2016-04-27(Wed)

三菱自動車燃費不正 社説等(3) 断ち切れぬ悪しき体質

また消費者を裏切った  繰り返された消費者への裏切り  地域の雇用に懸念大きい

<各紙社説・論説>
山陰中央新報)三菱自動車の燃費不正/徹底的な原因究明が必要(4/22)
山陽新聞)三菱自の燃費不正 地域の雇用に懸念大きい(4/23)
愛媛新聞)三菱自の燃費不正 繰り返された消費者への裏切り(4/23)
徳島新聞)三菱自の燃費不正 また消費者を裏切った (4/22)
高知新聞)【三菱自動車不正】断ち切れぬ悪しき体質(4/22)
琉球新報)三菱自動車不正 企業体質改め真の再生を(4/22)




以下引用



山陰中央新報 ('16/04/22)
論説 : 三菱自動車の燃費不正/徹底的な原因究明が必要


 三菱自動車が自動車の燃費試験で性能を実際より良く見せる不正行為をしていたことが分かった。同社は過去にも大規模なリコール(無料の回収・修理)隠しが発覚して社会問題となったことがあり、企業体質に重大な疑念を感じる。徹底的な原因究明に努めるとともに、経営責任を明確にするべきだ。
 相川哲郎社長が20日に記者会見して明らかにしたところによると、三菱自は2013年以降、国土交通省に報告する燃費試験のデータに手を加えて5~10%程度良く見せかけていた。対象は軽自動車4車種の計62万5千台で、生産・販売を停止した。安全性には問題なく、リコールは実施しない見通しという。
 三菱自の不正行為が明らかになったのはこの十数年で3回目で、またもや消費者の信頼を裏切った。あしき企業体質は改善されていなかったと見られても仕方がない。
 三菱自は00年にリコールにつながるクレーム情報を隠していたことが発覚し、04年にも過去に同様の不正をしていたことが判明した。これらの不正でタイヤ脱落による死傷事故が発生するなどして販売台数が激減。経営危機に陥ったが、三菱グループの支援を受けて再建し、15年3月期連結決算で過去最高の純利益を上げた。
 しかし、今回の不正でブランドイメージは再び大きく傷ついた。問題の4車種はエコカー減税の対象から外れる可能性もあり、三菱自はその場合に生じた負担は穴埋めするとしている。補償の金額はともかく、自動車の販売に影響が出るのは必至で、業績に大きな打撃を受けるのは避けられないだろう。
 4車種は13年6月から生産を開始し、当時の担当の部長が不正を指示したという。三菱自は外部識者による調査委員会を設置し、誰が関与したかなど不正に至る経緯を調査する方針だ。ユーザーの信頼回復と再発防止のためには、不正が行われた過程を解明することが必要だ。
 三菱自では現場の社員が上役の顔色をうかがう傾向が強く、それが不正を生む土壌になったのではないかとの指摘もあり、調査委には同社のガバナンスの在り方にもメスを入れてもらいたい。相川社長をはじめ経営陣は、調査委の報告を得た上で、責任の取り方を考えるべきだ。
 燃費性能は消費者が自動車を購入する際に重視する要素の一つで、売り上げに大きく影響するため、燃費を巡るメーカー間の競争は激しい。三菱自は「社内の目標値を達成するため不正をした可能性が大きい」と説明している。
 ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れは、燃費とは異なるが、自動車業界の激しい競争の中で起きた不正で、構図は同じだ。三菱自以外にも、また燃費性能以外でも、類似の不正が行われていないかという疑いを招きかねない。
 国交省は三菱自に不正の詳細報告を求めるとともに、他の自動車メーカーにも、同様の不正がないかを報告するよう指示した。各社は足元を徹底的に点検し、消費者の疑念を払拭(ふっしょく)してほしい。一方でメーカーの試験に国交省の担当者が立ち会うことはなく、不正を見抜くのは不可能だという。試験の在り方を見直すことも考えるべきだろう。
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山陽新聞 (2016年04月23日 08時44分 更新)
社説:三菱自の燃費不正 地域の雇用に懸念大きい


