2016-04-20(Wed)

熊本地震 被災者支援 社説等160420(1)

適切な医療心のケアを 避難の長期化にらみきめ細かな支援を
震災関連死の防止急げ  地震と減災 原発はなぜ止まらない


<各紙社説・主張>
朝日新聞)熊本地震拡大 震災関連死の防止急げ(4/20)
読売新聞)熊本被災企業 早期の生産再開に注力したい(4/20)
毎日新聞)車中泊で死者 一刻も早い対策が必要(4/20)
日本経済新聞)避難の長期化にらみきめ細かな支援を (4/20)
産経新聞)被災者のために 命救う物流網の復旧急げ(4/20)
産経新聞)阪神の教訓 経験を今こそ活用したい(4/20)
東京新聞)地震と減災 原発はなぜ止まらない(4/20)
熊本日日新聞)避けられる関連死 適切な医療と心のケアを(4/20)


以下引用



朝日新聞 2016年4月20日05時00分
(社説)熊本地震拡大 震災関連死の防止急げ


 心配された事態が足早に現実のものとなった。震災の関連死という新たな犠牲者である。
 強い余震が続く熊本地震の現場で、被災者たちの健康被害が広がっている。医療救援体制の強化が火急の課題だ。
 死亡が確認されたのは熊本市内の51歳の女性で、車の中で寝泊まりしていた。エコノミークラス症候群と呼ばれる肺塞栓(そくせん)症だった。
 長く同じ姿勢を保つことで、ふくらはぎの静脈などに血栓ができる。動き始めた途端にこの血栓が足の血管から離れ、肺の動脈をふさぐ病気だ。
 症状を訴える複数の被災者が熊本市などの病院に相次いで入院している。ほかにも患者は増え続けており、04年の新潟県中越地震の時より発生ペースが速いと指摘する医師もいる。
 血栓を防ぐには水分を十分とり、運動をすることが必要だ。
 だが避難所には飲料水や使いやすいトイレが不足しており、トイレ回数を減らすために水分をひかえる。余震の恐れや体調不良で体もあまり動かさない。そんな悪条件に陥りがちだ。
 ほかにも避難者の健康を脅かす問題が次々表面化している。
 阿蘇市の避難所では震災後のストレスや疲労によると疑われる急性心不全で77歳の女性が死亡した。避難所によってはインフルエンザやノロウイルスなどの感染症もおきた。滞積した生ゴミなど衛生状態の悪化に加え、心のケアも気になる。
 劣悪な生活環境が高齢者や子ども、持病のある人々らを今後も悩ますのは必至だが、電気や水道、ガスが確保できない病院もまだ多い。透析患者を県外の病院に移すなどの連携も進んでいるが、広く被災地域を見渡して情報を集約し、一刻も早く医療体制を整える必要がある。
 厚労省が指定した各地の緊急医療チームや、ボランティアの医療グループが、県外から次々と現地入りしている。保健師や薬剤師も含めた効率的な配置を実現するため、指揮系統の確立を急がねばならない。
 政府や県外自治体、NPOには、避難生活の向上のための強力なバックアップを望みたい。被災者の負担が少しでも軽くなるよう、清潔なトイレの設置支援や、プライバシー確保の工夫などが必要だ。
 被災者の中にも、医療の経験や知識を持つ人はいるだろう。避難所でできることを積極的に共有し、呼びかけてほしい。
 体操や水分確保など体調管理や感染症予防の消毒など、避難所で誰もが命と健康を守るために声をかけ合いたい。
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読売新聞 2016年04月20日 03時06分
社説:熊本被災企業 早期の生産再開に注力したい


