2016-04-26(Tue)

熊本地震 激甚災害指定 社説等 160425-26

速やかな復旧に生かせ  早期復旧へ対策急がねば  九州新幹線--復興へ弾みつく全線再開 
福祉避難所--相互支援で人的不足を補え  子どものケア--不安な思い受け止めて
震災と企業--求められる役割は重い 被災文化財の再建--復旧、復興の精神的支えに

<各紙社説>
毎日新聞)激甚災害の指定 速やかな復旧に生かせ(4/26)
神戸新聞)地震と経済/早期復旧へ対策急がねば(4/26)
西日本新聞)九州新幹線 復興へ弾みつく全線再開(4/26)
宮崎日日新聞)福祉避難所 相互支援で人的不足を補え(4/26)
南日本新聞) [熊本地震・子どものケア] 不安な思い受け止めて(4/26)
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毎日新聞)震災と企業 求められる役割は重い(4/25)
熊本日日新聞)被災文化財の再建 復旧、復興の精神的支えに(4/25)
西日本新聞)熊本地震と原発 福島事故の教訓を生かせ(4/25)



以下引用



毎日新聞2016年4月26日 東京朝刊
社説:激甚災害の指定 速やかな復旧に生かせ


 被災地が求める復旧政策を速やかに進めてほしい。
 政府は、熊本地震激甚災害に指定することを閣議決定した。それに先立ち、安倍晋三首相は、熊本地震復旧のための補正予算案の編成を麻生太郎財務相に指示した。
 激甚災害の指定により、被災した自治体の復旧事業への補助が通常の7〜8割程度から最大9割程度にまで引き上げられ、中小企業支援なども拡充される。
 補正予算案は数千億円規模とみられ、被災者の生活支援策と、道路などのインフラ復旧費の2本柱となる。この予算は、仮設住宅の建設やがれき処理にも充てられる見通しだ。政府・与党は来月13日にも国会に提出し、今国会中の成立を図る。
 当面の政府の対策には予備費が充てられている。だが、今後の復旧、復興を考えればまだ相当の財源が必要になるだけに、補正予算で早期に対処するのは当然だろう。
 ただし、予算を確保すれば復興・復旧が進むわけではない。スピードときめ細かい行政対応が必要だ。
 被災地では、住宅の損壊が約1万棟に上り、自宅に帰れない避難者は今も約5万人いる。まずは、被災者の要望をくみ取り、被害の正確な把握をすることが求められる。
 被災した建築物の倒壊可能性などの診断は緊急性が高い。調査に当たる「応急危険度判定士」について、熊本県が政府に広域支援を要請し、大幅な増員が図られた。今月中に判定を終えたいとしている。
 建物の傷み具合を3分類し、危険な場合は赤いステッカーが張られる。2次災害防止に役立つほか、安全性が確認された住宅には被災者が戻る可能性も生まれる。
 熊本市や益城町では仮設住宅の建設が予定されるが、建物の診断は建設戸数を決める基礎資料にもなるだろう。現状の把握と並行し、仮設住宅の建設準備を進めるべきだ。
 衛生面の改善を求める声も強い。阿蘇市や益城町などではごみ処理場が損傷し、ごみ処理が追いついていない地域がある。近隣自治体での受け入れなど、対応を急ぎたい。
 被災者が生活再建の支援金などを受け取るのに必要な罹災(りさい)証明の発行も、大切な行政手続きだ。だが、避難所運営などで人手をとられ、阿蘇市など受け付けを始められていない自治体が出ている。全国の自治体からの応援職員を適切に配置するなどして対応してほしい。国全体で熊本の復興を支える体制を築きたい。
 東日本大震災では、計上した復興予算が事業費の高騰などで活用されないケースや、目的外に使われたケースが出た。そういうことがないよう注意が必要だ。
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神戸新聞 2016/04/26
社説:地震と経済/早期復旧へ対策急がねば