三菱自の燃費不正 地域の雇用に懸念大きい
不祥事がまたも繰り返されてしまった。
 三菱自動車が軽自動車4車種で、燃費性能を実際よりもよく見せかける不正を行っていたことが分かった。2000年と04年に、大規模なリコール(無料の回収・修理)隠しが発覚し、経営危機に見舞われたが、三菱グループの支援を受けるなどで再建を進めてきた。だが、法令順守など過去の教訓は生かされなかった。企業体質に問題があると言われても仕方あるまい。
 新たに、国内法の規定と異なる手法で燃費データを測定していたことも判明した。
 国土交通省は不正が発覚した三菱自の名古屋製作所・技術センター(愛知県岡崎市)を道路運送車両法に基づき、立ち入り検査した。同社は外部有識者による調査委員会を設け、不正に至った経緯などを調べる。調査を徹底し全容解明を図らねばならない。
 今回の不正は、消費者はもちろん、リコール隠し以降、会社の再建に向けて真摯(しんし)に現場でものづくりに励んできた従業員をも裏切る格好となった。三菱自水島製作所(倉敷市)の従業員や、水島製作所と取引がある部品メーカーの関係者にとっては、やりきれない思いが強いだろう。
 データ改ざんの対象となったのは「eKワゴン」や日産自動車向けの「デイズ」など計62万5千台だ。燃費を測定する走行試験の際、国に提出するデータを操作していた。
 燃費性能は車を選ぶ重要な判断材料である。不正は第1性能実験部が関与していたとみられ、当時の部長が「私が指示した」と認めているという。ライバル社との開発競争の中で、性能面で見劣りしないよう偽装した疑いがある。
 車の燃費や環境性能を巡っては昨年、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れが問題となった。相次ぐ不正で、自動車業界の信頼は大きく揺らぎかねない。三菱自の不正発覚を受け、国交省が他の自動車メーカーに対し、同様の不正がないかを報告するよう指示したのは、当然といえよう。
 懸念が大きいのは水島製作所など地域への影響だ。同製作所は15年に約30万9千台を生産しており、このうち燃費不正が明らかになった4車種が6割を占める。不正発覚を受け、対象車種は生産停止に追い込まれている。停止は数カ月に及ぶとの見方もある。
 岡山県はおととい、県幹部による緊急対策会議を開き、県内の関連企業の支援に向け、情報収集を進めることを確認した。今月末に、県商工会議所連合会や金融機関などを集めて対策会議を開くのをはじめ、相談窓口の開設や、雇用維持に向けた融資制度の創設などについて準備、検討を進める方針だ。
 水島製作所と構内の協力会社、近隣の部品メーカーの従業員は計約1万2千人に上る。雇用の維持、安定のために万全の措置を講じることが求められる。
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愛媛新聞 2016年04月23日(土)
社説:三菱自の燃費不正 繰り返された消費者への裏切り


 消費者の信頼を裏切る悪質な不正が、また繰り返されたことに強い憤りを覚える。
 三菱自動車が、軽自動車の燃費試験データを偽装し、燃費を実際より良く見せる不正を行っていた。2000年と04年に大規模のリコール隠しが相次いで発覚し世間の批判を浴び、信頼回復に取り組んできたはずだ。だが教訓は全く生かされなかった。命を乗せる車をつくる資格さえ問われよう。
 不正発覚のきっかけは、昨年秋の日産からの指摘だった。対象は13年以降に生産の2車種と日産自動車向け2車種の計62万5千台に上る。安全性能に問題はないとはいえ、消費者は燃費の良い軽を求めている。そんな消費者を欺いて表示偽装し、販売を伸ばそうとした罪は重く、到底許されない。
 不正があった車は、エコカー減税の対象外となる可能性がある。三菱自はユーザーの負担が発生した場合は穴埋めする方針だが、今後の補償や買い取りを含め、誠実に対応すべきだ。
 社内調査によれば、軽以外の車種でも、国内法規と異なる手法で燃費試験を行ったことが分かった。さらに問題が拡大する恐れがある。ブランドイメージの悪化でユーザー離れが進み、業績悪化は避けられない。会社の存続の危機との認識を持たねばならない。
 不正は性能実験担当の部長が指示したという。現場だけの判断なのか、経営陣の関与があったのかは不明だとしている。昨年、新型車の開発遅れの報告を怠った開発部門の管理職を諭旨退職処分にした会社だ。現場への強い圧力があった可能性もある。調査に当たる外部有識者による委員会は、不正の実態と原因を徹底解明し、たまったうみを出し切らねばなるまい。
 三菱自は「社内の(燃費の)目標値をクリアするために不正に走った可能性が大きい」と明かした。ダイハツ工業やスズキに後れを取るだけに「焦り」があったのは確かだろう。しかし企業の都合を優先し、消費者をないがしろにしていいはずはない。これほど深刻な不祥事でありながら、社長が知ったのは今月13日。企業統治が欠如しているのは明らかだ。
 これまでも部品の欠陥を隠して死亡事故を招くなど、度々不正を起こしている。経営危機に陥った04年には三菱グループの支援を仰ぎ、意識改革を誓って徐々に業績は回復した。しかし肝心の「隠蔽(いんぺい)体質」は変えられなかったと断じざるを得ない。この際、体制を一新し組織の抜本的な改革に乗り出さなければなるまい。
 昨年、独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制逃れが発覚したが、三菱自の不正によって日本車全体の信用が失われかねない。他の会社もこれを機にチェック体制を強化する必要がある。消費者の信頼を回復するため、国土交通省もメーカーの申告データに基づく検査制度を見直すなどの検討を急ぎたい。
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徳島新聞 2016年4月22日付
社説:三菱自の燃費不正 また消費者を裏切った