 熊本地震で、多くの企業の生産拠点が操業停止に追い込まれた。
 部品供給などで様々な会社が密接に結びついており、打撃は被災企業にとどまらない。
 操業再開が遅れれば、国内生産全体の停滞を招き、景気回復の足を引っ張る恐れがある。被災企業は従業員らの安全を確保しつつ、工場の修復などに全力を挙げ、正常化を急いでもらいたい。
 熊本県には、自動車やエレクトロニクス関連の有力な工場が集積しており、生産停止の影響は全国に広がっている。
 トヨタ自動車は、完成車の組み立てを行う国内16工場のうち15工場の生産を、23日までの間、段階的に停止する。
 トヨタにドア部品などを供給するアイシン精機の子会社の工場が被災して、必要な部品を調達できなくなったためだ。
 1台の車には、2万~3万点の部品が使用され、その一つが欠けても自動車は作れない。関係する会社は数百社に上るという。
 電機製品も、部品作りから完成品の組み立てまで、多数の企業で分業する構図は同じである。
 ソニーはスマートフォン向けの画像センサーで世界首位のシェア(占有率)を持つ。熊本県内にある画像センサーの主力工場は、復旧のメドが立たない状況だ。
 液晶ディスプレー用保護フィルムで世界トップの富士フイルムの工場や、エアコンなどに使う半導体で世界2位の三菱電機の生産拠点も被災した。
 重要部品の工場が長期間、稼働しないと、影響は日本だけでなく海外メーカーにも及ぼう。
 企業グループの枠を超えて代替部品を融通するなど、産業界を挙げた対応が望まれる。
 日本のもの作りは、過剰在庫を抱えない効率的な生産方式を強みとしているが、災害時には弱点となる場合もある。
 2011年の東日本大震災でも、部品のサプライチェーン(供給網)が寸断され、多くのメーカーが生産停止を余儀なくされた。その教訓から、主要企業は部品仕入れ先のデータベース化や分散発注を進めてきた。
 日産自動車が熊本地震後、部品調達を被災企業から別会社に切り替え、完成車生産の一部を早期に再開できたのは、こうした備えの成果だろう。
 効率性と災害への耐久力をどう両立させるか。各企業は熊本地震を機に、サプライチェーンの再点検に取り組んでほしい。
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毎日新聞2016年4月20日 東京朝刊
社説:車中泊で死者 一刻も早い対策が必要


 心配されていた事態が現実のものとなってしまった。
 車の中で避難生活を続けていた熊本市内の50代女性が、エコノミークラス症候群(肺塞栓(はいそくせん)症)で死亡した。さらに同症候群の疑いで、20人以上が熊本市内の病院に搬送され、重体の人もいる。極めて深刻だ。
 地震が続発している被災地には、自分の車で寝泊まりしている人が多数いる。熊本県益城町では、避難場所に指定されていない施設の大規模な駐車場で、数千人が車中泊している。亡くなった女性のように自宅敷地で車中泊する人を含めた実数は、自治体も把握できていない。
 車中泊が多いのは、避難所の収容能力が追いつかないためだ。さらにプライバシーのない避難所を避けたい意識もあるだろう。車中なら地震が起きても建物の下敷きになる恐れがなく安心だという人もいる。
 だが、同じ姿勢を取り続ける車中泊は、同症候群にかかる危険を伴う。水分を取るのが予防策だが、トイレの回数を減らすため、怠りがちになる。妊娠中や産後すぐの女性は特にリスクが高く注意が必要だ。
 車中泊にとどまらず、避難環境の悪化が心配だ。断水で、トイレなどの衛生が劣悪な避難所もある。熊本市内の避難所では、下痢症状を訴えた人からノロウイルスが検出された。集団感染の恐れもある。
 避難環境の改善が急務だ。その上で、高齢者や幼児を持つ母親らについては、いったん被災地を離れることも選択肢の一つだろう。
 都道府県域を超えた住民避難が広域避難だ。地震の心配がない地域に一定期間移る、緊急の広域避難も考えるべき時ではないか。
 過去の災害をみると、広域避難を実現させるのは簡単ではない。
 新潟県中越地震では、高齢者に長野県の温泉地などに避難してもらおうと行政が呼びかけたが、応じる人はいなかった。東日本大震災でも原子力災害に遭った福島の人たちに、関西の自治体が受け入れを表明したが、広域避難につながらなかった。
 仕事があって、離れられない人もいるだろう。言葉も異なる見知らぬ町で、家族と別れて暮らすのをためらう気持ちが強いのは理解できる。
 ただし、劣悪な環境で無理な避難を続ければ、高齢者や病弱な人が健康を害する恐れがある。命を守ることを最優先してほしい。
 福岡県や長崎県など九州の自治体から避難先を提供したいと手が挙がっている。同じ地区の人は同じ避難先にしたり、避難後も地元の情報をこまめに発信したりするなど、行政が安心材料を積極的に提供することが、被災者の背中を押すことになる。行政の調整力が問われる。
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日本経済新聞 2016/4/20付
社説:避難の長期化にらみきめ細かな支援を


