2016-04-27(Wed)

熊本地震 被災者生活支援 社説等 160427

罹災証明」出せる体制急いで 住宅の倒壊/耐震改修を急ぎ命を守れ
災害弱者支援--福祉避難所の検証必要 避難所運営---女性や障害者に目配りを
被災者受け入れ--不安解消へサポートしたい 熊本地震・九州新幹線--安全最優先を求めたい
続く臨時休校--再開へ知恵を出し合おう  地震に負けない強く柔軟な供給網めざせ 
補正予算案 被災地のニーズ把握を的確に


<各紙社説・主張>
読売新聞)熊本補正予算案 被災地のニーズ把握を的確に(4/27)
日本経済新聞)地震に負けない強く柔軟な供給網めざせ (4/27)
しんぶん赤旗)被災者の生活支援 「罹災証明」出せる体制急いで(4/27)
神戸新聞)住宅の倒壊/耐震改修を急ぎ命を守れ(4/27)
西日本新聞)避難所運営 女性や障害者に目配りを(4/27)
熊本日日新聞)続く臨時休校 再開へ知恵を出し合おう(4/27)
宮崎日日新聞)被災者受け入れ 不安解消へサポートしたい(4/27)
南日本新聞) [熊本地震・九州新幹線] 安全最優先を求めたい(4/27)
沖縄タイムス)[災害弱者支援]福祉避難所の検証必要(4/27)




以下引用



読売新聞 2016年04月27日 03時06分
社説:熊本補正予算案 被災地のニーズ把握を的確に


 熊本地震の復旧を円滑にするため、政府が2016年度補正予算案を編成することになった。
 規模は5000億円を上回る見通しだ。5月13日にも国会に提出し、19日までの成立を目指す。
 補正予算案は、被災者の生活再建支援策、道路や橋といったインフラ(社会基盤)の復旧事業などが柱となる。
 広範囲で住宅が倒壊・損傷し、多数の被災者が避難所や車中での生活を強いられている。仮設住宅の早急な建設や民間住宅の借り上げなど、住宅の確保策に、十分な予算を配分したい。
 当初は、8月にも臨時国会を開き、補正予算案を成立させるとの見方もあった。安倍首相が「先手先手で機動的に対応する」との考えを示し、前倒しを指示した。
 通常は1か月ほどかかる激甚災害の指定も、本震の9日後の4月25日に行われた。被災自治体の復旧事業に対する国の補助率は、7~8割から最大9割に高まる。
 熊本地震の深刻な被害を踏まえて、政府がスピード感を持って政策対応したのは妥当である。
 安倍首相は、民進党の岡田代表ら各野党党首と個別に会談し、補正予算案の早期成立を図ることで一致した。夏の参院選を意識した思惑もあろうが、与野党の協力は歓迎できる。
 余震が続く中、生活道路や水道など、被災者の暮らしに欠かせないインフラ復旧は遅れている。
 大切なのは、被災地のニーズを的確に把握し、緊急度の高い事業を優先して実施することだ。そのためには、市町村が中心となって被災地の実情を調べ、国と情報交換することが欠かせない。
 被災地の自治体では、避難所の運営などに職員が忙殺され、復旧・復興に手が回っていない問題も指摘されている。
 全国の自治体に災害対応の経験豊富な職員の応援を仰ぎ、マンパワー不足を補う必要がある。
 道路などの復旧費は、必要額の算定に時間がかかることから、使途を特定しない予備費として計上する方向だ。実情に応じて機動的に支出できるようにするための工夫と言える。
 ただし、自由度の高い予備費の利点が逆手に取られ、不要不急の施策に無駄遣いされる恐れもあるのは気がかりだ。
 予備費の支出内容に財務省がしっかり目を光らせるのはもとより、事後的なチェック体制も構築し、予算執行の透明性を高めることが求められる。
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日本経済新聞 2016/4/27付
社説:地震に負けない強く柔軟な供給網めざせ


