2016-04-20(Wed)
羽田空港増便ルート修正 地元住民「危険性変わらぬ」
東京都北部、埼玉県南部のみ高度引き上げ 品川区・大田区の上空変わらず
◇新ルート案、高度引き上げ=羽田増便の騒音対策-国交省
国土交通省は19日、羽田空港を発着する国際線の便数を増やすために検討している新たな飛行ルート案について、周辺住民の意見を踏まえ、一部修正したと発表した。着陸態勢に入り、東京都北部や埼玉県南部上空を通過する際の高度を300~600メートル程度引き上げ、騒音の軽減につなげる。
(時事通信)
◇羽田空港増便ルート修正案 地元住民「危険性変わらぬ」
羽田空港(大田区)の国際線を増便するための新飛行ルート計画で、十九日に国土交通省が示した一部修正案は、空港に近く着陸機が超低空を飛ぶ地域での高度は変わらず、住民からは憤りの声が出ている。
「『周辺住民の意見を踏まえて一部修正した』と言われても、住民の意見は何も反映されていない。騒音被害や落下物の危険性は何も変わらない」。品川駅港南商店会の秋山正利会長(58)は怒りをあらわにした。
(東京新聞)
以下引用
羽田空港機能強化に関する説明会(第2フェーズ)の結果概要及び環境影響に配慮した方策の検討
平成28年4月19日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku07_hh_000088.html
国土交通省においては、羽田空港機能強化方策の具体化に向け、より多くの方に幅広い理解を頂くため、説明会を開催し、今般、説明会の結果概要を取りまとめました。今後は、説明会で頂いたご意見等も踏まえ、夏までに環境影響に配慮した方策を策定する予定です。そのうち、南風時新飛行経路の高度引き上げを先行して検討した結果、新飛行経路案を一部修正することといたします。
1.説明会(第2フェーズ)の結果概要
国土交通省においては、関係自治体の協力も得ながら、昨年7月から9月に開催した第1フェーズの説明会に続き、第2フェーズの説明会を昨年12月11日から本年1月31日(のべ47日間)に東京都、神奈川県、埼玉県の18会場で、オープンハウス型※で開催し、約5,100人の方にご来場頂きました(その他、羽田空港の常設パネル、特設ホームページ、特設電話窓口、ニュースレター等の多様な手法を活用し、幅広く情報提供や意見等の聴取を実施)。
第2フェーズでは、第1フェーズで頂いた意見等から明らかになった課題に対応するため、
[1] 何故このような飛行経路の見直しが提案されているのか等について、他の選択肢が見当たらないことも含めて、より詳しく情報提供
[2] 実際に近い形で飛行機の見え方や音を体験できるコーナーを設置
[3] 騒音対策、安全対策について方向性を提示
させて頂きました。
その結果、2月29日までに総数約4,500件の多様な意見を頂き、意見要旨として、別紙1のとおり内容や趣旨ごとに分類・整理させて頂きました。
なお、これまで説明会等で提供させて頂いた情報や住民の方から頂いた意見・質問等については、引き続き、特設ホームページ、ニュースレター等を通じ、住民の皆様と幅広く共有させて頂くこととしております。
※オープンハウス型…説明パネル等の展示と併せ、担当者が参加者の質問等に対して説明させて頂くとともに、意見等を伺う形式
2.環境影響に配慮した方策の検討
今後は、説明会で頂いた住民の皆様の声も踏まえ、夏までに環境影響に配慮した方策を策定する予定としております。具体的には、別紙2のとおり、騒音影響を軽減する飛行経路の運用方法の工夫、より静かな航空機の使用などの環境対策、落下物対策を含めた安全対策など、多面的に検討してまいります。
そのうち、飛行経路案の一部修正は、広範に影響が及ぶため他の方策に先行して検討を行いました。具体的には、新飛行経路の運用方法の工夫の1つとして、南風時の新飛行経路案については、説明会での住民の皆様からのご意見等を踏まえ、陸域全体への騒音影響を小さくするとともに、周辺の飛行場に離着陸する航空機との安全間隔を確保する観点から、更なる検討を行いました。その結果、別紙3のとおり、悪天候時以外には到着経路の進入を開始する高度を引き上げるとともに東側に移設する等、現在お示ししている南風時の新飛行経路案を一部修正することといたします。
こうした環境影響に配慮した方策についても、より多くの方々にご理解頂けるよう、努力してまいります。
以上
【特設ホームページ「羽田空港のこれから」】
URL:http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/index.html