 熊本県や大分県で続く地震はなおも落ち着く兆しが見えない。避難所に身を寄せている人は10万人に及び、食糧や水などが不足している。避難の長期化をにらみ、官民が協力して救援を一段と強めるべきだ。被災者の不安をくみ取りきめ細かな支援が欠かせない。
 気象庁によれば、14日に地震が始まって以来、人が感じる揺れは600回を超えた。地震を起こした活断層にはまだ動いていない「割れ残り」があるとみられ、今後の活動は予断を許さない。
 家屋の全半壊はわかっているだけで2千棟を超え、住人は仮設住宅ができるまで避難を余儀なくされる。耐震性に不安がある家も揺れが警戒される間は帰れない。電気や水道などの復旧の遅れも避難生活の長期化をもたらす。
 余震が多かった2004年の中越地震では、死者68人のうち8割近くが「災害関連死」だった。被災者はやまない余震におびえ、不自由な避難生活のストレスも重なった。亡くなった人の多くが高齢者や持病のある人だった。
 これを繰り返してはならない。政府は被災者生活支援チームを設け、食糧や水、毛布などの手当てを始めた。被災地以外の自治体から備蓄物資を融通すれば、量は足りるはずだ。それが特定の避難所に偏らないように、迅速に交通整理するのが政府の役割だろう。
 モノにとどまらない支援も要る。避難所に常駐し、被災者の相談にのる医師や薬剤師、心のケアを担う専門家などを増やす必要がある。日本医師会や日本薬剤師会、被災者支援のノウハウをもつ民間団体などの協力を仰ぐべきだ。
 狭い車中で寝泊まりするうちに体に血栓ができて起きる「エコノミークラス症候群」になり、亡くなる人も出ている。車中泊が危険なことは過去の地震でもわかっていた。犠牲者がこれ以上増えないように、国や自治体は的確な情報発信にも努めてほしい。
 被災した建物が安全かどうかチェックする「応急危険度判定」も早急に進めたい。登録した建築専門家がボランティアとして調べ、「調査済」「要注意」「危険」の3つに分類して標識を貼る。
 地震がおさまったとき、戻れる家と危険な家が分類されていれば、帰宅の可否を判断する目安になる。判定士は全国に10万人いる。自治体が手分けして派遣を要請し、被災地を迅速に調べる態勢づくりを考えるべきだ。
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産経新聞 2016.4.20 05:01
【主張】被災者のために 命救う物流網の復旧急げ


 熊本県で避難者向け救援物資の配送が停滞している。避難所からは支援を求める悲痛な叫びが届いており、関連物資を被災者の手元に送り届ける輸送網を一刻も早く確立しなければならない。
 まず、道路や鉄道などのインフラの早期復旧が不可欠である。とくに土砂崩れなどで道路網が寸断された被災地に対し、支援物資の輸送など緊急車両の通り道を確保する復旧作業に官民で全力を挙げてほしい。
 避難所生活を余儀なくされている被災住民に、食料や水などの支援物資は十分に届いていない。道路や鉄道が寸断されるなど輸送体制の復旧が遅れていることも大きな要因だ。
 物流の大動脈である九州自動車道では土砂崩れに加え、高速道をまたぐ橋が崩落して通行止めとなっている。大きな余震が続く中、安全面に配慮しながらも迅速な作業にあたってほしい。
 被災した自治体からの要請が伝わるまでに時間がかかった東日本大震災の反省を踏まえ、政府は現地からの要請がなくても支援物資を輸送する作戦を展開中だ。
 だが自治体側の人員不足などで物資の受け入れ態勢が整っていないケースも見受けられる。
 避難所向けに支援物資を輸送する熊本市内の中継拠点では、トラックの荷降ろしができる場所が限られ、順番待ちのトラックで長い列ができている。熊本県庁のロビーには全国から送られた物資が山積み状態にある。物流全体を統括する仕組みが欠かせない。
 被災地に食料や水が輸送できても、避難者に配るための紙コップや紙皿などが不足するミスマッチも起きている。政府は被災自治体に政府職員の派遣も始めた。自治体の指定を受けていない施設に避難している住民も多い。被災地との連携に万全を期してほしい。
 避難所だけでなく、品不足が目立つスーパーやコンビニ向けの商品供給網の回復も急ぎたい。各社が輸送地域を分担する共同配送なども検討すべきだ。被災地やその周辺地域の生活支援にあたるため、民間企業の効率性や機動性を生かしてもらいたい。
 ガソリンスタンドなどでは、燃料不足や停電で休業している店も多い。全国から電源車も投入されているが、タンクローリーの共同配送などを含め、民間支援の体制も充実させたい。
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産経新聞 2016.4.20 05:02
【主張】阪神の教訓 経験を今こそ活用したい