 熊本地震で多くの工場や流通網が機能不全に陥った。各企業や工場は取引を通じて密接に結びついており、ひとつの工場が止まれば、影響は広範に及ぶ。
 日本で地震の恐れがない場所はない。企業は工場などの耐震補強を急ぐとともに、万一に備えて代替生産手段の確保など非常時の対応を定めた「事業継続計画」の策定を進めてほしい。
 トヨタ自動車は熊本地震の影響により、国内のほぼ全ての工場で生産が大きく滞った。系列のアイシン精機の熊本市内の工場が損傷し、ドア部品などの供給が止まったのが原因だ。
 だが、生産再開の足取りはかなり早く、今週末までに全国で30あるトヨタの生産ラインのうち22で稼働を再開する見通しだ。
 アイシンは最初の地震の直後に対策本部を立ち上げ、被害状況の確認を急ぐとともに、一部品目の海外工場からの緊急輸入や国内他工場への生産移転を決めた。それが一定の成果を上げたようだ。
 一方で画像センサーをつくるソニーの熊本工場(菊陽町)のように損傷が激しく、再開のメドが立たない拠点もまだある。
 日本の製造業は東日本大震災の際に供給網が寸断され、生産が長期間止まった経験がある。当時課題として指摘された設備の耐震化や分散生産、取引網の「見える化」がどこまで進んだのか、今回の地震を通じて検証すべきだ。
 専門家の間では、大企業は事業継続計画などの対策がそれなりに進んだのに対し、中小企業の取り組みが鈍いという指摘が多い。
 単独での対応が難しいなら、他の中小企業や行政とも連携しつつ、災害時の打撃を最小限に抑える体制を整えてほしい。それが日本全体としての強く柔軟な供給網づくりにつながるだろう。
 非常時には企業の社会的責任も大きくなる。経済産業省によれば、熊本県内のコンビニエンスストアの99%が26日までに営業を再開した。本部社員が数百人規模で現地に入って支援した。
 都市ガス供給の再開に向けては、東京ガスや大阪ガスなど全国のガス会社が約2700人の人員を現地に送り込み、復旧作業を進めている。
 流通や物流、インフラの回復は被災した人が日常生活を取り戻すための欠かせない条件だ。地域を越えた企業間の連携で被災地支援を進めたい。
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しんぶん赤旗 2016年4月27日(水)
主張:被災者の生活支援 「罹災証明」出せる体制急いで


 記録的な地震に見舞われた熊本県内で、被災者が支援金などを受け取るのに不可欠な「罹(り)災(さい)証明書」の発行の遅れが問題になっています。被害が大きかった益城町と西原村、さらに阿蘇市では週明けまで受け付けさえ始まっていませんでした。被害が大きく、その後も連鎖的な地震の被害があり、自治体の職員が避難所の運営などにかかりきりになっているためです。証明書の発行が遅れれば、それだけ支援の実行も遅れます。国や県が応援の職員を派遣するなど、証明書が早く出せる体制づくりを急ぐべきです。
「遅滞なく」発行を
 「罹災証明書」は地震や風水害などの自然災害で住宅が大きな被害を受けた住民に、各市町村が発行を義務付けられている証明書です。被害割合が50%以上を「全壊」、40~50%の「大規模半壊」、20~40%は「半壊」などと認定します。証明書は、仮設住宅の入居申し込みや住宅の応急修理、被災者生活再建支援法にもとづく支援金の支給、全国から寄せられる義援金の配分、税金や保険料などの減免などに使われます。「罹災証明書」の発行は、被災者の生活再建にとって、文字通り不可欠です。
 「罹災証明書」による被害の認定は、災害の発生直後から行われている応急危険判定とは違います。危険判定は、専門の判定士が調査して、一軒一軒の建物に「危険」(赤)、「要注意」(黄)、「調査済」(青)の紙を張っていきます。例えば隣の家が倒れかかったような場合、「赤」が張られますが、住宅そのものに被害がなければ、被害判定では「全壊」にも「半壊」にもなりません。「赤」が張られ、あわてて解体したが、助成が受けられなかったケースもあります。被害が大きい住宅の場合は、さらに被災度区分判定もあります。
 被害認定にもとづく「罹災証明書」は、被災者の生活再建に直結するため、災害対策基本法でも「遅滞なく」発行することが求められています。実際、東日本大震災では、自治体そのものが大きな被害を受けたため証明書の発行が遅れ、支援金の支給や義援金の配分に支障が出たところがあります。今回の震災でも証明書の発行が遅れているのは、被害が大きく、自治体職員が被災者の救援などに手を取られているからです。政府や県が職員を派遣するなど、援助の手を差し伸べる責任は重大です。市町村任せではことは解決しません。
 被災した住民は自治体に証明書の交付を求めるとともに、「半壊」と認定されたが、被害が大きく「全壊」か「大規模半壊」にしてほしいなど、その内容に不満があるときは、再調査を要求することもできます。被災者の立場に立った、制度の活用が重要です。
支援制度の抜本改善を
 もちろん「罹災証明書」が発行され、支援制度を申請できても、現在の制度だけでは全く不十分です。「全壊」との認定で被災者生活再建支援法の支援金を申請しても、たかだか300万円では住宅の再建どころか解体費用で消えてしまいます。自治体独自で解体や再建の費用を支援するところもありますが、支援法を抜本改正し、被災者が暮らしを取り戻せるように充実させることが必要です。
 「罹災証明書」の発行を急ぎ、被災者の立場に立った対策を推進することが緊急に求められます。
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神戸新聞 2016/04/27
社説:住宅の倒壊/耐震改修を急ぎ命を守れ


