2016-03-21(Mon)

3・11東日本大震災・福島原発事故5年 各紙社説等(14)

原発被災地切り捨てないで 避難者の住宅支援と心身ケア重要に 復興方針「総仕上げ」とは程遠い

<各紙社説・主張>
河北新報)大震災5年 介護人材不足/政策の貧困被災地にツケ(3/20)
河北新報)大震災5年 国の姿勢/復興を未来につなげよ(3/16)
河北新報)大震災5年 避難者への対応/住宅支援と心身ケア重要に(3/15)
河北新報)大震災5年 人口減少/原発被災地切り捨てないで(3/14)
信濃毎日新聞)政府復興方針 「総仕上げ」とは程遠い(3/15)
毎日新聞)大震災から5年 福島原発の廃炉 司令塔の整備が必要だ(3/14)
産経新聞)災害弱者 少子高齢化への対応急げ(3/14)




以下引用



河北新報 2016年03月20日日曜日
社説:大震災5年 介護人材不足/政策の貧困被災地にツケ


 介護関連の人材不足は全国共通の課題だが、東日本大震災の被災地にとりわけ深刻な影響を与えている。せっかく施設が復旧しても、担い手不足のため、急増するニーズに対応しきれていないのだ。
 被災地での安心の破綻は人口減少に拍車を掛け、復興の足かせとなる恐れがある。
 政府が進める処遇改善などの対策は中途半端で、今のところ十分な成果を挙げていない。政策の貧困が、ここでも被災地を苦しめていると言わざるを得ない。
 震災で被災した岩手、宮城、福島の3県にある特別養護老人ホームなどの入居型高齢者福祉施設265カ所のうち、約95%に当たる252カ所が2月上旬までに運営を再開した。
 ただ、実際には介護職員の不足から、震災前に比べ、受け入れる入所者を減らしている施設が少なくない。例えば、大船渡市にある介護施設は、本来の定員は29人だが、職員がそろわないため19人しか受け入れられずにいる。
 宮城県が訪問介護なども含む107事業所に行ったアンケート結果(速報値)でも、介護職員の不足数は91人で、半数以上を特別養護老人ホームなどの入居型が占めた。
 被災自治体の危機感は特に強く、気仙沼市と宮城県南三陸町は1月、関連事業者らと人材確保に向けた協議会を設立している。
 介護職員の有効求人倍率(1月)は、宮城、福島とも2.99倍で、それぞれ県内全職種平均の2倍以上。岩手も1.93倍で、全職種平均の1.16倍を大きく上回る。
 被災地では復興事業関連の求人と競合している側面があるにしても、求職者が少ないのは、重労働に見合う給料が得られないといった処遇が根本的な原因だと言っていい。
 厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2014年)によると、介護職員の賃金は全産業平均の29万9000円に比べ、約8万円も低い。
 「介護離職ゼロ」を掲げる政府は15年度の介護報酬改定に合わせ、1人当たり月額1万2000円の賃上げを狙って「処遇改善加算」を実施した。
 ところが、介護業界最大の労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン」(東京)が昨年9月に行った調査では、賃金は6000円程度しか上がらず、むしろ人手不足が進む中で勤務時間が長くなる傾向が浮かび上がった。
 介護報酬の改定でサービス単価が引き下げられるなどした影響で、施設経営が厳しくなっていることを背景に挙げる声もあるという。
 厚労省研究班の追跡調査によると、宮城県では震災後の4年間で要介護高齢者の増加が全国平均の14倍ものペースで進んだとされる。被災によるストレスと仮設住宅などでの不自由な生活で、今も睡眠障害や抑うつ状態の人の割合は全国平均を上回る。
 介護需要の高まりは、今後もしばらく続くとみなければならない。
 介護人材の確保に向け、思い切った処遇改善策が求められるのはもちろん、復興施策として施設経営への支援を拡充していく必要がある。
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河北新報 2016年03月16日水曜日
社説:大震災5年 国の姿勢/復興を未来につなげよ


