2016-04-27(Wed)

三菱自動車燃費不正 社説等(2) 懲りぬ体質にあきれる

消費者への背信またも 不正繰り返す企業体質  根が深い組織の隠蔽体質 なぜ教訓を生かせない

<各紙社説・論説>
北海道新聞)三菱自動車不正 消費者への背信またも(4/22)
河北新報)三菱自 燃費不正/隠蔽体質 徹底して切り込め(4/22)
信濃毎日新聞)三菱自動車 不正繰り返す企業体質(4/22)
京都新聞)三菱の燃費不正  懲りぬ体質にあきれる(4/22)
神戸新聞)三菱自の不正/根が深い組織の隠蔽体質(4/22)
中国新聞)三菱自の燃費不正 なぜ教訓を生かせない(4/22)




以下引用



北海道新聞 2016/04/22 08:55
社説:三菱自動車不正 消費者への背信またも


 三菱自動車は、軽自動車の燃費試験で2013年以降、不正行為があったと発表した。
 燃費性能を実際の数値より5~10%程度良く見せていた。
 自動車を買う際に大きな決め手となるのは燃費だ。確かなデータによる裏付けがあってこそ、性能が保証される。その根幹の数字に手を加えることは、購入者への背信行為にほかならない。
 三菱自動車は所有者に丁寧な説明をしたうえで、公表数値より余計にかかった燃料費や、エコカー減税の対象から外れた場合の負担などにきちんと対応すべきだ。
 過去にも三菱自動車は重大なリコール(無料の回収・修理)隠しが問題になった。なぜ偽装を許す体質を改められないのか。
 不正行為の原因を解明し、再発防止策を早急に講じてほしい。そのうえで経営責任の明確化と、社内体制の抜本改革が求められる。
 国土交通省は道路運送車両法に基づく立ち入り検査を行った。4車種以外の車にも問題はないのか、調査を急ぐべきだ。
 不正の対象は「eKワゴン」など2車種15万7千台と、日産自動車向けに生産した2車種46万8千台だ。いずれも、燃費や排ガス規制の基準を満たせば税金を軽減するエコカー減税の対象だった。
 当時の担当部長が「不正を指示した」と話している。走行時の「抵抗値」のデータを国土交通省に報告する際、意図的に有利な数値を伝えたとされる。
 自動車業界では、優れた燃費を目指す競争が激しい。不正にはそうした背景もあるのだろう。
 深刻なのは、発端となる情報が社内ではなく、日産から昨秋もたらされたことだ。自浄作用が働かないのか。外部有識者の調査委員会を設けるというが、まず自社で解明を進めるべきだ。
 三菱自動車は00年、04年に「リコール隠し」が発覚した。顧客から欠陥を指摘されても、行政に必要な報告をせず、ひそかに修理を繰り返していた。
 この問題では、大型車の死亡事故が複数発生し、当時の経営幹部の有罪判決が確定している。
 その後、三菱グループの出資で危機を回避したのに、12年にも軽自動車のオイル漏れの不具合で、国土交通省から「リコールに消極的」と厳重注意された。
 今回の不正はほとんど間を置かずに再発した。
 車は性能とともに安全性も厳しく問われる。消費者を欺く行為は断じて許されない。
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河北新報 2016年04月22日金曜日
社説:三菱自 燃費不正/隠蔽体質 徹底して切り込め


