2016-04-23(Sat)

三菱自動車燃費不正 社説等(1) 車をつくる資格なし

繰り返された背信行為 法令軽視体質が繰り返すウソ 嘘つき企業に未来あるか


<各紙社説・主張>
朝日新聞)三菱自動車 教訓はどこへ行った(4/22)
読売新聞)三菱自燃費不正 法令軽視体質が繰り返すウソ(4/22)
毎日新聞)三菱自動車 繰り返された背信行為(4/22)
日本経済新聞)消費者の信頼裏切った三菱自の燃費不正 (4/22)
産経新聞)三菱自の燃費偽装 嘘つき企業に未来あるか(4/22)
東京新聞)三菱自燃費不正 車をつくる資格なし(4/22)




以下引用



朝日新聞 2016年4月22日05時00分
(社説)三菱自動車 教訓はどこへ行った


 不祥事のたびに企業体質の抜本的な改善を誓ってきたのは、いったい何だったのか。
 三菱自動車で、主力である軽自動車の燃費を実際よりよく見せようと、試験データを改ざんする不正が何年にもわたって行われていた。
 2000年と04年には大規模なリコール隠しが発覚し、経営危機に陥って三菱グループの支援を仰いだ。にもかかわらず、それ以降もさまざまなほころびが生じている。過去の教訓が生かされず、法令順守の意識を欠いているというしかない。
 同社は有識者委員会を設けて調査を進める。経営責任は免れないが、まずは不正の実態と原因の徹底解明である。
 改ざんは、新車の性能を確かめる実験部門で行われた。目標とする数値が達成できなければ、開発・設計部門で対策を考えるのが当然の対応だろう。
 なぜデータをごまかす方向へと走り、それを見抜けなかったのか。一部門の独断だったのか、経営陣からの圧力はなかったのか。
 提携先の日産自動車からの指摘で不正の端緒を得たのは昨年11月だった。それを確認するのに5カ月を要したことにも不信が募る。立ち入り検査に踏み切った国土交通省は1週間で詳細に報告するよう求めたが、三菱自の経営陣はスピード感を忘れずに対応してほしい。
 日産への供給分を含めた62万5千台のユーザーには謝罪と補償をするというが、問題は顧客への対応にとどまらない。
 データ改ざんが行われた4車種はエコカー減税の対象だった。実際の燃費は公表値より5~10%低いと見られ、車種によっては減税の区分が変わる可能性もある。本来なら国や自治体に納められるはずの税収が得られなかったとすれば、国民全体への背信行為にも等しい。
 4車種はすでに生産や登録を中止したが、軽自動車以外の試験でも国内で定められた方法とは異なるやり方をとっていたことが判明している。不正の対象が広がれば、部品メーカーや販売会社にも深刻な打撃となりかねない。
 自動車業界では、エアバッグ大手、タカタの欠陥製品への対応の鈍さが問題になり、独フォルクスワーゲンは排ガス規制を逃れる偽装を施していた。
 安全面や、燃費を含む環境対策は、いまや自動車業界の競争の主戦場だ。そこで不正が相次ぐようでは、業界全体への信頼が失われかねない。三菱自以外の各社にも、改めて経営のチェックを求めたい。
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読売新聞 2016年04月22日 03時16分
社説:三菱自燃費不正 法令軽視体質が繰り返すウソ