 「被災地の復興なくして日本の未来はない」。東日本大震災後、復興に取り組む姿勢を強調する安倍晋三首相の言葉を何度聞いたことだろう。
 被災地の現状との落差から、その決まり文句に心がこもっていないことを感じながらも、その言葉にすがる気持ちを捨てきれないのもまた、被災地なのである。
 鉄道や道路などのインフラは回復しているが、生活や事業再建への道筋など、被災した住民が抱える問題は複雑で多岐にわたる。復興事業の進み具合は一様ではない。
 それでも政府は「一定程度復興は進んでいる」と総括。2016~20年度を「復興・創生期間」と位置付け、津波被災地の復興からの総仕上げを掲げる。15年度までの集中復興期間に認められた復興予算の全額国費負担は改められ、被災地負担が導入される。
 復興の新たなステージを迎え、国は被災地に「自立」を求めるという。竹下亘復興相(当時)が阪神淡路大震災など過去の例を挙げて復興事業への被災地負担を打ち出した際、「被災自治体は自立し得る気概を」と強調した。
 今も約17万人が避難生活を強いられ、約6万人はプレハブの仮設住宅で暮らす。それだけの大災害だったことが忘れられていないか。
 国に依存し努力を怠っているとでも言うような言葉は、主体性のない市町村が取り残されてしまう格差にも目をつぶる「地方創生」に通じる。全てを失ったところから始まった被災地の復興と、アイデアを競わせる地域づくりを同列で扱うとすれば疑問だ。
 被災地では高齢者の孤立や産業衰退など日本が抱える問題が凝縮、顕在化している。復興への実践をモデルとしてつないでいくことこそが「日本の未来」への一歩のはず。
 国がすべきは自立したくてもできない被災地の課題に細かく目を配り、国民の理解を得ながら解決に最善を尽くすことであって、ことさら自立をあおることではあるまい。
 過去の災害を検証し、命を守る取り組みを教訓として引き継ぐ努力も国の責務だ。
 兵庫県の災害復興住宅では昨年、33人が孤独死した。阪神淡路大震災から20年を経ても続く「災後」の現実だ。
 東日本大震災でも被災者の見守りや心のケアの必要性が指摘されながら、重要な役割を果たす生活支援相談員の身分は不安定なまま。生きることが恐怖になっている阪神淡路の悲劇を、東日本の被災地で繰り返させてはならない。
 5年前の大震災では病院が被災し混乱したことで、本来救えた多くの命が失われ、災害時に医師や物資の支援を円滑に受け入れる準備の必要性が認識された。しかし、南海トラフ地震が心配される東海から九州の病院で対応を終えたのはわずか8%。次の災害への備えも進んでいない。
 日本は「自然災害大国」。防災・減災社会づくりから災害対応、復興までを一貫して担う組織が必要ではないか。復興庁の業務を復興が見通せない福島を軸に見直し、法改正で期限の20年度以降も残すのも一案で、大震災の教訓を受け継ぐ司令塔の存続は、被災地を超えて共感されよう。
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河北新報 2016年03月15日火曜日
社説:大震災5年 避難者への対応/住宅支援と心身ケア重要に