 熊本、大分両県を中心に活発な地震活動が続いている。避難生活も長引く見通しで、道路や水道などのライフラインの復旧も遅れている。
 政府はきのう、道路や公共施設の復旧事業などで国の補助率を引き上げる激甚災害指定を決めた。必要な予算措置を急ぎ、一日も早い復旧を目指さねばならない。
 今回の地震では、企業活動も大きな打撃を受けた。熊本県や大分県は水や用地が確保しやすく、自動車関連や半導体の工場が集積している。現地工場が被災したことで部品供給網(サプライチェーン)が寸断され、影響は全国に拡大した。
 トヨタ自動車は、熊本市にあるグループ会社の工場の部品供給が止まり、全国の車両組立工場の大半が操業を停止した。ダイハツ工業や三菱電機なども生産を休止した。
 兵庫県内企業も現地工場が一時操業を停止したり、トヨタの工場休止に伴い生産調整を迫られたりした。
 今週に入り、トヨタの愛知県内の工場など一部では再稼働の動きが出ている。だが、熊本県内にある三菱電機の半導体工場やソニーの画像センサー工場、ホンダの二輪車工場などは引き続き操業を停止している。
 余震が続く中での安全確認や復旧作業は困難を伴う。今後の影響が気掛かりだ。
 サプライチェーンの寸断は、東日本大震災でも大きな問題になった。その後、多くの企業は工場の耐震化や下請けを含めた取引の流れの把握、部品の調達先の分散化など対策を強化したが、今回も影響は避けられなかった。2度の経験を踏まえた災害対策の見直しが必要だろう。
 自動車産業はとくに裾野が広く、関連産業や中小企業、雇用への影響が心配される。長期化すれば足踏み状態にある景気の足を引っ張りかねない。阪神・淡路大震災以降、中小企業の資金繰りを支援する融資制度などが創設された。政府はきめ細かな経済対策を講じるべきだ。
 熊本や大分は、有数の農業生産地でもある。農地などへの被害をはじめ、交通網寸断による出荷の停止や遅れなども出ている。農業の支援策も不可欠だ。
 九州地方は中国、韓国などアジアの外国人客が増えていたが、観光産業へのダメージも予想される。政府、自治体は海外の不安払拭(ふっしょく)へ正確な情報発信に努めるべきだ。
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=2016/04/26付 西日本新聞朝刊=
社説:九州新幹線 復興へ弾みつく全線再開


2016年04月26日 10時39分
 熊本地震の影響で寸断された九州新幹線が、復旧への歩みを早めている。20日に新水俣-鹿児島中央が営業運転を再開し、23日には博多-熊本も動き始めた。
 JR九州は残る熊本-新水俣についても復旧作業に全力を挙げ、早ければ大型連休前の27日から走行させる方針という。
 順調に進めば、14日の地震から2週間という早期の全線再開になる。震災で受けた経済や観光などへの打撃を少しでも軽減させたいという狙いもあるのだろう。
 言うまでもなく九州新幹線は九州の大動脈だ。復興へ向け大きな弾みになることを期待したい。
 今なお大きな揺れが続く。現場作業員らの安全確保には最大限の注意を払いながら、復旧を進めていってほしい。
 九州新幹線は地震後、熊本駅の南方で回送車両が脱線した。24日に脱線車両の撤去を終えている。
 このほか、熊本県内の区間では高架線や防音壁などに約150カ所の損傷が発生した。
 損傷箇所の多くは応急的な補修にとどまっている。通常は最高時速260キロだが、一部区間で時速70キロに減速するという。通常ダイヤへの復帰を可能にする本格修復には時間がかかりそうだ。
 改めて驚くのは「本来あってはならない」(JR九州関係者)はずの新幹線車両の脱線事故が起きてしまったことである。
 50年を超す新幹線の歴史でも地震による脱線は過去、2004年の新潟県中越地震と11年の東日本大震災の2回しかなかった。
 今回が3度目になる。地震対策は万全だったのか。鉄道事業の根幹に関わる安全性が大きく揺らいだことは間違いない。
 脱線を食い止める線路の「脱線防止ガード」が設けられているのは、全257キロのうち24キロで、1割にも満たない。
 すべてに設置することは困難かもしれないが、今回の教訓を生かして地震対策を再検討してほしい。復旧作業と併せて脱線の原因を徹底的に究明し、早急に追加的な安全対策を講じるべきである。
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宮崎日日新聞 2016年4月26日
社説:福祉避難所 ◆相互支援で人的不足を補え◆