 「またか」と思った人が、少なからずいたはずだ。2000年以降、リコール(無料の回収・修理)隠しやヤミ修理の発覚が相次ぎ、世間から指弾を浴びた三菱自動車
 今度は軽自動車の燃費を良く見せようと、虚偽データを使い、不正を行っていたことが明らかになった。度重なる背信行為に開いた口がふさがらない。
 一般ユーザーはカタログに示された燃費データの真偽を確かめるすべがない。その信頼を裏切った罪は重い。リコールの対象でないとはいえ、会社側はかかったあらゆる費用の補償をすべきだ。
 不正の手口は燃費試験でタイヤの路面抵抗や空気抵抗の数値を操作し、実際より燃費を5~10%程度良く偽装していた。対象は「eKワゴン」「eKスペース」と、提携先の日産自動車向け「デイズ」「デイズルークス」の計62万5000台に上るという。
 これ以外の車種でも国内法規の定めと異なるやり方で、燃費試験が行われていることが分かっている。さらに問題が拡大する恐れもあるだろう。今後、企業イメージの悪化で、会社の存立に関わる事態も予想される。
 不正は日産から指摘があるまで全く気付いておらず、社内調査を進めて初めて分かったというのはお粗末な話。自浄作用がないと批判されても仕方ないだろう。
 担当部署の部長が「私が指示した」と認めているが、組織的な関与があったかどうかは不明だという。立ち入り検査に入った国土交通省はもちろん、自ら第三者調査機関を早急に立ち上げ、たまりにたまったうみを出してほしい。
 軽自動車は税金を含めて維持費が安く、人気を集めている。節約志向のユーザーが注目しているのは燃費の良さ。出遅れた三菱自動車は、圧倒的なシェアを誇るダイハツ工業、スズキの2大メーカーに追い付こうと、焦りがあったのは間違いない。
 会社側は不正が意図的だったことは認めているものの、理由については「調査中」の一点張り。社内目標達成のために、何らかのプレッシャーがなかったのか。
 三菱自動車はリコールを避けるために部品の欠陥を隠して死亡事故を招くなど、不正を繰り返した前歴がある。その度に意識改革とともに一からの出直しを誓ってきた。
 しかし、今回の偽装発覚で「隠蔽(いんぺい)体質」が依然として、温存されていたことが浮き彫りになった。背景として、現場の人間が上役の顔色をうかがう傾向が強い企業風土を指摘する声もある。この際、体制を一新して組織の抜本改革に乗り出すべきだ。
 自動車業界だけではない。過去には耐震強度偽装、最近ではくい打ちデータの改ざん、性能不足の免震装置ゴムなど偽装が相次いでいる。結局責任の所在は曖昧で、現場に押しつけられた感がある。再発防止策が末端まで浸透されているかも疑わしい。
 このままでは、安全・安心を誇る「日本ブランド」が傷つく懸念がある。各企業はこれを他山の石として、コンプライアンス(法令順守)を徹底してほしい。
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信濃毎日新聞(2016年4月22日)
社説:三菱自動車 不正繰り返す企業体質


 またあの会社か、と受け止めた人も多いのではないか。
 燃費性能を実際より良く見せるための不正が三菱自動車で発覚した。自社ブランドの軽自動車2車種と日産自動車向けに生産している2車種で、燃費性能を実際より5〜10%ほど高く見せ掛けていた。
 2000年にリコール隠しで強制捜査を受けている。02年には車両の欠陥による死亡事故が起き、元社長が業務上過失致死容疑で逮捕された。有罪判決が確定している。04年にも新たなリコール隠しが発覚した。
 一連の問題で経営は悪化。立て直しのため三菱グループから支援を受けつつ、企業体質の刷新を進めてきたはずだった。
 今度のごまかしは日産自動車からの指摘で発覚した。三菱自動車内部からは、不正を正そうとする動きは出なかった。
 自浄能力が欠けていることを裏書きする。体質は改まっていないと見なされても仕方ない。
 顧客に示した燃費で想定される燃料代と実際にかかる燃料代との差額を補償することを検討するという。燃費は車を選ぶときの大事な判断材料の一つになる。補償するのは当然だ。
 4車種はエコカー減税の対象になっている。減税が取り消された場合にも補償は必要になる。
 買った人から車両を引き取るよう求められるかもしれない。誠実に対応するほかない。
 日産自動車に対する補償の問題も避けて通れないだろう。
 経営はリコール隠しなどによる打撃から少しずつ立ち直ってきていた。15年3月期の連結決算の純利益は過去最高を記録、ようやく今後への見通しが開け始めたところだった。
 今度の不正の対象台数は60万台を超える。4車種の生産、販売は既に停止された。経営面への影響は避けられまい。顧客をだました付けは重い。
 フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れ、雪印食品や日本ハム子会社の産地偽装、旭化成建材のくい打ちデータ流用など、企業の不正が後を絶たない。企業に対してユーザー、消費者が向ける目はますます厳しい。
 不正に手を染めた企業の多くはその後業績悪化に苦しんでいる。最悪の場合、存続が危うくなることもあり得ないわけではない。
 企業経営者は三菱自動車の問題を他山の石に、コンプライアンス(法令順守)について改めて社内を点検してもらいたい。
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[京都新聞 2016年04月22日掲載]
社説:三菱の燃費不正  懲りぬ体質にあきれる