 三菱自動車が、軽自動車の燃費を実際より良く見せるため、データを不正に操作していたことが発覚した。
 燃費の良しあしは、消費者が車を選ぶ際の重要な判断材料だ。これを偽るのは、極めて悪質な行為である。
 走行時にタイヤなどにかかる抵抗の強さを意図的に低く見積もる方法で、燃費を5~10%良く見せかけていた。
 対象は、2013年から販売している「eKワゴン」と、日産自動車向けに生産する「デイズ」など4車種で、計62万5000台に上る。三菱自と日産は4車種の生産、販売を中止した。
 三菱自は00~04年にも、大規模なリコール(回収・無償修理)隠しなどの問題が発覚し、元社長らが有罪判決を受けている。
 その後、三菱グループの支援で経営危機を乗り切ったが、法令順守を軽視する企業体質は、変わらなかったと言わざるを得ない。
 今回のデータ不正について三菱自は、当時の担当部長が主導し、昨年秋に提携先の日産から指摘されるまで分からなかったと説明する。社内のチェック体制が全く機能していなかったことになる。
 これほど重大な不祥事なのに、4月13日まで経営トップの相川哲郎社長には報告すらなかったという。ガバナンス(企業統治)の欠如は明らかだ。
 自動車の性能に関する国土交通省の型式指定制度は、メーカーから正確なデータが提出されることを前提にして、手続きの簡素化が進められてきた。こうした規制緩和の流れを利用し、不正を働いたことは看過できない。
 対象車種の販売には、「エコカー減税」が適用された例もあるが、一部は対象外だった可能性が指摘される。税の軽減措置の悪用は、国民全体への背信行為だ。
 三菱自の不正の背景には、「低燃費競争」の激化がある。軽自動車の国内販売シェア(占有率)は、30%を超えるスズキ、ダイハツの2強に対し、三菱自は3%と大きく水をあけられている。
 経営陣から厳しい燃費目標の達成を迫られた開発部門の焦りが、不正を招いた面もあろう。
 国交省は、道路運送車両法に基づいて、三菱自の開発拠点を立ち入り検査した。三菱自も、第三者委員会を設けて調査する。
 不正は会社ぐるみではなかったのか。データ偽装が幅広く行われていたのではないか。こうした疑問にも真摯に向き合わない限り、信頼回復はあり得ない。
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毎日新聞2016年4月22日 東京朝刊
社説:三菱自動車 繰り返された背信行為


 三菱自動車が、軽自動車4車種、計62万5000台で、燃費性能を実際より良く偽っていたことがわかった。2000年と04年に明らかになったリコール(回収・無償修理)隠しに続く、3度目の背信行為だ。経営危機をようやく脱し、再建のめどがついたところでの不正である。信頼失墜は避けられず、三菱自の経営は再び瀬戸際に立たされそうだ。
 三菱自は死亡事故も引き起こした2度の大規模なリコール隠しで経営危機に陥った。三菱重工業や三菱商事、三菱東京UFJ銀行の増資などの支援を受けて再建を進めた。豪州の工場閉鎖や欧州からの撤退、車種の削減などに踏み切り、13年度に累積損失を解消した。
 燃費性能を偽った軽はこの年に発売された。再建策の一環だった日産自動車との提携・共同開発が実を結んだ「戦略車」でもあった。日産は減税の恩恵で好調な軽を販売車種に加えられ、販売網が傷ついた三菱自は生産台数を増やして収益を確保できるのが利点だった。
 軽は、国内での自動車販売の4割程度を占める人気だ。維持費の小ささと燃費の良さが魅力で、燃費がいいほど減税幅も大きく、各社は激しい開発競争を続けている。三菱自の開発部門はそうした要求を強く意識せざるを得ない中で、不正に走ったようだ。スズキやダイハツ工業に比べ、出遅れが否めない焦りもあったとみられる。
 問題の軽の中には「クラス最高水準の燃費性能」とうたった車種もあり、日産向けの約47万台を含め計62万5000台が売れた。しかし、実際はカタログに比べ5〜10%燃費が悪く、購入者は期待したより多くの燃料代を負担していたことになる。
 三菱自は購入者に何らかの補償を検討するほか、本来は対象にならないエコカー減税で国や地方自治体の税収を減らしていた場合は、穴埋めする考えだ。また、軽以外の全車種にも不正がないかを調べ、外部有識者による調査委員会を設けて全容解明に取り組む。現段階では「不正は担当部長の指示」と説明しているが、組織的な関与がなかったのか、厳しい調査が求められる。
 過去のリコール隠しは内部告発で発覚したが、今回の不正は日産に指摘されるまで把握できなかった。また、昨秋には新型車開発の担当部長2人を退職させ、新車の投入を延期する問題も起きている。「計画通りに開発が進んでいる」と上司に虚偽の報告をしていたという。
 自浄作用や社内の意思疎通が失われていたとしたら、三菱自の抱える問題の根は深い。不正はそうした組織全体に広がる問題の一端に過ぎないのかもしれない。
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日本経済新聞 2016/4/22付
社説:消費者の信頼裏切った三菱自の燃費不正