 地震で大きな被害を受けた熊本県で浮き彫りになっているのが、高齢者や障害者らに専門的ケアを提供する「福祉避難所」の運営の難しさだ。介護や介助に当たる人員と物資不足で、十分機能していないと伝えられている。
 避難生活による犠牲者をこれ以上出さないためにも、全国からの緊急的な応援が必要なのではないか。一方本県では、国が指定を求めている福祉避難所を一つも設置していない自治体が、26市町村中5町村ある。災害時は混乱することを見越して、どういう態勢で臨むべきか今のうちから考えたい。
現場の疲弊が深刻に
 福祉避難所は、介護や介助が必要な高齢者、障害者、認知症患者、妊婦ら、一般の避難所では生活するのが困難な人々を受け入れる避難所。ポータブルトイレ、手すりやスロープなど施設面の整備や、生活を支える介護職など人材確保が求められている。
 自治体が高齢者施設や障害者支援施設などと協定を結んでいるケースが多い。ケアが必要な人に、災害時にも配慮がなされる場所が確保されていることは、本人にとっても家族にとっても心強い。
 だが熊本地震では、指定を受けていても、スペースや人員不足のために本来の機能が発揮できていない状態の施設がみられる。多くの職員が被災して出勤できなかったり、一般の避難者が殺到したりして現場は混乱しているようだ。
 介護の現場は平時でも慢性的な人手不足の状態にある。
 避難所では限られた職員が業務に当たることになり、肉体的、精神的な疲れが心配だ。無理を重ねれば、長期的な被災者ケアは継続できない。非常時には被災地外の自治体から応援スタッフを派遣するなど、「ケアする人をケアする」発想で、相互支援、広域連携を進めたい。
山間部で未設置多く
 阪神大震災、東日本大震災などでも、長期化する避難生活による健康悪化や「震災関連死」が問題になった。きめ細かなケアを行えるよう、国は小学校区に1カ所程度を目安に「身近な場所」での福祉避難所の設置を求めている。
 県によると本県では2月1日現在、21市町が計180施設を福祉避難所と決めている。未設置は国富町、美郷町、西米良村、諸塚村、椎葉村で、「設備が整った施設がない」などの事情があるようだ。
 全国では昨年1月末時点で24%超の自治体が未設置で、遅れが目立つのが山間部の町村だ。活用できる民間施設の少なさや、公共施設のバリアフリー化の遅れが背景にあるという。人手不足も深刻だ。
 山間部は災害時、道路が遮断され孤立する恐れもある。小規模自治体では対策に限界がある場合、国や県の支援が待たれる。
 また避難所運営をスムーズにするためには、協定締結で終わらせず、普段から受け入れ訓練などを通して課題をあぶり出し、解決策を考えておくことが不可欠だ。
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南日本新聞 ( 2016/4/26 付 )
社説: [熊本地震・子どものケア] 不安な思い受け止めて


 熊本地震から10日余が過ぎたが、熊本県内では依然として多くの学校が休校になっている。
 地震で校舎が損壊したり、学校が被災者の寝泊まりする避難所になったりしているためだ。
 気掛かりなのは、避難所などで暮らす子どもたちのことだ。地震への恐怖から精神的に不安定になっているのではないか。友達と会えず、勉強の遅れなども心配なことだろう。
 元気そうに見えても、子どもたちも被災者である。一日も早い学校の再開を願うとともに、一人一人の不安な思いを受け止めてケアにあたってほしい。
 地震が教育現場へ与えた影響は、深刻である。
 熊本県などによると、25日時点で小中高校や幼稚園など計391カ所で休校・休園が続き、多くで再開のめどが立っていない。通学・通園できない児童生徒、園児は約14万6000人で、全体の6割超に上る。
 校舎が損壊したり、水道やガスなどのライフラインが寸断されるなど、県立高校の約4分の3、市町村立小中学校の8割超で建物に被害が確認されている。
 安全性の調査と補修を迅速に進めたい。避難者の保護が最優先だが、早期の学校再開で子どもたちの日常を取り戻してほしい。
 避難している子どもたちからは「寝るのが怖い」という声も聞かれる。専門家によると、トラウマ(心的外傷)になるような経験をすると、退行現象(赤ちゃん返り)が見られ、親への依存性が強くなることもあるという。
 大きな災害に遭った子どもたちの心の傷は、阪神大震災や東日本大震災でも問題になった。
 阪神大震災では、8年後の2003年になっても、心的外傷後ストレス障害(PTSD)が疑われる小中学生が1900人以上いたという調査結果がある。
 過去の災害の経験を生かし、専門家や自治体が連携して支援態勢を構築しなければならない。
 すでに、子どもたちの心のケアに取り組み始めた専門家たちがいることは心強い。
 南阿蘇村の避難所では、心療内科医が「お絵描き会」を開いた。子どもたちから困っていることを聞き出した上で、村の風景や自宅の絵を描かせる。ため込んだストレスを吐き出させるのが狙いだ。
 ボランティアが遊び相手になっている避難所もある。時間をかけて心を癒やす取り組みを続けてもらいたい。
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毎日新聞 2016年4月25日 東京朝刊
社説:震災と企業 求められる役割は重い