 またしても重大な背信である。
 三菱自動車が軽自動車4車種の燃費性能を実際よりも高くみせかけて販売していた。2013年6月以降の「eKワゴン」や、共同開発した日産自動車の「デイズ」など計62万5千台に上る。
 三菱自は00年と04年にも、リコール(無料の回収・修理)を避けるため部品の欠陥を大がかりに隠蔽(いんぺい)していたことが発覚し批判を浴びた。02年には欠陥によって横浜市で母子3人が死傷、山口県でも運転手1人が死亡する事故を招き、一時は経営危機に陥った。
 根本から出直したはずが、企業体質は全く改まっていなかったことになる。しかも今回の不正発覚は日産の指摘がきっかけだ。自浄能力のなさにあきれるほかない。
 燃費性能は、消費者が車を選ぶ時に重視する要素の一つだ。eKワゴンはガソリン1リットルあたり30・4キロが公表値だが、4車種で実際より5~10%水増ししていた。
 社内調査によれば、開発時の性能実験担当の部長が不正を指示したという。経営陣の関与はなかったのか、燃費の他に安全性能にごまかしはないのか、国や第三者による徹底した調査が必要だ。4車種以外でも行っていたという不適切な試験方法の実態も明らかにしなければならない。
 維持費を含めて低コストの軽自動車は、消費者の人気が高く、燃費性能がエコカー減税の額に反映されることもあって各社の開発競争が激しい。三菱自は国内新車販売台数の約6割を軽自動車が占めるが、市場占有率ではライバル社に大きく水をあけられており、焦りがあったとみられている。
 販売拡大、目標達成への過剰な社内圧力から不正に走る構図は、これまで多くの企業の不祥事で指摘されてきた。そのたびに繰り返される「法令順守を徹底する」という言葉が空疎に聞こえる。とりわけ日本を代表する自動車産業での不正は、国内のものづくり全体の信用を損ないかねない。三菱自はあらゆる努力で悪弊を断ち切らねばならない。
 国の性能審査・認証のあり方も問われる。審査はメーカー側の試験データに基づいて行われており、偽装を見抜く手だてに欠ける。海外では独フォルクスワーゲンによる排ガス不正も起きている。メーカーの申告データを細かく公開し、外部からもチェックできるようにするなど、客観性を担保する仕組みが要る。
 今回と同様の不正が他にも広がっていないか、国と各メーカーはしっかり点検してほしい。
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神戸新聞 2016/04/22
社説:三菱自の不正/根が深い組織の隠蔽体質


 リコール(回収・修理)隠し問題が発覚して一時は経営危機に陥った三菱自動車で、またしても不正が明るみに出た。
 2013年以降、自動車の燃費試験で本来よりも燃費を5~10%良く見せる不正行為があった。対象は軽自動車の4車種で、合計62万5千台に上る。日産自動車向けの軽自動車が約47万台含まれていた。
 昨年11月、軽自動車の開発などで提携する日産の指摘がきっかけで判明した。4車種はエコカー減税の対象外となる可能性もある。安全性には問題がなくリコールはしない方針だが、消費者の信頼を裏切った責任は重い。なぜ不正が繰り返されたのか。経営責任が厳しく問われる。
 国土交通省は道路運送車両法に基づき関連施設を立ち入り検査した。他の車種に広がる可能性も指摘される。国交省は実態を把握し、厳正に対処しなければならない。
 三菱自によると、車両走行時の抵抗値を社内で検査して国交省に報告する際に、意図的に有利なデータを伝えていた。
 第1性能実験部が関与していたとみられ、元部長が指示したことを認めているという。燃費に関する社内目標値を達成するためだったとして、経営陣などからの指示や圧力は否定したと説明した。
 外部有識者による委員会を設置するとしている。原因や背景について徹底した調査が必要だ。
 軽自動車は燃費性能が売れ行きに大きく影響する。目先の業績を優先し、コンプライアンス(法令順守)を軽視する組織風土が根底にあったのではないか。
 三菱自は00年のリコール隠しなどで経営危機に陥り、信頼回復に努めている最中だった。04年に取締役会の諮問機関として有識者らによる企業倫理委員会も設置していたが、組織体質の改善には至らなかった。
 不正会計問題の東芝、免震装置ゴムのデータ改ざんの東洋ゴム工業、くい打ちデータ改ざんの旭化成子会社など、企業の不祥事が後を絶たない。共通するのは、自由にモノが言えない組織の風通しの悪さや、法令より業績を優先する体質だろう。
 相川哲郎社長は会見で、悪い情報も隠さずに報告する組織の見直しに言及したが、隠蔽(いんぺい)体質の根は深いと言わざるを得ない。今度こそ社員の意識改革を徹底すべきだ。
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中国新聞 2016/4/22
社説:三菱自の燃費不正 なぜ教訓を生かせない