【特設電話窓口】
電話番号:0570-001-160(IP電話からは、03-5908-2420)受付時間:平日9:30~18:00
【ニュースレター、頂いた質問に対する回答集など】
URL:http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/plan/
添付資料
羽田空港機能強化に関する説明会(第2フェーズ)の結果概要及び環境影響に配慮した方策の検討(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001127994.pdf
別紙1 第2フェーズ意見要旨(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128221.pdf
別紙1(参考)第2フェーズの結果概要について(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128220.pdf
別紙2 環境に配慮した方策の検討の方向性(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128218.pdf
別紙3 南風時新飛行経路の高度引き上げ(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128219.pdf
○説明会の結果について 国土交通省航空局 環境・地域振興課 福田
TEL:03-5253-8111 (内線49402) 直通 03-5253-8722 FAX:035253-1658
○環境影響に配慮した方策及び羽田空港の機能強化について 国土交通省航空局 首都圏空港課 柿沼
TEL:03-5253-8111 (内線49322) 直通 03-5253-8721 FAX:03-5253-1660
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日本経済新聞 2016/4/19 20:57
羽田、騒音少ない新ルート 発着枠拡大へ国交省提案
国土交通省は19日、羽田空港の発着枠拡大に向けて検討している都心上空の飛行ルートを修正すると発表した。好天時に一部地域の飛行高度を上げる。さいたま市や東京都中野区、練馬区などの上空を通る際の高度が上がり、騒音が小さくなる効果が期待できる。渋谷区や品川区上空の高度は変わらない。国交省は住民の理解を得て、2020年までの実施をめざす。
国交省は外国人観光客の増加や20年の東京五輪をにらんで、羽田空港の発着枠拡大を検討している。飛行ルートを変えると発着できる回数が年4万回増える見込みだが、周辺住民の騒音への懸念も強い。騒音が小さい航空機の着陸料割引なども検討して、住民の理解を得たい考えだ。
毎日新聞2016年4月20日 10時41分
羽田空港:都心飛行ルート修正 埼玉の騒音軽減
国土交通省は羽田空港の国際便を増やすため、旅客機が低高度で都心上空を通る飛行ルートの実現に向け、騒音の負担軽減策の大枠をまとめた。これまでのルート案を一部修正し、到着機が空港に近づく際の飛行高度を引き上げ、埼玉県や東京都北部の住民の騒音負担を軽くした。
南風時に埼玉県を通って北方向から到着するルート案では、着陸態勢に入る高度を引き上げ、ルートを東側に移した。騒音影響の大きい915メートル以下で飛行するエリアを狭くした。
例えば、さいたま市のJR南浦和駅付近では、飛行高度が従来案の約915メートルから約1525メートルと高くなり、騒音は約4〜7デシベル軽減される。一方、空港に近い東京都大田区や品川区などの高度は従来案と変わらない。
国交省は羽田の国際便増便に向け、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年までに、発着枠を現在の年44万7000回から3万9000回増やすことを目指しており、住民の理解を得たい考えだ。今夏までに騒音対策をまとめる予定で、航空会社に低騒音機の使用を促すため、着陸料の見直しなども検討している。
(共同)
東京新聞 2016年4月20日 朝刊
埼玉の騒音軽減へ飛行高く 羽田、都心上空ルート案修正
国土交通省は十九日、羽田空港の国際便を増やすため、旅客機が低高度で都心上空を通る飛行ルートの実現に向け、騒音の負担軽減策の大枠をまとめた。これまでのルート案を一部修正し、到着機が空港に近づく際の飛行高度を引き上げ、埼玉県や東京都北部の住民の騒音負担を軽くした。