 三菱自動車でまた不正が明らかになった。消費者の信頼を裏切る行為であり、決して許されない。
 軽自動車4車種で、燃費性能を実際より良く見せかけていたもので、燃費を測定する走行試験を行う際に、国に提出するデータを意図的に改ざんしていた。
 実際の燃費について同社は「カタログに記載されている値と5~10%の乖離(かいり)がある」と説明したが、燃費は車を購入する上で大きな判断材料の一つとなる。それをごまかすのは、消費者をないがしろにするものだ。
 4車種はエコカー減税の対象から外れる可能性もある。所有者に負担が生じる場合、同社は、自ら穴埋めする方針を示した。十分に対応するのは当然だ。
 国土交通省は、道路運送車両法に基づき、関連施設を立ち入り検査した。燃費試験のデータを操作した方法などを解明した上で、行政処分を検討する構えだ。
 提出データの信頼性を損なった同社の責任は重い。厳しく検証しなければならない。
 見過ごせないのは、同社が過去にもリコール(無料の回収・修理)を避けるために、部品の欠陥を隠して死亡事故を招くなど、不正を繰り返してきたことである。
 2000年7月に、顧客からの不具合情報を隠し、ひそかに修理する「ヤミ改修」を約30年にわたって続けてきたことが発覚した。
 それ以降もリコールは一部にとどまり、02年1月には、横浜市で大型車から脱落したタイヤが母子3人を直撃し、死傷させた。同年10月には、山口県で部品脱落によるトラック衝突事故が起きて運転手が亡くなっている。
 そのたびに企業倫理が問われ、批判を浴びてきた。同社は何度、再発防止を誓ってきたのか。
 今回の問題で、ブランドイメージが再び悪化するのは必至だ。失った信頼を取り戻していくのは並大抵のことではないだろう。
 同社の社風には、現場の人間が上役の顔色をうかがう傾向が強くあり、それが不正の一因になってきたとも指摘されている。
 いまだにそうした、あしき体質がはびこっているとするなら由々しき問題だ。
 昨年の同社の国内新車販売台数は約10万台で、このうち軽自動車は約6万台を占めている。メーカー間の燃費競争は激しく、燃費に関する社内の目標値を達成するため不正に走った可能性が大きいとみられている。
 同社は、外部有識者による委員会を設置し、誰が不正に関与したのかなどを調査するとしている。経営陣の圧力はなかったのかどうかを含め、詳しい経緯を明らかにしていく必要がある。
 もとより経営陣は、責任の所在を明らかにしなければならない。消費者の厳しい目が注がれていることを忘れてはならない。
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高知新聞 2016.04.22 08:09
社説:【三菱自動車不正】断ち切れぬ悪しき体質