 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による山形県内への避難者が、ピーク時の4分の1に当たる3442人となった。2012年1月に全国最多の1万3797人を数えて以降、減少が続く。
 山形県が11年から毎年実施している避難者アンケートでは、5年間で定住希望者の割合が増加する一方、心身の不調を訴える人は8割に上る。避難生活の長期化で、年々孤立感を募らせる実態も明らかになっている。
 「山形での定住、就労に力を貸してほしい」「心身のケアの充実を」
 山形県が10日開いた意見交換会では、いま求められる支援策が浮き彫りになった。
 山形県の3日現在の集計によると、3442人のうち、避難元は福島県3121人、宮城県291人、岩手県21人など。大半を占める福島県からの避難者は、この1年間だけで約840人が転出した。
 復興庁の2月12日時点のデータでは、避難者は全国で17万4471人で、震災直後の推計約47万人から約5年間で6割以上減少した。
 避難者が暮らす都道府県は福島が最多の5万5321人で、宮城4万7106人、岩手2万2131人と続いた。県外に避難しているのは、福島からが4万3139人、宮城からは6396人、岩手からは1454人だった。
 避難先は47都道府県の1139市区町村に及ぶ。山形県内の避難者数は被災3県を除き全国6番目。減り続けていて、6876人と11年からほぼ横ばい状態で最多の東京都とは対照的な推移となった。
 山形県の場合、被災地の隣県のため、夫を避難元に残した母子避難世帯が多いのが特徴だ。県のアンケートによると、母子避難世帯の割合は12年に最多の39.5%に上り、15年でも28.1%。自主避難者は全体の約8割を占め、子どもの進級や進学に合わせた年度末の帰還が目立つ。
 福島県は自主避難者への借り上げ住宅提供を17年3月に終了する方針を示した。山形県内の支援関係者は「学校の区切りに合わせ、この1年間で帰還する避難者はかなりの数に上るだろう」とみる。
 帰還が進んだ結果、定住希望者の割合は相対的に増加している。15年の調査では28.3%が山形県を希望し、避難元の20.7%を上回った。ただし最多は「わからない、未定」の40.7%だった。
 被災3県をはじめ避難者を受け入れる自治体は新年度、生活の基本となる定住、住宅支援に力を入れる。
 山形県はこれまでの生活支援に加えて、定住に特化した相談窓口を初めて設置する。村山、置賜、庄内3地域で相談会を初めて開催するほか、福島県職員と共同で、戸別訪問も計画している。
 秋田県は県内に新たに転居する際の費用補助を始める。福島県は自主避難者のうち、住宅確保が困難な世帯を対象に、県営住宅に優先的に入居できる措置を講じる。
 避難先での定住か帰還か。避難者は人間関係の葛藤を抱えながら選択を迫られる。いまなお17万人に上る避難者には、個別の事情に配慮した柔軟な対応が必要といえる。
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河北新報 2016年03月14日月曜日
社説:大震災5年 人口減少/原発被災地切り捨てないで


 発表された2015年国勢調査の速報値に厳しい数字が並んだ。10年の前回調査からの減少率は全国平均0.7%。これが東北では3.8%で、東日本大震災の被災42市町村に限れば4.1%となる。
 全国から東北、さらには被災地へと焦点を絞るに従って減少幅は拡大し、ついに東京電力福島第1原発事故で全域避難が続く浪江、大熊、双葉、富岡の4町の減少率は100%となった。
 ただし「居住人口ゼロ」は、早くから予想された事態である。避難の長期化は避け得ないと判断した現場からは、ある種の覚悟をもって「仮の町構想」「二重の住民登録」など次善の提案もなされていたはずだ。
 それにもかかわらず実際の避難者ケアは、避難先での住居斡旋(あっせん)程度だった。結果、統計上のみならず、被災者支援の網からも原発避難者は消されようとしている。まずもってこの5年間の不作為を猛省しなければならない。
 飯舘、葛尾、楢葉の3町村は辛くも居住人口ゼロを免れた。が、ここにも重い現実が横たわっている。
 飯舘村の41人は全員、移動が困難で特別養護老人ホームに残された高齢者である。葛尾村の18人は、古里への帰還に向けて準備宿泊を続ける住民たちだった。
 居住者一人一人の属性や事情をつぶさに把握できること自体が、逆説的に原発事故の異様さを物語る。
 調査基準日(10月1日)の1カ月前に避難指示が解除された楢葉町は、居住人口976人で87.3%の大幅減となった。廃炉や除染に従事する長期滞在の作業員も多数含んでの数字だ。
 事前に準備期間を設けたにもかかわらず、住民の9割超が戻っていない事実が指し示すのは、国の思惑と住民感情のずれにほかならない。
 政府は「加速化」という単一スローガンで復興を推し進め、避難解除に邁進(まいしん)する。しかも避難住民に求めるのは「帰還」か「移住」かの単純な二者択一なのだから、これはもはや原発避難者に対する自己責任論の押し付けだ。
 古里から切り離された避難住民が今は、除染への不安を払拭(ふっしょく)できないまま、せき立てられるように結論を求められている。避難住民の心の葛藤こそが「居住人口976人」の意味するところだろう。
 国勢調査の結果に基づいて算定される地方交付税の行方も気になる。
 被災自治体に政府は、前回調査を基準に交付税を算定し、段階的に引き下げる特例を用意した。だが、これとて曲がりなりにも復興が進む津波被災地と、自治体再建の道筋すら見通せない原発被災地を仕分けし、きめ細かく支える設計にはなっていない。
 特例措置が終了した時点で人口が回復していなければ、原発被災地は「復興の見込みなし」と見なされかねない。
 人口減少の先にある自治体消滅が現実味を増しつつある原発被災地の現状を考えたとき、震災発生から5年の節目に私たちが自覚すべきは、簡単に「切り捨てる」ことではなく、何とかして「すくい取る」ことであると心得たい。
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信濃毎日新聞 (2016年3月15日)
社説:政府復興方針 「総仕上げ」とは程遠い