 熊本県を中心にした地震は発生から5日が過ぎた。なお強い余震が続き、安否不明者の捜索は困難を極める。避難生活も長期化の様相だ。
 過去の大災害の教訓を生かして、苦難を乗り越えなければならない。
 これまでのところ、被災者支援は残念ながら不備が目につく。避難した人たちの状況が正確に把握できず、慣れない避難所暮らしや車中泊で、疲労・ストレスやエコノミークラス症候群による「震災関連死」も相次いでいる。
 初めの震度7が「前震」で、阪神大震災と同規模の「本震」が後から起きるという「予測困難」(気象庁)な地震で、混乱したのもやむを得ない面がある。だが、これからは被害の拡大を最小限に抑え、長期化を覚悟して、改めて体制を整備すべきだ。
 避難している人たちも、国や自治体に頼るだけではいけない。避難生活の環境改善などに自分たちで取り組む必要がある。
 阪神大震災では、避難所でさまざまな問題が生じた。
 当時の貝原俊民兵庫県知事(故人)は「避難所の運営管理は行政だけではとうてい無理である。運営がうまくいったところは、避難所で自然発生的に生まれた自治会と、それをサポートするボランティア組織が機能したところであった。そこには成熟した市民性が感じられた」と振り返っている。
 司馬遼太郎さんは神戸のタウン誌に一文を寄せ、「家族をなくしたり、家をうしなったり、途方に暮れる状態でありながら、ひとびとは平常の表情をうしなわず、たがいにたすけあい、わずかな救援に、救援者が恥じ入るほどに感謝する人も多かった」と書いた。
 もちろん、行政もまかせっきりにしたわけではない。
 県職員と警察官でパトロール隊を編成して避難所を巡回した。不満や要望を聞いて、改善策を立てるとともに、避難所を出た後の意向調査を行い、仮設住宅の建設戸数などを復旧・復興計画に盛り込んだ。これらの活動は、被災者に安心感と希望を与えることにもつながった。
 こうしたノウハウは、その後の新潟県中越地震や東日本大震災でも役立ち、さらに蓄積された。被災地で救援活動をした人材は官民ともに少なくない。
 経験という引き出しを、今こそ開けて活用すべきだ。
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東京新聞 2016年4月20日
【社説】地震と減災 原発はなぜ止まらない