 「またやってしまったのか」という思いを禁じ得ない。三菱自動車が軽自動車で燃費をよりよく見せかける不正を意図的に行っていたと公表した。同社は以前2度にわたって組織的なリコール隠しが明るみに出て、消費者の反発で経営危機に陥った経緯がある。
 それにも懲りず、新たな不正が発覚し、三菱自の企業体質に深刻な疑問が突きつけられた。
 不正の対象は「eKワゴン」など62万5千台で、うち46万8千台は同社が日産自動車向けに供給した車だった。走行試験などを手がける性能実験部という部門が、燃費算定の前提となる「走行抵抗値」を都合よく操作し、カタログに記載される燃費性能を本来の値より5~10%水増ししたという。
 いま求められるのは、燃費不正が他の車種にも及んでいないか、あるいは燃費以外の排ガスや安全関連の規制でも不正がなかったかを早急に確かめることだ。当該車を買った人に対しては、補償も必要だろう。消費者の信頼を裏切った罪は大きい。
 再発防止に向けては、不正に手を染めた個人の特定にとどまらず、不正の背後にどんな社内力学が働いたのかの解明も不可欠だ。
 同社は昨年11月にも新車開発の遅れを会社に報告しなかったとして担当部長2人を諭旨退職処分にする異例の人事を行った。自動車会社の中枢を担う開発部門で、指揮命令系統や情報伝達に混乱が生じていないか、非常に気になる。
 不正発覚のきっかけが提携先の日産自動車からの指摘だった事実も、三菱自の自浄能力に疑問を投げかけるものだ。同社は外部有識者による第三者委員会を設け、真相究明に当たるという。これを機に組織の風土や体質が抜本的に変わらなければ、企業としての社会的存在意義が揺らぐという危機感を関係者全員が共有してほしい。
 日本の自動車産業全体にとっても今回の不正はマイナスだ。昨年は独フォルクスワーゲンのディーゼル不正が話題になったが、三菱自の不正発覚で「日本車はまじめで信頼できる」というブランドイメージが傷つかないか心配だ。
 これまで自動車の燃費算定については、所管の国土交通省はメーカーの提出するデータに依拠して算出してきた。そのデータが信頼できないとなれば、すべての試験を公的機関が実施することになり、政府部門の肥大化を招く恐れもある。不正の副作用は大きい。
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産経新聞 2016.4.22 05:02
【主張】三菱自の燃費偽装 嘘つき企業に未来あるか