南風時に埼玉県を通って北方向から到着するルート案では、着陸体勢に入る高度を引き上げ、ルートを東側に移した。騒音影響の大きい九百十五メートル以下で飛行するエリアを狭くした。
例えば、さいたま市のJR南浦和駅付近では、飛行高度が従来案の約九百十五メートルから約千五百二十五メートルと高くなり、騒音は約四~七デシベル軽減される。一方、空港に近い東京都大田区や品川区などの高度は従来案と変わらない。
国交省は羽田の国際便増便に向け、東京五輪・パラリンピックが開かれる二〇二〇年までに、発着枠を現在の年四十四万七千回から三万九千回増やすことを目指しており、住民の理解を得たい考えだ。今夏までに騒音対策をまとめる予定で、航空会社に低騒音機の使用を促すため、着陸料の見直しなども検討している。
東京新聞 2016年4月20日
羽田空港増便ルート修正案 地元住民「危険性変わらぬ」
羽田空港(大田区)の国際線を増便するための新飛行ルート計画で、十九日に国土交通省が示した一部修正案は、空港に近く着陸機が超低空を飛ぶ地域での高度は変わらず、住民からは憤りの声が出ている。
「『周辺住民の意見を踏まえて一部修正した』と言われても、住民の意見は何も反映されていない。騒音被害や落下物の危険性は何も変わらない」。品川駅港南商店会の秋山正利会長(58)は怒りをあらわにした。
これまで国交省が示してきた飛行ルート案では、品川区の大井町駅周辺が南風の着陸ルートの真下に当たる。航空機は東京タワー(三百三十三メートル)よりも低い高度三百メートルまで下がり、数分おきに飛ぶ。だが、新たに示された案では変更がなかった。
地下鉄車内並みの騒音も予想され、住民の多くが航空機からの落下物の懸念を抱える。秋山さんは「マンションが立ち並ぶ都心で事故が起きれば大惨事だ。補償についてもいまだ何の説明もない」と指摘する。
飛行ルート案について、国交省はこれまで都内などで住民向け説明会を実施してきた。ホールなどに一堂に集まってもらうのではなく、パネルを置いて職員が来場者の質問に答える方式をとり「二月末までに約四千五百件の多様な意見を聞いた」と説明している。
だが、秋山さんは「ショールームみたいな説明会でけむに巻かれた気持ちだ。そもそも住民の意見を聞く耳を持たなかったのでは」と疑問を投げかけている。 (神野光伸)
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◇新ルート案、高度引き上げ=羽田増便の騒音対策-国交省
国土交通省は19日、羽田空港を発着する国際線の便数を増やすために検討している新たな飛行ルート案について、周辺住民の意見を踏まえ、一部修正したと発表した。着陸態勢に入り、東京都北部や埼玉県南部上空を通過する際の高度を300~600メートル程度引き上げ、騒音の軽減につなげる。
(時事通信)
◇羽田空港増便ルート修正案 地元住民「危険性変わらぬ」
羽田空港(大田区)の国際線を増便するための新飛行ルート計画で、十九日に国土交通省が示した一部修正案は、空港に近く着陸機が超低空を飛ぶ地域での高度は変わらず、住民からは憤りの声が出ている。
「『周辺住民の意見を踏まえて一部修正した』と言われても、住民の意見は何も反映されていない。騒音被害や落下物の危険性は何も変わらない」。品川駅港南商店会の秋山正利会長(58)は怒りをあらわにした。
(東京新聞)
以下引用
羽田空港機能強化に関する説明会(第2フェーズ)の結果概要及び環境影響に配慮した方策の検討
平成28年4月19日
http://www.mlit.go.jp/report/press/kouku07_hh_000088.html
国土交通省においては、羽田空港機能強化方策の具体化に向け、より多くの方に幅広い理解を頂くため、説明会を開催し、今般、説明会の結果概要を取りまとめました。今後は、説明会で頂いたご意見等も踏まえ、夏までに環境影響に配慮した方策を策定する予定です。そのうち、南風時新飛行経路の高度引き上げを先行して検討した結果、新飛行経路案を一部修正することといたします。
1.説明会(第2フェーズ)の結果概要
国土交通省においては、関係自治体の協力も得ながら、昨年7月から9月に開催した第1フェーズの説明会に続き、第2フェーズの説明会を昨年12月11日から本年1月31日(のべ47日間)に東京都、神奈川県、埼玉県の18会場で、オープンハウス型※で開催し、約5,100人の方にご来場頂きました(その他、羽田空港の常設パネル、特設ホームページ、特設電話窓口、ニュースレター等の多様な手法を活用し、幅広く情報提供や意見等の聴取を実施)。
