社員の蓮池拓也さん(23)は「トンネルに入ったときには、すでにトラックが2車線をふさいでいるのが見え、トラックの後ろから白い乗用車が突っ込んでいた。現場に近づいたら煙が上がり始めて、ドーンと爆発音がした。それと同時にトンネル内の電気が消えてみんなパニックになっていちもくさんに逃げた」と話していました。蓮池さんは、トンネルから避難した直後に、トンネル内から勢いよく煙が出ている様子を動画で撮影しました。蓮池さんは、「トンネルから出たあとは、みんな顔がすすまみれだった。トンネル内は煙で足元も見えず、壁を触りながら逃げた。煙に包まれたときには『死んだかな』と思った」と話していました。
 千葉県市原市から福岡市に家族5人で向かっていたという59歳の男性は、家族を含めてけがはありませんでした。男性は「走行車線を走っていて、前の車がハザードランプを点滅させていたので、渋滞だと思って前から6台目ぐらいのところで止まっていたら、前方に炎が見えたので、右の車線に出てバックで逃げた。途中で2回爆発音が聞こえ、前方は黒煙で何も見えない状態だった」と話していました。
 愛媛県伊予市から仕事で島根県浜田市に向かっていたという自営業の亀岡伸さん(46)は、「車を運転していたところ、トンネルの中でいきなり爆発するような大きな音がして、『逃げてくれ』と人が叫ぶ声が聞こえたので、車を降りて後方に逃げました。逃げる途中に自分の車の前方50メートルほどで、車から爆発するように炎が出ているのが見えました。周りでは何人もの人たちが同じように逃げていました」と話しました。そのうえで、「トンネルの途中で、避難用の非常口のような出入り口があったので、そこから避難用の通路に沿って歩いて逃げました。トンネル内の明かりは消えて真っ暗だったので、それぞれ、携帯電話の明かりで足もとを照らしながら避難しました」と話していました。

時事通信3月18日(金)11時22分
排煙設備、状況みて判断=山陽道トンネル事故—国交相
 山陽自動車道のトンネル内で起きた多重衝突事故で、石井啓一国土交通相は18日の閣議後記者会見で、トンネル内に排煙装置やスプリンクラーの設置義務がなかったことについて、「国の設置基準を見直すか、事故原因や被害状況を見極めて考えたい」と述べた。
 国交省は長さや交通量に応じてトンネルを5段階に分け、非常用設備の基準を設けている。事故現場の八本松トンネルは844メートルで、上から2番目に分類されていた。 


産経ニュース 2016.3.18 11:16
山陽道トンネル事故
動画/「前の車の急ブレーキに間に合わなかった」トラック運転手説明 国交省は特別査察へ
事故のあった八本松トンネル付近=広島県東広島市(撮影・鳥越瑞絵)
 広島県東広島市の山陽自動車道下り線の八本松トンネルで渋滞の列にトラックが突っ込み、2人が死亡した多重事故で、トラックを運転していた男性が、勤務先のトラック運行会社に「前の車が急ブレーキを踏んで、間に合わずにぶつかった」と説明していることが18日、同社への取材で分かった。
 広島県警によると、トラックの追突現場の直前にはブレーキ痕がなかったことも判明。男性には運転に影響を与えるような持病もなかった。県警は、男性が前をよく見ていなかった可能性もあるとみて、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑も視野に調べる。
 国土交通省は18日、トラックを運行する埼玉県川口市の会社を同日中に特別監査すると明らかにした。運行管理体制や車両の整備状況を調べる。
 県警によると、身元不明の遺体が見つかった焼けた乗用車は、追突したトラックと、前方にいた別のトラックに挟まれる形で巻き込まれ、3台とも全焼していた。乗用車は2車線のうち走行車線の渋滞の列にいたとみられ、追突されたトラックに引きずられ、追い越し車線で炎上していた。 
 追突したトラックに事故当時、同乗者はなく、引っ越しの荷物を積んでいた。