 熊本地震は、企業の生産や流通にも影響を与えており、それを最小限にとどめる対応が各企業で続いている。今後はこうした経済活動の面だけでなく、支援や雇用確保などでも大きな役割が求められる。
 熊本県をはじめ九州中部は、自動車や半導体など電機関連の工場が集積する。このため、地震発生で生産停止の影響が全国に広がった。
 トヨタ自動車は国内15工場の操業を停止した。ドア部品などを供給するアイシン精機の子会社工場が被災したためだ。アイシンは海外工場を含めた代替生産を急ぎ、トヨタは25日から11工場の順次再開を決めた。
 一方、ホンダは二輪生産拠点の熊本製作所の復旧が進まず、早くて大型連休明けの再開だ。
 エアコンなどに使う半導体を手がける三菱電機の工場は連休明けに再開するが、ソニーのスマートフォン向けの画像センサー工場はめどが立たない。ビールや清涼飲料などを生産するサントリーの工場も設備点検に時間がかかっている。
 大きな打撃を受けた東日本大震災の教訓で、企業は工場の耐震化をはじめ、部品在庫の積み増しや分散発注を進めてきた。こうした対策の成果がどうだったかの検証と、新たな課題の洗いだしが必要だろう。
 ただし、全面的に生産体制を再検討し、被災地の取引先や下請けとの関係も見直せば「二重のダメージ」を与える。住民の生活再建のためにも、地元企業との長期に安定的な関係を重視してもらいたい。
 来春入社予定の就職活動の時期と重なり、被災地の大学生らに不安が走った。経団連は柔軟な対応を各企業に求めている。
 いくつかの企業が、九州の学生を対象に企業説明会などの延期を決め、被災地に実家があるなどの事情がある学生は、6月以降の選考を検討する企業もある。公平・公正な採用機会を確保するため、できる限りの配慮をしてほしい。
 企業には被災地支援の役割も期待される。吉野家は熊本県益城町の避難所で牛丼約1000食、壱番屋も熊本市内で約4000食のカレーライスを提供した。支援の手法はいろいろある。それぞれの経営資源を生かした知恵と対応が求められる。
 東日本大震災後、富士通総研が一般市民を対象に企業の役割について聞いた。「企業にどんな貢献を期待するか」との問いには、被災地の商品の流通・販路開拓支援▽雇用の受け入れ▽支援物資・自社製品の提供▽被災地の既存産業復興の支援−−などが上位を占めた。
 地震の影響は長く続く。企業には目先にとらわれない、長期的な視点に立った取り組みが欠かせない。
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熊本日日新聞 2016年04月25日
社説:被災文化財の再建 復旧、復興の精神的支えに