第2フェーズでは、第1フェーズで頂いた意見等から明らかになった課題に対応するため、
[1] 何故このような飛行経路の見直しが提案されているのか等について、他の選択肢が見当たらないことも含めて、より詳しく情報提供
[2] 実際に近い形で飛行機の見え方や音を体験できるコーナーを設置
[3] 騒音対策、安全対策について方向性を提示
させて頂きました。
その結果、2月29日までに総数約4,500件の多様な意見を頂き、意見要旨として、別紙1のとおり内容や趣旨ごとに分類・整理させて頂きました。
なお、これまで説明会等で提供させて頂いた情報や住民の方から頂いた意見・質問等については、引き続き、特設ホームページ、ニュースレター等を通じ、住民の皆様と幅広く共有させて頂くこととしております。
※オープンハウス型…説明パネル等の展示と併せ、担当者が参加者の質問等に対して説明させて頂くとともに、意見等を伺う形式
2.環境影響に配慮した方策の検討
今後は、説明会で頂いた住民の皆様の声も踏まえ、夏までに環境影響に配慮した方策を策定する予定としております。具体的には、別紙2のとおり、騒音影響を軽減する飛行経路の運用方法の工夫、より静かな航空機の使用などの環境対策、落下物対策を含めた安全対策など、多面的に検討してまいります。
そのうち、飛行経路案の一部修正は、広範に影響が及ぶため他の方策に先行して検討を行いました。具体的には、新飛行経路の運用方法の工夫の1つとして、南風時の新飛行経路案については、説明会での住民の皆様からのご意見等を踏まえ、陸域全体への騒音影響を小さくするとともに、周辺の飛行場に離着陸する航空機との安全間隔を確保する観点から、更なる検討を行いました。その結果、別紙3のとおり、悪天候時以外には到着経路の進入を開始する高度を引き上げるとともに東側に移設する等、現在お示ししている南風時の新飛行経路案を一部修正することといたします。
こうした環境影響に配慮した方策についても、より多くの方々にご理解頂けるよう、努力してまいります。
以上
【特設ホームページ「羽田空港のこれから」】
URL:http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/index.html
【特設電話窓口】
電話番号:0570-001-160(IP電話からは、03-5908-2420)受付時間:平日9:30~18:00
【ニュースレター、頂いた質問に対する回答集など】
URL:http://www.mlit.go.jp/koku/haneda/plan/
添付資料
羽田空港機能強化に関する説明会(第2フェーズ)の結果概要及び環境影響に配慮した方策の検討(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001127994.pdf
別紙1 第2フェーズ意見要旨(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128221.pdf
別紙1(参考)第2フェーズの結果概要について(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128220.pdf
別紙2 環境に配慮した方策の検討の方向性(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128218.pdf
別紙3 南風時新飛行経路の高度引き上げ(PDF形式)
http://www.mlit.go.jp/common/001128219.pdf
○説明会の結果について 国土交通省航空局 環境・地域振興課 福田
TEL:03-5253-8111 (内線49402) 直通 03-5253-8722 FAX:035253-1658
○環境影響に配慮した方策及び羽田空港の機能強化について 国土交通省航空局 首都圏空港課 柿沼
TEL:03-5253-8111 (内線49322) 直通 03-5253-8721 FAX:03-5253-1660
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日本経済新聞 2016/4/19 20:57
羽田、騒音少ない新ルート 発着枠拡大へ国交省提案
国土交通省は19日、羽田空港の発着枠拡大に向けて検討している都心上空の飛行ルートを修正すると発表した。好天時に一部地域の飛行高度を上げる。さいたま市や東京都中野区、練馬区などの上空を通る際の高度が上がり、騒音が小さくなる効果が期待できる。渋谷区や品川区上空の高度は変わらない。国交省は住民の理解を得て、2020年までの実施をめざす。