 崩れ落ちた民家や1階駐車場の柱が座屈したマンション。熊本地震の被災状況は、阪神・淡路大震災と重なる部分が多い。建物倒壊で多くの命が失われた点も共通する。
 災害時に対応拠点となる市役所が損壊した例もあった。教訓を生かした対策が十分に進んでいなかったことは残念と言うしかない。
 震度7の揺れでいったん避難所に身を寄せた後、自宅に戻って16日の「本震」に襲われ、倒壊した家屋の下敷きになった住民もいたという。
 東日本大震災後、津波被害に目が向きがちだったが、揺れに対する建物の安全性向上は最重要課題であることを肝に銘じたい。
 阪神・淡路では1981年以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅の被害が目立った。国は耐震改修の補助制度を設けるなどして住宅の耐震化率を2003年の約75%から20年に95%まで引き上げる目標を掲げる。しかし、13年時点で推計約82%にとどまり、震度6弱以上の地震で倒壊の恐れがある住宅が全国に約900万戸も残る。熊本県は08年時点で72%と全国平均を下回っていた。
 兵庫県は独自の耐震改修計画をつくり、15年度の住宅耐震化率を97%と国より高い目標を掲げた。だが、13年時点で85・4%で、旧耐震基準の住宅が約34万6千戸も残っていた。県は目標年度を見直して10年間延ばし、25年度に97%とする方針だ。それでも従来の2倍のスピードで耐震化を進める必要がある。
 耐震改修補助の上限を引き上げたり、寝室だけを補強する「防災ベッド」の補助制度を設けたりして改修を促しているが、目に見えて進んでいない。耐震化の遅れは、費用が高額なことに加え、工事などに関する情報不足も要因とされる。
 県は倒壊の恐れのある住宅を訪問し、所有者に改修の必要性を説明するなど、意識啓発にも力を入れるとしている。さまざまな方法で改修を促し、着実に前へ進めたい。
 近年、海溝型である南海トラフ巨大地震の発生が懸念されているが、今回、内陸型の活断層地震の危険性があらためて示された。兵庫県に甚大な被害をもたらす災害として山崎断層地震や上町断層地震なども発生の恐れが指摘されている。
 どの地震であっても住宅の耐震化は備えの基本である。命を守るための対策を急がねばならない。
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=2016/04/27付 西日本新聞朝刊=
社説:避難所運営 女性や障害者に目配りを/h3>
2016年04月27日 10時38分
 十分に眠れず、入浴もろくにできない。プライバシーすら保てない避難所生活が続けば、心身の疲労がたまるはずだ。
 熊本地震ではまだ4万人以上が、体育館などで生活している。
 熊本市などが仮設住宅の建設を検討しているが、入居まで相当の時間がかかる。地震が怖くて、夜は家で眠れない人も多いだろう。少しでも避難所生活の不便と不快を減らす方策を皆で考えたい。
 被災者の「自治組織」が立ち上がった避難所がある。協力して物資分配や清掃の分担を行い、生活環境の改善を図るのが目的だ。広がってほしい自助活動である。
 過去に起きた震災の避難所では、女性に対する配慮の不足が指摘された。その反省に立って、青森県のように運営のガイドラインを示した自治体がある。
 まず、最低限のプライバシーを守るために、段ボールなどで間仕切りを作る。さらに、男女別の更衣室、女性衣類の物干し場、授乳ができる乳幼児とお母さんのスペースなどを設けることを提案している。参考にしたい。
 子どもの世話や食事の炊き出しなどを女性任せにしないことも心掛けたいことだ。
 情報の提供は張り紙で行われることが多く、視覚障害者には伝わりにくいとの声がある。障害や持病のある人、妊婦、高齢者の要望や意見も踏まえ、苦しさを和らげる工夫を重ねてほしい。
 アウトドアメーカーがテントの無料貸し出しを実施した。段ボールの「個室」を寄付した企業もある。知恵を絞れば、いろんなアイデアが出てくるはずだ。被災者が必要とするものは、日を追って変化する。行政を仲介として被災者ニーズをしっかり把握し、支援を拡充する必要がある。
 ノロウイルスの感染が各地で相次いでいる。体力が落ちた高齢者には命取りにもなりかねない。トイレ環境の改善や手洗いの励行など感染症対策は喫緊の課題だ。
 力を合わせてこの苦境を乗り切り、次のステップである生活再建につなげていきたい。
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熊本日日新聞 2016年04月27日
社説:続く臨時休校 再開へ知恵を出し合おう