 過去にないような地震が起きた。ところが過去の想定に従って、九州電力川内原発は動き続けている。被災者の不安をよそに、責任の所在もあいまいなまま、3・11などなかったかのように。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は川内原発に「安全上の問題が起きるわけではない」と言う。
 政府もこれを受け「運転を停止する理由はない」と断じている。
 規制委は、川内原発の再稼働を認めた審査の中で、今回の地震を起こした布田川・日奈久断層帯による地震の規模はマグニチュード8・1に及ぶと想定したが、原発までの距離が約九十キロと遠いため、影響は限定的だと判断した。
 熊本地震は、その規模も発生のメカニズムも、過去に類例のない、極めて特異な地震である。
 複数の活断層が関係し、断層帯を離れた地域にも、地震が飛び火しているという。
 通説とは異なり、布田川断層帯は、巨大噴火の痕跡である阿蘇のカルデラ内まで延びていた。海底に潜む未知の活断層の影響なども指摘され、広域にわたる全体像の再検討が、必要とされている。正体不明なのである。
 未知の大地震が起きたということは、原発再稼働の前提も崩されたということだ。
 新たな規制基準は、3・11の反省の上に立つ。「想定外」に備えろ、という大前提があるはずだ。
 未知の地震が発生し、その影響がさらに広域に及ぶ恐れがあるとするならば、少なくともその実態が明らかになり、その上で「問題なし」とされない限り、とても「安全」とは言い難い。
 過去の想定内で判断するということは、3・11の教訓の否定であり、安全神話の時代に立ち戻るということだ。
 川内原発は、1、2号機とも運転開始から三十年以上たっており、老朽化も進んでいる。小刻みに続く余震で、複雑な機器がどのようなダメージを受けているのか、いないのか。
 交通網が断ち切られ、食料の輸送さえ滞る中、十分な避難計画もできていない。
 その上、九電は、重大事故時の指令所になる免震施設の建設を拒んでいる。
 原発ゼロでも市民の暮らしに支障がないのは、実証済みだ。
 それなのに、なぜ原発を止められないの? 国民の多くが抱く素朴な疑問である。
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熊本日日新聞 2016年04月20日
社説:避けられる関連死 適切な医療心のケア


 県内に甚大な被害をもたらした熊本地震は発生から6日が過ぎたが、まだ収束する気配は見えない。倒壊した家屋の下敷きや崩落した土砂に巻き込まれるなどして犠牲になった人は40人を超え、行方不明者の捜索も続いている。
 一方、各地の避難所には、家をなくした人や地震の被害から身を守ろうとする人が詰め掛け、不安な時を過ごしている。水や食料が十分に行き渡らず、疲労した心身をゆっくり休めるスペースが確保できないなど、不自由な環境にストレスを募らせている避難者も少なくない。
 そうした中、阿蘇市の避難所で同市の77歳女性が急性心不全で死亡していたことが分かった。熊本地震では初の「震災関連死」とみられる。阿蘇署によると、女性は17日午前9時すぎ、トイレで倒れていたという。
 熊本市では自宅近くで車中泊していた50代女性が、血の塊(血栓)が肺に詰まる「エコノミークラス症候群」で命を落とした。同症候群で亡くなった避難者は初めてで、18日までに、ほかに少なくとも16人が医療機関に救急搬送されるなどした。
 活発な地震活動が続く中、行方不明者の捜索とともに、避難者の命をどう守るのかが、大きな課題となっている。国、県は、被災した市町村や医療機関などと連携し、震災関連死を防ぐ手立てを早急に講じてほしい。
 震災関連死は、地震で家族や家、財産などを失いながらも、何とか命の危機を免れた被災者が避難先で体調を崩して亡くなってしまうケースだ。1995年1月の阪神大震災では、兵庫県の集計で919人が震災関連死と認定された。2011年3月に発生した東日本大震災では、福島、宮城、岩手3県で3410人に上った。特に東京電力福島第1原発事故で避難生活が長期化している福島県では2千人を超え、地震や津波による直接的な原因で亡くなった1604人を大きく上回った。そのほとんどが高齢者だ。
 阿蘇市で亡くなった女性は避難直後から「家に帰りたい」と繰り返していたという。市の避難所には高齢者の姿が目立ち、市は保健師8人を交代で巡回させているが「支援が必要な高齢者も多く、保健師が足りない」と訴える。各地の避難所でも、高齢者に限らず、負担が大きい避難所生活で体調を崩したり、持病が悪化したりしている人も少なくないだろう。
 東日本大震災の被災地で医療に携わった専門家は「医療者がすべての避難所を回って劣悪な環境になっていないかチェックしたり、リスクのある人を診たりして、きちんと対応すべきだ」と指摘する。また、「医療の専門家ではない地域住民の目配りも、体調不良者の早期発見など関連死の予防に役立つ」としている。
 地震の発生を防ぐことはできないが、震災関連死は適切な医療や心のケアが受けられれば十分に避けられる。守れる命をみすみす失ってはならない。
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