 悪質なリコール隠しで経営危機を経験した三菱自動車で、またも不正が発覚した。今度は軽自動車の燃費を実際より良く見せるため、試験データを都合よく操作していた。消費者を欺いた「罪」は重い。
 対象は、2013年に発売した自社の「eK」シリーズと、日産自動車に供給している「デイズ」シリーズの4車種計62万5千台に上る。国土交通省に報告し、カタログなどに記載した燃費が実際よりも5~10%良くなっていたという。
 問題の車種を買った後に「思ったよりは燃費が悪い」と納得できなかった人もいたはずだ。燃費性能は販売面で大きな「武器」になり、売れ行きも左右する。その数値を水増ししたとあっては「詐欺的」といわれても仕方なかろう。
 三菱自の不正行為が明るみに出るのはこれで3度目となる。2000年にはリコールにつながる大量のクレーム情報を隠蔽(いんぺい)し、04年にも大型トラックの車輪部品の欠陥を隠して元社長たちが逮捕された。不正が横行する企業体質を転換する再建計画をまとめ、「自動車メーカーとして存続する最後の挑戦である」と誓ったはずだ。
 記者会見で、相川哲郎社長は「少しずつ石垣を積み重ねるよう改善してきたが、全社員にコンプライアンス意識を徹底する難しさを感じた」と述べた。まさに信頼は「築城十年、落城一日」である。再発防止の道筋をつけるのが先決と強調するが、「負の連鎖」を断ち切れなかった経営責任は免れない。
 データの不正には複数の社員が関わっているとみられる。会社として外部の有識者による委員会を設け、調査を進めるという。組織的な関与が本当になかったのか。なぜ歯止めをかけられなかったのか。今度こそ徹底的に解明する必要がある。
 昨年9月にはドイツのフォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れが発覚したばかりだ。自動車業界の激しい販売競争の中で起きた不正であり、今回と構図は変わらない。歯止めはないのだろうか。
 燃費などの測定は実際に公道を走らせるわけではない。メーカーがそれぞれ測定装置でエンジンを動かしたりタイヤを回転させたりして算出する。各メーカーとも、より良いデータを得ようと躍起になる。三菱自はタイヤなどにかかる抵抗値などを不正に低く操作し、燃費を良く見せかけていた。「社内の目標値を達成するため不正をした可能性がある」と説明するが、あまりにも自分勝手であり、ユーザーならずとも理解し難い。
 報告を受ける国交省側も担当者がメーカーの試験に立ち会うことはなく、不正を見抜くのは難しい。今回の不正も供給先の日産からの指摘を受けて発覚した。両社で調査し、4月になって不正が判明した。業界内で、燃費以外の性能試験でも不正が行われていた疑念は拭えない。国交省は、ほかの自動車メーカーにも調査を指示した。
 不正が判明した車種の生産と販売は既にストップしている。三菱自は安全性に問題がないとしてリコール対象とせず、所有者には燃料代などの補償を検討しているという。経営に深刻なダメージを負うのは確実だろうが、まず消費者への誠意を尽くすべきなのは言うまでもない。
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