 言葉は躍っているけれど、肝心の魂は入っているのだろうか。そんな疑問を感じる。
 政府が閣議決定した2016年度から向こう5年間の東日本大震災復興基本方針である。
 11〜15年度の「集中復興期間」が今月で終わることを受け、「復興・創生期間」と位置付けた。切れ目のない被災者の支援、住まいの再建やまちづくり、インフラ復興などを進め、「総仕上げ」に取り組むとうたった。
 被災者の生活再建は復興の最大の柱だ。抱えた問題は多岐にわたり、丁寧な対応が欠かせない。なのに、基本方針はほとんどがこれまでに打ち出した政策の羅列で、具体性を欠く。甘い展望と言わざるを得ない。
 例えば、災害公営住宅の建設や高台移転は17年度までに9割の完了を目指すと明記した。各地の商店街を再建し、にぎわいを元のように取り戻すという。
 震災と福島第1原発の事故で17万人以上が今も避難生活を強いられている。避難先で新しい暮らしを始め、故郷に戻ることを諦めた人も少なくない。
 復興の地域間格差も広がっている。さらに、地方の人口減少や産業の空洞化といった日本が抱える構造的な問題もある。
 課題が重く、多いため、政府は楽観的な方針を示すことでお茶を濁したふしがある。目標実現の道筋や具体策に踏み込んでいないのはそのためではないか。
 被災者の心身のケアにも言及してはいるが、昨年決めた被災者支援総合対策を「着実に推進する」としただけだ。
 新味を出せなかったためか、政府は復興に積極的に取り組んでいることをアピールしようと腐心した形跡が見て取れる。「新しい東北」を創造し、20年の東京五輪・パラリンピックを「復興五輪」にして世界にアピールする…。“ばら色”の言葉が目立つ。
 交通網などインフラの整備は目標年度を詳細に示した。公共事業は目に見えるからだろう。
 「インフラ整備ができても生活の復興が伴うのか…あと5年たっても問題は山積みだと思う」。宮城県名取市の仮設商店街で働く女性の言葉だ。
 被災地からは政府の復興に対する姿勢や取り組み方を疑問視する声が出ている。なぜ、被災者の暮らしの立て直しが進まないか。復興の司令塔たる復興庁は機能しているのか。総仕上げなどできるのか。懸念は多い。復興方針を根本から見直す必要がある。
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毎日新聞2016年3月14日 東京朝刊
社説:大震災から5年 福島原発の廃炉 司令塔の整備が必要だ