朝日新聞 2016年3月18日16時30分
衝突、ブレーキ痕なし 多重事故のトラック 山陽道
 広島県東広島市の山陽自動車道下り線八本松トンネルで2人が死亡、67人が負傷した多重事故で、渋滞の車列に突っ込んだとみられるトラックに、事故直前のブレーキ痕はないことが県警への取材でわかった。速度を落とさず車列に突っ込み、50メートル以上にわたり、車に相次いで衝突し続けたとみられる。県警は、自動車運転死傷処罰法違反などの疑いも視野に捜査する。
 県警によると、17日午前7時半ごろ、トラックが渋滞中の車列に突っ込んだとみられる。当時、約5キロ先で発生した事故の影響で渋滞が続き、事故車両12台を含む53台の車が、トンネル内にあったという。
 トラックは車数台に相次ぎ衝突した後、追い越し車線に入り、身元不明の焼死体が見つかった乗用車を押し出すようにして50メートル以上走行。前方にいた別のトラックとの間で、この乗用車を挟み込むような形で停止し、3台とも全焼させたとみられている。


朝日新聞2016年3月18日14時47分
黒煙充満、懸命の捜索 トンネル事故、そのとき消防は
事故現場のトンネルでは、東広島市消防局などが捜索や救助にあたった=17日午前11時3分、広島県東広島市

 広島県東広島市の山陽自動車道下り線八本松トンネルで2人が死亡、67人が負傷した多重事故では、事故車両12台を含む53台がトンネル内で煙に巻き込まれた。トンネルの入り口から現場まで、500~600メートル。立ち上る黒煙。東広島市消防局幹部は取材に対し、救助活動が「困難だった」と振り返った。
 消防局の田坂達哉(たつや)警防課長(57)は17日朝の事故で、逃げ遅れた人を捜索する指揮の補佐だった。
 「ピッ、ピッ」という警報音と「高速自動車道救助出動指令」という放送が消防署内に流れたのは午前7時半ごろ。事故で火災発生との連絡も入り、午前8時過ぎに現場へ向かった。下り線トンネル東側の入り口付近からは、黒い煙がもうもうと上がっていた。
 「黒煙が充満し、中の様子が見えない」。入り口付近にはトンネル内から避難してきた約80人が集まり、救急隊員らが治療の優先順位を決める「トリアージ」をしていた。反対側の出口からは、炎上した車の消火活動が行われていた。
 八本松トンネルは全長844メートル。交通量や長さから排煙設備やスプリンクラーの設置義務がなく、ともに設けられていなかった。
 トンネル内に煙が充満する中、残った車に逃げ遅れた人がいる恐れがあった。酸欠の可能性があり、救助隊員らは約10キロの空気ボンベを背負ってトンネル内に入った。だが、ボンベは30分ほどしかもたない。「必ず帰る時の分の空気を残して活動するように」と厳命し、隊員を原則2人一組で捜索に向かわせた。
 隊員は暗闇の中、人がいないか1台ずつ確認しながら進むため、時間がかかる。事故現場まで500~600メートル。捜索ははかどらなかった。「視界がないうえ熱気がこもり、戻った隊員は汗びっしょりだった」
 まもなく現場から「意識不明者発見」の無線連絡があり、女性が搬送された。だが、女性は脳挫傷で搬送先の病院で死亡が確認された。続いてもう1人が車中で見つかった。医師が中に入り、隊員とともに確認した。トリアージ判定は死亡を意味する「黒」だった。
 事故で亡くなったのはこの2人。重症者はいなかった。煙を吸った人も大半は軽症だった。「逃げた人はかなりの恐怖感だっただろうが、自力で歩けて素早く避難した人が多かったのが救いだった。重症者が多ければ、救助は困難だっただろう」。田坂課長は、厳しい救助現場を振り返った。(根津弥)


朝日新聞 2016年3月18日13時50分
広島トンネル事故、追突の運転手逮捕 過失運転致死容疑
事故から一夜明けた、山陽自動車道下り線八本松トンネル入り口周辺。トンネルの電気系統の復旧作業が進められた=18日午前9時11分、広島県東広島市