 三菱自動車が軽自動車の燃費データを偽装していたことが発覚した。
 同社は過去に大規模なクレーム隠し事件を引き起こすなどで経営不振に陥り、三菱グループの支援を受けての再建途上だった。残念ながら事件の反省は、全く生かされなかったことになる。
 今回のデータ偽装は、提携先の日産自動車による指摘でみつかった。それがなければ、偽装は隠蔽(いんぺい)されたままだった可能性が高い。三菱自は一連のクレーム隠しを受けて社内の法令順守体制を強化したというが、自浄作用がどれだけ働いたのか。経営に深刻な打撃を与えることは避けられず、嘘をつく企業が生き残ることはできまい。
 燃費性能はエコカー減税の適否を決定する重要な指標だが、メーカーの自主データをもとに検査されている。検査のあり方も見直さざるを得ないだろう。
 燃費データの偽装がみつかったのは三菱自が生産する軽4車種の62万5千台で、5~10%ほど燃費性能を水増ししていたという。日産向けを含め該当車種の生産・販売を中止したのは当然である。
 社内調査に対し、担当部署の元部長は「不正を指示した」と話しているという。会社ぐるみの意図的偽装が強く疑われる。
 まずは全容の解明と、補償を含めた顧客への対応を優先させなければならない。
 平成12、16年のクレーム隠しで経営が悪化した同社は、三菱重工業や三菱商事などに株を保有してもらうなどの支援を受け、2年前にようやく16年ぶりとなる復配にこぎつけたばかりだった。
 三菱グループは、第4代社長、岩崎小彌太による経営の根本理念として、(1)所期奉公(2)処事光明(3)立業貿易の「三綱領」を掲げている。(1)では「地球環境の維持に貢献する」、(2)では「公明正大で品格ある行動を旨とする」とうたいあげている。これほど明確な形で「遺訓」に反した裏切り行為もあるまい。
 昨年秋に判明した独VWによる排ガスデータの改竄(かいざん)問題で、海外でも燃費や排ガス性能などへの関心が高まっている。この問題の対応を誤れば、日本車全体に対する信用を損ないかねない。
 国交省は業界他社にも燃費性能などのデータ確認を求めている。業界を挙げて事態の収拾と信頼の回復にあたってほしい。
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東京新聞 2016年4月22日
【社説】三菱自燃費不正 車をつくる資格なし


 リコール隠しで母子三人の死傷事故まで起こした三菱自動車で新たな不正が明らかになった。自浄作用の働かない企業に命を乗せる車をつくる資格はない-消費者の一人としてもそう言いたい。
 二〇〇二年一月、横浜市で起きた事故は忘れられない。三菱自動車製の大型トレーラーの左前輪、直径一メートル、重さ百四十キロもあるタイヤが外れて転がり、ベビーカーを押して歩いていた母子を直撃、当時二十九歳の母が死亡し幼い子ども二人がけがをした。
 三菱自動車はトレーラーを所有する運送会社の整備不良と主張したが、欠陥隠しが明らかになり、業務上過失致死傷で当時の市場品質部長ら責任者の有罪が確定している。
 この事故以外にもさまざまなリコール隠しが明らかになり、かつて名車ランサーなどを生み出した三菱の名は地に落ちた。
 燃費競争を背景にした今回のデータ改ざんは、命に関わる不正ではないが、深刻な事故の教訓を生かせず、法令を守らない企業の体質、姿勢はとうてい是認できるものではない。
 一連の不祥事は、閉鎖的な企業体質が背景にあると指摘されてきた。三菱グループという日本最大の企業集団に属し、好不況にかかわらず系列企業や下請け会社、関係者が販売を支え、外に目が向きにくい。〇〇年以降のリコール隠し問題でも、経営が急速に悪化すると三菱重工業、三菱商事などが優先株を引き受けて支援し経営再建が進められた。しかし体質は全く変わらなかったようだ。
 多くの命を乗せ、多くの活動に関わる自動車を製造販売する企業の不正は消費者への重大な裏切りである。事実関係と経営責任を明確にしなければならない。
 日本が世界でトップのシェアを持つ自動車産業は今、歴史的な転換点を迎えている。人工知能(AI)の急速な進歩で、二〇年には自動車はハード(機械)ではなく、ソフト(AIなど)が半分以上の価値を持つ製品に変貌するとみられている。
 今後、巨額の投資と世界で競う変革ビジョンが必要になり、自動車メーカー八社が激しい競争を繰り広げる日本では早晩、業界再編が避けられない。
 消費者、ユーザーの厳しい目が生き残るメーカーを決める。自浄作用の働かない三菱自動車は、消費者に引導を渡される前に市場からの退場を検討すべき時かもしれない。
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