 熊本地震で県内の小中高校や特別支援学校は26日現在、計315校が長期の臨時休校を余儀なくされている。避難所となって住民を受け入れ、地域の拠点として存在感を示しているが、再開に向けては多くの課題が山積している。
 県教委や熊本市教委によると、26日に休校した公立校は▽小学校174校▽中学校78校▽高校(全日制、定時制)29校▽特別支援学校12校-の計293校。県私学振興課によると、私立中・高校22校も休校している。それぞれ当面の休校期間を、月内や連休明けとしているが、具体的に再開のめどが付いているとは言い難い。
 難題の一つが、各校が受け入れている避難者への対応だ。減少傾向にあるものの、県内全体で避難生活を送る人は4万人以上。避難先はさまざまだが、各地の学校も大きな役割を果たし、受け入れる側として教職員も奔走している。「被災者の生活が優先」(県教委)との判断は当然だろう。
 その中で、避難所との折り合いを図ろうとする動きも出てきた。約5800人が避難を続ける益城町は、被災した町総合体育館メインアリーナの補修を急ぐほか、支援物資の保管先となっている施設を整理するなどして、学校以外の5施設を新たな避難所にする考え。町内の小学校4校で避難を続ける住民を移し、学校再開を図りたいとしている。西原村や熊本市は、校内の空き教室などに避難所機能を集約し、学校と避難所との両立を目指している。
 ただ、身近な存在である学校に避難先を求める住民は少なくないはずで、南阿蘇村では集落の住民がいったん入った避難先を出て、閉校した地元の小学校に集団で移ったケースもある。避難の動向は見通せず、避難所を置く学校の再開に当たっては、被災者の思いを十分に酌み取る必要があろう。
 学校施設そのものの重大な破損や、通学路となる交通網が受けたダメージも学校再開への大きな壁となりそうだ。学校や幼稚園の163施設を対象とした熊本市の応急危険度判定では、計1267棟のうち134棟が「危険」と判定された。使用禁止の中には中学校1校の校舎や、武道場や共同調理場も含まれる。まずは施設の安全性を確保しなければならない。
 大規模土砂崩れで、阿蘇大橋が崩落し、国道57号とJR豊肥線が寸断された阿蘇地域の場合、高校生らの通学が長期間困難になるのは確実とみられる。25日に再開した大津町の大津高、翔陽高ではそれぞれ100人前後が欠席。多くは阿蘇地域の生徒で、マイクロバスでの通学支援や他校への編入・転校という対応も迫られそうだ。
 25日には熊本市の小学校1校や産山村の小中学校各1校が再開された。各地域にとって学校が活気を取り戻すことは、震災復興に向けた大きな一歩となるはずだ。再開後は児童生徒や教職員の心のケアや、遅れが生じた学習のサポートなども必要となる。知恵を出し合い、子どもたちの明るい声が響く学校を取り戻したい。
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宮崎日日新聞 2016年4月27日
社説:被災者受け入れ ◆不安解消へサポートしたい◆