 広島県東広島市の山陽自動車道下り線八本松トンネルで2人が死亡、67人が負傷した多重事故で、県警は18日、渋滞の車列に突っ込んだとみられるトラックを運転していた埼玉県越谷市の皆見成導(みなみなりみち)容疑者(33)を、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで逮捕した。容疑を認めているという。速度を落とさず車列に突っ込み、50メートル以上にわたり、車に相次いで衝突し続けたとみられる。
 県警によると、皆見容疑者は17日午前7時半ごろ、運転していたトラックで渋滞中の車列に突っ込み、2人を死なせた疑いが持たれている。当時、3時間ほど前に約5キロ先で発生した事故の影響でトンネル内まで渋滞が続き、事故車両12台を含む53台の車が、トンネル内にあったという。
 トラックは車数台に相次ぎ衝突した後、追い越し車線に入り、身元不明の焼死体が見つかった乗用車を押し出すようにして50メートル以上走行。前方にいた別のトラックとの間で、この乗用車を挟み込むような形で停止し、3台とも全焼させたとみられている。
 県警の17日の実況見分で、渋滞の列にトラックが突っ込んだとみられる場所に、急ブレーキをかけたような痕跡は見つからなかった。その先の事故現場にはトラックか衝突された車のものか不明だが、タイヤ痕などの様々な事故の痕跡があったという。
 県警は18日、トラックを運転していた皆見容疑者から話を聞いていた。トラックは引っ越しの荷物を積んでいたという。
 西日本高速道路(ネクスコ西日本)は18日午前11時15分に、山陽自動車道下り線西条インターチェンジ(IC)―志和IC間の通行止めを解除した。受配電設備の異常でトンネル内の照明などの一部に不具合があり、復旧に時間がかかったという。


朝日新聞 2016年3月18日10時47分
国交相、追突トラックの会社を監査へ 広島トンネル事故
 山陽自動車道のトンネル内で渋滞の列にトラックが追突して起きた多重事故で、石井啓一国土交通相は18日、トラックを運行していた運送会社「ゴーイチマルエキスライン」(埼玉県川口市)を同日中に監査すると発表した。法令違反がなかったか確認する。
 国交省によると、同社は1993年に一般貨物自動車運送業の許可を受けており、現在は本社を含めて3営業所がある。


朝日新聞 2016年3月18日05時26分
迫るトラック、減速しきれず追突か 広島トンネル事故
トンネル内で焼けた車両=17日午前10時11分、広島県東広島市の山陽道、県警提供
 広島県東広島市志和町の山陽自動車道下り線八本松トンネル内で発生し、2人が死亡した多重事故で、約3時間前の事故による渋滞の車列に、トラックが減速しきれずスピードが出たまま複数の車に突っ込んだとみられることが県警への取材でわかった。県警は「トラックを運転していた」と話す男性から状況を聞き、事故原因を調べている。
 県警高速隊によると、死亡した1人は、軽乗用車を運転していた丸岡節枝(せつえ)さん(65)=同県竹原市港町5丁目。死因は脳挫傷だったという。別の乗用車から焼死体で見つかった1人の身元の確認を急いでいる。負傷者は67人に上り、7人が中等症、60人が軽症。軽症者は煙を吸った人が大半という。トンネル内には50~60台の車が残されていた。
 17日午前7時半ごろ、トンネル内の走行車線を走っていたトラックが、渋滞の列にあった丸岡さんの車などに追突。さらにトラックは複数の車にぶつかりながら進んだとみられ、出口から約200メートル付近の追い越し車線で、焼死体が見つかった車を別のトラックと挟む形で止まり、3台とも炎上したという。
 県警に対し、最初にトラックに追突されたとみられる車を運転していた男性は「渋滞に気づいて止まろうとしたが、後ろからトラックが迫ってきた。追い越し車線に避難しようとしたが追突され、さらにトラックが前の渋滞に突っ込んだ」と話しているという。「トラックを運転していた」と話している男性は足の打撲の軽症で、入院している。
 県警は自動車運転死傷処罰法違反などの容疑も視野に捜査。この男性が運転するトラックが追突したのかどうかも確認する。車の故障の可能性なども否定しきれず、全焼した車体を詳しく調べる。
 トンネル内にいた人たちは、携帯電話の明かりなどを頼り、事故時や保守点検の際に使われる「避難連絡坑」などを通って逃げた。
 広島県竹原市の山本正春さん(68)はトンネル手前の「進入禁止 火災」との電光表示は目に入ったがすぐに止まれず、200メートルほど入ったところで停車。前方で4~5台が斜めになって停車していた。山本さんは妻(69)にマスクをつけさせ、充満する煙の中、しゃがんで車線をたどるようにして逃げた。「息苦しくて、死ぬかと思った」と話した。
 この事故で、西条インターチェンジ(IC)と志和ICの間の上下線が通行止めになった。上り線は約11時間後に解除されたが、下り線は夜になっても通行止めが続いている。