国交省は外国人観光客の増加や20年の東京五輪をにらんで、羽田空港の発着枠拡大を検討している。飛行ルートを変えると発着できる回数が年4万回増える見込みだが、周辺住民の騒音への懸念も強い。騒音が小さい航空機の着陸料割引なども検討して、住民の理解を得たい考えだ。
毎日新聞2016年4月20日 10時41分
羽田空港:都心飛行ルート修正 埼玉の騒音軽減
国土交通省は羽田空港の国際便を増やすため、旅客機が低高度で都心上空を通る飛行ルートの実現に向け、騒音の負担軽減策の大枠をまとめた。これまでのルート案を一部修正し、到着機が空港に近づく際の飛行高度を引き上げ、埼玉県や東京都北部の住民の騒音負担を軽くした。
南風時に埼玉県を通って北方向から到着するルート案では、着陸態勢に入る高度を引き上げ、ルートを東側に移した。騒音影響の大きい915メートル以下で飛行するエリアを狭くした。
例えば、さいたま市のJR南浦和駅付近では、飛行高度が従来案の約915メートルから約1525メートルと高くなり、騒音は約4〜7デシベル軽減される。一方、空港に近い東京都大田区や品川区などの高度は従来案と変わらない。
国交省は羽田の国際便増便に向け、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年までに、発着枠を現在の年44万7000回から3万9000回増やすことを目指しており、住民の理解を得たい考えだ。今夏までに騒音対策をまとめる予定で、航空会社に低騒音機の使用を促すため、着陸料の見直しなども検討している。
(共同)
東京新聞 2016年4月20日 朝刊
埼玉の騒音軽減へ飛行高く 羽田、都心上空ルート案修正
国土交通省は十九日、羽田空港の国際便を増やすため、旅客機が低高度で都心上空を通る飛行ルートの実現に向け、騒音の負担軽減策の大枠をまとめた。これまでのルート案を一部修正し、到着機が空港に近づく際の飛行高度を引き上げ、埼玉県や東京都北部の住民の騒音負担を軽くした。
南風時に埼玉県を通って北方向から到着するルート案では、着陸体勢に入る高度を引き上げ、ルートを東側に移した。騒音影響の大きい九百十五メートル以下で飛行するエリアを狭くした。
例えば、さいたま市のJR南浦和駅付近では、飛行高度が従来案の約九百十五メートルから約千五百二十五メートルと高くなり、騒音は約四~七デシベル軽減される。一方、空港に近い東京都大田区や品川区などの高度は従来案と変わらない。
国交省は羽田の国際便増便に向け、東京五輪・パラリンピックが開かれる二〇二〇年までに、発着枠を現在の年四十四万七千回から三万九千回増やすことを目指しており、住民の理解を得たい考えだ。今夏までに騒音対策をまとめる予定で、航空会社に低騒音機の使用を促すため、着陸料の見直しなども検討している。
東京新聞 2016年4月20日
羽田空港増便ルート修正案 地元住民「危険性変わらぬ」
羽田空港(大田区)の国際線を増便するための新飛行ルート計画で、十九日に国土交通省が示した一部修正案は、空港に近く着陸機が超低空を飛ぶ地域での高度は変わらず、住民からは憤りの声が出ている。
「『周辺住民の意見を踏まえて一部修正した』と言われても、住民の意見は何も反映されていない。騒音被害や落下物の危険性は何も変わらない」。品川駅港南商店会の秋山正利会長(58)は怒りをあらわにした。
これまで国交省が示してきた飛行ルート案では、品川区の大井町駅周辺が南風の着陸ルートの真下に当たる。航空機は東京タワー(三百三十三メートル)よりも低い高度三百メートルまで下がり、数分おきに飛ぶ。だが、新たに示された案では変更がなかった。
地下鉄車内並みの騒音も予想され、住民の多くが航空機からの落下物の懸念を抱える。秋山さんは「マンションが立ち並ぶ都心で事故が起きれば大惨事だ。補償についてもいまだ何の説明もない」と指摘する。
飛行ルート案について、国交省はこれまで都内などで住民向け説明会を実施してきた。ホールなどに一堂に集まってもらうのではなく、パネルを置いて職員が来場者の質問に答える方式をとり「二月末までに約四千五百件の多様な意見を聞いた」と説明している。
だが、秋山さんは「ショールームみたいな説明会でけむに巻かれた気持ちだ。そもそも住民の意見を聞く耳を持たなかったのでは」と疑問を投げかけている。 (神野光伸)
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