 消費者軽視の体質が残っていた。そう思わざるを得ない。
 三菱自動車が、軽乗用車の燃費試験で、意図的に数値を良くして国に報告する不正を行っていた。同社が車を生産し供給している日産自動車から指摘を受け、発覚した。
 2000年と04年の度重なるリコール(無料の回収・修理)隠しで、三菱自は厳しく批判され、経営危機に陥った。12年にはリコール遅れもあった。信頼回復に努めていたはずだが、悪(あ)しき体質の根を断ち切れていなかったことを露呈した。
 不正は、「eKワゴン」や日産向けの「デイズ」などの燃費計測試験で行われていた。
 試験は、検査場内の装置上を走らせ、排ガスから燃費を算出する。この装置に設定する空気抵抗や、タイヤが転がる際の抵抗の値を国に報告して認証を受ける。その値は本来、複数の中から中央値を取らなければならない。
 しかし、三菱自は燃費が良くなる数値を報告していた。試験は国が立ち会わず、信義則で続いていた。不正は試験の前提を覆す悪質な行為だ。国は試験の在り方を検討する必要がある。
 環境保護と経費を考え、マイカー購入の場合、燃費性能を判断材料にする人が増えている。維持費が安く価格も手頃な軽乗用車には人気が集まっている。
 不正の対象は4車種、計62万5千台に上る。安全性に問題はなく、同社はリコールしないというが、こうした姿勢のメーカーの車を安心して運転できるだろうか。
 問題は、日産からの問い合わせがきっかけになったことである。日産は独自に燃費を計測した結果、数値の差に気付いた。この社外の目がなければ、今回の事態は表面化しなかった可能性が高い。 
 試験を担当する部署の以前の部長が不正を指示したことを認め、社内目標を達成するためだった、としている。上層部の圧力は否定しているものの、疑問は残る。
 三菱自は、外部の有識者による委員会を設けて詳しい経緯などを調べる。徹底的な調査で全容を解明するよう求めたい。
 三菱グループは安芸市出身の岩崎弥太郎が礎を築いた。グループ会員企業は今や640社を数える。
 リコール隠しの際には、巨大グループからの需要に依存し、一般の消費者を軽視する意識が社内にまん延している▽安全も国も軽視する▽隠蔽(いんぺい)する―など同社の企業体質に批判が集まった。
 深刻な経営危機に陥った同社はグループ有力企業などの支援のほか、産業活力再生法(当時)の適用も受け、税の軽減措置などによって再建を果たしている。
 コンプライアンス(法令順守)を掲げながら、またもや消費者を裏切る行為である。
 企業イメージは再び大きく傷ついた。地に落ちた信頼の回復は可能だろうか。
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琉球新報 2016年4月22日 06:01
<社説>三菱自動車不正 企業体質改め真の再生を


 三菱自動車が燃費試験で不正行為を働いていた。2000年代に発覚した一連のリコール(無料の回収・修理)隠し問題を契機に、三菱自は過去の企業風土との決別を宣言したはずではなかったのか。
 燃費向上競争が激化する中、三菱自は自社目標をクリアできず13年以降、軽自動車4車種の燃費試験で意図的に本来よりも燃費を5~10%程度良く見せていた。
 コンプライアンス(法令順守)の欠如も甚だしい。やるべきことは不正ではなく、目標を達成できなかったことを報告することだ。それが言えない雰囲気が社内にあったのではないか。
 2車種の供給を受ける日産自動車からの指摘をきっかけに不正が発覚したことは、自浄作用がなかったことの証しと言えよう。
 理解できないのは社長への報告が不正発覚から約5カ月後だったことだ。経営トップに法令違反があったことを即座に伝え、解決を図ることは企業としての常識であり、責務である。
 計62万5千台で不正があったが、それだけで収まりそうにない。4車種以外でも02年以降、国内法で定められた方法と異なる試験方法でデータを集めていたという。不正行為台数はさらに広がる可能性がある。
 不正を見抜けなかった国土交通省にも責任の一端はある。検査・認証体制を早急に見直すべきだ。
 三菱自は顧客からの不具合情報を隠し、ひそかに修理するヤミ改修を約30年にわたり続けていたことが00年に発覚した。だがその後もリコールは一部にとどまり、死傷事故が発生した。整備不良が原因とし、部品の欠陥を長年隠蔽(いんぺい)していたことで、世論の強い批判を浴び、経営危機にも陥った。
 その反省は生かされていないと断じざるを得ない。
 三菱自は想定される燃料代と実際にかかった差額分の補償を検討するというが、それで済む話ではない。企業としての責任を明確にする必要がある。
 度重なる不正がありながらも三菱ブランドを信頼し購入した顧客、そして性能に自信を持って顧客に勧めた販売会社への重大な背信行為であることを、社全体で認識し、反省する必要がある。
 三菱自は企業体質を今度こそ改め、真の再生を果たしてほしい。それができなければ、企業として存続する価値はないと深く認識すべきだ。

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