朝日新聞 2016年3月18日05時00分
暗闇、数百メートル走り避難 炎上がるトンネル内 山陽道多重事故
トンネル東側入り口付近で進められる救助活動=17日、広島県東広島市、トンネルに車を置いて逃げてきた男性提供


 トンネル内で突然上がった炎と煙。逃げ惑うドライバーたち……。広島県東広島市の山陽自動車道で17日に起きた多重事故では12台が絡み、介護職員の女性ら2人が亡くなった。負傷者が67人にも上った惨事はなぜ起きたのか。▼1面参照
 関西と九州方面を結ぶ大動脈として物流や通勤に使われる山陽道。会社員の女性(39)は午前7時すぎ、広島県東部の三原市から広島市方面へ軽乗用車を走らせていた。「速度落とせ 渋滞中」。下り線の八本松トンネル(全長844メートル)の手前に設置された電光板に表示されていた。
 女性の車が2車線のトンネルに入ると、ハザードランプをつけた車が左車線に停止していた。その後ろに車を止めた女性がバックミラーを見ると、数台を挟んで後ろにいたトラックがどんどん近づいてきた。「バーン」「ガシャーン」。クラクションが鳴り響いたあと、追突の激しい衝撃が女性を襲った。
 女性の車は右車線にはね飛ばされ、横転した。女性は割れた窓ガラスからはい出るようにして外へ。誰かから「大丈夫か」と声をかけられ、「(自分は)生きてる」と思ったという。
 周りには同じようにはね飛ばされた4~5台の車。後ろから走ってきたトラックの前部と追突されたらしい車の後部付近から炎が上がり、トンネル内に煙が充満し始めた。「とにかく、ここから離れなきゃ」。手や足に傷を負っていた女性は事故時や保守点検の際に使われる「避難連絡坑」を通って上り線に出て、トンネルの出口をめざした。出口までの距離がどれほどあったか分からないという。
 軽乗用車を運転していた内装業の亀岡伸さん(46)=愛媛県伊予市=は、女性の車に追突したとみられるトラックから離れた後方を走行していた。前方の車が停止したと分かった直後、逃げてくる人たちの姿が見えた。走ってきた方向へ一緒に逃げていたとき、「ドーン」という爆発音がした。振り返ると、トンネルの天井に届くほどの炎が上がり、トンネル内の照明が消えて真っ暗に。逃げる人の中には、携帯電話が発する明かりを使っていた人もいたという。
 建設業の男性(24)=東広島市=はトンネルの中央付近で車を乗り捨てたが、すぐに煙にのみ込まれた。視界が悪く、路面の白い車線が頼りだったという。息苦しさで走れなくなり、倒れ込む人が目に入った。男性は「死んでしまうと思った。助かって、ほっとしています」と語った。
 ■トンネル事故、遭遇したら… すぐ車降り、表示参考に脱出
 国土交通省は高速道路のトンネルで起きた火災の消火や避難について、非常用設備の設置基準を設けている。基準は1979年に7人が死亡した日本坂トンネル事故(静岡県・東名高速)を機に見直され、交通量やトンネルの長さに応じた給水栓やスプリンクラーに関する設置基準が盛り込まれた。
 国交省などによると、事故が起きた山陽道の八本松トンネルの基準は最も厳しい「AA等級」に次ぐ「A等級」で、排煙設備やスプリンクラー、上り線と下り線を行き来できる「避難連絡坑」の設置は義務づけられていない。ただ800メートル以上の全長を踏まえ、避難連絡坑は設けられていた。道路脇には歩行用の「検査路」があり、誘導表示板も200メートルおきに設置されていた。また、事故が起きた下り線には34本の消火器、8台の給水栓、22台の押しボタン式通報装置もあった。
 トンネルの事故や火災が起きたとき、どう逃げればいいのか。
 国交省の担当者は「特別な手順はない。ビルの避難訓練と同じです」と言う。排煙が追いつかずに煙が充満することがあり、(1)事故に気づいたらすぐに車を止めて降りる(2)表示板に書かれた連絡坑までの距離を参考にして、トンネルを出られる方法を考える――ことを「できるかぎり早くやってほしい」と求めている。煙を吸い込まないようにハンカチやマスクで口や鼻を覆うことも必要だ。

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