 1〜4号機が次々に危機的な状況に陥った東京電力福島第1原発事故から5年。廃炉作業が続く敷地内では除染が進み、全面マスク着用が必要なエリアは全体の1割となった。休憩施設内にコンビニも出店するなど、労働環境は大幅に改善した。
 だが、最大の難所である原子炉内で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の回収はめどが立っていない。廃炉作業は30〜40年続くとされるが、まだほんの入り口に過ぎない。
 廃炉の前提となるのが、原子炉建屋に地下水が流入して生じる汚染水対策だ。建屋には地下水が今も1日当たり150〜200トン流入し、汚染水は増え続けている。
 政府と東電は、1〜4号機の周囲を氷の壁で囲い、地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」を対策の切り札と位置づける。近く稼働するが、地下水位のコントロールを誤れば、建屋内の高濃度汚染水が外にあふれ出る恐れがある。慎重な運用が必要だ。
 汚染水の浄化処理は進んだ。ただし、放射性物質のトリチウムは除去できず、約60万トンのトリチウム水がタンクに貯蔵されている。東電は海への放出を視野に入れる。先月、東電が事故から3日後には炉心溶融の判断ができたはずだったことが判明した。こうした隠蔽(いんぺい)体質を改め、地元了解を得ることが大前提となる。
 燃料デブリの取り出しについて政府と東電は、2018年度中に取り出し方法を決め、21年中に回収を始める計画だ。ところが、高い放射線などに邪魔され、今年度中に実施予定だった1、2号機の格納容器内のロボット調査は延期された。デブリの姿すら観察できていない。
 政府は廃炉技術の研究開発などに2000億円超を投じており、来月には福島県楢葉町で日本原子力研究開発機構の新施設が本格稼働する。2号機の格納容器下部の実物大模型などがあり、燃料デブリ取り出しの手順決定などに役立てる。このほかにも、廃炉に使うロボットや遠隔操作技術の開発に、大学やメーカーなどが取り組んでいる。
 長期にわたる廃炉を成功させるには、基礎から応用まで幅広い研究開発を一元的に管理し、進捗(しんちょく)状況に応じて的確な指示を出す司令塔が必要だ。
 そのため政府は一昨年、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を国の認可法人として発足させた。昨年7月には同機構の下に東電や研究機関が集う連携会議が設置されたが、まだ情報交換の段階だ。
 同機構の廃炉担当者は約50人で、福島第1原発には2人しかいない。政府は、同機構の機能強化を図るべきだろう。
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産経新聞 2016.3.14 05:02
【主張】災害弱者 少子高齢化への対応急げ


 少子高齢化や人口の減少にあわせて意識を変えなければ、今後の災害への対応はできなくなるだろう。政府や自治体は早急に人口動態を織り込んだ実効性のある政策を練り上げてほしい。
 東日本大震災では高齢者ら「災害弱者」の避難を手伝って津波被害に遭った人もいる。災害弱者をどう社会で守るか。これは大きな課題である。
 高齢化が本格化するのはこれからだ。国の推計では15年後には75歳以上が全体の2割を占める。1人で動けない災害弱者の増大にも通じる。人口が激減する地域では見守りの目も弱まる。
 政府は災害対策基本法を改正し、自力避難が困難な高齢者や障害者を「避難行動要支援者」と位置付けている。自治体に要支援者名簿や個別の避難計画の作成を求めたが、支援者の確保は思うように進んでいない。地域内で災害弱者の情報を共有し、住民の役割分担を明確にしておくことが欠かせない。緊急時の対策は平時に万全を図らなくてはならない。
 高齢者同士で助け合う場面も増えるだろう。若者に比べて避難に時間がかかるため、迅速に災害情報を提供し、早め早めの行動を促すことが重要となる。各自治体には、高齢者の視点に立って避難計画や災害対策の点検を徹底するよう求める。
 加えて深刻なのは、少子化に伴い、災害時に救助にあたる自衛官や警察官、海上保安官、消防官といった若い力の確保が、年々困難さを増すことだ。
 自衛隊の募集対象である18~26歳の人口は平成6年度の1700万人が26年度には1100万人に減少した。防衛白書は「自衛官の募集環境は、ますます厳しくなることが予想される」と危機感を募らせている。東日本大震災時に自衛隊は、最大時10万7000人の自衛官を被災地に投入し、多くの被災者を救った。
 総員約23万人のうち半数近くが震災対応に従事したのだから、国防は手薄になる。現実に震災後には、中露の軍が非常時下の日本の防衛力を試すような挑発行為に出て、自衛隊が「二正面対応」を迫られる場面もあった。
 警察や消防なども合わせ、欠かせない人員の確保にどう知恵を絞るか。少子高齢化を余儀なくされる新たな時代の、極めて重要な災害対策である。
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