 熊本地震の発生後、エコノミークラス症候群と診断された人やその疑いがあるとされた人は少なくとも約100人に上ることが分かった。長引く避難生活や「車中泊」により、さらに被害が拡大する恐れが指摘されている。
 こういった状況がある中、各地の自治体は公営住宅への被災者の受け入れを進めており、県内でも入居が始まっている。心身ともに疲れていると思われる。温かく迎えたい。同時に、いつでも安心して地元に戻ることができるよう、熊本の復旧が進むことを願う。
本県にも避難相次ぐ
 今回の地震は、揺れが長期間続き、建物崩壊や土砂崩れなどへの心配が大きい。建物内にいるのを避けて「車中泊」をする被災者も多く、エコノミークラス症候群の発症のリスクも高まっている。
 国は仮設住宅の資材を確保し、建設が可能になったと明らかにしたが、完成までは時間がかかる。
 また生活の見通しが立つまで、落ち着ける場所で今後のことを考えたいという人もいるだろう。
 各地の自治体が公営住宅の提供を表明しているが、本県は行き来もしやすい隣県だけに希望者を積極的に受け入れたい。
 県によると、熊本地震を受けて県内で公営住宅計595戸を確保。原則1年間、家賃、駐車場代を免除するなど、居住しやすい環境を整えている。26日現在、県と各市町村で計131件の問い合わせや相談を受けており、熊本市、益城町などから16世帯45人が、宮崎市、都城市、延岡市、小林市、門川町の公営住宅に入居。
 県教委によると、県教職員住宅にも1世帯2人の入居が決まった。公営住宅だけではなく、親戚や知人の家に身を寄せている人もいるだろう。
役立つ情報の提供を
 学校対応も進み、25日の時点で、県内8市6町の公立小中学校31校が、地震後に避難してきた児童生徒54人を受け入れている。
 大人も子どもも不便や不安をできるだけ感じずに済むよう、きめ細かなサポートが望まれる。
 居住地域を離れる避難形態は「広域避難」といわれ、東日本大震災以降、特に注目され始めた。
 被災地の避難所や仮設住宅と異なり、居住していた地域の情報やコミュニティーがなく、孤独を感じやすいことや、生活再建への計画が立てにくいことなどが指摘されている。仕事の都合などから家族が分かれて住む場合もあり、心が不安定にもなりやすい。
 本人の要望があれば、本県での生活情報も含めて、欲しい情報が手に届くようにサポートしたい。相談態勢も大切だ。
 民間でも支援の動きがみられる。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故後に本県に避難・移住してきた人を支援する「うみがめのたまご」は早速、県内に避難する熊本地震被災者の生活を支えようと、サポーターや見舞金の募集を始めた。頼もしい動きだ。
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南日本新聞 ( 2016/4/27 付 )
社説: [熊本地震・九州新幹線] 安全最優先を求めたい