 熊本地震は、人々の暮らしを直撃しただけでなく、多数の文化財にも被害を及ぼした。被災者支援やライフライン、交通網の復旧が優先されるのは当然だが、先人から引き継がれ、地域の精神的な支えになっている文化財の再建にも目を向けたい。それが今後の復旧、復興に向けた支えにもなるはずだ。
 熊本のシンボルである熊本城は、目を覆いたくなるような惨状を呈している。熊本市の調査では、国指定重要文化財の建造物13カ所のうち、東十八間櫓[ひがしじゅうはちけんやぐら]など5カ所が崩落や倒壊など壊滅的な被害を受けた。宇土櫓など残る8カ所の損傷も大きい。「武者返し」で知られる石垣も、あちこちで崩壊している。
 現地に入った文化庁の調査官は、熊本城の修復としては過去最大規模になるとの見通しを示したが、どれくらいの費用や期間を要するか、どんな手順で進めるかは現時点では見通せない。観光面で大きなダメージとなることは間違いない。
 熊本市は熊本城の修復に向けて、専用の口座を設けて支援金の受け付けを始めた。既に日本財団が、熊本城の修復資金として30億円、その他の支援も合わせると93億円の提供を伝えるなど、国内外から支援の申し出が多数寄せられている。熊本市民や県民に対しても、一日も早い修復に向けて可能な限りの協力を呼び掛けたい。
 熊本城以外にも多くの文化財が被災した。21日までの県のまとめでは、県内にある国の文化財301件のうち45件が倒壊や崩落、亀裂が入るなどの被害を受けていることが分かった。詳細な調査が進めば、被害がさらに増える恐れがある。
 阿蘇市の阿蘇神社は、国指定重要文化財の楼門が倒壊。「自宅が壊れるよりつらい」と落胆する住民もいた。江戸時代から続く地主の屋敷で、第11代当主一家が暮らす大津町の江藤家住宅も、国の重要文化財に指定された建物の大半が被害を受けた。県指定文化財では、熊本市中央区にある県内最古の洋館ジェーンズ邸が全壊している。
 建造物以外の文化財への影響も懸念される。阪神大震災や東日本大震災では、個人が所有する文化財が後片付けの際などに廃棄される事態が発生した。
 今回の被災で同様の状況になれば、貴重な歴史遺産が失われるだけでなく、復興のよりどころが永遠に損なわれることになりかねないとして、熊本市立熊本博物館は古文書や農具、絵馬のような信仰に関わるものなどの保全を呼び掛けている。県内の有識者は、古文書の散逸を防ぐためのグループを発足させた。
 文化財の建造物が地震で倒壊すれば、文化的価値が損なわれるのはもちろんだが、観光客が中に居合わせた場合は人命にも関わる。過去の震災の際も同様の指摘があったが、住宅や公共施設などとともに文化財の耐震化も進めていく必要がある。
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=2016/04/25付 西日本新聞朝刊=
社説:熊本地震と原発 福島事故の教訓を生かせ


2016年04月25日 10時36分
 熊本、大分両県を中心にした地震活動は、依然として震源域の広範囲で活発な状況が続く。
 気象庁は強い揺れへの警戒を呼び掛けている。そこで改めて気になるのは、全国で唯一稼働する九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)のことだ。
 原子力規制委員会の田中俊一委員長は、川内原発を予防的に停止させる可能性について「安全上の理由があれば止めなければならないが、今の状況で問題があるとは判断していない」としている。
 九州・中四国の4原発で観測された揺れは原子炉自動停止の設定値を大幅に下回ったとして、異常がないことを確認したという。
 規制委は川内1、2号機の新規制基準への適合性審査で、今回活動した布田川(ふたがわ)・日奈久断層帯についても検討している。
 最大で地震の規模がマグニチュード(M)8・1になると想定したが、原発までの距離が約90キロと遠く影響は限定的とした。地震は川内原発に近い熊本県の南西方向でも活発化しているが、震源がさらに同方向に移っても川内原発の安全性に問題はないとみている。
 そんな楽観的な見方で、本当に大丈夫なのだろうか。
 気象庁は震源域が広範囲に及ぶ熊本地震について「レアケースで先が見通せない。いつまた大きな地震があるか分からない」との見解を示している。
 いたずらに不安をあおるのは論外だが、想定外の事態に見舞われた東京電力福島第1原発事故を教訓とするならば、もっと危機的な状況認識があってもいいはずだ。規制委は地震の状況を注視しながら、的確な判断を下してほしい。
 規制委の見解を追認し、主体的な判断を避ける政府の姿勢も疑問だ。政府は原発再稼働でも、安全性については規制委の判断に委ねる形をとっている。
 国民の安全を守る観点から考えれば、政府が原発の稼働や事故の最終的な責任を負うべきだ。震源域の広まりや避難態勢などを総合的に考慮し、福島事故の教訓を生かした対応を求めたい。
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