 九州新幹線は、熊本地震で最後まで不通となっていた新水俣-熊本が復旧し、きょうにも全線開通する見通しとなった。
 寸断された九州自動車道も今月中に復旧する見込みである。九州の南北を結ぶ大動脈の復活で、被災地の再建に弾みがつくのは間違いない。
 大動脈の寸断は地震が直撃した熊本、大分両県にとどまらず、鹿児島県の観光や物流にも大きな影響を与えている。それだけにゴールデンウイーク(GW)前のインフラの復旧は喜ばしい。
 しかし、地震はまだ終息していない。新幹線の試験走行で不具合が見つかれば、開通の延期も考えられる。安全対策を最優先して運行してもらいたい。
 九州新幹線は14日夜の「前震」で回送列車が脱線し、全線ストップした。その後、20日に鹿児島中央-新水俣、23日には熊本-博多で運転を再開した。
 JR九州は、新幹線の全面開通をGW前の28日としていた。最大のネックだった熊本駅南での脱線車両の撤去が終わるなど、復旧作業が順調に進んだことが一日前倒しにつながったのだろう。
 ただ、再開しても安全対策の強化はこれからだ。早急に取り組む必要がある。
 衝撃だったのは、前震の震度7で新幹線の全6両が脱線したことだ。回送列車だったため、乗客にけが人などが出ることはなかったが、現場は営業運転でも使う下り線だった。営業運転中であれば、大きな被害が出た可能性もある。
 JR各社は、2004年の新潟県中越地震で営業運転中の上越新幹線が脱線した事故を契機に、防止対策を進めてきた。
 有効な対策の一つは「脱線防止ガード」の導入である。地震の激しい揺れで片側の車輪が浮き上がると、もう一方の車輪のフランジ(つば)がガードに引っかかって傾きが戻る仕組みだ。
 JR九州は、上下線約513キロのうち約55キロを整備する計画を立てている。これまでに出水断層帯に重なる川内-新八代の上下計約28キロに取り付けるなどしてきた。だが、脱線は実施予定のない区間だったという。今後は熊本地震が起きた断層帯の活動も考慮して設置箇所を拡大する方針だ。
 脱線しても転覆などを防ぐ「逸脱防止ストッパ」を取り付ける作業も順次進めるべきだ。被害を最小限に抑えるには、速度が出る区間やカーブなど危険な部分を優先して対策を取る必要がある。

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沖縄タイムス 2016年4月27日 05:00
社説:[災害弱者支援]福祉避難所の検証必要


 周りに迷惑がかかるからと一般の避難所に行くことをためらい、かといって福祉避難所を利用することもできない。
 熊本県を中心とした一連の地震で、体が不自由なお年寄りや障がい者が、より厳しい状況に立たされている。なぜ福祉避難所は機能していないのか。災害弱者を救う仕組みの再点検を求めたい。
 地震発生前、熊本市は民間の高齢者福祉施設など176施設と「福祉避難所」協定を結び、最大で1700人の入所枠を確保していた。
 福祉避難所は、介護や支援が必要な高齢者、障がい者のほか、認知症患者、妊婦らが、一般避難者に気を使うことなく安心して過ごせる場である。そのためバリアフリー化された高齢者施設や障がい者施設と協定を結んでいるケースが多い。
 今回の地震で熊本市に開設された福祉避難所は30余。受け入れ人数も想定の1割以下にとどまっている。
 施設自体が損傷し、職員が被災したり、もともとの入所者の世話で手いっぱいなど、現場はそれどころではなかったようだ。
 連続して震度7の地震に見舞われた熊本県益城町では、一般避難者が殺到したことから、福祉避難所の開設を断念している。
 そもそも介護の現場は忙しく、慢性的な人手不足である。自治体との協定には強制力がなく、職員の気持ちや努力だけで避難所を維持するのは難しい。
 協定が生かされなかった理由については、落ち着いた段階で検証してほしい。
■    ■
 福祉避難所は1995年の阪神大震災をきっかけに必要性が叫ばれた。東日本大震災では220カ所設置されたというが、その存在は周知されず、「支援の質」が指摘された。
 内閣府の調査によると、2014年10月時点で福祉避難所を指定しているのは全体の半分に満たない791自治体の7647カ所、うち県内は115カ所。  
 福祉避難所を含む指定避難所の場所について、9割の自治体が「周知している」と答えているのとは裏腹に、熊本地震でも周知不足に不満を訴える声が聞かれた。
 広報誌やホームページに載せるだけの周知では、高齢者など情報弱者には届きにくい。
 自力避難が難しい要支援者や家族には、あらかじめ民生委員や保健師などを通した丁寧な連絡が必要である。
■    ■
 福祉避難所を適切に機能させることは、現在困難に直面している人たちにとってはもちろん、国民の4人に1人が高齢者で、いずれ要支援者になるであろう私たちにとっても重要な問題だ。
 災害時に施設間で職員を派遣し合ったり、介護や医療ボランティアを優先的に配置するなど見えてきた課題もある。要支援者も参加した訓練も大切だ。
 熊本地震は、日本が地震国であることの恐怖を改めて思い起こさせた。次の災害に備え、国も仕組みづくりに積極的にかかわってほしい。
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